商標取消審判
2023-300310
ビジョンブック、ビジョン
- 審判番号
- 2023-300310
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2017-080678
- 登録番号
- 6018290
- 請求日
- 2023年05月12日
- 審決日
- 2024年01月25日
- 公報発行日
- 2024年04月26日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】株式会社 アールケーエンタープライズ
- 【請求人代理人】SK弁理士法人
- 【請求人代理人】奥野 彰彦
- 【請求人代理人】伊藤 寛之
- 【被請求人】マーケティングエッジ 株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 阿曾 裕樹
- 分類
- T132 .1 -Z (W41)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第6018290号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第6018290号商標の指定役務中、第41類「書籍及び電子出版物の制作」についての商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6018290号商標(以下「本件商標」という。)は、「Visionbook」及び「ビジョンブック」の文字を二段に横書きしてなり、平成29年6月19日に登録出願、同30年1月26日に登録査定、第41類「知識の教授,経営者・事業者・管理者・一般従業員に対する教育研修,通信教育,通信教育に関する情報の提供,セミナー・シンポジウム・会議・講演会・研修会・研究会の企画・手配・運営・開催及びこれらに関する情報の提供,セミナー・シンポジウム・会議・講演会・研修会に関する会員制によるインターネットを利用した情報の提供,ニューズレター形式の電子出版物の提供,書籍及び電子出版物の制作,電子メール通信を利用した電子出版物の提供及びそれに関する情報の提供」を指定役務として、同年2月9日に設定登録されたものである。
第2 請求人の主張
1 請求の趣旨
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証(以下、証拠の表記にあたっては、「甲○」又は「乙○」と表記する。)を提出した。
2 請求の理由
本件商標は、その指定役務中、第41類「書籍及び電子出版物の制作」(以下「本件請求役務」という。)について、継続して3年以上(2020年5月31日から2023年5月30日まで。以下「要証期間」という。)、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すべきである。
3 答弁に対する弁駁
(1)商標法における「役務」の定義
商標法における「役務」とは、「他人のために行う労務又は便益であって、独立して商取引の目的たり得べきもの」をいうと解すべきである。
本件請求役務は、上記役務の定義に基づけば、「他人のために書籍及び電子出版物を制作すること」と換言できる。
(2)答弁書及び使用証拠の検討
ア 乙1について
乙1は、「VISIONBOOK」なる記載が記されているものの、「この・・・ツールを使った科学的にビジネスを成長させる仕組みをたったの1日で御社に導入する研修会を提供しています。」及び「この研修会に参加すると以下のことが得られます」という記述から判断して、本件商標「VISIONBOOK」の使用は、何らかのツール又は研修会(知識の教授)に対して使用されている。
また、答弁書からは、乙1が証明しようとする本件商標の使用が判然としない。
以上より、乙1は、「他人のために書籍及び電子出版物を制作すること」に対する本件商標の使用を証明するものではない。
イ 乙2について
乙2は、黄色の冊子と黒色の冊子を写す写真であるが、黒色の冊子には「VISIONBOOK」の使用はなく、また、黄色の冊子には「VISION BOOK」の記載はあるものの、「他人のために書籍及び電子出版物を制作すること」を示すものはない。
また、答弁書からは、乙2が証明しようとする本件商標の使用が判然としない。
以上より、乙2は、「他人のために書籍及び電子出版物を制作すること」に対する本件商標の使用を証明するものではない。
ウ 乙3について
乙3は、「VISIONBOOK」なる記載が記されているものの、「VISIONBOOK・・・を使った経営計画研修申込書」という記述から判断して、本件商標の使用は、何らかのツール又は研修会(知識の教授)に対して使用されている。
また、答弁書からは、乙3が証明しようとする本件商標の使用が判然としない。
以上より、乙3は、「他人のために書籍及び電子出版物を制作すること」に対する本件商標の使用を証明するものではない。
エ 電子出版を準備中について
被請求人は、答弁書において、電子出版を準備中である旨を主張しているものの、本件請求役務について本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。
(3)小括
以上のとおり、被請求人による本件商標の使用の事実を裏付けるに足りる資料の提出はなく、その使用を客観的に把握できないことから、被請求人の主張には、本件商標の使用について何ら根拠がない。
第3 被請求人の主張
1 答弁の趣旨
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙1から乙3を提出した。
2 答弁の理由
商標登録後に取引先に対し、本件商標である「VISION BOOK」と別に所有する商標である「Growth Book」を使用した経営ノウハウの教授を、既存取引先に対して研修会形式で有料提供するとともに、自社内においても「VISIONBOOK」を継続的に使用していることから、請求人の主張は成り立たない。
また、本件請求役務については、研修会の成果事例が複数出てきているので、現在電子出版を準備中であり、その出版予定物の中で本件商標の「VISIONBOOK」も当然使用予定である。
以上の事実から、本件審判請求は、請求人が被請求人に対して一切の問い合わせをせず、「過去の出版事実」だけを表面的に調べただけで本件審判を請求したにすぎず、実態とはかけ離れた自分勝手な主張をしている。
第4 当審の判断
1 被請求人の主張及び提出証拠によれば、以下のとおりである。
(1)本件商標権者作成のチラシには、「マーケティングエッジでは、未来を計画する「VISIONBOOK」(ビジョンブック)・・・この2つのツールを使った科学的にビジネスを成長させる仕組みをたったの1日で御社に導入する研修会を提供しています。」の記載がある(乙1)。
(2)本件商標権者作成の「VISION BOOK」と題する冊子の表紙には、「2023年からの3カ年計画(2023年1月~2025年12月)」の記載がある(乙2)。
(3)本件商標権者作成の「経営計画研修申込書」には、「VISIONBOOKとGrowthBookを使った経営計画研修に申し込みます。」の記載がある(乙3)。
(4)本件商標権者は、本件請求役務と関連して、電子出版を準備中であり、出版予定物の中で本件商標を使用する予定である(被請求人の主張)。
2 上記の認定事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)上記1(1)から(3)の事実関係によれば、本件商標権者が、本件商標の欧文字部分に相当する「VISIONBOOK」と題する冊子を利用した研修会を、チラシや申込書を準備して企画していたことは把握できるものの、当該チラシの頒布の事実及び頒布日が確認できないばかりか、そこで企画されていた役務は「研修会の企画、運営又は開催」であり、本件請求役務「書籍及び電子出版物の制作」とは異なる役務である。
(2)上記1(4)によれば、被請求人は、本件請求役務を今後提供予定である旨を主張するが、その反対解釈としては、要証期間において、本件商標を本件請求役務について使用していないことを述べていると理解でき、また、要証期間における本件商標の使用事実を示す具体的な証拠を提出していない。
(3)以上のとおり、被請求人提出の証拠によっては、要証期間に、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が、本件商標を本件請求役務について使用したと認めることはできない。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標を本件請求役務について使用をしていることを証明したものと認めることができない。
また、被請求人は、本件請求役務について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の本件請求役務についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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