商標取消審判
2024-300119
ピカピカピカ、ピカ
- 審判番号
- 2024-300119
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2005-119517
- 登録番号
- 4969748
- 請求日
- 2024年02月21日
- 審決日
- 2025年02月25日
- 公報発行日
- 2025年07月25日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】メック ゲルハルト
- 【請求人代理人】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
- 【請求人代理人】森田 拓
- 【請求人代理人】松永 章吾
- 【請求人代理人】前川 純一
- 【請求人代理人】山崎 和香子
- 【請求人代理人】前川 砂織
- 【請求人代理人】大倉 桂子
- 【請求人代理人】岡野 真未子
- 【被請求人】東京瓦斯 株式会社
- 【被請求人代理人】弁理士法人不二商標綜合事務所
- 【被請求人代理人】伊東 美穂
- 【被請求人代理人】木村 吉宏
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 山田 啓之
- 審判官 大山 健
- 分類
- T132 .1 -Z (Y16)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の商標登録第4969748号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第4969748号商標の指定商品及び指定役務中、第16類「紙類,文房具類」についての登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第4969748号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり「ぴか」の平仮名、「ピカ」の片仮名及び「PIKA」の欧文字を3段で書してなり、平成17年12月20日に登録出願、第16類「紙類,文房具類」を含む、第16類、第35類、第39類及び第41類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同18年7月14日に設定登録され、同28年6月28日に存続期間の更新登録がされたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和6年3月12日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の期間(2021年(令和3年)3月12日~2024年(令和6年)3月11日)を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その請求の理由及び答弁に対する弁駁の理由を要旨次のように述べた。また、証拠方法として甲第1号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第16類「紙類,文房具類」(以下「取消請求商品」という。)について継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 弁駁の理由
請求人は、答弁について以下のように弁駁する。
(1)乙第3号証について
被請求人は、乙第3号証として、「がすてなーに ガスの科学館」でオリジナルグッズを販売しているコーナーの様子を示す写真を提出しているが、この写真において、本件商標を確認することはできない。また、被請求人も認めるとおり、この写真の撮影日は不明である。被請求人は、コーナー右端に置かれている小型のクリスマスツリーや、チラシ(拡大写真あり)上の「2024」及び「(ク)リスマスコンサート」の文字から、この写真が要証期間である2023年12月ごろに撮影されたものであることが分かると述べているが、要証期間外であってもこのような物品を陳列して撮影することは可能であることから、これらは写真が要証期間に撮影されたことを示すものではない。
(2)乙第4号証について
被請求人は、乙第4号証として、「シール(ステッカー)」の写真を提出し、乙第3号証に写っているものと同じ商品であると主張しているが、同じものであると認定する材料は見当たらない。加えて、この写真の撮影日も不明である。
また、乙第4号証には片仮名の「ピカ」の文字があるが、黄色のキャラクターの名前であり、商標としての使用はされていない。被請求人のウェブサイトの出力物(乙2)にも、「ピカ」はガスが生み出す電気のキャラクターの名前であることが記載されており、乙第4号証における「ピカ」の文字は、シールの商標として使用されていないことは明らかである。
なお、乙第4号証の「ピカ」の表示が、商品「シール」に関する商標として使用されているとする場合であっても、片仮名「ピカ」は本件商標と社会通念上同一の商標ではない。
(3)乙第5号証ないし乙第7号証について
被請求人は、乙第5号証ないし乙第7号証として、レシートを提出しているが、これらレシートに記載された「シール」が、乙第3号証及び乙第4号証のシールに対応していることを示す証拠はない。
よって、レシート(乙5~乙7)により、2023年8月、同年10月及び同年12月における、本件商標の使用は確認できない。
第3 被請求人の主張
1 答弁
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を、答弁書において、要旨以下のとおり述べるとともに、証拠方法として乙第1号証ないし乙第7号証を提出した。
(1)はじめに
以下に示す証拠方法から明らかなように、本件商標は、要証期間に日本国内において、被請求人によって、取消請求商品中の「文房具類」について使用されている。
(2)証拠方法について
ア 乙第1号証から、「シール」や「ステッカー」が、取消請求商品中の「文房具類」に含まれる商品であることが分かる。
したがって、本件商標が、要証期間に日本国内において、被請求人によって、「シール」や「ステッカー」について使用されていることが立証されれば、本件商標の登録は維持されるべきである。
イ 乙第2号証は、「がすてなーに ガスの科学館」に係るウェブサイトであり、「がすてなーに ガスの科学館」は被請求人が運営する施設であることが分かる。
ウ 乙第3号証は、「がすてなーに ガスの科学館」で、オリジナルグッズを販売しているコーナーの様子を示す写真であり、2023年12月10日に撮影されたものである。この写真から、同コーナーにおいて、シール(ステッカー)が販売されていることが分かる。
なお、乙第3号証の写真自体に日付は入っていないが、コーナー右端に置かれている小型のクリスマスツリーや、チラシ(拡大写真あり)上の「2024」及び「(ク)リスマスコンサート」の文字から、この写真が要証期間である2023年12月頃に撮影されたものであることが分かる。
エ 乙第4号証は、「がすてなーに ガスの科学館」で販売されているシール(ステッカー)であり、乙第3号証に写っているものと同じ商品である。当該シール(ステッカー)の右上部において、本件商標と社会通念上同一と認められる「ピカ」が表示されていることが分かる。
オ 乙第5号証ないし乙第7号証は、「がすてなーに ガスの科学館」で販売されているオリジナルグッズの月間売上を集計したレシートであり、乙第5号証が2023年8月分、乙第6号証が同年10月分、及び乙第7号証が同年12月分に関するものである。これらのレシートに掲載されている商品は、乙第3号証に写っているコーナー上に置かれている商品に対応しており、「シール」は乙第4号証のシール(ステッカー)を指している。
このことから、要証期間である2023年8月、同年10月及び同年12月に、本件商標と社会通念上同一と認められる「ピカ」が表示されたシール(ステッカー)が販売されたことが分かる。
カ 以上より、本件商標は、要証期間に日本国内において、被請求人によって、その指定商品中の「文房具類(シール、ステッカー)」について使用されていることは明らかである。
2 合議体の暫定的見解及び弁駁に対する応答
合議体は、令和6年10月1日付けで審尋を通知し、相当の期間を指定して、合議体の暫定的見解及び請求人の弁駁(上記第2の2)に対する被請求人の意見を求めたが、応答はなかった。
第4 当審の判断
1 被請求人の提出した証拠によれば、以下のとおりである。
(1)シール(乙4)
乙第4号証は、シールを撮影した画像の出力物であるところ、シールの上部に、「ガスの科学館」、「がすてなーに」の記載が確認できる。
また、シール(乙4)の上部には、青色で「プカ」、オレンジ色で「ポカ」、及び黄色で「ピカ」の表示があり、それぞれの直下に、青色のキャラクター、オレンジ色のキャラクター、及び黄色のキャラクターが表示されている。
他方、シールの作成日や、販売日についての記載は見当たらない。
(2)レシート(乙5~乙7)
乙第5号証ないし乙第7号証は、いずれもレシートを撮影した画像の出力物であるところ、各レシートの上部に、「がすてなーに」、「ガスの科学館」、「TEL:・・・」の記載が確認できる。
乙第5号証には、さらに、「精算 2023-08-31 17:18」、「0100 期間集計1・・・」、「シール 33点/¥3,300」、「ぬいぐるみ(プカ) 36点/¥28,800」、「ぬいぐるみ(ピカ) 20点/¥16,000」、「ぬいぐるみ(ポカ) 20点/¥16,000」、「純客 87名」などの記載がある。
乙第6号証には、さらに、「精算 2023-10-31 17:18」、「0100 期間集計1・・・」、「シール 18点/¥1,800」、「ぬいぐるみ(プカ) 31点/¥24,800」、「ぬいぐるみ(ピカ) 17点/¥13,600」、「ぬいぐるみ(ポカ) 13点/¥10,400」、「純客 70名」などの記載がある。
乙第7号証には、さらに、「精算 2023-12-24 17:33」、「0100 期間集計1・・・」、「シール 44点/¥4,400」、「ぬいぐるみ(プカ) 10点/¥8,000」、「ぬいぐるみ(ピカ) 13点/¥10,400」、「ぬいぐるみ(ポカ) 7点/¥5,600」、「純客 41名」などの記載があり、レシートの画像に隣接して、乙第4号証と同じようなシールの画像が表示されている。
(3)写真(乙3)
乙第3号証は、「がすてなーに ガスの科学館」で、オリジナルグッズを販売しているコーナーを撮影したとされる写真であるところ、その1葉目には、「オリジナルグッズ販売中」の表示下に、「プカ」、「ピカ」、「ポカ」の表示とともに、エプロンやぬいぐるみなどのグッズを販売している様子が写っている。また、写真には、クリスマスツリーも写っている。
他方、乙第3号証の写真の画像は不鮮明であり、被請求人が主張する、乙第3号証の写真に乙第4号証と同じシールが写っていることや、写真が2023年12月頃に撮影されたことは確認できない。
(4)被請求人のウェブサイト(乙2)
乙第2号証は、2024年4月26日に出力された、被請求人のウェブサイトの出力物であるところ、1葉目の上部に、「2024/04/26・・・」、「東京ガス:がすてなーに/がすてなーに とは」、「TOKYO GAS」、「ガスの科学館/がすてなーに」、「「がすてなーに ガスの科学館」は、暮らしを支えるガス・エネルギーの特長や、これからの暮らし・社会、SDGsや地球温暖化(または気候変動)などの社会課題について、体験しながら考え、楽しみながら学ぶ施設です。」の記載がある。
また、2葉目には、「キャラクター紹介」のタイトル下、「プカ/「ガス」と「炎」のキャラクター。得意技は液体(LNG)や気体(天然ガス・都市ガス)への変身。世界中を旅する、頼りになるリーダー格。」、「ピカ/ガスが生み出す「電気」のキャラクター。発電と発光が得意で、いつも動き回っている元気者。」、及び「ポカ/ガスが生み出す「温かさ」「暖かさ」のキャラクター。おっとりとして気が優しいが、いざという時には頼れる存在。」の記載とともに、それぞれの記載の上に、乙第4号証のシールと同じ青色のキャラクター、黄色のキャラクター、オレンジ色のキャラクターが表示されている。
(5)上記(1)ないし(4)から以下の事実が認められる。
被請求人は、「プカ」の名称で青色のキャラクター、「ピカ」の名称で黄色のキャラクター、及び「ポカ」の名称でオレンジ色のキャラクターを被請求人のウェブサイトで紹介しており(乙2)、要証期間である2023年8月ないし同年12月頃に、「がすてなーに ガスの科学館」において、それぞれのキャラクターのオリジナルグッズ(エプロンやぬいぐるみなど)を販売していたことは推認できる(乙5~乙7)。
2 上記1からすれば、次のとおり判断できる。
(1)使用商品に付された「ピカ」の表示について
シール(乙4。以下「使用商品」という。)の上部に、「ピカ」の表示はあるが、その直下に、黄色のキャラクターが表示されていること、シールには「ピカ」の他に「プカ」、「ポカ」の表示とともにそれぞれのキャラクターも表示されていること、及び被請求人が「ピカ」の名称で黄色のキャラクターを被請求人のウェブサイトで紹介していることに鑑みれば、使用商品に付された「ピカ」の表示は黄色のキャラクターの名称を表すものであって、使用商品(「シール」)について自他商品識別力を発揮するような態様により使用された商標であるとはいえない。
したがって、使用商品に付された「ピカ」の表示に基づいて、本件商標を使用したと認めることはできない。
(2)要証期間における使用について
仮に、使用商品に付された「ピカ」の表示が自他商品識別力を発揮するような態様により使用された商標であると認めたとしても、使用商品が要証期間に作成されたことや、顧客に販売されたことを示す証拠は見当たらないから、「ピカ」の表示が付された使用商品が要証期間に作成又は販売(譲渡)されたと認めることはできない。
なお、被請求人は、レシート(乙5~乙7)に掲載されている商品は、乙第3号証に写っているコーナー上に置かれている商品に対応しており、レシートに記載された「シール」は乙第4号証のシール(ステッカー)を指しているから、「ピカ」の表示が付されたシールが要証期間に販売されたことが分かる旨を主張する。
しかしながら、レシート(乙5~乙7)の「シール」との記載では、どのようなシールが販売されたのか不明であり、乙第4号証のシールを指すものと認めることはできない。
また、写真(乙3)は不鮮明であり、要証期間である2023年12月頃に撮影されたと認めることはできないし、写真からは「がすてなーに ガスの科学館」内のグッズを販売しているコーナーにおいて、乙第4号証のシールが販売されていたことも認めることもできないから、写真によっても、レシートに記載された「シール」が乙第4号証のシールであると認めることはできない。
さらに、レシートに記載された「シール」が乙第4号証のシールであったとしても、シール(使用商品)に付された「ピカ」の表示は黄色のキャラクターの名称を表すものにすぎず、シールについて自他商品識別力を発揮するような態様により使用された商標とはいえないことは上記(1)のとおりである。
以上から、被請求人の主張は採用できない。
(3)小括
したがって、被請求人の提出した証拠方法によっては、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、取消請求商品(第16類「紙類,文房具類」)について本件商標を使用していることを認めることはできない。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件審判の請求に係る指定商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用していた事実を証明したものと認めることはできない。
また、被請求人は、本件審判の請求に係る指定商品について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、指定商品及び指定役務中、取消請求商品についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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