2024-002132
入力支援システム、入力支援プログラム及び入力支援方法
- 審判番号
- 2024-002132
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2023-056454外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2024年02月06日
- 審決日
- 2024年09月17日
- 公報発行日
- 2024年11月29日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】PSP株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人みなとみらい特許事務所
- 分類
- P18 .121-WY (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 17項目
第1 手続の経緯
本願は、令和5年3月30日(以下「出願日」という。)の出願であって、その手続の経緯の概略は次のとおりである。
令和5年 6月14日付け 拒絶理由通知書
令和5年 9月 5日 意見書、手続補正書の提出
令和5年10月31日付け 拒絶査定
令和6年 2月 6日 審判請求書、手続補正書の提出
第2 原査定の概要
原査定(令和5年10月31日付け拒絶査定)の概要は、次のとおりである。
本願の請求項1-6に係る発明は、以下の引用文献1-6に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
1.特開2001-338257号公報
2.特開2015-5228号公報
3.特開2017-162037号公報
4,特開2014-160482号公報
5.特開2011-76465号公報
6.国際公開第2010/067618号
第3 本願発明
本願の請求項1-3に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明3」という。)は、令和6年2月6日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-3に記載された事項により特定される発明であり、次のとおりの発明である。
「 【請求項1】ユーザによる医療情報の入力を支援する入力支援システムであって、前記入力支援システムは、表示処理手段、入力手段、及び特定手段を備え、前記表示処理手段は、医療情報を受け付ける為の複数の領域が表示される入力画面を表示処理し、続きを表示(全33行)前記複数の領域は、1のデータを選択入力可能な入力形式の領域、及び複数のデータを選択入力可能な入力形式の領域を含み、前記領域は、前記データの入力を受け付けるデータ受付部と、入力を受け付けたデータを表示するデータ表示部とを含み、前記入力手段は、前記データの入力完了に係る入力を受け付け、前記入力完了に係る入力は、前記入力形式が1のデータを選択入力可能な入力形式の場合には、前記データの選択入力であり、前記入力形式が前記複数のデータを選択入力可能な入力形式の場合には、前記データの選択入力に加えて、選択入力の完了に係る入力であり、前記特定手段は、あらかじめ設定された前記領域の選択順序に従って、前記入力完了に係る入力を受け付けた領域の次の領域を、前記データの入力を受け付け可能にアクティブにし、前記表示処理手段は、アクティブにされた領域の入力形式に基づいて、該領域の前記データ受付部を表示処理すると共に、該領域のデータ受付部に重畳するようにマウスカーソルを移動して表示処理し、前記アクティブにされた領域の入力形式が前記複数のデータを選択入力可能な入力形式の場合には、前記選択順序における直前の領域について前記入力完了に係る入力がされることを契機に、選択肢を表示する及び前記選択入力の完了に係る入力を受け付ける前記データ受付部を前記入力画面に重畳して表示処理し、且つ前記マウスカーソルを前記選択肢に重畳して表示処理し、前記データ受付部においてデータの選択入力と選択入力の完了に係る入力がされると、前記入力画面内に表示される前記データ表示部に、前記選択入力されたデータを表示処理する、入力支援システム。【請求項2】ユーザによる医療情報の入力を支援する入力支援プログラムであって、前記入力支援プログラムは、コンピュータを、表示処理手段、入力手段、及び特定手段として機能させ、前記表示処理手段は、医療情報を受け付ける為の複数の領域が表示される入力画面を表示処理し、前記複数の領域は、1のデータを選択入力可能な入力形式の領域、及び複数のデータを選択入力可能な入力形式の領域を含み、前記領域は、前記データの入力を受け付けるデータ受付部と、入力を受け付けたデータを表示するデータ表示部とを含み、前記入力手段は、前記データの入力完了に係る入力を受け付け、前記入力完了に係る入力は、前記入力形式が1のデータを選択入力可能な入力形式の場合には、前記データの選択入力であり、前記入力形式が前記複数のデータを選択入力可能な入力形式の場合には、前記データの選択入力に加えて、選択入力の完了に係る入力であり、前記特定手段は、あらかじめ設定された前記領域の選択順序に従って、前記入力完了に係る入力を受け付けた領域の次の領域を、前記データの入力を受け付け可能にアクティブにし、前記表示処理手段は、アクティブにされた領域の入力形式に基づいて、該領域の前記データ受付部を表示処理すると共に、該領域の前記データ受付部に重畳するようにマウスカーソルを移動して表示処理し、前記アクティブにされた領域の入力形式が前記複数のデータを選択入力可能な入力形式の場合には、前記選択順序における直前の領域について前記入力完了に係る入力がされることを契機に、選択肢を表示する及び前記選択入力の完了に係る入力を受け付ける前記データ受付部を前記入力画面に重畳して表示処理し、前記マウスカーソルを前記選択肢に重畳して表示処理し、前記データ受付部においてデータの選択入力と選択入力の完了に係る入力がされると、前記入力画面内に表示される前記データ表示部に、前記選択入力されたデータを表示処理する、入力支援プログラム。【請求項3】ユーザによる医療情報の入力を支援するコンピュータを用いた入力支援方法であって、前記コンピュータは、医療情報を受け付ける為の複数の領域が表示される入力画面を表示処理し、前記複数の領域は、1のデータを選択入力可能な入力形式の領域、及び複数のデータを選択入力可能な入力形式の領域を含み、前記領域は、前記データの入力を受け付けるデータ受付部と、入力を受け付けたデータを表示するデータ表示部とを含み、前記データの入力完了に係る入力を受け付け、前記入力完了に係る入力は、前記入力形式が1のデータを選択入力可能な入力形式の場合には、前記データの選択入力であり、前記入力形式が前記複数のデータを選択入力可能な入力形式の場合には、前記データの選択入力に加えて、選択入力の完了に係る入力であり、あらかじめ設定された前記領域の選択順序に従って、前記入力完了に係る入力を受け付けた領域の次の前記領域を、前記データの入力を受け付け可能にアクティブにし、アクティブにされた領域の入力形式に基づいて、該領域の前記データ受付部を表示処理すると共に、該領域の前記データ受付部に重畳するようにマウスカーソルを移動して表示処理し、前記アクティブにされた領域の入力形式が前記複数のデータを選択入力可能な入力形式の場合には、前記選択順序における直前の領域について前記入力完了に係る入力がされることを契機に、前記データ受付部を、選択肢を表示する及び前記選択入力の完了に係る入力を受け付ける前記データ受付部を前記入力画面に重畳して表示処理し、且つ前記マウスカーソルを前記選択肢に重畳して表示処理し、前記データ受付部においてデータの選択入力と選択入力の完了に係る入力がされると、前記入力画面内に表示される前記データ表示部に、前記選択入力されたデータを表示処理する、入力支援方法。」
第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献3及び引用発明
(1)引用文献3の記載
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3には、次の事項が記載されている(下線は当審による。以下同様。)。
ア 「【0049】本発明は,(1)ボタンをマウスでクリックする操作と,仮表示部(以降,「プルダウンメニュー」とも呼ぶ)に表示された選択可能な複数の文字列の中から所望する文字列をマウスでクリックする操作で選択し確定表示部(以降,「フィールド」とも呼ぶ)に表示する操作とを組み合わせることで,カルテへの入力作業の殆どが完了する電子カルテ入力支援機能と,(2)患者ID,患者名,疾患名,薬品名および病状等から過去カルテを簡単に検索して参照できる過去カルテ参照機能と,(3)患者の診察終了時に,各種書類にあわせて,カルテから必要な情報が抽出され,処方箋,診断書および診療情報提供書等が極短時間で作成される書類自動作成機能と,(4)患者の受付時や診察終了時に,薬品名や病名等を選択するだけで,毎月の診療報酬を請求するための日本医師会標準レセプトシステム“ORCA(オルカ)”(登録商標)と連動することができるORCA連動機能と,(5)検査データを取り込み一覧表示させる検査データ表示機能と,(6)身体パーツ画像が登録できる身体パーツ画像登録機能,(7)薬品リストに登録された,処方薬の名称,規格,一回量,分量,服用法および処方日数等の薬品データが表示できる薬品表示機能と,(8)電子カルテへの入力と同期して健康保険診療録が作成される健康保険診療録作成機能とを備えることを特徴とするものである.」
イ 「【0051】(1) 電子カルテ入力支援機能本発明では,表示手段2に電子カルテ5を表示し,入力手段1による入力操作に基づいて,表示された電子カルテ5に入力データを反映させ,入力データを反映させた電子カルテ5を記憶手段3に記憶させる制御手段4を備え,入力手段1は所定領域内に配列された複数のフィールド(書類の書式を構成する小さなデータ入力領域)とフィールドラベル(フィールドの意味が理解できるように,フィールドの横または上に表示される説明テキスト)とからなり,表示手段2は入力手段1のいずれかのフィールドを選択することによって選択可能な複数の文字列を一覧表示し,さらに,制御手段4は選択可能な複数の文字列の中から入力手段1による選択操作に基づいて選択された文字列を表示させる電子カルテ機能6をパーソナルコンピュータに実行させるようにしている.」
ウ 「【0220】“TOP MENU”画面のメインメニューの中の“主要リスト関連”ツールバーの中の,“患者基本データ”ボタンをマウスでクリックする(図63).そうすると,“患者基本データ”が表示される(図64).【0221】“新患登録”ボタンをマウスでクリックすると,メッセージ『新規の患者を登録しますか?』が現れるので,“OK”ボタンをマウスでクリックする(図65).そうすると,“新規患者登録”画面が現れる(図66).なお,初診日と(初診時刻)は自動入力される.【0222】それぞれの必要な項目を入力する.まず,“患者ID”フィールドに“012345”を,“患者氏名”フィールドに“東京 タロウ(トウキョウ タロウ)”をキー入力する.そうすると,マウスのカーソルが右隣りの性別を示すフィールドへ自動移動し,さらに“(性別を示す)”フィールドのプルダウンメニューが開き,性別の入力待ちとなる(図67).【0223】性別を示すフィールドに“男”を(マウスのクリック操作で)入力すると,マウスのカーソルが右隣りの“職業”フィールドへ自動移動し,さらに“職業”フィールドのプルダウンメニューが開く(図68).」
エ 「【図67】[図:0001416324000001.jpg]【図68】[図:0001416324000002.jpg]」
オ 上記エから、“新規患者登録”画面は、患者の情報を受け付ける複数のフィールドを含み、“(性別を示す)”フィールドのプルダウンメニューに“男”を(マウスのクリック操作で)入力すると、“(性別を示す)”フィールドに“男”を表示することが見て取れる。
(2)引用発明
上記(1)から、特に下線を付した記載に着目すると、引用文献3には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「電子カルテ入力支援機能を備え、“新規患者登録”画面の“(性別を示す)”フィールドのプルダウンメニューに“男”を(マウスのクリック操作で)入力すると、マウスのカーソルが“職業”フィールドへ自動移動し、“職業”フィールドのプルダウンメニューが開き、“新規患者登録”画面は、患者の情報を受け付ける複数のフィールドを含み、“(性別を示す)”フィールドのプルダウンメニューに“男”を(マウスのクリック操作で)入力すると、“(性別を示す)”フィールドに“男”を表示する、電子カルテ機能6をパーソナルコンピュータに実行させる方法。」
2 引用文献1-2,4-8
(1)引用文献1の記載
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、次の事項が記載されている。
ア 「【0043】図8は、本実施形態において入金申請の際に用いる表示画面を示す線図である。又、図9は、支払申請の際に用いる表示画面を示す線図である。【0044】これらの図において、ほぼ中央より上段が総括表であり、下段が明細表である。総括表の部分は、明細表中の複数の入力項目に関連する情報を入力操作するためのものである。このように総括表及び明細表の画面構成をとることで、同一情報の入力操作回数を削減すると共に、関連情報の確認が容易にできるようにされている。【0045】具体的には、例えばまず入金申請において、前提として、入力件数が複数件で取引内容や事業所及び費用集計番号が同一の場合は、図8の総括表中の符号A7、A16、A17を入力しておけば、明細表中のA21、A25、A26が自動表示され、入力負荷が軽減される。又該自動表示に際しては、同時に符号B1の取引合計額と、符号B2の明細行数とが表示される。【0046】又、支払申請において、前提として、入力件数が複数件で取引内容や事業所及び費用集計番号が同一の場合は、図9の総括表中の符号C7、C15、C16を入力しておけば、明細表中のC20、C24、C25が自動表示され、入力負荷が軽減される。又該自動表示に際しては、同時に符号D1の取引合計額と、符号D2の明細行数とが表示される。【0047】本実施形態においては、これら入金や支払などとして、金銭を移動する際に、該移動の種類の大分類に応じた表示画面を表示し、該大分類表示画面上で、その金額、目的、及び関係者の所属部署の項目を含む入力項目に入力操作する。即ち、入金という大分類に対しては図8に示す画面を表示し入力操作し、支払という大分類に対しては図9に示す画面を表示し入力操作する。なお、上記の入力項目の「目的」の項目は、当該金銭移動に係る取引内容などを示す。【0048】更に、本実施形態においては、このような大分類表示画面上で、個々の入力項目を入力操作する際に、妥当な順序で入力操作できるように、利用者が該当入力項目を入力完了する毎に、次に入力すべき入力項目の位置にカーソルを自動的に移動させる。図8や図9では、符号A1やC1以降の順次入力に際しては、このようにカーソルを自動的に移動させ、利用者が妥当な順序で入力操作できるようにしている。【0049】更に、本実施形態においては、このようなカーソルの自動的移動が、その時点までの入力操作により自動選択されることで、該カーソルの自動的移動のパターンが、同一の表示画面においても複数種類になるようにしている。これにより、図8に示す表示画面では、パターンPA~PCというように、該カーソルの自動的移動のパターンを実現している。又、図9に示す表示画面では、パターンPD~PFというように、該カーソルの自動的移動のパターンを実現している。これにより、同一の表示画面においても複数種類の操作入力が可能になっている。【0050】これと共に、特定の入力項目の入力操作に際して特定の表示指示操作をすると、関連追加情報を入力操作するための補助画面ウィンドウが表示されて、該補助画面ウィンドウ上で利用者が該当入力項目を入力完了する毎に、次に入力すべき入力項目の位置にカーソルを自動的に移動させる。該補助画面ウィンドウは、以下の説明では小窓と称している。」
イ 「【図8】[図:0001416324000003.jpg]」
(2)引用文献2の記載
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、次の事項が記載されている。
ア 「【0010】以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本例のカーソル移動制御装置10の機能ブロック図である。尚、カーソル移動制御装置10は、例えばパソコン等の情報処理装置(コンピュータ)上で実現される。尚、カーソル移動制御装置10は、情報処理装置上で動作するEXCEL(登録商標)等のスプレッドシートの1機能であると見做してもよい。尚、スプレッドシートは、一般的に、表計算ソフトまたは“表”データを意味するものであるが、ここでは表計算ソフトを意味するものに限定する。そして、“表”データを意味する用語は“ワークシート”とする。」
イ 「【0019】図2は、本例のカーソル移動制御装置10の処理フローチャート図である。図2の処理は、ユーザが改行キー入力操作を行う毎に実行される。つまり、通常、ユーザは、カーソル位置のセル上で任意の文字/数字等のデータ入力する作業を行い、入力完了の際に改行キーを操作する。【0020】続きを表示(全29行)尚、従来では、ユーザは、改行キーを操作後、マウスや方向キー等を操作して、次のデータ入力対象のセルへとカーソルを移動させていた。あるいは、従来では、ユーザが入力完了の改行キー操作を行うと、予め決まった所定のロジックに従って自動的にカーソルを次のセルへと移動していた。例えば、1つ下のセルへと自動的にカーソルを移動していた。【0021】図2の処理は、まず、現在のカーソル位置とカーソル移動履歴14とに基づいて、カーソル移動履歴14に“該当するカーソル移動履歴”(該当履歴)があるか否かを判定する(ステップS11)。“該当するカーソル移動履歴”とは、ここでは上記“カーソルの現在位置のセルと同じ列のセル”に係わる履歴であるものとする。よって、例えば後述する図3等の具体例の場合、仮に現在のカーソル位置が3Aであった場合、後述する元セル31が“2A”等である履歴データが、該当することになる。詳しくは後述する。【0022】“該当するカーソル移動履歴”がある場合には(ステップS11,YES)、この該当履歴データから移動方向・移動量を判別して、これに基づいてカーソルを移動させる(ステップS12)。例えば上記具体例では該当履歴データの元セル31が“2A”、先セル32が“2B”であるので、移動方向・移動量は「右方向へ1セル分」と判定される。詳しくは後述する。よって、この例では、現在のカーソル位置3Aから「右方向へ1セル分」移動させることになり、従ってセル3Bへと移動することになる。【0023】一方、“該当するカーソル移動履歴”が無い場合には(ステップS11,NO)、“直前のカーソル移動履歴”があるか否かを判定する(ステップS13)。“直前のカーソル移動履歴”(直前履歴)とは、例えば後述する図3等の具体例の場合、先セル32が、現在のカーソル位置である履歴データである。仮に現在のカーソル位置が2Cであった場合、後述する先セル32が“2C”である履歴データが、“直前のカーソル移動履歴”である。【0024】もし、“直前のカーソル移動履歴”がある場合には(ステップS13,YES)、この直前履歴データから移動方向・移動量を判別して、これに基づいてカーソル位置を移動させる(ステップS14)。例えば上記具体例では直前履歴データの元セル31が“2B”、先セル32が“2C”であるので、移動方向・移動量は「右方向へ1セル分」と判定される。詳しくは後述する。よって、この例では、現在のカーソル位置2Cから「右方向へ1セル分」移動させることになり、従ってセル2Dへと移動することになる。【0025】尚、上記“直前のカーソル移動履歴”は、上記の例に限らず、例えばカーソル移動履歴14で最も新しい履歴データとしてもよい。この例では、カーソル移動履歴14に履歴データが1つも無い場合以外は、ステップS13の判定はYESとなることになる。【0026】一方、“直前のカーソル移動履歴”が無い場合には(ステップS13,NO)、ユーザによるカーソルの手動移動操作待ち状態となる(ステップS15)。そして、ユーザが、所望のカーソル移動操作を行った場合には、この手動移動操作を検出して(ステップS15)、この移動履歴をカーソル移動履歴14に追加記録する(ステップS16)(これをケース1とする)。【0027】また、上記ステップS12又はステップS14の処理が行われる場合にも、これらの処理を実行完了後、上記ステップS15の手動移動操作待ち状態となる。但し、この場合には、上記ステップS12又はS14によるカーソル自動移動が行われているので、ユーザは、この自動移動先でよい場合には任意の入力作業を行うことになるので、この入力開始に応じてステップS15の待ち状態を解除して、ステップS16の処理を実行する。一方、ユーザは、上記自動操作先ではよくない場合には、カーソルを任意のセルへ手動で移動させる操作を行うことになり、ステップS15でこの操作を検出することになる。【0028】カーソル位置はステップS12又はS14による自動移動先となっており、この移動先セルでユーザが任意のデータ入力操作を開始した場合には、上記の通りステップS16の処理を実行する。この場合には、ステップS16では、ステップS12又はS14による自動移動の履歴を、カーソル移動履歴14に追加記録することになる(これをケース2とする)。【0029】一方、カーソルがステップS12又はS14による自動移動先セルとなっている状態で、ユーザが手動でカーソルを移動させる操作を行った場合には、ステップS16では、ステップS12又はS14による自動移動の履歴をカーソル移動履歴14に追加記録すると共に、更に、ユーザによる手動移動操作を検出して(ステップS15)、この移動履歴をカーソル移動履歴14に追加記録する(これをケース3とする)。【0030】上記ステップS16の処理が完了したら、続いて、予測の矯正操作の有無を判定する(ステップS17)。上記ケース3の場合が、予測の矯正操作があった場合となる。この判定方法の具体例は後述するが、基本的にはカーソル移動履歴14に基づいて判定することになる。【0031】予測の矯正操作があった場合には(ステップS17,YES)、カーソル移動履歴14における該当する移動履歴データを修正する(ステップS18)。これは基本的には上記ステップS16で追加記録した手動操作の履歴データに基づいて、ステップS12又はS14による自動移動の履歴データを修正するものである。詳しくは図3の具体例を用いて後述する。【0032】上記のように必要に応じてカーソル移動履歴14の移動履歴データを修正することで、後述する図3の具体例のように、カーソル自動移動が、最初はD列(セル1D)まで移動していたが、その後はD列には移動しないようになっている。上記の通りこの例ではD列のセルはデータ入力対象ではないので、カーソルをD列に移動させることは無駄なこととなる。本手法では、この様な無駄なカーソル移動が行われないようにすることも可能となる。」
ウ 「【図2】[図:0001416324000004.jpg]」
(3)引用文献4の記載
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4には、次の事項が記載されている。
ア 「【0020】次に、図2の参照により、制御部10がどのように医療診断支援装置11を制御しているかについて説明する。図2によって示される処理は、CPU100が主メモリ101に格納されているプログラムを実行することにより実現される。ステップS201において、CPU100は、マウス105やキーボード106の入力に応じて、診断対象となる医用画像データ(以下、「診断対象画像」と呼ぶ)を医療診断支援装置11に入力する。より詳細には、CPU100は、医用画像データベース12からLAN14を介して特定の医用画像データを診断対象画像として受信することにより、医用画像の入力を行う。あるいは、CPU100は、医療診断支援装置11に接続された外部記憶装置から特定の医用画像データを診断対象画像として読み取ることにより、医用画像の入力を行う。【0021】ステップS202において、CPU100は、医療診断支援装置11に入力された診断対象画像を、モニタ104に表示する。【0022】ステップS203において、CPU100は、ユーザ(医師)がモニタ104に表示された診断対象画像を見ながらマウス105やキーボード106を用いて入力する暫定的な所見を、仮入力所見として主メモリ101に記憶する。本ステップにおける所見の仮入力処理は、例えば、図4から図7(a)、(b)を用いて説明するテンプレート入力方式を用いた所見の仮入力手段のいずれか一つを用いることによって実現できる。」
イ 「【0031】図6(a)の参照により所見の仮入力手段として機能する第3の操作画面例を説明する。同図において、リストボックス601は、所見1に対する値を入力するためのコントロールであり、複数の値を同時に選択可能である。所見2から8についても同様である。複数の値を選択可能なリストボックスの操作方法については一般に知られているので、説明を省略する。【0032】同図において、ユーザ(医師)は、入力が必要と判断した所見に対してのみ値を入力する。また、ユーザ(医師)は、各所見の値の入力に際して、値の選択に迷いが生じた場合は、2つ以上の値を選択することができる。値の選択に迷いが生じなければ、1つだけ値を選択すればよい。同図の例では、ユーザ(医師)は、所見1、3及び6については迷いが生じたためそれぞれ2つずつ値を選択しており、所見4及び8については迷いが生じなかったため1つだけ値を選択している。【0033】CPU100は、各リストボックスの選択状態を調べ、値が1つだけ選択されている所見については、選択された値を本入力値として主メモリ101に記憶する。また、CPU100は、値が2つ以上選択されている所見については、選択されたすべての値を仮入力値として主メモリ101に記憶する。なお、リストボックスで選択された仮入力値は、例えば、選択された時刻が早い順に、第1の値、第2の値、・・・、と設定すればよい。あるいは、予め定めたルール(例えば、選択肢bよりaを、cよりbを優先する等)に基づいて第1の値を決定してもよい。【0034】図6(b)は、図6(a)の説明において例示した入力をユーザ(医師)が行った場合に、ステップS203の処理の結果として主メモリ101に記憶される本入力所見及び仮入力所見の一覧形式の表示を例示する図である。図6(a)に示した各リストボックスでは、最大5個まで値を選択可能なので、仮入力所見は第1の値から第5の値まで持つことが出来る。本入力所見は第1の値しか持たないため、第2の値から第5の値までの欄はすべて無効である。仮入力値は最大5個まで選択可能だが、実際に選択された値はいずれも2個なので、第3の値から第5の値まではNULLを記憶する。あるいは、予めリストボックスで選択可能な値の個数を、最大2、3または4個に設定しておいてもよい。」
ウ 「【図6】[図:0001416324000005.jpg]」
(4)引用文献5の記載
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献5には、次の事項が記載されている。
ア 「【0033】ここで、病院内における患者自身の処理の流れと、内視鏡部門システムで病院スタッフが操作する各端末(クライアントPC)の処理や画面表示種類の状態遷移を図4に示した。患者が病院に来て、受付を行う際、新規、再診(予約有り/無し)に応じて、患者情報が病院情報システムに登録される。そして、登録した情報は、受診を行う診療科の部門システムにオーダ情報と共に送られる。ここでは、内視鏡部門に検査オーダを発生したことを想定する。従って、このオーダ情報は図3に示した検査依頼情報DB21cにも登録される。【0034】受付を済ませた患者が内視鏡検査を行う診療科に来て、受付で受領したカルテや診療科受付票などを受付20A(図2)に渡すと、受付20Aでは、その患者の検査オーダを内視鏡部門システム20に問い合わせる。そして、患者の検査オーダを特定して、この検査オーダに対して診療・検査が行われる。続きを表示(全30行)【0035】内視鏡検査では、検査により得られる画像が内視鏡装置24のモニタ画面や、クライアントPC22の表示部22bにより表示される。そして、検査後に技師や医師がレポートを記入、あるいはレポートの一部を記入して、更に、必要に応じて病理依頼を行い、この検査に対する実施報告を行う。【0036】この実施報告においては、実際に検査で使用した薬剤やその他の物品を特定する情報を手作業で入力することになる。この情報がないと、例えば会計処理で正しい請求金額を算出できない。しかし、薬剤等の情報の入力にあたり、使用薬剤を逐一入力していると、間違いや入力漏れが生じやすく、手間が掛かり、煩わしい。【0037】そこで本実施形態のシステムにおいては、実際に検査で使用した薬剤やその他の物品の情報を入力するための操作を容易にし、入力間違いや入力漏れの発生を防止するために、入力操作を支援する機能を搭載している。【0038】即ち、検査の内容に応じて予め定められた薬剤等が使用されることに着眼しており、前述のように、予め検査種や検査部位に対応付けて使用する薬剤やその他の物品の候補の一覧が、図3に示す手技・実施セットDB21bに登録してある。従って、クライアントPC22を操作する入力者が、表示される画面を見ながら検査の部位や検査内容を指定するための入力操作を行うだけで、使用された複数の薬剤等の一覧を手技・実施セットDB21bから抽出し、これらの情報を画面上に表示することができる。そして、一覧表示された薬剤等を入力者の操作により一括して登録(入力)したり、表示された複数の候補の中から実際に投与した特定の薬剤だけを入力者が個別に選択的に登録することも可能である。【0039】クライアントPC22の画面表示に関する具体例を図5に示した。図5に示す「実施セット選択」ウインドウW11においては、最初に複数の検査部位の候補の中から特定の検査部位を選択することができる。具体的には、「上部消化管(食道、胃)」、「下部消化管(直腸、大腸)」、「気管支」等の候補の中から1つの検査部位を選択できる。【0040】例えば上部消化管の検査を行う際に、図5に示すように、実施セット選択の画面で入力者が「上部消化管」と入力、又は「上部消化管(食道、胃)」、「下部消化管(直腸、大腸)」、「気管支」等の候補の中から「上部消化管」を選択すると、上部消化管に関係する検査内容、又は検査セットの一覧が一覧表示部W11aに表示される。【0041】ここで、表示されている候補の中から例えば「上部内視鏡検査セット」を指定(選択)すると、この「上部内視鏡検査セット」に対応する薬剤(薬剤A,B,C,D)と、材料(材料A,B,C,D,E)がプログラムの処理によって自動的に手技・実施セットDB21bから抽出され、画面上のウインドウW12に図5に示すように一覧表示される。【0042】例えば、上部内視鏡検査として実施される胃の検査では、喉の麻酔剤(キシロカイン)、鎮痙剤(胃の動きをとめ、唾液分泌を抑制する薬)、鎮静剤(静脈麻酔剤)が一般的に使用されるので、これらの薬剤の一覧と「上部内視鏡検査セット」とが対応付けられて画面に一覧表示される。【0043】なお、自動的に、もしくは必要に応じて所定の入力操作を行うことにより、指定された条件(この場合は「上部内視鏡検査セット」)に該当する薬剤やその他の材料の最新の情報について医薬品DB21aの検索を実施する。従って、予め手技・実施セットDB21b上で対応付けられている薬剤や材料だけでなく、最新の情報として医薬品DB21aに登録されている薬剤やその他の材料についても、実際に使用した薬剤等の候補として画面に一覧表示し、入力対象として指定することができる。【0044】画面に表示されているこれらの薬剤及び材料を選定した状態で画面上の「追加」ボタンを入力者がクリックすると、選定された全ての薬剤及び材料を特定する情報が、この検査オーダに対して実際に使用された薬剤及び材料として登録される。また、図5に示すように画面上にリストとして一覧表示された薬剤、材料にはそれぞれチェックボックスが表示されており、初期状態では全てが選定された状態になっている。しかし、各々のチェックボックスを入力者がクリックすることにより、医師が意図的に使用しなかった特定の薬剤や材料を任意に指定から外す(登録から除外する)こともできる。【0045】また、上記のように検査に必要な薬剤、材料を表示する以外にも、検査のオプションとして使用する可能性のある薬剤、材料を全てリストアップして一旦表示させ、チェックボックスに任意にチェックすることで、入力操作を簡単化できる。例えば、検査のオプションとして実施される可能性のある手技である「食道狭窄拡張」と関連付けられた薬剤及びその他の物品の一覧が手技・実施セットDB21bに登録してあるので、図5に示す一覧表示部W11aに表示されている1項目の「食道狭窄拡張」を入力者がクリックすると、「食道狭窄拡張」と関連付けられた薬剤及びその他の物品の一覧が手技・実施セットDB21bから自動的に抽出され、これらの情報がウインドウW12に一覧表示される。従って、「上部内視鏡検査セット」の基本的な検査で使用する薬剤及び材料の他に、「食道狭窄拡張」のようなオプション検査項目についても、薬剤及び材料に関する入力操作を簡略化することができる。【0046】つまり、「上部内視鏡検査セット」のように、「上部内視鏡検査」において常時使用される検査使用物品の一覧と、「食道狭窄拡張」のように、「上部内視鏡検査」において使用の有無が択一的に決定される選択使用物品の一覧とを独立して手技・実施セットDB21bで管理すると共に、互いに区別して表示している。また、少なくとも選択使用物品については使用の有無をチェックボックス等を利用して択一的に個別検査情報として登録できる。従って、種々の状況下で生じるオプション的な検査に対しても、検査使用物品を簡単に登録することができる。【0047】いずれにしても、検査オーダに対して特定される検査部位の区分(上部消化管、下部消化管、気管支)及び検査種別(内視鏡検査セット)に応じて、予めそれに対応付けられている薬剤や材料の候補が一覧表示され、入力者はこれらの物品を一括、又は選択的に個別検査情報として簡単な入力操作で登録できるので、検査に応じた検査使用物品を漏れなく、しかも簡単に登録できる。また、予め登録しておいた検査使用物品の組合せの中から選択することで、簡単に検査使用物品を抽出できる。」
イ 「【図4】[図:0001416324000006.jpg]」
ウ 「【図5】[図:0001416324000007.jpg]」
(5)引用文献6の記載
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献6には、次の事項が記載されている。
ア 「[0028] 次に、図1に示す操作支援装置を用いて操作支援を行う場合の操作画面の具体的な表示例について説明する。図2は、操作支援を行う場合の操作画面の具体的な表示例を示す説明図である。図2に示す例では、アプリケーション111としてブラウザを用いて検索サービスを利用する場合を示している。例えば、図2に示す例では、操作者(ユーザ)は、検索サービスにおいて、検索式を検索式テキストボックス301に入力する操作を行い、検索ボタン302を押す(例えば、マウスクリックする)操作を行う。すると、検索式テキストボックス301の隣のサブウィンドウの結果一覧リスト303に結果一覧が出力(表示)される。そして、結果一覧の中から興味のある項目をチェックボックスで選んでから一覧表示ボタン304を押す(例えば、マウスクリックする)操作を行うと、興味のある情報の概要が表示される。[0029] 上記の手順によるインタフェースがある場合、操作支援装置を用いた操作支援の処理を行うことによって、検索式テキストボックス301から検索ボタン302への矢印311が表示される。また、検索ボタン302から結果一覧リスト303のチェックボックスへの矢印312が表示され、結果一覧リスト303のチェックボックスから一覧表示ボタン304への矢印313が表示される。[0030] さらに、検索式テキストボックス301の操作が一番最初にすべき操作であることを示す番号321が表示され、検索ボタン302の操作が2番目にすべき操作であることを示す番号322が表示される。また、結果一覧リスト303のチェックボックスの操作が3番目にすべき操作であることを示す番号323が表示され、一覧表示ボタン304の操作が4番目にすべき操作であることを示す番号324が表示される。[0031] 以上のような態様で、操作画面において操作手順情報が表示される。」
イ 「[図2][図:0001416324000008.jpg]」
(6)引用文献7の記載
当審において新たに引用する、「チェックボックス(サブウィンドウ)」, [online], 2022年12月12日 [2024年8月26日検索], インターネット <URL: https://wagby.com/manual8/relation-check-search.html>(以下「引用文献7」という。)には、次の事項が記載されている。
「顧客モデルでの例を示します。図1の「趣味」項目はチェックボックス型ですが、「検索..」ボタンが用意されています。[図:0001416324000009.jpg]図1 チェックボックス型項目の検索ボタンボタンを押下するとサブウィンドウが開きます。複数の項目を選択することができます。続きを表示(全12行)[図:0001416324000010.jpg]図2 サブウィンドウ(1)項目を選択後、「選択値をセット」ボタンを押下します。[図:0001416324000011.jpg]図3 サブウィンドウ(2)選択された値がチェックされた状態になります。[図:0001416324000012.jpg]図4 チェックボックスが表示される」
(7)引用文献8の記載
当審において新たに引用する特開2019-82776号公報(以下「引用文献8」という。)には、次の事項が記載されている。
ア 「【0003】ユーザが手を使用しなくても操作可能な装置としてHMD(Head Mounted Display)装置(単にHMDとも呼ばれる)がある。例えば、或る特許文献に開示の技術においては、ユーザの眼球運動および脳波が計測され、計測された眼球運動および脳波に基づきHMD装置の動作が決定される。」
イ 「【0006】本発明の目的は、1つの側面では、HMD装置に対して視線の移動により行う操作を支援するための技術を提供することである。」
ウ 「【0012】図3は、HMD装置100をユーザ側(すなわち正面前方の反対側)から見た場合の外観を示す図である。パッド113はフレーム110に取り付けられている。パッド113には電極ER、電極EL及び電極EMが取り付けられている。また、フレーム110には制御部150及びバッテリ170が埋め込まれている。レンズ111には表示部120R及び120Lが取り付けられている。」
エ 「【図3】[図:0001416324000013.jpg]」
オ 「【0060】図16に示すように、ユーザが視線方向を左方向にすることで表示部120R及び120L上のカーソルが左方向に移動してきたとする。この場合、カーソルはフィッティング範囲frに入るまでは通常どおり移動する。【0061】図17に示すように、カーソルがフィッティング範囲frに入ると「OK」のチェックボックス上に移動する。このようにすれば、チェックボックスからフィッティング範囲frの端までの移動をするためにユーザが視線方向を制御する必要がないので、ユーザはより早くチェックボックスにチェックを入れることが可能である。」
カ 「【図16】[図:0001416324000014.jpg]【図17】[図:0001416324000015.jpg]」
第5 対比及び判断
1 本願発明3について
(1)対比
本願発明3と引用発明を対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明の「電子カルテ入力支援」は、本願発明3における「ユーザによる医療情報の入力を支援する」ことに相当する。
引用発明の「パーソナルコンピュータに実行させる方法」は、本願発明3の「コンピュータを用いた」「方法」に相当する。
したがって、引用発明の「電子カルテ機能6をパーソナルコンピュータに実行させる方法」は、「電子カルテ入力支援機能」を含むことから、本願発明3の「ユーザによる医療情報の入力を支援するコンピュータを用いた入力支援方法」に相当する。
イ 引用発明の「患者の情報」は、医療を受けようとする者の情報であるから、本願発明3の「医療情報」に相当する。
引用発明の「複数のフィールド」は、本願発明3の「複数の領域」に相当する。
引用発明の「“新規患者登録”画面」は、パーソナルコンピュータの表示手段に表示されることが明らかであるから、上記アを踏まえると、本願発明3の「コンピュータ」が「表示処理」する「入力画面」に相当する。
したがって、引用発明において「患者の情報を受け付ける複数のフィールドを含」む「“新規患者登録”画面」をパーソナルコンピュータの表示手段に表示することは、本願発明3の「前記コンピュータは、医療情報を受け付ける為の複数の領域が表示される入力画面を表示処理」することに相当する。
ウ 引用発明の「“(性別を示す)”フィールド」は、「プルダウンメニュー」から選択した1のデータを入力するものであるから、本願発明3の「1のデータを選択入力可能な入力形式の領域」に相当する。
してみれば、引用発明の「“(性別を示す)”フィールド」を含む「複数のフィールド」は、本願発明3の「1のデータを選択入力可能な入力形式の領域、及び複数のデータを選択入力可能な入力形式の領域を含」む「前記複数の領域」と、「1のデータを選択入力可能な入力形式の領域」を含む点で共通する。
エ 引用発明の「プルダウンメニュー」は、「“男”を(マウスのクリック操作で)入力」できるものであるから、本願発明3の「前記データの入力を受け付けるデータ受付部」に相当する。
引用発明の「“(性別を示す)”フィールド」は、「プルダウンメニューに“男”を(マウスのクリック操作で)入力すると」「“男”を表示する」ものであるから、本願発明3の「入力を受け付けたデータを表示するデータ表示部」に相当する。
したがって、引用発明の「プルダウンメニュー」を含む「“(性別を示す)”フィールド」は、本願発明3の「前記データの入力を受け付けるデータ受付部と、入力を受け付けたデータを表示するデータ表示部とを含」む「前記領域」に相当する。
オ 引用発明における「“(性別を示す)”フィールドのプルダウンメニューに“男”を(マウスのクリック操作で)入力する」ことは、上記ウを踏まえると、本願発明3の「前記入力形式が1のデータを選択入力可能な入力形式の場合に」おける「前記データの選択入力」に相当する。
したがって、引用発明における「“(性別を示す)”フィールドのプルダウンメニューに“男”を(マウスのクリック操作で)入力する」ことは、本願発明3における「前記データの入力完了に係る入力を受け付け」ることに相当する。
カ 引用発明における「“(性別を示す)”フィールドのプルダウンメニューに“男”を(マウスのクリック操作で)入力する」ことは、上記オを踏まえると、本願発明3における「前記入力完了に係る入力は、前記入力形式が1のデータを選択入力可能な入力形式の場合には、前記データの選択入力であり、前記入力形式が前記複数のデータを選択入力可能な入力形式の場合には、前記データの選択入力に加えて、選択入力の完了に係る入力であ」ることと、「前記入力形式が1のデータを選択入力可能な入力形式の場合には、前記データの選択入力であ」る点で共通する。
キ 引用発明における「“(性別を示す)”フィールドのプルダウンメニューに“男”を(マウスのクリック操作で)入力すると、」「“職業”フィールドのプルダウンメニューが開」くことは、「“(性別を示す)”フィールド」の次に入力するフィールドが「“職業”フィールド」であること及び「“職業”フィールド」への入力をプルダウンメニューにより行うことがあらかじめ設定されていることが明らかであるから、上記エ及びオを踏まえると、本願発明3における「あらかじめ設定された前記領域の選択順序に従って、前記入力完了に係る入力を受け付けた領域の次の前記領域を、前記データの入力を受け付け可能にアクティブにし、」「アクティブにされた領域の入力形式に基づいて、該領域の前記データ受付部を表示処理する」ことに相当する。
引用発明における「マウスのカーソルが“職業”フィールドへ自動移動」することは、上記エを踏まえると、本願発明3における「該領域の前記データ受付部に重畳するようにマウスカーソルを移動して表示処理」することと、「該領域」「に重畳するようにマウスカーソルを移動して表示処理」する点で共通する。
してみれば、引用発明における「“(性別を示す)”フィールドのプルダウンメニューに“男”を(マウスのクリック操作で)入力すると、マウスのカーソルが “職業”フィールドへ自動移動し、“職業”フィールドのプルダウンメニューが開」くことは、本願発明3における「あらかじめ設定された前記領域の選択順序に従って、前記入力完了に係る入力を受け付けた領域の次の前記領域を、前記データの入力を受け付け可能にアクティブにし、アクティブにされた領域の入力形式に基づいて、該領域の前記データ受付部を表示処理すると共に、該領域の前記データ受付部に重畳するようにマウスカーソルを移動して表示処理」することと、「あらかじめ設定された前記領域の選択順序に従って、前記入力完了に係る入力を受け付けた領域の次の前記領域を、前記データの入力を受け付け可能にアクティブにし、アクティブにされた領域の入力形式に基づいて、該領域の前記データ受付部を表示処理すると共に、該領域」「に重畳するようにマウスカーソルを移動して表示処理」する点で共通する。
(2)一致点及び相違点
上記(1)から、本願発明3と引用発明の間には、次のアのとおりの一致点及びイ-オのとおりの相違点があるといえる。
ア 一致点
「ユーザによる医療情報の入力を支援するコンピュータを用いた入力支援方法であって、前記コンピュータは、医療情報を受け付ける為の複数の領域が表示される入力画面を表示処理し、前記複数の領域は、1のデータを選択入力可能な入力形式の領域を含み、前記領域は、前記データの入力を受け付けるデータ受付部と、入力を受け付けたデータを表示するデータ表示部とを含み、前記データの入力完了に係る入力を受け付け、前記入力完了に係る入力は、前記入力形式が1のデータを選択入力可能な入力形式の場合には、前記データの選択入力であり、あらかじめ設定された前記領域の選択順序に従って、前記入力完了に係る入力を受け付けた領域の次の前記領域を、前記データの入力を受け付け可能にアクティブにし、アクティブにされた領域の入力形式に基づいて、該領域の前記データ受付部を表示処理すると共に、該領域に重畳するようにマウスカーソルを移動して表示処理する、入力支援方法。」
イ 相違点1
本願発明3の「複数の領域」は「複数のデータを選択入力可能な入力形式の領域」を含むのに対し、引用発明の「複数のフィールド」は複数のデータを選択可能なフィールドを含まない点。
ウ 相違点2
本願発明3では、「前記入力形式が前記複数のデータを選択入力可能な入力形式の場合には、前記データの選択入力に加えて、選択入力の完了に係る入力」を「前記入力完了に係る入力」とするのに対し、引用発明では、複数のデータを選択可能なフィールドについての入力完了に係る入力が特定されていない点。
エ 相違点3
本願発明3では、マウスカーソルの移動を「前記データ受付部に重畳するように」行うのに対し、引用発明では、マウスのカーソルの自動移動先が「“職業”フィールド」であって「プルダウンメニュー」ではない点。
オ 相違点4
本願発明3では、「前記アクティブにされた領域の入力形式が前記複数のデータを選択入力可能な入力形式の場合」に、「前記選択順序における直前の領域について前記入力完了に係る入力がされることを契機に、前記データ受付部を、選択肢を表示する及び前記選択入力の完了に係る入力を受け付ける前記データ受付部を前記入力画面に重畳して表示処理し、且つ前記マウスカーソルを前記選択肢に重畳して表示処理し、前記データ受付部においてデータの選択入力と選択入力の完了に係る入力がされると、前記入力画面内に表示される前記データ表示部に、前記選択入力されたデータを表示処理する」のに対し、引用発明では、マウスのカーソルが自動移動した先が複数のデータを選択可能なフィールドの場合の処理が特定されていない点。
(3)相違点についての判断
事案に鑑みて、相違点4について先に検討する。
引用文献8には、上記第4の2(7)に摘記したとおり、カーソルがフィッティング範囲frに入ると「OK」のチェックボックス上に移動する、HMD(Head Mounted Display)装置に対して視線の移動により行う操作を支援する方法が記載されている。しかしながら、引用文献8には、入力画面に重畳して表示されたデータ受付部に表示されたチェックボックス上にカーソルを移動することは記載されておらず、相違点4に係る本願発明3の「前記データ受付部を前記入力画面に重畳して表示処理し、且つ前記マウスカーソルを前記選択肢に重畳して表示処理」する構成(以下「相違点4構成」という。)は、引用文献8に記載されていない。
そして、相違点4構成は、引用文献1-2,4-7に記載されたものではなく、本願の出願日前における周知技術であったとも認められない。
したがって、本願発明3は、相違点1-3について判断するまでもなく、当業者であっても、引用発明、引用文献1-2,4-8に記載の発明に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。
2 本願発明1について
本願発明1は、本願発明3に対応する入力支援システムの発明であり、本願発明3の相違点4構成に対応する構成を備えるものであるから、本願発明3と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献1-2,4-8に記載の発明に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。
3 本願発明2について
本願発明2は、本願発明3に対応する入力支援プログラムの発明であり、本願発明3の相違点4構成に対応する構成を備えるものであるから、本願発明3と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献1-2,4-8に記載の発明に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。
第6 原査定について
本願発明1-3は、上記第5に記載のとおり、当業者であっても、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1-6に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定を維持することはできない。
第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2024-002132