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特許拒絶査定不服審判

2024-019281

構造体及びその製造方法

審判番号
2024-019281
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-169385
請求日
2024年12月02日
審決日
2025年12月17日
公報発行日
2026年03月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社レゾナック
  • 【請求人代理人】弁理士法人太陽国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 松永 稔
  • 審判官 棚田 一也
  • 審判官 綿引 隆
分類
P18 .113-WZ (H01L) / P18 .121-WZ (H01L)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
行政事件訴訟法46条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-169385「構造体及びその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年 4月18日出願公開、特開2022- 61398〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和2年10月6日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和 6年 4月 3日付け 拒絶理由通知 同年 6月 7日 意見書及び手続補正書の提出 同年 9月 9日付け 拒絶査定 同年12月 2日 審判請求書及び手続補正書の提出 令和 7年 8月18日付け 拒絶理由通知(当審) 同年10月16日 意見書及び手続補正書の提出 第2 本願発明 本願の請求項1~5に係る発明は、令和7年10月16日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~5に記載された事項により特定されるものであると認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。 「 【請求項1】 第1の部材及び第2の部材と、前記第1の部材と前記第2の部材との間の空間の周縁部に非連続的に配置される絶縁部材と、を備え、前記絶縁部材は前記空間に接して配置され、前記絶縁部材は硬化性樹脂組成物の硬化物であり、前記硬化性樹脂組成物はエポキシ樹脂及び脂肪族アミンを含む、構造体。」 第3 当審において通知した拒絶の理由 令和7年8月18日付けで当審において通知した拒絶の理由のうち、理由2の概要は、以下のとおりである。 理由2(進歩性)この出願の請求項1~4に係る発明は、引用文献1に記載された発明又は引用文献2に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、請求項5に係る発明は、引用文献1に記載された発明及び引用文献3、4に示される周知技術、又は、引用文献2に記載された発明及び引用文献3、4に示される周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1~5に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。(引用文献については、下記<引用文献一覧>参照) <引用文献等一覧> 1.米国特許出願公開第2019/0157222号明細書 2.特開2004-128364号公報 3.特開2007-246897号公報 4.特開平11-260945号公報 第4 引用文献の記載、引用発明 1 引用文献1について (1)引用文献1の記載 令和7年8月18日付け拒絶理由通知において引用され、本願の出願日前に公開された引用文献1(米国特許出願公開第2019/0157222号明細書)には、以下の記載がある。(なお、下線は合議体で付与した。以下、同じ。) 「[0011] FIG.1A shows a cross-sectional view and FIG.1B shows a bottom-side up view of an example semiconductor package 100 (also referred to as a packaged semiconductor device 100 or simply as a package 100) having an isolation structure 122 according to the present disclosure. In the embodiment shown, package 100 is a chip scale packaging (CSP) package attached to a printed circuit board (PCB) 102.・・・(中略)・・・ [0012] Package 100 includes a semiconductor die 104 having a back side 106 of silicon (e.g., bulk silicon) and an opposite front side or active side 108 that includes active circuitry and a plurality of bond pads 110. In the embodiment shown, back side 106 of the die 104 also forms the back side of the package 100, although the back side of the package 100 may extend beyond the back side of the die 104 in other embodiments (e.g., embodiments with mold compound around the back side 106 of the die 104).」 (当審訳:[0011] 図1Aは、本開示による分離構造122を有する例示的な半導体パッケージ100(パッケージ化された半導体デバイス100または単にパッケージ100とも呼ばれる)の断面図を示し、図1Bは、底面図を示す。図示の実施形態では、パッケージ100は、プリント回路基板(PCB)102に取り付けられたチップスケールパッケージング(CSP)パッケージである。・・・(中略)・・・ [0012] パッケージ100は、シリコン(例えば、バルクシリコン)の裏面106と、アクティブ回路および複数のボンドパッド110を含む反対側の表面またはアクティブ面108とを有する半導体ダイ104を含む。図示の実施形態では、ダイ104の裏面106もパッケージ100の裏面を形成するが、他の実施形態(例えば、ダイ104の裏面106の周囲にモールド化合物を有する実施形態)では、パッケージ100の裏面はダイ104の裏面を越えて延在してもよい。) 「[0015] A redistribution layer (RDL) structure 112 is formed over the active side 108 of the die 104.RDL structure 112 includes a number of patterned dielectric layers and metal layers, which form routing or connection paths through the RDL structure 112.The connection paths provide electrical connections between the plurality of bond pads 110 on the die 104 and a plurality of external contact pads 116 at an outermost surface 114 of the RDL structure 112.Each connection path may include a metal filled via 120 that makes electrical contact with a respective bond pad 110, and a metal trace 118 that makes electrical contact with the metal filled via 120 at one end and makes electrical contact with a respective contact pad 116 at the other end.」 (当審訳:[0015] 再配線層(RDL)構造112は、ダイ104のアクティブ面108上に形成される。RDL構造112は、RDL構造112を通るルーティングまたは接続経路を形成する、いくつかのパターニングされた誘電体層および金属層を含む。接続経路は、ダイ104上の複数のボンドパッド110と、RDL構造112の最外面114における複数の外部コンタクトパッド116との間の電気接続を提供する。各接続経路は、それぞれのボンドパッド110と電気的に接触する金属充填ビア120と、一端において金属充填ビア120と電気的に接触し、他端においてそれぞれのコンタクトパッド116と電気的に接触する金属トレース118とを含み得る。) 「[0017] A plurality of external connections are respectively attached to the external contact pads 116. In the embodiment shown, the external connections are solder balls 130 and 132, where solder balls 130 are electrically connected to signal lines that carry RF signals, and solder balls 132 are electrically connected to signal lines that carry non-RF signals.」 (当審訳:[0017] 外部接続パッド116には複数の外部接続部がそれぞれ取り付けられており、図示の実施形態では、外部接続部ははんだボール130及び132であり、はんだボール130は、RF信号を搬送する信号線に電気的に接続され、はんだボール132は、非RF信号を搬送する信号線に電気的に接続されている。) 「[0018] The mechanical attachment of the package 100 to the PCB 102 may also be strengthened using an adhesive material, which is a dielectric or insulating material such as edge bond material, underfill material, mold compound material, and the like. In the embodiment shown, edge bond material 124 is placed around the perimeter 134 between the package 100 and the PCB 102, also shown in FIG. 1B in dashed outline. The edge bond material 124 may contact portions of the outermost surface 114 of RDL structure 112, and may also contact portions of the lateral edges of package 100 (which may also be lateral edges of the die 104 and lateral edges of the RDL structure 112). Examples of edge bond material 124 may include but are not limited to epoxy, resin, or low-CTE expansion filler material (e.g., silica, alumina, boron nitride, and the like) in a liquid polymer that can be cured (e.g., by heat, ultraviolet light, and the like) into a solid composite material that adheres to the package 100 and the PCB 102.」 (当審訳:[0018] PCB102へのパッケージ100の機械的取付けは、エッジボンド材料、アンダーフィル材料、モールド化合物材料などの誘電体または絶縁材料である接着材料を使用して強化することもできる。示される実施形態では、エッジボンド材料124は、パッケージ100とPCB102との間の外周134の周りに配置され、これも図1Bに破線の輪郭で示される。エッジボンド材料124は、RDL構造体112の最外面114の部分に接触することができ、パッケージ100の横方向エッジ(ダイ104の横方向エッジ及びRDL構造体112の横方向エッジでもあり得る)の部分にも接触することができる。エッジボンド材料124の例としては、限定はしないが、パッケージ100およびPCB102に接着する固体複合材料に硬化(たとえば、熱、紫外線などによって)され得る液体ポリマー中のエポキシ、樹脂、または低CTE膨張充填材料(たとえば、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素など)が挙げられ得る。) 「[0020] To prevent the adhesive material from making such contact with the external connections that carry RF signals, an isolation structure is formed around the external connections that carry RF signals. In the embodiment shown, solder balls 130 carry RF signals, which are shown in FIG.1B as located along the right and bottom edges of the package 100, and the isolation structure 122 is formed around solder balls 130. As shown in FIG.6, the isolation structure has a lateral thickness 640 and a height 646. In some embodiments, the height 646 of the isolation structure is N times larger than the lateral thickness 640, where N is an integer that is equal to or greater than 1. This provides an isolation structure with a high aspect ratio that may fit in the spacing distance between external connections on the package 100 while also acting as a barrier between the external connections and any laterally spreading adhesive material that would degrade RF performance if such material (partially or fully) surrounded the external connections.」 (当審訳:[0020] 接着材料がRF信号を搬送する外部接続部と接触するのを防止するために、RF信号を搬送する外部接続部の周囲に分離構造が形成される。図示の実施形態では、はんだボール130はRF信号を搬送し、RF信号は、パッケージ100の右縁および底縁に沿って位置するものとして図1Bに示されており、分離構造122ははんだボール130の周りに形成される。図6に示すように、分離構造は横方向厚さ640及び高さ646を有し、分離構造の高さ646は横方向厚さ640のN倍であり、Nは1以上の整数である。これは、パッケージ100上の外部接続間の離間距離に適合し得る高アスペクト比を有する分離構造を提供する一方で、外部接続と、そのような材料が(部分的にまたは完全に)外部接続を囲んでいる場合にRF性能を低下させるであろう任意の横方向に広がる接着材料との間の障壁としても作用する。) 「[0021] It is preferred that the height 646 of the isolation structure is less than a uniform height 648 of the external connections, where heights 646 and 648 are measured from the outer surface 114 of the RDL structure 112.」 (当審訳:[0021] 分離構造の高さ646は、外部接続の均一な高さ648よりも低いことが好ましく、高さ646および648は、RDL構造112の外面114から測定される。) 「 [図:0001432804000001.jpg] 」 (2)引用文献1に記載された引用発明 ア 上記(1)の段落0011には「図1Aは」「半導体パッケージ100(」「パッケージ100とも呼ばれる)の断面図を示し、図1Bは、底面図を示す。」「パッケージ100は、プリント回路基板(PCB)102に取り付けられたチップスケールパッケージング(CSP)パッケージである。」と記載され、上記(1)の段落0018には「PCB102へのパッケージ100の機械的取付けは、エッジボンド材料」「などの」「接着材料を使用して強化することもできる。」及び「エッジボンド材料124」と記載されていることを踏まえると、図1A、1Bから、「パッケージ100が、エッジボンド材料124を使用してプリント回路基板(PCB)102に取り付けられた構造」が見て取れる。 イ 上記(1)の段落0012には、「表面またはアクティブ面108」と記載され、上記(1)の段落0015には、「再配線層(RDL)構造112は、ダイ104のアクティブ面108上に形成される。」と記載されている。よって、表面108上に再配線層(RDL)構造112が形成されるといえる。 ウ(ア)上記(1)の段落0017には、「外部接続部ははんだボール130及び132であり、はんだボール130は、RF信号を搬送する信号線に電気的に接続され」と記載され、はんだボール130は、RF信号を搬送する外部接続部であるといえる。 (イ)また、上記(1)の段落0018には、「エッジボンド材料」「などの」「接着材料」と記載され、エッジボンド材料は接着材料であるといえる。 (ウ)上記(1)の段落0020には、「接着材料がRF信号を搬送する外部接続部と接触するのを防止するために、RF信号を搬送する外部接続部の周囲に分離構造が形成される。」と記載されており、上記(ア)及び(イ)を踏まえると、エッジボンド材料がはんだボール130と接触するのを防止するために、はんだボール130の周囲に分離構造が形成されるといえる。 エ 上記(1)の段落0018には、「エッジボンド材料124は、パッケージ100とPCB102との間の外周134の周りに配置され、これも図1Bに破線の輪郭で示される。」「エッジボンド材料124の例としては」「パッケージ100およびPCB102に接着する固体複合材料に硬化」「され得る」「エポキシ」「が挙げられ得る。」と記載されていることを踏まえると、図1A、1Bから、「エッジボンド材料124は、パッケージ100とPCB102との間の空間に接するように、パッケージ100とPCB102との間の外周134の周りに非連続的に配置され、硬化されてパッケージ100およびPCB102を接着する固体複合材料となるエポキシである」ことが見て取れる。 オ 上記(1)の段落0012、段落0015、段落0017、段落0020、段落0021、上記ア~エによれば、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されている。(括弧内は、引用箇所等を示す。) <引用発明1> 「パッケージ100が、エッジボンド材料124を使用してプリント回路基板(PCB)102に取り付けられた構造であって、(上記ア) パッケージ100は、シリコンの裏面106と、アクティブ回路および複数のボンドパッド110を含む反対側の表面108とを有する半導体ダイ104を含み、(段落0012) 表面108上には再配線層(RDL)構造112が形成され、RDL構造112は、RDL構造112を通る接続経路を形成する誘電体層および金属層を含み、接続経路は、半導体ダイ104上の複数のボンドパッド110と、RDL構造112の最外面114における複数の外部接続パッド116との間の電気接続を提供し、(段落0015、上記イ) 外部接続パッド116には複数の外部接続部がそれぞれ取り付けられており、外部接続部ははんだボール130及び132であり、はんだボール130は、RF信号を搬送する信号線に電気的に接続され、はんだボール132は、非RF信号を搬送する信号線に電気的に接続されており、(段落0017) エッジボンド材料124がはんだボール130と接触するのを防止するために、はんだボール130の周囲に分離構造が形成され、分離構造は横方向厚さ640及び高さ646を有し、分離構造の高さ646は横方向厚さ640のN倍であり、Nは1以上の整数であり、分離構造の高さ646は、外部接続部の均一な高さ648よりも低く、(段落0020、段落0021、上記ウ、) エッジボンド材料124は、パッケージ100とPCB102との間の空間に接するように、パッケージ100とPCB102との間の外周134の周りに非連続的に配置され、硬化されてパッケージ100およびPCB102を接着する固体複合材料となるエポキシである(上記エ) 構造。」 2 引用文献2について (1)引用文献2の記載 令和7年8月18日付け拒絶理由通知において引用され、本願の出願日前に公開された引用文献2(特開2004-128364号公報)には、以下の記載がある。 「【0019】 図1に示すように、本発明の第1実施形態である半導体パッケージは、半導体素子1、コア層6と絶縁層7とバンプ接続用パッド8とが形成された配線基板5、バンプ接続用パッド8に接続された外部接続部材である外部接続用バンプ9、半導体素子1と配線基板5を電気的に接続する金属ワイヤなどの導電性部材3、封止樹脂4、接着部材2を備えている。 【0020】 半導体素子1は、配線基板5の一方の主面上5aに接着部材2によって搭載されている。LSI回路形成面の反対側面が配線基板5に接続された形態の例を示している。半導体素子1と配線基板5は金属細線などの導電性部材3で電気的に接続される。配線基板5の他方の主面上5bにはバンプ接続用パッド8が形成されており、バンプ接続用パッド8には外部接続用バンプ9が接続されている。本実施形態に示した半導体パッケージは、外部接続用バンプ9によって、外部装置の実装基板に実装される。なお、配線基板5の内部には図示されていない内部配線が形成されており、導電性部材3とバンプ接続用パッド8とは電気的に接続されている。配線基板5の一方の主面5a上には半導体素子1と導電性部材3を覆うように封止樹脂4が設けられており、半導体素子1、導電性部材3および配線基板の一方の主面5aを保護している。」 「【0056】 図9は、本発明による半導体パッケージの実装構造体の第4実施形態を示す断面図であり、図10は図9に示した半導体パッケージの実装構造体の平面での位置関係を説明する図である。 【0057】 これは、半導体パッケージ10の側面と実装基板11の表面に接する補強樹脂を形成するものである。 【0058】 具体例として、図9において、半導体パッケージ10の構成は図1に示した第1実施形態と同じであり、配線基板5と実装基板11それぞれのバンプ接続用パッド8、14に外部接続用バンプ9を接続することで、半導体パッケージ10を実装基板11に搭載し、実装構造体を構成している。 【0059】 半導体パッケージ10の周囲には、半導体パッケージの側面10aと実装基板の表面11aとに接するように補強樹脂26が形成されている。補強樹脂26は図10に示すように半導体パッケージの外形線に沿って形成する。なお、半導体パッケージ10と実装基板11との間にも一部形成されるが、最外周に位置する外部接続用バンプ9aには接していないことが好ましい。 【0060】 半導体パッケージ10の周囲に、半導体パッケージの側面10aと実装基板の表面11aに接するように補強樹脂26を形成することによって、実装基板11は補強樹脂26を介して半導体パッケージ10に拘束されるようになる。これによって、半導体パッケージ10近傍の実装基板11の面外変形量が小さくなり、バンプ接続部に発生する応力を低減できる。 【0061】 補強樹脂26は、図10に示すように半導体パッケージの外形線に沿った4方向すべてに形成しても良いし、半導体パッケージ10のコーナー部分4箇所に形成したものであっても良い。半導体パッケージ10の搭載部分の実装基板11の面外変形は、半導体パッケージ10のコーナー部分が大きくなるので、このコーナー部分に補強樹脂26を形成することで、実装基板の面外変形量を低減する効果が得られる。 【0062】 また、図9に示した半導体パッケージの実装構造体では、最外周に位置する外部接続用バンプ9aに補強樹脂26が接していないようにすると、半導体パッケージ10に特性不良などが発生し、交換する場合の実装基板からの取外しが容易となる効果も得られる。 【0063】 補強樹脂26には、フィラーを充てんしたエポキシ樹脂などを用い、半導体パッケージ10周囲に液状の樹脂をディスペンサなどを用いて塗布し、加熱硬化させて形成する。半導体パッケージ10と実装基板11の間に補強樹脂26が流入し、最外周に位置する外部接続用バンプ9aに接触しないように、フィラー径を調整して必要以上の流入を防止する。」 「 [図:0001432804000002.jpg] 」 (2)引用文献2に記載された引用発明 ア 図9から、「補強樹脂26は、半導体パッケージ10と実装基板11との間の空間に接している」ことが見て取れる。 イ 上記(1)の段落0058には、「図9において、半導体パッケージ10の構成は図1に示した第1実施形態と同じであり」と記載されていることを踏まえると、上記(1)の段落0019、段落0020、段落0058~段落0061、段落0063及び上記アによれば、引用文献2には、図9に示された実施例に関して、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されている。(括弧内は、引用箇所等を示す。) <引用発明2> 「 半導体パッケージ10を実装基板11に搭載し、半導体パッケージ10の周囲に、半導体パッケージ10の側面10aと実装基板11の表面11aとに接するように補強樹脂26が形成されて、実装基板11が補強樹脂26を介して半導体パッケージ10に拘束された実装構造体であって、(段落0058~段落0060) 半導体パッケージ10は、半導体素子1、コア層6と絶縁層7とバンプ接続用パッド8とが形成された配線基板5、バンプ接続用パッド8に接続された外部接続部材である外部接続用バンプ9、半導体素子1と配線基板5を電気的に接続する金属ワイヤなどの導電性部材3、封止樹脂4、接着部材2を備え、(段落0019) 半導体素子1は、配線基板5の一方の主面上5aに接着部材2によって搭載され、半導体素子1と配線基板5は導電性部材3で電気的に接続され、配線基板5の他方の主面上5bにはバンプ接続用パッド8が形成されており、(段落0020) 配線基板5と実装基板11それぞれのバンプ接続用パッド8、14に外部接続用バンプ9が接続され、(段落0058) 補強樹脂26は、半導体パッケージ10のコーナー部分4箇所に形成したものであり、フィラーを充てんしたエポキシ樹脂を用い、半導体パッケージ10の周囲に液状の樹脂をディスペンサなどを用いて塗布し、加熱硬化させて形成したものであり、半導体パッケージ10と実装基板11との間の空間に接しており、(段落0061、段落0063、上記ア) フィラーは、半導体パッケージ10と実装基板11の間に補強樹脂26が流入し、最外周に位置する外部接続用バンプ9aに接触しないように、フィラー径を調整したものである、(段落0063) 実装構造体。」 3 引用文献5について 本願の出願日前に公開された特開2002-284860号公報(以下、「引用文献5」という。)には、以下の記載がある。 「【0002】 【従来の技術】硬化性エポキシ樹脂組成物は、その物理的物性・化学的物性・電気的物性等の特性に優れるため、その特性を生かして電子機器分野において接着剤、シール剤として使用されている。」 「【0004】液状のエポキシ樹脂に、液状の脂肪族アミン類、ポリチオール、三級アミン等を硬化剤として用いた硬化性エポキシ樹脂組成物は、低温でも硬化可能な組成物として知られており、前記両成分ともに液状のため、狭い間隙に浸入した成分についても硬化可能な接着剤やシール剤として利用されている。」 4 引用文献6について 本願の出願日前に公開された特開2018-104634号公報(以下、「引用文献6」という。)には、以下の記載がある。 「【0001】 本発明は、半導体封止材、電子部品製造時に使用される一液型接着剤、半導体実装時にNCF(Non Conductive Film)として使用される接着フィルムとして使用される樹脂組成物に配合される表面処理シリカフィラー、ならびに、該表面処理シリカフィラーを含有する樹脂組成物に関する。」 「【0051】 (硬化剤) 本発明の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂の硬化剤を含有してもよい。熱硬化性樹脂の硬化剤としては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、ジシアンジアミド、ジヒドラジド化合物、酸無水物、フェノール樹脂等が挙げられ、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用する場合、好適に使用することができる。」 5 引用文献7について 本願の出願日前に公開された特開2017-84949号公報(以下、「引用文献7」という。)には、以下の記載がある。 「【0002】 近年、半導体素子と回路基板との密着力を向上させる目的として、回路基板の表面をカップリング剤で表面処理することが行われている。この種の技術として、特許文献1に記載のものがある。これにより、カップリング剤を介して、接着剤の樹脂成分と基板表面との結合を強固にすることが可能になる。同文献には、当該カップリング剤として、アミン系シランカップリング剤が記載されている。」 「【0061】 (硬化剤) 本実施形態の回路基板用樹脂組成物は、硬化剤を含むことができる。 上記熱硬化性樹脂として、シアネート樹脂(とくにノボラック型シアネート樹脂、ナフトール型シアネート樹脂、ジシクロペンタジエン型シアネート樹脂)やエポキシ樹脂(アリールアルキレン型エポキシ樹脂、とくにビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂)を用いる場合、硬化剤として、フェノール樹脂を用いることが好ましい。また、硬化剤としては、特に限定されず、例えば前記熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合は、エポキシ樹脂の硬化剤として一般的に用いられるフェノール系硬化剤、脂肪族アミン、芳香族アミン、ジシアンジアミド、ジカルボン酸ジヒドラジド化合物、酸無水物等を用いることができる。」 第5 当審の判断 1 引用文献1を主引用文献とした進歩性の判断 (1)対比 本願発明と、引用発明1とを対比する。 ア 引用発明1の「プリント回路基板(PCB)102」、及び、シリコンの裏面106と、アクティブ回路および複数のボンドパッド110を含む反対側の表面108とを有する半導体ダイ104を含む「パッケージ100」は、それぞれ、本願発明の「第1の部材」及び「第2の部材」に相当する。 イ エポキシが硬化された材料が絶縁性を有することは技術常識であり、また、引用発明1のエポキシが硬化された「固体複合材料」は、エポキシ樹脂を含む硬化性樹脂の硬化物といえる。 そうすると、引用発明1の「パッケージ100とPCB102との間の空間に接するように、パッケージ100とPCB102との間の外周134の周りに非連続的に配置され、硬化されてパッケージ100およびPCB102を接着する固体複合材料」は、「前記第1の部材と前記第2の部材との間の空間の周縁部に非連続的に配置され」、かつ、「前記空間に接して配置され」、「硬化性樹脂組成物の硬化物」である点で本願発明の「絶縁部材」と一致し、引用発明1の硬化される前のエポキシは、「硬化される」樹脂である点で、本願発明の「硬化性樹脂」と共通する。 ウ 引用発明1の「構造」は、パッケージ100が、エッジボンド材料124を使用してプリント回路基板(PCB)102に取り付けられた「構造体」といえるから、上記ア及びイを踏まえると、引用発明1は、「第1の部材」、「第2の部材」及び「絶縁部材」を備える点で、本願発明の「構造体」と共通する。 エ 上記ア~ウによれば、本願発明と引用発明1とは、以下の点で一致し、相違する。 <一致点> 「第1の部材及び第2の部材と、前記第1の部材と前記第2の部材との間の空間の周縁部に非連続的に配置される絶縁部材と、を備え、前記絶縁部材は前記空間に接して配置され、前記絶縁部材は硬化性樹脂の硬化物であり、前記硬化性樹脂はエポキシ樹脂を含む、構造体。」 <相違点1> 本願発明は、「硬化性樹脂組成物はエポキシ樹脂及び脂肪族アミンを含む」のに対し、引用発明1は、エッジボンド材料124がエポキシの他に脂肪族アミンを含む硬化性樹脂組成物であることが特定されていない点。 (2)相違点1についての検討 引用発明1のエッジボンド材料124は、「パッケージ100とPCB102との間の空間に接するように、パッケージ100とPCB102との間の外周134の周りに非連続的に配置され、硬化されてパッケージ100およびPCB102を接着する固体複合材料となるエポキシである」ところ、接着に用いられるエポキシに、エポキシの硬化剤として脂肪族アミンを含ませることは、上記第4の4、5のとおり、引用文献5~7に記載されているように周知技術であるから、引用発明1に当該周知技術を適用し、相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (3)小括 以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明1及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 2 引用文献2を主引用文献とした進歩性の判断 (1)対比 本願発明と引用発明2とを対比する。 ア 引用発明2の「実装基板11」及び「半導体パッケージ10」は、本願発明の「第1の部材」及び「第2の部材」に相当する。 イ 一般に、エポキシ樹脂が硬化されたものが絶縁性であることは技術常識であり、また、引用発明2の「補強樹脂26」は、「フィラーを充てんしたエポキシ樹脂を用い」、「液状の樹脂を」「塗布し、加熱硬化させて形成したもの」であるから、エポキシ樹脂を含む硬化性樹脂組成物の硬化物といえる。 そうすると、引用発明2の「補強樹脂26」は、「半導体パッケージ10の周囲に、半導体パッケージ10の側面10aと実装基板11の表面11aとに接するように」形成され、「半導体パッケージ10のコーナー部分4箇所に形成したものであり」、「半導体パッケージ10と実装基板11との間の空間に接して配置され」るものであるから、「前記第1の部材と前記第2の部材との間の空間の周縁部に非連続的に配置される絶縁部材」といえ、「前記空間に接して配置され」、「硬化性樹脂組成物の硬化物」である点で本願発明の「絶縁部材」と一致する。 ウ 引用発明2の「実装構造体」は、「半導体パッケージ10」、「実装基板11」及び「補強樹脂26」を有するものであるから、「第1の部材」、「第2の部材」及び「絶縁部材」を有する点で、本願発明の「構造体」と共通する。 エ 上記ア~ウによれば、本願発明と引用発明2は、以下の点で一致し、相違する。 <一致点> 「第1の部材及び第2の部材と、前記第1の部材と前記第2の部材との間の空間の周縁部に非連続的に配置される絶縁部材と、を備え、前記絶縁部材は前記空間に接して配置され、前記絶縁部材は硬化性樹脂の硬化物であり、前記硬化性樹脂はエポキシ樹脂を含む、構造体。」 <相違点2> 本願発明は、「硬化性樹脂組成物はエポキシ樹脂及び脂肪族アミンを含む」のに対し、引用発明2は、「液状の樹脂」が、エポキシ樹脂の他に脂肪族アミンを含むことが特定されていない点。 (2)相違点2についての検討 引用発明2において、「実装基板11が補強樹脂26を介して半導体パッケージ10に拘束され」るから、引用発明2のエポキシ樹脂を用いた「液状の樹脂」は、電子部品の技術分野において接着剤として用いられるものであるといえる。そして、接着に用いるエポキシ樹脂を加熱硬化させる際に、エポキシ樹脂に硬化剤として脂肪族アミンを含ませることは、上記第4の3~5のとおり、引用文献6、7に記載されているように周知技術であるから、引用発明2に当該周知技術を適用し、相違点2に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (3)小括 以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明2及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 3 結論 以上のとおり、本願発明は、引用発明1及び引用文献5~7に記載された周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、また、引用発明2及び引用文献6、7に記載された周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、令和7年8月18日付けで当審において通知した拒絶の理由を解消していない。 4 請求人の主張について (1)請求人の主張 請求人は令和7年10月16日提出の意見書(以下「意見書」という。)において、当審における拒絶の理由2について次の主張をした。 「引用文献1(米国特許出願公開第2019/0157222号明細書)にはエッジボンド材料124の材料としてエポキシ樹脂及び脂肪族アミンを含む硬化性樹脂組成物を使用することは記載されておらず、引用文献2(特開2004-128364号公報)にも補強樹脂26の材料としてエポキシ樹脂及び脂肪族アミンを含む硬化性樹脂組成物を使用することは記載されておりません。 したがって、補正後の請求項1に係る発明は引用文献1又は引用文献2に記載された発明ではなく、引用文献1又は引用文献2の記載から当業者が容易に発明できたものでもありません。 また、引用文献3(特開2007-246897号公報)及び引用文献4(特開平11-260945号公報)の記載内容に鑑みると、これらに基づいて引用文献1に記載のエッジボンド材料126又は引用文献2に記載の補強樹脂26の材料としてエポキシ樹脂及び脂肪族アミンを含む硬化性樹脂組成物を使用することは当業者が容易になし得たことであったとはいえません。 したがって、補正後の請求項1に係る発明は引用文献1又は引用文献2と引用文献3又は引用文献4とに基づいて当業者が容易に発明できたものでもありません。」 (2)請求人の主張についての検討 上記1(2)のとおり、接着に用いられるエポキシに、エポキシの硬化剤として脂肪族アミンを含ませることは、当業者が引用発明1に容易に採用し得る周知技術であり、また、上記2(2)のとおり、接着に用いるエポキシ樹脂を加熱硬化させる際に、エポキシ樹脂に硬化剤として脂肪族アミンを含ませることも、当業者が引用発明2に容易に採用し得る周知技術であるから、上記(1)の請求人の主張を採用することはできない。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

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2024-019281

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