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特許拒絶査定不服審判

2024-003744

電子機器

審判番号
2024-003744
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2022-126321
請求日
2024年03月04日
審決日
2024年09月30日
公報発行日
2024年10月25日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】株式会社JVCケンウッド
審判長/審判官
  • 審判長 山澤 宏
  • 審判官 富澤 哲生
  • 審判官 北元 健太
分類
P18 .121-WY (H05K) / P18 .113-WY (H05K)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

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特願2022-126321「電子機器」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年11月 1日出願公開、特開2022-166127、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成30年11月14日の出願である特願2018-213779号の一部を、令和4年8月8日に新たな特許出願としたものであって、であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和5年 6月29日付け:拒絶理由通知書 令和5年 8月29日 :意見書の提出、手続補正書の提出 令和5年11月30日付け:拒絶査定 令和6年 3月 4日 :拒絶査定不服審判の請求 第2 原査定の概要 原査定(令和5年11月30日付け拒絶査定)の概要は、次のとおりである。 (新規性)本願請求項1に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 (進歩性)本願請求項1に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1: 登録実用新案第3175374号公報 第3 本願発明 本願請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和5年8月29日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。 「【請求項1】 本体部と、 弾性圧縮が可能な接着部材を介して凹面である被取付部材に取り付けられ、前記本体部を支持する取付部と、 前記取付部を前記本体部に対し上方に位置させたときに前記本体部に掛かる重力を前記取付部に対し付与するよう前記本体部を支持する複数の支持部と、 を備え、 前記複数の支持部のうち、少なくともいずれかが、前記接着部材が凹面である前記被取付部材に取り付けられることで圧縮度合が高くなる前記取付部の部位に延在しており、前記重力を前記取付部に付与するよう前記本体部を支持する、 電子機器。」 第4 引用文献1の記載、引用発明 1 引用文献1には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審による。)。 「【0020】 まず、図2乃至図8を参照する。本実施例の調整可能式ドライブ撮影装置は、本体1と、撮影モジュール2と、調整ラッチ3と、を少なくとも含む。 【0021】 本体1は、前側に開口110が設けられ、開口110の横断面形状がV字形を呈する。開口110の中央に撮影穴111が設けられる。撮影穴111により撮影モジュール2が撮影できる。開口110の内面には、互いに対応する二つのスライド溝112が設けられる。二つのスライド溝112により、撮影モジュール2が回動できる。 【0022】 撮影モジュール2は、撮影台座21と、ビデオカメラ22と、第1ケーブル接続ポート23と、を含む。撮影台座21の前側に中心円筒211が設けられる。中心円筒211の周面に二つの回転軸212が設けられる。回転軸212はスライド溝112に嵌め設けられる。ビデオカメラ22は、撮影台座21の中心円筒211に嵌め設けられ、車両外の映像を撮影する。ビデオカメラ22には、少なくとも一つのサイド穴221が設けられる。第1ケーブル接続ポート23は撮影モジュール2の信号を出力する。 【0023】 調整ラッチ3は、撮影モジュール2の後方に設けられ、ビデオカメラ22の撮影角度を調整するためのものである。調整ラッチ3は撮影モジュール2と連結する。調整ラッチ3を調整しているときには、回転軸212が前側の支点と回転軸の中心とされる。本体1の一側には、調整穴124が設けられる。調整ラッチ3の取付位置に応じて、本体1に固定ユニット123が設けられる。固定ユニット123により、調整ラッチ3が調整穴124内に上下動して定位できる。 【0024】 本体1は、前蓋11と、後ろ台12と、を含む。前蓋11の開口110と撮影穴111の上方に上面113が設けられる。上面113に両面テープDが貼り付けられる。これにより、車両のフロントガラスwに調整可能式ドライブ撮影装置を固定できる。前蓋11の内面には、第1固定柱114と少なくとも一つの第2固定柱115が設けられる。後ろ台12には、第3固定柱121と少なくとも一つの第4固定柱122が設けられる。螺子Aにより第1固定柱114と第3固定柱121が締結される。螺子Aにより第2固定柱115と第4固定柱122が締結される。このように、前蓋11と後ろ台12を組合せることができる。」 「【図2】 [図:0001415179000001.jpg] 【図3】 [図:0001415179000002.jpg] 」 「【図5】 [図:0001415179000003.jpg] 」 「【図7】 [図:0001415179000004.jpg] 」 2 上記1の記載から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「本体1を含み、 本体1は、前蓋11と、後ろ台12と、を含み、 前蓋11の開口110と撮影穴111の上方に上面113が設けられ、上面113に両面テープDが貼り付けられ、これにより、車両のフロントガラスwに調整可能式ドライブ撮影装置を固定でき、 前蓋11の内面には、第1固定柱114と少なくとも一つの第2固定柱115が設けられ、 後ろ台12には、第3固定柱121と少なくとも一つの第4固定柱122が設けられ、 螺子Aにより第1固定柱114と第3固定柱121が締結され、螺子Aにより第2固定柱115と第4固定柱122が締結され、このように、前蓋11と後ろ台12を組合せることができる、 調整可能式ドライブ撮影装置。」 第5 原査定について(引用発明との対比・判断) 1 対比 (1)本願発明と引用発明とを対比する。 ア 引用発明の「調整可能式ドライブ撮影装置」は、「本体1は、前蓋11と、後ろ台12と、を含み」、「前蓋11の開口110と撮影穴111の上方に上面113が設けられ、上面113に両面テープDが貼り付けられ」ることにより、「車両のフロントガラスw」に「固定」されるものであるから、「後ろ台12」と、「両面テープD」を介して「車両のフロントガラスw」に取り付けられる「前蓋11」とを備えるといえる。 また、引用発明は、「前蓋11と後ろ台12を組合せる」ものであるから、「調整可能式ドライブ撮影装置」が「車両のフロントガラスw」に「固定」される際、「前蓋11」は「後ろ台12」を支持する状態にあるといえる。 そして、引用発明の「後ろ台12」と本願発明の「本体部」とは、「被支持部」である点で共通し、引用発明の「両面テープD」と本願発明の「弾性圧縮が可能な接着部材」とは、「接着部材」である点で共通し、引用発明の「フロントガラスw」は、本願発明の「被取付部材」に相当する。 以上から、引用発明における、「両面テープD」を介して「車両のフロントガラスw」に取り付けられ、「後ろ台12」を支持する「前蓋11」と、本願発明における「弾性圧縮が可能な接着部材を介して凹面である被取付部材に取り付けられ、前記本体部を支持する取付部」とは、「接着部材を介して被取付部材に取り付けられ、前記被支持部を支持する取付部」である点で共通する。 イ 上記アの「前蓋11」が「後ろ台12」を支持する状態では、「前蓋11」は、「後ろ台12」対し上方に位置させた状態にもあるといえる。 また、引用発明の「調整可能式ドライブ撮影装置」は、「蓋11の内面には、第1固定柱114と少なくとも一つの第2固定柱115が設けられ」、「後ろ台12には、第3固定柱121と少なくとも一つの第4固定柱122が設けられ」、「螺子Aにより第1固定柱114と第3固定柱121が締結され、螺子Aにより第2固定柱115と第4固定柱122が締結され」たものであるから、「前蓋11」が上記状態にあるときに、「後ろ台12」に掛かる重力を「前蓋11」に対し付与するよう「後ろ台12」を支持し、「前蓋11」の部位に延在している、「締結され」た「第1固定柱114と第3固定柱121」及び「締結され」た「第2固定柱115と第4固定柱122」を備えるといえる。 そして、引用発明の「締結され」た「第1固定柱114と第3固定柱121」及び「締結され」た「第2固定柱115と第4固定柱122」は、本願発明の「複数の支持部」に相当する。 以上について、上記アでさらに検討した点を踏まえると、引用発明における、「前蓋11」を「後ろ台12」対し上方に位置させたときに「後ろ台12」に掛かる重力を「前蓋11」に対し付与するよう「後ろ台12」を支持する、「締結され」た「第1固定柱114と第3固定柱121」及び「締結され」た「第2固定柱115と第4固定柱122」と、本願発明における「前記取付部を前記本体部に対し上方に位置させたときに前記本体部に掛かる重力を前記取付部に対し付与するよう前記本体部を支持する複数の支持部」とは、「前記取付部を前記被支持部に対し上方に位置させたときに前記被支持部に掛かる重力を前記取付部に対し付与するよう前記被支持部を支持する複数の支持部」である点で共通する。 ウ 上記イで検討したところによると、引用発明は、「締結され」た「第1固定柱114と第3固定柱121」及び「締結され」た「第2固定柱115と第4固定柱122」が、「前蓋11」の部位に延在しており、「後ろ台12」に掛かる重力を「前蓋11」に対して付与するよう「後ろ台12」を支持するものであり、引用発明における当該構成と、本願発明における「前記複数の支持部のうち、少なくともいずれかが、前記接着部材が凹面である前記被取付部材に取り付けられることで圧縮度合が高くなる前記取付部の部位に延在しており、前記重力を前記取付部に付与するよう前記本体部を支持する」こととは、「前記複数の支持部のうち、少なくともいずれかが、前記取付部の部位に延在しており、前記重力を前記取付部に付与するよう前記被支持部を支持する」ことである点で共通する。 エ 引用発明の「調整可能式ドライブ撮影装置」は、後述する相違点を除き、本願発明の「電子機器」に相当する。 (2)上記(1)から、本願発明と引用発明とは、次の点で一致する。 (一致点) 「被支持部と、 接着部材を介して被取付部材に取り付けられ、前記被支持部を支持する取付部と、 前記取付部を前記被支持部に対し上方に位置させたときに前記被支持部に掛かる重力を前記取付部に対し付与するよう前記被支持部を支持する複数の支持部と、 を備え、 前記複数の支持部のうち、少なくともいずれかが、前記取付部の部位に延在しており、前記重力を前記取付部に付与するよう前記被支持部を支持する、 電子機器。」 (3)また、本願発明と引用発明とは、次の点で相違する。 (相違点1) 「被支持部」が、本願発明では、「本体部」であるのに対して、引用発明では、「後ろ台12」であり、単独では「本体1」を構成しない点。 (相違点2) 本願発明の「接着部材」は、「弾性圧縮が可能な」ものであるのに対して、引用発明の「両面テープD」は、そのような性質のものであることが特定されるものではない点。 (相違点3) 本願発明の「被取付部材」は、「凹面である」のに対して、引用発明の「車両のフロントガラスw」は、その形状が特定されるものではない点。 (相違点4) 本願発明では、「前記複数の支持部のうち、少なくともいずれか」が「延在して」いる「前記取付部」における「部位」が、「前記接着部材が凹面である前記被取付部材に取り付けられることで圧縮度合が高くなる」部位であるのに対して、引用発明の「締結され」た「第1固定柱114と第3固定柱121」及び「締結され」た「第2固定柱115と第4固定柱122」が延在している「前蓋11」における部位は、そのような部位であることが特定されるものではない点。 2 判断 相違点1~4は、いずれも実質的なものである。 事案に鑑みて、まず相違点2~4について、まとめて検討する。 相違点2に関して、両面テープの基材等を弾性圧縮が可能であるように構成すること、及び、相違点3に関して、車両のフロントガラスの形状を凹面とすることは、いずれも、特に例示するまでもなく周知技術である。 しかしながら、仮に、引用発明にこれらの周知技術を適用して、「両面テープD」を弾性圧縮が可能なものとし、かつ「車両のフロントガラスw」を凹面とすることが、当業者にとって容易に想到し得ることであるとしても、「締結され」た「第1固定柱114と第3固定柱121」及び「締結され」た「第2固定柱115と第4固定柱122」のいずれかが延在している「前蓋11」における部位を、相違点4の「前記接着部材が凹面である前記被取付部材に取り付けられることで圧縮度合が高くなる」部位であるものとすることについては、引用文献1に記載も示唆もされておらず、引用発明に上記の各周知技術を適用する場合に必然的に得られる構成であるとも認められない。 また、相違点4に係る構成が、本願の原出願日における周知技術であるともいえない。 そうすると、本願発明は、引用文献1に記載された発明ではなく、また、当業者であっても引用文献1に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 よって、原査定の理由を維持することはできない。 第6 むすび 以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-003744

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