特許拒絶査定不服審判
2024-008697
表示パネル
- 審判番号
- 2024-008697
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-553032
- 請求日
- 2024年05月24日
- 審決日
- 2025年03月24日
- 公報発行日
- 2025年09月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】深▲セン▼市▲華▼星光▲電▼半▲導▼体▲顕▼示技▲術▼有限公司
- 【請求人代理人】弁理士法人後藤特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 神谷 健一
- 審判官 井口 猶二
- 審判官 河原 正
- 分類
- P18 .575-Z (H10K) / P18 .113-Z (H10K) / P18 .121-Z (H10K)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2021-553032「表示パネル」拒絶査定不服審判事件〔令和 5年 2月23日国際公開、WO2023/019634、令和 5年10月 4日国内公表、特表2023-541726〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 事案の概要
特願2021-553032号(以下「本件出願」という。)は、2021年(令和3年) 8月30日(パリ条約に基づく優先権主張 2021年(令和3年) 8月18日 (CN)中国)に出願された国際出願であって、その手続等の経緯の概要は、以下のとおりである。
令和 5年10月 6日付け:拒絶理由通知書
令和 5年12月28日提出:意見書
令和 5年12月28日提出:手続補正書
令和 6年 1月29日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
令和 6年 5月24日提出:審判請求書
令和 6年 5月24日提出:手続補正書
第2 補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和 6年 5月24日にした手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正の内容
(1) 本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前である、令和 5年12月28日にした手続補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである。
「 アレイ基板と、
前記アレイ基板に設けられ、複数のピクセル電極を含むピクセル電極層と、
前記ピクセル電極層と絶縁して前記アレイ基板に設けられ、少なくとも前記ピクセル電極の一部を囲んで設けられる少なくとも1つの電界電極を含む電界電極層と、を備え、
前記電界電極と前記ピクセル電極との間には、隙間が形成され、
前記ピクセル電極を囲んで設けられた前記電界電極の一部と前記ピクセル電極との間の隙間の距離は、等しい、
表示パネル。」
(2) 本件補正後の特許請求の範囲
本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである。なお、下線は補正箇所を示す。
「 アレイ基板と、
前記アレイ基板に設けられ、複数のピクセル電極を含むピクセル電極層と、
前記ピクセル電極層と絶縁して前記アレイ基板に設けられ、少なくとも前記ピクセル電極の一部を囲んで設けられる少なくとも1つの電界電極を含む電界電極層と、を備え、
前記電界電極と前記ピクセル電極との間には、隙間が形成され、
前記ピクセル電極を囲んで設けられた前記電界電極の一部と前記ピクセル電極との間の隙間の距離は、等しく、
前記アレイ基板は、薄膜トランジスタをさらに含み、
表示パネルは、平坦化層をさらに含み、
前記ピクセル電極層は、前記薄膜トランジスタに直接に接続されるように前記平坦化層に設けられる、表示パネル。」
(3) 本件補正について
ア 本件補正は、補正前の請求項1において、「前記アレイ基板」を、「薄膜トランジスタをさらに含」むものに限定し、「表示パネル」を、「平坦化層をさらに含」むものに限定し、「前記ピクセル電極層」を、「前記薄膜トランジスタに直接に接続されるように前記平坦化層に設けられる」ものに限定する補正を含むものであり、これは、本件出願の明細書の【0012】及び【図1】等の記載に基づくものである。
ここで、本件補正前の請求項1に係る発明と、本件補正後の請求項1に係る発明の、産業上の利用分野及び解決しようとする課題は、同一である(本件出願の明細書の【0001】及び【0003】)。
イ してみると、本件補正は、特許法17条の2第3項の規定に適合するものであり、また、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる事項(特許請求の範囲の減縮)を目的とするものに該当する。
ウ そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正後発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下検討する。
2 独立特許要件(進歩性)についての判断
(1) 引用文献1の記載
原査定の拒絶の理由1(特許法第29条第1項第3号)及び理由2(特許法第29条第2項)において引用された、特開2002-318556号公報(以下「引用文献1」という。)は、本件出願の優先権主張の日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物であるところ、そこには以下の記載がある(下線は当合議体が付したものであり、引用発明の認定や判断等に活用した箇所を示す。以下、同様とする。)。
ア 「【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機エレクトロルミネセンス(EL)表示装置等の平面表示装置およびその製造方法に係り、特に各表示素子にスイッチング素子が設けられたアクティブマトリクス型平面表示装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
・・・略・・・
【0004】有機EL表示装置は、有機ELパネルと有機ELパネルを駆動する外部駆動回路から構成される。有機ELパネルはガラス等の支持基板上に、第1電極と、第1電極と対向して配置される第2電極と、これら電極間に有機発光層を備えた表示素子をマトリクス状に配置して構成される表示領域と、外部駆動回路からの信号に基づいて各表示素子を駆動する駆動回路領域とから構成される。
【0005】この有機EL表示装置のEL発光を外部に取り出す方式には、・・・略・・・支持基板と対向する側に取り出す上面発光方式とがある。
・・・略・・
【0007】これに対して、上面発光方式の有機EL表示装置は、支持基板と対向する側にEL発光を取り出すため、支持基板側に配置される回路に制約されずに開口率を決定されるため、高い光利用効率の確保が可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで平面表示装置においては、光取出し側にある電極に光透過性の導電膜を用いることが必須であり、上面発光方式でアクティブマトリクス型を採用する場合には、光取出し側に配置される共通電極を光透過性の導電膜で作成する必要がある。ところが一般に、光透過性を有する透明導電材料は、通常の金属材料と比較して抵抗率が2-3桁程度高いことが知られている。
【0009】このため、光取出側の電極の画面面内で電極電圧が不均一となることがあり、表示品位を低下させる原因となっていた。
【0010】このことは、特に画面サイズが大きくなるほど顕著であり、このため画面サイズに制約が生じる等の問題もあった。
【0011】本発明は、上記技術課題に対してなされたもので、表示面内で表示ムラの少ないアクティブマトリクス型平面表示装置およびその製造方法を提供することを目的としている。
【0012】また本発明は、表示品位が画面サイズの制約を受けないアクティブマトリクス型平面表示装置を提供することを目的とし、またその生産性を損なうことのない製造方法を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、基板上に配置される複数の走査信号線と、前記走査信号線に略直交して配置される複数の映像信号線と、これら交点付近に配置されるスイッチング素子と、前記スイッチング素子に接続され、第1電極および第2電極間に独立島状に形成される光変調層を備えた表示素子がマトリクス状に配置されるアクティブマトリクス型平面表示装置において、前記第1電極と同層に形成され、かつ前記第1電極とは電気的に絶縁され、前記第2電極と電気的に接続された補助配線とを備えたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態に係るアクティブマトリクス型平面表示装置として自己発光型のディスプレイ、有機EL表示装置を例にとり、図面を用いて詳細に説明する。図1は、この実施形態に係るアクティブマトリクス型有機EL表示装置1の概略平面図で、図2は、図1の表示領域の一部を拡大した一部概略平面図、図3は、図2のA-A線に沿って切断した時の断面図である。
【0015】有機ELパネル2の表示領域について詳しく説明すると、この実施形態では10.4型サイズの表示領域が構成され、ガラス等の絶縁基板101上に映像信号線109と走査信号線107とがマトリクス状に配置され、その交差部にスイッチング素子SW1としてn型TFT、映像信号電圧保持用コンデンサ110、駆動用制御素子SW2としてp型TFT、有機EL表示素子Pが形成される。
【0016】有機EL表示素子Pは、駆動用制御素子SW2に接続された光反射性導電膜からなる第1電極117と、第1電極117上に配置される有機発光層121と、有機発光層121を介して第1電極117に対向配置された第2電極122と、を備えている。・・・略・・・この有機発光層121は、各表示素子Pを分離する黒色レジスト材料からなる厚さ3μmの隔壁120の開口部120bから露出される第1電極117上に配置される。
【0017】この有機EL表示装置1は第2電極122側を表示面とした上面発光方式であり、有機EL表示素子Pの第2電極122は、光透過性を有する導電膜で構成される。・・・略・・・ここでは、Baを光透過する程度に薄く、例えば膜厚10nmに成膜し、透明導電膜として全表示素子にわたって共通に形成した。この光透過性導電膜のシート抵抗はおよそ105Ω/□であった。
【0018】また、図3に示すように第1電極117と同層に設けられた補助配線118と第2電極122とは、隔壁120に補助配線118を露出するように設けられたコンタクト部120aを介して電気的に接続される。この補助配線118は、第1電極117とは隔壁120にて電気的に絶縁され、各表示素子Pの第1電極117を囲むよう格子状に設けられており、それぞれ表示領域にわたり互いに連結されている。
【0019】このように第2電極122と電気的に接続される補助配線118を表示領域全体に均等に備えるので、光取出し側電極の画面面内での電位のバラツキを抑制することが可能となる。
【0020】ここで、補助配線118としては、第2電極を形成する透明導電膜と比し抵抗が十分小さいこと、より具体的には11×10-6Ωcm以下の抵抗率の導電材料で形成されることが望ましい。このように補助配線に低抵抗な導電材料を用いることで、光取出し側電極の画面面内での電位バラツキをより一層低減することができる。
【0021】表1に補助配線として選択され得る代表的な金属材料の抵抗率と、透明導電材料の抵抗率を示す。
[表1]
[図:0001426540000001.jpg]
【0022】特に、補助配線118には1×10-6Ωcm~6×10-6Ωcm程度の抵抗率の導電材料を使用することが望ましく、単一材料であっても複数の材料を積層したものであってもよい。
【0023】本実施例においては、補助配線118は、第1電極と同一材料で形成され、Al、Mo、ITOの3層が積層され抵抗率4×10-6Ωcmの導電材料を用いて、シート抵抗10-1Ω/□となるよう形成されている。
・・・略・・・
【0024】このようにして構成される有機EL表示装置では、光取出し側電極、ここでは陰極電位の面内ばらつきを従来に比べて十分に低減でき、本実施形態においては10型サイズ超の画面サイズにも関わらず面内での輝度分布を±3cd/m2以内に抑えることができた。
【0025】図4(a)~(e)は、第2電極電源線と補助配線の配置の例を示しており、図5(a)~(c)は、図4の(a)~(c)の表示領域の一部を拡大したものである。上述の実施例においては、図4(a)に示すように、各表示素子Pの第1電極117周囲を包囲し、互いに連結されたパターン(図5(a))で表示領域に均等に配置された補助配線118を設けたが、これに限定されず種々のパターンで形成することができ、少なくとも補助配線118と第1電極117が電気的に分離され、且つ補助配線118と第2電極122とが電気的に接続されていればよい。・・・略・・・また、画素のサイズを色毎に変え、隣接第1電極間の距離に対応して大きさが決定される補助配線を設けてもよく、画面サイズ、画素数等の条件により、適宜最適なパターンを採用することができる。
【0026】このように、第1電極が独立島状に設けられ、第2電極が表示素子にわたって共通に配置されるアクティブマトリクス型を採用するので、第1電極と同層に、隣接画素間で連結した補助配線を設けることができる。
【0027】また、本発明によれば、隣接する表示素子間に一定電位を持つ補助配線が配設されていることにより、画素間の容量カップリングを軽減できクロストーク等の表示品悪化の原因を取除きより高品位の表面表示装置を達成することができる。
【0028】また、TFT上に絶縁層116を介して第1電極117が形成されるので、絶縁層116下のTFTや配線上に表示素子Pを重ねて形成することが可能となり、上面発光方式による開口率をTFT等の回路に制約されずに決定することができ、高い光利用効率を得ることができる。
【0029】また、上述の実施例においては、表示素子の上部電極(第2電極)となる透明電極材料に膜厚の薄いBaを用いる場合について説明したが、その他種々の透明導電材料を選択することができ、有機発光層の材料に適した材料を採用することが望ましい。第2電極は複数の積層膜から構成することもでき、Ba,Ca等を薄く形成した上からITOやSnOを積層させてもよい。
・・・略・・・
【0030】以上説明したように、本実施形態によれば第2電極に補助配線を接続するので、光取出し側電極全体の抵抗を下げることができ、表示面内で表示ムラを十分に抑制することができる。
【0031】次に、本発明の有機EL表示装置の製造方法について説明する。まず、常圧CVDあるいはプラズマCVDにより、ガラス等の絶縁基板101上にアンダーコート層102としてSiN膜、SiO2膜を堆積し、その上にアモルファスシリコン膜を堆積する。ここで、TFTのしきい値制御のため基板全面にボロン(B)等のp型不純物をドープしてもよい。
【0032】次に、アモルファスシリコン膜をエキシマレーザでアニール処理し、アモルファスシリコン膜を多結晶シリコン膜に結晶化させる。
【0033】さらに、その多結晶シリコン膜にレジストを塗布し、露光・パターニング・エッチング処理を施し、多結晶シリコン膜を島状に形成する。
【0034】続いて、多結晶シリコン膜を覆って全面に、CVDによりSiOxを成膜し、ゲート絶縁膜103を形成する。このゲート絶縁膜103上にゲート金属膜としてMoWを堆積し、フォトリソグラフィー技術を用いてp型TFT部分のゲート電極104を形成し、ボロン(B)をドーピングし、p型TFTの多結晶シリコン膜に導電領域であるソース領域105、ドレイン領域106を形成する。
【0035】次に、ゲート金属膜をパターニングし、ゲート配線107およびn型TFTのゲート電極108、映像信号線109の一部109a、映像信号電圧保持用コンデンサ110の下部電極パターン110aを形成する。
【0036】その後、ゲート電極108またはゲート電極形成時のレジストをマスクとして上部より燐イオン(P)をドーピングし、n型TFT部分の多結晶シリコン膜にソース領域111、ドレイン領域112を形成する。
【0037】さらにCVD法などによりこれらの上面全部を覆うように、層間絶縁層113となるSiOxを成膜し、層間絶縁層113およびゲート絶縁膜103を貫通しソース領域105,111、ドレイン領域106,112等に達するコンタクトホールを設けた後、Mo/Al/Moからなる金属膜を成膜・パターニング処理し、ソース電極113(当合議体注:「113」は、「層間絶縁膜113」(【0037】及び【図3】等)を示すことから、「ソース電極113」は、「ソース電極」の誤記と認められる。)、ドレイン電極114、有機EL電流供給線115および映像信号線109(109b)、を形成する。こうして、スイッチング素子SW1となるn型TFTと駆動用制御素子SW2となるp型TFT、これらを組合せてなる駆動回路領域の映像信号線駆動回路Xdr、走査信号線駆動回路Ydrが形成される。また、有機EL電流供給線115を上側電極として映像信号電圧保持用コンデンサ110も形成される。
【0038】さらに基板全面にSiNxの絶縁層116を形成し、駆動制御素子SW2のソース電極113(当合議体注:「ソース電極」の誤記と認められる。)と接続するコンタクトホールを設けた後、Al/Mo/ITOからなる金属膜を成膜・パターニング処理し、表示素子を構成する光反射性の第1電極117、補助配線118、表示領域を囲む矩形枠状に補助配線118と一体的に形成される第2電極電源線119を形成する。
【0039】このように、補助配線118と第1電極117とを同一材料を用いて同一工程で形成するため、補助配線118を形成するための工程を特別に設けることなく補助配線118を作成することが可能となる。
【0040】また、表示素子の第1電極117は絶縁層116上に配置され、絶縁層116を介して駆動制御素子SW2のソース電極113(当合議体注:「ソース電極」の誤記と認められる。)と接続するので、第1電極117と駆動制御素子SW2、スイッチング素子SW1等と重ねて形成することが可能となり、第1電極の面積を増大させることができる。
【0041】次に、基板全面に黒色有機レジスト材料を乾燥後の膜厚として3μmに塗布した後、パターニングし、表示素子の第1電極117に対応する位置に第1電極117を露出する開口部120bを有し、さらに補助配線118上に補助配線118を露出するコンタクト部120aを備えた素子分離用の隔壁120を形成する。
・・・略・・・
【0042】本実施例においては、補助配線のコンタクト部120aを、補助配線に沿って連続したパターンで形成した・・・略・・・。
【0043】さらに、インクジェット法によりR,G,Bに対応する高分子系の有機発光材料を順次吐出し、第1電極上の隔壁120の開口120bに対応する位置に有機発光層121を選択的に形成する。
・・・略・・・
【0044】次に、有機発光層121上の基板全面に第2電極122として光透過性導電膜、ここではBaを膜厚10nmとなるよう成膜する。この第2電極は、絶縁層116上に第1電極117と同層に形成される補助配線118とコンタクト部120aを介して接続される。
【0045】この後、ガラス等の透明絶縁基板を封止基板として支持基板と対向配置させ、基板周囲を密閉封止し有機EL表示装置を完成する。
・・・略・・・
【0047】このように、第2電極と接続する補助配線を備えることにより、表示面内での光取出し側電極全体の抵抗を下げることができる。
【0048】また、上面発光方式を採用することにより、下面発光方式と比し、高開口率の有機EL表示装置を実現することが可能となり、正面輝度を向上させることができる。また、所定の正面輝度を達成するための電力消費を下面発光方式と比し減少させることができ、有機EL素子の寿命をより長くすることが可能となる。
【0049】また特に、絶縁層を介して支持基板に形成された回路上に表示素子を重ねて配置するため、開口率を更に向上させることができる。
【0050】また、補助配線を形成するにあたって、第1電極と同一材料で同一工程で作成するため、補助配線を形成するための工程を新たに設けることなく工程増大を防止することができる。
・・・略・・・
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、表示ムラの発生を抑制し、表示品位の高い平面表示装置を実現することができる。また、製造工程を増大させることなく上記平面表示装置を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態を示す有機EL表示装置の一概略平面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態を示す有機EL表示装置の表示領域を示す一部概略平面図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態を示す有機EL表示装置の表示領域を示す一部概略断面図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態を示す補助配線、第2電極電源線を示す平面図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態を示す第1電極、補助配線を示す平面図である。
【符号の説明】
117…第1電極
118…補助配線
120…隔壁
121…光変調層
122…第2電極」
イ 「【図1】
[図:0001426540000002.jpg]
【図2】
[図:0001426540000003.jpg]
【図3】
[図:0001426540000004.jpg]
【図4】
[図:0001426540000005.jpg]
・・・略・・・
【図5】
[図:0001426540000006.jpg]
(以下略)」
(2) 引用発明
ア 引用文献1でいう「本発明は、有機エレクトロルミネセンス(EL)表示装置等の平面表示装置およびその製造方法に係り、特に各表示素子にスイッチング素子が設けられたアクティブマトリクス型平面表示装置およびその製造方法に関する」(【0001】)ものであり、「表示面内で表示ムラの少ないアクティブマトリクス型平面表示装置およびその製造方法を提供する」こと(【0011】)を目的とするものであるところ、
引用文献1には、【発明の実施の形態】の【0014】~【0030】に、「本発明の一実施形態に係るアクティブマトリクス型平面表示装置として自己発光型のディスプレイ、有機EL表示装置」について、【図1】(この実施形態に係るアクティブマトリクス型有機EL表示装置1の概略平面図)、【図2】(図1の表示領域の一部を拡大した一部概略平面図)及び【図3】(図2のA-A線に沿って切断した時の断面図)を用いて詳細に説明され、【0031】~【0050】には、「本発明の有機EL表示装置の製造方法」について説明されている。
イ 引用文献1の【0004】には、従来の技術として、「有機EL表示装置は、有機ELパネルと有機ELパネルを駆動する外部駆動回路から構成される」(【図1】に示された「アクティブマトリクス型有機EL表示装置1」の「外部駆動回路」及び「有機ELパネル2」を参照。)こと、及び、「有機ELパネルはガラス等の支持基板上に、第1電極と、第1電極と対向して配置される第2電極と、これら電極間に有機発光層を備えた表示素子をマトリクス状に配置して構成される表示領域と、外部駆動回路からの信号に基づいて各表示素子を駆動する駆動回路領域とから構成される」ことが記載されている。
ウ そうすると、上記(1)の【0014】~【0025】、【0028】、【0037】~【0039】、【0040】~【0044】、【図4】及び【図5】における「有機EL表示装置」及び「有機ELパネル2」に係る記載、「有機EL表示装置の製造方法」に係る記載、上記ア及びイからみて、引用文献1には、「外部駆動回路」とは別構成である、「アクティブマトリクス型有機EL表示装置1」を構成する「有機ELパネル2」の発明として、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる(合議体注:引用発明の認定の根拠となった記載の段落番号、図面を参考のため括弧内に記載している。)。
「有機ELパネル2と有機ELパネル2を駆動する外部駆動回路から構成されるアクティブマトリクス型有機EL表示装置1を構成する有機ELパネル2であって、(【0004】、【図1】)
有機ELパネル2は、10.4型サイズの表示領域が構成され、絶縁基板101上に映像信号線109と走査信号線107とがマトリクス状に配置され、その交差部にスイッチング素子SW1としてn型TFT、映像信号電圧保持用コンデンサ110、駆動用制御素子SW2としてp型TFT、有機EL表示素子Pが形成され、
有機EL表示素子Pは、駆動用制御素子SW2に接続された光反射性導電膜からなる第1電極117と、第1電極117上に配置される有機発光層121と、有機発光層121を介して第1電極117に対向配置された第2電極122と、を備え、この有機発光層121は、各有機EL表示素子Pを分離する黒色レジスト材料からなる隔壁120の開口部120bから露出される第1電極117上に配置され、(【0016】、【図2】)、
アクティブマトリクス型有機EL表示装置1は第2電極122側を表示面とした上面発光方式であり、有機EL表示素子Pの第2電極122は、光透過性を有する導電膜で構成され、(【0017】、【図2】)
第1電極117と同層に設けられた補助配線118と第2電極122とは、隔壁120に補助配線118を露出するように設けられたコンタクト部120aを介して電気的に接続され、
補助配線118は、第1電極117とは隔壁120にて電気的に絶縁され、各有機EL表示素子Pの第1電極117を囲むよう格子状に設けられており、それぞれ表示領域にわたり互いに連結され、このように第2電極122と電気的に接続される補助配線118を表示領域全体に均等に備えるので、光取出し側電極の画面面内での電位のバラツキを抑制することが可能となり、
補助配線118としては、第2電極122を形成する透明導電膜と比し抵抗が十分小さく、このように補助配線118に低抵抗な導電材料を用いることで、光取出し側電極の画面面内での電位バラツキをより一層低減することができ、(【0017】~【0020】、【図2】~【図3】)
補助配線118は、第1電極117と同一材料で形成され、(【0023】)
光取出し側電極、ここでは陰極電位の面内ばらつきを従来に比べて十分に低減でき、(【0024】)
下記図4(a)に示すように、各有機EL表示素子Pの第1電極117周囲を包囲し、互いに連結されたパターン(図5(a))で表示領域に均等に配置された補助配線118を設け、(【0025】、【図4】(a)、【図5】(a))
TFT上に絶縁層116を介して第1電極117が形成されたものであり、(【0028】)
ここで、有機ELパネル2は、
絶縁基板101上にアンダーコート層102を堆積し、その上にアモルファスシリコン膜を堆積し、(【0031】)
次に、アモルファスシリコン膜をアニール処理し、多結晶シリコン膜に結晶化させ、(【0032】)
さらに、その多結晶シリコン膜にレジストを塗布し、露光・パターニング・エッチング処理を施し、島状に形成し、(【0033】)
続いて、多結晶シリコン膜を覆って全面にSiOxを成膜し、ゲート絶縁膜103を形成し、このゲート絶縁膜103上にゲート金属膜を堆積し、フォトリソグラフィー技術を用いてp型TFT部分のゲート電極104を形成し、ボロン(B)をドーピングし、p型TFTの多結晶シリコン膜に導電領域であるソース領域105、ドレイン領域106を形成し、(【0034】)
次に、ゲート金属膜をパターニングし、ゲート配線107およびn型TFTのゲート電極108、映像信号線109の一部109a、映像信号電圧保持用コンデンサ110の下部電極パターン110aを形成し、(【0035】)
その後、ゲート電極108またはゲート電極形成時のレジストをマスクとして上部より燐イオン(P)をドーピングし、n型TFT部分の多結晶シリコン膜にソース領域111、ドレイン領域112を形成し、(【0036】)
さらに、これらの上面全部を覆うように、層間絶縁層113となるSiOxを成膜し、層間絶縁層113およびゲート絶縁膜103を貫通しソース領域105,111、ドレイン領域106,112等に達するコンタクトホールを設けた後、金属膜を成膜・パターニング処理し、ソース電極、ドレイン電極114、有機EL電流供給線115および映像信号線109(109b)を形成し、スイッチング素子SW1となるn型TFTと駆動用制御素子SW2となるp型TFT、これらを組合せてなる駆動回路領域の映像信号線駆動回路Xdr、走査信号線駆動回路Ydrを形成し、
また、有機EL電流供給線115を上側電極として映像信号電圧保持用コンデンサ110も形成し、(【0037】)
さらに基板全面にSiNxの絶縁層116を形成し、駆動制御素子SW2のソース電極と接続するコンタクトホールを設けた後、金属膜を成膜・パターニング処理し、有機EL表示素子Pを構成する光反射性の第1電極117、補助配線118、表示領域を囲む矩形枠状に補助配線118と一体的に形成される第2電極電源線119を形成し、(【0038】)
有機EL表示素子Pの第1電極117は絶縁層116上に配置され、絶縁層116を介して駆動制御素子SW2のソース電極と接続され、(【0040】)
基板全面に黒色有機レジスト材料を塗布し、パターニングし、有機EL表示素子Pの第1電極117に対応する位置に第1電極117を露出する開口部120bを有し、さらに補助配線118上に補助配線118を露出するコンタクト部120aを備えた素子分離用の隔壁120を形成し、(【0041】)
補助配線118のコンタクト部120aを、補助配線118に沿って連続したパターンで形成し、(【0042】)
さらに、インクジェット法によりR,G,Bに対応する高分子系の有機発光材料を順次吐出し、第1電極上の隔壁120の開口120bに対応する位置に有機発光層121を選択的に形成し、(【0043】)
次に、有機発光層121上の基板全面に第2電極122として光透過性導電膜を成膜し、この第2電極122を、絶縁層116上に第1電極117と同層に形成される補助配線118とコンタクト部120aを介して接続することにより、製造された、(【0044】)
有機ELパネル2。
【図4】
[図:0001426540000007.jpg]
【図5】
[図:0001426540000008.jpg]
」
(当合議体注:「有機EL表示素子P」及び「表示素子」については、「有機EL表示素子P」に表記を統一している。また、「第2電極122」及び「第2電極」については、「第2電極122」に表記を統一している。また、「補助配線118」及び「補助配線」については、「補助配線118」に表記を統一している。)
(3) 対比、一致点及び相違点
ア 対比
本件補正後発明と、引用発明を対比する。
(ア) 薄膜トランジスタ、アレイ基板
a 引用発明の「有機ELパネル2」は、「絶縁基板101上に映像信号線109と走査信号線107とがマトリクス状に配置され、その交差部にスイッチング素子SW1としてn型TFT、映像信号電圧保持用コンデンサ110、駆動用制御素子SW2としてp型TFT、有機EL表示素子Pが形成され」るものである。
b アクティブマトリクス型有機EL表示装置において、信号線と走査線が「マトリクス状に配置され」るとは、碁盤の縦横に描かれた直線のように、所定間隔の複数の平行な信号線と所定間隔の複数の平行な走査線が直角に交わるような配置を意味することは、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)の技術常識である(引用文献1の【0013】の「基板上に配置される複数の走査信号線と、前記走査信号線に略直交して配置される複数の映像信号線」との記載や【図1】からも理解できることである。)。
そうすると、上記aより、引用発明において、「マトリクス状に配置され」た「映像信号線109」と「走査信号線107」との「交差部」に配置される「n型TFT」(「スイッチング素子SW1」)、「映像信号電圧保持用コンデンサ110」、「p型TFT」(「駆動用制御素子SW2)」)及び「有機EL表示素子P」は、「絶縁基板101」上に、「映像信号線109」及び「走査信号線107」が延びる方向にアレイ状に配置されている、ということができる。
c 引用発明においては、「スイッチング素子SW1となるn型TFTと駆動用制御素子SW2となるp型TFT、これらを組合せてなる駆動回路領域の映像信号線駆動回路Xdr、走査信号線駆動回路Ydrを形成し」、「有機EL電流供給線115を上側電極として映像信号電圧保持用コンデンサ110も形成し」、さらに「基板全面にSiNxの絶縁層116を形成し、駆動制御素子SW2のソース電極と接続するコンタクトホールを設けた」後に「金属膜を成膜・パターニング処理し、有機EL表示素子Pを構成する光反射性の第1電極117、補助配線118、表示領域を囲む矩形枠状に補助配線118と一体的に形成される第2電極電源線119を形成」して、「TFT上に絶縁層116を介して第1電極117を形成したものであ」る。
d してみると、引用発明の「有機ELパネル2」における「絶縁基板101」と、「アンダーコート層102」と、「ゲート絶縁膜103」と、「層間絶縁層113」と、「有機EL電流供給線115」と、「マトリクス状に配置され」た「映像信号線109と走査信号線107」と、その交差部に対応してアレイ状に配置された「n型TFT」、「映像信号電圧保持用コンデンサ110」及び「p型TFT」を含み、「基板全面にSiNxの絶縁層116」が形成された構造であって、「絶縁層116を介して第1電極117」が形成される構造は、本件補正後発明の「アレイ基板」に相当するといえる。
また、引用発明の「n型TFT」及び「p型TFT」は、本件補正後発明の「薄膜トランジスタ」に相当し、引用発明は、本件補正後発明の、「前記アレイ基板は、薄膜トランジスタをさらに含み」との構成を具備する。
(イ) ピクセル電極、ピクセル電極層、接続
a 引用発明の「TFT上に絶縁層116を介して」「形成された」「第1電極117」は、「絶縁層116上に配置され、絶縁層116を介して駆動制御素子SW2のソース電極と接続され」るものであり、「基板全面にSiNxの絶縁層116を形成し、駆動制御素子SW2のソース電極と接続するコンタクトホールを設けた後、金属膜を成膜・パターニング処理し」、「補助配線118」及び「表示領域を囲む矩形枠状に補助配線118と一体的に形成される第2電極電源線119」と同時に形成されるものである。
また、引用発明の「有機EL表示素子P」が画素(ピクセル)を構成することは明らかであるところ、上記(ア)bより、引用発明の「有機EL表示素子P」の「第1電極117」は、「絶縁基板101」上にアレイ状に配置されている。
そうすると、引用発明の「有機EL表示素子P」の「第1電極117」は、本件補正後発明の「ピクセル電極」に相当し、引用発明のアレイ状に配置された「第1電極117」は、本件補正後発明の「ピクセル電極層」に相当する(引用文献1の【図2】や【図3】からも理解できることである。)。
また、本件補正後発明の「ピクセル電極層」と、引用発明のアレイ状に配置された「第1電極117」は、「前記アレイ基板に設けられ、複数のピクセル電極を含む」点で共通する。
b 上記aより、引用発明においては、「有機ELパネル2」が、「絶縁層116」を含み、「有機EL表示素子P」の「第1電極117」は、「金属膜を成膜・パターニング処理」することにより形成されるとともに、「絶縁層116上に配置され」、「絶縁層116」に形成された「コンタクトホール」を介して「p型TFT」(「駆動制御素子SW2」)「のソース電極」と直接接続されていると理解できる。
そうすると、上記(ア)dより、本件補正後発明と、引用発明は、「前記ピクセル電極層は、前記薄膜トランジスタに直接に接続されるように」「設けられる」点で共通する。
(ウ) 表示パネル
上記(ア)と(イ)より、引用発明の「有機ELパネル2」は、本件補正後発明の「表示パネル」に相当する。
また、本件補正後発明の「表示パネル」と、引用発明の「有機ELパネル2」は、「アレイ基板と」、「ピクセル電極層と」、「を備え」ている点で共通する。
イ 一致点及び相違点
上記アより、本件補正後発明と、引用発明は、
「 アレイ基板と、
前記アレイ基板に設けられ、複数のピクセル電極を含むピクセル電極層と、を備え、
前記アレイ基板は、薄膜トランジスタをさらに含み、
前記ピクセル電極層は、前記薄膜トランジスタに直接に接続されるように設けられる、表示パネル。」の構成で一致し、以下の点で一応相違する。
(相違点1-1)
本件補正後発明においては、「前記ピクセル電極層と絶縁して前記アレイ基板に設けられ、少なくとも前記ピクセル電極の一部を囲んで設けられる少なくとも1つの電界電極を含む電界電極層と、を備え」、「前記電界電極と前記ピクセル電極との間には、隙間が形成され」、「前記ピクセル電極を囲んで設けられた前記電界電極の一部と前記ピクセル電極との間の隙間の距離は、等し」いのに対して、引用発明においては、「有機ELパネル2」がこのような「電界電極層」を備えているか明らかでない点。
(相違点1-2)
本件補正後発明においては、「表示パネルは、平坦化層をさらに含み」、前記ピクセル電極層は、前記薄膜トランジスタに直接に接続されるように「前記平坦化層」に設けられているのに対して、引用発明においては、「有機ELパネル2」及び「第1電極117」がこのようなものであるか明らかでない点。
(4) 判断
ア 相違点1-1について
相違点1-1について検討する。
(ア)a 引用発明の「絶縁層116上に第1電極117と同層に形成される補助配線118」は、「基板全面にSiNxの絶縁層116を形成し、駆動制御素子SW2のソース電極と接続するコンタクトホールを設けた後、金属膜を成膜・パターニング処理」することにより、「有機EL表示素子Pを構成する光反射性の第1電極117」、「表示領域を囲む矩形枠状に補助配線118と一体的に形成される第2電極電源線119」と同時に形成され、
「コンタクト部120aを介して」「第2電極122」と「接続」され、
「第1電極117とは隔壁120にて電気的に絶縁され、各有機EL表示素子Pの第1電極117を囲むよう格子状に設けられており、それぞれ表示領域にわたり互いに連結され」、「第2電極122と電気的に接続される補助配線118を表示領域全体に均等に備えるので、光取出し側電極の画面面内での電位のバラツキを抑制することが可能とな」り、「第2電極122を形成する透明導電膜と比し抵抗が十分小さく」、「低抵抗な導電材料を用いることで、光取出し側電極の画面面内での電位バラツキをより一層低減することができ」るものである。
また、引用発明の「補助配線118」は、下記図4(a)に示すように、「各有機EL表示素子Pの第1電極117周囲を包囲し」、「互いに連結されたパターン(図5(a))で表示領域に均等に配置された補助配線118を設け」たものであるところ、図4(a)及び図5(a)は下記のものである。
【図4】
[図:0001426540000009.jpg]
【図5】
[図:0001426540000010.jpg]
b 引用発明の「有機ELパネル2」において、マトリクス状に配置される(上記(3)ア(ア)b)映像信号線109と走査信号線107の各交差部に対応してアレイ状に配置される各「第1電極117」(「ピクセル電極」)は、特段の事情がなければ、複数の平行な映像信号線109及び複数の平行な走査信号線107に平行な外形とされることは技術常識である(引用文献1の【図2】からも理解できることである。各「第1電極117」の面積(発光面積、開口率)を大きくできる点からも自然な構成である。)ところ、「第1電極117とは隔壁120にて電気的に絶縁され」、「第1電極117を囲むよう格子状に設けられ」、「それぞれ表示領域にわたり互いに連結され」た「補助配線118」の外形(「第1電極117を囲む」「格子」の形状)は、「第1電極117」の外形と平行に形成されていると考えるのが自然である(引用発明の図5(a)からも理解できることである。)。
c してみると、上記a及びbより、引用発明の「補助配線118」は、アレイ状の「第1電極117」(「ピクセル電極層」)と(「隔壁120」にて電気的に)絶縁して、(「第1電極117」と同様に)「基板全面に」形成された「絶縁層116」上に形成されていると理解できる(引用文献1の【図3】からも理解できることである。)。
また、引用発明の「第1電極117を囲むよう格子状に設けられ」、「それぞれ表示領域にわたり互いに連結され」た「補助配線118」は、少なくとも「第1電極117」の一部を囲んで設けられていること、また、「第1電極117」との間には、隙間が形成されていることが理解できる。
さらに、引用発明においては、「補助配線118」の一部と、「第1電極117」との間の隙間の距離は等しくなっているということができる(引用発明の図5(a)からも理解できることである。)。
(イ)a また、本件出願明細書(以下「本願明細書」という。)の発明の詳細な説明の【0026】、【0032】及び【0045】には、「電界電極層3」について、「表示パネルは、ピクセル電極層と電界電極層との間の電圧差を制御するか、又はピクセル電極層の内部に発生する電圧差を制御することにより、ピクセル電極に電界を発生させることができる。」、「ピクセル電極層2に発光機能層を作製する場合、発光機能層の膜層の均一性を高めるために、ピクセル電極層2と電界電極層3との間に電界が形成されるように、ピクセル電極層2と電界電極層3とに異なる電圧を印加して電圧差を形成してもよい。ピクセル電極層2と電界電極層3との間に形成される電界は、水平成分と垂直成分とを有する。」及び「電界電極層3は、補助電極層であり、電界電極層3とピクセル電極層2とは、同層に設けられる。補助電極層は、補助陰極層として平面陰極に接続され、平面陰極の電圧降下を低減するためのものである。補助陰極配線21により補助陰極層、即ち電界電極層3の電位を制御し、電界電極層3とピクセル電極層2との間に電圧差が形成されることで、ピクセル電極層2と電界電極層3との間に電界が形成される。」と記載されている。
b 一方、引用発明においては、「アクティブマトリクス型有機EL表示装置1は第2電極122側を表示面とした上面発光方式であり」、「光取出し側電極、ここでは陰極電位の面内ばらつきを従来に比べて十分に低減でき」るとのことであるから、引用発明においては、「光取出し側電極」である各「第2電極122」は「陰極」であり、「有機発光層121」を介して対向配置される各「第1電極117」は、陽極であることが理解できる。
また、上記(ア)aより、引用発明においては、「第2電極122」は、「第2電極電源線119」及び「補助配線118」を介して「陰極」電位とされ、各「第1電極117」は陽極電位が印加されて、各「有機EL表示素子P」が発光するところ、引用発明の「補助配線118」は、「第2電極122」と同様に「陰極」電位となるから、陽極電位の各「第1電極117」との間に電位差が発生し、その結果、「第1電極117」と「第2電極122」との間に電界が形成される、といえる。
してみると、引用発明の、「補助配線118」は、本件補正後発明の「電界電極」に相当し、「各有機EL表示素子Pの第1電極117を囲むよう格子状に設けられており、それぞれ表示領域にわたり互いに連結され」た「補助配線118」は、本件補正後発明の「補助電極層」に相当する。
そうすると、上記(ア)cより、引用発明は、本件補正後発明の、「前記ピクセル電極層と絶縁して前記アレイ基板に設けられ、少なくとも前記ピクセル電極の一部を囲んで設けられる少なくとも1つの電界電極を含む電界電極層と、を備え」、「前記電界電極と前記ピクセル電極との間には、隙間が形成され」、「前記ピクセル電極を囲んで設けられた前記電界電極の一部と前記ピクセル電極との間の隙間の距離は、等し」いとの構成を具備しているということができる。
(ウ) 以上のとおりであるから、相違点1-1は、実質的な相違点を構成しない。
イ 相違点1-2について
相違点1-2について検討する。
(ア) 新規性について
a 引用発明は、「表示パネル2」を製造するにあたり、「ソース電極、ドレイン電極114、有機EL電流供給線115および映像信号線109(109b)を形成し、スイッチング素子SW1となるn型TFTと駆動用制御素子SW2となるp型TFT、これらを組合せてなる駆動回路領域の映像信号線駆動回路Xdr、走査信号線駆動回路Ydrを形成し」、「有機EL電流供給線115を上側電極として映像信号電圧保持用コンデンサ110も形成した後に、「基板全面にSiNxの絶縁層116を形成し、駆動制御素子SW2のソース電極と接続するコンタクトホールを設けた後、金属膜を成膜・パターニング処理し、有機EL表示素子Pを構成する光反射性の第1電極117、補助配線118、表示領域を囲む矩形枠状に補助配線118と一体的に形成される第2電極電源線119を形成し」、「基板全面に黒色有機レジスト材料を塗布し、パターニングし、有機EL表示素子Pの第1電極117に対応する位置に第1電極117を露出する開口部120bを有し、さらに補助配線118上に補助配線118を露出するコンタクト部120aを備えた素子分離用の隔壁120を形成」するものである。
ここで、引用発明の「基板全面に」形成された「SiNxの絶縁層116」は、その上に「有機EL表示素子Pを構成する光反射性の第1電極117」、「第1電極117を囲むよう格子状に設けられ」、「それぞれ表示領域にわたり互いに連結され」た「補助配線118」、及び、「表示領域を囲む矩形枠状に補助配線118と一体的に形成される第2電極電源線119を形成」するものであるから、「絶縁層116」の形成面を平坦面とするのが技術常識である(引用文献1の【図3】からも理解できることである。)。
b そうすると、引用発明の「基板全面に」形成された「SiNxの絶縁層116」は、本件補正後発明の「平坦化層」に相当するということができる。
また、上記(3)ア(イ)bより、引用発明は、本件補正後発明の、「表示パネルは、平坦化層をさらに含み」、前記ピクセル電極層は、前記薄膜トランジスタに直接に接続されるように「前記平坦化層」に設けられているとの構成を具備しているということができる。
あるいは、アクティブマトリクス型有機EL表示装置において、TFT上に絶縁層(パッシベーション層、保護層)を介して画素電極を形成する際に、TFT上の絶縁層を平坦な膜とすることは、技術常識である。
例えば、特開平10-189252号公報の【請求項1】(「TFTと有機EL素子の下部電極との間に、平坦化された層間絶縁膜が配設され、かつTFTの端子と有機EL素子の下部電極とが、層間絶縁膜に設けられたコンタクトホールを介して電気的に接続されてなる」との記載)、【0012】(「TFTと有機EL素子の下部電極との間に、平坦化された層間絶縁膜が配設され」との記載)、【0038】及び【図1】(「層間絶縁膜4」、「下部電極31」等)、特開2003-223119号公報の【0011】、【0012】(「駆動用制御素子150に接続された光反射性導電膜からなる第1電極111」等)、【0040】(「平坦化膜106」)及び【図3】(「平坦化膜106」、「第1電極111」等)等を参照。
してみると、相違点1-2は、実質的な相違点を構成しない。
(イ) 進歩性について
仮に上記(ア)のとおりでなく、相違点1-2が実質的な相違点を構成するとしても、上記技術常識に基づいて、引用発明において、相違点1-2に係る本件補正後発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
ウ 審判請求書における請求人の主張
(ア) 審判請求書3~6頁において請求人は、
主張a 「出願人は、本願発明は、少なくとも以下の点において引用文献1に記載の発明とは相違するものと考えます。」、
「(相違点1)
本願発明は、「前記ピクセル電極層と絶縁して・・・設けられる少なくとも1つの電界電極を含む電界電極層」を備えるのに対し、引用文献1にはそのような特定がない点。」、
「(相違点2)
本願発明では、「前記表示パネルは、平坦化層をさらに含」のに対し、引用文献1にはそのような特定がない点。」、
「(相違点3)
本願発明では、「前記ピクセル電極層は、前記薄膜トランジスタに直接に接続されるように前記平坦化層に設けられる」のに対し、引用文献1にはそのような特定がない点。」、
「(相違点4)
本願発明では、前記電界電極と前記ピクセル電極との間には、隙間が形成され、前記ピクセル電極を囲んで設けられた前記電界電極の一部と前記ピクセル電極との間の隙間の距離は、等し」いのに対し、引用文献1にはそのような特定がない点。」、
主張b 「本願明細書の図1を参照すると、ピクセル電極層2は平坦化層23上に設置され、薄膜トランジスタに直接に接続されています。これに対して、引用文献1記載の発明のピクセル電極層117(下記図3参照。なお、部分Aについては、審判請求人が追加しました)は、下記図3における部分Aに直接接続されています。
【図1】
[図:0001426540000011.jpg]
」、
「出願人は、引用文献1の記載から、部分Aが、電界電極層109bの一部であると考えています。拒絶査定が、「少なくとも前記ピクセル電極の一部を囲んで設けられる少なくとも1つの電界電極を含む電界電極層(118、107、109)」と指摘していることからも、107、109は電界電極層の一部であることが判ります。また、引用文献1の図1から107と109(電界電極層)がSW1(n型TFT薄膜トランジスタ)と直接接続していることが明らかです。そのため、引用文献1の発明では、ピクセル電極層117がまず電界電極層109bと直接接続され、それから105と106を含む薄膜トランジスタとして機能する部分と直接接続されることが公開されています。」、
「したがって、相違点1は引用文献1に開示されていません。また、上記の分析の通り、ピクセル電極層117は電界電極層109bを介してから105と106を含む薄膜トランジスタに接続されるため、相違点3も開示されていません。」、
主張c 「本発明で特定されているのは平坦化層であり、絶縁層ではありませんので、相違点2も開示されていません。」、
主張d 「拒絶査定は、「引用文献1には、第1電極と補助配線等との距離を異ならせることの格別の記載はないし、[0019]等の記載から、補助配線は表示領域全体に均等に備えられることから、上記点は、格別相違しないか、上記点にすることに格別の困難性は認めない。」と指摘しています。」、
「表示面内の表示不均を抑制する問題を解決するために引用文献1が開示する内容は、相違点4に全く関係がありません。したがって、相違点4も開示されていないと考えます。」、
主張e 「上記相違点1~4に関し、引用文献1に記載された発明では、電界電極層とピクセル電極間との電界干渉を減らす方法が全く考慮されておらず、他の部品を経ずにピクセル電極層と薄膜トランジスタを直接接続して電界干渉を減らす方法も考慮されておりません。したがって、新請求項1は、引用文献1に記載の発明に対して進歩性を有しているものと思料します。また、新請求項13も、同様の理由により引用文献1に比べて進歩性を有しているものと思料します。」、
と主張している。
(イ) 主張b及び主張cについて
a 請求人は、「引用文献1の記載から、部分Aが、電界電極層109bの一部であると考えています。」、「引用文献1の発明では、ピクセル電極層117がまず電界電極層109bと直接接続され、それから105と106を含む薄膜トランジスタとして機能する部分と直接接続されることが公開されています。」と主張しているが、「ピクセル電極117」と「映像信号線109(109b)」を直接接続してしまうと、「スイッチング素子SW1」(「n型TFT」)が「ゲート配線107」(走査線)を介して選択されたときに対応する「映像信号線109」(信号線)の映像信号を「映像信号電圧保持用コンデンサ110」に書き込み、「駆動用制御素子SW2」(「p型TFT」)の駆動(ゲート電圧)を制御して、「有機EL電流供給線115」から「有機EL表示素子P」(「ピクセル電極117」)に所望の駆動電流を供給するという、アクティブマトリクス型の動作(例えば、特開2003-2293283号公報の【0013】~【0015】、【図1】、【図2】等)ができなくなることから、請求人が主張するような接続構成をとることはない。
引用文献1の【0037】には、「さらにCVD法などによりこれらの上面全部を覆うように、層間絶縁層113となるSiOxを成膜し、層間絶縁層113およびゲート絶縁膜103を貫通しソース領域105,111、ドレイン領域106,112等に達するコンタクトホールを設けた後、Mo/Al/Moからなる金属膜を成膜・パターニング処理し、ソース電極113、ドレイン電極114、有機EL電流供給線115および映像信号線109(109b)、を形成する。こうして、スイッチング素子SW1となるn型TFTと駆動用制御素子SW2となるp型TFT、これらを組合せてなる駆動回路領域の映像信号線駆動回路Xdr、走査信号線駆動回路Ydrが形成される。」(当合議体注:「ソース電極113」は「ソース電極」の誤記である。)と記載されるだけであり、「ピクセル電極層117がまず電界電極層109bと直接接続され」ることは記載されていない。
むしろ、請求人が指摘する【図3】の「部分A」からは、【0038】~【0040】に記載されるとおり、「第1電極117」が、絶縁層116形成されたコンタクトホールを介して「駆動制御素子SW2のソース電極と接続され」ていることが理解できる。また、【図3】に示される「映像信号線109(109b)」は、コンタクトホールを介して、異なる層(高さ)に形成された「映像信号線109の一部109a」と接続することにより1本の「映像信号線109」を構成するものであり、「映像信号線109(109b)」が「第1電極117」と直接接続されるものではない。このことは、引用文献1の【図1】からも理解できる。具体的には、(「P」で示される)「有機EL表示素子P」(の「第1電極117」)は、「駆動用制御素子SW2」(「p型TFT」)と接続されていて、「映像信号線109(109b)」とは接続されていない。
b 請求人は、「拒絶査定が、「少なくとも前記ピクセル電極の一部を囲んで設けられる少なくとも1つの電界電極を含む電界電極層(118、107、109)」と指摘していることからも、107、109は電界電極層の一部であることが判ります。」とも主張しているが、引用発明のアクティブマトリクス動作を考えれば、機能及び接続先が異なる「補助配線118」、「ゲート配線107」及び「映像信号線109」を接続することはない。令和5年12月28日提出の意見書2頁において「しかしながら、出願人は、新請求項1と引用文献1記載の発明とは、「前記ピクセル電極を囲んで設けられた前記電界電極の一部と前記ピクセル電極との間の隙間の距離は、等しい」点において相違していると考えます。上記相違点に関し、審査官殿は、引用文献1(図2、5等)に記載されていると述べられておりましたが、引用文献1の図面のみから、「第1電極117を囲んで設けられた補助配線118の一部と第1電極117との間の隙間の距離は、等しい」ことが明らかであると結論付けることはできないと考えます。」と述べていることからも、引用文献1に記載された「補助配線118」は、本件補正後発明の「電界電極層」に相当すると理解されている。
c また、上記イにおいて一応の相違点1-2について述べたとおり、引用発明の「絶縁層116」は、「平坦化膜」に相当する。あるいは、技術常識に基づき、引用発明の「絶縁層116」を「平坦化膜」とすることは、当業者が容易になし得たことである。
さらに、上記(3)ア(イ)において述べたとおり、引用発明では、「有機EL表示素子P」の「第1電極117」は、「絶縁層116」(「平坦化層」)を介して「駆動制御素子SW2」(「p型TFT」)「のソース電極」と直接接続されていると理解できる。
してみると、請求人の主張b及び主張cを採用することはできない。
(ウ) 主張dについて
上記アにおいて一応の相違点1-1について述べたとおりであり、引用発明においても、「各有機EL表示素子Pの第1電極117周囲を包囲し」、「互いに連結されたパターンで表示領域に均等に配置された補助配線118」と「第1電極117」との間には隙間が形成されている、当該「補助配線118」と「第1電極117」との間の隙間の距離は等しくなっている、ということができる。
してみると、請求人の主張dを採用することはできない。
(エ) 主張a及び主張eについて、
一致点及び一応の相違点1-1及び相違点1-2については、上記(3)及び上記アとイで述べたとおりであるから、「表示パネル」として、本件補正後発明と、引用発明とは相違しない。
してみると、請求人の上記主張a及び主張eを採用することはできない。
エ 小括
以上のとおり、本件補正後発明は、引用文献1に記載された発明と同一であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものである。あるいは、本件補正後発明は、引用文献1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際に独立して特許を受けることができないものである。
3 補正の却下の決定のむすび
本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記[補正の却下の決定の結論]に記載のとおり、決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
以上のとおり、本件補正は却下されたので、本件出願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記「第2」[理由]1(1)に記載のとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、概略、
(理由1) 本願発明は、本件出願の優先権主張の日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である下記の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない、あるいは、
(理由2) 本願発明は、本件出願の優先権主張の日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である下記の引用文献1に記載された発明に基づいて、本件出願の優先権主張の日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、という理由を含む。
(引用文献一覧)
引用文献1:特開2002-318556号公報
3 理由1(特許法第29条第1項第3号)及び理由2(特許法第29条第2項)について
(1) 引用文献1及び引用発明
引用文献1の記載及び引用発明は、上記「第2」[理由]2(1)及び(2)に記載したとおりである。
(2) 対比及び判断
本願発明は、上記「第2」[理由]2で検討した本件補正後発明から、同1(3)で述べた限定事項を除いたものである。また、本願発明の構成を全て具備し、これにさらに限定を付したものに相当する本件補正後発明は、上記「第2」[理由]2(4)で述べたとおり、引用文献1に記載された発明と同一であるか、あるいは、引用文献1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
してみると、本願発明は、上記「第2」[理由]2(4)で述べた理由と同様の理由により、引用文献1に記載された発明と同一であるか、あるいは、引用文献1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
本願発明は、引用文献1に記載された発明であるから、特許法29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない、あるいは、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
してみると、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本件出願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2024-008697