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特許拒絶査定不服審判

2024-019940

接合ディスプレイ及び駆動方法、接合表示装置

審判番号
2024-019940
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2022-505264
請求日
2024年12月12日
審決日
2026年02月18日
公報発行日
2026年07月31日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ティーシーエル チャイナスター オプトエレクトロニクス テクノロジー カンパニー リミテッド
  • 【請求人代理人】弁理士法人後藤特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 道祖土 新吾
  • 審判官 後藤 亮治
  • 審判官 関口 英樹
分類
P18 .121-Z (G09G)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2022-505264「接合ディスプレイ及び駆動方法、接合表示装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 5年 7月13日国際公開、WO2023/130496、令和 6年 4月 5日国内公表、特表2024-515142〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、2022年(令和4年)1月14日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2022年1月5日、中華人民共和国)を国際出願日とする外国語特許出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。 令和4年 3月14日 :翻訳文の提出 令和6年 4月 3日付け:拒絶理由通知書 同年 7月 5日 :意見書、手続補正書の提出 同年 8月 5日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) (同月13日 :原査定の謄本の送達) 同年12月12日 :審判請求書、手続補正書の提出 2 本願発明について (1) 本願発明の認定 審判請求時の補正は、概略、補正前の請求項4及び5の記載の一部を削除すると共に、請求項1の従属請求項であった請求項9に、請求項1の全ての特徴を追加して、独立形式の請求項としたものである。かかる補正により、少なくとも、補正後の請求項1については、補正前の請求項10及び13の特定事項を含まないことが明確となった。 よって、審判請求時の補正は、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、当該補正を認める。 したがって、本願の請求項10に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和6年12月12日に提出された手続補正書により補正された請求項10に記載された次に示す事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項9】 接合ディスプレイ駆動方法であって、前記接合ディスプレイは、少なくとも二つのサブディスプレイを含み、 少なくとも二つの前記サブディスプレイは、第1方向におけるサブ画素の寸法及び数が同じであり、N行/列のサブ画素がずれるように前記第1方向にずらして接合される第1サブディスプレイ及び第2サブディスプレイを含み、 前記第1サブディスプレイは、画面を表示できる第1ダイナミック表示領域及び画面を表示できない第1ノーマリーブラック表示領域を有し、 前記第2サブディスプレイは、画面を表示できる第2ダイナミック表示領域及び画面を表示できない第2ノーマリーブラック表示領域を有し、 前記第1ダイナミック表示領域及び前記第2ダイナミック表示領域に含まれるサブ画素行/列は、同じであり、かつ、それぞれ対応し、 前記第1ノーマリーブラック表示領域は、ブランク領域に対向する第1サブノーマリーブラック表示領域を含み、 前記第2ノーマリーブラック表示領域は、ブランク領域に対向する第3サブノーマリーブラック表示領域を含み、 前記第1サブノーマリーブラック表示領域は、N行/列のサブ画素を含み、 前記第3サブノーマリーブラック表示領域は、N行/列のサブ画素を含み、 Nは、正の整数であり、 前記第1ノーマリーブラック表示領域は、第2サブノーマリーブラック表示領域をさらに含み、前記第2サブノーマリーブラック表示領域及び前記第1サブノーマリーブラック表示領域は、それぞれ前記第1ダイナミック表示領域の両側に接続され、 前記第2ノーマリーブラック表示領域は、前記第2ダイナミック表示領域と前記第3サブノーマリーブラック表示領域との間に接続される第4サブノーマリーブラック表示領域をさらに含み、 前記第4サブノーマリーブラック表示領域及び前記第2サブノーマリーブラック表示領域に含まれる画素行は、同じであり、又は、前記第4サブノーマリーブラック表示領域及び前記第2サブノーマリーブラック表示領域に含まれる画素列は、同じであり、 前記第1ダイナミック表示領域及び前記第2ダイナミック表示領域に含まれるサブ画素行数又はサブ画素列数は、いずれも3又は4の倍数であり、前記接合ディスプレイ駆動方法は、 表示すべき初期ビデオ画像を取得することと、 前記初期ビデオ画像を前記第1サブディスプレイ及び前記第2サブディスプレイに対応する第1分割画像及び第2分割画像に分割することと、 第1ノーマリーブラック表示領域及び第2ノーマリーブラック表示領域にノーマリーブラック画面を表示し、第1ダイナミック表示領域及び第2ダイナミック表示領域に前記第1分割画像及び第2分割画像をそれぞれ表示することと、を含む、 接合ディスプレイ駆動方法。 【請求項10】 三つの前記サブ画素は、一つの画素を構成し、 N=3aの場合、前記第1ノーマリーブラック表示領域を前記第1サブノーマリーブラック表示領域のみからなるように構成し、前記第2ノーマリーブラック表示領域を前記第3サブノーマリーブラック表示領域のみからなるように構成することをさらに含み、 aは、正の整数である、 請求項9に記載の接合ディスプレイ駆動方法。」 (2) 本願発明の分説 検討の便宜上、本願発明の構成を次のように構成Xと構成Aから構成Tまでに分説する。 <本願発明の分説> X 接合ディスプレイ駆動方法であって、前記接合ディスプレイは、少なくとも二つのサブディスプレイを含み、 A 少なくとも二つの前記サブディスプレイは、第1方向におけるサブ画素の寸法及び数が同じであり、N行/列のサブ画素がずれるように前記第1方向にずらして接合される第1サブディスプレイ及び第2サブディスプレイを含み、 B 前記第1サブディスプレイは、画面を表示できる第1ダイナミック表示領域及び画面を表示できない第1ノーマリーブラック表示領域を有し、 C 前記第2サブディスプレイは、画面を表示できる第2ダイナミック表示領域及び画面を表示できない第2ノーマリーブラック表示領域を有し、 D 前記第1ダイナミック表示領域及び前記第2ダイナミック表示領域に含まれるサブ画素行/列は、同じであり、かつ、それぞれ対応し、 E 前記第1ノーマリーブラック表示領域は、ブランク領域に対向する第1サブノーマリーブラック表示領域を含み、 F 前記第2ノーマリーブラック表示領域は、ブランク領域に対向する第3サブノーマリーブラック表示領域を含み、 G 前記第1サブノーマリーブラック表示領域は、N行/列のサブ画素を含み、 H 前記第3サブノーマリーブラック表示領域は、N行/列のサブ画素を含み、 I Nは、正の整数であり、 J 前記第1ノーマリーブラック表示領域は、第2サブノーマリーブラック表示領域をさらに含み、前記第2サブノーマリーブラック表示領域及び前記第1サブノーマリーブラック表示領域は、それぞれ前記第1ダイナミック表示領域の両側に接続され、 K 前記第2ノーマリーブラック表示領域は、前記第2ダイナミック表示領域と前記第3サブノーマリーブラック表示領域との間に接続される第4サブノーマリーブラック表示領域をさらに含み、 L 前記第4サブノーマリーブラック表示領域及び前記第2サブノーマリーブラック表示領域に含まれる画素行は、同じであり、又は、前記第4サブノーマリーブラック表示領域及び前記第2サブノーマリーブラック表示領域に含まれる画素列は、同じであり、 M 前記第1ダイナミック表示領域及び前記第2ダイナミック表示領域に含まれるサブ画素行数又はサブ画素列数は、いずれも3又は4の倍数であり、前記接合ディスプレイ駆動方法は、 N 表示すべき初期ビデオ画像を取得することと、 O 前記初期ビデオ画像を前記第1サブディスプレイ及び前記第2サブディスプレイに対応する第1分割画像及び第2分割画像に分割することと、 P 第1ノーマリーブラック表示領域及び第2ノーマリーブラック表示領域にノーマリーブラック画面を表示し、第1ダイナミック表示領域及び第2ダイナミック表示領域に前記第1分割画像及び第2分割画像をそれぞれ表示することと、を含み、 Q 三つの前記サブ画素は、一つの画素を構成し、 R N=3aの場合、前記第1ノーマリーブラック表示領域を前記第1サブノーマリーブラック表示領域のみからなるように構成し、前記第2ノーマリーブラック表示領域を前記第3サブノーマリーブラック表示領域のみからなるように構成することをさらに含み、 S aは、正の整数である、 T 接合ディスプレイ駆動方法。 (3) 課題・作用効果等に関連する明細書の発明の詳細な説明の記載 本願明細書の発明の詳細な説明の記載のうち、発明が解決しようとする課題及び作用効果等に関連する記載を抜粋すると、次の記載がある。 「【技術分野】 【0001】 本願は、接合ディスプレイ表示分野に関し、具体的には、接合ディスプレイ及び駆動方法、接合表示装置に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、接合ディスプレイは、広く使用されている。接合ディスプレイには、通常、複数のディスプレイが含まれ、異なるディスプレイには、異なる画面が表示され、複数のディスプレイに表示される画面は、接合された後に完成した画像を形成することができる。 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 接合ディスプレイは、複数の異なるディスプレイによって構成されており、各ディスプレイに表示される画面が異なる。そのため、各接合ディスプレイのエッジ部分、特にその他の接合ディスプレイに接続される部分に対応する画面は、ぼけやずれなどの現象が発生することになり、画像の表示に影響を与えることになる。」 「【発明の効果】 【0035】 本願によれば、少なくとも二つのサブディスプレイを含む接合ディスプレイ及び駆動方法が提供され、少なくとも二つのサブディスプレイは、第1サブディスプレイ及び第2サブディスプレイを含み、第1サブディスプレイ及び第2サブディスプレイは、水平又は垂直方向におけるサブ画素の寸法及び数が同じであり、かつ、水平又は垂直方向にN行のサブ画素又はN列のサブ画素がずれている。このようにして設けられる接合ディスプレイによれば、N行/N列のサブ画素をずらすことで、移動ディスプレイの精度を効果的に向上させることができ、第1サブディスプレイと第2サブディスプレイとが接続される箇所におけるずれやぼけなどの問題の発生を回避することができる。」 3 原査定における拒絶の理由の概要 原査定の拒絶の理由のうち、本願発明に対する理由2(進歩性の欠如)の概要は、次の理由を含むものである。 理由2(進歩性の欠如) 本願発明は、優先日前に発行された下記の引用文献に記載された発明に基づいて、優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 記 引用文献1.中国特許出願公開第110718179号明細書 4 引用文献1の記載事項及び引用発明の認定 (1) 引用文献1に記載された事項 原査定の拒絶の理由において引用された、本願の優先日前に発行された文献である中国特許出願公開第110718179号明細書(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある(なお、原文の記載に続けて、当審による翻訳文を()内に付した。また、当合議体により、後記(3)の引用発明の認定に直接用いる記載に下線を付した。)。 ア 段落[0005]~[0006] 「 [図:0001436844000001.jpg] 」 ([0005]上記のディスプレイは、複数の小型ディスプレイを組み合わせて大型ディスプレイ(マルチディスプレイ)を構成する過程において、機構材料や接合技術などの制約により、各ディスプレイの位置合わせが不正確になり、高低差が生じやすい。しかし、ユーザーが肉眼で隣接するディスプレイのずれを確認することは困難である。当該接合ディスプレイ表示時には、相互に接続されたディスプレイの行または列のサブピクセルが完全に整列せず、その境界部に光線が現れやすくなり、画面の断続性や不完全性が生じやすく、ユーザーの体験効果に影響を及ぼす。 発明の内容 [0006]本発明の目的は、既存技術において、ディスプレイの接合部に明るい線が発生しやすく、ディスプレイの連続性や完全性が損なわれ、ユーザー体験に影響を与えるという技術的問題を解決するため、表示駆動方法およびディスプレイ接合システムを提供することにある。) イ 段落[0015] 「 [図:0001436844000002.jpg] [図:0001436844000003.jpg] 」 ([0015] 上記の目的を達成するため、本発明はさらに、複数のディスプレイを相互に接続して構成されるマルチディスプレイシステムを提供する。各ディスプレイは、配列配置された複数のサブピクセルを有し、各サブピクセルは複数の行と列で構成される。隣接する列のサブピクセルの中心線間には第1の幅が設けられ、隣接する行のサブピクセルの中心線間には第2の幅が設けられる。前記マルチディスプレイ表示駆動システムは、カメラを含み、前記マルチディスプレイの画像を取得する。制御ユニットは、前記カメラに電気信号で接続され、前記マルチディスプレイの画像を受信し処理する。基準境界を選択する。前記基準境界は、前記行方向の直線が任意のディスプレイまたはその境界を通過できるもの、または前記基準境界は、前記列方向の直線が任意のディスプレイまたはその境界を通過できるものである。前記基準境界と前記ディスプレイの境界に基づいて、対応するディスプレイの物理的位置が相対的なずれを生じているかどうかを判断する。相対的なずれが生じた場合、各ディスプレイの基準境界に対するずれ量を計算する;前記ずれ量と前記第二の幅に基づいて、各ディスプレイのサブピクセルのずれ行数を計算するか、または前記ずれ量と前記第一の幅に基づいて、各ディスプレイのサブピクセルのずれ列数を計算する; 制御ユニットに接続された駆動チップは、表示時に、ずれ行数またはずれ列数に対応するサブピクセルに黒画面駆動信号を入力し、基準境界で囲まれた領域内のサブピクセルには正常な画面駆動信号を入力する。) ウ 段落[0039]~[0055] 「 [図:0001436844000004.jpg] [図:0001436844000005.jpg] [図:0001436844000006.jpg] [図:0001436844000007.jpg] 」 ([0039]実施例1 [0040]図1に示すように、前記接合スクリーン1は、互いに接合された二つのディスプレイ10aおよび10bを含み、各ディスプレイ10のサイズは等しく、隣接する二つのディスプレイ10aおよび10bは継ぎ目のない接合を実現し、これにより前記接合スクリーン1は大型画面表示を実現する際にユーザー体験を向上させる。二つのディスプレイ10aおよび10bは接続されて一つの表示領域100を形成し、好ましくは矩形の表示領域100である。表示領域100は互いに対向して配置された二つの基準境界を含み、前記基準線は第一基準境界21と第二基準境界22を含む。第一基準境界21はディスプレイ10aを横断し、かつディスプレイ10bの境界と重なる。第二基準境界22はディスプレイ10bを横断し、ディスプレイ10aの境界と重なる。ディスプレイ10aは上側境界101aを有し、ディスプレイ10aのずれ量は第一基準境界21から上側境界101aまでの幅である。ディスプレイ10bは下側境界101bを有し、ディスプレイ10bのずれ量は第2基準境界22から下側境界101bまでの幅である。本実施例において、第1基準境界21から上側境界101aまでの幅は上側非表示領域200である。第2基準境界22から下側境界101bまでの幅は下側非表示領域200である。 [0041]図2に示すように、各ディスプレイ10は、配列配置された複数のサブピクセルを有し、前記サブピクセルは複数の行と複数の列を有し、隣接する2列のサブピクセルの中心線間には第1の幅Aが設けられ、隣接する2行のサブピクセルの中心線間には第2の幅Bが設けられる。 [0042]前述の接合スクリーン1は、接合プロセスにおいて、機構材料や接合技術などの制約により、各ディスプレイの位置合わせが不正確になりやすく、高低差が生じる現象を引き起こす。しかし、ユーザーは肉眼では隣接するディスプレイのずれを認識できない。そのため、接合スクリーン1が表示される際、接合位置のずれが発見され、画像の連続性が損なわれ、ユーザーの視覚体験に影響を与える。 [0043]図3に示すように、上記の問題を解決するため、本実施例は、以下のステップS11~S15を含む表示駆動方法を提供する。 [0044]S11 各ディスプレイの境界を取得する。 [0045]アイカップ付きカメラを介して前記接合スクリーン1の画像を取得する。前記接合スクリーン1の画像において、横方向座標が行方向に平行で、縦方向座標が列方向に平行な二次元直交座標系を構築する。その後、前記接合スクリーン1の画像を二値化処理し、これにより前記接合スクリーン1の各ディスプレイの境界を取得する。 [0046]S12は基準境界を選択し、前記基準境界は前記行方向の直線がいずれかのディスプレイまたはその境界を通過できるものである。 [0047]前記アイカップは行方向の基準線を有し、行方向において、各基準線がいずれかのディスプレイまたはその境界を通過できるかどうかを判断する。通過できる場合、当該基準線を予備選択基準線とする。 [0048]予備選択基準線において、最上部の基準線を選択して第一基準境界21とし、最下部の基準線を選択して第二基準境界22とする(図1参照)。 [0049]S13は、前記基準境界と前記表示装置の境界に基づいて、対応する表示装置の物理的位置が相対的なずれを生じているかどうかを判断する。 [0050]具体的には、前記第一基準境界21が対応するディスプレイ10aの上側境界101aを通過するかどうかを判断し、通過する場合は当該ディスプレイにずれが生じていないと判断し、通過しない場合は当該ディスプレイにずれが生じていると判断する。本実施例では、前記第一基準境界21がディスプレイの上側境界101aを通過しない場合、ディスプレイの他の領域を通過する(図1参照)。 [0051]または、前記第二基準境界22が対応するディスプレイの下側境界を通過するかどうかを判断する。通過する場合、当該ディスプレイはずれていないと判断し、通過しない場合、当該ディスプレイはずれていると判断する。本実施例において、前記第二基準境界22がディスプレイの下側境界を通過しない場合、その境界はディスプレイの他の領域を通過する(図1参照)。 [0052]S14 相互に接続されたディスプレイが相対的にずれを生じた場合、各ディスプレイが基準境界に対して生じたずれ量を計算する。 [0053]具体的には、前記二次元直交座標系に基づき、各ディスプレイの上側境界101aから前記第一基準境界21までの垂直距離を算出し、また、接合ディスプレイ1の画像サイズと実寸の比率に基づき、対応するディスプレイの列方向におけるずれ量を算出する。および/または、前記二次元直交座標系に基づき、各ディスプレイの下側境界から前記第二基準境界22までの垂直距離を計算し、かつ、接合スクリーン1の画像サイズと実寸の比率に基づき、対応するディスプレイの列方向におけるずれ量を算出する; 具体的には、接合スクリーン1の画像サイズと実寸の比率は事前設定値であり、事前設定値は1:50~1:1000である。例えば、各ディスプレイの下側境界から前記第二基準境界22までの垂直距離が0.1mmで事前設定値が1:100の場合、実際のずれ量は10mmとなる。 [0054]本実施例では、前記ずれ量と前記第二の幅Bに基づいて、各ディスプレイのサブピクセルのずれ行数を計算する。 [0055]S15 前記接合スクリーン1を表示する際、駆動チップを介して、ずれ行数内のサブピクセルに黒画面駆動信号を入力し、基準境界で囲まれた領域内のサブピクセルに通常画面駆動信号を入力することで、接合スクリーン1のディスプレイを連続的かつ完全に表示でき、ユーザー体験を向上させることができる。) エ 図1 「 [図:0001436844000008.jpg] 」 (2) 前記(1)の摘記事項から読み取れる事項の認定 ア 前記(1)イに摘記した[0015]、ウに摘記した[0040]及び[0055]の記載、並びに、オの図1によれば、以下の事項が認められる。 (ア)ディスプレイ10aは、第1基準境界21及び第2基準境界22に囲まれた領域と、その上側に接続される第1基準境界21から上側境界101aまでの上側非表示領域200により構成され、第1基準境界21及び第2基準境界22に囲まれた領域内のサブピクセルには、通常画面駆動信号が入力され、第1基準境界21から上側境界101aまでの上側非表示領域200内のサブピクセルには、黒画面駆動信号が入力される。 (イ)ディスプレイ10bは、第1基準境界21及び第2基準境界22に囲まれた領域と、その下側に接続される第2基準境界22から下側境界101bまでの下側非表示領域200により構成され、第1基準境界21及び第2基準境界22に囲まれた領域内のサブピクセルには、通常画面駆動信号が入力され、第2基準境界22から下側境界101bまでの下側非表示領域200内のサブピクセルには、黒画面駆動信号が入力される。 (ウ)ディスプレイ10aの第1基準境界21から上側境界101aまでの上側非表示領域200の水平方向右側には、ディスプレイ10bが存在しない。 (エ)ディスプレイ10bの第2基準境界22から下側境界101bまでの下側非表示領域200の水平方向左側には、ディスプレイ10aが存在しない。 イ 前記(1)ウに摘記した[0040]の記載によれば、ディスプレイ10a及び10bのサイズは等しく、同[0041]の記載によれば、各ディスプレイ10の隣接する2行のサブピクセルの中心線の第2の幅Bは一定であるから、ディスプレイ10a及び10bのサブピクセル行数は同じであり、ディスプレイ10a及び10bの第1基準境界21及び第2基準境界22に囲まれた領域内のサブピクセルの行数は同じであり、各領域内のサブピクセルの各行は対応している。 ウ 前記イによれば、ディスプレイ10aの第1基準境界21から上側境界101aまでの上側非表示領域200のサブピクセルの行数と、ディスプレイ10bの第2基準境界22から下側境界101bまでの下側非表示領域200のサブピクセルの行数とは同じであることは明らかである。 エ 前記(1)エに摘記した[0042]及び[0052]~[0054]の記載によれば、相互に接続されたディスプレイ10a及び10bとは相対的に垂直方向にサブピクセルのずれ行数だけずれて接合されている。また、前記ウに鑑みるに、ディスプレイ10aの第1基準境界21から上側境界101aまでの上側非表示領域200のサブピクセルの行数と、ディスプレイ10bの第2基準境界22から下側境界101bまでの下側非表示領域200のサブピクセルの行数とは、サブピクセルのずれ行数にほかならない。 (3) 引用発明の認定 前記(2)において認定した事項及び前記(1)に摘記した引用文献1の記載事項を総合すると、引用文献1には、実施例1(【図1】)に係る次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、認定の根拠となる記載箇所を括弧内に示した。 <引用発明> 「接合スクリーン1の表示駆動方法([0043])であって、前記接合スクリーン1は、互いに接合された二つのディスプレイ10aおよび10bを含み、各ディスプレイ10のサイズは等しく([0040])、 隣接する2行のサブピクセルの中心線間には第2の幅Bが設けられ([0041])、 ディスプレイ10a及び10bのサブピクセル行数は同じであり(前記(2)イ)、相互に接続されたディスプレイ10a及び10bとは相対的に垂直方向にサブピクセルのずれ行数だけずれて接合され(前記(2)エ)、 ディスプレイ10aにおいて、第1基準境界21及び第2基準境界22に囲まれた領域内のサブピクセルには、通常画面駆動信号が入力され、第1基準境界21から上側境界101aまでの上側非表示領域200内のサブピクセルには、黒画面駆動信号が入力され(前記(2)ア(ア))、 ディスプレイ10bにおいて、第1基準境界21及び第2基準境界22に囲まれた領域内のサブピクセルには、通常画面駆動信号が入力され、第2基準境界22から下側境界101bまでの下側非表示領域200内のサブピクセルには、黒画面駆動信号が入力され(前記(2)ア(イ))、 ディスプレイ10a及び10bの第1基準境界21及び第2基準境界22に囲まれた領域内のサブピクセルの行数が同じであり、各領域内のサブピクセルの各行は対応し(前記(2)イ)、 ディスプレイ10aの第1基準境界21から上側境界101aまでの上側非表示領域200のサブピクセルの行数と、ディスプレイ10bの第2基準境界22から下側境界101bまでの下側非表示領域200のサブピクセルの行数とは、サブピクセルのずれ行数であり(前記(2)エ)、 ディスプレイ10aの第1基準境界21から上側境界101aまでの上側非表示領域200の水平方向右側には、ディスプレイ10bが存在せず(前記(2)ア(ウ))、 ディスプレイ10bの第2基準境界22から下側境界101bまでの下側非表示領域200の水平方向左側には、ディスプレイ10aが存在せず(前記(2)ア(エ))、 ディスプレイ10aは、第1基準境界21及び第2基準境界22に囲まれた領域と、その上側に接続される第1基準境界21から上側境界101aまでの上側非表示領域200により構成され(前記(2)ア(ア))、 ディスプレイ10bは、第1基準境界21及び第2基準境界22に囲まれた領域と、その下側に接続される第2基準境界22から下側境界101bまでの下側非表示領域200により構成され(前記(2)ア(イ))、 前記接合スクリーン1を表示する際、駆動チップを介して、ずれ行数内のサブピクセルに黒画面駆動信号を入力し、基準境界で囲まれた領域内のサブピクセルに通常画面駆動信号を入力することで、接合スクリーン1のディスプレイを連続的かつ完全に表示できる([0055])、 接合スクリーン1の表示駆動方法。」 5 技術常識の認定 (1) 引用文献に記載された事項及び技術常識1の認定 ア 引用文献2に記載された事項 当審において新たに引用する、本願の優先日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である“サブピクセル”,[online],2017年5月27日,IT用語辞典e-Words,[令和8年1月8日検索],インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20170527063129/http://e-words.jp/w/%E3%82%B5%E3%83%96%E3%83%94%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%83%AB.html>(以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。なお、下線は当合議体が付したものであり、以下同様である。 「サブピクセルとは、画面の構成単位となる色の付いた微細な点(画素)をさらに分割した、一つの原色のみからなる微細な点。通常、隣り合う赤・緑・青の三色(光の三原色)のサブピクセルがまとまって一つの画素として機能する。 テレビ受像機やコンピュータのディスプレイ装置のような画面表示装置は、縦横にそれぞれ数百から数千個が碁盤目状に規則正しく並んだ発光する小さな点を個々に点灯・消灯したり色を変化させることで表示を行う。 それぞれの画素は赤く発光する点、緑の点、青の点が密集してできており、それぞれの原色の強さを調節することにより、様々な色を表現している。この決められた単色に発光する微細な点のことをサブピクセルという。最も一般的な液晶画面ではサブピクセルは画素の1/3幅の縦長の長方形となっており、三色旗のように赤・緑・青のサブピクセルが横一列に並んで正方形の画素を構成する。サブピクセルの形状や並べ方は表示方式や装置の仕様によって異なる。」 イ 引用文献3に記載された事項 当審において新たに引用する、本願の優先日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である宮澤聖二,“液晶ディスプレイの表示について”,[online],2019年12月10日,[令和8年1月9日検索],インターネット<URL:https://note.com/onthehead/n/nee91eb7e268e>(以下「引用文献3」という。)には、次の記載がある。 「液晶ディスプレイのサブピクセルの配列 サブピクセルの並び方には色々な種類があります。そのうちのメジャーどころをまとめました。 RGB で並んでるとは限らないってことがわかると思います。直線なのになんだかガビガビして見えるなーというときは、このサブピクセルの配列が原因だったりします。 [図:0001436844000009.jpg] 」 ウ 技術常識1の認定 前記ア及びイにそれぞれ摘記した引用文献2及び引用文献3の記載事項に例示されているように、次の技術事項は、本願優先日当時、表示装置の駆動制御の技術分野において、当業者にとって技術常識であったと認められる。(以下「技術常識1」という。) <技術常識1> 「サブピクセルの形状や並べ方は表示方式や装置の仕様によって、色々な種類があり、一般的な液晶画面の例ではサブピクセルは画素の1/3幅の縦長の長方形となっており、三色旗のように赤・緑・青のサブピクセルが横一列に並んで正方形の画素を構成すること。」 6 本願発明と引用発明の対比 (1) 対比分析 本願発明と引用発明を対比する。 ア 構成X及び構成Tの観点 引用発明の「接合スクリーン1」は、本願発明の「接合ディスプレイ」に相当し、以下同様に、「互いに接合された二つのディスプレイ10aおよび10b」は「二つのサブディスプレイ」に相当する。 よって、引用発明の「接合スクリーン1の表示駆動方法であって、前記接合スクリーン1は、互いに接合された二つのディスプレイ10aおよび10bを含」むことは、本願発明の「接合ディスプレイ駆動方法であって、前記接合ディスプレイは、少なくとも二つのサブディスプレイを含」むことに相当する。同様に、引用発明の「接合スクリーン1の表示駆動方法」は、本願発明の「接合ディスプレイ駆動方法」に相当する。 イ 構成Aの観点 引用発明の「垂直方向」は、本願発明の「第1方向」に相当し、以下同様に、「サブピクセル」は「サブ画素」に、「隣接する2行のサブピクセルの中心線間」の「第2の幅B」は「第1方向におけるサブ画素の寸法」に、「ディスプレイ10a」は「第1サブディスプレイ」に、「ディスプレイ10b」は「第2サブディスプレイ」に、「ずれ行数」は「N行」に相当する。 よって、引用発明の「ディスプレイ10aおよび10b」である「各ディスプレイ10のサイズは等しく、隣接する2行のサブピクセルの中心線間には第2の幅Bが設けられ、ディスプレイ10a及び10bのサブピクセル行数は同じであり、相互に接続されたディスプレイ10a及び10bとは相対的に垂直方向にサブピクセルのずれ行数だけずれて接合され」ることは、本願発明の「少なくとも二つの前記サブディスプレイは、第1方向におけるサブ画素の寸法及び数が同じであり、N行/列のサブ画素がずれるように前記第1方向にずらして接合される第1サブディスプレイ及び第2サブディスプレイを含」むことに相当する。 ウ 構成Bの観点 引用発明の「ディスプレイ10a」において、「第1基準境界21及び第2基準境界22に囲まれた領域」内の「サブピクセル」には、「通常画面駆動信号」が入力されることから、引用発明の「ディスプレイ10a」の「通常画面駆動信号」が入力される「第1基準境界21及び第2基準境界22に囲まれた領域」は、本願発明の「画面を表示できる第1ダイナミック表示領域」に相当する。 また、引用発明の「ディスプレイ10a」において、「第1基準境界21から上側境界101aまでの上側非表示領域200」内の「サブピクセル」には、「黒画面駆動信号」が入力されることから、引用発明の「ディスプレイ10a」の「黒画面駆動信号」が入力される「第1基準境界21から上側境界101aまでの上側非表示領域200」は、本願発明の「画面を表示できない第1ノーマリーブラック表示領域」に相当する。 よって、引用発明の「ディスプレイ10a」が、「通常画面駆動信号」が入力される「第1基準境界21及び第2基準境界22に囲まれた領域」と、「黒画面駆動信号」が入力される「第1基準境界21から上側境界101aまでの上側非表示領域200」とを有することは、本願発明の「前記第1サブディスプレイは、画面を表示できる第1ダイナミック表示領域及び画面を表示できない第1ノーマリーブラック表示領域を有」することに相当する。 エ 構成Cの観点 引用発明の「ディスプレイ10b」において、「第1基準境界21及び第2基準境界22に囲まれた領域」内の「サブピクセル」には、「通常画面駆動信号」が入力されることから、引用発明の「ディスプレイ10b」の「通常画面駆動信号」が入力される「第1基準境界21及び第2基準境界22に囲まれた領域」は、本願発明の「画面を表示できる第2ダイナミック表示領域」に相当する。 また、引用発明の「ディスプレイ10b」において、「第2基準境界22から下側境界101bまでの下側非表示領域200」内の「サブピクセル」には、「黒画面駆動信号」が入力されることから、引用発明の「ディスプレイ10b」の「黒画面駆動信号」が入力される「第2基準境界22から下側境界101bまでの下側非表示領域200」は、本願発明の「画面を表示できない第1ノーマリーブラック表示領域」に相当する。 よって、引用発明の「ディスプレイ10b」が、「通常画面駆動信号」が入力される「第1基準境界21及び第2基準境界22に囲まれた領域」と、「黒画面駆動信号」が入力される「第2基準境界22から下側境界101bまでの下側非表示領域200」とを有することは、本願発明の「前記第2サブディスプレイは、画面を表示できる第2ダイナミック表示領域及び画面を表示できない第2ノーマリーブラック表示領域を有」することに相当する。 オ 構成Dの観点 前記ウ及びエによれば、引用発明の「ディスプレイ10a及び10bの第1基準境界21及び第2基準境界22に囲まれた領域内のサブピクセルの行数が同じであり、各領域内のサブピクセルの各行は対応」することは、本願発明の「前記第1ダイナミック表示領域及び前記第2ダイナミック表示領域に含まれるサブ画素行/列は、同じであり、かつ、それぞれ対応」することに相当する。 カ 構成Eの観点 引用発明の「ディスプレイ10b」が存在しない領域は、本願発明の「ブランク領域」に相当する。 よって、引用発明の、その水平方向右側に「ディスプレイ10bが存在」しない「ディスプレイ10aの第1基準境界21から上側境界101aまでの上側非表示領域200」は、本願発明の「第1ノーマリーブラック表示領域」に相当するとともに、「ブランク領域に対向する第1サブノーマリーブラック表示領域」にも相当する。 したがって、引用発明に、その水平方向右側に「ディスプレイ10bが存在」しない「ディスプレイ10aの第1基準境界21から上側境界101aまでの上側非表示領域200」があることは、本願発明の「前記第1ノーマリーブラック表示領域は、ブランク領域に対向する第1サブノーマリーブラック表示領域を含」むことに相当する。 キ 構成Fの観点 引用発明の「ディスプレイ10a」が存在しない領域は、本願発明の「ブランク領域」に相当する。 よって、引用発明の、その水平方向左側に「ディスプレイ10aが存在」しない「ディスプレイ10bの第2基準境界22から下側境界101bまでの下側非表示領域200」は、本願発明の「第2ノーマリーブラック表示領域」に相当するとともに、「ブランク領域に対向する第3サブノーマリーブラック表示領域」にも相当する。 したがって、引用発明に、その水平方向左側に「ディスプレイ10bが存在」しない「ディスプレイ10bの第2基準境界22から下側境界101bまでの下側非表示領域200」があることは、本願発明の「前記第2ノーマリーブラック表示領域は、ブランク領域に対向する第3サブノーマリーブラック表示領域を含」むことに相当する。 ク 構成G、構成H及び構成Iの観点 引用発明の「サブピクセルのずれ行数」は、正の整数であるから、本願発明の「サブ画素」の「N行」に相当する。 よって、引用発明の「ディスプレイ10aの第1基準境界21から上側境界101aまでの上側非表示領域200のサブピクセルの行数」が「サブピクセルのずれ行数」であり、「ディスプレイ10bの第2基準境界22から下側境界101bまでの下側非表示領域200のサブピクセルの行数」が「サブピクセルのずれ行数」であることは、本願発明の「前記第1サブノーマリーブラック表示領域は、N行/列のサブ画素を含み、前記第3サブノーマリーブラック表示領域は、N行/列のサブ画素を含み、Nは、正の整数であ」ることに相当する。 ケ 構成J、構成K、構成L、構成R及び構成Sの観点 (ア)構成J、構成K及び構成Lには、「第1ノーマリーブラック表示領域」に含まれる「第2サブノーマリーブラック表示領域」、及び、「第2ノーマリーブラック表示領域」に含まれる「第4サブノーマリーブラック表示領域」に関する事項が特定されているが、構成Rにおいて、「前記第1ノーマリーブラック表示領域を前記第1サブノーマリーブラック表示領域のみからなるように構成し、前記第2ノーマリーブラック表示領域を前記第3サブノーマリーブラック表示領域のみからなるように構成すること」が特定されていることから、構成J、構成K及び構成Lにおける「第1ノーマリーブラック表示領域」に含まれる「第2サブノーマリーブラック表示領域」、及び、「第2ノーマリーブラック表示領域」に含まれる「第4サブノーマリーブラック表示領域」は存在しないものとなっている。 つまるところ、構成J、構成K、構成L、構成R及び構成Sは、「N=3aの場合」であって(構成R)、「aは、正の整数であ」り(構成S)、「前記第1ノーマリーブラック表示領域を前記第1サブノーマリーブラック表示領域のみからなるように構成し、前記第2ノーマリーブラック表示領域を前記第3サブノーマリーブラック表示領域のみからなるように構成」し(構成R)、「前記第1サブノーマリーブラック表示領域」は、「前記第1ダイナミック表示領域」の片側に「接続」され(構成Jに対応)、「前記第2ダイナミック表示領域と前記第3サブノーマリーブラック表示領域と」は「接続」され(構成Kに対応)、構成Lに対応する事項は存在しないものと解される。 (イ) 他方、引用発明において、「ディスプレイ10aは、第1基準境界21及び第2基準境界22に囲まれた領域と、その上側に接続される第1基準境界21から上側境界101aまでの上側非表示領域200により構成され」、「ディスプレイ10bは、第1基準境界21及び第2基準境界22に囲まれた領域と、その下側に接続される第2基準境界22から下側境界101bまでの下側非表示領域200により構成され」るものであるから、「ディスプレイ10a」の「黒画面駆動信号」が入力されるのは、「第1基準境界21から上側境界101aまでの上側非表示領域200」のみであり、「ディスプレイ10b」の「黒画面駆動信号」が入力されるのは、「第2基準境界22から下側境界101bまでの下側非表示領域200」のみであり、「第1基準境界21から上側境界101aまでの上側非表示領域200」は、「ディスプレイ10a」の「第1基準境界21及び第2基準境界22に囲まれた領域」の上側に接続され、「ディスプレイ10b」の「第1基準境界21及び第2基準境界22に囲まれた領域」と「第2基準境界22から下側境界101bまでの下側非表示領域200」とは接続されている。 (ウ) 以上の検討結果を踏まえると、本願発明と引用発明の構成J、構成K、構成L、構成R及び構成Sの観点にける一致点及び相違点は、次のa及びbのとおりである。 a 一致点 「前記第1ノーマリーブラック表示領域を前記第1サブノーマリーブラック表示領域のみからなるように構成し、前記第2ノーマリーブラック表示領域を前記第3サブノーマリーブラック表示領域のみからなるように構成」し、「前記第1サブノーマリーブラック表示領域」は、「前記第1ダイナミック表示領域」の片側に「接続」され、「前記第2ダイナミック表示領域と前記第3サブノーマリーブラック表示領域と」は「接続」される点。 b 相違点 本願発明においては、 「サブディスプレイ」のずれる行数である「N」に関し、「N=3aの場合」であって、「aは、正の整数であ」るのに対して、 引用発明においては、 「サブピクセルのずれ行数」は正の整数であるものの、3の倍数であるかは特定されていない点。 コ 構成Nの観点 引用発明の「接合スクリーン1」は、「駆動チップを介して」、「基準境界で囲まれた領域内のサブピクセルに通常画面駆動信号を入力する」ものであるから、引用発明の「接合スクリーン1」は、「通常画面駆動信号」の基となるビデオ画像を取得しているものといえる。 よって、引用発明の「接合スクリーン1」が「通常画面駆動信号」の基となるビデオ画像を取得することは、本願発明の「表示すべき初期ビデオ画像を取得する」ことに相当する。 サ 構成Oの観点 前記コの事項に加えて、引用発明の「接合スクリーン1は、互いに接合された二つのディスプレイ10aおよび10bを含」むものであって、「接合スクリーン1のディスプレイを連続的かつ完全に表示できる」ものであるから、引用発明の「接合スクリーン1」において、「通常画面駆動信号」の基となるビデオ画像は、「ディスプレイ10a」に対応する画像と「ディスプレイ10b」に対応する画像とに分割されるものといえる。 よって、引用発明の「接合スクリーン1」において、「通常画面駆動信号」の基となるビデオ画像が、「ディスプレイ10a」に対応する画像と「ディスプレイ10b」に対応する画像とに分割されることは、本願発明の「前記初期ビデオ画像を前記第1サブディスプレイ及び前記第2サブディスプレイに対応する第1分割画像及び第2分割画像に分割する」ことに相当する。 シ 構成Pの観点 引用発明の「接合スクリーン1」は、「ずれ行数内のサブピクセル」である「第1基準境界21から上側境界101aまでの上側非表示領域200」と「第2基準境界22から下側境界101bまでの下側非表示領域200」に「黒画面駆動信号を入力」するものである。 また、前記サの事項によれば、引用発明の「ディスプレイ10a」の「第1基準境界21及び第2基準境界22に囲まれた領域」には、「ディスプレイ10a」に対応する画像が表示され、「ディスプレイ10b」の「第1基準境界21及び第2基準境界22に囲まれた領域」には、「ディスプレイ10b」に対応する画像が表示されるものといえる。 よって、引用発明の「接合スクリーン1」において、「ずれ行数内のサブピクセル」である「第1基準境界21から上側境界101aまでの上側非表示領域200」と「第2基準境界22から下側境界101bまでの下側非表示領域200」に「黒画面駆動信号を入力」し、「ディスプレイ10a」の「第1基準境界21及び第2基準境界22に囲まれた領域」には、「ディスプレイ10a」に対応する画像が表示され、「ディスプレイ10b」の「第1基準境界21及び第2基準境界22に囲まれた領域」には、「ディスプレイ10b」に対応する画像が表示されることは、本願発明の「第1ノーマリーブラック表示領域及び第2ノーマリーブラック表示領域にノーマリーブラック画面を表示し、第1ダイナミック表示領域及び第2ダイナミック表示領域に前記第1分割画像及び第2分割画像をそれぞれ表示する」ことに相当する。 (2) 一致点及び相違点 前記(1)の対比分析の結果をまとめると、本願発明と引用発明の一致点及び相違点は、それぞれ次のア及びイに示すとおりである。(各段落冒頭の括弧()内は、関係する前記(1)の項目を記載した。) ア 一致点 「(ア)接合ディスプレイ駆動方法であって、前記接合ディスプレイは、少なくとも二つのサブディスプレイを含み、 (イ)少なくとも二つの前記サブディスプレイは、第1方向におけるサブ画素の寸法及び数が同じであり、N行/列のサブ画素がずれるように前記第1方向にずらして接合される第1サブディスプレイ及び第2サブディスプレイを含み、 (ウ)前記第1サブディスプレイは、画面を表示できる第1ダイナミック表示領域及び画面を表示できない第1ノーマリーブラック表示領域を有し、 (エ)前記第2サブディスプレイは、画面を表示できる第2ダイナミック表示領域及び画面を表示できない第2ノーマリーブラック表示領域を有し、 (オ)前記第1ダイナミック表示領域及び前記第2ダイナミック表示領域に含まれるサブ画素行/列は、同じであり、かつ、それぞれ対応し、 (カ)前記第1ノーマリーブラック表示領域は、ブランク領域に対向する第1サブノーマリーブラック表示領域を含み、 (キ)前記第2ノーマリーブラック表示領域は、ブランク領域に対向する第3サブノーマリーブラック表示領域を含み、 (ク)前記第1サブノーマリーブラック表示領域は、N行/列のサブ画素を含み、 (ク)前記第3サブノーマリーブラック表示領域は、N行/列のサブ画素を含み、 (ク)Nは、正の整数であり、 (ケ)前記第1ノーマリーブラック表示領域を前記第1サブノーマリーブラック表示領域のみからなるように構成し、前記第2ノーマリーブラック表示領域を前記第3サブノーマリーブラック表示領域のみからなるように構成し、前記第1サブノーマリーブラック表示領域は、前記第1ダイナミック表示領域の片側に接続され、前記第2ダイナミック表示領域と前記第3サブノーマリーブラック表示領域とは接続され、 前記接合ディスプレイ駆動方法は、 (コ)表示すべき初期ビデオ画像を取得することと、 (サ)前記初期ビデオ画像を前記第1サブディスプレイ及び前記第2サブディスプレイに対応する第1分割画像及び第2分割画像に分割することと、 (シ)第1ノーマリーブラック表示領域及び第2ノーマリーブラック表示領域にノーマリーブラック画面を表示し、第1ダイナミック表示領域及び第2ダイナミック表示領域に前記第1分割画像及び第2分割画像をそれぞれ表示することと、 (ア)接合ディスプレイ駆動方法」である点。 イ 相違点 (ア) 相違点1(構成M参照。) 構成Mに関し、本願発明においては、 「前記第1ダイナミック表示領域及び前記第2ダイナミック表示領域に含まれるサブ画素行数又はサブ画素列数は、いずれも3又は4の倍数であ」るのに対し、 引用発明においては、 「第1基準境界21及び第2基準境界22に囲まれた領域」内の行数が「3又は4の倍数」であるか否か特定されていない点。 (イ) 相違点2(前記(1)ケ参照。) 本願発明においては、 「サブディスプレイ」のずれる行数である「N」に関し、「N=3aの場合」であって、「aは、正の整数であ」るのに対して、 引用発明においては、 「サブピクセルのずれ行数」は正の整数であるものの、3の倍数であるか否か特定されていない点。 (ウ) 相違点3(構成Q参照。) 本願発明においては、 「三つの前記サブ画素は、一つの画素を構成」するのに対して、 引用発明においては、 「サブピクセル」と1つのピクセルの関係が特定されていない点。 7 判断 (1)相違点1~3について、まとめて検討する。 ア 前記5(1)イで技術常識1として述べたとおり、本願優先日当時、表示装置の駆動制御の技術分野において、「サブピクセルの形状や並べ方は表示方式や装置の仕様によって、色々な種類があり、一般的な液晶画面の例ではサブピクセルは画素の1/3幅の縦長の長方形となっており、三色旗のように赤・緑・青のサブピクセルが横一列に並んで正方形の画素を構成すること」は、技術常識である。 イ しかるに、本願発明には、構成Qにおいて、1つの画素が、3つのサブ画素により構成されることは特定されているものの、1つの画素内において、3つのサブ画素がどのように配列されているかはなんら特定されていないから、本願発明は、サブ画素の配列方向と、「第1方向」とが一致しない構成を含むものである。 よって、構成Mにおいて、第1及び第2ダイナミック表示領域に含まれるサブ画素行数が3又は4の倍数であること、及び、構成R及び構成Sにおいて、「サブディスプレイ」のずれる行数である「N」が、「N=3aの場合」であって、「aは、正の整数であ」ることは、有意な効果を奏するものとなっていないから、これらの構成に、技術的意義は認められない。 ウ また、引用文献1において、ディスプレイが横方向に接合された実施例1及び2と共に、ディスプレイが縦方向に接合された実施例3及び4を含んでいることからも明らかなように、表示装置の縦方向と横方向は任意である。 エ そして、アの技術常識1、及び、ウの表示装置の縦方向と横方向は任意であることを踏まえるに、引用発明の各画素とサブピクセルの関係として、垂直方向(第1方向)に赤・緑・青の3つのサブピクセルが交互に配列する形態を採用することは、当業者が適宜選択し得た事項にすぎない(相違点3)。また、この場合、ディスプレイ10a及び10bの垂直方向(第1方向)のサブピクセルの行数は3の倍数となる。 オ ここで、多数の接合ディスプレイを製造するに当たっては、様々な接合誤差が想定されるところ、製造された接合ディスプレイの中には、ずれる行数が3の倍数に該当するものがあることは明らかである(相違点2)。そして、この場合、前記したとおり、ディスプレイ10a及び10bの垂直方向(第1方向)のサブピクセルの行数は3の倍数であることから、ディスプレイ10a及び10bの上側非表示領域200と下側非表示領域200のずれ行数を引いた残りである、第1基準境界21及び第2基準境界22に囲まれた領域(第1ダイナミック表示領域及び第2ダイナミック表示領域)のサブピクセル(サブ画素)の行数も3の倍数のものとなっている(相違点1)。 カ 以上によれば、引用発明において、技術常識1及びウの事項を鑑みて、相違点1~3に係る構成を採用することは、当業者が容易になし得たことである。 (2)そして、前記(1)イで述べたように、前記構成M、構成R及び構成Sの構成を採用することに技術的意義が認められないことを踏まえるに、相違点1~3を総合的に勘案しても、本願発明が奏する効果としては、当該構成のものとして当業者が予測・発見困難であり、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。 したがって、本願発明は、引用発明、技術常識1及び前記(1)ウの事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 (3)なお、請求人は、審判請求書において、補正後の請求項9及び10~16は請求項1に記載の技術的特徴と同様の特徴を持ち合わせているため、請求項1と同様の理由により進歩性は否定されない旨、主張する。 しかしながら、前記2(1)で述べたように、補正後の請求項1は、補正前の請求項10の特定事項を含まないものであるが、本願発明である補正後の請求項10は、補正前の請求項10の特定事項を含むものである。 そして、本願発明が、引用発明、技術常識1及び前記(1)ウの事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであることは、前記(1)で述べたとおりであるから、請求人の前記主張は採用できない。 8 参考 国際公開第2021/194815号(特に、段落[0025]~[0040]、図1~5参照。)には、多数行の画素により構成される2つ以上のディスプレイの配列ずれを補正するために、アクティブ領域306及び308の上下に、それぞれバッファー領域310及び312、並びに、314及び316を設け、アクティブ領域306及び308の行開始位置を調整する技術が記載されている。 図3A及び図3B [図:0001436844000010.jpg] 9 むすび 以上検討のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-019940

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