特許拒絶査定不服審判
2024-001213
便器装置
- 審判番号
- 2024-001213
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-215529
- 請求日
- 2024年01月24日
- 審決日
- 2025年04月24日
- 公報発行日
- 2025年07月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社LIXIL
- 【請求人代理人】正林 真之
- 【請求人代理人】芝 哲央
- 【請求人代理人】岩池 満
- 【請求人代理人】星野 寛明
- 審判長/審判官
- 審判長 有家 秀郎
- 審判官 道祖土 新吾
- 審判官 山本 一
- 分類
- P18 .121-WZ (A47K) / P18 .537-WZ (A47K)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第2項、特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2019-215529「便器装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 6月 3日出願公開、特開2021- 83767〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和元年11月28日の出願であって、その手続の経緯は、概略以下のとおりである。
令和5年 6月12日付け:拒絶理由通知書
同年 8月 7日 :意見書、手続補正書の提出
同年10月16日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
(同月24日 :原査定の謄本の送達)
令和6年 1月24日 :審判請求書、手続補正書の提出
同年10月31日付け:拒絶理由通知書(最後)
同年12月25日 :意見書、手続補正書の提出
第2 本願発明について
令和6年12月25日に提出された手続補正書による手続補正(以下、「本件補正」という。)は、特許請求の範囲について、下記1に示す本件補正前の(令和6年1月24日に提出された手続補正書により補正された)特許請求の範囲を、下記2に示す本件補正後の特許請求の範囲へと補正するものである(下線部は、補正箇所を示す。)。
1 本件補正前の特許請求の範囲
【請求項1】
左右両側端部から後方に向けて突出した一対のヒンジ部を有し、
前記ヒンジ部は、天面部と、外側面部と、背面部と、を有して構成され、
後方に上り傾斜して、後方端部に至るまで前記ヒンジ部の一部が機能部の上に乗り上げるように配置されると共に、
前記ヒンジ部は、前記機能部に設けられた便蓋のヒンジと前後方向に並んで配置され、
前記背面部は、平面を有し、
前記天面部は、前記外側面部に向かって下り傾斜する、便座を有する、便器装置。
【請求項2】
前記ヒンジ部はさらに、前記天面部と前記外側面部との間に介在する側方曲面部を有して構成され、
前記側方曲面部の第1の部位の曲率半径は、前記側方曲面部において前記第1の部位よりも前方に位置する第2の部位の曲率半径よりも大きい、請求項1に記載の便器装置。
【請求項3】
前記ヒンジ部はさらに、後方端部に背面部と、前記背面部と前記外側面部との間に介在する後方曲面部を有して構成され、
前記後方曲面部の第3の部位の曲率半径は、前記後方曲面部において前記第3の部位よりも上方に位置する第4の部位の曲率半径よりも小さい、請求項1または2に記載の便器装置。
2 本件補正後の特許請求の範囲
【請求項1】
便座を有する便器装置であって、
前記便座は、
左右両側端部から後方に向けて突出した一対のヒンジ部を有し、
前記ヒンジ部は、天面部と、外側面部と、前記天面部と前記外側面部との間に介在する側方曲面部と、背面部と、を有して構成され、
後方に上り傾斜して、後方端部に至るまで前記ヒンジ部の一部が機能部の上に乗り上げるように配置されると共に、
前記ヒンジ部は、前記機能部に設けられた便蓋のヒンジと前後方向に並んで配置され、
前記背面部は、一部に略平面を有し、
前記天面部は、前記外側面部に向かって下り傾斜し、
前記側方曲面部の第1の部位の曲率半径は、前記側方曲面部において前記第1の部位よりも前方に位置する第2の部位の曲率半径よりも大きい、便器装置。
【請求項2】
前記ヒンジ部はさらに、前記背面部と前記外側面部との間に介在する後方曲面部を有して構成され、
前記後方曲面部の第3の部位の曲率半径は、前記後方曲面部において前記第3の部位よりも上方に位置する第4の部位の曲率半径よりも小さい、請求項1に記載の便器装置。
3 本件補正の目的
本件補正の補正事項は全て、請求項1を削除して、本件補正前の請求項1を引用する請求項2を新たに請求項1とするとともに、これに伴い不合理となる記載を、改める補正事項、又は、後記第3の拒絶理由で指摘した理由1に示す事項について明りょうとする補正事項といえる。
したがって、本件補正の目的は、請求項の削除及び明りょうでない記載の釈明であると認められる。
4 本願発明
上記3のとおりであるから、本願の請求項1~2に係る発明は、令和6年12月25日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1~2に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、そのうち、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記2に示したとおりである。
第3 当審拒絶理由の概要
令和6年10月31日付けで、当審において通知した拒絶理由の概要は次のとおりのものである。
理由1(明確性)この出願は、本件補正前の特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
理由2(進歩性欠如)本件補正前の請求項1~3に係る発明は、本願の出願前に発行された下記の引用文献に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用文献1:特開2017-42444号公報
引用文献2:意匠登録第1175123号公報
第4 当審の判断
1 各引用文献に記載された事項及び引用発明等の認定
(1)引用文献1
ア 引用文献1に記載される事項
当審拒絶理由通知において引用文献1として引用した、本願の出願前に発行された文献である特開2017-42444号公報には、以下の事項が記載されている(下線は当審において付した。以下、同じ。)。
(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、便座装置に関する。
・・・
【0006】
本発明は、ヒータ部を便座に容易に組み付けることができる暖房便座装置を提供すること目的とする。
・・・
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る便器装置を示す斜視図である。
【図2】上記実施形態の暖房便座装置を示す分解斜視図である。
【図3】上記実施形態の暖房便座装置の背面図であり、座裏部は省略して示されている。
【図4】上記実施形態のヒンジ部の内部を示す斜視断面図である。
【図5】上記実施形態のグロメットを示す図であり、(a)図は、グロメットの斜視図であり、(b)図は、グロメットをヒンジ部に取り付けた状態の図である。」
(イ)「【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。
図1は、本実施形態に係る暖房便座装置としての便座装置1を有する便器装置100の斜視図である。便器装置100は、便器部2と、便座装置1と、便蓋3と、機能部5と、を備える。
【0013】
以下の説明においては、機能部5から便座装置1へと向う方向(図1の左下方向)を前方向とし、その反対方向を後方向とし、これらを前後方向と定義する。また、前後方向に交差する方向を左右方向と定義する。
【0014】
便器部2は、使用者が必要に応じて腰掛けて使用することのできる所謂洋式便器であり、環状の縁と下方に凹む凹部を備えている。便器部2は、例えば陶製である。
【0015】
機能部5は、便座装置1を温めたり便器部2を洗浄する等の各種機能を実行する制御機構がケーシング内に収容されて構成され、便器部2の後部上面に配置されている。
【0016】
便蓋3は、便器部2の開口を覆う蓋であり、便器部2の上に載置された機能部5に回動可能に軸支される。
【0017】
図2は、便座装置1を示す分解斜視図である。ヒータユニット120は省略されている。図3は、便座装置1の背面図であり、背面側の板面である座裏部12は省略され、座表部11の裏面が示されている。
【0018】
便座装置1は、便器部2の前方側に取り付けられ、使用者が腰を掛ける座面となる部分である。便座装置1は、便座110と、ヒータユニット120(図3参照)と、を有する。便座装置1は、便座110を電熱により温めて使用することができる。
図2に示すように、便座110は、座表部11と、座裏部12と、により構成されている。
座表部11は、便座110の表面113及び、表面113の外縁から厚さ方向の下方へ連続する側面114を構成する。座表部11の機能部5側の側面には、開口21が形成されている。
座裏部12は、座表部11に固定されて便座110の裏面を構成する略平坦な面であり、便器部2の上面に載置されて使用される。座表部11及び座裏部12は、溶接により接合されて、便座110の内部を中空状に構成しており、図3に示すように、内部に後述するヒータユニット120を収容している。
【0019】
また、便座110は、便座本体10と、一対のヒンジ部20と、を備える。
便座本体10は、便器部2の環状の縁を覆うように所定の幅を有する環状に形成され、中央に開口部が形成されている。便座本体10は、後方側の外縁が左右方向に直線状に延び、後方側の外縁から手前に向かって略U字状に延びている。
【0020】
図4は、便座110におけるヒンジ部20の内部を示す斜視断面図である。図2及び図4を参照して、ヒンジ部20について説明する。
ヒンジ部20は、図2に示すように、便座本体10の後方における左右方向の両端部から後方へ延びる部分であり、一対のヒンジ部20は互いに向かい合っている。ヒンジ部20は、便座本体10と連続して形成されている。ヒンジ部20は、機能部5に回動可能に取り付けられている。
【0021】
ヒンジ部20は、開口21と、リブ22と、を有する。
開口21は、コネクタケーブル60を外部へ挿通させるための孔である。開口21は、ヒンジ部20の一方側、すなわち機能部5側の側面としての内側面20aに形成される略円形の孔である。開口21は、座表部11の裏面から所定高さH1離間した位置に、開口21の内周縁210が位置するように配置されている。言い換えれば、所定高さH1とは、座表部11の裏面から開口21の内周縁210までの高さである。
【0022】
図4に示すように、リブ22は、ヒンジ部20の座表部11側に形成され、他方側、すなわち機能部5側の側面に対向する側面としての外側面20bから、内側面20aまで延びている。リブ22は、リブ22の延びる方向に略直交する方向に、互いに離間して2つ配置されている。」
(ウ)「【図1】
[図:0001424199000001.jpg]
【図2】
[図:0001424199000002.jpg]
・・・
【図4】
[図:0001424199000003.jpg]
【図5】
[図:0001424199000004.jpg]
」
イ 引用文献1から把握できる事項
(ア)上記ア(イ)の段落【0020】の「ヒンジ部20は、図2に示すように、便座本体10の後方における左右方向の両端部から後方へ延びる部分であり、一対のヒンジ部20は互いに向かい合っている。ヒンジ部20は、便座本体10と連続して形成されている。」との記載からすれば、上記ア(ウ)の図1のヒンジ部20が延びる左上方向が後方と認められる。また、段落【0015】の「機能部5は、・・・便器部2の後部上面に配置されている。」との記載を踏まえると、図1の便座本体10がある便器部2の上面位置からみて、機能部5が後方に行くにつれて上り傾斜に厚みを増すことが見て取れ、その傾斜に合わせて便座110のヒンジ部20が後方に上り傾斜し、後方の端部までヒンジ部20が機能部5の上に乗り上げるように配置されることが見て取れる。
(イ)上記ア(ウ)の図1より、便蓋3が機能部5と接続される部分は、ヒンジ部20の後方に並んで配置されることが見て取れる。上記ア(イ)の段落【0020】の「ヒンジ部20は、図2に示すように、便座本体10の後方における左右方向の両端部から後方へ延びる部分」との記載及び段落【0016】の「便蓋3は、・・・便器部2の上に載置された機能部5に回動可能に軸支される。」との記載を踏まえれば、便蓋3が機能部5に軸支される部分が、ヒンジ部20のさらに後方に並んで配置されると認められる。
(ウ)上記ア(ウ)の図4がヒンジ部20の内部を示す斜視断面図であることを踏まえれば、図中略U字状にハッチングされた部分は、ヒンジ部20の断面を表すと認められる。そして、上記ア(イ)の段落【0018】の「座表部11は、便座110の表面113及び、表面113の外縁から厚さ方向の下方へ連続する側面114を構成する」との記載と上記ハッチングされた部分の形状から、図4は座表部11の表面113を下に向けて裏からみた状態を示していると認められる。
そして、上記ア(イ)の段落【0022】の「リブ22は、ヒンジ部20の座表部11側に形成され、他方側、すなわち機能部5側の側面に対向する側面としての外側面20bから、内側面20aまで延びている」との記載を踏まえると、図4からみて、ヒンジ部20の後方の最奥側に外側面20bと内側面20aとを繋ぐ壁面があり、当該壁面は、外側面20bから曲面を形成して繋がる部分を経て内側面20aに略直角に繋がる部分があることが見て取れる。
また、図4のハッチングされた部分の形状から、ヒンジ部20の便座110の表面113と側面114との間には曲面部が介在することも見て取れる。
(エ)上記ア(ウ)の図4における、開口21の位置及び便座110の裏側の外縁に沿った外側面20bの端面形状と、図5(b)のそれらに対応する場所の位置関係からみて、図5(b)は座表部11の表面113を下に向けて内側面20a側から見た側面図を示していると認められる。そうすると、上記ア(イ)の段落【0018】の記載を踏まえると、図5(b)より、ヒンジ部20の側面視の形状が、座表部11の略直線状の表面113からヒンジ部20の後方に向かって、開口21の周に沿った曲率半径の曲線で形成され、その後、図5(b)の上側に向けて再度略直線状となることが見て取れる。上記ア(イ)の段落【0018】の「座裏部12は、座表部11に固定されて便座110の裏面を構成する略平坦な面であり、便器部2の上面に載置されて使用される。座表部11及び座裏部12は、溶接により接合されて、便座110の内部を中空状に構成」との記載からすれば、図5(b)の上側は、座裏部12側となるから、ヒンジ部20の内側面20a側からみた側面視の輪郭形状は、表面113が略直線状の部分からヒンジ部20の後方に向かって、開口21の周に沿った曲線で形成される部分を経て、その後、座裏部12側に向かって略直線状となる部分を有すると認められる。
ウ 引用発明
上記ア及びイより、引用文献1には、次のとおりの発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「便座装置1と、便蓋3と、機能部5と、を備える便器装置100であって(【0012】)、
便蓋3は、便器部2の上に載置された機能部5に回動可能に軸支され(【0016】)、
便座装置1は、便座110を有し、便座110は、座表部11と、座裏部12と、により構成され、座表部11は、便座110の表面113及び、表面113の外縁から厚さ方向の下方へ連続する側面114を構成し(【0018】)、
便座110は、便座本体10と、一対のヒンジ部20と、を備え(【0019】)、
便座110におけるヒンジ部20は、便座本体10の後方における左右方向の両端部から後方へ延びる部分であり、一対のヒンジ部20は互いに向かい合っており、ヒンジ部20は、機能部5に回動可能に取り付けられ(【0020】)、
便座110のヒンジ部20が後方に上り傾斜し、後方の端部までヒンジ部20が機能部5の上に乗り上げるように配置され(上記イ(ア))、
便蓋3が機能部5に軸支される部分が、ヒンジ部20のさらに後方に並んで配置され(上記イ(イ))、
ヒンジ部20の後方の最奥側に外側面20bと内側面20aとを繋ぐ壁面があり、当該壁面は、外側面20bから曲面を形成して繋がる部分を経て内側面20aに略直角に繋がる部分があり、(上記イ(ウ))、
ヒンジ部20の内側面20a側からみた側面視の輪郭形状は、表面113が略直線状の部分からヒンジ部20の後方に向かって、開口21の周に沿った曲線で形成される部分を経て、その後、座裏部12側に向かって略直線状となる部分を有し(上記イ(エ))、
ヒンジ部20の便座110の表面113と側面114との間には曲面部が介在する(上記イ(ウ))、
便器装置100」
(2)引用文献2
本願の出願前に発行された意匠登録第1175123号公報(以下「引用文献2」という。)には、以下の記載がある。
ア 引用文献2に記載される事項
(ア)「(55)【意匠に係る物品の説明】本物品は温水洗浄機能を有する蓋付便座である。使用状態の説明図に示すように便座カバーが矢印方向に開閉する。
(55)【意匠の説明】本意匠は、その造形が優美で大らかであり、且つ優美的な流線型の曲線線条を有し、誠に芸術造形を生かす工業的設計製品であり、図面に示すように、本意匠の提供するデザインは、その主要な特徴として外形が流線型の造形を表現すると共に、漸次的に変化する円弧角度の設計に合せることによって外見流線が優美的で全体には立体レベル変化を有する美感を備え、且つその先方の両側辺部に円弧曲面が形成され、全体に円滑的な感じを付与でき、全体の視覚的効果に大らかな美感を付与し、本意匠の便座カバー部分の造形も優美的な曲線変化と小さい円角を有する稜線を当該便座カバー部分に巧みに分布し、当該便座カバー部分の風貌によって便座全体に新規的な美感を醸し出させるようにすることができる。本意匠は全体的な外見に従来の便座とは異なる新規的な風貌を呈するものである。」
(イ)「【斜視図】
[図:0001424199000005.jpg]
【正面図】
[図:0001424199000006.jpg]
・・・
【使用状態の説明図】
[図:0001424199000007.jpg]
」
イ 引用文献2から把握できる事項
(ア)上記ア(ア)の【意匠に係る物品の説明】欄の「本物品は温水洗浄機能を有する蓋付便座である」、「便座カバーが矢印方向に開閉する」との記載と便座カバーの技術常識をふまえれば、上記ア(イ)の【使用状態の説明図】中の穴が空いている部材が便座カバーであり、便座カバーと略直角に設けられた面状の部材が蓋であると認められる。
また、便座カバーには、【正面図】の左右の端にあり、【斜視図】で蓋側に突出する一対の腕部分があることが見て取れる。そして、便座カバーの開閉は、便座カバーの形状及び【使用状態の説明図】の矢印の形状からみて、当該一対の腕部分の先端側を中心に回動して行われると認められる。
(イ)上記ア(イ)の【正面図】より、上記(ア)で看取した一対の腕部分の先端側は、正面から見た天面部が、外側面部に向かって、下り傾斜する形状であることが見て取れる。
ウ 文献2記載事項
上記ア及びイより、引用文献2には、次のとおりの事項(以下「文献2記載事項」という。)が記載されていると認められる。
[文献2記載事項]
「蓋付便座の便座カバーであって、デザインはその主要な特徴として外形が流線型の造形を表現し、便座カバーには、左右の端にあり、蓋側に突出する一対の腕部分があり、便座カバーの開閉は当該一対の腕部分の先端側を中心に回動して行われ、一対の腕部分の先端側は、正面から見た天面部が、外側面部に向かって、下り傾斜する形状である便座カバー」
2 対比
本願発明と引用発明とを対比する。
(1)引用発明の「一対のヒンジ部20」、「機能部5」、「便蓋3」、「便座110」、「便器装置100」は、用語の意味と機能からみて、本願発明の「一対のヒンジ部」、「機能部」、「便蓋」、「便座」、「便器装置」に相当する。
(2)引用発明の「便器装置100」は、「便座110」を有する「便座装置1」を備えているから、本願発明の「便器装置」と引用発明の「便器装置100」とは、「便座を有する」ものである点で一致する。
(3)引用発明の「便座110」は、「便座本体10と、一対のヒンジ部20と、を備え」るものであるから、本願発明の「便座」と引用発明の「便座110」は、「一対のヒンジ部を有」する点で一致する。
(4)引用発明の「一対のヒンジ部20」は、「便座本体10の後方における左右方向の両端部から後方へ延びる部分であ」るから、本願発明の「一対のヒンジ部」と引用発明の「一対のヒンジ部20」は、「左右両側端部から後方に向けて突出した」点で一致する。
(5)引用発明の「一対のヒンジ部20」は、「後方に上り傾斜し、後方の端部までヒンジ部20が機能部5の上に乗り上げるように配置され」るものであり、ヒンジ部が機能部の上に乗り上げていれば、ヒンジ部の一部が乗り上げているといえるから、本願発明の「一対のヒンジ部」と引用発明の「一対のヒンジ部20」は、「後方に上り傾斜して、後方端部に至るまで前記ヒンジ部の一部が機能部の上に乗り上げるように配置される」点で一致する。
(6)引用発明の「便蓋3が機能部5に軸支される部分」は、「便蓋3」が「機能部5に回動可能に軸支され」るとの機能からみて、本願発明の「機能部に設けられた便蓋のヒンジ」に相当する。
したがって、引用発明の「便蓋3が機能部5に軸支される部分が、ヒンジ部20のさらに後方に並んで配置され」ることは、便蓋3が機能部5に軸支される部分とヒンジ部20とが前後方向に並んで配置されることを意味するから、本願発明の「ヒンジ部」と引用発明の「ヒンジ部20」は、「前記機能部に設けられた便蓋のヒンジと前後方向に並んで配置され」る点で一致する。
(7)引用発明の「ヒンジ部20の後方の最奥側」の「外側面20bと内側面20aとを繋ぐ壁面」は、ヒンジ部20の後方の面、すなわち背面となるから、本願発明の「背面部」に相当する。
また、引用発明の「座表部11は、便座110の表面113及び、表面113の外縁から厚さ方向の下方へ連続する側面114を構成し」、「便座110は、便座本体10と、一対のヒンジ部20と、を備え」ていることから、便座本体10と一体に構成される「一対のヒンジ部20」も「表面113及び、表面113の外縁から厚さ方向の下方へ連続する側面114」を有している。そして、引用発明の「ヒンジ部20」が有する「表面113」及び「側面114」は、本願発明の「ヒンジ部」が有する「天面部」及び「外側面部」に相当する。
(8)引用発明の「ヒンジ部20の便座110の表面113と側面114との間」に介在する「曲面部」は、本願発明の「ヒンジ部」が有する「側方曲面部」に相当する。上記(7)の相当関係を踏まえれば、本願発明の「側方曲面部」と引用発明の「曲面部」とは、「前記天面部と前記外側面部との間に介在する」ものである点で一致する。
(9)上記(7)及び(8)より、本願発明の「ヒンジ部」と引用発明の「ヒンジ部20」は、「天面部と、外側面部と、前記天面部と前記外側面部との間に介在する側方曲面部と、背面部と、を有して構成され」る点で一致する。
(10)引用発明の「ヒンジ部20の後方の最奥側」の「外側面20bと内側面20aとを繋ぐ壁面」は、「内側面20aに略直角に繋がる部分」があり、「ヒンジ部20の内側面20a側から見た側面視の形状」は、「表面113が略直線状の部分からヒンジ部20の後方に向かって、開口21の周に沿った曲線で形成される部分を経て、その後、座裏部12に向かって略直線状となる部分を有」するから、「ヒンジ部20の後方の最奥側」の「外側面20bと内側面20aとを繋ぐ壁面」の、少なくとも「内側面20aに略直角に繋がる部分」であって、かつ、内側面20a側からの側面視で座表部11の裏側に向かって略直線状となる部分は、略平面であるといえる。
したがって、本願発明の「背面部」と引用発明の「ヒンジ部20の後方の最奥側」の「外側面20bと内側面20aとを繋ぐ壁面」は、「一部に略平面を有する」ものである点で一致する。
(11)引用発明の「ヒンジ部20の内側面20a側から見た側面視の輪郭形状」は、「表面113が略直線状の部分からヒンジ部の後方に向かって、開口21の周に沿った曲線で形成される部分」を有するものである。
ここで、「ヒンジ部20」が「便座本体10」の後方へ延びる部分であることからすれば、ヒンジ部20の表面113は、便座本体10の座面と連続して後方へ延びるものとなり、「内側面20a側から見た側面視」で「輪郭形状」について「表面113が略直線状の部分」となる箇所は、外側面20b側から見た輪郭形状も、便座本体10から連続して表面113が略直線状となる同様の形状となると理解するのが自然である。また、「ヒンジ部20の内側面20a側からみた側面視の輪郭形状」について、「ヒンジ部20の後方に向かって、開口21の周に沿った曲線で形成される部分」は、外側面20b側から見た輪郭形状についても、「ヒンジ部20の後方に向かって」「曲線で形成される」輪郭形状となると理解するのが自然である。
そうすると、ヒンジ部20には「表面113と側面114との間」に介在する「曲面部」が設けられるところ、引用発明1のヒンジ部20に「曲面部」が設けられる部分のうち、「側面視」の「輪郭形状」として「ヒンジ部20の後方に向かって、・・・曲線で形成される部分」は、本願発明の「側方曲面部の第1の部位」に相当する。また、引用発明1のヒンジ部20に「曲面部」が設けられる部分のうち、「側面視」の「輪郭形状」として「表面113が略直線状の部分」は、本願発明の「側方曲面部において前記第1の部位よりも前方に位置する第2の部位」に相当する。
(12)上記(1)~(11)より、本願発明と引用発明とは、以下の一致点、相違点を有する。
[一致点]
「便座を有する便器装置であって、
前記便座は、
左右両側端部から後方に向けて突出した一対のヒンジ部を有し、
前記ヒンジ部は、天面部と、外側面部と、前記天面部と前記外側面部との間に介在する側方曲面部と、背面部と、を有して構成され、
後方に上り傾斜して、後方端部に至るまで前記ヒンジ部の一部が機能部の上に乗り上げるように配置されると共に、
前記ヒンジ部は、前記機能部に設けられた便蓋のヒンジと前後方向に並んで配置され、
前記背面部は、一部に略平面を有し、
前記側方曲面部は、第1の部位と、前記側方曲面部において前記第1の部位よりも前方に位置する第2の部位とを有する、便器装置」
[相違点1]
本願発明の「ヒンジ部」の「天面部」は、「前記外側面部に向かって下り傾斜する」のに対し、引用発明の「ヒンジ部20」の「表面113」は、側面114に外縁から厚さ方向の下方へ連続するものの、側面114に向かって下り傾斜するか不明である点。
[相違点2]
本願発明の「側方曲面部」は、「側方曲面部の第1の部位の曲率半径は、側方曲面部において前記第1の部位よりも前方に位置する第2の部位の曲率半径よりも大きい」のに対して、引用発明の「ヒンジ部20」が「表面113と側面114との間」に有する「曲面部」は、「ヒンジ部20の内側面20a側からみた側面視の輪郭形状」について「表面113が略直線状の部分」と、「ヒンジ部20の後方に向かって、開口21の周に沿った曲線で形成される部分」とで、曲率半径の大小関係が不明である点。
3 判断
(1)相違点について
ア 相違点1について
(ア)文献2記載事項の「便座カバー」は、本願発明の「便座」に相当する。
(イ)文献2記載事項の「一対の腕部分の先端側」は、「便座カバーの開閉」が「一対の腕部分の先端側を中心に回動して行われ」るとの機能からみて、本願発明の「一対のヒンジ部」に相当する。
(ウ)文献2記載事項は「一対の腕部分の先端側は、正面から見た天面部が、外側面部に向かって、下り傾斜する形状である便座カバー」であるところ、上記(ア)及び(イ)を踏まえると、一対の「ヒンジ部」の「天面部」が、「外側面部に向かって下り傾斜する」「便座」は、文献2記載事項に示されている。
(エ)そして、便器装置の分野において、引用文献2に示す意匠登録があるように、便座全体に優れた意匠が求められることは当業者に明らかであるところ、引用発明の便器装置の具体化に際して、文献2記載事項の外形を採用し、「ヒンジ部20」の「表面113」を「側面114に向かって下り傾斜する」ように設計することに格段の困難性はない。
(オ)したがって、上記相違点1に係る発明特定事項となすことは、引用発明及び文献2記載事項に基づいて当業者が容易に想到し得るものである。
イ 相違点2について
本願の明細書の【0022】の「側方曲面部93の曲率半径は、便座11の後方ほど大きくなるように構成される。ヒンジ部9 は便座11の後方ほど上へ延びるため、後方ほど側方曲面部93の曲率半径を大きくして外側面部92の上端部を低い位置に形成することが有効である。これにより、便座11の側面視においてさらに意匠性が向上する。」との記載からみて、上記相違点2に係る構成は、意匠性の向上を目的としたものであって、後期(2)ウにも示すとおり、特段の技術的意義を有するものではないと認められる。
以下、相違点2に係る構成の容易想到性について判断する。
引用発明の「ヒンジ部20」が「表面113と側面114との間」に有する「曲面部」について、「ヒンジ部20の内側面20a側からみた側面視の輪郭形状」が「開口21の周に沿った曲線で形成される部分」となる「ヒンジ部20の後方」の部分では、「側面視の輪郭形状」が「曲線」となる部分で「表面113と側面114との間」の「曲面部」を形成するから、当該箇所の「曲面部」は、「側面視」の方向及び「表面113と側面114との間」の正面視方向の両方向について、曲面形状に形成することとなる。これに対し、「ヒンジ部20の内側面20a側からみた側面視の輪郭形状」について「表面113が略直線状の部分」となる、ヒンジ部20の前方の部分では、「側面視の輪郭形状」が「略直線状」となる部分で「表面113と側面114との間」の「曲面部」を形成するから、当該箇所の「曲面部」は、「表面113と側面114との間」の正面視方向についてのみ、曲面形状に形成すれば足りる。そうすると、引用発明の「ヒンジ部20」が「表面113と側面114との間」に有する「曲面部」について、「ヒンジ部20の内側面20a側からみた側面視の輪郭形状」が「略直線状」となる部分の曲率半径よりも、「ヒンジ部20の内側面20a側からみた側面視の輪郭形状」が「開口21の周に沿った曲線で形成される部分」となる「ヒンジ部20の後方」の部分の曲率半径が大きくなるように形成することは、側面視の輪郭が略直線状となる面の端部を正面視方向についてのみ曲面形状に形成する際と、側面視の輪郭が曲線で形成される面の端部を正面視方向についても同時に曲面形状に形成する際の、加工の容易性や曲面部の意匠性等を考慮して、当業者が適宜なし得る単なる設計的事項の採用といえる。
(2)本願発明の奏する効果について
ア 本願発明が奏する効果に関し、本願明細書の段落【0020】-【0021】及び【0026】-【0029】には、傾斜や曲面の存在により意匠性が向上する旨が説明されている。
しかしながら、傾斜や曲面の存在により意匠性が向上するという効果は、曲面を有する引用発明や、下り傾斜を有するとともに外形が流線型の造形を表現する文献2記載事項の内容からみて、当業者が予測し得る程度のものともいえる。また、本願発明を特定する請求項1の記載において、傾斜の程度や曲面の程度が具体的に特定されているわけではないから、傾斜の程度や曲面の程度に応じて意匠性に若干の差が生じることがあるとしても、本願発明の構成に依拠して生じる効果として、引用発明及び文献2記載事項から予測される範囲を超える格別顕著な効果があるということはできない。
イ また、本願発明の効果に関し、審判請求人は令和6年1月24日提出の審判請求書の2.(3-3)において、「ヒンジ部の「背面部は、平面を有し」ております。ヒンジ部の背面部が平面を有しているため、前後方向に並んで配置された便蓋のヒンジに対して、円弧形状のヒンジよりも短い距離で便座を配置することができ、前後方向に対して便器装置をよりコンパクトに構成することができます。」と主張しているので、「ヒンジ部」の「背面部」が「平面」を有している構成、及び「ヒンジ部」が「便蓋のヒンジと前後方向に並んで配置」される構成について検討しておく。
上記2において対比したとおり、「ヒンジ部」の「背面部」が「平面」を有している構成、及び「ヒンジ部」が「便蓋のヒンジと前後方向に並んで配置」される構成は、本願発明と引用発明との一致点であるから、当該構成に依拠した効果として、本願発明と引用発明との間で効果の相違が生じるものではない。
また、便座のヒンジ部は、便座を回動させるための構造と理解できるところ、回動させるに際しては、便座のヒンジ部の外形が、回動の軸中心から等距離の軌跡となることで、いずれの回動位置であっても周囲との距離が等しく保たれるものと理解できる。一方、ヒンジ部の背面部が平面を有する形状となれば、回動の軸中心からの距離が遠くなる部分が必然的に生じるため、便蓋のヒンジに対してその部分長い距離を確保する必要があり、審判請求人が審判請求書でいうような、「円弧形状のヒンジよりも短い距離で便座を配置することができ、前後方向に対して便器装置をよりコンパクトに構成することができ」るとは認められない。したがって、審判請求人が主張する上記の効果自体について検討しても、格別の効果ということはできない。
ウ また、本願発明の効果に関し、審判請求人は、令和6年12月25日提出の意見書の(2-3-2)において、本願明細書の段落【0021】の「便座11は、ユーザの肌が直に接触する部材である。このため、便座11の外形部が曲面によって構成されることで、使用感も向上する。」との記載を挙げ、次のように主張する。
「使用者が座位で便器装置を使用した後、便座から立ち上がる動作を行う場合に、臀部や大腿部の下に手を挿し入れるのではなく、体を支えやすい位置に配置されているヒンジ部にそのまま手を置いて起立する動作の補助に使用することがございます。特に、身体能力が衰えている病人や高齢者には、座った姿勢から立ち上がる際に、ワンクッション置いた動作が必要な場合が多々ございます。
このような場合に、ヒンジ部もユーザの肌が直に接触する部材であり、ヒンジ部が自然に手指に力が込めやすい曲線を有していることで、円滑な補助を行うことができます。特に、「第1の部位の曲率半径は、……第2の部位の曲率半径よりも大きい」ことで、両手を対になるヒンジ部についた時に、後方に置いた手のひらがよりゆるやかなカーブの「第1の部位」を包み込みやすく、また、「第1の部位」から「第2の部位」へと連続して曲率半径が小さくなるため、手のひらから前に延びた指先が添えやすくなり、しっかりと安心して体を支えることができます。従いまして、補正後の請求項1に係る発明から得られる効果は、引用文献の便座からは得ることができない異質の効果であると思料いたします。」
しかしながら、便座から立ち上がる動作を行う場合には、重心位置を前方に移動させ、臀部の荷重を足部に移すことが必要であることは、技術常識であるとともに、使用者が経験則から把握していると理解できる。そうであるところ、審判請求人が主張するように、便座の後方に延びるヒンジ部に手を置いて起立するという動作は、その重心位置を後方に置くものに他ならず、立ち上がる動作として不自然であるから、特に、身体能力が衰えている病人や高齢者についても、便座から立ち上がる際に、そのような起立し難い動作をとることが一般的であるとは考えられない。
そして、一般的な便座の使用形態からすれば、その他にユーザの肌が便座のヒンジ部に直に接触する状況を想定することはできないから、上記審判請求人が主張する効果、及び、段落【0021】記載の「便座11は、ユーザの肌が直に接触する部材である」ことに依拠した効果について、「便座」の「ヒンジ部」の細部形状を特定する本願発明の構成に依拠した格別顕著な効果として、参酌することはできない。
エ したがって、本願発明の奏する効果として、本願発明の構成に依拠した効果であり、かつ、当業者が予測困難である格別顕著な効果を認めることはできない。
(3)審判請求人の主張について
審判請求人は、令和6年12月25日提出の意見書において、上記(2)ウに加え、概略以下の主張を行っている。
ア 本願発明においては、「前記天面部と前記外側面部との間に介在する側方曲面部」を有し、「前記側方曲面部の第1の部位の曲率半径は、前記側方曲面部において前記第1の部位よりも前方に位置する第2の部位の曲率半径よりも大きい」のに対し、引用文献1には、ヒンジ部20を外側面20bから見た曲面部が具体的にどのような形状であるのかについて、開示も示唆もないから、外側面20b側の曲面部の形状や曲率半径について、引用文献1から補正後の請求項1に係るヒンジ部の構成を推考することは困難である。
イ 上記主張について検討する。
上記1(1)イ(ウ)に示したとおり、引用文献1の記載及び図示から、引用発明が有する構成として、「ヒンジ部20の便座110の表面113とから側面114との間には曲面部が介在する」構成を、認定することができる。
また、上記2(11)で述べたとおり、引用文献1において、ヒンジ部20を内側面20a側から見た側面視の輪郭形状と、外側面20b側から見た側面視の輪郭形状とは、同様となると理解できる。なお、このことは、引用文献1の【図1】、【図2】の外側面20b側から見た形状の図示と整合的である。
そして、「前記側方曲面部の第1の部位の曲率半径は、前記側方曲面部において前記第1の部位よりも前方に位置する第2の部位の曲率半径よりも大きい」という、曲率半径の大小の選択に係る構成の容易想到性は、相違点2について上記(1)イに判断したとおりである。また、上記相違点2に係る本願発明の構成について、上記(2)で検討したように、格別の技術的意義を見出すこともできない。
したがって、引用発明から、本願発明のヒンジ部の構成を推考困難である旨をいう、上記アの審判請求人の主張は、採用することができない。
(4)小括
上記(1)~(3)を踏まえれば、本願発明は、引用発明及び文献2記載事項に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。
第5 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び文献2記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、拒絶理由に示した理由のとおり、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について審理するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2024-001213