特許拒絶査定不服審判
2024-004599
カバー部材
- 審判番号
- 2024-004599
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-170415
- 請求日
- 2024年03月15日
- 審決日
- 2025年08月26日
- 公報発行日
- 2025年11月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】元旦ビューティ工業株式会社
- 【請求人代理人】福田 伸一
- 審判長/審判官
- 審判長 秋田 将行
- 審判官 藤田 年彦
- 審判官 蔵野 いづみ
- 分類
- P18 .121-WZ (E04D)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2019-170415「カバー部材」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 3月25日出願公開、特開2021- 46734〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和元年9月19日の出願であって、その手続の経緯は、概略、次のとおりである。
令和5年 2月27日付け:拒絶理由通知
同年 4月27日 :意見書及び手続補正書の提出
同年 7月25日付け:拒絶理由通知(最後)
同年 9月26日 :意見書及び手続補正書の提出
同年12月14日付け:補正の却下の決定及び拒絶査定
令和6年 3月15日 :審判請求書及び手続補正書の提出
令和7年 2月19日付け:拒絶理由通知(以下「当審拒絶理由通知」
という。)
同年 4月24日 :意見書及び手続補正書の提出
2 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和7年4月24日に提出された手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)後の請求項1に記載された事項により特定されるものであると認められるところ、その請求項1の記載は、次のとおりである(下線は補正箇所を示す。A等は分説のために付した。)。
<本願発明>
「A 建築物に配設された樋の開放上部を傾斜状に覆うカバー部材であって、
B 略平面状のカバー部と、少なくとも一端に前記樋への取付部とを備え、
C 前記カバー部は、表面側平坦状部から裏面側へ連続し、その平面視形状は、矩形状の左右の対向する上端角が円弧状に形成された横長状である複数の案内部と、該案内部の水下端のみに形成される開口部とを有し、
D 前記案内部の一部が前記開口部に向かって裏面側に中心又は重心が位置する反り返り弧状であり、
E 前記案内部及び前記開口部の正面視形状が受け皿状である
ことを特徴とするカバー部材。」
3 当審拒絶理由通知における拒絶理由の概要
本願発明は、本件補正前の請求項1に係る発明を補正したものであるところ、当審拒絶理由通知における拒絶理由は、当該請求項1に係る発明に対する次の理由を含むものである。
(進歩性)請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明である引用文献1に記載された発明及び周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献
1.特開2018-155091号公報
2.実願昭61-76617号(実開昭62-187124号)の
マイクロフィルム(周知技術を示す文献)
3.特開2002-174010号公報(周知技術を示す文献)
4 当審の判断
(1)引用文献の記載及び引用発明の認定
ア 引用文献の記載
当審拒絶理由通知で引用した特開2018-155091号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある(下線は当審で付した。)。
「【0017】
本発明のカバー部材は、略平面状のカバー部と、少なくとも一端に取付部とを有し、前記カバー部には、複数の排水凹部を有し、該排水凹部は、表面側から裏面側へ雨水を導く案内部分と、深さ方向に開口する導入口とを有することを特徴とする。」
「【0039】
図1は、本発明のカバー部材1の施工例の一つを示すものであって、カバー材1を軒樋2を覆うように傾斜状に取り付けた状態を示している。前記カバー部材1の水上側取付部12は、最軒側の横葺き外装材3の裏面側に吊子4と共にビス止め(ビス4b)され、その水下側取付部13は、軒樋2の軒側の側端23にオーバーハング状に係合している。
この施工例のカバー部材1は、横葺き外装材3と同様の金属板材の成形体であって、その中央に位置するカバー部11については当該素面では模式的に示しているが、前述のように導入口の幅寸法にスリット加工を行った後、それを下端とするようなプレス加工を行って案内部分102及び導入口101を形成して排水凹部10を形成している。なお、このカバー部11及び排水凹部10の構成については、後述する図2~5の第1~第4実施例にて説明する。
【0040】
また、この施工例における建築物は、傾斜方向に延在するH躯体7に、木毛セメント板等で形成される野地材6及び通し材である支持材5が敷設され、該野地材6及び支持材5の外側に防水シート6bを介して横葺き外装材3が取り付けられている。」
「【0043】
図3に示す第2実施例のカバー部11Bは、流れ方向(図面の上下方向)に5段、流れ方向に交わる方向(図面の左右方向)に4列の排水凹部10bの合計20個の群を有するものであり、各排水凹部10bは、表面側から裏面側へ雨水を導く案内部分102bと、流れ方向に正対して深さ方向に開口する導入口101bとを有する。
この第2実施例の排水凹部10bは、図3(c)に拡大して示すようにその平面視形状が、横長矩形状であって、導入口101bの幅寸法のスリット加工、それを下端とするプレス加工を同時に行って形成したものである。前記プレス加工では、表面側から臨ませる雄型として多角形状の型を用いることにより、形成される案内部分102bは、水下端に形成される導入口101bに向かう複数の傾斜平面状に形成されている。」
「【0049】
図6に示す第5実施例のカバー部11Eは、流れ方向(図面の上下方向)に5段、流れ方向に交わる方向(図面の左右方向)に6列の排水凹部10eの合計30個の群を有するものであり、各排水凹部10eは、表面側から裏面側へ雨水を導く案内部分102eと、流れ方向に正対して深さ方向に開口する導入口101eとを有する。
この第5実施例の排水凹部10eは、図6(c)に拡大して示すようにその平面視形状が、左右の対向する上端角を円弧状に形成した横長状であって、導入口101eの幅寸法のスリット加工、それを下端とするプレス加工を同時に行って形成したものであり、前記第2実施例(10b)と異なるのは案内部分102eの基端が山状から逆山状に形成されている。
【0050】
この第5実施例では、前記第2実施例の排水凹部10bと近似する形状の排水凹部10eを設けたので、前記第2実施例と同様に多量の雨水を捕集して導入口101eへ案内(流下)することができる。そして、この第5実施例では、より確実に案内部分102eへ雨水を導くことが確認された。」
[図:0001428668000001.jpg]
[図:0001428668000002.jpg]
[図:0001428668000003.jpg]
イ 引用文献1から認定できる事項
(認定事項ア)
引用文献1の図1から、カバー部材1が、軒樋2の上面開口を覆っていることが看取できる(引用発明の認定に用いる箇所に下線を付した。以下同様。)。
(認定事項イ)
引用文献1において、「【0043】・・・第2実施例の排水凹部10bは、図3(c)に拡大して示すようにその平面視形状が、横長矩形状であって、導入口101bの幅寸法のスリット加工、それを下端とするプレス加工を同時に行って形成したものである。前記プレス加工では、表面側から臨ませる雄型として多角形状の型を用いることにより、形成される案内部分102bは、水下端に形成される導入口101bに向かう複数の傾斜平面状に形成されている。」と、「【0049】・・・第5実施例の排水凹部10eは、図6(c)に拡大して示すようにその平面視形状が、左右の対向する上端角を円弧状に形成した横長状であって、導入口101eの幅寸法のスリット加工、それを下端とするプレス加工を同時に行って形成したものであり・・・【0050】この第5実施例では、前記第2実施例の排水凹部10bと近似する形状の排水凹部10eを設けた」との対比から、図3(c)に示される第2実施例と同様に、図6(c)に示される第5実施例においても、プレス加工では、表面側から臨ませる雄型として多角形状の型を用いることにより、形成される案内部分102eは、水下端に形成される導入口101eに向かう複数の傾斜平面状に形成されているものと解するのが相当である。
そうすると、図6(c)から、案内部分102eが、左右両端部の三角形状に示される傾斜平面と、その間の中央部の傾斜平面とからなる複数の傾斜平面状に形成されていることが理解でき、案内部分102e及び導入口101eの正面視形状が受け皿状となることは明らかである。
(認定事項ウ)
引用文献1の図6(b)から、案内部分102eの一部が、導入口101eに向かって案内部分102eの表面側に中心又は重心が位置する弧状であることが看取できる。
ウ 引用発明の認定
引用文献1には、第5実施形態(図6)に記載されたカバー部材1について、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる(a等は分説のために付した。また、引用発明の認定に用いた引用文献1の記載に係る段落番号等を括弧内に付した。)。
<引用発明>
「a 建築物の(【0040】)軒樋2の上面開口を傾斜状に覆うカバー部材1であって(【0039】、認定事項ア)、
b 略平面状のカバー部と、少なくとも一端に取付部とを有し(【0017】)、
c カバー部11Eは、流れ方向に5段、流れ方向に交わる方向に6列の排水凹部10eの合計30個の群を有するものであり、各排水凹部10eは、表面側から裏面側へ雨水を導く案内部分102eと、流れ方向に正対して深さ方向に開口する導入口101eとを有し、排水凹部10eは、その平面視形状が、左右の対向する上端角を円弧状に形成した横長状であって、導入口101eの幅寸法のスリット加工、それを下端とするプレス加工を同時に行って形成したものであり(【0049】)、
d プレス加工では、表面側から臨ませる雄型として多角形状の型を用いることにより、案内部分102eは、水下端に形成される導入口101eに向かう、左右両端部の三角形状の傾斜平面と、その間の中央部の傾斜平面とからなる複数の傾斜平面状に形成され、案内部分102e及び導入口101eの正面視形状が受け皿状となり(認定事項イ)、
e 案内部分102eの一部が導入口101eに向かって案内部分102eの表面側に中心又は重心が位置する弧状である(認定事項ウ)、
カバー部材1。」
(2)本願発明と引用発明の対比
本願発明と引用発明を対比する。
ア 引用発明の「a 建築物の軒樋2の上面開口を傾斜状に覆うカバー部材1」」は、本願発明の「A 建築物に配設された樋の開放上部を傾斜状に覆うカバー部材」に相当する。
イ 引用発明の「b 略平面状のカバー部と、少なくとも一端に取付部とを有」することは、本願発明の「B 略平面状のカバー部と、少なくとも一端に前記樋への取付部とを備え」ることに相当する。
ウ 引用発明の「略平面状の」(b参照)「カバー部11E」が「有する」「30個の」「排水凹部10e」が「有する」「案内部分102e」が「表面側から裏面側へ雨水を導く」(c参照)ものであることから、カバー部11Eが有する複数の案内部分102eが、表面側略平面から裏面側へ連続しているといえ、引用発明は、本願発明の「C 前記カバー部は、表面側平坦状部から裏面側へ連続」する「複数の案内部」「を有」する構成を備えるといえる。
また、引用発明の構成cにおいて、「各排水凹部10e」のうち、「その平面視形状が、左右の対向する上端角を円弧状に形成した横長状であ」る部分が「案内部分102e」であることは明らかであるから、引用発明は、本願発明の構成Cの「その平面視形状は、矩形状の左右の対向する上端角が円弧状に形成された横長状である複数の案内部」「を有」する構成を備えるといえる。
さらに、排水凹部10eが、導入口101eの幅寸法のスリット加工、それを下端とするプレス加工を同時に行って形成したもの(c参照)であることからすれば、引用発明の構成dの「水下端に形成され」る「導入口101e」は、水下端のみに形成されることは自明であり、本願発明の構成Cの「該案内部の水下端のみに形成される開口部」に相当する。
したがって、引用発明は、本願発明の「C 前記カバー部は、表面側平坦状部から裏面側へ連続し、その平面視形状は、矩形状の左右の対向する上端角が円弧状に形成された横長状である複数の案内部と、該案内部の水下端のみに形成される開口部とを有」する構成を備える。
エ 本願発明の「D 前記案内部の一部が前記開口部に向かって裏面側に中心又は重心が位置する反り返り弧状である」ことと、引用発明の「e 案内部分102eの一部が導入口101eに向かって案内部分102eの表面側に中心又は重心が位置する弧状であ」ることとは、「D’前記案内部の一部が前記開口部に向かって弧状である」の点で共通する。
オ 引用発明の「案内部分102e及び導入口101eの正面視形状が受け皿状とな」(d参照)ることは、本願発明の「E 前記案内部及び前記開口部の正面視形状が受け皿状である」ことに相当する。
カ そうすると、本願発明と引用発明とは、
「A 建築物に配設された樋の開放上部を傾斜状に覆うカバー部材であって、
B 略平面状のカバー部と、少なくとも一端に前記樋への取付部とを備え、
C 前記カバー部は、表面側平坦状部から裏面側へ連続し、その平面視形状は、矩形状の左右の対向する上端角が円弧状に形成された横長状である複数の案内部と、該案内部の水下端のみに形成される開口部とを有し、
D’前記案内部の一部が前記開口部に向かって弧状であり、
E 前記案内部及び前記開口部の正面視形状が受け皿状である
カバー部材。」
である点において一致し、以下の点で相違する。
<相違点1>(構成D)
案内部の一部が開口部に向かって、本願発明は「裏面側に中心又は重心が位置する反り返り弧状である」のに対し、引用発明は「表面側に中心又は重心が位置する弧状である」点。
キ 仮に、前記(1)イ(認定事項イ)で、案内部分102e及び導入口101eの正面視形状が受け皿状となることを認定することができなかった場合、次の点でも相違する。
<相違点2>(構成E)
本願発明は「前記案内部及び前記開口部の正面視形状が受け皿状である」のに対し、引用発明は、プレス加工では、表面側から臨ませる雄型として多角形状の型を用いることにより、形成される案内部分102eは、水下端に形成される導入口101eに向かう複数の傾斜平面状に形成されているものの、案内部分102e及び水下端に形成される導入口101eの正面視形状が受け皿状となるかどうか明らかでない点。
(3)判断
ア 相違点1について
樋の開放上部を覆うカバーが有する表面側平坦上部から裏面側へ連続する案内部であって、その一部が裏面側に中心又は重心が位置する反り返り弧状であるものは、例えば、
(ア)当審拒絶理由通知で引用文献2(周知技術を示す文献)として引用した実願昭61-76617号(実開昭62-187124号)のマイクロフィルム(第1図及び第3図から雨水案内片5が裏面側に中心又は重心が位置する反り返り弧状であることが看取できる。)
[図:0001428668000004.jpg]
[図:0001428668000005.jpg]
(イ)当審拒絶理由通知で引用文献3(周知技術を示す文献)として引用した特開2002-174010号公報(図13(c)から、流水面4aが裏面側に中心又は重心が位置する反り返り弧状であることが看取できる。)
【図3】
[図:0001428668000006.jpg]
[図:0001428668000007.jpg]
に記載されているように周知技術である。
そして、引用文献1には、第2実施例(特に図3(b)参照)のように、案内部分を、「表面側に中心又は重心が位置する弧状」である形状とは異なる形状とすることが可能であることが示唆されているといえるから、引用発明の「案内部分102e」において、樋への雨水の流下し易さ等を考慮して、「案内部分102eの表面側に中心又は重心が位置する弧状である」ものに代えて、上記周知技術を適用して相違点1に係る本願発明とすることは、当業者が容易になし得たことである。
イ 相違点2について
仮に、本願発明と引用発明との間に相違点2が生じた場合について、検討する。
前記(1)イの(認定事項イ)で説示したように、引用発明として、プレス加工では、表面側から臨ませる雄型として多角形状の型を用いることにより、形成される案内部分102eは、水下端に形成される導入口101eに向かう複数の傾斜平面状に形成されていることを認定することができる。
そして、図6(c)を参照して、案内部分102eが、左右両端部の三角形状に示される傾斜平面と、その間の中央部の傾斜平面とからなる複数の傾斜平面状に形成されていることを理解して、案内部分102e及び水下端に形成される導入口101eの正面視形状を受け皿状とすることは、当業者が容易になし得たことである。
したがって、引用文献1に記載された発明から、相違点2に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
ウ 効果について
本願発明の奏する効果は、本願発明の構成が奏するものとして、引用文献1に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が予測できる範囲を超える顕著なものとはいえない。
エ 請求人の主張について
請求人は、令和7年4月24日提出の意見書において、
(ア)引用文献1(当審注:「1」は「2」の誤記と認められる。)における案内片5の水下端が平坦状であり、開口部が案内片6(当審注:「6」は「5」の誤記と認められる。)の側端に形成されていることは、裏面からの斜視図であるその第1図より明らかである旨、
(イ)引用文献2(当審注:「2」は「1」の誤記と認められる。)における案内部分102a~102eの水下端が平坦状であることも、それぞれ平面図及び側面図が示されているその図2~図6より明らかに見て取れ、しかも開口部は、案内部分102a側端に形成されている旨、
(ウ)引用文献3における流水面4aの水下端が平坦状であることも、それぞれ側面図が示されているその図2、図4、図6等より明らかに見て取れ、しかも開口部は、流水面4aの側端に形成されている旨、
(エ)前記引用文献1(当審注:「1」は「2」の誤記と認められる。)では、開口部が案内片5の水下端ばかりでなく左右の側端にも形成されているので、案内片5に沿って流れる雨水が側方からの強風に曝されて周囲に飛散してしまうことが容易に推察でき、同様に、前記引用文献2(当審注:「2」は「1」の誤記と認められる。)でも前記引用文献3でも、雨水が側方からの強風に曝されるため、周囲に飛散してしまう旨、
(オ)本願発明における「前記案内部及び前記開口部の正面視形状が受け皿状である」カバー部材の構成は、前記引用文献1,2(当審注:「1,2」は「1~3」の誤記と認められる。)とは明らかに相違し、前記引用文献1,2(当審注:「1,2」は「1~3」の誤記と認められる。)からは到底容易に想起できない旨、
主張する。
しかしながら、前記(イ)、(エ)及び(オ)の請求人に主張について、引用文献1には、前記(1)イ(認定事項イ)で認定したとおり、案内部分102e及び導入口101eの正面視形状が受け皿状となることが記載されているものといえる。
また、仮に、引用文献1に、案内部分102e及び導入口101eの正面視形状が受け皿状となることが記載されているとはいえない場合であっても、前記イで検討したとおり、案内部分102e及び導入口101eの正面視形状を受け皿状とすることは、当業者が容易になし得たことである。
したがって、本願発明における「前記案内部及び前記開口部の正面視形状が受け皿状である」カバー部材の構成は、引用文献1に記載された発明か、引用文献1に記載された発明から当業者が容易になし得たものであり、請求人の主張は採用できない。
オ 小括
以上検討のとおり、本願発明は、引用文献1に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
5 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2024-004599