2024-016979
洗濯機
- 審判番号
- 2024-016979
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2023-005983外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 1811391
- 請求日
- 2024年10月24日
- 審決日
- 2025年09月18日
- 公報発行日
- 2025年10月31日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】▲無▼▲錫▼小天鵝電器有限公司
- 【請求人代理人】及川 周
- 【請求人代理人】行田 朋弘
- 分類
- D18 .113-WY (C3-5)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 6項目
第1 手続の経緯
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本願は、物品の部分について意匠登録を受けようとする、令和5年(2023年)3月27日の意匠登録出願(パリ条約による優先権主張:2022年12月22日(CN)中華人民共和国)であって、その後の主な手続の経緯は以下のとおりである。
同年 7月12日付け:拒絶査定
同年 10月24日 :審判請求書の提出
同年 6月 6日 :回答書及び手続補正書の提出
第2 本願の意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、意匠に係る物品を「洗濯機」とし、その形状、模様、若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状等」という。)を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり、本願意匠において物品の部分として意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)を、「実線で表した部分が、意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである。(別紙第1参照)。
第3 原査定における拒絶の理由及び引用の意匠
原査定の拒絶の理由は、本願意匠が、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の意匠(以下「引用意匠」という。)に類似するものであるから、意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠(先行の公知意匠に類似するため、意匠登録を受けることのできない意匠)に該当する、というものである。
引用意匠(別紙第2参照)
特許庁発行の意匠公報記載
意匠登録第1175980号
意匠に係る物品、電気洗濯機のうち、本願の意匠登録を受けようとする部分に対応する部分(蓋部)の意匠
第4 当審の判断
1 本願意匠と引用意匠の対比
(1)本願意匠及び引用意匠(以下「両意匠」という。)の意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は「洗濯機」であり、引用意匠の意匠に係る物品は「電気洗濯機」であるから、両意匠の意匠に係る物品は、一致する。
(2)本願部分及び引用意匠のうち、本願の意匠登録を受けようとする部分に相当する部分(以下「引用部分」という。)の位置、大きさ及び範囲並びに用途及び機能
本願部分及び引用部分(以下「両部分」という。)は、いずれも、洗濯機の蓋部であって、その位置、大きさ及び範囲並びに用途及び機能は一致する。
(3)両部分の形状等
両部分の形状等を対比すると、主として以下のとおりの共通点及び相違点が認められる。
ア 共通点
(共通点ア)平面視において、全体を略正方形状とし、略中央に横の分割線を設けており、当該分割線で折れて開蓋することができる蓋部である点、
(共通点イ)側面視において、蓋側面部が本体側面側に露出している点、
(共通点ウ)平面視において、蓋下端寄りにやや凸弧状に湾曲した横の分割線(以下「弧状分割線」という。)を有する点、
において共通する。
イ 相違点
(相違点ア)側面視において、本願部分は、全体が平坦であるのに対し、引用部分は、ゆるやかに膨らんでいる点、
(相違点イ)蓋下辺について、本願部分は、平面視において直線で形成されているのに対し、引用部分は、凸弧状に湾曲している点、
(相違点ウ)引用部分は、平面視において弧状分割線の上に半月状の凹みを設けているが、本願部分は、そのような凹みを設けていない点、
(相違点エ)本願部分は、蓋全体を不透明としているのに対し、引用部分は、蓋の弧状分割線の下を除いた部分を透明としている点、
において相違する。
ウ 両部分の形状等の共通点及び相違点の評価並びに類否判断
共通点及び相違点が両部分の類否判断に与える影響の評価に基づき、総合的に観察して、両部分の形状等の類否を部分全体として検討し、判断する。
(ア) 共通点の評価
(共通点ア)について、平面視において、全体を略正方形状とし、略中央に横の分割線を設けており、当該分割線で折れて開蓋することができる蓋部を有するものも、
(共通点イ)について、蓋側面部が本体側面側に露出しているものも、
(共通点ウ)について、蓋下端寄りに弧状分割線を有するものも、
いずれもこの種物品分野においてよく見られるものであり(例えば、下記の参考意匠1参照。)、特に需要者が注意を引くものではないので、(共通点ア)から(共通点ウ)が両意匠の類否判断に与える影響は小さい。
参考意匠1(別紙第3参照)
意匠登録第1061037号の意匠
(イ) 相違点の評価
(相違点ア)については、本願部分のように、蓋全体を平坦とすることは、この種物品分野においてあまり見られないものであって、需要者の注意を強くひくものであるから、両部分の類否判断に与える影響は大きい。
(相違点イ)については、本願部分のように、蓋下辺を平面視直線で形成することも(例えば参考意匠1参照)、引用部分のように、凸弧状に湾曲して形成することも(例えば参考意匠2参照)、この種物品分野において、本願出願前よりよく見られるものであって、(相違点イ)が両部分の類否判断に与える影響は小さい。
(相違点ウ)については、本願部分は、全体にわたり凹みを設けていないのに対し、引用部分は、蓋の略中央に半月状の凹みを有しており、当該相違は、意匠の骨格に係る相違として需要者に別異の印象を強く与えるものである。さらに、洗濯機の蓋において開閉の際に手がかりに手を入れやすくなるとの観点から、凹みの有無は、需要者が特に注目する箇所における相違であるから、需要者の注意を強くひくものであって、(相違点ウ)が両部分の類否判断に与える影響は大きい。
(相違点エ)については、本願部分及び引用部分の大部分を占める相違ではあるものの、本願部分のように蓋全体を不透明としているものも、引用部分のように蓋を透明としたものも、どちらもこの種物品分野において、一般的に見られるものであって、不透明な蓋と透明な蓋を有する洗濯機がバリエーションの意匠として需要者に認識されており、また、これらと同じ関係性にあるものが本意匠と関連意匠として登録されている実態も加味すると(例えば参考意匠3及び参考意匠4参照)、(相違点エ)が両部分の類否判断に与える影響は一定程度といえる。
参考意匠2(別紙第4参照)
意匠登録第978341号の意匠
参考意匠3(別紙第5参照)
意匠登録第1195588号の意匠
参考意匠4(別紙第6参照)
意匠登録第1195731号の意匠
(ウ) 両部分の形状等の類否判断
両部分の形状等における共通点及び相違点の評価に基づき、意匠全体として総合的に観察し判断した場合、共通点が両部分の類否判断に与える影響はいずれも小さいものである。一方で、(相違点イ)が、両部分の類否判断に与える影響は小さいとしても、(相違点ア)及び相違点(ウ)が、両意匠の類否判断に与える影響は大きく、(相違点エ)も一定程度の影響を与えるといえる。
したがって、両部分の形状等を全体として観察し、総合的に判断した場合、両部分の形状等は、共通点に比べて、相違点が両部分の類否判断に与える影響の方が大きく、需要者に別異の印象を与えるものであるから、両部分の形状等は類似しない。
(4)小括
そうすると、両意匠は、意匠に係る物品が同一であり、両部分の位置、大きさ及び範囲並びに用途及び機能は一致するが、両部分の形状等においては類似しないから、本願意匠は引用意匠に類似しない。
第5 むすび
以上のとおり、原査定の引用意匠をもって、本願意匠は、意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するものとすることはできないから、原査定の拒絶の理由によって、本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。
また、当審において更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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