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特許拒絶査定不服審判

2024-008253

画像形成装置、画像形成システムおよび画像形成装置の制御方法

審判番号
2024-008253
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-025863
請求日
2024年05月17日
審決日
2024年11月06日
公報発行日
2025年02月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ブラザー工業株式会社
審判長/審判官
  • 審判長 道祖土 新吾
  • 審判官 山本 一
  • 審判官 門 良成
分類
P18 .113-Z (B41J) / P18 .121-Z (B41J)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号特許法159条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第159条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020- 25863「画像形成装置、画像形成システムおよび画像形成装置の制御方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 9月 9日出願公開、特開2021-130229〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和2年2月19日の出願であって、その手続の経緯は、概略以下のとおりである。 令和5年 9月21日付け:拒絶理由通知書 同年12月 1日 :意見書、手続補正書の提出 令和6年 2月 7日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) 同月20日 :原査定の謄本の送達 同年 5月17日 :審判請求書の提出 第2 本願発明 本願の請求項1~8、10~19に係る発明は、願書に最初に添付された特許請求の範囲の請求項1~8、10~19に記載された事項により特定されるとおりのものであり、請求項9に係る発明は、令和5年12月1日に提出された手続補正書の請求項9に記載された事項により特定されるものと認められるところ、請求項19に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次に特定されるとおりである。 なお、令和5年12月1日に提出された手続補正書により、請求項19は補正されておらず、審判請求書の提出時に手続補正はなされていない。 「【請求項19】 供給品カートリッジを使用して画像形成を行う画像形成装置の制御方法であって、 画像形成装置が契約されたかを判定する契約判定処理と、 前記契約判定処理により、前記画像形成装置が契約されたと判定された場合、画像形成装置の動作モードをプレ契約モードに移行するプレ契約モード移行処理と、 前記画像形成装置に装着されている供給品カートリッジが通常型または契約型のどちらであるかを判定する種別判定処理と、 前記プレ契約モードにおいて、前記種別判定処理により、前記供給品カートリッジが前記通常型であると判定された場合、前記プレ契約モードに関する表示情報をディスプレイに表示させる第1表示処理と、 前記プレ契約モードにおいて、前記種別判定処理により、前記供給品カートリッジが契約型であると判定された場合、前記画像形成装置の動作モードを前記プレ契約モードから本契約モードに移行する本契約モード移行処理と、 を含むことを特徴とする、画像形成装置の制御方法。」 第3 原査定における拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、令和5年9月21日付け拒絶理由通知書に記載した次の理由を含むものである。 この出願の請求項19に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった次の引用文献1記載の発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 引用文献1:特開2016-193592号公報 第4 引用文献 (1)引用文献1 ア 引用文献1の記載事項 原査定で引用文献1として引用され、本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-193592号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の事項が記載されている(下線は合議体が付した。以下同じ。)。 (ア)「【技術分野】 【0001】 本発明は、記録用紙に画像を記録する記録処理を実行する画像記録装置と、その画像記録装置と通信可能なサーバ装置と、画像記録装置とサーバ装置とによって構成される通信システムに関する。 【背景技術】 【0002】 画像記録装置では、記録用紙に記録材を付着させることで画像が記録される。このため、画像記録装置では、記録材が充填されたカートリッジ等の消耗品の購入、管理等を行う必要があるが、それらの購入、管理等はユーザにとって煩雑な作業である。このため、近年では、定額の消耗品配送サービスが提供されている。下記特許文献1には、画像記録装置とネットワークを介して接続されるサーバ装置を設け、そのサーバ装置により、消耗品、記録情報等の管理を行うための技術が記載されている。 ・・・ 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 上記特許文献1に記載の技術では、画像記録装置とサーバ装置とが、常時、ネットワークを介して接続されていることが前提条件となっている。しかしながら、画像記録装置とサーバ装置との接続が中断される場合でも適切なサービスを提供すること、消耗品、画像記録装置での記録処理に関する記録情報を適切に管理することが望まれる。本発明は、そのような事情に鑑みてなされたものである。」 (イ)「【図面の簡単な説明】 【0011】 【図1】 通信システム1のブロック図である。 【図2】 第1実施形態の通信システム1の作動状態を示すシーケンス図である。 【図3】 第1実施形態の通信システム1の作動状態を示すシーケンス図である。 【図4】 第1実施形態の通信システム1の作動状態を示すシーケンス図である。 【図5】 第1実施形態の通信システム1の作動状態を示すシーケンス図である。 【図6】 第1実施形態の通信システム1の作動状態を示すシーケンス図である。 ・・・ 【発明を実施するための形態】 【0012】 <通信システムの構成> 図1に、本願に係る実施形態として例示される通信システム(本発明の通信システム部の一例)1のブロック図を示す。通信システム1は、プリンタ(本発明の画像記録装置の一例)10、情報管理サーバ(本発明のサーバ装置の一例)50、PC(Personal Computerの略)(本発明の情報処理装置の一例)70、配送管理サーバ90を備える。 【0013】 プリンタ10は、CPU(Central Processing Unitの略)(本発明の第1制御部の一 例)12、記憶部14、ディスプレイ(本発明の表示部の一例)16、入力I/F18、ネットワークI/F(本発明の第1通信部の一例)20、記録部(本発明の記録部の一例)22、接続部(本発明の接続部の一例)24、読取部(本発明の読取部の一例)26、検出センサ27を主に備えている。これらの構成要素は、バス28を介して互いに通信可能とされている。 【0014】 CPU12は、記憶部14内の制御プログラム30に従って処理を実行する。制御プログラム30は、プリンタ10を用いて印刷処理を実行するためのプログラムである。なお、記憶部14は、RAM(Random Access Memoryの略)、ROM(Read Only Memoryの略)、フラッシュメモリー、HDD(Hard Diskの略)、CPU12が備えるバッファなど が組み合わされて構成されている。また、記憶部14は、データ記憶領域(本発明の記憶部の一例)32を備える。データ記憶領域32は、制御プログラム30の実行に必要なデータなどを記憶する領域である。 ・・・ 【0017】 記録部22は、印刷機構であり、例えば、インクジェットヘッドが挙げられる。CPU12は、記録部22へ駆動信号を入力し、記録部22がインクジェットヘッドである場合は入力された駆動信号に応じて、ノズルからインクを吐出する。接続部24は、記録部で用いられるインクが充填されたカートリッジ(本発明のカートリッジの一例)38を接続可能となるよう、プリンタ10の筐体に形成されている。なお、接続部24には、互いにインクの色が異なる複数のカートリッジ38を接続することが可能である。本実施形態では、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4つのインク色のカートリッジがそれぞれ接続可能となっている。また、カートリッジ38には、そのカートリッジ38を識別するための識別情報(本発明の第1識別情報の一例)が記憶されたICチップ(本発明の記憶媒体の一例)40が貼付されている。本実施形態では、識別情報は、カートリッジの製品名、型番、モデル名を含む概念である。識別情報はカートリッジの種類毎に異なる。さらに、識別情報はインク色毎にも異なる。なお、カートリッジの種類には、後述する定額印刷処理において使用される専用カートリッジと、通常の印刷処理において使用されるカートリッジとが含まれる。読取部26は、接続部24に設けられており、接続部24に接続されたカートリッジ38のICチップ40から識別情報を読み取る。検出センサ27は、接続部24に接続されたカートリッジ38のインクの残量を検出する。 ・・・ 【0025】 <通信システムを利用した定額印刷処理> プリンタ10では、定額印刷処理を実行することが可能である。定額印刷処理とは、契約期間中は、所定の期間毎に、一定の金額で予め設定された枚数の印刷処理を実行することが可能な処理である。詳しくは、例えば、定額印刷処理のサービスを行っているメーカと、所定の金額で定額印刷処理の契約を締結することで、そのメーカから、専用のカートリッジが配送される。なお、プリンタ10では、カートリッジのインクの残量に関する情報が取得されており、そのインク残量に関する情報が、プリンタ10から情報管理サーバ50に送信される。そして、情報管理サーバ50は、受信した情報に基づいて、プリンタ10で用いられているカートリッジを管理しており、プリンタ10で用いられているカートリッジのインクが閾値を下回ると、新たな専用のカートリッジをプリンタ10のユーザに発送するための指令が出力される。この指令は、無制限にすなわち、インクが閾値を下回る毎に何度でも出力される。そして、その専用のカートリッジを用いて、例えば、1ヵ月間、200枚迄の印刷処理を実行することができる。なお200枚を越えた場合は、ユーザは上述の金額に加えて、追加の料金を支払う。 【0026】 ただし、メーカは、定額印刷処理の契約が締結された後に、定額印刷処理専用のカートリッジ(本発明の特定の種類のカートリッジの一例)を配送する。このため、定額印刷処理の契約が締結されてから、ユーザに専用のカートリッジが到達するまで、ある程度の期間を要し、その期間、ユーザは、定額印刷処理を実行できない。つまり、定額印刷処理の契約が締結されてから、ユーザに専用のカートリッジが到達し、その専用のカートリッジが接続部24に接続されるまでの期間には、定額印刷処理のサービスが待機されている状態(以下、「待機状態」と記載する場合がある)となる。そして、専用のカートリッジが接続部24に接続されることで、定額印刷処理のサービスが実施可能な状態(以下、「実施可能状態」と記載する場合がある)となり、定額印刷処理が実行される。なお、上述した、「所定の期間」は、専用のカートリッジが初めて接続部24に接続されたときに開始する。 ・・・ 【0031】 また、第2モードでは、接続部24に接続されている全てのカートリッジが、通常の市販のカートリッジである場合であっても、印刷処理は許容されている。これは、ユーザの経済的な負担を軽減するためである。詳しくは、定額印刷処理では、契約期間内であっても、予め設定された枚数を超えた印刷処理が実行された場合は、予め設定された枚数を超えた印刷処理毎に、課金される。このため、第2モードでは、専用のカートリッジが全て24から取り外され、接続部24に、通常のカートリッジのみを接続した場合であっても、印刷処理を実行することが可能とされている。そして、通常のカートリッジのみが接続部24に接続されている場合の印刷処理時の印刷枚数は、定額印刷処理の印刷枚数としてカウントされない。これにより、定額印刷処理で予め設定された枚数を超えた後に実行される印刷処理に対して、課金を避けることが可能となり、ユーザの経済的な負担を軽減することが可能となる。つまり、第2モードでは、接続部24に接続されているカートリッジの種類に関わらず、印刷処理が実行されるが、接続部24に専用のカートリッジが接続されている場合の印刷処理時の印刷枚数のみが、定額印刷処理の印刷枚数としてカウントされる。以下に、図2乃至図6に示すシーケンス図を用いて、定額印刷処理の契約手法、定額印刷処理、通常の印刷処理について、詳しく説明する。」 (ウ)「【0051】 情報管理サーバ50は、定額印刷処理の契約要求を受信すると、その契約要求とともに受信したプリンタ情報により特定されるプリンタ10に、定額印刷処理の契約開始情報を送信する(M164)。契約開始情報には、プリンタ10の作動モードの変更指示と、待機状態であることを示す画面の表示指示と、定額印刷処理での契約期間とが含まれる。PC70は、契約開始情報を受信すると、その情報の受信に応じて、応答を情報管理サーバ50に送信する(M166)。情報管理サーバ50は、PC70から応答を受信すると、配送情報及び、カートリッジの識別情報を配送管理サーバ90に送信する(M168)。配送情報は、アカウントデータに含まれるユーザ情報の氏名および、住所に関する情報である。また、送信されるカートリッジの識別情報は、M162で受信した契約要求の対象となるプリンタに接続される専用カートリッジであって、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各々のインク色に対応する4つのカートリッジの各々を指定するものである。すなわち、情報管理サーバ70は、1以上のプリンタの製品名の各々に対応づけて、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインク色のそれぞれについて、接続される専用カートリッジの識別情報を記憶している。これにより、配送管理サーバ90に送信された配送情報及びカートリッジの識別情報に基づいて、その配送情報により特定されるユーザの元に、専用のカートリッジが発送される。また、情報管理サーバ50は、定額印刷処理の契約要求とともに受信したプリンタ情報に応じたアカウントデータのサービス情報を、「未実施」から「待機」に変更する(M169)。 【0052】 また、プリンタ10は、契約開始情報を情報管理サーバ50から受信すると、プリンタ10の作動モードを、第1モードから第2モードに切り替える(M170)。つまり、プリンタ10では、PC70において、登録情報画面130の開始選択ボタン212aが操作される前は、定額印刷処理の契約が行われていない状態であったために、通常の印刷処理が実行されており、第1モードに従ってプリンタ10の作動が制御されていた。そして、PC70での登録情報画面130の開始選択ボタン212aの操作により、定額印刷処理の契約が行われたため、プリンタ10の作動モードが第2モードに切り替えられる。そして、プリンタ10は、図18に示す待機画面220をディスプレイ16に表示する(M172)。待機画面220には、待機状態であることを示すとともに、専用のカートリッジが配送された場合に、その専用のカートリッジの接続部24への接続を促す旨の表示欄222が表示される。 【0053】 ディスプレイ16に待機画面220が表示されると、プリンタ10では、接続部24に専用のカートリッジが接続されたか否かが判断される(M174)。そして、接続部24に専用のカートリッジが接続されると、上述したように、「所定の期間」は、初めて専用のカートリッジが接続部24に記録されたときから開始するため、プリンタ10は、専用のカートリッジが接続部24に接続された日時をデータ記憶領域32に記憶する(M175)。また、プリンタ10は、図19に示す定額印刷処理実施中画面230をディスプレイ16に表示する(M176)。定額印刷処理実施中画面230には、定額印刷処理を実行可能な状態であることを示すとともに、定額印刷処理で印刷された印刷用紙の枚数を示す表示欄232が表示される。これにより、ユーザは、定額印刷処理を実施することが可能であることを認識できる。 【0054】 そして、プリンタ10では、情報管理サーバ50と通信可能であるか否かが判断される(M178)。この際、情報管理サーバ50と通信不能な場合には、情報管理サーバ50と通信可能となるまで待機される。一方、情報管理サーバ50と通信可能である場合には、プリンタ10は、情報管理サーバ50に開始情報を送信する(M180)。なお、プリンタ10は、開始情報とともに、自身のシリアル番号も情報管理サーバ50に送信する。情報管理サーバ50は、開始情報を受信すると、開始情報とともに受信したシリアル番号に応じたアカウントデータのサービス情報を、「待機」から「実施」に変更する(M182)。 【0055】 以上の説明が、図17に示す登録情報画面130で開始選択ボタン212aが操作された際の説明、つまり、定額印刷処理の契約が締結された際の説明である。また、登録情報画面130では、サービス情報が「実施」であるプリンタ情報210には、選択ボタン212として、終了選択ボタン212bが表示される。終了選択ボタン212bは、定額印刷処理の契約を解除するためのボタンである。つまり、サービス情報が「実施」であるプリンタ情報210に応じたプリンタでは、定額印刷処理の契約が締結され、定額印刷処理が実行可能な状態となっている。このため、この終了選択ボタン212bが操作されることで、PC70は、定額印刷処理の契約解除の要求を、情報管理サーバ50に送信する。なお、定額印刷処理の契約解除要求とともに、終了選択ボタン212bに対応するプリンタ情報も情報管理サーバ50に送信される。情報管理サーバ50は、契約解除要求を受信すると、その要求とともに受信したプリンタ情報に応じたアカウントデータのサービス情報を、「実施」から「未実施」に変更する。 【0056】 また、図17に示す登録情報画面130では、サービス情報が「待機」であるプリンタ情報210には、選択ボタン212として、中止選択ボタン212cが表示される。中止選択ボタン212cは、定額印刷処理の契約を解除するためのボタンである。つまり、サービス情報が「待機」であるプリンタ情報210に応じたプリンタでは、定額印刷処理の契約が締結されているが、専用のカートリッジが配送されていない、又は専用のカートリッジが配送されているが、接続部24に接続されていないため待機状態となっている。このため、この中止選択ボタン212cが操作されることで、PC70は、定額印刷処理の契約解除の要求を、情報管理サーバ50に送信する。なお、定額印刷処理の契約解除要求とともに、中止選択ボタン212cに対応するプリンタ情報も情報管理サーバ50に送信される。情報管理サーバ50は、契約解除要求を受信すると、その要求とともに受信したプリンタ情報に応じたアカウントデータのサービス情報を、「待機」から「未実施」に変更する。 【0057】 また、図17に示す登録情報画面130の利用情報表示ボタン214は、定額印刷処理の契約中のプリンタに関する情報を表示するためのボタンである。このため、利用情報表示ボタン214が操作されると、図20に示す利用情報表示画面240がディスプレイ76に表示される。この利用情報表示画面240には、定額印刷処理の契約中のプリンタに関する情報および、定額印刷処理に対する請求金額が表示される。これにより、ユーザは、定額印刷処理の契約状況等を認識することが可能となる。 【0058】 上記説明は、定額印刷処理の契約、解除等に関する説明である。次に、定額印刷処理および、通常の印刷処理について説明する。プリンタ10では、接続部24に接続されているカートリッジ38の識別情報が、読取部26によって読み取られる(図5参照:M200)。なお、カートリッジ38の識別情報は、接続部24に接続されている複数のカートリッジ38毎に読み取られる。また、接続部24に接続されているカートリッジ38に充填されているインクの残量が、検出センサ27によって検出される(M202)。なお、インクの残量も、接続部24に接続されている複数のカートリッジ38毎に検出される。 【0059】 次に、プリンタ10の作動モードが、第1モードであるか第2モードであるかが判断される(M204)。そして、プリンタ10の作動モードが、第1モードである場合(M204:第1モード)には、接続部24に専用のカートリッジ38が1本でも接続されているか否かが、プリンタ10のCPU12によって判断される(M206)。なお、接続部24に専用のカートリッジ38が1本でも接続されているか否かの判断は、M200で読み取られたカートリッジ38の識別情報に基づいて行われる。 【0060】 接続部24に専用のカートリッジ38が1本でも接続されている場合(M206:YES)には、ディスプレイ16に拒否画面(図示省略)が表示される(M208)。拒否画面には、定額印刷処理の契約を行っていないため、専用のカートリッジを用いた印刷処理の実行を拒否する旨のコメントが表示されている。そして、M210に進む。一方、接続部24に専用のカートリッジ38が1本も接続されていない場合(M206:NO)には、M208の処理がスキップされ、M210に進む。つまり、接続部24に専用のカートリッジ38が1本も接続されていない場合には、ディスプレイ16に拒否画面は表示されない。 【0061】 M210では、印刷指示が入力されたか否かが、CPU12によって判断される(M210)。そして、印刷指示の入力が無かった場合(M210:NO)には、M200に戻る。一方、印刷指示の入力が有った場合(M210:YES)には、接続部24に専用のカートリッジ38が1本でも接続されているか否かが、CPU12によって判断される(M212)。接続部24に専用のカートリッジ38が1本も接続されていない場合(M212:NO)には、印刷処理が実行される(M214)。そして、印刷処理の実行後、M200に戻る。一方、接続部24に専用のカートリッジ38が1本でも接続されている場合(M212:YES)には、印刷処理が拒否される(M216)。つまり、印刷処理は実行されない。そして、M200に戻る。 【0062】 また、M204でプリンタ10の作動モードが、第2モードである場合(M204:第2モード)には、接続部24に専用のカートリッジ38が1本でも接続されているか否かが、CPU12によって判断される(図6参照:M220)。接続部24に専用のカートリッジ38が1本でも接続されている場合(M220:YES)には、ディスプレイ16に、図19に示す定額印刷処理実施中画面230が表示される(M222)。 【0063】 次に、印刷指示が入力されたか否かが、CPU12によって判断される(M224)。そして、印刷指示の入力が有った場合(M224:YES)には、印刷処理が実行される(M226)。また、印刷された用紙の枚数がデータ記憶領域32に記憶される(M228)。そして、プリンタ10では、情報管理サーバ50と通信可能であるか否かが判断される(M230)。この際、情報管理サーバ50と通信不能である場合(M230:NO)には、情報管理サーバ50と通信可能となるまで、M230の処理が繰り返される。 【0064】 一方、情報管理サーバ50と通信可能である場合(M230:YES)には、プリンタ10は、M200で読み取ったカートリッジ38の識別情報と、M202で検出したインク残量に関する情報とを、カートリッジ情報として、情報管理サーバ50に送信する(M232)。なお、カートリッジ情報は、接続部24に接続されている複数のカートリッジ38毎に区別して送信される。さらに、プリンタ10は、データ記憶領域32に記憶されている印刷枚数に関する印刷情報を、カートリッジ情報とともに、情報管理サーバ50に送信する(M232)。なお、プリンタ10は、カートリッジ情報および、印刷情報とともに、自身のシリアル番号も情報管理サーバ50に送信する。 【0065】 また、情報管理サーバ50は、印刷情報を受信すると、印刷情報とともに受信したシリアル番号に応じたアカウントデータの印刷情報を、受信した印刷情報に更新する(M234)。詳しくは、アカウントデータの印刷情報は、図9に示すように、定額印刷処理で印刷された印刷枚数と、プリンタ10から印刷情報を受信した日時とによって構成されている。このため、プリンタ10は、受信した印刷情報から印刷枚数を特定し、その特定した印刷枚数と、その印刷情報を受信した日時とを、アカウントデータの印刷情報として記憶する。また、情報管理サーバ50は、カートリッジ情報を受信すると、カートリッジ情報の分析を行う(M236)。詳しくは、カートリッジ情報に含まれるインク残量に関する情報に基づいて、インク残量が閾値以下であるか否かを判断する。そして、インク残量が閾値以下である場合に、そのインク残量が閾値以下のカートリッジの発注を、カートリッジの識別情報を指定して行う。これにより、プリンタ10のユーザの手元に、インクが無くなる前に、新たな専用のカートリッジが配送される。 【0066】 また、M220において、接続部24に専用のカートリッジ38が1本も接続されていない場合(M220:NO)には、ディスプレイ16に、図18に示す待機画面220が表示される(M238)。次に、印刷指示が入力されたか否かが、CPU12によって判断される(M240)。そして、印刷指示の入力が有った場合(M240:YES)には、印刷処理が実行される(M242)。そして、M230以降の処理が実行される。一方、印刷指示の入力が無かった場合(M240:NO)には、M242の処理がスキップされ、M230以降の処理が実行される。」 (エ)「【図4】 [図:0001419209000001.jpg] 【図5】 [図:0001419209000002.jpg] 【図6】 [図:0001419209000003.jpg] 」 イ 引用文献1から把握できる事項 (ア)上記ア(イ)の段落【0013】の「プリンタ10は、CPU・・・12、記憶部14、・・・記録部・・・を主に備え」、段落【0014】の「CPU12は、記憶部14内の制御プログラム30に従って処理を実行する。制御プログラム30は、プリンタ10を用いて印刷処理を実行するためのプログラムである。」との記載からみて、プリンタ10を用いた印刷処理は、そのCPU12が制御プログラム30に従ってプリンタ10を制御して実行することにより行われていることは明らかである。したがって、上記(イ)の段落【0011】のとおり、図4~6は、通信システム1の作動状態を示すシーケンスの図であることをふまえると、上記ア(エ)の図4~6の図中のプリンタのシーケンスに示される各処理を行う方法は、プリンタ10の制御方法といえる。 (イ)上記ア(ウ)の段落【0063】の「プリンタ10では、情報管理サーバ50と通信可能であるか否かが判断される(M230)。」の記載及び上記ア(エ)の図6のシーケンス図から、M230の処理は、プリンタ10において、情報管理サーバ50と通信可能であるか否かが判断されるものと認められる。そうすると、上記ア(ウ)の段落【0066】の「印刷指示の入力が有った場合(M240:YES)には、印刷処理が実行される(M242)。そして、M230以降の処理が実行される。一方、印刷指示の入力が無かった場合(M240:NO)には、M242の処理がスキップされ、M230以降の処理が実行される。」との記載における「M230以降の処理」では、段落【0063】の「プリンタ10では、情報管理サーバ50と通信可能であるか否かが判断される(M230)。この際、情報管理サーバ50と通信不能である場合(M230:NO)には、情報管理サーバ50と通信可能となるまで、M230の処理が繰り返され」、段落【0064】の「情報管理サーバ50と通信可能である場合(M230:YES)には、プリンタ10は、M200で読み取ったカートリッジ38の識別情報と、M202で検出したインク残量に関する情報とを、カートリッジ情報として、情報管理サーバ50に送信する(M232)」処理が行われると認められる。 (ウ)上記ア(エ)の図5及び6のシーケンス図より、図6のM230でYESの後、M232を経て、図5のM200の前に戻ることが見て取れる。上記ア(ウ)の段落【0058】の「プリンタ10では、接続部24に接続されているカートリッジ38の識別情報が、読取部26によって読み取られる(図5参照:M200)。」との記載及び段落【0064】の「情報管理サーバ50と通信可能である場合(M230:YES)には、プリンタ10は、M200で読み取ったカートリッジ38の識別情報と、M202で検出したインク残量に関する情報とを、カートリッジ情報として、情報管理サーバ50に送信する(M232)」との記載からみて、M232で情報管理サーバ50に送信した後は、M200に戻り、プリンタ10では、接続部24に接続されているカートリッジ38の識別情報が、読取部26によって読み取られると認められる。 ウ 引用発明 上記ア、イより、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。 「プリンタ10は、CPU12、記憶部14、記録部を主に備え(【0013】)、 CPU12は、記憶部14内の制御プログラム30に従って処理を実行し、制御プログラム30は、プリンタ10を用いて印刷処理を実行するためのプログラムであり(【0014】)、 記録部22がインクジェットヘッドであり、接続部24は、記録部で用いられるインクが充填されたカートリッジ38を接続可能となるよう、プリンタ10の筐体に形成され、接続部24には、互いにインクの色が異なる複数のカートリッジ38を接続することが可能であり(【0017】)、 プリンタ10では、定額印刷処理を実行することが可能であり、定額印刷処理とは、契約期間中は、所定の期間毎に、一定の金額で予め設定された枚数の印刷処理を実行することが可能な処理であり、定額印刷処理のサービスを行っているメーカと、所定の金額で定額印刷処理の契約を締結することで、そのメーカから、専用のカートリッジが配送され(【0025】)、 第2モードでは、専用のカートリッジが全て24から取り外され、接続部24に、通常のカートリッジのみを接続した場合であっても、印刷処理を実行することが可能とされており、通常のカートリッジのみが接続部24に接続されている場合の印刷処理時の印刷枚数は、定額印刷処理の印刷枚数としてカウントされず(【0031】)、 定額印刷処理の契約が締結されてから、ユーザに専用のカートリッジが到達し、その専用のカートリッジが接続部24に接続されるまでの期間には、定額印刷処理のサービスが待機されている状態(以下、「待機状態」と記載する場合がある)となり、専用のカートリッジが接続部24に接続されることで、定額印刷処理のサービスが実施可能な状態(以下、「実施可能状態」と記載する場合がある)となり、定額印刷処理が実行され(【0026】)、 情報管理サーバ50は、定額印刷処理の契約要求を受信すると、その契約要求とともに受信したプリンタ情報により特定されるプリンタ10に、定額印刷処理の契約開始情報を送信する(【0051】)、 プリンタ10の制御方法であって(【0014】、上記イ(ア))、 プリンタ10は、契約開始情報を情報管理サーバ50から受信すると、定額印刷処理の契約が行われたため、プリンタ10の作動モードが第2モードに切り替えられ、待機画面220をディスプレイ16に表示し、待機画面220には、待機状態であることを示すとともに、専用のカートリッジが配送された場合に、その専用のカートリッジの接続部24への接続を促す旨の表示欄222が表示され(【0052】)、 ディスプレイ16に待機画面220が表示されると、プリンタ10では、接続部24に専用のカートリッジが接続されたか否かが判断され、接続部24に専用のカートリッジが接続されると、プリンタ10は、定額印刷処理実施中画面230をディスプレイ16に表示し、これにより、ユーザは、定額印刷処理を実施することが可能であることを認識でき(【0053】)、 プリンタ10では、接続部24に接続されているカートリッジ38の識別情報が、読取部26によって読み取られ(M200)(【0058】)、 次に、プリンタ10の作動モードが、第1モードであるか第2モードであるかが判断され(M204)(【0059】)、 M204でプリンタ10の作動モードが、第2モードである場合(M204:第2モード)には、接続部24に専用のカートリッジ38が1本でも接続されているか否かが、CPU12によって判断され(M220)、接続部24に専用のカートリッジ38が1本でも接続されている場合(M220:YES)には、ディスプレイ16に、定額印刷処理実施中画面230が表示され(M222)(【0062】)、 M220において、接続部24に専用のカートリッジ38が1本も接続されていない場合(M220:NO)には、ディスプレイ16に、待機画面220が表示され(M238)、次に、印刷指示が入力されたか否かが、CPU12によって判断され(M240)、印刷指示の入力が有った場合(M240:YES)には、印刷処理が実行され(M242)、M230以降の処理が実行される一方、印刷指示の入力が無かった場合(M240:NO)には、M242の処理がスキップされ、M230以降の処理が実行され(【0066】)、 M230以降の処理では、プリンタ10では、情報管理サーバ50と通信可能であるか否かが判断され(M230)、この際、情報管理サーバ50と通信不能である場合(M230:NO)には、情報管理サーバ50と通信可能となるまで、M230の処理が繰り返され(【0063】、上記イ(イ))、情報管理サーバ50と通信可能である場合(M230:YES)には、プリンタ10は、M200で読み取ったカートリッジ38の識別情報と、M202で検出したインク残量に関する情報とを、カートリッジ情報として、情報管理サーバ50に送信し(M232)(【0064】、上記イ(イ))、 M232で情報管理サーバ50に送信した後は、M200に戻り、プリンタ10では、接続部24に接続されているカートリッジ38の識別情報が、読取部26によって読み取られる(上記イ(ウ))、 プリンタ10の制御方法」 第5 対比 (1)本願発明と引用発明とを対比する。 ア 引用発明の「印刷処理を実行する」「プリンタ10」は、その機能からみて本願発明の「画像形成を行う画像形成装置」に相当する。また、引用発明の「記録部で用いられるインクが充填されたカートリッジ38」は、記録部22がインクジェットヘッドであって、これに用いられるインクが充填されているから、記録部にインクを供給するものであることは明らかであり、本願発明の「供給品カートリッジ」に相当する。したがって、引用発明の「プリンタ10」は、その筐体に形成された接続部24にカートリッジ38を接続して印刷処理を実行するものであるから、本願発明の「画像形成装置の制御方法」と、引用発明の「プリンタ10の制御方法」とは、「供給品カートリッジを使用して画像形成を行う」方法である点で一致する。 イ 引用発明の「専用のカートリッジ」及び「通常のカートリッジ」は、「インクが充填されたカートリッジ38」の種類をいうことは明らかである。そして、引用発明の「専用のカートリッジ」は、「定額印刷処理のサービスを行っているメーカと、所定の金額で定額印刷処理の契約を締結することで、そのメーカから・・・配送され」るものであるから、本願発明の「契約型」に相当する。また、引用発明は「通常のカートリッジのみを接続した場合であっても、印刷処理を実行することが可能とされており、通常のカートリッジのみが接続部24に接続されている場合の印刷処理時の印刷枚数は、定額印刷処理の印刷枚数としてカウントされ」ないのであるから、引用発明の「通常のカートリッジ」は、定額印刷処理でない印刷処理が行われるものであって、本願発明の「通常型」に相当する。 ウ 引用発明の「「待機状態」の「プリンタ10」」は、「定額印刷処理の契約が締結されてから、ユーザに専用のカートリッジが到達し、その専用のカートリッジが接続部24に接続されるまでの期間」にあるから、専用のカートリッジが接続部24に接続されていない状態である。また、引用発明は、情報管理サーバが「定額印刷処理の契約要求を受信すると、その契約要求とともに受信したプリンタ情報により特定されるプリンタ10に、定額印刷処理の契約開始情報を送信」し、「プリンタ10」が「契約開始情報を情報管理サーバ50から受信すると、定額印刷処理の契約が行われたため、プリンタ10の作動モードが第2モードに切り替えられ」るのであるから、「定額印刷処理の契約が締結されてから」の「プリンタ10」は、「第2モード」であるといえる。 以上を踏まえると、引用発明の「「待機状態」の「プリンタ10」」の状態は、第2モードであり、かつ、専用のカートリッジが接続部24に接続されていない状態であるから、プリンタ10で実行される処理は次のとおりとなる。 a 「プリンタ10は、待機画面220をディスプレイ16に表示し、待機画面220には、待機状態であることを示すとともに、専用のカートリッジが配送された場合に、その専用のカートリッジの接続部24への接続を促す旨の表示欄222が表示され」、「プリンタ10では、接続部24に接続されているカートリッジ38の識別情報が、読取部26によって読み取られ(M200)」、「M204でプリンタ10の作動モードが、第2モードである場合(M204:第2モード)には、接続部24に専用のカートリッジ38が1本でも接続されているか否かが、CPU12によって判断され判断され(M220)」、「M220において、接続部24に専用のカートリッジ38が1本も接続されていない場合(M220:NO)には、ディスプレイ16に、待機画面220が表示され(M238)、次に、印刷指示が入力されたか否かが、CPU12によって判断され(M240)、印刷指示の入力が有った場合(M240:YES)には、印刷処理が実行され(M242)、M230以降の処理が実行される一方、印刷指示の入力が無かった場合(M240:NO)には、M242の処理がスキップされ、M230以降の処理が実行され」、「情報管理サーバ50と通信可能であるか否かが判断され(M230)、この際、情報管理サーバ50と通信不能である場合(M230:NO)には、情報管理サーバ50と通信可能となるまで、M230の処理が繰り返され、 情報管理サーバ50と通信可能である場合(M230:YES)には、プリンタ10は、M200で読み取ったカートリッジ38の識別情報と、M202で検出したインク残量に関する情報とを、カートリッジ情報として、情報管理サーバ50に送信し(M232)」、「M200に戻り、プリンタ10では、接続部24に接続されているカートリッジ38の識別情報が、読取部26によって読み取られる」という工程を、M220で接続部24に専用のカートリッジ38が1本でも接続されると判断されるまで繰り返す。 エ 引用発明の「待機状態」では、上記ウaの処理が常に行われることとなり、「待機画面220をディスプレイ16に表示」するとともに「印刷処理時の印刷枚数は、定額印刷処理の印刷枚数としてカウントされない」ものとなる。 一方、引用発明は、「接続部24に専用のカートリッジ38が1本でも接続されている場合(M220:YES)には、ディスプレイ16に、定額印刷処理実施中画面230が表示され」、「専用のカートリッジが接続部24に接続されることで、定額印刷処理のサービスが実施可能な状態(以下、「実施可能状態」と記載する場合がある)となり、定額印刷処理が実行され」るから、第2モードにおいて、専用のカートリッジが接続部24に接続され「実施可能状態」となった後は、「定額印刷処理実施中画面230が表示され」るとともに定額印刷処理が実行される。 したがって、引用発明の「プリンタ10の作動モード」が「第2モード」である場合において、上記「待機状態」と上記「実行可能状態」は、プリンタ10の別個の状態を示し、それぞれの状態に応じた別個の処理が行われるから、異なるモードであるということができる。そして、引用発明の「第2モード」の「待機状態」は、定額印刷処理の契約が締結されてから、定額印刷処理のサービスが待機されている状態であるから、本願発明の「プレ契約モード」に相当する。また、引用発明の「第2モード」の「実行可能状態」は、本願発明の「本契約モード」に相当する。 オ 引用発明の「プリンタ10」は、「契約開始情報を情報管理サーバ50から受信すると、定額印刷処理の契約が行われたため、プリンタ10の作動モードが第2モードに切り替えられ」るから、引用発明の「プリンタ10の制御方法」は、情報をサーバから受信して、それが定額印刷処理の契約開始情報であるかを判定する工程を有するといえる。よって、本願発明の「画像形成装置の制御方法」と、引用発明の「プリンタ10の制御方法」とは、「画像形成装置が契約されたかを判定する契約判定処理」を含む方法である点で一致する。 また、引用発明は、「定額印刷処理の契約が締結されてから、ユーザに専用のカートリッジが到達し、その専用のカートリッジが接続部24に接続されるまでの期間は、定額印刷処理のサービスが待機されている状態(以下、「待機状態」と記載する場合がある)とな」るのであるから、契約が締結された後、待機状態を経由することとなる。よって、上記の定額印刷処理の契約開始情報であると判定した結果、プリンタ10の作動モードが第2モードの待機状態に切り替えられる工程を有するといえる。 したがって、上記エも踏まえると、本願発明の「画像形成装置の制御方法」と、引用発明の「プリンタ10の制御方法」とは、「契約判定処理により、前記画像形成装置が契約されたと判定された場合、画像形成装置の動作モードをプレ契約モードに移行するプレ契約モード移行処理」を含む方法である点で一致する。 カ 引用発明の「M220」で実行される「接続部24に専用のカートリッジ38が1本でも接続されているか否か」の判断は、上記イのとおり接続されるカートリッジに「専用のカートリッジ」と「通常のカートリッジ」があることからすれば、専用のカートリッジと通常のカートリッジのどちらが接続されているかを判定することに他ならない。したがって、引用発明の「接続部24に専用のカートリッジ38が1本でも接続されているか否か」の判断は、「画像形成装置に装着されている供給品カートリッジが通常型または契約型のどちらであるかを判定する種別判定処理」に相当する。 キ 引用発明の「第2モード」の「待機状態」では、上記ウaのとおり、「M220」で実行される判断で、NO、すなわち、通常のカートリッジのみが接続されていると判断された場合、「M238」の「ディスプレイ16に、待機画面220が表示される」処理が実行され、上記エのとおり、「M220」でYES、すなわち、専用のカートリッジが接続されていると判断された場合、「待機状態」は「実施可能状態」となる。 そして、上記エのとおり引用発明の「第2モード」の「待機状態」は本願発明の「プレ契約モード」に相当し、引用発明の「待機画面220」は、「待機状態であることを示す・・・表示欄222が表示され」るから、本願発明の「プレ契約モードに関する表示情報」に相当する。したがって、引用発明の「M238」の「ディスプレイ16に、待機画面220が表示される」処理は、「プレ契約モードに関する表示情報をディスプレイに表示させる第1表示処理」に相当する。 さらに、引用発明の「待機状態」から「実施可能状態」になることは、上記エも踏まえると「画像形成装置の動作モードを前記プレ契約モードから本契約モードに移行する」といえるから、引用発明の「M220」でYESとなって、「待機状態」が「実施可能状態」となる処理は、「画像形成装置の動作モードを前記プレ契約モードから本契約モードに移行する本契約モード移行処理」に相当する。 ク 上記カ及びキより、本願発明の「画像形成装置の制御方法」と、引用発明の「プリンタ10の制御方法」とは、「前記プレ契約モードにおいて、前記種別判定処理により、前記供給品カートリッジが前記通常型であると判定された場合、前記プレ契約モードに関する表示情報をディスプレイに表示させる第1表示処理と、 前記プレ契約モードにおいて、前記種別判定処理により、前記供給品カートリッジが契約型であると判定された場合、前記画像形成装置の動作モードを前記プレ契約モードから本契約モードに移行する本契約モード移行処理と」を含む方法である点で一致する。 (2)上記ア~クより、本願発明と引用発明とは、 [一致点] 「 供給品カートリッジを使用して画像形成を行う画像形成装置の制御方法であって、 画像形成装置が契約されたかを判定する契約判定処理と、 前記契約判定処理により、前記画像形成装置が契約されたと判定された場合、画像形成装置の動作モードをプレ契約モードに移行するプレ契約モード移行処理と、 前記画像形成装置に装着されている供給品カートリッジが通常型または契約型のどちらであるかを判定する種別判定処理と、 前記プレ契約モードにおいて、前記種別判定処理により、前記供給品カートリッジが前記通常型であると判定された場合、前記プレ契約モードに関する表示情報をディスプレイに表示させる第1表示処理と、 前記プレ契約モードにおいて、前記種別判定処理により、前記供給品カートリッジが契約型であると判定された場合、前記画像形成装置の動作モードを前記プレ契約モードから本契約モードに移行する本契約モード移行処理と、 を含むことを特徴とする、画像形成装置の制御方法」 で一致し、相違するところはない。 第6 判断 (1)上記第5(2)のとおり、本願発明と引用発明との間に相違するところはなく、本願発明の発明特定事項は、引用発明が全て備えるものである。 (2)審判請求人の主張について 審判請求人は、令和6年5月17日提出の審判請求書において、次のように主張する。 ア 「引用文献1の図4には、「定額印刷処理の契約」を起点とし、さらには「専用のカートリッジが配送されたことを必須として、配送された直後に、その配送された専用カートリッジが使用されていないこと待機画面を表示することは開示されておりますが、・・・請求項19の「前記プレ契約モードにおいて、前記種別判定処理により、前記供給品カートリッジが前記通常型であると判定された場合、前記プレ契約モードに関する表示情報をディスプレイに表示させる第1表示処理」について、記載も示唆もありません。 本願請求項1、15、及び19は、配送されたことに関する情報は用いず、その代わりに、配送された/配送されていないに関わらず、ユーザが手元に持っているであるとする契約型の供給品カートリッジ(専用カートリッジ)が使用されていないことを、供給品メモリに記憶された通常型を表す種別情報を元に判断しております。このため、「配送された」ことを起点とする必要が無く、供給品カートリッジの供給品メモリ単体を使って「契約型の供給品カートリッジが使用されていないこと」を確実に判断し、ユーザに使用を促すことができます。 さらには、段落0026にも・・・記載されているように、「専用のカートリッジが配送されたことを必須として、配送された直後に、その配送された専用カートリッジが使用されていないこと待機画面を表示することは開示されておりますが、・・・請求項19の「前記プレ契約モードにおいて、前記種別判定処理により、前記供給品カートリッジが前記通常型であると判定された場合、前記プレ契約モードに関する表示情報をディスプレイに表示させる第1表示処理」について、記載も示唆もありません。」 イ 「図9及び段落0045の記載は、既に表示された「待機状態」を見て「定額印刷処理の契約が行われているが、専用のカートリッジが配送されていない、又は専用のカートリッジが配送されているが、接続部に24に接続されていないため、定額印刷処理が実行されていないこと」を推測しているにすぎず、表示を行う前に供給品カートリッジの種別判定を具体的に行う・・・請求項19の「前記プレ契約モードにおいて、前記種別判定処理により、前記供給品カートリッジが前記通常型であると判定された場合、前記プレ契約モードに関する表示情報をディスプレイに表示させる第1表示処理」について、記載も示唆もありません。」 ウ 「引用文献1には、・・・請求項19の「前記プレ契約モードにおいて、前記種別判定処理により、前記供給品カートリッジが前記通常型であると判定された場合、前記プレ契約モードに関する表示情報をディスプレイに表示させる第1表示処理」について、記載も示唆もありません。このため、本願請求項1、15、及び19から得られる、「配送された」ことを起点とする必要が無く、供給品カートリッジの供給品メモリ単体を使って「契約型の供給品カートリッジが使用されていないこと」を確実に判断し、ユーザに使用を促すことができる、という特別か効果を奏することもできません。」 エ 上記ア~ウによれば、審判請求人は、引用文献1に記載される発明の待機画面が、「定額印刷処理の契約」を起点とし、さらには専用のカートリッジが配送されたことを必須として、配送された直後に、表示されるものであって、表示を行う前に供給品カートリッジの種別判定を具体的に行う本願請求項19に係る発明の「前記プレ契約モードにおいて、前記種別判定処理により、前記供給品カートリッジが前記通常型であると判定された場合、前記プレ契約モードに関する表示情報をディスプレイに表示させる第1表示処理」が引用文献1に記載も示唆もない旨を主張するものと解される。 オ しかしながら、本願発明の「前記プレ契約モードにおいて、前記種別判定処理により、前記供給品カートリッジが前記通常型であると判定された場合、前記プレ契約モードに関する表示情報をディスプレイに表示させる第1表示処理」における種別判定処理は、「プレ契約モードにおいて」と特定されるのみであって、プレ契約モードに関する表示情報がそれまで全く表示されていない状態で行われると解する理由はなく、上記第5(1)カ~クで示したとおり、引用発明の「M220」で実行される判断とNOの場合の「M238」で実行される処理から、引用発明は「前記プレ契約モードにおいて、前記種別判定処理により、前記供給品カートリッジが前記通常型であると判定された場合、前記プレ契約モードに関する表示情報をディスプレイに表示させる第1表示処理」を有しているといえるから、当該処理が記載も示唆もないとする主張は採用することができない。 また、審判請求人は、引用発明が、専用のカートリッジが配送されたことを必須として待機画面を表示するというが、プリンタ10の処理においては、上記第4(1)ア(ウ)の段落【0052】「契約開始情報を情報管理サーバ50から受信すると、プリンタ10の作動モードを、第1モードから第2モードに切り替える(M170)」との記載及び(エ)の図4からみて、専用のカートリッジが配送されたことはなんら判断しておらず、専用のカートリッジが配送されたことを必須としているとは認められない。したがって、審判請求人の主張は採用できず、「「配送された」ことを起点とする必要が無く、供給品カートリッジの供給品メモリ単体を使って「契約型の供給品カートリッジが使用されていないこと」を確実に判断し、ユーザに使用を促すことができる」との効果は、引用発明においても当然奏されるものであって、格別顕著な効果とはいえない。 (3)上記(1)~(2)のとおりであるから、本願発明と引用発明との間に相違するところはない。 (4)なお、拒絶理由通知及びこれに基づく拒絶査定において、「引用文献1記載の・・・「第2モード」は、本願発明に係る・・・「本契約モード」に相当」と説示される一方で、「引用文献1記載の第2モードにおける「待機状態」は、本願発明に係る「プレ契約モード」に相当する。」と説示もされる。後者の相当関係をふまえれば、拒絶理由通知及びこれに基づく拒絶査定における、引用発明1の「第2モード」における、「待機状態」を除く状態を、「本契約モード」に相当させていると解されるから、拒絶理由通知及びこれに基づく拒絶査定での認定と審決での認定は実質的に同じといえる。 第7 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し、同条第1項の規定により特許を受けることができないものである。 したがって、他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 そして、上記第3のとおりであるから、当該拒絶の理由は、特許法第159条第2項にいう査定の理由と異なるものではない。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-008253

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