特許拒絶査定不服審判
2024-005974
照明装置
- 審判番号
- 2024-005974
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2022-208431外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2024年04月09日
- 審決日
- 2025年06月27日
- 公報発行日
- 2025年09月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】三菱電機株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人きさ特許商標事務所
- 【請求人】三菱電機照明株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人きさ特許商標事務所
- 分類
- P18 .121-WZ (F21S)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2022-208431号「照明装置」拒絶査定不服審判事件〔令和5年3月14日出願公開、特開2023-36855号〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成30年9月28日に出願した特願2018-185080号の一部を令和4年12月26日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。
令和 5年 8月21日付け:拒絶理由通知書
令和 5年10月27日提出:意見書、手続補正書
令和 6年 2月 1日付け:拒絶査定
令和 6年 4月 9日提出:審判請求書、手続補正書
令和 7年 2月13日付け:拒絶理由通知書
令和 7年 4月16日提出:意見書、手続補正書
第2 本願発明
本願の請求項1~4に係る発明は、令和7年4月16日提出の手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1~4に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。
「光源と前記光源を覆う第1透光部とを有し、長尺状の第1照明具と、
前記第1照明具の短手方向において前記第1照明具と並んで配置され、非常用光源、前記非常用光源を覆うレンズ部、前記非常用光源及び前記レンズ部を収納する外郭部、を有する第2照明具と、
を備え、
前記外郭部は、
前記第1照明具の前記第1透光部と前記非常用光源及び前記レンズ部とを隔てる外郭内側部と、
前記外郭内側部の下辺から前記短手方向において前記非常用光源側へ突出するように設けられた外郭主部であって、当該外郭部の内側に凹むように形成された部分が前記第1照明具の長手方向に沿って延びるように形成された前記外郭主部と、
前記凹むように形成された部分において前記レンズ部の一部を当該外郭部の外側へ突出させた透光部貫通部と、を有する照明装置。」
第3 拒絶の理由
令和7年2月13日付けで当審が通知した拒絶理由通知書中の理由2は、次のとおりのものを含むものである。
この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内または外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1:特開2017-107828号公報
引用文献2:特開2018-116875号公報
第4 引用文献の記載及び引用発明
1 引用文献1について
(1)記載事項
引用文献1には、以下の事項が記載されている。なお、下線は当審で付した。以下同様。
ア 「【0001】
この発明は、常用時に点灯する光源ユニットと、非常時に点灯する非常用光源ユニットとを備えた照明装置に関する。」
イ 「【0011】
実施の形態1.
<***構成の説明***>
図1~図19を参照して実施の形態1における照明装置の構成について説明を行なう。本実施の形態では、本発明に係る照明装置の一例として、天井などの被取付部に取り付けられる、トラフ型の照明装置1について説明する。実施の形態1で説明する照明装置1は、図1のように長尺状である。
以下の実施の形態では、図1に示すように、照明装置1において、長手方向をX、短手方向をYと決め、長手方向X、短手方向Yのように記す。また、長手方向Xに直交し、かつ、光源ユニット10から器具本体100に向かう方向をZ1方向、その反対方向をZ2方向とする。また、長手方向Xにおいて、非常用光源ユニット200のレンズ223から引き棒252に向かう方向を方向X1とし、その反対方向をX2とする。以下に説明する光源ユニット10及び器具本体100も長尺状であり、長手方向X等は照明装置1と同様とする。
【0012】
(照明装置1に関して)
図1~図3のように、照明装置1は、長尺状に形成された光源ユニット10と、器具本体100と、非常用光源ユニット200とを備えている。器具本体100は本体凹部110を有する。本体凹部110は、被取付部に当接するように設置され、光源ユニット10の一部が収容されると共に光源ユニット10が脱着可能に取り付けられた長尺状である。非常用光源ユニット200は、本体凹部110の短手方向Yで本体凹部110に隣接して配置された収容部2000、収容部2000に収容された蓄電池240を有する。後述のように収容部2000は、ユニット化粧部212と底面配置部211aとによって構成される。
【0013】
(光源ユニット10に関して)
図5~図7を参照して、光源ユニット10を説明する。なお、図6では連結具15、点灯装置16を省略している。光源ユニット10は、発光体11、フレーム12、カバー13、光源蓋部14、連結具15、点灯装置16を備えている。
(1)発光体11は、複数の発光素子11aと複数の発光素子11aが実装されている基板11bとからなる。この実施の形態では、発光素子11aはLEDである。なお発光素子11aはLEDに限らず、有機ELあるいはレーザなどの発光素子でもよい。発光体11は発光モジュールと呼ばれる場合もあり、発光素子にLEDを用いる場合はLEDモジュールと呼ばれる場合がある。
(2)フレーム12は、発光体11が取り付けられる。
(3)カバー13は、フレーム12に発光体11を覆うように取り付けられると共に、発光体11から照射される光を拡散制御する。
(4)光源蓋部14は、カバー13の長手方向端部を覆う。
(5)連結具15が器具本体100に配置されたバネ140と連結することで、光源ユニット10が器具本体100に固定される。
(6)点灯装置16は、発光体11を点灯させる。」
ウ 「【0022】
本体凹部110は、凹形状の底面部に相当し、略矩形状をした本体底面部111と、凹形状の側壁に相当し、本体底面部111の長手方向Xに向かうそれぞれの側辺を基端部として互いに対向して立ち上がる第一の側面部112、第二の側面部113を備える。本体底面部111には、外部から電源線400を引き込む為の電源孔111a、器具本体100をボルトなどの取付具により天井などの被取付部に取り付けをする為の取付孔111bが形成されている。つまり図8のように,本体凹部110は、取付具を通すための一対の取付孔111bが、端子台130と蓄電池用開口217とを長手方向Xで挟む位置に形成されている。第一の側面部112は、非常用光源ユニット200に隣接する側面部であり、第一の連通部112aと、第二の連通部112bが形成されている。このように、本体凹部110は、電源線400が引き込まれる電源孔111aが形成されていると共に、長手方向Xに沿って電源孔111aに隣接して配置され、電源線400が接続される端子台130を有する。電源孔111aは、本体凹部110の長手方向Xの略中央に配置されている。」
エ 「【0026】
(非常用光源ユニット200に関して)
図8、図10~図17を参照して非常用光源ユニット200を説明する。非常用光源ユニット200は、ユニット外郭部210、非常用光源部220、非常用点灯装置230、蓄電池240、点検スイッチ250を備えている。ユニット外郭部210は、略直方体形状であり外郭をなす。非常用光源部220は、ユニット外郭部210の内側に収容され、非常用光源の機能を果たす。また、図示しないが、非常用光源ユニット200は、蓄電池240が正常に充電されているかどうか表示するモニタ用ランプを備えている。なお、蓄電池240を示すために図8では蓄電池240の蓄電池本体241が蓄電池用開口217から飛び出している状態を示しているが、照明装置1の使用状態では蓄電池本体241は図4のように収容部2000に収容されている。
【0027】
ユニット外郭部210は、本体凹部110の本体底面部111と短手方向に並ぶように配置されるユニット底面部211と、蓋のない略箱形状をしたユニット化粧部212とを有している。ユニット外郭部210は不燃材により形成されており、この実施の形態では、ユニット外郭部210は金属部材で形成されている。
【0028】
ユニット外郭部210のうち、ユニット化粧部212と底面配置部211aとは、非常用光源ユニットの機能を果たす非常用点灯装置230、蓄電池240等の各部品を収納する収容部2000を構成する。」
オ 「【0031】
図10、図12のように、ユニット化粧部212は、ユニット正面部213と、ユニット側面部214とを有している。ユニット正面部213は、レンズ開口213aが形成されている部分であり、ユニット正面部213以外がユニット側面部214である。ユニット側面部214はユニット側面部214-1、214-2,214-3,214-4、214-5がある。後述のようにユニット側面部214-5は器具隣接壁部215である。ユニット正面部213は、ユニット底面部211の底面配置部211aと対向する。ユニット側面部214は箱形状であるユニット化粧部212の各側面であり、底面配置部211aと、ユニット正面部213との間に位置する。ユニット正面部213には、後述する非常用光源部220のレンズ223が突出するように配置されたレンズ開口213aと、点検スイッチ250の引き棒252が突出するように配置されたスイッチ開口213bが設けられている。
【0032】
各ユニット側面部214のうち、本体凹部110の第一の側面部112と対向するユニット側面部214-5は、器具隣接壁部215である。器具隣接壁部215は、非常用点灯装置230への入出力の電線の配置のため、および蓄電池240が挿し込まれるための形状に形成されている。具体的には、器具隣接壁部215は矩形形状a,i,j,hから部分a,b,c,d,e,f、g,hを切り取ったような形状である。この「部分a,b,c,d,e,f、g,h」を開放部215Cと記す。ユニット正面部213からのZ1方向の高さは、ユニット側面部214-1、214-3、214-4のいずれも寸法H(図10)であるが、器具隣接壁部215の高さは寸法Hによりも低い。器具隣接壁部215のうち、c,d,e,fの凹形状の部分を壁凹部215Aと呼び、一定の高さb、cの部分を長壁部215Bと呼ぶ。図8のように、器具隣接壁部215は、非常用光源ユニット200が本体凹部110に取り付けられた状態において、第一の連通部112aと電線用開口216を形成し、第二の連通部112bと、蓄電池用開口217を形成する。非常用光源ユニット200が本体凹部110に固定された場合、ユニット化粧部212の壁凹部215A、長壁部215Bは、第一の側面部112の第一の連通部112a,第二の連通部112bに対して、図10の第一の連通部112a,第二の連通部112bの位置に二点鎖線で示した取り付け状態となる。
【0033】
つまり、第一の連通部112aの切り欠かれている下端に長壁部215Bの上端b~cの一部が位置することで電線用開口216が形成されている。また、第二の連通部112bの切り欠かれている下端に壁凹部215Aの上端c~fが位置することで蓄電池用開口217が形成されている。なお、図10に示すユニット化粧部212の側面高さHは、図4のように、光源ユニット10の把持部13b側方に非常用光源部220のレンズ223が配置されるような高さである。よって、光源ユニット10と非常用光源部220とが互いに相手に与える配光の影響が少ない位置である。
【0034】
図10のように、非常用光源部220は、発光素子221が実装された基板222と、ソケット222aと、実装された発光素子221の前方に配置されるガラス製のレンズ223と、略コの字形状であり基板222が設置される光源設置台224を有する。非常用光源部220は、光源おさえ223aで光源設置台224に取り付けられる。非常用光源部220は、レンズ223がレンズ開口213aからZ2方向(図2(b))に突出する。レンズ223は、発光素子221が照射する光を広角に配光するレンズであり、非常用光源部として必要な範囲へ照射する配光特性を有している。この実施の形態ではバッドウィング形の配光特性を有している。光源設置台224は、放熱効果も有するとともに、内側には非常用点灯装置230が配置される。」
カ 「【0049】
<***本実施の形態の効果(配線・器具本体)***>
(1)照明装置1では、器具本体100は、光源ユニット10を保持する本体凹部110と、非常用光源ユニット200とを備えている。非常用光源ユニット200の収容部2000は本体凹部110の短手方向Yの側方に配置されていることよって、非常用光源ユニット200を設けるに際して、長手方向Xに隣接して収容部2000を設ける場合のように、照明装置1の長手方向全長を長くしたり、あるいは光源ユニットの全長を短くしなくてよい。また、照明装置1は、照明装置1の長手方向Xの長さと略同等の長さを有する光源ユニット10を用いることができるので、非常用光源ユニット200を設ける場合であっても、非常用光源ユニット200を設けていない場合と同様の発光面積を維持することができる。
(2)器具本体100は、光源ユニット10が取り付けられる本体凹部110と、非常用光源ユニット200を別体で設けている。非常時の光源となる構成部材を、非常用光源ユニット200として本体凹部110と別体で形成することにより、照明装置の組み立て性を向上できる。
(3)また、別体であるので、ユニット外郭部210は、本体凹部110と異なる材料で形成できる。よって、非常用光源ユニット200は、非常用光源として、防火性に優れた材料など、用途に応じた材料で構成することができる。また、ユニット外郭部210のみを特定用途材料で構成することで、器具本体100全てを特定用途材料で構成するよりもコストを抑制することができる。
(4)また、配線構成は上記(a)~(e)のようにすることで、電源線400、各部材、電線300のそれぞれが互い干渉するのを抑制できる。とくに上記(d)で示した構成により、蓄電池240の非常用光源ユニット200への挿入、取り出しが容易になる。また、上記(e)の構成により、装置側コネクタ232bと蓄電池側コネクタ242bとの接続作業、解除作業が、電源線400と干渉せずに行える。よって、蓄電池240の交換メンテナンスが容易になる。
(5)また、点灯装置16を電源孔111aよりX2方向に設けると、器具本体100に光源ユニット10が取り付けられた状態において、本体凹部110の内側の空間を有効に利用することができる。
(6)また、対になる取付孔111bの間であり電源孔111aの周辺に、端子台130、非常用光源ユニット200などの電気部品を集約することで、相互に接続する為の電線が長くなるのを抑制できる。さらに、集約した部品と、取付具(天井に固定する為のボルトなど)あるいはバネ140及び連結具15からなる取付機構との干渉を防止できる。
さらに、取付孔111b、電源孔111aが設けられる位置は、非常用光源ユニット200が装着されない照明装置と同じ位置で良い。つまり、照明装置1は非常用光源ユニット200を備えていない照明装置と器具本体100(本体凹部110)を共通にできる。よって、非常用光源ユニット200を装着しない照明装置のために設けられた「天井等に器具本体100を取り付けるボルトなどの取付具や器具本体100に引き込む電源線400」の位置を変えることなく、そのまま使用できるので施工性がよい。(7)非常用光源ユニット200は、装置側接続部232と蓄電池側接続部242とをユニット外郭部210の外側に配置しているので、非常用点灯装置230と蓄電池240を容易に接続できる。また、容易に接続状態を解除できる。」
キ 「【0056】
しかし、これに限定されない。本体凹部110と収容部2000とが、電線用開口216あるいは蓄電池用開口217を形成する構成としては、以下のような場合がある。器具隣接壁部215の開放部215Cが開放されておらず高さH(図10)の一枚板の形状の場合に、器具隣接壁部215と第一の側面部112とに電線用開口216に相当する開口、蓄電池用開口217に相当する開口を形成して、器具隣接壁部215の開口と第一の側面部112の開口とを連通させる。一方の開口が電線用開口216、蓄電池用開口217の大きさであれば他方の開口はそれよりも大きくても構わない。
あるいは、本体凹部110と収容部2000とのいずれかには、装置側接続部232の装置側電線232aが収容部2000から本体凹部110へ通過している開口である電線用開口216が形成されている構成でもよい。あるいは、本体凹部110と収容部2000とのいずれかには、長手方向Xにおいて端子台130とともに電源孔111aを挟む位置に、蓄電池240が収容部2000から本体凹部110へ通過可能な開口である蓄電池用開口217が形成されている構成でもよい。これらの例として、器具隣接壁部215がない場合、つまり図10において器具隣接壁部215の「ibcdefgj」の部分がなく、一方、第一の側面部112に、電線用開口216に相当する開口、蓄電池用開口217に相当する開口が形成されているような場合である。」
ク 「【0070】
実施の形態3.
図25は、図19の埋込み型の照明装置1Bの断面図であり、非常用光源部220の配光特性を示す断面図である。図25を参照して実施の形態3を説明する。実施の形態3は、実施の形態1の図19で説明した照明装置1Bの、より具体的な構成を示すものであり、照明装置1Bへの非常用光源部220の設置位置に関する実施の形態である。
【0071】
実施の形態3では、図25に示すように、非常用光源ユニット200のレンズ223の位置を、光源ユニット10よりもZ2方向の位置にしてレンズ223の配光範囲Aが反射部114と干渉しない構成である。本構成により、非常用光源部220の配光特性を確保した非常用光源ユニット200を備えた照明装置を提供できる。なお、反射部114は、本体凹部110の長手側辺702から傾斜するように設けられている。以下に図25を用いて説明する。
【0072】
図25に示すような埋込み型の照明装置1Bにおいて、光を発する発光ユニットの部分である非常用光源部220(レンズ223)を光源ユニット10と高さ方向Zで同程度の位置に設けると、光源ユニット10の照射する光を制御する反射部114で、非常用光源部220(レンズ223)の照射する光も制御されてしまう。結果として非常用光源の所望の配光を得られない。
また、非常用光源部220の所望の配光が確保できない場合、非常用光源ユニット200を備えた照明装置1Bの設置数を増やす必要がある。そこで、実施の形態1の図19に示す照明装置1Bについては、図25に示すように、非常用光源ユニット200の高さ方向Zに関して、非常用光源ユニット200が、反射部114から、光源ユニット10の照射方向である反Z2方向に突き出すように配置する。
【0073】
より具体的には、図25の非常用光源部220の場合、光はレンズ223から出射されるのでレンズは光の出射部である。よって、レンズ223を、光源ユニット10よりも光源ユニット10の照射方向であるZ2方向で、かつ、レンズ223から出射される光が反射部114に遮られずにレンズ223の配光範囲Aが確保されるZ2方向の位置に配置する。レンズ223は非常用光源ユニット200の部品として非常用光源ユニット200に組み込まれ、レンズ223を含めて非常用光源ユニット200は一体である。よって上記の「非常用光源ユニット200の高さ方向Zに関して、非常用光源ユニット200が、反射部114から、光源ユニット10の照射方向であるZ2方向に突き出すように配置する。」とはこの意味である。また配光範囲Aを確保するにはレンズ223のY方向位置も関係する。Y方向に動かすことで光源ユニット10の長さ方向Xを確保している。よって、非常用光源部220(レンズ223)は、配光範囲Aが反射部114および反射部端部114bと干渉しないXY方向の位置に配置される。この構成によって、非常用光源部220の配光特性を確保する。
【0074】
このように、光源ユニット10と非常用光源部220を別々の位置に設置するとともに、非常用光源部220は、配光範囲が反射部114と干渉しない高さに設置されることで、非常用光源部220の配光範囲を確保することができる。また、非常用光源部220が配光特性を確保することで、非常用光源部220を備えた照明器具の設置台数増加を抑制することができる。
【0075】
なお、非常用光源部220の配光範囲Aが反射部114および反射部端部114bと干渉しない位置であれば、図25において、Z1方向よりに設けても良い。また、巾方向であるY方向においても、光源ユニット10に対して遠ざかる外側へ設けても良い。巾方向において外側に設置することで、光源ユニット10の配光が非常用光源ユニット200と干渉することを抑制することができる。
【0076】
また、本実施の形態3は、埋込み型器具だけでなく、笠付き器具のような照明装置1の本体凹部110の側辺から斜めに形成された反射板を備えた照明装置にも適用することができる。」
ケ 「【図1】
[図:0001426493000001.jpg]
【図2】
[図:0001426493000002.jpg]
[図:0001426493000003.jpg]
【図3】
[図:0001426493000004.jpg]
【図4】
[図:0001426493000005.jpg]
」
コ 「【図8】
[図:0001426493000006.jpg]
」
サ 「【図10】
[図:0001426493000007.jpg]
」
シ 「【図25】
[図:0001426493000008.jpg]
」
(2)認定事項
ア 上記(1)イの【0012】~【0013】の記載事項から、長尺状の光源ユニット10は、発光体11と前記発光体11を覆うカバー13とを備えると認められる。
イ 上記(1)イの【0012】の記載事項及び同ケの【図1】、【図4】の図示内容から、非常用光源ユニット200は、光源ユニット10の短手方向Yにおいて前記光源ユニット10と並んで配置されると認められる。
ウ 上記(1)エの【0026】~【0027】、同オの【0034】の記載事項及び同ケの【図3】~【図4】、同サの【図10】の図示内容から、非常用光源ユニット200は、発光素子221、当該発光素子221の前方に配置されるレンズ223、ユニット化粧部212を備え、前記ユニット化粧部212は、前記発光素子221及び前記レンズ223を収容すると認められる。
エ 上記(1)オの【0031】、【0034】の記載事項及び同コの【図8】、同サの【図10】の図示内容から、ユニット化粧部212は、器具隣接壁部215と、ユニット正面部213と、レンズ開口213aとを備え、前記レンズ開口213aは、前記ユニット正面部213においてレンズ223の一部を前記ユニット化粧部212の外側へ突出させていると認められる。
オ 上記(1)オの【0031】~【0033】、同キの【0056】の記載事項及び同ケの【図4】、同コの【図8】、同サの【図10】の図示内容から、器具隣接壁部215は、光源ユニット10のカバー13と発光素子221及びレンズ223との間に配置されると認められる。
カ 上記(1)イの【0011】、同オの【0031】の記載事項及び同ケの【図4】、同コの【図8】、同サの【図10】の図示内容から、ユニット正面部213は、器具隣接壁部215の下辺から短手方向Yにおいて発光素子221側へ突出するように設けられたと認められる。
(3)引用発明
引用文献1の上記(1)の記載事項及び上記(2)の認定事項から、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「発光体11と前記発光体11を覆うカバー13とを備える、長尺状の光源ユニット10と、
前記光源ユニット10の短手方向Yにおいて前記光源ユニット10と並んで配置され、発光素子221、前記発光素子221の前方に配置されるレンズ223、前記発光素子221及び前記レンズ223を収容するユニット化粧部212、を備える非常用光源ユニット200と、
を備え、
前記ユニット化粧部212は、
前記光源ユニット10の前記カバー13と前記発光素子221及び前記レンズ223との間に配置される器具隣接壁部215と、
前記器具隣接壁部215の下辺から前記短手方向Yにおいて前記発光素子221側へ突出するように設けられたユニット正面部213と、
前記ユニット正面部213において前記レンズ223の一部を前記ユニット化粧部212の外側へ突出させたレンズ開口213aと、を備える照明装置1。」
2 引用文献2について
(1)記載事項
引用文献2には、以下の事項が記載されている。
ア 「【0001】
本発明は、照明器具に関し、より詳細には、常用照明と非常用照明を行う照明器具に関する。」
イ 「【0024】
非常用照明装置3は、図5及び図6に示すように、非常用光源ユニット4と、非常用光源ユニット4を支持する支持部材7と、非常用光源ユニット4を点灯する制御装置6と、非常用光源ユニット4、支持部材7及び制御装置6を収容する筐体5とを備えている。非常用照明装置3は、更に、第1ガスケット53、第2ガスケット54及び第3ガスケット55を備えている。
【0025】
非常用光源ユニット4は、図7及び図8に示すように、LEDモジュール40と、ホルダ41と、一対の端子板42と、放熱シート43と、レンズ44とを有している。LEDモジュール40は、矩形平板状の実装基板400の中央に少なくとも1個のLEDチップが実装されて構成されている。LEDチップは、例えば、青色光を放射する青色発光ダイオードであることが好ましい。また、LEDチップを含む実装基板400の実装面(下面)は、LEDチップから放射される青色光を波長変換する蛍光物質が混入された封止樹脂401で封止されている(図8参照)。さらに、実装基板400は、その対角の位置にある一対の角部の下面にそれぞれ電極を有している。一方の電極は、LEDチップのカソードと電気的に接続され、他方の電極は、LEDチップのアノードと電気的に接続されている。さらに、これら2つの電極は、一対の端子板42のうちの対応する端子板42と電気的に接続されている。」
ウ 「【0041】
筐体5は、図6に示すように、第1筐体51と第2筐体52を有している。第1筐体51及び第2筐体52は、それぞれアルミダイカストで形成されている。
【0042】
第1筐体51は、半円筒面形状の外周壁510と、半円形状の第1外壁511と、半円形状の第2外壁512とを有する半円筒形状に形成されている(図5及び図6参照)。また、第1筐体51は、一対の第1内壁513と、一対の第2内壁514とを有している(図6参照)。一対の第2内壁514のうちの左側の第2内壁514は、第1外壁511と対向して、外周壁510の内側面(上面)から上向きに立ち上がるように形成されている。一対の第2内壁514のうちの右側の第2内壁514は、第2外壁512の上面から上向きに立ち上がるように形成されている。一対の第1内壁513は、前後方向に対向して、外周壁510の内側面から上向きに立ち上がるように形成されている。一対の第1内壁513のうちで前方に位置する第1内壁513は、一対の第2内壁514の前端及び第2外壁512の内側面とそれぞれ繋がっている。また、一対の第1内壁513のうちで後方に位置する第1内壁513は、一対の第2内壁514の後端及び第2外壁512の内側面とそれぞれ繋がっている。
【0043】
外周壁510の下面における前後方向の中央かつ右寄りの位置に、凹部500が形成されている。凹部500は、下から見て、長軸方向を外周壁510の軸方向(左右方向)に一致させた楕円形状に形成されている(図5参照)。そのため、凹部500の長軸方向(左右方向)の両端が、その短軸方向(前後方向)の両端よりも下に位置している。さらに、凹部500の中央(底)に、レンズ44のレンズ本体440が挿通される窓501が貫通している。窓501は、下から見て、長軸方向を凹部500の短軸方向(前後方向)に一致させた楕円形状に形成されている(図5参照)。なお、外周壁510の下面における窓501の周囲に、4つの円柱状の突起505が設けられている(図6では1つのみ図示)。また、外周壁510における凹部500の左隣の位置に、2つの孔が前後方向に並ぶように貫通している。後方の孔は、丸孔の第1操作孔502と、第1操作孔502に繋がった長孔の表示孔503とを有している。前方の孔(以下、第2操作孔504と呼ぶ)は、第1操作孔502よりも径の小さい丸孔である。また、第1筐体51は、窓501を囲むように外周壁510の上面から突出する3つの第1ボス515を有している(図6では2つのみ図示)。これら3つの第1ボス515は、それぞれ円錐台形状に形成され、上端が開放されたねじ穴(めねじ)を有している。さらに、第1筐体51は、第1操作孔502、表示孔503及び第2操作孔504を囲むように外周壁510の上面から突出する筒状の突壁518を有している(図6参照)。」
エ 「【0074】
次に、非常用照明装置3の凹部500の構造について、図13、図20及び図21を参照して説明する。
【0075】
凹部500の底が、窓501の全周に渡って窓501の縁から離れるに連れて光の進行方向(下方向)に向かって傾斜する傾斜面506を有している。傾斜面506は、外周壁510の表面(下面)における傾斜面506以外の表面よりも反射率を高くするように形成されている。たとえば、凹部500の底が研磨されることで傾斜面506が鏡面加工されることが好ましい。
【0076】
ここで、特許文献1記載の非常用照明装置は、カバーの短手方向に沿ったレンズの両側の部分が切り欠かれていたため、レンズで配光制御された光のうち、カバーの短手方向に放射される光を器具本体の直下に照射することが困難であった。
【0077】
これに対して非常用照明装置3の反射面(傾斜面506)がレンズ44の周囲に全周に渡って設けられている。そのため、照明器具1は、レンズ44で配光制御されて器具本体10の短手方向に進行する光を傾斜面506に反射させることにより、非常用照明の範囲の狭小化を抑えつつ直下の照度の向上を図ることができる。
【0078】
また、レンズ44は、器具本体10の長手方向(第1方向D1)に比べて、器具本体10の短手方向(第2方向D2)における照射範囲を広くした、いわゆるバットウイング状の配光特性を有するように構成されている。そして、傾斜面506は、第1方向D1と第2方向D2に平行な仮想平面(基準面S1)に対する第1方向D1における傾斜角度φ(=φ1)よりも、第2方向D2における傾斜角度φ(=φ2)の方が大きくなるように構成されている(図13、図20及び図21参照)。したがって、第2方向D2に沿ってレンズ44に隣り合う傾斜面506で反射される光量が、第1方向D1に沿ってレンズ44に隣り合う傾斜面506で反射される光量よりも多くなる。その結果、照明器具1は、非常用照明の範囲の狭小化を抑えつつ直下の照度の更なる向上を図ることができる。
【0079】
さらに、傾斜面506は、基準面S1に対して垂直な断面における形状が直線となるように構成されている(図20及び図21参照)。そのため、照明器具1は、傾斜面506の基準面S1に対して垂直な断面の形状が放物線や円弧などの曲線となるように構成される場合と比較して、第1筐体51に傾斜面506を形成する際の作業性の向上を図ることができる。
【0080】
上述のように照明器具1は、常用照明を行う長尺の常用照明装置2と、非常用照明を行う非常用照明装置3と、常用照明装置2と非常用照明装置3を支持する長尺の器具本体10とを有している。器具本体10は、常用照明装置2の長手方向に沿って常用照明装置2と非常用照明装置3を並べた状態で支持するように構成されている。非常用照明装置3は、非常用光源ユニット4と、非常用光源ユニット4を収容する筐体5とを備えている。非常用光源ユニット4は、固体光源(LEDモジュール40)と、LEDモジュール40から放射される光の照射範囲を拡げるように配光を制御するレンズ44とを有している。筐体5は、凹部500と、凹部500の底に開口してレンズ44が挿通される窓501とを有している。凹部500の底は、窓501の全周に渡って窓501の縁から離れるに連れて窓501の前方(下方向)に向かって傾斜する傾斜面506を有している。傾斜面506は、レンズ44で配光制御された光を反射するように構成されている。
【0081】
照明器具1は上述のように構成され、レンズ44で配光制御されて器具本体10の短手方向に進行する光を傾斜面506に反射させることにより、非常用照明の範囲の狭小化を抑えつつ直下の照度の向上を図ることができる。
【0082】
また、照明器具1において、レンズ44は、器具本体10の長手方向である第1方向D1に比べて、器具本体10の短手方向である第2方向D2における照射範囲を広くするように構成されていることが好ましい。傾斜面506は、第1方向D1と第2方向D2に平行な仮想平面(基準面S1)に対する傾斜角度φを、第1方向D1から第2方向D2に向かって徐々に大きくするように構成されていることが好ましい。
【0083】
照明器具1が上述のように構成されれば、第2方向D2に沿ってレンズ44に隣り合う傾斜面506で反射される光量が、第1方向D1に沿ってレンズ44に隣り合う傾斜面506で反射される光量よりも多くなる。その結果、照明器具1は、非常用照明の範囲の狭小化を抑えつつ直下の照度の更なる向上を図ることができる。」
オ 「【図1】
[図:0001426493000009.jpg]
」
カ 「【図20】
[図:0001426493000010.jpg]
【図21】
[図:0001426493000011.jpg]
」
(2)引用文献2に記載の技術
引用文献2の上記(1)の記載事項から、引用文献2には、以下の技術(以下「引用文献2記載技術」という。)が記載されていると認められる。
「長尺の常用照明装置2と、非常用照明装置3と、器具本体10とを有する照明器具1における、非常用照明装置3が備える筐体5に形成されている凹部500であって、
前記凹部500の底に、前記非常用光源ユニット4のレンズ44が挿通される窓501が開口し、
前記凹部500が前記窓501の全周に渡って前記窓501の縁から離れるに連れて光の進行方向(下方向)に向かって傾斜する傾斜面506を有しており、
前記傾斜面506は、器具本体10の長手方向D1と器具本体10の短手方向D2に平行な仮想平面S1に対する前記長手方向D1における傾斜角度φ1よりも、前記短手方向D2における傾斜角度φ2の方が大きくなるように構成することにより、非常用照明の範囲の狭小化を抑えつつ直下の照度の更なる向上を図る凹部500。」
第5 対比
1 本願発明と引用発明とを対比すると、以下のとおりとなる。
引用発明の「発光体11」は本願発明の「光源」に相当し、以下同様に、「カバー13」は「第1透光部」に、「備える」態様は「有し」という態様に、「光源ユニット10」は「第1照明具」に、「短手方向Y」は「短手方向」に、「発光素子221」は「非常用光源」に、「前記発光素子221の前方に配置される」態様は「前記非常用光源を覆う」態様に、「レンズ223」は「レンズ部」に、「収容する」態様は「収納する」態様に、「ユニット化粧部212」は「外郭部」に、「備える」態様は「有する」態様に、「非常用光源ユニット200」は「第2照明具」に、「間に配置される」態様は「隔てる」態様に、「器具隣接壁部215」は「外郭内側部」に、「ユニット正面部213」は「外郭主部」に、「レンズ開口213」は「透光部貫通部」に、「照明装置1」は「照明装置」に、それぞれ相当する。
そして、引用発明の「前記ユニット正面部213において」という態様と本願発明の「前記凹むように形成された部分において」という態様とは、本願発明の凹むように形成された部分が外郭主部に形成されていることが明らかであるから、「前記外郭主部において」という態様に限り一致する。
2 したがって、本願発明と引用発明とは、以下の点で一致する。
「光源と前記光源を覆う第1透光部とを有し、長尺状の第1照明具と、
前記第1照明具の短手方向において前記第1照明具と並んで配置され、非常用光源、前記非常用光源を覆うレンズ部、前記非常用光源及び前記レンズ部を収納する外郭部、を有する第2照明具と、
を備え、
前記外郭部は、
前記第1照明具の前記第1透光部と前記非常用光源及び前記レンズ部とを隔てる外郭内側部と、
前記外郭内側部の下辺から前記短手方向において前記非常用光源側へ突出するように設けられた外郭主部と、
前記外郭主部において前記レンズ部の一部を当該外郭部の外側へ突出させた透光部貫通部と、を有する照明装置。」
3 そして、本願発明と引用発明とは、以下の点で相違する。
[相違点]
外郭主部に関し、本願発明は、「外郭部の内側に凹むように形成された部分が前記第1照明具の長手方向に沿って延びるように形成され」ており、「前記凹むように形成された部分において前記レンズ部の一部を当該外郭部の外側へ突出させ」ているのに対し、引用発明は、そのような凹むように形成された部分が形成されていない点。
第6 判断
1 [相違点]について
上記第4の2(2)に記載したとおり、引用文献2には、以下の引用文献2記載技術が記載されている。
「長尺の常用照明装置2と、非常用照明装置3と、器具本体10とを有する照明器具1における、非常用照明装置3が備える筐体5に形成されている凹部500であって、
前記凹部500の底に、前記非常用光源ユニット4のレンズ44が挿通される窓501が開口し、
前記凹部500が前記窓501の全周に渡って前記窓501の縁から離れるに連れて光の進行方向(下方向)に向かって傾斜する傾斜面506を有しており、
前記傾斜面506は、器具本体10の長手方向D1と器具本体10の短手方向D2に平行な仮想平面S1に対する前記長手方向D1における傾斜角度φ1よりも、前記短手方向D2における傾斜角度φ2の方が大きくなるように構成することにより、非常用照明の範囲の狭小化を抑えつつ直下の照度の更なる向上を図る凹部500。」
照明装置において、その照明範囲の適切化や照度の向上を図るという課題は極めて周知であり、引用発明も当然当該課題を内在しているといえる。そして、引用発明は、長尺状の光源ユニット10と、非常用光源ユニット200とを備える照明装置1であって、ユニット正面部213において非常用光源ユニット200のレンズ223の一部をユニット化粧部212の外側へ突出させた照明装置1であるところ、当該課題を解決するために、前記ユニット正面部213に引用文献2記載技術を採用して、非常用照明の範囲の狭小化を抑えつつ直下の照度の更なる向上を図ることは、当業者が容易に想到し得ることである。
また、引用文献2記載技術において、器具本体10の長手方向D1とは実質的に長尺の常用照明装置2の長手方向と等しく、引用文献2記載技術を採用した引用発明において、凹部の傾斜面は、光源ユニット10の長手方向における傾斜角度よりも短手方向における傾斜角度の方が大きくなるように構成されるから、凹部は光源ユニット10の長手方向に沿って延びるものとなり、その凹部の底においてレンズ223の一部をユニット化粧部212の外側へ突出させたものとなり、その結果として上記相違点に係る本願発明の発明特定事項となることは、明らかである。
2 効果について
上記相違点を勘案しても、本願発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献2記載技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
3 審判請求人の主張について
(1)令和7年4月16日提出の意見書において、審判請求人は、以下のように主張している。
ア 「請求項1に係る発明は、本願の図11の記載から分かるように、上記構成により、外郭部の内側に凹むように形成された部分が、第1照明具の長手方向に沿って延びるように形成されている特徴があります。本願の請求項1に係る発明は、上記の構成により、非常用光源が、長手方向において外郭主部と距離をとることができるので、非常用光源の配光を妨げることを抑制することができます。」(3頁32行~36行)
「引用文献2において、外郭主部の凹み部に相当する部分は、非常用光源の外周に沿って楕円状に形成されています。そのため、引用文献2における外郭主部の凹み部に相当する部分は、本願の請求項1に係る発明のように、第1の光源部の長手方向に沿って長く形成されている構成と比較して、光源と外郭主部との距離が近くなり、非常用光源の配光を妨げる恐れがあります。」(4頁4行~9行)
イ 「引用文献2の非常用照明装置3の筐体5を引用文献1の照明装置に適用した場合、引用文献2の第2照明具(非常用照明装置3)における筐体5は、当該外郭部の内側に凹むように形成された部分が第1照明具(光源ユニット10)の短手方向に沿って延びるように構成されているものです。」(5頁1行~4行)
(2)審判請求人の上記主張について、以下それぞれ検討する。
ア 本願発明において「外郭部の内側に凹むように形成された部分」は、「第1照明具の長手方向に沿って延びるように形成された」とだけ特定されており、他に形状、構造について何ら特定されていない。そして、引用文献2記載技術の「凹部500」も実質的に常用照明装置2の長手方向に沿って長く形成されているから、この点において本願発明と差異はない。
また、引用文献2記載技術の上記構成によって、長手方向において非常用照明装置3の光源と凹部500以外の部分の筐体5との距離をとることができ、少なくとも短手方向と比較して非常用光源の配光を妨げることを抑制することができるのは明らかである。
イ 上記1で説示したとおり、引用文献2記載技術において、器具本体10の長手方向D1とは実質的に長尺の常用照明装置2の長手方向と等しいことから、引用文献2記載技術を採用した引用発明において、凹部は光源ユニット10の長手方向に沿って延びるものとなることは、明らかである。
ウ したがって、審判請求人の上記主張は当を得たものではなく、採用できない。
4 まとめ
よって、本願発明は、引用発明及び引用文献2記載技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び引用文献2記載技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2024-005974