商標取消審判
2023-300086
ソシウース
- 審判番号
- 2023-300086
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願1974-083535
- 登録番号
- 1336616
- 請求日
- 2023年02月05日
- 審決日
- 2025年02月07日
- 公報発行日
- 2025年05月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】岡田 渋輝
- 【請求人代理人】若田 充史
- 【被請求人】田中センイ 株式会社
- 【被請求人代理人】西教 圭一郎
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 富澤 哲生
- 審判官 馬場 秀敏
- 分類
- T131 .1 -Y (X25)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第8号、商標法第2条第3項第2号、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第1号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第1336616号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第1336616号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、昭和49年6月18日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同53年7月21日に設定登録され、その後、平成20年8月27日に、指定商品を第25類「被服」とする書換登録がなされたものである。
そして、本件審判の請求の登録は、令和5年2月21日になされたものであり、この登録前3年以内の期間(令和2年2月21日~令和5年2月20日)を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の商標登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書にて、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
本件商標は、本件商標をその指定商品について、継続して3年以上日本国内において、本件商標の権利者(以下「商標権者」という。)、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
なお、請求人は、令和5年5月31日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対して、何ら弁駁していない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁書及び令和6年3月12日付け審尋(以下「審尋」という。)に対する同年4月15日付け審判事件回答書(以下「回答書」という。)において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第40号証(枝番号を含む。)を提出した。
なお、以下、証拠の表記に当たっては、乙第1号証を「乙1」のように省略して表示する場合があり、枝番号を有する証拠において、枝番号の全てを引用する場合は、枝番号の記載を省略する。
1 答弁の理由
(1)商標権者は、本件商標を要証期間に我が国において、その指定商品「被服」について使用している。このことは以下の乙各号証によって明らかである。
(2)本件商標が付された商品の販売
商標権者は、本件商標を自社で製造したオリジナルブランドを示す識別標識として、本件商標が譲渡された2008年頃から現在まで継続して使用している。
ア 乙第1号証について
乙第1号証は、商標権者の取引先の会社が経営するスーパーマーケット事業の衣料品部(以下「I社」という。)から、BMS(ビジネスメッセージスタンダーズ)を介して商標権者に対して送信された発注電子データである。
これは、I社側から送信された注文データであり、商標権者側での受信日時は2021年11月9日で、この注文データに対する納品日は2021年11月11日と指定されており、これら日付は、要証期間に該当する。
この一覧表中の商品コード:9404は、後述する乙第3号証に記載されている品番9404を指し、本件商標「ソシウス」を付する商品の商品コードである。
乙第1号証の1ページ目では、当該商品コード9404は、店コード:30032,30036の一部に記載があり、サイズとカラー別に記載されている。
イ 乙第2号証について
乙第2号証は、乙第1号証とは別の取引先(以下「S社」という。)から、商標権者に対してBMSを介して送信された発注電子データを印刷したものであり、受信日時は2021年11月9日であり、納品日は2021年11月12日となっており、これらの日付は、要証期間に該当する。
乙第2号証に記載の9403-は、後述する乙第6号証に記載されている品番9403-1を指し、本件商標「SOCIUS」を付する商品の商品コードであり、乙第2号証では、当該商品コード9403-は、店コード:00908の一部にサイズとカラー別に記載されている。
ウ 乙第3号証ないし乙第12号証について
乙第3号証ないし乙第12号証は、商標権者が、自社工場に生産を指図するための、社内で使用している「商品企画書」であるが、ここに、品番、使用する素材、カラー、ブランド等が記載されており、生産指図書として、いつの時点で対象商品を何点生産するのかを示すものであり、ブランド名として「ソシウス」又は「SOCIUS」の記載がある。
乙第3号証は、品番9404、2~3回目の「商品企画書」であり、ブランド「ソシウス」での2021年11月10日、2021年11月11日、2021年11月19日、2021年11月25日の、M、Lサイズの各色の生産枚数が記載されている。
また、乙第6号証は、品番9403-1の「商品企画書」であり、商標「SOCIUS」及び商標「ソシウス」が記載されている。
乙第4号証には、品番9404と品番9405に商標「SOCIUS」が、乙第5号証には、品番9404と品番9405に商標「SOCIUS」と「ソシウス」が、乙第7号証には、品番9413に商標「SOCIUS」が、乙第8号証には、品番9411と品番9412に商標「SOCIUS」が、乙第9号証には、品番9411に商標「SOCIUS」が、乙第10号証には、品番9406と品番9407に商標「SOCIUS」と「ソシウス」が、乙第11号証には、品番9406と品番9407に商標「ソシウス」が、乙第12号証には、品番9406に商標「ソシウス」が、記載されている。
それぞれの「商品企画書」においてもブランド「ソシウス」「SOCIUS」の記載があり、生産する日付、M、Lのサイズ、ベージュ、ピンク、ワイン、パープル、チャコール、クロの各カラーの生産数が記載されており、それらの日付は、上記乙第3号証での日付は、要証期間に該当する。
このように、それらの使用は、商標法第2条第3項第8号「商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当する。
本件商標は「SOCIUS」と「ソシウース」の二段表記であるところ、乙第3号証、乙第5号証、乙第6号証、乙第10号証、乙第11号証、乙第12号証に記載の商標は「ソシウス」であり、完全に同一ではないものの、その相違は社会通念上同一と認められる程度のものである。
このように、それらの使用は、商標法第2条第3項第8号「商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当する。
エ 乙第13号証及び乙第14号証について
乙第13号証は、商標権者が製造している、本件商標を付した商品「被服」を撮影したものである。当該商品には本件商標「SOCIUS」と付された商品ネーム(以下「商品ネーム」という。)及び商品下げ札(以下「下げ札」という。)が付いている。
乙第14号証は、乙第13号証の商品「被服」の商品ネーム、下げ札を拡大したものである。
下げ札には先の乙第3号証で示された品番9404が記載され、さらに「協同組合関西ファッション連合」と「O-85」の記載がある。
この「協同組合関西ファッション連合」と「O-85」という表示は、商標権者が当該商品について、「協同組合関西ファッション連合」の「繊維製品品質表示者名称等代行表記制度」を利用して、製品の品質管理及び品質表示を行ってもらっていることを意味している。
オ 乙第15号証ないし乙第19号証について
乙第15号証は、商標権者が「協同組合関西ファッション連合」の上記「繊維製品品質表示者名称等代行表記制度」を利用するために「協同組合関西ファッション連合」へ2023年5月17日付けで提出した登録更新申請書であり、この書類から、商標権者に付与されている登録管理番号が「O-85」であることが判る。
この番号が先の乙第14号証の下げ札に記載されている番号「O-85」である。
乙第16号証は、商標権者から乙第15号証の登録更新申請書を「協同組合関西ファッション連合」に提出されたことにより発行された「繊維製品品質表示者名称等代行表記制度」の承認通知書であり、承認表示事項として、「繊維製品品質表示者名称等代行表記制度」の有効期限が2023年4月1日から2024年3月31日であり、登録記号番号「O-85」の表示がある。
また、乙第15号証中に、「当社は2023年3月31日をもって標記制度利用の有効期間が満了しますが、・・・」との記載があり、この記載から、2023年3月31日を満了とする1年、すなわち、2022年4月1日から2023年3月31日までの期間においても、同制度を利用していたことは明らかである。
この期間は、要証期間を含んでいる。
乙第17号証は、「協同組合関西ファッション連合」より発行された「繊維製品品質表示者名称等代行表記制度」の承認通知書であり、承認表示事項として、「繊維製品品質表示者名称等代行表記制度」の有効期限が2021年4月1日から2022年3月31日であり、登録記号番号「O-85」の表示がある。
この期間は、要証期間を含んでいる。
乙第17号証は、乙第16号証の前々年に発行されたもので、乙第16号証と同様に商標権者の登録管理番号が「O-85」であることが判り、継続して使用されている管理番号であることが判る。
乙第18号証は、「協同組合関西ファッション連合」より発行された「繊維製品品質表示者名称等代行表記制度」の承認通知書であり、承認表示事項として、「繊維製品品質表示者名称等代行表記制度」の有効期限が2020年4月1日から2021年3月31日であり、登録記号番号「O-85」の表示がある。
この期間は、要証期間を含んでいる。
乙第18号証は、乙第17号証の前年に発行されたもので、乙第17号証と同様に商標権者の登録管理番号が「O-85」であることが判り、継続して使用されている管理番号であることが判る。
乙第19号証は、「協同組合関西ファッション連合」の「繊維製品品質表示者名称等代行表記制度」の概要である。
この制度は、家庭用品品質表示法に基づく繊維製品の品質表示において、表示者の氏名や住所などの情報を「協同組合関西ファッション連合」が代わりに表記することを認める制度で、この制度を利用することで、組合員や賛助会員は、自社の情報を公開する必要がなくなり、商品のネームや下げ札のデザインやサイズにも自由度が増す。
しかし、消費者からの問合せや苦情、係争などについては、制度を利用する側が責任と義務を負うものとし、協同組合関西ファッション連合は単に取次ぎのみを行うものであって、あくまでも、商品提供者は、協同組合関西ファッション連合ではなく、制度の利用者であるという制度である。
この制度の利用期間は、毎年4月1日から翌年3月31日の1年間で、年度更新の手続により継続利用が可能となり、この制度を利用する場合、繊維製品の品質表示には、協同組合関西ファッション連合の名称、協同組合関西ファッション連合が交付する利用者の記号番号(K-XXX)、協同組合関西ファッション連合の電話番号及び商品コード(任意)を記載する必要があり、この内容にそって、乙第14号証の商標権者の当該商品の下げ札には商品コード「9404」、「協同組合関西ファッション連合」、商標権者を表す利用者の記号番号「O-85」及び「協同組合関西ファッション連合」の電話番号が記載され、この下げ札が付いた「被服」が販売されている。
この使用は商標法第2条第3項第1号「商品又は商品の包装に標章を付する行為」に該当する。
(3)本件商標が付された商品ネームの発注
乙第20号証は、商標権者より発注された「SOCIUS」ネームの2023年2月7日付けの発注書であり、乙第21号証は、発注先から商標権者にあてた2023年3月20日付けの「Commercial Invoice」(商業送り状)である。
乙第20号証における、No.は「F-01」は、乙第21号証における、「F-01」に対応する。
乙第20号証において、「SOCIUS」ネームがS 1,100枚、M 11,800枚、L 10,800枚、LL 4,250枚、3L 1,700枚、4L 900枚、サイズ表記無し 1,500枚の記載があり、数量を合計すると、32,050枚のネームを発注したこととなり、乙第21号証における、「F-01」、「ネーム」のQTY(quantity,数量)32050と一致し、「SOCIUS」ネームを発注して納品、請求があったことが明らかである。
乙第1号証から第21号証によって明らかなように、商標権者は本件商標を自社の製造する「被服」の識別標識として使用している。
したがって、商標権者は本件商標を指定商品「被服」について継続して使用しているといえる。
2 回答書による主張
商標権者である被請求人は、審尋における合議体の暫定的な見解に対し、商標「SOCIUS」の欧文字が記載された商品ネーム及び下げ札が付された被服が、要証期間中に販売されていた事実や、販売を目的として要証期間中に相当数確保されていた事実を裏付ける証拠、及び商標権者が商品ネーム及び下げ札を確保、入手した事実などを示す証拠を提出し、次のとおり、回答する。
商標権者の商標「SOCIUS」を付した複数種類の被服のうち、商品番号(品番)「9404」として予め定める種類の商品について、主に説明する。商標「SOCIUS」を付した商品番号(品番)「9404」の被服を、商品「9404」と呼ぶ。
(1)商標権者は、要証期間中に、流通BMSを導入しているショッピングセンター、スーパーマーケット等の業態による大規模の小売店である5社(I社及びS社等。その他3社を、以下、それぞれ「Z社」、「F社」、「O社」という。)及びその他に、被服を製造して卸売の販売をするにあたり、商標権者の製造、販売する商品である乙第13号証、乙第14号証及び乙第26号証、その他の類似の被服に、商標「SOCIUS」の欧文字が記載された商品ネーム及び下げ札を付したこと、その商品ネーム及び下げ札を付した商品を前記小売店に、販売及び引渡しをしたこと、また、そのために展示したこと、被服に関する取引書類に商標「SOCIUS」を付して展示、頒布、電磁的方法によって提供したこと、並びに商標「SOCIUS」について、これらに関連する行為をしたことを、次のとおり、証拠によって立証する。
本件商標は「SOCIUS」と「ソシウース」の二段表記であるところ、乙第4号証、乙第5号証、乙第13号証及び乙第14号証、並びに新たに提出する乙第22号証、乙第23号証及び乙第25号証ないし乙第28号証などに使用される商標は「SOCIUS」であり、完全に同一ではないものの、その相違は社会通念上同一と認められる程度のものである。
商標権者が商標「SOCIUS」を付した商品「9404」は、前記小売店に大量に販売され、前記小売店から多数の消費者に販売されて購入された。
したがって、本件商標が要証期間中に使用されていたことは、明らかである。
流通BMSは、流通ビジネスメッセージ標準(Business Message Standards)の略称であり、前記小売店及び商標権者を含む会員の流通業者が、インターネット通信回線を利用して受発注、出荷、納品、金銭の支払いなどの流通に関わる一連の取引のメッセージを統一、標準化し、卸売から小売への納品時に使用される物流ラベルや物流帳票(納品明細書など)も標準化し、どのような取引にも汎用的に使用できるようにし、電磁的方法によってやりとりするEDI(Electronic Data Interchange、電子的データ交換)の仕組みであり、流通BMSによれば、商標権者及び各小売店の間では、請求書、領収書などは存在せず、受発注や納品・受領、請求・支払などの企業間の取引に関する情報が電子的に交換される。
流通BMSは、経済産業省が中心に仕様を検討し、現在では、流通システム標準普及推進協議会(東京都港区)が維持管理し、前記小売店を含む310社以上の小売業と11,400社以上の卸・メーカーの会員に導入されている(2017年12月現在)。
したがって、流通BMSの導入に関連する証拠は、前記各小売店と商標権者との間で、商標「SOCIUS」が後述の商品「9404」に使用されている実態を明らかに示しており、その証拠は、前記各小売店と商標権者との間で、同一又は類似した形式となっている。
(2)I社について、商標権者は乙第22号証ないし乙第32号証を提出し、商標「SOCIUS」の欧文字が記載された商品ネーム、下げ札などが付された被服を、要証期間中に販売していた事実や、販売を目的として要証期間中に相当数確保されていた事実を裏付ける証拠、及び商標権者が商品ネーム、下げ札などを確保、入手した事実などを立証する。
各証拠は、商標権者が商品「9404」について、次に述べる「商品企画書」(乙22)の頒布から始まって小売店から納品金額の支払いを受けるまでの一連の作業順を示す。
各小売店について、各証拠は、流通BMSを導入している前記小売店5社を含む全会員に共通に設置され管理されたメモリ装置に格納されているデータを、要証期間内の日付をランダムにして採り出して示すので、日付順のデータではない。
ア 商標権者は、「商品企画書」(乙22)を作成し、その多数部を印刷し、ここには、商標「SOCIUS」の欧文字が記載された商品ネーム及び下げ札(乙13、乙14、乙26)が付された品番「9404」を含む合計14種類の各商品の品名、素材の混率、カラー、サイズなどが記載される。
商標権者は、この「商品企画書」を、I社を含む前記小売店である各社及びその他に頒布し、これらの各社からの受注を図った。
「商品企画書」には、商品「9404」と商標「SOCIUS」とが明らかに記載される。
イ 商標権者は、「商品企画書」(乙22)の頒布によって、「ファッション商品計画書」(乙23)のとおり、作成日2020年5月21日、I社から商品「9404」を受注した。
カラーとサイズとの各組合せの計画数量250枚、下げ札などである値札2000であり、したがって、乙第23号証は、要証期間中に販売されていた事実や、販売を目的として要証期間中に相当数確保されていた事実を裏付ける。
ウ 商標権者とI社とは、「ファッション商品計画書」(乙23)に基づいて、「商品計画台帳(兼契約書)」(乙24)のとおり、契約日2022年2月7日に商品「9404」の総販売数1740枚を売買する契約をした。
エ 商標権者は、商品計画台帳(兼契約書)(乙24)の内容に基づいて、商品「9404」を製造するために「縫製加工指示書」(乙25)を作成し、製造を開始した。
2020年8月30日、商品「9404」の各種類と、その数(合計数は3260枚)が製造担当に指示され、附属明細として、商標「SOCIUS」が表示される商品ネームである織ネーム及び下げ札が付されることが指示された。
オ 乙第26号証の1は、被請求人が製造している、商標「SOCIUS」を付した商品「9404」の乙第13号証、乙第14号証とは異なる種類の被服を撮影した写真であり、当該商品には商標「SOCIUS」の商品ネーム及び3種類の下げ札が付いている。
乙第26号証の2は、乙第26号証の1における商品ネーム及び3種類の下げ札の各一表面を撮影した拡大写真であり、乙第26号証の3は、3種類の下げ札の各他表面(すなわち、裏面)を撮影した拡大写真である。
これらの3種類の下げ札のうち、乙第26号証の2及び乙第26号証の3における右の長方形の下げ札(以下「第1下げ札」という。)は、一表面に商標「SOCIUS」が表示され、裏面に品番「9404」、サイズなどが表示される。
乙第26号証の2及び乙第26号証の3における中央の長方形の下げ札(以下「第2下げ札」という。)は、商品の素材を表示する。
乙第26号証の2及び乙第26号証の3における左の赤色円形の下げ札(以下「第3下げ札」という。)は、日本製であることを表示する。
カ 商標権者は、2020年3月5日、商標「SOCIUS」の商品ネーム、第1下げ札及び第3下げ札を製造するために「附属発注書」(乙27)を作成し、製造を担当に発注した。
第1下げ札は、その一表面と裏面とがそれぞれ示される。赤色円形の第3下げ札は、表裏が同じである。
例えば、商標「SOCIUS-L-」の商品ネーム5500枚が発注され、また、赤色円形の第3下げ札30000枚が発注された。
キ 商標権者は、2022年3月2日、商標「SOCIUS」の第1下げ札を製造するために「附属発注書」(乙28)を作成し、製造を担当に発注した。
例えば、商品「9404」のサイズLの第1下げ札の数量は、3445枚である。
ク 流通BMSを導入している前述の小売店5社(I社等)のうち、I社は、「ファッション商品計画書」(乙23)によって、商標権者が商品「9404」を含む商品を納品したものとして処理し、その納品を示す商品台帳の新たな作成を省略している。
この商品台帳について、F社は、商標権者が商品「9404」を含む商品をF社に納品したことによって、その納品を示す「商品台帳」(乙29)を作成している。
このF社の「商品台帳」(乙29)は、2022年7月13日、2022年下期、展開時期9月度における商標権者によるF社ヘの商品の納品を示し、例えば、商品「9404」の数量は、1655枚である。
商品台帳について、Z社は、後述の「商品計画台帳(兼契約書)」(乙33)によって、商標権者が商品「9404」を含む商品を納品したものとして処理し、その納品を示す商品台帳の新たな作成を省略している。
商品台帳について、S社は、後述の「CSAS店振表」(乙37)によって、商標権者が商品「9404」を含む商品を納品したものとして処理し、その納品を示す商品台帳の新たな作成を省略している。
ケ 商標権者は、実施日令和4年(2022)10月20日における「年次第53期棚卸表」(乙30)を作成した。商品「9404」の合計数量5619枚である。
コ 商標権者及びI社は、商標権者受信日2021年11月9日、納品日2021年11月11日における「BMS伝票一覧印刷」(乙31)を共有する。
乙第31号証は全34頁にわたる大部なものであり、本書では残余の添付を省略する。商標権者及びI社の間では、流通BMSによって、前述のとおり、請求書、領収書などは存在せず、受発注や納品・受領、請求支払などの取引に関する情報が電子的に交換されて完了する。
乙第31号証の1、乙第31号証の2の印刷日時は、各頁の右上の日付「2023/05/11 17:08:02」によって示され、この印刷日時は、商標権者及びI社の間における商品の売買、支払いなどの実態を示すものではない。
サ 商標権者へのI社からの支払いは、「BMS支払いデータ一覧」(乙32)の内容のとおり、行われた。
商標権者からI社に納品され、支払いが行われた後、商標権者に乙第32号証の受信日時2022/11/25 06:08:14にI社から金銭支払いが通知された。
(3)Z社について、商標権者は乙第33号証ないし乙第35号証を提出し、商標「SOCIUS」の欧文字が記載された商品ネームが付された被服を、要証期間中に販売していた事実や、販売を目的として要証期間中に相当数確保されていた事実を裏付ける証拠、及び商標権者が商品ネームを確保、入手した事実などを立証する。
各証拠に基づいて、商標権者が商品「9404」の「商品企画書」の頒布から始まって小売店から納品金額の支払いを受けるまでの一連の概略の作業を順に説明する。
ア 商標権者は、Z社についても、I社について前述した「商品企画書」を作成し、その多数部を印刷し、Z社に頒布し、Z社からの受注を図った。
商標権者は、Z社ヘの「商品企画書」の頒布によって、前述の「ファッション商品計画書」と同じようにZ社から商品「9404」を受注した。
商標権者とZ社とは、その商品計画書に基づいて、「商品計画台帳(兼契約書)」(乙33)のとおり、契約日2021年2月12日に商品「9404」の総販売数1820枚を売買する契約をした。
イ 商標権者は、「商品計画台帳(兼契約書)」(乙33)の内容に基づいて、商品「9404」を製造するために前述のI社と同じく「縫製加工指示書」を作成し、製造を開始した。
また、附属明細として、商標「SOCIUS」が表示される商品ネームである「織ネーム」及び下げ札が付されることが指示された。
商標権者は、商標「SOCIUS」の商品ネーム、下げ札を製造するために「附属発注書」を作成し、製造を担当に発注した。
商標権者は、商品台帳を作成し、商品「9404」を含む商品をZ社に納品した。
商標権者は、年次棚卸表を作成した。
商標権者は、商品台帳を作成し、商品「9404」を含む商品をZ社に納品した。
ウ 商標権者及びZ社は、商標権者受信日2022年10月20日、納品日2022年10月21日における「BMS伝票一覧印刷」(乙34)を共有する。
商標権者及びZ社の間では、流通BMSによって、前述のとおり、請求書、領収書などは存在せず、受発注や納品・受領、請求・支払などの取引に関する情報が電子的に交換されて完了する。
エ 商標権者へのZ社からの支払いは、「221016_221115請求データ」(乙35)の内容のとおり、行われた。
商標権者からZ社に納品され、支払いが行われた後、商標権者にZ社から金銭支払いが通知された。
(4)F社について、被請求人は前述の「商品台帳」(乙29)及び新たな「お支払通知書」(乙36)を提出し、商標「SOCIUS」の欧文字が記載された商品ネームが付された被服を、要証期間中に販売していた事実や、販売を目的として要証期間中に相当数確保されていた事実を裏付ける証拠、及び商標権者が商品ネームを確保、入手した事実などを立証する。
各証拠に基づいて、商標権者が商品「9404」の「商品企画書」の頒布から始まって小売店から納品金額の支払いを受けるまでの一連の概略の作業を順に説明する。
ア 商標権者は、F社についても、I社について前述した「商品企画書」を作成し、その多数部を印刷し、F社に頒布し、F社からの受注を図った。
商標権者は、F社ヘの「商品企画書」の頒布によって、前述の「ファッション商品計画書」などと同じようにZ社から商品「9404」を受注した。
商標権者とF社とは、その商品計画書に基づいて、前述の「商品計画台帳(兼契約書)」と同じように、商品「9404」を売買する契約をした。
イ 商標権者は、「商品計画台帳(兼契約書)」の内容に基づいて、商品「9404」を製造するために前述のI社と同じく「縫製加工指示書」を作成し、製造を開始した。
また、附属明細として、商標「SOCIUS」が表示される商品ネームである「織ネーム」及び下げ札が付されることが指示された。
商標権者は、商標「SOCIUS」の商品ネーム、下げ札を製造するために「附属発注書」を作成し、製造を担当に発注した。
商標権者は、商品「9404」を含む商品をF社に納品し、前述の「商品台帳」(乙29)が作成された。
ウ 商標権者及びF社は、流通BMSによる大部な伝票一覧印刷を共有する。
商標権者及びフジの間では、流通BMSによって、前述のとおり、請求書、領収書などは存在せず、受発注や納品・受領、請求・支払などの取引に関する情報が電子的に交換されて完了する。
エ 商標権者へのF社からの支払いは、流通BMSによる請求データの内容のとおり、行われた。
商標権者からF社に納品され、その後、商標権者にF社から金銭支払いが、「お支払通知書」(乙36)のとおり、2022年12月15日に行われて通知された。
(5)S社について、商標権者は乙第37号証ないし乙第39号証を提出し、商標「SOCIUS」の欧文字が記載された商品ネームが付された被服を、要証期間中に販売していた事実や、販売を目的として要証期間中に相当数確保されていた事実を裏付ける証拠、及び商標権者が商品ネームを確保、入手した事実などを立証する。
各証拠に基づいて、商標権者が商品「9404」の「商品企画書」の頒布から始まって小売店から納品金額の支払いを受けるまでの一連の概略の作業を順に説明する。
ア 商標権者は、S社についても、I社について前述した「商品企画書」を作成し、その多数部を印刷し、S社に頒布し、S社からの受注を図った。
商標権者は、S社ヘの「商品企画書」の頒布によって、前述の「ファッション商品計画書」などと同じようにS社から商品「9404」を受注した。
商標権者とS社とは、その商品計画書に基づいて、前述の「商品計画台帳(兼契約書)」と同じように、商品「9404」を売買する契約をした。
イ 商標権者は、「商品計画台帳(兼契約書)」の内容に基づいて、商品「9404」を製造するために前述のI社と同じく「縫製加工指示書」を作成し、製造を開始した。
また、附属明細として、商標「SOCIUS」が表示される商品ネームである織ネーム及び下げ札が付されることが指示された。
商標権者は、商標「SOCIUS」の商品ネーム、下げ札を製造するために「附属発注書」を作成し、製造を担当に発注した。
ウ 商標権者は、商品「9404」を含む商品をS社に納品した。
S社は、「CSAS店振表」(乙37)によって、前述のとおり、商標権者が商品「9404」を含む商品を納品したものとして処理し、その納品を示す商品台帳の新たな作成を省略している。
例えば、「CSAS店振表」(乙37)において、その最も上の欄には、商標権者に「下記、貴社の商品を注文します。・・・」、及び店振表改訂日2022年1月20日と記載される。
商品「9404」は販売期間10月1日ないし3月31日、追加期間10月1日ないし12月31日である。
商品「9404」について、最も下の欄には、発注数量520、合計(展開店舗)55と記載され、それらの上下の中間にある合計2欄には、各店舗ごとの商品「9404」の発注数量が記載される。
エ 商標権者及びS社は、流通BMSによる「S社BMS伝票一覧印刷」(乙38)を共有する。
商標権者及びS社の間では、流通BMSによって、前述のとおり、請求書、領収書などは存在せず、受発注や納品・受領、請求・支払などの取引に関する情報が電子的に交換されて完了する。
オ 商標権者へのS社からの支払いは、流通BMSによる「BMS支払データ一覧」(乙39の1~乙39の3)を共有し、商標権者受信日2022年11月17日、請求データの内容のとおり、行われた。
商標権者からZ社に納品され、支払いが行われた。
(6)O社について、被請求人は乙第40号証を提出し、商標「SOCIUS」の欧文字が記載された商品ネームが付された被服を、要証期間中に販売していた事実や、販売を目的として要証期間中に相当数確保されていた事実を裏付ける証拠、及び商標権者が商品ネームを確保、入手した事実などを立証する。
証拠に基づいて、商標権者が商品「9404」の「商品企画書」の頒布から始まって小売店から納品金額の支払いを受けるまでの一連の概略の作業を順に説明する。
ア 商標権者は、O社についても、前記(2)ア及びイでI社について前述した「商品企画書」(乙22)を作成し、その多数部を印刷し、O社に頒布し、O社からの受注を図った。
商標権者は、「商品企画書」(乙22)の頒布によって、「2022年10月度企画商品計画リスト」(乙40)のとおり、O社から商品「9404」を、店着日2022年10月1日、契約数1300枚受注した。
商標権者とO社とは、その「企画商品計画リスト」に基づいて、商品「9404」を売買する契約をした。
イ 商標権者は、「企画商品計画リスト」の内容に基づいて、商品「9404」を製造するために前述のI社と同じく「縫製加工指示書」を作成し、製造を開始した。
また、附属明細として、商標「SOCIUS」が表示される商品ネームである「織ネーム」及び下げ札が付されることが指示された。
商標権者は、商標「SOCIUS」の商品ネーム、下げ札を製造するために「附属発注書」を作成し、製造を担当に発注した。
ウ 商標権者は、商品「9404」を含む商品をO社に納品した。
O社は、その納品を示す商品台帳の新たな作成をしている。
エ 商標権者及びO社は、流通BMSによる「BMS伝票一覧印刷」を共有する。
商標権者及びS社の間では、流通BMSによって、前述のとおり、請求書、領収書などは存在せず、受発注や納品・受領、請求・支払などの取引に関する情報が電子的に交換されて完了する。
商標権者へのO社からの支払いは、流通BMSによって行われた。商標権者からO社に納品され、支払いが行われた。
第4 当審の判断
1 事実認定
(1)被請求人の主張及び乙各号証によれば、以下の事実が確認できる。
ア 乙第1号証
乙第1号証は、被請求人が、取引先から商標権者に対して送信された発注電子データと主張するものであり、1葉目において、左上に、「受信日時:2021/11/09 06:07:28」の記載、その右に、I社(日本国内のスーパーマーケット事業者)の名称を伴った「BMS伝票一覧印刷」の記載、その下に、「納品日:2021/11/11」の記載、その下に提示された表中、1行目に、列見出しとして「商品コード」、「商品名」、「カラー」、「サイズ」及び「納品数」の記載、これらの列見出しにそれぞれ対応して、2行目に、「9404」、「シルウォームハリヌキHNVI5 M」、「A5 VI5」、「0204 M」及び「1」の記載、同じく3行目に、「9404」、「シルウォームハリヌキHNBR1 M」、「41 BR1」、「0204 M」及び「1」の記載、同じく4行目に、「9404」、「シルウォームハリヌキHNGY4 L」、「CH GY4」、「0205 L」及び「1」の記載がある。
イ 乙第13号証及び乙第14号証
乙第13号証は、被請求人が、商標権者が製造している商品を撮影したと主張する写真であり、乙第14号証は、被請求人が、乙第13号証における商品ネーム及び下げ札を拡大したと主張する写真であって、乙第13号証からは、被服の全体が見て取れ、乙第14号証からは、乙第13号証と同じ被服の襟に、別掲2に示すとおりの「SOCIUS」の文字が表示された商品ネーム及び「No. 9404」の文字が表示された下げ札が取り付けられていることが見て取れる。
ウ 乙第23号証
乙第23号証は、「ファッション商品計画書」との表題の文書であり、上部に、I社の名称を伴った当該表題の記載、その下の表中、右上の「作成年月日」に対応する欄に「2021年5月21日」の記載、その左下の「お取引先名」に対応する欄に「田中センイ(株)」の記載、その下の「製品名(アイテム名)」に対応する欄に「シルウォーム針抜HNT」の記載、その右の「品番」に対応する欄に「9404」の記載がある。
また、上記表中、左下に、「オフ」、「ベージュ」等の複数の「カラー」のそれぞれについて、「M」及び「L」の「サイズ」別の「計画数量」の数字が記入された領域がある。
さらに、上記表の右側に「デザイン画・写真」の欄が設けられており、その中に、乙第13号証と外観が同様の被服が図示されている。
エ 乙第25号証
乙第25号証は、「縫製加工指示書」との表題の文書であり、上部の四角枠内に、当該表題の記載及びその左下の「田中センイ 殿」の記載、当該四角枠の下に提示された表中、左上の「品名」に対応する欄に「シルウォームスムース太針抜きハイネック」の記載、その下の「品番」に対応する欄に「9404」の記載、その下の「納期」に対応する欄に「2020/8/30」の記載がある。
また、上記表中、中ほどに、「オフ」、「ベージュ」等の複数の「色名」のそれぞれについて「M」、「L」等の「サイズ」別の数字等を記載した「着数」についての領域があり、その下に、「織ネーム」に対応する欄に「SOCIUS」の文字等を記載した、「付属明細」についての領域がある。
さらに、上記表中、右下の「<納品先>」に対応する欄に、「田中センイ(株) 物流センター」の記載がある。
(2)上記(1)によれば、次の事実を認めることができる。
ア 商標権者の会社の内部において、品番が「9404」かつ品名に「シルウォーム」及び「針抜」の文字を含み、色やサイズに種々のバリエーションがある製品について、「織ネーム」を「SOCIUS」とし、商標権者の物流センターへの納期を2020年8月30日として縫製加工することを指示する「縫製加工指示書」(以下「指示書」という。)がやりとりされた(乙25)。
イ 品番が「9404」かつ商品名に「シルウォーム針抜」の文字を含み、色やサイズに種々のバリエーションがある被服について、商標権者を取引先とするI社の「ファッション商品計画書」(以下「計画書」という。)が、2021年5月21日に作成された(乙23)。
ウ いずれも「商品コード」が「9404」かつ商品名に「シルウォームハリヌキ」の文字を含み、色やサイズが異なる複数個の商品についての、納品日を2021年11月11日とした、I社(日本国内のスーパーマーケット事業者)の「BMS伝票」(以下「伝票」という。)が、2021年11月9日に送受信された(乙1)。
エ 指示書、計画書及び伝票は、「9404」の品番及び商品名中の「シルウォーム」において一致し、「ハリヌキ」は「針抜」を片仮名で表記したものと解されるから、同じ商品「被服」(以下「使用商品」という。)に関するものであることは明らかである。
そして、このうち、指示書は、商標権者において、使用商品を、「織ネーム」を「SOCIUS」として製造するとの指示が、2020年8月30日よりも前になされたことを示すものといえる。
また、伝票は、I社が計画書の「お取引先名」欄の記載が示す商標権者に対して、使用商品を2021年11月11日に納品することを求める趣旨で送受信されたものと認められる。
オ 上記(1)ウのとおり、乙第13号証の写真における被服と、計画書の「デザイン画・写真」欄に図示された被服とは、外観が同様である。
また、上記(1)イのとおり、乙第14号証の写真から、当該被服に「SOCIUS」の文字(以下「使用商標」という。)が表示された商品ネーム及び「No. 9404」の文字が表示された下げ札が取り付けられていることが見て取れるところ、「9404」は使用商品の品番と一致しており、また、商品ネームは、指示書にいうところの「織ネーム」であり、2020年8月30日よりも前になされた指示により取り付けられたものと合理的に理解できる。
以上を総合勘案すると、使用商品には、上記エの納品が行われた際に、使用商標が表示された商品ネームが取り付けられていたものと推認できる。
カ 上記エ及びオによれば、商標権者は、2021年11月11日に、使用商品を、使用商標を付して、日本国内の会社に譲渡したことが認められる。
2 判断
上記1(2)カの、商標権者が、2021年11月11日に、使用商品を、使用商標を付して、日本国内の会社に譲渡した行為について、次のように判断できる。
(1)使用商標について
本件商標は,別掲1のとおり、「SOCIUS」の欧文字と「ソシウース」の片仮名とを2段に表してなるところ、上段の「SOCIUS」の欧文字と、使用商標とは、書体が異なるのみであって、つづりが同一であるから、両商標は異なる観念を生じるとはいえない。
そうすると、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標ということができる。
(2)使用者、使用商品、使用時期及び使用行為について
使用商標の使用者は商標権者であり、使用商品は「被服」であるから、本件商標の指定商品に該当する商品であり、使用商標を使用した2021年11月11日は要証期間であり、使用商品を、使用商標を付して、日本国内の会社に譲渡する行為は、商標法第2条第3項第2号にいう使用行為(商品に標章を付したものを譲渡する行為)に該当する。
(3)小括
上記(1)及び(2)によれば、本件商標の商標権者は、要証期間に日本国内において、本件商標の指定商品に該当する商品に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して譲渡する行為を行ったこと(商標法第2条第3項第2号に該当。)を認めることができる。
(4)証人尋問申出書等について
なお、被請求人は回答書と同日付けで証人尋問申出書及び尋問事項書を提出しているが、本件取消審判請求については上記証拠によって、上記のように判断されるものであるから、合議体は、証人尋問は要しないと判断した。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の商標権者が、その指定商品について本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていたことを証明した。
したがって、本件商標の登録は、その請求に係る指定役務について、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2023-300086