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特許拒絶査定不服審判

2024-005130

プラズマ処理ツールにおける画像に基づくプラズマシースプロファイル検出

審判番号
2024-005130
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-566673
請求日
2024年03月27日
審決日
2025年06月02日
公報発行日
2025年11月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ラム リサーチ コーポレーション
  • 【請求人代理人】弁理士法人明成国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 山村 浩
  • 審判官 小澤 尚由
  • 審判官 波多江 進
分類
P18 .575-Z (H05H) / P18 .121-Z (H05H)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第5項、特許法第29条、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

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特願2020-566673「プラズマ処理ツールにおける画像に基づくプラズマシースプロファイル検出」拒絶査定不服審判事件〔令和 元年12月 5日国際公開、WO2019/231814、令和 3年 9月27日国内公表、特表2021-525947〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2019年(令和元年)5月23日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2018年5月29日 米国)を国際出願日とする外国語特許出願であって、その手続の経緯の概略は次のとおりである。 令和 3年 1月26日 :翻訳文の提出 令和 4年 6月27日 :上申書、手続補正書の提出 令和 5年 3月27日付け:拒絶理由通知書 同年 9月29日 :意見書、手続補正書の提出 同年11月20日付け:拒絶査定 (同月28日 :原査定の謄本の送達) 令和 6年 3月27日 :審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和6年3月27日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和6年3月27日にされた手続補正を却下する。 [補正の却下の決定の理由] 1 本件補正の内容 令和6年3月27日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲についてする補正であって、本件補正前(令和5年9月29日にされた手続補正後)の特許請求の範囲の請求項1及び本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は、それぞれ次の(1)及び(2)に示すとおりである。下線は補正箇所を示す。 (1) 本件補正前 「プラズマ処理システムであって、 (i)カメラによって撮像された、基板を処理中の基板処理チャンバ内のプラズマ環境の画像を受信し、(ii)前記基板を処理中の前記プラズマ環境で形成されたプラズマシースを示す前記画像の1または複数の特徴を抽出する、ように構成された画像プロセッサと、 プロセッサを有するコントローラであって、(i)前記画像から抽出された前記1または複数の特徴に基づいて前記プラズマ環境で形成された前記プラズマシースのプラズマシースプロファイルを決定し、(ii)前記コントローラによって決定された前記プラズマシースプロファイルと基準プロファイルとの差に基づいてエッジリングの高さを選択的に調整する、ように構成されたコントローラと、 を備え、 前記1または複数の特徴の1つは、バルクプラズマ領域とプラズマシース領域との対比に相当する、 プラズマ処理システム。」 (2) 本件補正後 「プラズマ処理システムであって、 (i)カメラによって撮像された、基板を処理中の基板処理チャンバ内のプラズマ環境の画像を受信し、(ii)前記基板を処理中の前記プラズマ環境で形成されたプラズマシースを示す前記画像の1または複数の特徴を抽出する、ように構成された画像プロセッサと、 プロセッサを有するコントローラであって、(i)前記画像から抽出された前記1または複数の特徴に基づいて前記プラズマ環境で形成された前記プラズマシースのプラズマシースプロファイルを決定し、(ii)前記コントローラによって決定された前記プラズマシースプロファイルと基準プロファイルとの差に基づいてエッジリングの高さを選択的に調整する、ように構成されたコントローラと、 を備え、 前記1または複数の特徴の1つは、バルクプラズマ領域とプラズマシース領域との対比に相当し、 前記エッジリングは、前記基板を支持する内側部分と前記エッジリングを支持する外側部分とを有する基板支持体の前記外側部分を貫くピンであって垂直方向に伸縮されるピンによって、昇降される、 プラズマ処理システム。」 2 本件補正の適否についての当審の判断 (1) 本件補正の目的について 本件補正で請求項1についてする補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「エッジリング」を、「前記基板を支持する内側部分と前記エッジリングを支持する外側部分とを有する基板支持体の前記外側部分を貫くピンであって垂直方向に伸縮されるピンによって、昇降される」ものに限定するものである。 そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明は、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。 したがって、本件補正で請求項1についてする補正は、特許法17条の2第5項2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当する。 (2) 独立特許要件について 前記(1)のとおり、本件補正は、特許法17条の2第5項2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とする補正である。そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて、以下検討する。 ア 本件補正発明 本件補正後の請求項1に係る発明(本件補正発明)は、前記1(2)の本件補正後の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認める。 イ 引用文献に記載された事項及び引用発明等の認定 (ア) 引用文献1に記載された事項及び引用発明の認定 a 引用文献1に記載された事項 原査定で引用され、本願の優先日前に発行された特開2007-258417号公報(以下「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている。下線は当合議体が付したものであり、他の文献についても同様である。 (a) 技術分野、背景技術、発明が解決しようとする課題(【0001】~【0007】) 「【技術分野】 【0001】 本発明は、プラズマ処理方法に関し、詳細には、例えば各種半導体装置の製造過程で半導体ウエハ等の被処理体に対してエッチング等のプラズマ処理を行なうプラズマ処理方法に関する。 【背景技術】 【0002】 半導体装置の製造過程では、例えば半導体ウエハ等の被処理体に微細な回路パターンを形成する目的でプラズマエッチング処理が繰り返し実施される。プラズマエッチング処理では、例えば、内部を減圧排気可能に構成されたプラズマエッチング装置のチャンバー内において、対向配置された電極間に高周波電圧を印加してプラズマを発生させ、載置台上に載置した半導体ウエハに対してプラズマを作用させてエッチングを行なう。このようなプラズマエッチング処理の際には、前記載置台上の半導体ウエハの外周に、プラズマの活性種であるエッチャントを半導体ウエハの表面に集中させる作用を持つフォーカスリングを配備してエッチングが行なわれる。 ・・・(中略)・・・ 【0004】 ところで、前記フォーカスリングは消耗品であり、プラズマエッチング処理が繰り返される間にプラズマの作用によってその表面から徐々に削られていき、形状が変化していく。そして、フォーカスリングの消耗が進み、その厚みが減少すると、半導体ウエハ周縁部のエッチング形状に悪影響を与えるという問題があった。具体的には、例えばエッチングによってホールを形成する場合、半導体ウエハの周縁部においてホールが斜めに形成されてしまい、エッチング形状の制御が困難になる。そして、ウエハWの中央部と周縁部でエッチング形状に差異が生じ、半導体ウエハ面内でのエッチング形状の均一性を確保できなくなる。このエッチング形状の不均一を防止するためには、エッチング形状に大きな影響が出る前にフォーカスリングを交換しなければならなかった。このため、フォーカスリングの交換サイクルが早まり、部品寿命を短縮化させる一因になっていた。 ・・・(中略)・・・ 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 前記フォーカスリングの消耗によってエッチング形状に変化が生じる原因を調査したところ、フォーカスリングが消耗してその厚みが薄くなると、フォーカスリングの上方でプラズマシースの状態が変化し、これが半導体ウエハへのイオンの入射角度を変化させ、半導体ウエハの周縁部におけるエッチング形状に影響を与えてしまうことが判明した。この対策として、予めエッチング形状に影響を与えない範囲でフォーカスリングの厚みを厚く設定しておくことも可能である。しかし、この方法では、フォーカスリングの消耗に伴ってエッチング形状に少しずつ変化が生じることは避けられないため、根本的な解決策とはなり得ない。 【0007】 本発明は、フォーカスリングの消耗に起因するエッチング形状などの処理結果への悪影響を極力低減するとともに、フォーカスリングの使用期間を長期化することが可能なプラズマ処理方法を提供することを目的とする。」 (b) 課題を解決するための手段・発明の効果(【0008】~【0019】) 「【課題を解決するための手段】 【0008】 上記課題を解決するため、本発明の第1の観点は、被処理体に対してプラズマ処理を行なう処理容器と、前記処理容器内において被処理体を載置する載置台と、前記載置台の周囲に配備された外周部材と、前記外周部材に電圧を印加する電圧印加装置と、を備えたプラズマ処理装置を用い、 前記外周部材の消耗度に基づき、前記電圧印加装置により所定の電圧を前記外周部材に印加してプラズマ処理を行なう、プラズマ処理方法を提供する。 ・・・(中略)・・・ 【0011】 本発明の第3の観点は、被処理体に対してプラズマ処理を行なう処理容器と、前記処理容器内において被処理体を載置する載置台と、前記載置台の周囲に配備された外周部材と、前記外周部材に電圧を印加する電圧印加装置と、前記外周部材の上方の電界の状態を観察する監視装置と、を備えたプラズマ処理装置を用い、 前記監視装置により前記外周部材の上方の電界の変化を検知し、該検知結果に基づき、前記電圧印加装置により所定の電圧を前記外周部材に印加してプラズマ処理を行なう、プラズマ処理方法を提供する。 ・・・(中略)・・・ 【0016】 本発明の第6の観点は、被処理体に対してプラズマ処理を行なう処理容器と、 前記処理容器内において被処理体を載置する載置台と、 前記載置台の周囲に配備された外周部材と、 前記外周部材に電圧を印加する電圧印加装置と、 前記処理容器内で、上記第1の観点または第2の観点のプラズマ処理方法 が行なわれるように制御する制御部と、 を備えた、プラズマ処理装置を提供する。 【0017】 本発明の第7の観点は、被処理体に対してプラズマ処理を行なう処理容器と、 前記処理容器内において被処理体を載置する載置台と、 前記載置台の周囲に配備された外周部材と、 前記外周部材に電圧を印加する電圧印加装置と、 前記外周部材の上方の電界の状態を監視する監視装置と、 前記処理容器内で、上記第3の観点のプラズマ処理方法が行なわれるように制御する制御部と、 を備えた、プラズマ処理装置を提供する。 【発明の効果】 【0018】 本発明によれば、外周部材の消耗度、既に実施されたプラズマ処理結果、または外周部材の上方の電界変化の検知結果に基づき、電圧印加装置によって所定の電圧を外周部材に印加してプラズマ処理を行なうことにより、例えばエッチング形状の面内均一性などのプラズマ処理結果を改善できる。よって、本発明のプラズマ処理方法は、半導体装置の歩留りの改善と、信頼性の向上を図る上で有利に利用できるものであり、半導体装置の微細化への対応も可能になる。 【0019】 また、外周部材の消耗がある程度進んでも、電圧を印加することによってプラズマ処理結果への悪影響を極力低減できるので、事実上外周部材の部品寿命を延ばすことが可能である。従って、部品交換に伴う装置のダウンタイムの削減や部品コストの削減が可能であり、プラズマ処理効率を改善できる。」 (c) 本発明の好ましい形態(【0020】~【0045】、【図1】~【図4】) 「【発明を実施するための最良の形態】 【0020】 以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい形態について説明する。図1は、本発明方法の実施に好適に使用可能なプラズマエッチング装置の構成例を模式的に示すものである。このプラズマエッチング装置1は、電極板が上下平行に対向し、双方に高周波電源が接続された容量結合型平行平板エッチング装置として構成されている。 【0021】 このプラズマエッチング装置1は、例えば表面がアルマイト処理(陽極酸化処理)されたアルミニウムからなる円筒形状に成形されたチャンバー2を有しており、このチャンバー2は接地されている。前記チャンバー2内の底部にはセラミックなどの絶縁板3を介して、被処理体、例えば半導体ウエハ(以下「ウエハ」という)Wを載置するための略円柱状のサセプタ支持台4が設けられており、さらにこのサセプタ支持台4の上には、下部電極を構成するサセプタ5が設けられている。このサセプタ5にはハイパスフィルター(HPF)6が接続されている。 ・・・(中略)・・・ 【0023】 サセプタ5は、その上中央部が凸状の円板状に成形され、その上にウエハWと略同形の静電チャック11が設けられている。静電チャック11は、絶縁材の間に電極12が介在された構成となっており、電極12に接続された直流電源13から例えば1.5kVの直流電圧が印加されることにより、クーロン力によってウエハWを静電吸着する。 ・・・(中略)・・・ 【0025】 サセプタ5の上端周縁部には、静電チャック11上に載置されたウエハWを囲むように、外周部材である環状のフォーカスリング15が配置されている。このフォーカスリング15はセラミックスあるいは石英などの絶縁性材料からなり、エッチングの均一性を向上させるように作用する。また、フォーカスリング15には、直流電源16が接続されており、例えば10~500Vの直流電圧をフォーカスリング15に印加できるように構成されている。 また、直流電源16を接続するかわりに、フォーカスリング15を接地することにより、接地電位としてもよい。 【0026】 サセプタ5の上方には、このサセプタ5と平行に対向して上部電極21が設けられている。この上部電極21は、絶縁材22を介して、チャンバー2の上部に支持されており、サセプタ5との対向面を構成し、多数の吐出孔23を有する、例えば石英からなる電極板24と、この電極24を支持する導電性材料、例えば表面がアルマイト処理されたアルミニウムからなる電極支持体25とによって構成されている。なお、サセプタ5と上部電極21との間隔は、調節可能とされておいる。 ・・・(中略)・・・ 【0029】 上部電極21には、第1の高周波電源40が接続されており、その給電線には整合器41が設けられている。また、上部電極21にはローパスフィルター(LPF)42が接続されている。この第1の高周波電源40は、50~150MHzの範囲の周波数を有しており、このように高い周波数を印加することにより、チャンバー2内に好ましい解離状態で、かつ高密度のプラズマを形成することができ、低圧条件下でのプラズマ処理が可能となる。この第1の高周波電源40の周波数は、50~80MHzが好ましく、典型的には図1中に示すように60MHzまたはその近傍の条件が採用される。 【0030】 下部電極としてのサセプタ5には、第2の高周波電源43が接続されており、その給電線には整合器44が設けられている。この第2の高周波電源43は、数百kHz~十数MHzの範囲の周波数を有しており、このような範囲の周波数の電力を印加することにより、ウエハWに対してダメージを与えることなく適切なイオン作用を与えることができる。第2の高周波電源43の周波数は、例えば図1に示すように2MHz等の条件が採用される。 【0031】 チャンバー2の側壁には、チャンバー2内で形成されたプラズマによってプラズマシースが形成される高さに略対応する位置に透過窓2aが形成されている。また、透過窓2aの外側には、シース状態検知手段であるモニター50が配備されている。このモニター50は、例えばCCDカメラなどを搭載しており、プラズマエッチング装置1でのエッチング処理中に、透過窓2aを介してプラズマシースの状態を観測出来るように構成されている。 【0032】 プラズマエッチング装置1の各構成部は、CPUを備えたプロセスコントローラ60に接続されて制御される構成となっている。プロセスコントローラ60には、工程管理者がプラズマエッチング装置1を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、プラズマエッチング装置1の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザーインターフェース61が接続されている。 【0033】 また、プロセスコントローラ60には、プラズマエッチング装置1で実行される各種処理をプロセスコントローラ60の制御にて実現するための制御プログラム(ソフトウエア)や処理条件データ等が記録されたレシピが格納された記憶部62が接続されている。 【0034】 そして、必要に応じて、ユーザーインターフェース61からの指示等にて任意のレシピを記憶部62から呼び出してプロセスコントローラ60に実行させることで、プロセスコントローラ60の制御下で、プラズマエッチング装置1での所望の処理が行われる。例えば、プロセスコントローラ60は、後述するように、フォーカスリング15の消耗度、またはモニター50により検出されたフォーカスリング15上方におけるプラズマシースの変化に基づき、フォーカスリング15に印加される直流電圧を決定する。また、前記制御プログラムや処理条件データ等のレシピは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、例えばCD-ROM、ハードディスク、フレキシブルディスク、フラッシュメモリなどに格納された状態のものを利用したり、あるいは、他の装置から、例えば専用回線を介して随時伝送させてオンラインで利用したりすることも可能である。 【0035】 次に、このように構成されるプラズマエッチング装置1によって、シリコン単結晶からなるウエハWをエッチングする工程の概略について説明する。 まず、図示しない所定の膜が形成されたウエハWを、ゲートバルブ32を開放して、図示しないロードロック室からチャンバー2内へ搬入し、静電チャック11上に載置する。そして、直流電源13から直流電圧を印加することによって、ウエハWを静電チャック11上に静電吸着する。 【0036】 次いで、ゲートバルブ32を閉じ、排気装置35によって、チャンバー2内を所定の真空度まで真空引きする。その後、バルブ28を開放し、処理ガス供給源30からエッチング目的に応じた所定の処理ガスを、マスフローコントローラ29によって所定の流量に調整しつつ、処理ガス供給管27、ガス導入口26、上部電極21の中空部へと導入し、電極板24の吐出孔23を通じて、図1に矢印で示すように、ウエハWに対して均一に吐出させる。 【0037】 このプラズマ処理においては、チャンバー2内を所定の圧力に維持するとともにサセプタ5を所定の温度に調節し、第1の高周波電源40から上部電極21に対し、また第2の高周波電源43から下部電極としてのサセプタ5に対し、それぞれ所定の高周波電力を供給し、処理ガスをプラズマ化してウエハWのエッチングを行なう。この際、後述するようにフォーカスリング15の消耗度、フォーカスリング15上方の電界変化の検知結果、または既に実施されたプラズマ処理結果(例えばエッチング形状)に基づき、フォーカスリング15に直流電源16から所定の直流電圧を印加することにより、チャンバー2内に生成したプラズマによるプラズマシースの変位を是正し、ウエハWへのイオンの入射を均等に制御する。これにより、ウエハWの面内におけるエッチング形状の均一化を図ることが可能になる。 【0038】 エッチングが終了した段階で、第1の高周波電源40および第2の高周波電源43からの高周波電力の供給、直流電源16からの電圧の印加および処理ガス供給源30からの処理ガスの供給をそれぞれ停止し、その後、ゲートバルブ32を開放して、処理済みのウエハWをチャンバー2外へ搬出する。このようにして、1枚のウエハWに対するプラズマエッチング処理が終了する。 【0039】 次に、本発明のプラズマ処理方法の原理について説明する。 まず、図2~図4は、チャンバー2内でプラズマPが励起した状態のフォーカスリング15の近傍の状態を示す要部断面図である。まず、図2は、フォーカスリング15が消耗していない場合(例えば交換直後の新品)におけるプラズマシースPsの状態を示している。この状態では、ウエハWとフォーカスリング15の表面とは略面一の状態になっている。 ここで、プラズマシースPsの厚さt1,t2、すなわちプラズマPと隣接する固体(ウエハW、フォーカスリング15)の表面との距離は、下式により表される。なお、下式では、t1,t2を総称してtと記す。 【0040】 t ∝ (1/Ne)1/2×V3/4 [ここで、Neはプラズマ密度、Vは下式で示されるサセプタ5の電圧を意味する] V ∝ (P)1/2/S [ここで、Pはサセプタ5へ供給されるRFパワー、SはウエハWとフォーカスリング15の表面積を意味する] 【0041】 そして、上記式により求められるウエハW上のプラズマシースPsの厚さt1と、フォーカスリング15上のプラズマシースPsの厚さt2とは略等しい。この状態では、図2に示すようにプラズマ中の活性種であるイオンなどのエッチャント(ここでは、プラス記号として示す;図3および図4において同様である)は、ウエハWの表面やフォーカスリング15の表面に対して略直角に入射する結果、ウエハWの面内で略均一にエッチング等の処理が行なわれる。 【0042】 次に、図3は、一定期間の使用によってフォーカスリング15が消耗した後の状態を示している。図3に示すように、フォーカスリング15はエッチングによって削られて薄くなり、その表面位置がウエハWの表面よりも下降している。これに伴い、フォーカスリング15の上方においてプラズマPの端部は破線で示す中央の位置に比べて下降している。つまり、ウエハW上方のプラズマシースPsの厚さt1とフォーカスリング15上方のプラズマシースPsの厚さt2は同一であるが、これら二つの領域の間でプラズマシースPsが斜めに形成され、歪みが生じている。なお、図3では、参照の目的で消耗前のフォーカスリング15の表面位置を破線で表している(図4において同様である)。 【0043】 そして、プラズマシースPsに図3に示すような歪みが生じると、歪みが生じた部分でエッチャントの入射角度が変化して、本来ならばフォーカスリング15へ向かうはずであったエッチャントがウエハWの周辺部に向けて斜めに入射してしまう。このプラズマシースPsの形状変化に伴うエッチャントの入射角度の変化が、ウエハWの周縁部におけるエッチング形状の変化となって顕在化するものと考えられる。 【0044】 図4は、図3のように消耗してその厚みが薄くなった状態のフォーカスリング15に対して、直流電源16から所定の電圧(例えば100V)を印加した状態を示している。このようにフォーカスリング15に電圧を印加することにより、フォーカスリング15上の電界を変化させ、プラズマシースPsの厚みをt2からt3に広げることができる。これによって、プラズマシースPsの歪みが是正され、プラズマPの下端をウエハW上方およびフォーカスリング15上方で略面一に形成することができる。そして、図4に示すとおり、プラズマP中の活性種であるイオンなどのエッチャントをウエハW表面に対して略垂直に入射させることが可能になり、ウエハWの周縁部におけるエッチング形状の乱れを改善することができる。この場合、直流電源16からフォーカスリング15に印加する電圧は、例えば10~500Vの範囲で制御することが好ましい。なお、フォーカスリング15上の電界を変化させ、プラズマシースPsの歪みを是正するために、フォーカスリング15を接地して接地電位としてもよい。 【0045】 このように、フォーカスリング15に対して、所定の電圧を印加することにより、その上方のプラズマシースPsの厚みを調節することが可能になるため、エッチング形状の精度を改善し、ウエハWの面内におけるエッチング形状の均一性を高めることができる。また、フォーカスリング15の消耗がある程度進んでも、エッチング形状に影響を与えることなく使用を継続できるので、事実上フォーカスリング15の部品寿命を長期化させ、部品交換のためのプラズマエッチング装置1のダウンタイムと部品コストを削減できる。」 「【図1】 [図:0001428674000001.jpg] 【図2】 [図:0001428674000002.jpg] 【図3】 [図:0001428674000003.jpg] 【図4】 [図:0001428674000004.jpg] 」 (d) 第2実施形態(【0055】~【0062】、【図7】~【図8】) 「【0055】 図7は、本発明の第2実施形態に係るプラズマ処理方法において、フォーカスリング15へ電圧の印加を行なう際に実施される処理手順の一例を示すフロー図である。第1実施形態では、フォーカスリング15が消耗することによって、プラズマシースPsに変位が生じるという知見に基づき、フォーカスリング15の消耗度を基準にして印加電圧を決定した。これに対し本実施形態では、より直接的にプラズマPのプラズマシースPsの変位を検出し、その変位量(変位の程度)に応じてフォーカスリング15に電圧を印加するようにした。この図7の処理手順は、プラズマエッチング装置1において実施される前記一連の工程の間に適宜組み込んで実施することができるものである。 【0056】 図7に示すように、まずステップS21では、モニター50によってチャンバー2内で生成したプラズマPにおけるプラズマシースPsの状態を検出する。プラズマ処理の均一性を確保する観点では、フォーカスリング15の上方のプラズマシースPs(つまり、プラズマシースPsの端部)の変動が問題となるため、モニター50はプラズマPの端部を観察できるものであればよい。 【0057】 本実施形態では、モニター50によってプラズマPの端部のプラズマシースPsを撮影し、その画像データがプロセスコントローラ60に送出される。プロセスコントローラ60では、モニター50からの画像データを元に画像解析を行い、プラズマシースPsの端部の位置の変動を例えば数値化してリアルタイムでユーザーインターフェース61のディスプレイに表示する。そして、ステップS22では、前記画像解析の結果に基づき、プロセスコントローラ60によってプラズマシースPsの端部の変位の有無が判断される。 【0058】 ステップS22でプラズマシースPsの端部に変位あり(Yes)と判断された場合、プロセスコントローラ60は、例えば予め記憶部62に保存されている図8に示すようなテーブル201を参照する。そして、プラズマシースPsの変位量(例えば、b3[mm])に基づいて直流電源16からフォーカスリング15へ印加する電圧量(この場合はB3[V])を決定する(ステップS23)。この際に使用するテーブル201は、プラズマシースPsの端部の変位量と、それを補正するために必要となる印加電圧との対応関係を示しており、予め実験的に決定されたものである。 【0059】 そして、ステップS23の決定に基づき、続くステップS24では、直流電源16からフォーカスリング15へ所定の電圧(例えばB3[V])を印加する。このように電圧をフォーカスリング15へ印加することにより、例えば、フォーカスリング15上のプラズマシースPsの厚みt2を適切な厚さに調節できる。その結果、プラズマシースPsの形状変化に伴うウエハWの周縁部でイオンの入射角度の乱れを是正し、ウエハ面内におけるエッチング形状の均一性を改善して半導体装置の歩留りを向上させることが可能になる。また、フォーカスリング15の消耗がある程度進んでも、そこに印加する電圧量を調節することによってエッチング形状に影響を与えることなく使用を継続できるので、フォーカスリング15の交換頻度を低減することが可能になり、交換に伴うプラズマエッチング装置1のダウンタイムや部品コストの削減が可能になる。 【0060】 次に、ステップS25では、プロセスコントローラ60によりプラズマ処理が終了しているか否かが判断される。例えば、第1の高周波電源40および第2の高周波電源43が「オン」(入)のときは、プラズマ処理を終了しない(No)と判断し、「オフ」(切)のときは、プラズマ処理終了(Yes)と判断する。そして、ステップS25でプラズマ処理終了(Yes)と判断された場合には、ステップS26で直流電源16をオフ(切)にする。 【0061】 一方、ステップS22でプラズマシースPsに変位なし(No)と判断された場合には、ステップS21に戻り、再びプラズマシースPsの端部の位置検出が行なわれる。 【0062】 また、ステップS25でプラズマ処理を終了しない(No)と判断された場合にも、ステップS21に戻り、再びプラズマシースPsの端部の位置検出が行なわれる。このように、プラズマエッチング装置1においてプラズマ処理が行なわれている間(つまり、プラズマPが励起している間)は、図7に示す処理手順が繰り返し実行され、その間にプラズマシースPsの変位が生じた場合には、直流電源16から適切な電圧量をフォーカスリング15へ印加してプラズマシースPsの形状を調節し、エッチング形状に悪影響が生じないように制御が行なわれる。」 「【図7】 [図:0001428674000005.jpg] 【図8】 [図:0001428674000006.jpg] 」 b 引用発明の認定 前記aの引用文献1に記載された事項を総合すると、引用文献1には、第2実施形態(図1~図4、図7~図8)に係るプラズマエッチング装置に関して、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(引用発明の認定に用いた箇所の段落番号等を参考までに括弧内に付してある。以下同様。)。 <引用発明> 「プラズマエッチング装置1であって、(【0020】) プラズマエッチング装置1は、円筒形状に成形されたチャンバー2を有しており、前記チャンバー2内の底部にはセラミックなどの絶縁板3を介して、半導体ウエハ(以下「ウエハ」という)Wを載置するための略円柱状のサセプタ支持台4が設けられており、さらにこのサセプタ支持台4の上には、下部電極を構成するサセプタ5が設けられており、(【0021】) サセプタ5は、その上中央部が凸状の円板状に成形され、その上にウエハWと略同形の静電チャック11が設けられており、(【0023】) サセプタ5の上端周縁部には、静電チャック11上に載置されたウエハWを囲むように、外周部材である環状のフォーカスリング15が配置されており、このフォーカスリング15はセラミックスあるいは石英などの絶縁性材料からなり、エッチングの均一性を向上させるように作用し、また、フォーカスリング15には、直流電源16が接続されており、例えば10~500Vの直流電圧をフォーカスリング15に印加できるように構成されており、(【0025】) サセプタ5の上方には、このサセプタ5と平行に対向して上部電極21が設けられており、(【0026】) 上部電極21には、第1の高周波電源40が接続されており、(【0029】) 下部電極としてのサセプタ5には、第2の高周波電源43が接続されており、(【0030】) チャンバー2の側壁には、チャンバー2内で形成されたプラズマによってプラズマシースが形成される高さに略対応する位置に透過窓2aが形成されており、また、透過窓2aの外側には、シース状態検知手段であるモニター50が配備されており、このモニター50は、例えばCCDカメラなどを搭載しており、プラズマエッチング装置1でのエッチング処理中に、透過窓2aを介してプラズマシースの状態を観測出来るように構成されており、(【0031】) プラズマエッチング装置1の各構成部は、CPUを備えたプロセスコントローラ60に接続されて制御される構成となっており、プロセスコントローラ60には、工程管理者がプラズマエッチング装置1を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、プラズマエッチング装置1の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザーインターフェース61が接続されており、(【0032】) プロセスコントローラ60は、モニター50により検出されたフォーカスリング15上方におけるプラズマシースの変化に基づき、フォーカスリング15に印加される直流電圧を決定し、(【0034】) プラズマ処理においては、チャンバー2内を所定の圧力に維持するとともにサセプタ5を所定の温度に調節し、第1の高周波電源40から上部電極21に対し、また第2の高周波電源43から下部電極としてのサセプタ5に対し、それぞれ所定の高周波電力を供給し、処理ガスをプラズマ化してウエハWのエッチングを行ない、この際、フォーカスリング15上方の電界変化の検知結果に基づき、フォーカスリング15に直流電源16から所定の直流電圧を印加することにより、チャンバー2内に生成したプラズマによるプラズマシースの変位を是正し、ウエハWへのイオンの入射を均等に制御し、これにより、ウエハWの面内におけるエッチング形状の均一化を図ることが可能になり、(【0037】) フォーカスリング15が消耗していない場合(例えば交換直後の新品)におけるプラズマシースPsの状態では、ウエハWとフォーカスリング15の表面とは略面一の状態になっており、(【0039】) ウエハW上のプラズマシースPsの厚さt1と、フォーカスリング15上のプラズマシースPsの厚さt2とは略等しく、この状態では、プラズマ中の活性種であるイオンなどのエッチャントは、ウエハWの表面やフォーカスリング15の表面に対して略直角に入射する結果、ウエハWの面内で略均一にエッチング等の処理が行なわれ、(【0041】) 一定期間の使用によってフォーカスリング15が消耗した後の状態では、フォーカスリング15はエッチングによって削られて薄くなり、その表面位置がウエハWの表面よりも下降しており、これに伴い、フォーカスリング15の上方においてプラズマPの端部は中央の位置に比べて下降しており、つまり、ウエハW上方のプラズマシースPsの厚さt1とフォーカスリング15上方のプラズマシースPsの厚さt2は同一であるが、これら二つの領域の間でプラズマシースPsが斜めに形成され、歪みが生じており、(【0042】) そして、プラズマシースPsに歪みが生じると、歪みが生じた部分でエッチャントの入射角度が変化して、本来ならばフォーカスリング15へ向かうはずであったエッチャントがウエハWの周辺部に向けて斜めに入射してしまい、このプラズマシースPsの形状変化に伴うエッチャントの入射角度の変化が、ウエハWの周縁部におけるエッチング形状の変化となって顕在化するものと考えられ、(【0043】) 消耗してその厚みが薄くなった状態のフォーカスリング15に対して、直流電源16から所定の電圧(例えば100V)を印加し、このようにフォーカスリング15に電圧を印加することにより、フォーカスリング15上の電界を変化させ、プラズマシースPsの厚みをt2からt3に広げることができ、これによって、プラズマシースPsの歪みが是正され、プラズマPの下端をウエハW上方およびフォーカスリング15上方で略面一に形成することができ、そして、プラズマP中の活性種であるイオンなどのエッチャントをウエハW表面に対して略垂直に入射させることが可能になり、ウエハWの周縁部におけるエッチング形状の乱れを改善することができ、(【0044】) このように、フォーカスリング15に対して、所定の電圧を印加することにより、その上方のプラズマシースPsの厚みを調節することが可能になるため、エッチング形状の精度を改善し、ウエハWの面内におけるエッチング形状の均一性を高めることができ、また、フォーカスリング15の消耗がある程度進んでも、エッチング形状に影響を与えることなく使用を継続できるので、事実上フォーカスリング15の部品寿命を長期化させ、部品交換のためのプラズマエッチング装置1のダウンタイムと部品コストを削減でき、(【0045】) プラズマPのプラズマシースPsの変位を検出し、その変位量(変位の程度)に応じてフォーカスリング15に電圧を印加するようにし、(【0055】) まずステップS21では、モニター50によってチャンバー2内で生成したプラズマPにおけるプラズマシースPsの状態を検出し、プラズマ処理の均一性を確保する観点では、フォーカスリング15の上方のプラズマシースPs(つまり、プラズマシースPsの端部)の変動が問題となるため、モニター50はプラズマPの端部を観察できるものであればよく、(【0056】) モニター50によってプラズマPの端部のプラズマシースPsを撮影し、その画像データがプロセスコントローラ60に送出され、プロセスコントローラ60では、モニター50からの画像データを元に画像解析を行い、プラズマシースPsの端部の位置の変動を例えば数値化してリアルタイムでユーザーインターフェース61のディスプレイに表示し、そして、ステップS22では、前記画像解析の結果に基づき、プロセスコントローラ60によってプラズマシースPsの端部の変位の有無が判断され、(【0057】) ステップS22でプラズマシースPsの端部に変位あり(Yes)と判断された場合、プロセスコントローラ60は、例えば予め記憶部62に保存されているテーブル201を参照し、そして、プラズマシースPsの変位量(例えば、b3[mm])に基づいて直流電源16からフォーカスリング15へ印加する電圧量(この場合はB3[V])を決定し(ステップS23)、この際に使用するテーブル201は、プラズマシースPsの端部の変位量と、それを補正するために必要となる印加電圧との対応関係を示しており、予め実験的に決定されたものであり、(【0058】) ステップS23の決定に基づき、続くステップS24では、直流電源16からフォーカスリング15へ所定の電圧(例えばB3[V])を印加し、このように電圧をフォーカスリング15へ印加することにより、例えば、フォーカスリング15上のプラズマシースPsの厚みt2を適切な厚さに調節でき、その結果、プラズマシースPsの形状変化に伴うウエハWの周縁部でイオンの入射角度の乱れを是正し、ウエハ面内におけるエッチング形状の均一性を改善して半導体装置の歩留りを向上させることが可能になり、また、フォーカスリング15の消耗がある程度進んでも、そこに印加する電圧量を調節することによってエッチング形状に影響を与えることなく使用を継続できるので、フォーカスリング15の交換頻度を低減することが可能になり、交換に伴うプラズマエッチング装置1のダウンタイムや部品コストの削減が可能になる、(【0059】) プラズマエッチング装置1」 (イ) 引用文献2に記載された事項及び引用文献2技術事項の認定 a 引用文献2に記載された事項 原査定で引用され、本願の優先日前に発行された特開2006-173223号公報(以下「引用文献2」という。)には、次の事項が記載されている。 (a) 技術分野、背景技術(【0001】~【0011】) 「【技術分野】 【0001】 本発明は、プラズマエッチング装置およびプラズマエッチング方法に係り、特にフォーカスリングの消耗量をモニタするのに好適な構造を有するプラズマエッチング装置およびそれを用いたプラズマエッチング方法に関する。 【背景技術】 【0002】 プラズマエッチング装置において、半導体基板の外周近傍でのプラズマを制御するために、フォーカスリングが用いられている。 【0003】 フォーカスリングにより、半導体基板外周部でのエッチングレートが制御されるが、半導体基板外周部のエッチングレートはフォーカスリングの高さに依存して変化することが知られている。 【0004】 プラズマエッチングによりフォーカスリングも徐々に削られて消耗していくので、プラズマの安定性が次第に崩れてエッチングレートが変動し、デバイス特性の劣化をもたらす。 ・・・(後略)」 (b) 実施例3(【0047】~【0054】、【図4】) 「【実施例3】 【0047】 図4は、本発明の実施例3に係るプラズマエッチング装置を示す断面図である。本実施例において、上記実施例1と同一の構成部分には同一符号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。 【0048】 本実施例が実施例1と異なる点は、フォーカスリングの消耗量に応じて、フォーカスリングを移動させるようにしたことにある。 【0049】 即ち、図4に示すように、本実施例のプラズマエッチング装置40は、容器11に収納された半導体基板12を支持する下部電極41と、フォーカスリング14を支持する下部電極42と、下部電極41と下部電極42とを互いに独立に上下動させることが可能な駆動部43と、第2の窓を透過したレーザ光の透過位置に関する受光部31の検出結果に応じて駆動部43を制御する制御部44とを有している。 【0050】 半導体基板12を支持する下部電極41とフォーカスリング14を支持する下部電極42は高周波電源20に共通接続されている。 【0051】 半導体基板12を支持する下部電極41は上下動シャフト45を介して駆動部43のモータM1に連結され、フォーカスリング14を支持する下部電極42は上下動シャフト46を介して駆動部43のモータM2に連結されている。 【0052】 制御部44は、受光部31の検出結果であるレーザ光の透過位置情報とフォーカスリング14の基準位置情報とを比較してフォーカスリング14の消耗量を求め、フォーカスリング14を支持する下部電極42の制御情報を出力する。 【0053】 駆動部43は、制御部44の指令に基づいてモータM2を駆動し、シャフト46を介してフォーカスリング14の上面の位置が所定の基準位置に略一致するように下部電極42の位置を制御する。 【0054】 これにより、フォーカスリング14が消耗してもフォーカスリング14の上面の位置を基準位置に略一致させることが可能である。」 「【図4】 [図:0001428674000007.jpg] 」 b 引用文献2技術事項の認定 前記aの引用文献2に記載された事項から、引用文献2には、実施例3に係るプラズマエッチング装置に関して、次の技術事項(以下「引用文献2技術事項」という。)が記載されていると認められる。 <引用文献2技術事項> 「プラズマエッチング装置において、半導体基板の外周近傍でのプラズマを制御するために、フォーカスリングが用いられており、(【0002】 ) フォーカスリングにより、半導体基板外周部でのエッチングレートが制御されるが、半導体基板外周部のエッチングレートはフォーカスリングの高さに依存して変化することが知られており、(【0003】) プラズマエッチングによりフォーカスリングも徐々に削られて消耗していくので、プラズマの安定性が次第に崩れてエッチングレートが変動し、デバイス特性の劣化をもたらし、(【0004】) フォーカスリングの消耗量に応じて、フォーカスリングを移動させるようにしたプラズマエッチング装置40は、容器11に収納された半導体基板12を支持する下部電極41と、フォーカスリング14を支持する下部電極42と、下部電極41と下部電極42とを互いに独立に上下動させることが可能な駆動部43と、第2の窓を透過したレーザ光の透過位置に関する受光部31の検出結果に応じて駆動部43を制御する制御部44とを有しており、(【0048】・【0049】) フォーカスリング14を支持する下部電極42は上下動シャフト46を介して駆動部43のモータM2に連結されており、(【0051】) 制御部44は、受光部31の検出結果であるレーザ光の透過位置情報とフォーカスリング14の基準位置情報とを比較してフォーカスリング14の消耗量を求め、フォーカスリング14を支持する下部電極42の制御情報を出力し、(【0052】) 駆動部43は、制御部44の指令に基づいてモータM2を駆動し、シャフト46を介してフォーカスリング14の上面の位置が所定の基準位置に略一致するように下部電極42の位置を制御し、(【0053】) これにより、フォーカスリング14が消耗してもフォーカスリング14の上面の位置を基準位置に略一致させることが可能であること(【0054】)」 (ウ) 引用文献4~6に記載された事項及び周知技術の認定 a 引用文献4に記載された事項 本審決で新たに引用され、本願の優先日前に発行された特開2017-183701号公報(以下「引用文献4」という。)には、次の事項が記載されている。 「【0004】 半導体ウエハなどの基板上に膜をエッチングするために、基板処理システムが利用されうる。基板処理システムは、通例、処理チャンバ、ガス分配装置、および、基板支持体を備える。処理中、基板は、基板支持体の上に配置される。異なるガス混合物が処理チャンバに導入され、高周波(RF)プラズマが化学反応を活性化するために利用されうる。 【0005】 基板支持体は、基板支持体の外側部分の周りに(例えば、周囲の外側におよび/または周囲に隣接して)配置されたエッジリングを備えうる。エッジリングは、基板上方の空間にプラズマを閉じこめる、プラズマよって引き起こされる腐食から基板支持体を保護する、などのために提供されうる。」 「【0030】 ここで、図1を参照すると、本開示に従って基板の層(単に例として、タングステンすなわちWの層)をエッチングするための基板処理チャンバの一例100を示す。特定の基板処理チャンバが図示および説明されているが、本明細書に記載の方法は、他のタイプの基板処理システムで実施されてもよい。 【0031】 基板処理チャンバ100は、下側チャンバ領域102および上側チャンバ領域104を備える。下側チャンバ領域102は、チャンバ側壁面108、チャンバ底面110、および、ガス分配装置114の下面によって規定される。 ・・・(中略)・・・ 【0035】 基板支持体122が、下側チャンバ領域104内に配置されている。いくつかの例において、基板支持体122は、静電チャック(ESC)を備えるが、その他のタイプの基板支持体が用いられてもよい。基板126が、エッチング中に基板支持体122の上面に配置される。いくつかの例において、基板126の温度は、ヒータプレート132と、流体流路を備えた任意選択的な冷却プレートと、1または複数のセンサ(図示せず)とによって制御されてよいが、任意のその他の適切な基板支持体温度制御システムが用いられてもよい。 ・・・(中略)・・・ 【0045】 基板支持体122は、エッジリング192を備える。本開示の原理に従ったエッジリング192が、基板126に対して移動可能(例えば、垂直方向に上下に移動可能)である、および/または、基板支持体122は、上下に移動可能である。例えば、エッジリング192および/または基板支持体122は、後に詳述するように、コントローラ176に応答して、1または複数のアクチュエータを介して制御されてよい。 【0046】 基板126は、エッジリング192と係合するように配置された1または複数の接触フィンガ194を備える。例えば、エッジリング192および/または基板支持体122を上下させて、後に詳述するように、選択的にエッジリング192を接触フィンガ194と係合させる。SR装置196が、基板126の表面にSR信号を方向付けるように配置される。SR信号は反射され、センサ(例えば、フォトダイオード)198によって受信される。エッジリング192の寸法(例えば、摩耗の影響を受けた寸法)は、(例えば、反射SR信号によって示されるように)エッジリング192が接触フィンガ194と接触した時に、エッジリング192(および/または基板支持体122)の高さを用いて計算されうる。 【0047】 ここで、図2A、図2B、および、図2Cを参照すると、本開示の原理に従って配列されたそれぞれのテスト基板またはウエハ204を有する基板支持体の例200が示されている。基板支持体200は、(例えば、ESCに対応する)内側部分208および外側部分212を有するベースまたはペデスタルをそれぞれ備えてよい。例において、内側部分208は、外側部分212から独立しており、それに対して移動可能であってよい(すなわち、内側部分208が、挙上および/または降下されるよう構成された例において)。コントローラ216が、1または複数のアクチュエータ220と通信して、エッジリング224を選択的に上下させる。単に例として、エッジリング224は、図2Aでは完全に下げられた位置に示されており、図2Bおよび図2Cでは上げられた位置例に示されている。この例に示されるように、アクチュエータ220は、垂直方向に選択的にピン228を伸び縮みさせるよう構成されたピンアクチュエータに対応する。その他の適切なタイプのアクチュエータが、別の例で用いられてもよい。例えば、アクチュエータ220は、それぞれのピン228のネジ山に係合して段階的にピン228を上下させるよう構成されたモータに対応してよい。単に例として、エッジリング224は、セラミックまたは石英のエッジリングに対応する。 ・・・(中略)・・・ 【0052】 このように、コントローラ216は、反射SR信号の特性を監視して、エッジリング224が接触フィンガ232と係合した時(またはその逆)を検出し、エッジリング224が接触フィンガ232と係合したエッジリング224(および/または内側部分208)の第1高さを決定し、第1高さと、新しい(すなわち、摩耗していない、最適な、など)エッジリングに対応する高さとの間の差を決定し、その差に基づいてエッジリング224の寸法を計算するよう構成される。したがって、エッジリング224が時間と共に摩耗する時に、エッジリング224の上面の変化を計算することができ、摩耗を補償するように、エッジリング224(および/または内側部分208)を配置できる。例えば、コントローラ216は、エッジリング224の内径の厚さが0.Xミリメートルだけ(例えば、エッジリング224の外周周りの平均で)減少したと算出した場合、基板の処理中に、エッジリング224を0.Xミリメートルだけ持ち上げることができる。さらに、コントローラ216は、エッジリング224がメンテナンス、交換などを必要とする時を決定(そして、LED、グラフィカルインターフェースなどを介してユーザに提示)してよい。コントローラ216は、ユーザによって指示された時など、上記の方法によって定期的にエッジリング224の寸法の測定を実行できる。」 「【図1】 [図:0001428674000008.jpg] 【図2A】 [図:0001428674000009.jpg] 【図2B】 [図:0001428674000010.jpg] 【図2C】 [図:0001428674000011.jpg] 」 b 引用文献4の記載から当業者が把握できる事項 引用文献4の【0047】及び【図2A】~【図2C】から、当業者は、ピン228が外側部分212を貫通していることを把握することができる。 c 引用文献5に記載された事項 本審決で新たに引用され、本願の優先日前に発行された米国特許出願公開第2017/0213758号明細書(以下「引用文献5」という。)には、次の事項が記載されている。翻訳は、対応する公表公報である特表2019-505088号公報を参考に当合議体が作成したものである。 「[0021] 図1は、本開示の一実施例による処理チャンバ100の概略断面図である。処理チャンバ100は、チャンバ本体101と、その上に配置された蓋103とを含み、それらは一緒になって内部容積を画定する。チャンバ本体101は、一般的には電気的接地107に結合される。基板サポートアセンブリ111は、内部容積内に配置され、処理中に基板109をその上に支持する。処理チャンバ100も、処理チャンバ100内にプラズマを生成するための誘導結合型プラズマ装置102と、処理チャンバ100の実施例を制御するように構成されたコントローラ155とを含む。」 [0033] 図2A及び図2Bは、本明細書に記載の一実施例による処理チャンバ100の基板サポートアセンブリ111の拡大概略図である。基板サポートアセンブリ111は、処理キット203と、基板サポート205と、静電チャック229とを含む。静電チャック229は、基板サポート205の上面に配置され、処理キット203によって取り囲まれている。基板サポート205は、絶縁プレート227を取り囲む接地プレート226と、垂直スタック内に組み立てられたファシリティーズプレート228とを含む。基板サポート205は、ファシリティーズプレート228及び静電チャック229を取り囲むスリーブ230を更に含み、RFホット静電チャック229を接地プレート226から絶縁する。スリーブ230は、石英から製造することができる。処理キット203は、カバーリング246と、第1のエッジリング242と、第2のエッジリング244とを含む。カバーリング246は、接地プレート226の垂直エッジの上面に配置され、スリーブ230と係合するための凹部を含む。カバーリング246は、石英又は他のプラズマ耐性材料から製造されてもよい。 [0034] ファシリティーズプレート228は、接地プレート226の下部の上方、及び絶縁プレート227と静電チャック229との間に配置される。静電チャック229は、絶縁材料236内に埋め込まれた複数の電極153(4つが示されている)を含むことができる。電極153は、チャッキング電源160(図1に示す)に結合され、静電チャック229の上面に基板109をチャッキングすることが容易になる。絶縁材料236に1つ以上の加熱又は冷却チャネルを任意に形成し、処理中の基板109の温度制御を容易にすることができる。いくつかの態様では、電極153はカソードであり、整合ネットワーク120を介してバイアス電源119(図1に示す)に結合される。 [0035] 第1のエッジリング242は静電チャック229上に配置される。第1のエッジリング242は、基板109の半径方向外側のエッジを取り囲み、これに隣接する。第1のエッジリング242は、処理中の基板109のエッジの保護を容易にし、更に処理中の基板109に横方向の支持を提供する。第1のエッジリング242は、処理中の基板109に対して静止していてもよい。 [0036] 第2のエッジリング244は、第1のエッジリング242の上で半径方向外側に配置される。第2のエッジリング244の半径方向外側のエッジ202、及び第2のエッジリング244の底面204は、カバーリング246と接触している。第2のエッジリング244は、第1のエッジリング242及び基板109に対して同心円状に配置される。第2のエッジリング244は、第1のエッジリング242が基板109に横方向の支持を提供する助けとなり、基板109の半径方向外側のエッジで材料の望ましくないエッチング又は堆積を低減する助けとなる。 [0037] 基板サポートアセンブリ111は、1つ以上のアクチュエータ(とりわけ、ステッピングモータ又は線形アクチュエータなど)247(1つが示されている)を含むこともできる。一実施例では、1つ以上のアクチュエータ247が接地プレート226に配置される。しかし、アクチュエータ247は、基板サポートアセンブリ111の外部に配置されてもよいと考えられる。各アクチュエータ247は、1つ以上のプッシュピン248に係合するか、又はそれと連動するように適合される。1つ以上のプッシュピン248は、接地プレート226から、ファシリティーズプレート228及びスリーブ230を貫通して延在し、カバーリング246と接触する。1つ以上のプッシュピン248の作動により、カバーリング246及び第2のエッジリング244が基板109及び/又は第1のエッジリング242の上面に対して垂直方向に作動するか、又は変位する。いくつかの態様では、第1のエッジリング242を省略できると考えられる。第2のエッジリング244の位置は、第2のエッジリング244の腐食に対応する高さに調節され、処理中の基板表面に亘ってプラズマの均一性を高めることができる。」 「Fig. 1 [図:0001428674000012.jpg] Fig. 2A [図:0001428674000013.jpg] Fig. 2B [図:0001428674000014.jpg] 」 d 引用文献5の記載から当業者が把握できる事項 引用文献5の[0037]及び図2Bのアクチュエータ247とプッシュピン248の位置関係から見て、当業者は、プッシュピン248が上下方向に伸び縮みすることを把握することができる。 e 引用文献6に記載された事項 本審決で新たに引用され、本願の優先日前に発行された韓国公開特許第10-2008-0023569号公報(以下「引用文献6」という。)には、次の事項が記載されている。翻訳は、当合議体が作成したものである。 「<25> 図3aは本発明の第1実施例によるプラズマエッチング装置のチャンバ構造を図示した図面で、図3bはその動作方法を示した図面である。 <26> まず、本発明の実施例によるプラズマエッチング装置の構造をよく見ると次のとおりである。 <27> 一定体積(Volume)を有するプラズマ処理チャンバ(100)、プラズマ処理チャンバ(100)内部に具備されてプラズマエッチングが成り立つウエハ(102)が置かれる静電チャック(ESC Chuck、101)、静電チャック(102)の外郭地域に具備されてウエハ(102)の外周部を取り囲むフォーカスリング(103)、フォーカスリング(103)を上昇及び下降させる昇降ピン(Lift Pin、104)、昇降ピン(104)を駆動させてフォーカスリング(103)の上面の位置を調整する駆動機構(105)を含む。そして、昇降ピン(104)とフォーカスリング(103)の底面の間には支持板(106)が具備される。 ここで、フォーカスリング(103)はその材質がシリコン(Si)、シリコン酸化膜(SiO2)またはアルミニウム(Al)である。 <28> まず、駆動機構(105)はモーター(Motor)であり、モーター駆動によって昇降ピン(104)が上昇(UP)及び下降(DOWN)することでフォーカスリング(103)の表面が動く。そして、昇降ピン(104)は静電チャック(101)内に具備された貫通穴(101A)を貫くが、この貫通穴(101A)の内部で昇降ピン(104)が自由に上昇及び下降の上下運動が成り立つことができる。そして、フォーカスリング(103)とウエハ(102)の外周部の間、静電チャック(101)とフォーカスリング(103)の間は一定間隔離隔されている。図示しなかったが、フォーカスリング(103)の外側にはカバーリング(Covering Ring、CR)が具備されることもできる。 <29> 上のようなプラズマエッチング装置において、プラズマエッチングを進行する途中にフォーカスリング(103)の摩耗が発生するとフォーカスリング(103)の表面とウエハ(102)の表面が同一高さになるように駆動機構(105)によって昇降ピン(104)を上部に移動(104A)させて摩耗されたフォーカスリング(103A)の表面を上昇させる。この時、摩耗されたフォーカスリング(103A)の上昇距離は摩耗が発生した厚さ(D3)になるはずである。この結果、ウエハ(102)の表面と摩耗されたフォーカスリング(103A)の表面は高さが等しくなって一定のプラズマシースを維持するようになる。すなわち、ウエハ(102)表面のT1とフォーカスリング(103A)表面のT2’は等しくて、T2’は摩耗が発生する前のT2とも等しい。結局、イオン束(Ion flux)がウエハ(102)のエッジでもウエハ(102)に対して垂直方向を維持する。 <30> 上のような原理によってフォーカスリング(103)とウエハ(102)の相対的な高さを一定するように維持してプラズマシース分布(Plasma Sheath distribution)を一定するように管理する。」 「図3a [図:0001428674000015.jpg] 図3b [図:0001428674000016.jpg] 」 f 引用文献6の記載から当業者が把握できる事項 引用文献6の<28>及び図3a~図3bから、当業者は、昇降ピン(104)が上下方向に伸び縮みすることを把握することができる。 g 周知技術の認定 前記a~fの引用文献4~6に記載された事項及び引用文献4~6の記載から当業者が把握できる事項によれば、次に示す技術は、本願の優先日前の周知技術(以下「周知技術」という。)であると認められる。 <周知技術> 「プラズマ処理装置において、フォーカスリングの摩耗を補償するためにフォーカスリングを上下動させる際に、基板支持部の外周部を貫通し、上下方向に伸び縮みするピンによって上下動させること」 ウ 対比 (ア) 対比分析 本件補正発明と引用発明を対比する。 a 本件補正発明の「プラズマ処理システムであって、」及び「プラズマ処理システム。」との特定事項について 引用発明の「プラズマエッチング装置1」は、本件補正発明の「プラズマ処理システム」に相当する。 したがって、本件補正発明と引用発明は、「プラズマ処理システム」の発明である点で一致する。 b 本件補正発明の「(i)カメラによって撮像された、基板を処理中の基板処理チャンバ内のプラズマ環境の画像を受信し、(ii)前記基板を処理中の前記プラズマ環境で形成されたプラズマシースを示す前記画像の1または複数の特徴を抽出する、ように構成された画像プロセッサと、」「を備え、」との特定事項について (a) 引用発明の「プロセスコントローラ60」は、「モニター50からの画像データを元に画像解析を行[う]」ものであるから、本件補正発明の「画像プロセッサ」に相当する。 (b) 引用発明の「モニター50」は、「プラズマPの端部のプラズマシースPsを撮影[する]」ものであるから、本件補正発明の「カメラ」に相当する。また、引用発明の「モニター50」は、「プラズマエッチング装置1でのエッチング処理中に、透過窓2aを介してプラズマシースの状態を観測出来るように構成されて[いる]」ものであるから、本件補正発明でいう「基板を処理中の基板処理チャンバ内のプラズマ環境の画像」を「撮像」するものであるといえる。そして、引用発明は、「モニター50によってプラズマPの端部のプラズマシースPsを撮影し、その画像データがプロセスコントローラ60に送出され[る]」ものであるから、引用発明の「プロセスコントローラ60」は、本件補正発明でいう「(i)カメラによって撮像された、基板を処理中の基板処理チャンバ内のプラズマ環境の画像を受信[する]」「、ように構成された」ものである。 (c) 引用発明の「プラズマシースPs」は、本件補正発明の「プラズマシース」に相当する。そして、引用発明の「プロセスコントローラ60」は、「モニター50からの画像データを元に画像解析を行い、プラズマシースPsの端部の位置の変動を例えば数値化[する]」ものであるところ、当該「画像解析」において当該「プラズマシースPsの端部の位置」を特定するためには、プラズマPとプラズマシースPsの境界を特定、すなわち、抽出する必要があることは明らかであり、当該境界は、本件補正発明の「プラズマシースを示す前記画像の1または複数の特徴」に相当する。したがって、前記(b)も勘案すれば、引用発明の「プロセスコントローラ60」は、本件補正発明でいう「(ii)前記基板を処理中の前記プラズマ環境で形成されたプラズマシースを示す前記画像の1または複数の特徴を抽出する、ように構成された」ものである。 (d) 前記(a)~(c)をまとめると、本件補正発明と引用発明は、「(i)カメラによって撮像された、基板を処理中の基板処理チャンバ内のプラズマ環境の画像を受信し、(ii)前記基板を処理中の前記プラズマ環境で形成されたプラズマシースを示す前記画像の1または複数の特徴を抽出する、ように構成された画像プロセッサと、」「を備え[る]」点で一致する。 c 本件補正発明の「プロセッサを有するコントローラであって、(i)前記画像から抽出された前記1または複数の特徴に基づいて前記プラズマ環境で形成された前記プラズマシースのプラズマシースプロファイルを決定し、(ii)前記コントローラによって決定された前記プラズマシースプロファイルと基準プロファイルとの差に基づいてエッジリングの高さを選択的に調整する、ように構成されたコントローラと、を備え、」との特定事項について (a) 引用発明の「プロセスコントローラ60」は、前記bのとおり本件補正発明の「画像プロセッサ」に相当するが、本件補正発明の「コントローラ」にも相当する。すなわち、引用発明の「プロセスコントローラ60」は、本件補正発明の「画像プロセッサ」と「コントローラ」の機能を併せ持つものである。また、引用発明の「プロセスコントローラ60」は、その「モニター50からの画像データを元に画像解析を行い、プラズマシースPsの端部の位置の変動を例えば数値化[する]」等の機能からみて、本件補正発明でいう「プロセッサを有する」ものであることは技術常識からみて自明である。 (b) 引用発明の「プロセスコントローラ60」は、「モニター50からの画像データを元に画像解析を行い、プラズマシースPsの端部の位置の変動を例えば数値化[する]」ものであるところ、当該「プラズマシースPsの端部の位置」は、本件補正発明の「前記プラズマシースのプラズマシースプロファイル」に相当する。そして、前記b(c)も踏まえると、引用発明の「プロセスコントローラ60」は、本件補正発明でいう「(i)前記画像から抽出された前記1または複数の特徴に基づいて前記プラズマ環境で形成された前記プラズマシースのプラズマシースプロファイルを決定[する]」ものであるといえる。 (c)i 引用発明の「プロセスコントローラ60」は、「モニター50からの画像データを元に画像解析を行い、プラズマシースPsの端部の位置の変動を例えば数値化[する]」ものであるところ、プラズマシースPsの端部の位置の変動は、「フォーカスリング15が消耗していない場合」のプラズマシースPsの端部の位置と、「フォーカスリング15が消耗した後の状態」のプラズマシースPsの端部の位置の差であることが理解できる。そして、当該「フォーカスリング15が消耗していない場合」のプラズマシースPsの端部の位置が、本件補正発明の「基準プロファイル」に相当するとともに、引用発明の「プラズマシースPsの端部の位置の変動」は、本件補正発明の「前記コントローラによって決定された前記プラズマシースプロファイルと基準プロファイルとの差」に相当する。 ii 引用発明の「フォーカスリング15」は、「静電チャック11上に載置されたウエハWを囲むように、外周部材である環状の」ものであるから、本件補正発明の「エッジリング」に相当する。 iii 引用発明は、「プラズマシースPsの変位量(例えば、b3[mm])に基づいて直流電源16からフォーカスリング15へ印加する電圧量(この場合はB3[V])を決定し(ステップS23)」、「ステップS23の決定に基づき、続くステップS24では、直流電源16からフォーカスリング15へ所定の電圧(例えばB3[V])を印加[する]」ものであるところ、当該「プラズマシースPsの変位量」は、前記iの「プラズマシースPsの端部の位置の変動」を意味する。また、本件補正発明の「エッジリングの高さ」と、引用発明の「フォーカスリング15へ印加する電圧量」は、いずれも「エッジリングの」パラメータである点で共通するといえる。そうすると、前記iも踏まえると、本件補正発明の「コントローラ」と引用発明の「プロセスコントローラ60」は、「前記コントローラによって決定された前記プラズマシースプロファイルと基準プロファイルとの差に基づいてエッジリング」のパラメータ「を選択的に調整する、ように構成された」ものである点で共通する。 (d) 前記(a)~(c)をまとめると、本件補正発明と引用発明は、「プロセッサを有するコントローラであって、(i)前記画像から抽出された前記1または複数の特徴に基づいて前記プラズマ環境で形成された前記プラズマシースのプラズマシースプロファイルを決定し、(ii)前記コントローラによって決定された前記プラズマシースプロファイルと基準プロファイルとの差に基づいてエッジリングの」パラメータ「を選択的に調整する、ように構成されたコントローラと、を備え[る]」点で共通する。 (e) 一方で、前記プラズマシースプロファイルと基準プロファイルとの差に基づいて選択的に調整されるエッジリングのパラメータについて、本件補正発明は、「エッジリングの高さ」であるのに対して、引用発明は、「フォーカスリング15へ印加する電圧量」である点で相違する。 d 本件補正発明の「前記1または複数の特徴の1つは、バルクプラズマ領域とプラズマシース領域との対比に相当し、」との特定事項について 引用発明の「プラズマP」は、本件補正発明の「バルクプラズマ」に相当する。そして、前記b(c)で検討したように、引用発明の「画像解析」において当該「プラズマシースPsの端部の位置」を特定するためには、プラズマPとプラズマシースPsの境界を特定する必要があることは明らかであるところ、当該境界が、本件補正発明の「プラズマシースを示す前記画像の1または複数の特徴」に相当し、当該「プラズマPとプラズマシースPsの境界」は、本件補正発明でいう「バルクプラズマ領域とプラズマシース領域との対比に相当[する]」ものであるといえる。 したがって、本件補正発明と引用発明は、「前記1または複数の特徴の1つは、バルクプラズマ領域とプラズマシース領域との対比に相当[する]」点で一致する。 e 本件補正発明の「前記エッジリングは、前記基板を支持する内側部分と前記エッジリングを支持する外側部分とを有する基板支持体の前記外側部分を貫くピンであって垂直方向に伸縮されるピンによって、昇降される、」との特定事項について 本件補正発明は、「前記エッジリングは、前記基板を支持する内側部分と前記エッジリングを支持する外側部分とを有する基板支持体の前記外側部分を貫くピンであって垂直方向に伸縮されるピンによって、昇降される」のに対して、引用発明は、「直流電源16からフォーカスリング15へ所定の電圧(例えばB3[V])を印加[する]」ものであって、フォーカスリング15が当該昇降されるものではない点で相違する。 (イ) 一致点及び相違点 前記(ア)の対比分析の結果をまとめると、本件補正発明と引用発明の一致点及び相違点は次のとおりである。 <一致点1> 「プラズマ処理システムであって、 (i)カメラによって撮像された、基板を処理中の基板処理チャンバ内のプラズマ環境の画像を受信し、(ii)前記基板を処理中の前記プラズマ環境で形成されたプラズマシースを示す前記画像の1または複数の特徴を抽出する、ように構成された画像プロセッサと、 プロセッサを有するコントローラであって、(i)前記画像から抽出された前記1または複数の特徴に基づいて前記プラズマ環境で形成された前記プラズマシースのプラズマシースプロファイルを決定し、(ii)前記コントローラによって決定された前記プラズマシースプロファイルと基準プロファイルとの差に基づいてエッジリングのパラメータを選択的に調整する、ように構成されたコントローラと、を備え、 前記1または複数の特徴の1つは、バルクプラズマ領域とプラズマシース領域との対比に相当する、 プラズマ処理システム」である点。 <相違点1> 前記プラズマシースプロファイルと基準プロファイルとの差に基づいて選択的に調整されるエッジリングのパラメータについて、本件補正発明は、「エッジリングの高さ」であるのに対して、引用発明は、「フォーカスリング15へ印加する電圧量」であり、本件補正発明は、「前記エッジリングは、前記基板を支持する内側部分と前記エッジリングを支持する外側部分とを有する基板支持体の前記外側部分を貫くピンであって垂直方向に伸縮されるピンによって、昇降される」のに対して、引用発明は、「直流電源16からフォーカスリング15へ所定の電圧(例えばB3[V])を印加[する]」ものであって、フォーカスリング15が当該昇降されるものではない点。 エ 相違点についての判断 前記相違点1について検討する。 (ア) 引用発明の技術的意義は、フォーカスリングが消耗してその厚みが薄くなると、フォーカスリングの上方でプラズマシースの状態が変化し、これが半導体ウエハへのイオンの入射角度を変化させ、半導体ウエハの周縁部におけるエッチング形状に影響を与えてしまうところ、予めエッチング形状に影響を与えない範囲でフォーカスリングの厚みを厚く設定しておく方法では、フォーカスリングの消耗に伴ってエッチング形状に少しずつ変化が生じることは避けられないため、根本的な解決策とはなっていないという課題(引用文献1の【0006】)があったことから、これを解決するために、「消耗してその厚みが薄くなった状態のフォーカスリング15に対して、直流電源16から所定の電圧(例えば100V)を印加」し、これ「により、フォーカスリング15上の電界を変化させ、プラズマシースPsの厚みをt2からt3に広げることができ、これによって、プラズマシースPsの歪みが是正され、プラズマPの下端をウエハW上方およびフォーカスリング15上方で略面一に形成することができ、そして、プラズマP中の活性種であるイオンなどのエッチャントをウエハW表面に対して略垂直に入射させることが可能になり、ウエハWの周縁部におけるエッチング形状の乱れを改善することができ[る]」ことにあると認められる。そして、ある課題を解決する際に他の解決手段を採用することは当業者の通常の創作能力の発揮にすぎないことから、引用発明から出発した当業者は、上記のフォーカスリングの消耗に伴って生じるエッチング形状への影響という課題を、フォーカスリングの厚みを厚く設定することによらずに、解決するために、他の解決手段を採用することを動機付けられるといえる。 しかるに、引用発明と同一の技術分野に属する引用文献2技術事項は、前記イ(イ)bのとおりであるところ、要するに、「プラズマエッチングによりフォーカスリングも徐々に削られて消耗していくので、プラズマの安定性が次第に崩れてエッチングレートが変動し、デバイス特性の劣化をもたらし」てしまうという課題を解決するために、「フォーカスリングの消耗量に応じて、フォーカスリングを移動させる」ことにより、「フォーカスリング14が消耗してもフォーカスリング14の上面の位置を基準位置に略一致させる」ものであって、フォーカスリング14を移動させる具体的手段は、フォーカスリング14を支持する下部電極42を上下動シャフト46を介して移動させるというものである。このように、引用文献2技術事項は、フォーカスリングが消耗することによって生じるエッチングレートの変動という課題を解決するために、フォーカスリング14の上面の位置を(そのフォーカスリング14を支持する下部電極42を上下動させることにより)維持するものであって、フォーカスリング14の厚さを厚く設定するものではないといえるから、引用発明から出発した当業者は、引用文献2技術事項が、上記でいう他の解決手段になることを認識できる。 したがって、引用発明に引用文献2技術事項を適用して、フォーカスリングの消耗に応じて、フォーカスリング15へ所定の電圧を印加することに代えて、フォーカスリング15の上面の位置を基準位置に略一致させること、すなわち、フォーカスリング15の高さを調整することは、当業者が容易になし得たことである。 (イ) ところで、引用文献2技術事項では、前記(ア)で説示したとおり、フォーカスリング14の上面の位置を維持するための具体的手段として、フォーカスリング14を支持する下部電極42の位置を制御しているが、「プラズマ処理装置におけるフォーカスリングが摩耗した際にフォーカスリングを上下動させる際に、基板支持部の外周部を貫通し、上下方向に伸び縮みするピンによって上下動させること」は、前記イ(ウ)eで認定したとおり周知技術である。 そうすると、前記(ア)で検討したように、引用発明に引用文献2技術事項を適用して、フォーカスリング15の上面の位置を基準位置に略一致させるに際して、その具体的な手段として当該周知技術を採用する構成(以下「容易想到構成」という。)とすることは、当業者が適宜なし得る設計事項にすぎない。 (ウ) そして、容易想到構成においては、フォーカスリング15を、中央部と周縁部を有するサセプタ5の周縁部を貫通し、上下方向に伸び縮みするピンによって上下動させることとなるところ、引用発明は、「サセプタ5は、その上中央部が凸状の円板状に成形され、その上にウエハWと略同形の静電チャック11が設けられており、サセプタ5の上端周縁部には、静電チャック11上に載置されたウエハWを囲むように、外周部材である環状のフォーカスリング15が配置されて[いる]」ことも勘案すれば、容易想到構成の「サセプタ5」、「中央部」、「周縁部」及び「ピン」はそれぞれ、相違点1に係る本件補正発明の「基板支持体」、「前記基板を支持する内側部分」、「前記エッジリングを支持する外側部分」及び「前記外側部分を貫くピンであって垂直方向に伸縮されるピン」に相当することになるから、当業者は、相違点1に係る本件補正発明の構成に至ることとなる。 オ 効果について 本件補正発明の奏する効果は、本件補正発明の構成が奏するものとして、引用発明、引用文献2技術事項及び周知技術に基づいて当業者にとって予測可能なものであり、格別顕著な効果であるともいえない。 カ 請求人の主張について (ア) 請求人は、引用文献1にはエッジリングの高さを選択的に調整することは開示されておらず、引用文献1が開示する引用発明では電圧の調節によりフォーカスリングの使用期間を長期化するという目的を既に達成しているため、当業者は、フォーカスリングの高さを調節する機構を有する引用文献2技術事項を適用する動機付けはない旨を主張している。 しかしながら、前記エ(ア)で説示したとおりである。 (イ) 請求人はまた、相違点1に係る本件補正発明の構成に係るところの、エッジリングの高さが基板支持体の外側部分を貫くピンが垂直方向に伸縮されることで調整されることは、いずれの引用文献にも記載されていない旨を主張しているが、この点については前記エ(イ)で検討したとおり、引用発明に引用文献2技術事項を適用するに際し、周知技術を採用することは設計事項にすぎない。 (ウ) 以上のとおり、請求人の主張はいずれも採用できない。 キ 独立特許要件についての当審の判断のまとめ 以上のとおり、本件補正発明は、引用発明、引用文献2技術事項及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件補正発明は、同法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 (3) 本件補正の適否についての当審の判断のまとめ 前記(2)で検討したとおり、本件補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正で特許請求の範囲についてする補正は、特許法17条の2第6項で準用する同法126条7項の規定に違反するものである。 したがって、本件補正は、同法159条1項で読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下されるべきものである。 よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は、前記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1(前記第2の1(1)参照)に記載された事項により特定されるとおりのものである。 2 原査定における拒絶の理由の概要 原査定の拒絶の理由のうち、本願発明についての理由1(進歩性)の概要は、次のとおりである。 理由1(進歩性) 本願発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明である引用文献1に記載された発明、引用文献2に記載された技術事項に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 記 1.特開2007-258417号公報 2.特開2006-173223号公報 3 引用文献に記載された事項及び引用発明等の認定 各引用文献に記載された事項並びに引用発明及び引用文献2技術事項の認定は、前記第2の2(2)イ(ア)及び(イ)において示したとおりである。 4 対比 前記第2の2(2)ウの本件補正発明と引用発明の対比と同様にして本願発明と引用発明を対比すると、本願発明と引用発明の一致点及び相違点は次のとおりである。 <一致点2> 「プラズマ処理システムであって、 (i)カメラによって撮像された、基板を処理中の基板処理チャンバ内のプラズマ環境の画像を受信し、(ii)前記基板を処理中の前記プラズマ環境で形成されたプラズマシースを示す前記画像の1または複数の特徴を抽出する、ように構成された画像プロセッサと、 プロセッサを有するコントローラであって、(i)前記画像から抽出された前記1または複数の特徴に基づいて前記プラズマ環境で形成された前記プラズマシースのプラズマシースプロファイルを決定し、(ii)前記コントローラによって決定された前記プラズマシースプロファイルと基準プロファイルとの差に基づいてエッジリングのパラメータを選択的に調整する、ように構成されたコントローラと、を備え、 前記1または複数の特徴の1つは、バルクプラズマ領域とプラズマシース領域との対比に相当する、 プラズマ処理システム」である点。 <相違点2> 前記プラズマシースプロファイルと基準プロファイルとの差に基づいて選択的に調整されるエッジリングのパラメータについて、本願発明は、「エッジリングの高さ」であるのに対して、引用発明は、「フォーカスリング15へ印加する電圧量」である点。 5 判断 前記相違点2について検討すると、前記第2の2(2)エ(ア)で検討したとおり、引用発明に引用文献2技術事項を適用して、フォーカスリングの消耗に応じて、フォーカスリング15へ所定の電圧を印加することに代えて、フォーカスリング15の上面の位置を基準位置に略一致させること、すなわち、フォーカスリング15の高さを調整することにより、相違点2に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-005130

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