商標取消審判
2023-300281
ルソー、ルッソ
- 審判番号
- 2023-300281
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2007-070753
- 登録番号
- 5176955
- 請求日
- 2023年05月01日
- 審決日
- 2023年11月30日
- 公報発行日
- 2024年02月22日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】太田 晃二
- 【請求人代理人】松尾 憲一郎
- 【請求人代理人】市川 泰央
- 【被請求人】イオンリテール 株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 阿曾 裕樹
- 分類
- T132 .1 -Y (X35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5176955号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5176955号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成19年6月29日に登録出願、同20年10月6日に登録査定され、第35類「織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同月31日に設定登録されたものである。
第2 請求人の主張
1 請求の趣旨
請求人は、本件商標の指定役務中「洋服・コート・セーター類・ワイシャツ類・寝巻き類・下着・水泳着・水泳帽・キャミソール・タンクトップ・ティーシャツの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「本件請求役務」という。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証(以下、証拠の表記にあたっては、「甲○」又は「乙○」と表記する。)を提出した。
2 請求の理由
本件商標は、その指定役務中、本件請求役務について継続して3年以上(2020年5月26日から2023年5月25日まで。以下「要証期間」という。)、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。
第3 被請求人の主張
1 答弁の趣旨
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙1から乙11を提出した。
2 答弁の理由
(1)被請求人について
被請求人は、本州(東北を除く。)、四国において「イオンスタイル」、「イオン」等のショッピングセンターを運営し、総合小売業を営むものである(乙1)。
(2)「LUSSO」について
「LUSSO」は、被請求人において、時計専門店のショップ名称として、被請求人の直営売場及び第三者の運営するショッピングセンターにおいて売場を構築し、一般消費者に対する小売業を営んできた。
LUSSOの販売商品は、当初、時計専門店として時計に関する商品を販売していたが、現在では、時計以外の商品、すなわち服飾サービス(アパレル商品、かばん類)などに拡大している。
(3)使用に係る商標について
被請求人は、ショップとして直営売場内での展開や、第三者ショッピングセンターに出店する際に、本件商標、すなわち「LUSSO」のロゴマーク及びそれと社会通念上同一の商標を使用している。
(4)使用に係る役務、使用時期について
被請求人は、自ら本件商標(又は「ルッソ」の片仮名)を、時計、雨具及びアパレルなどを販売するショップの店舗名称として使用し、店舗看板、店舗内の販売場所の案内板(各階の売場の案内板)、買い物袋、レシート、領収書、取引伝票などに要証期間において使用している。したがって、被請求人は、「被服の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の役務を行っている。
以下に、具体的な使用役務、使用時期を店舗ごとに説明する。
ア 「LUSSO」Shapo小岩店(東京都江戸川区南小岩)
本店舗は、定期建物賃貸借契約に基づき、2016年11月25日から2021年1月31日まで「LUSSO」として出店していたものであり、最終営業日は2021年1月31日で、現在は閉店している(乙2)。
本店舗においては、賃貸借区画の店頭看板として「LUSSO」を使用し、店舗内においては、時計のほか、衣料品の販売を行っていた。これは、店舗の看板としての本件商標の「被服の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」についての使用である(乙3)。
使用時期については、乙3には、「閉店売りつくしセール」開催中、「あと2日」、「1月31日(日)閉店」とあることから、撮影日は2021年1月30日であることは明らかであり、要証期間内である。
同店における販売商品については、2020年12月11日付け、A社の被請求人への納品書(乙4)には、「冬のモチーフ刺繍入りタートルニットPO」、「収穫かごポケットカーディガン」、「フリース×地柄ニットブルゾン」(洋服)などの記載があり、2020年8月27日付け、B社の被請求人への納品書(控)(乙5)には、「クルーネックTシャツ」(下着)などとある。これらは、被請求人の「ルッソシャポー小岩店」、「ルッソコイワビブレ」宛ての納品書であるが、東京の小岩周辺には、本店舗以外に店舗はなく、本店舗の販売のため納品されたといえる。
また、この店舗におけるレシート、領収書(乙6)においても、本件商標を使用していた。
以上より、被請求人は、要証期間において、洋服・コート・セーター類、下着を取り扱う本店舗で本件商標を使用し、指定役務を提供していた。
イ 「LUSSO」グランスタ丸の内店(東京都千代田区丸の内)
本店舗は、本件商標「LUSSO」を店頭の看板として、2017年に時計専門店として開店し、コロナ禍の2021年2月に「LUSSO MASK STORE」、2022年3月に「LUSSO Rain gear shop」として販売商品を変更して現在に至っている。「LUSSO Rain gear shop」(乙7)では、傘やレイングッズなど雨の日を楽しく過ごすアイテムを取り揃えているところ、レインコートの取り扱いもある。
2023年3月7日付けの被請求人宛てのC社の仕入伝票(乙8)には「PDビッグシルエットレインコート」などの記載があり、店名が「08990 ルッソ丸の内店」とある。丸の内には、本店舗以外の店舗がないことから、本店舗において販売のために仕入れられたものであることがわかる。
以上より、被請求人は、本店舗においても、要証期間において、指定役務に本件商標を使用し、指定役務を提供していた。
ウ 「LUSSO」イオンモール北大路店(京都府京都市北区小山北上総町)
本店舗は、ビブレ北大路時代に出店し、現在は、イオンモール北大路となっている。当初は、時計専門店であったが、現在は時計と衣料品を併存して販売しており、本件商標を店舗看板等として使用して販売を行っている(乙9、乙10)。
インターネット上、Twitterには、2022年6月5日の投稿に本店舗の写真が投稿されており、これを拡大すると本件商標と写真の右奥のLUSSO区画内に衣料品の販売が行われていることが確認できる。
以上より、本件商標の少なくとも要証期間における本件請求役務の使用は明らかである。
(5)買物袋
被請求人は、購入商品の買物袋として、被請求人のブランド共通の買物袋を提供しており、この買物袋においても本件商標「LUSSO」を使用し、「LUSSO」の看板を掲げている店舗にて使用している(乙11)。
(6)小括
以上のとおり、本件商標権者は、要証期間中、少なくとも2021年12月から現在までの期間、日本国内の少なくとも3か所において、本件商標及びそれと社会通念上同一な商標を、店舗看板などに使用することにより、本件請求役務について使用している。
第4 当審の判断
1 被請求人の主張及び提出証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)ア 本件商標権者は、総合小売業を事業内容としており、2016年11月25日から2021年1月31日の契約期間で、東京都江戸川区に所在するショッピングセンターにおける出店契約を締結していた(乙1、乙2)。
イ A社作成の上記ショッピングセンターの店舗「ルッソ シャポー小岩店」宛ての納品書(2020年12月11日付け)には、「冬のモチーフ刺繍入りタートルニットPO」、「収穫かごポケットカーディガン」及び「フリース×地柄ニットブルゾン」などの商品を納品したことが記載されている(乙4)。
また、B社作成の本件商標権者運営の「ルッソコイワビブレ」宛ての納品書(2020年8月27日付け)には、「クルーネックTシャツ」、「Tシャツ」などの商品を納品したことが記載されている(乙5)。
ウ 乙3の店舗写真(2020年1月30日撮影)によれば、別掲2のとおりの構成からなる「LUSSO」の文字(以下「本件使用商標1」という。)を入口付近の看板に表示する店舗には、貼り紙(「あと2日」、「閉店売りつくしSALE」、「1月31日(日)・・・」の記載がある。)が張られ、店内には「シャツ」や「上着」などを含む種々の商品が陳列されている。
(2)ア C社作成の本件商標権者運営の「ルッソ丸の内店」宛ての仕入伝票(2023年3月7日付け)には、「PDビッグシルエットレインコート」の仕入れが記載されている(乙8)。
イ 乙7の店舗写真(2023年6月27日撮影)によれば、別掲3のとおりの構成からなる「LUSSO」の文字(以下「本件使用商標2」という。)を入口付近の看板に表示する店舗には、「Rain gear shop」の文字を表示する貼り紙があり、店内には傘などの雨具が陳列されている。
2 上記の認定事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)ア 本件商標権者は、自身が運営する小売店の看板において、「ルッソ シャポー小岩店」では本件使用商標1を、「ルッソ丸の内店」では本件使用商標2を表示していた。
イ 「ルッソ シャポー小岩店」は、洋服の一種である「タートルニット」、「カーディガン」、「ブルゾン」及び「Tシャツ」等を取扱商品と、「ルッソ丸の内店」は、コートの一種である「レインコート」を取扱商品とする小売サービスを提供しているから、本件請求役務である「洋服・コート・セーター類・ワイシャツ類・寝巻き類・下着・水泳着・水泳帽・キャミソール・タンクトップ・ティーシャツの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に含まれる役務を提供していると認められる。
ウ 本件商標は、別掲1のとおり、「LUSSO」(「L」は下線を横長にして大きく、「O」の文字は大きく表してなる。)の文字を表してなるところ、本件使用商標1及び本件使用商標2は、別掲2及び別掲3のとおり、「LUSSO」の文字を同様の態様で表してなるから、それぞれ構成文字を共通にする同一の文字からなる商標であって、書体や外観構成を共通にする、社会通念上同一の商標と認められる。
エ 「ルッソ シャポー小岩店」は、要証期間(2020年8月、同年12月頃)において、本件請求役務に含まれる役務を提供していたと考えられ、要証期間である閉店セール時点(2021年1月30日)において、店舗の看板に本件使用商標1を表示していたことが認められる。
また、「ルッソ丸の内店」は、要証期間(2023年3月頃)において、本件請求役務に含まれる役務を提供していたと考えられ、要証期間を約1月経過した時点(2023年6月27日)において、店舗の看板に本件使用商標2を表示していたことが確認できるから、同看板は店名に相当することも踏まえると、要証期間において既に当該看板が設置されていたと推察できる。
オ 以上を踏まえると、本件商標権者は、要証期間において、本件請求役務を提供する店舗の広告(看板)に、本件商標と社会通念上同一の本件使用商標1及び本件使用商標2を付して展示したといえる(商標法第2条第3項第8号)。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間に、日本国内において、本件商標権者が、本件請求役務について、本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたことを証明したものと認められる。
したがって、本件商標の本件請求役務についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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