特許拒絶査定不服審判
2023-021142
製品ユニットの製造プロセスのシーケンスの最適化
- 審判番号
- 2023-021142
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-188545
- 請求日
- 2023年12月12日
- 審決日
- 2025年08月20日
- 公報発行日
- 2026年02月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
- 【請求人代理人】森下 賢樹
- 【請求人代理人】青木 武司
- 審判長/審判官
- 審判長 波多江 進
- 審判官 吉野 三寛
- 審判官 東松 修太郎
- 分類
- P18 .121-WZ (G03F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2021-188545「製品ユニットの製造プロセスのシーケンスの最適化」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年 1月21日出願公開、特開2022- 16547〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2018年(平成30年)3月28日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2017年(平成29年)4月28日、欧州特許庁。以下、この日を「優先日」という。)を国際出願日とする特願2019-558581号の一部を令和3年11月19日に新たな出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 4年10月21日付け:拒絶理由通知書
令和 5年 1月27日 :意見書及び手続補正書の提出
同年 4月11日付け:拒絶理由通知書(最後)
同年 7月10日 :意見書及び手続補正書の提出
同年 8月 8日付け:補正の却下の決定及び拒絶査定
同年12月12日 :審判請求書及び手続補正書の提出
令和 6年 1月11日付け:前置報告書
同年12月16日付け:拒絶理由通知書(以下、この拒絶
理由通知書に係る拒絶理由を「当
審拒絶理由」という。)
令和 7年 3月14日 :意見書及び手続補正書(以下、こ
の手続補正書による補正を「本件
補正」という。)の提出
第2 本願発明の認定
本願の請求項1~14に係る発明(以下、請求項1に係る発明を「本願発明」という。)は、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1~14に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1の記載は以下のとおりである。
「【請求項1】
半導体製造プロセスにおける基板の処理を設定するための方法であって、
前記半導体製造プロセスで基板を処理する際に使用された第1のプロセスの第1のコンテキストデータを取得することと、
前記半導体製造プロセスで前記基板を処理する際に使用されることになる第2のプロセスが前記基板上で実行される前に、前記第2のプロセスの第2のコンテキストデータを取得することと、
ハードウェアコンピュータシステムによって、取得された第1及び第2のコンテキストデータを使用して、前記第2のプロセスを用いて処理された後の前記基板にわたる性能パラメータのフィンガープリントを予測することと、
予測されたフィンガープリントに基づいて、前記半導体製造プロセスで前記基板を処理する際に使用されることになる前記第2のプロセスに対する修正を決定することと、を含み、
前記第1及び第2のコンテキストデータは、ツール識別子を含み、
前記予測することは、
複数の基板上で実行された前記半導体製造プロセス内の複数のプロセスで記録されたコンテキストを取得することと、
前記複数の基板から各基板の前記性能パラメータの測定されたフィンガープリントを取得することと、
前記性能パラメータの前記測定されたフィンガープリントをそれぞれの前記記録されたコンテキストに関連付けることと、
前記取得された第1及び第2のコンテキストデータを使用して、前記記録されたコンテキストに対応する前記性能パラメータの前記測定されたフィンガープリントを取得することにより、前記第1のプロセス及び前記第2のプロセスに関連付けられた前記基板にわたる前記性能パラメータの前記予測されたフィンガープリントを決定することと、を含む、方法。」
第3 当審拒絶理由について
当審拒絶理由は、以下に概要を示す理由を含むものである。
本件補正前の請求項1に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明である下記の引用文献等に記載された発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
1.特表2004-524637号公報
2.特開2013-135044号公報
第4 引用文献の記載及び引用発明
1 引用文献1に記載された事項及び引用発明の認定
(1)引用文献1に記載された事項
当審拒絶理由で引用され、本願の優先日前に発行された特表2004-524637号公報(以下「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている(下線は、認定の根拠を示すため、当合議体が付した。以下同様。)。
「【0023】
2つのさらなる局面は、品質測定結果を、トークンのために、どのように半導体デバイス用の処理パラメータを公知の先行処理デバイスを用いて調整するかを知る必要がある制御ユニットへ送ることの異なるメカニズムを検討する。両方の局面において、品質測定は、計測ツールによって取られる。第1の局面において、処理デバイス内の先行処理工程の後、しかし処理ツール、例えば開発工程に先行するエッチングツールによって実行されることが検討されている現処理工程の前に、対応する計測工程は実行される。個々の処理デバイスパラメータオフセットは、計測ツールによって認識され得、対応する半導体デバイスまたは半導体ウエハの結果は、制御ユニットへとフィードフォーワードされ得る。制御ユニットは、ウエハのトークンを受け取り、用いられている処理デバイスを識別し、測定結果をターゲットと比較する。この比較はそれから、ウエハ用の新しい処理パラメータ調整へと変換される。
【0024】
制御ユニットはまた、現在のウエハのデータと同じ処理デバイス上で最近処理されたウエハのデータを得る。そのような方法は、補償調整を確立するための統計的基礎を増加する。」
「【0042】
本発明の方法によるフィードフォワードメカニズムを明らかにする別の実施形態は、図3に示される。半導体ウエハ20は、CVDツール2a,2b内の蒸着プロセスに導入される。この順序には、楕円偏光計3内の厚さ測定工程、および、他のリソグラフィ工程の中では、照射ツールおよびフォトレジストトラックの組み合わせであるリソグラフィクラスタ2a’、2b’における開発工程が後に続く。この工程には、オーバーレイツール3内の計測工程が後に続く。エッチング工程において、処理ツール1の処理パラメータ、すなわちエッチングツールは、CVDツールごとおよびデベロッパカップ(developer cup)ごとのばらつきを補償するように、それぞれのウエハ用に調整される。
【0043】
ロットはCVDツール2a,2bのグループに分けられ、それぞれのウエハには製造設備全体にわたるCIMシステムによって発生されたトークン10a,10bが供給される。
【0044】
厚さ測定結果は、楕円偏光計3によって実行され、制御ユニット5へとフィードフォーワードされ、それぞれの結果はウエハ識別に接続される。制御ユニット5は、結果をデータベースマトリクス6に蓄積する。
【0045】
その間、半導体ウエハ20は、並列して製造されるように分けられたリソグラフィクラスタ2a’、2b’のグループに入った。
【0046】
開発された後、リソグラフィクラスタ2a’、2b’内のデベロッパカップのうちの1つにそれぞれ、リソグラフィクラスタに対応する処理デバイス番号、またはデベロッパカップが、増やされたトークン10a’、10b’、10a’’、10b’’を与えるように、第1のトークン10a,10bに付け加えられる。トークンはここで、ウエハ識別、CVD装置番号およびデベロッパカップ番号を含む。上は識別は、キャリヤー番号のロット番号、および対応するウエハが存在するスロット番号からなる。
【0047】
オーバーレイツール3における臨界面測定がそれから実行され、測定結果が制御ユニット5に提出される。最終的には、半導体ウエハ20が、エッチングツール1に導入される。
【0048】
データベース6はここで、以下の表を含む。
【0049】
【表1】
[図:0001431547000001.jpg]
ここで使用されているCVDチャンバは「A」、「B」と名前が付けられていて、デベロッパカップは「1」、「2」と番号が付けられている。「X」と名前が付けられたエッチングツールが1つだけある。
【0050】
CVDチャンバおよびデベロッパカップは、全てのデバイスのデフォルト値を与えるように実行される日々の点検を有する。実行するために必要な補償を反映するツールオフセット値は、
A=日々の厚さチェック+5nm
B=日々の厚さチェック-2nm
1=日々のCDチェック+9nm
2=日々のCDチェック+3nm
、である。
【0051】
エッチングツール1内で決定され、調整される処理パラメータは、エッチングする時間である。規則は、X=f(CVDチャンバ,デベロッパカップ)を用いて設定されている。
【0052】
関数fは、定期的にファジー論理によって改善される。エッチングツール1に導入されるそれぞれのウエハのために、ウエハ識別、すなわちスロット番号およびロット番号が、制御ユニット5によって読み出され、上記の表にあるデータベース項目が次いで、それぞれのウエハをエッチングする時間を個々に調整するエッチングする時間の公式と組合わせて用いられる。全ての品質測定結果が制御ユニット5へフィードフォーワードされるので、上記処理デバイス内の個々のウエハ効果でさえ、調整によって補償され得る。歩留まりは、有利に改善され、品質は向上される。
【0053】
【図1】図1は、従来技術に従って、処理パラメータを調整するための方法を示す。
【図2】図2は、リソグラフィ装置内の処理パラメータを、計測の測定結果をフィードバックすることによって調整するための本発明の実施形態を示す。
【図3】図3は、エッチング装置の処理パラメータを、計測測定結果をするフィードフォーワードすることによって、調整するための本発明に記載の実施形態を示す。
[図:0001431547000002.jpg]
」
(2)引用文献1の記載から当業者が把握できる事項
ア 【0042】の「処理ツール1の処理パラメータ、すなわちエッチングツールは」との記載は、「処理ツール1、すなわちエッチングツールの処理パラメータは」の誤記であることは明らかである。
イ 【0046】の「上は識別」は「ウエハ識別」の誤記であることが明らかである。
(3)引用発明の認定
前記(1)、(2)から、引用文献1には、【0042】~【0052】・図3に示される「別の実施形態」に係る、エッチング装置の処理パラメータを、計測測定結果をフィードフォーワードすることによって、調整するための方法に関して、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(括弧内は、認定の根拠とした段落等である。以下同様。)。
<引用発明>
「エッチング装置の処理パラメータを、計測測定結果をフィードフォーワードすることによって、調整するための方法であって、(【0053】)
半導体ウエハ20は、CVDツール2a,2b内の蒸着プロセスに導入され、この順序には、楕円偏光計3内の厚さ測定工程、および、他のリソグラフィ工程の中では、照射ツール及びフォトレジストトラックの組み合わせであるリソグラフィクラスタ2a’、2b’における開発工程が後に続き、この工程には、オーバーレイツール3内の計測工程が後に続き、エッチング工程において、処理ツール1、すなわちエッチングツールの処理パラメータは、CVDツールごとおよびデベロッパカップ(developer cup)ごとのばらつきを補償するように、それぞれのウエハ20用に調整され、(【0042】、前記(2)ア)
ロットはCVDツール2a,2bのグループに分けられ、それぞれのウエハには製造設備全体にわたるCIMシステムによって発生されたトークン10a,10bが供給され、(【0043】)
厚さ測定結果は、楕円偏光計3によって実行され、制御ユニット5へとフィードフォーワードされ、それぞれの結果はウエハ識別に接続され、制御ユニット5は、結果をデータベースマトリクス6に蓄積し、(【0044】)
その間、半導体ウエハ20は、並列して製造されるように分けられた前記リソグラフィクラスタ2a’、2b’のグループに入り、(【0045】)
開発された後、リソグラフィクラスタ2a’、2b’内のデベロッパカップのうちの1つにそれぞれ、リソグラフィクラスタに対応する処理デバイス番号、またはデベロッパカップが、増やされたトークン10a’、10b’、10a’’、10b’’を与えるように、第1のトークン10a,10bに付け加えられ、トークンはここで、ウエハ識別、CVD装置番号およびデベロッパカップ番号を含み、ウエハ識別は、キャリヤー番号のロット番号、および対応するウエハが存在するスロット番号からなり、(【0046】、前記(2)イ)
オーバーレイツール3における臨界面測定がそれから実行され、測定結果が制御ユニット5に提出され、最終的には、半導体ウエハ20が、エッチングツール1に導入され、(【0047】)
データベース6は、以下の表を含み、(【0048】)
[図:0001431547000003.jpg]
ここで使用されているCVDチャンバは「A」、「B」と名前が付けられていて、デベロッパカップは「1」、「2」と番号が付けられていて、「X」と名前が付けられたエッチングツールが1つだけあり、(【0049】)
CVDチャンバおよびデベロッパカップは、全てのデバイスのデフォルト値を与えるように実行される日々の点検を有し、実行するために必要な補償を反映するツールオフセット値は、
A=日々の厚さチェック+5nm
B=日々の厚さチェック-2nm
1=日々のCDチェック+9nm
2=日々のCDチェック+3nm
、であり、(【0050】)
エッチングツール1内で決定され、調整される処理パラメータは、エッチングする時間であり、規則は、X=f(CVDチャンバ,デベロッパカップ)を用いて設定されており、(【0051】)
エッチングツール1に導入されるそれぞれのウエハ20のために、ウエハ識別、すなわちスロット番号およびロット番号が、制御ユニット5によって読み出され、上記の表にあるデータベース項目が次いで、それぞれのウエハをエッチングする時間を個々に調整するエッチングする時間の公式と組合わせて用いられ、全ての品質測定結果が制御ユニット5へフィードフォーワードされるので、上記処理デバイス内の個々のウエハ効果でさえ、調整によって補償され、歩留まりは、有利に改善され、品質は向上され、(【0052】)
制御ユニット5はまた、現在のウエハのデータと同じ処理デバイス上で最近処理されたウエハのデータを得、補償調整を確立するための統計的基礎を増加させる、(【0024】)
方法」
2 引用文献2に記載された事項及び引用文献2技術事項の認定
(1)引用文献2に記載された事項
当審拒絶理由で引用され、本願の優先日前に発行された特開2013-135044号公報(以下「引用文献2」という。)には、以下の事項が記載されている。
「【0001】
本発明は、半導体製造技術に係り、特に、各半導体製造装置間の性能差に基づく製品のバラツキを抑制することのできる半導体製造技術に関する。」
「【発明が解決しようとする課題】
【0025】
以上述べたように、半導体製造装置は、装置間の機差、装置運転時に徐々に性能が変化する経時変化、ウェットクリーニングあるいは部品交換により生じる不連続な経時変化の3種類の性能シフトがある。更に、製造対象デバイスが微細化するにつれて処理結果に対する機差および経時変化要因の寄与する割合が大きくなる。このため、機差よび経時変化を補正する技術が求められる。
【0026】
更に、近年の大規模ファウンドリーのように多数の装置を同一製造ライン内に配置し、常に新しい回路構成のデバイスの製造が求められている状況では、同一のプロセスレシピを提供することにより、どの装置を用いても同一性能のデバイスが得られるように、機差を自動的に補正する手段を備えることが望まれる。
【0027】
本発明はこれらの問題点に鑑みてなされたもので、同一仕様の装置が複数存在する製造ラインにおいて、製造装置間の機差、装置の経時変化を自動的に補正して加工精度にバラツキの少ないデバイスを得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明は上記課題を解決するため、次のような手段を採用した。
【0029】
複数の半導体製造装置とこれら半導体製造装置をそれぞれ制御する制御装置を備え、供給される1つのレシピに従って複数の半導体製造装置を制御して、共通の半導体装置を製造する半導体製造装置において、前記レシピが使用された装置の前記レシピ使用時における性能と、前記複数の半導体製造装置のうち、これから使用する予定の半導体製造装置を使用することにより得られる装置性能との差データをもとに予め記憶されたレシピ補正用データを参照してレシピ補正量を算出し、算出したレシピ補正量をもとに前記供給されたレシピを補正して、前記これから使用する予定の半導体製造装置に供給する。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、以上の構成を備えるため、処理装置間の機差、装置の経時変化を自動的に補正して加工精度にバラツキの少ないデバイスを得ることができる。」
「【0032】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態にかかる半導体製造システムを説明する図である。この図では、半導体製造ラインにおけるエッチング工程を示している。エッチング工程には、ゲート電極形成用、絶縁用深溝加工用、配線形成工程用等の多くの工程があるが、図1に示すエッチング装置は全て同一工程の処理を行う装置であるとする。なお、近年のエッチング装置はクラスターツールと呼ばれる、一つのエッチング装置内に複数の処理室を持つものが一般的であるが、機差は各エッチング処理室間の性能差であること、およびクラスタツール単位の表記は煩雑となるため、図1では処理室を識別する記号(#1、~#m)を用いて説明する。
【0033】
図1に示すように、各エッチング装置21,22,・・・2nの近傍にはレール11が敷設され、このレール上には、被処理材料であるウエハを格納したカセットもしくはFOUPと呼ばれるケースを搭載した搬送ロボット12が配置される。なお、このウエハの搬送、処理される単位はロットと呼ばれる。また、各装置は生産ライン管理用のホストコンピュータ1に接続され、オンラインで運転される。
【0034】
装置制御コンピュータ3は、各エッチング装置の入出力処理、ウエハ搬送等のシーケンス制御、エッチングレシピの実行、実行結果の保存、報告等、エッチング装置に関する全ての情報処理を実行する。なお、装置制御コンピュータ3はホスト用通信回線13を介して前記ホストコンピュータ1と接続される。また、エッチング装置2および装置制御コンピュータ3はEES(equipment engineering system)通信回線を通して機差管理コンピュータ6と接続される。なお、EES通信回線14はホスト用通信回線13とは別に各装置間を接続し情報処理を行うための通信回線である。また、このEES通信回線には、エッチング処理後の処理結果を測定するための測定装置10が接続される。
【0035】
また、装置制御コンピュータ3および機差管理コンピュータ6には、それぞれ記憶装置4,7が接続されており、記憶装置4にはレシピ補正用データ5が、記憶装置7にはレシピ管理データ8および機差管理データ9が格納されている。
【0036】
図2は、ホストコンピュータ、装置制御コンピュータおよび機差管理コンピュータの処理を説明する図である。
【0037】
エッチング処理に際しては、まず、ホストコンピュータ1は、搬送ロボット12により、ウエハを収納したカセット(ロット)を、例えばエッチング装置2nに搬送する(ステップS11)。また、ホストコンピュータ1は装置制御コンピュータ3に対してレシピを送信し、ロット処理を開始させる(ステップS12,13)。
【0038】
なお、装置制御コンピュータ3がステップS12において受信したレシピは各エッチング装置に共通のレシピであり、受信したレシピを、そのまま各処理装置で実行すると、機差によりエッチング処理の結果は使用するエッチング装置毎にまちまちとなる(受信したレシピを作成したエッチング装置を用いたときと同じ処理結果は得られない)。このため、装置制御コンピュータ3は、例えばエッチング装置2n(処理室#m)でのロット処理に先立ち、受信したレシピのID(識別番号)を機差管理コンピュータ6に送信して、前記受信したレシピを作成したエッチング装置(処理室#2)とこれからそのレシピを実行する装置(処理室#m)との機差情報を問い合わせる(ステップS21)。
【0039】
機差管理コンピュータ6は、受信したレシピIDおよび記憶装置7に格納しているレシピ管理データをもとに、受信したレシピを作成した装置(処理室#2)および作成日時の情報を得る(ステップS31)。
【0040】
次いで、記憶装置7に記憶した機差管理データを参照し、レシピを作成した装置(処理室#2)のレシピを作した時点での装置性能、およびこれからそのレシピを実行する装置(処理室#m)の現時点での性能を取得し、これらの差から性能差を算出し、前記問い合わせを行った装置制御コンピュータ3に性能差データを返信する(ステップS32~35)。
【0041】
装置制御コンピュータ13は返信された前記性能差データ、および記憶装置4に格納されたレシピ補正用データをもとにレシピ補正量を算出し、該補正量にしたがって前記受信したレシピ内容を補正し、補正されたレシピを用いてエッチング処理を実行する(ステップS22~24)。
【0042】
なお、前記補正、すなわち、経時変化によるエッチング性能の変動の補正には、ロット内での変動の補正とロット間での変動の補正があり、必要に応じて両者を組み合わせて適用する。
【0043】
図1の例では、ロット内での補正は、エッチング装置毎にウエハを1枚処理する毎にレシピの補正を行う。ロット間での補正は、機差管理コンピュータ6により、ロット処理に着手する毎に補正のための処理が実行される。」
「【0051】
図4,5は、機差管理データを示す図である。機差管理データは、図4に示す初期性能データと図5に示す性能履歴データにより構成される。
【0052】
初期性能データは各処理室の立ち上げ時(納入時)に測定したエッチング性能を記録したものである。また、性能履歴データは各処理室の性能が時間的にどのように変化していったかを記録したデータである。このデータは、基本的にはウェットクリーニング時に性能シフトが発生する毎、すなわち、ウェットクリーニングおよび部品を交換した後に、ダミーウエハによるならし放電を実施し、処理室内の状況が安定した時点でテストウエハを処理することにより測定したデータである。
【0053】
図6は、図4と図5を組み合わせて、処理室毎のCD値の変化を時系列で模式的に示した図である。
【0054】
通常、処理装置は同一ラインの全装置が同時に設置されることはなく、時間を空けて順次設置される。このため、最初に設置された装置から最新に設置された装置までの期間が数か月以上になることもある。
【0055】
この期間においても、処理したデバイスの性能は徐々に変化している。このため装置性能は、厳密には比較しようとする時点での横並びでしか比較できない。
【0056】
図6において、時点aにおいてエッチング処理室(#2)を用いて作成したレシピを、時点c(現在時点)において、エッチング処理室(#m)で実行する場合を考える。
【0057】
まず、時点bにおける初期性能データより、処理室(#m)と処理室(#2)との性能差ΔCDxを求める。次に、性能履歴データをもとに、処理室(#2)において、レシピを作成した時点(時点a)と処理室(#m)との性能差比較が可能な時点(時点b)の間に生じた経時変化分ΔCDyを求める。
【0058】
さらに、処理室(#m)においても同様に性能履歴データをもとに処理室の立上時点(時点b)と現時点(時点c)の間に生じた経時変化量ΔCDzを求める。そして、これら3者を合計することにより、レシピを作成した時点での処理室(#2)の性能と、これからそのレシピを実行する装置(処理室#m)との性能の差を得ることができる。
【0059】
性能差ΔCD=ΔCDx+ΔCDy+ΔCDz
この値は装置制御コンピュータ3に返信される(ステップS32~35)。」
「【図1】
[図:0001431547000004.jpg]
【図2】
[図:0001431547000005.jpg]
【図4】
[図:0001431547000006.jpg]
【図5】
[図:0001431547000007.jpg]
【図6】
[図:0001431547000008.jpg]
(2)引用文献2技術事項の認定
上記引用文献2の記載から、引用文献2には、各半導体製造装置間の性能差に基づく製品のバラツキを抑制することのできる半導体製造技術に関して、以下の技術事項(以下「引用文献2技術事項」という。)が記載されていると認められる。
<引用文献2技術事項>
「各半導体製造装置間の性能差に基づく製品のバラツキを抑制することのできる半導体製造技術であって、(【0001】)
同一仕様の装置が複数存在する製造ラインにおいて、製造装置間の機差を自動的に補正して加工精度にバラツキの少ないデバイスを得るために、(【0027】)
エッチング処理に際しては、まず、ホストコンピュータ1は、搬送ロボット12により、ウエハを収納したカセット(ロット)を、エッチング装置2nに搬送し、ホストコンピュータ1は装置制御コンピュータ3に対してレシピを送信し、ロット処理を開始させ、(【0037】)
装置制御コンピュータ3が受信したレシピは各エッチング装置に共通のレシピであり、受信したレシピを、そのまま各処理装置で実行すると、機差によりエッチング処理の結果は使用するエッチング装置毎にまちまちとなる(受信したレシピを作成したエッチング装置を用いたときと同じ処理結果は得られない)ため、装置制御コンピュータ3は、エッチング装置2n(処理室#m)でのロット処理に先立ち、受信したレシピのID(識別番号)を機差管理コンピュータ6に送信して、前記受信したレシピを作成したエッチング装置(処理室#2)とこれからそのレシピを実行する装置(処理室#m)との機差情報を問い合わせ、(【0038】)
機差管理コンピュータ6は、受信したレシピIDおよび記憶装置7に格納しているレシピ管理データをもとに、受信したレシピを作成した装置(処理室#2)および作成日時の情報を得、(【0039】)
次いで、記憶装置7に記憶した機差管理データを参照し、レシピを作成した装置(処理室#2)のレシピを作した時点での装置性能、およびこれからそのレシピを実行する装置(処理室#m)の現時点での性能を取得し、これらの差から性能差を算出し、前記問い合わせを行った装置制御コンピュータ3に性能差データを返信し、(【0040】)
装置制御コンピュータ13は返信された前記性能差データ、および記憶装置4に格納されたレシピ補正用データをもとにレシピ補正量を算出し、該補正量にしたがって前記受信したレシピ内容を補正し、補正されたレシピを用いてエッチング処理を実行すること(【0041】)」
第5 対比及び一致点・相違点の認定
1 対比
(1)本願発明の「半導体製造プロセスにおける基板の処理を設定するための方法であって、」「方法。」との特定事項について
ア 引用発明の「蒸着プロセス」、「開発工程」及び「エッチング工程」の一連の工程は、「半導体ウエハ20」を製造するための工程であるから、本願発明の「半導体製造プロセス」に相当する。
イ 引用発明の「半導体ウエハ20」は、本願発明の「基板」に相当し、さらに、引用発明の「蒸着プロセス」、「開発工程」及び「エッチング工程」のそれぞれは、本願発明の「基板の処理」に相当する。さらに、引用発明の「エッチング工程において、処理ツール1、すなわちエッチングツールの処理パラメータは、CVDツールごとおよびデベロッパカップ(developer cup)ごとのばらつきを補償するように、それぞれのウエハ20用に調整され[る]」ことは、本願発明の「基板の処理を設定する」ことに相当する。
ウ 引用発明の「エッチング装置の処理パラメータを、計測測定結果をフィードフォーワードすることによって、調整するための方法」は、前記イでの説示も踏まえると、本願発明でいう「基板の処理を設定するための方法」、「方法」に相当する。
エ したがって、引用発明は、上記特定事項を備える。
(2)本願発明の「前記半導体製造プロセスで基板を処理する際に使用された第1のプロセスの第1のコンテキストデータを取得することと、」「を含み、」との特定事項について
ア 引用発明の「蒸着プロセス」及び「開発工程」は、「エッチング工程」に先立つプロセスであるから、前記(1)ア及びイを踏まえると、当該「蒸着プロセス」及び「開発工程」は、本願発明の「半導体製造プロセスで基板を処理する際に使用された第1のプロセス」に相当する。
イ 引用発明の「トークン10a’、10b’、10a’’、10b’’」は、「ウエハ識別、CVD装置番号およびデベロッパカップ番号を含[む]」ものであるから、本願発明の「コンテキストデータ」に相当するとともに、前記アも踏まえると、本願発明の「前記半導体製造プロセスで基板を処理する際に使用された第1のプロセスの第1のコンテキストデータ」であるといえる。
ウ 引用発明は、「エッチングツール1内で決定され、調整される処理パラメータは、エッチングする時間であり、規則は、X=f(CVDチャンバ,デベロッパカップ)を用いて設定されて[いる]」ことを踏まえると、引用発明において、「エッチングツール1に導入されるそれぞれのウエハ20のために、ウエハ識別、すなわちスロット番号およびロット番号が、制御ユニット5によって読み出され[る]」に際しては、ウエハ識別と共にこれに対応するCVD装置番号及びデベロッパカップ番号も読み出す必要があることは当業者には明らかであり、このことは、「ウエハ識別、CVD装置番号およびデベロッパカップ番号を含[む]」「トークン」を取得する必要があることを意味する。そうすると、前記イでの説示を踏まえると、引用発明は、本願発明でいう「第1のコンテキストデータを取得すること」を含んでいるといえる。
エ したがって、引用発明は上記特定事項を備える。
(3)本願発明の「前記半導体製造プロセスで前記基板を処理する際に使用されることになる第2のプロセスが前記基板上で実行される前に、前記第2のプロセスの第2のコンテキストデータを取得することと、」「を含み、」との特定事項について
ア 引用発明は、「エッチング装置の処理パラメータを、計測測定結果をフィードフォーワードすることによって、調整するための方法」であるところ、引用発明の「エッチング工程」は、「蒸着プロセス」及び「開発工程」の後に行われるから、前記(1)ア及びイも踏まえると、本願発明の「前記半導体製造プロセスで前記基板を処理する際に使用されることになる第2のプロセス」に相当する。
イ しかしながら、引用発明は、本願発明でいう「第2のプロセスが前記基板上で実行される前に、前記第2のプロセスの第2のコンテキストデータを取得すること」を含むものではない。
(4)本願発明の「ハードウェアコンピュータシステムによって、取得された第1及び第2のコンテキストデータを使用して、前記第2のプロセスを用いて処理された後の前記基板にわたる性能パラメータのフィンガープリントを予測することと、予測されたフィンガープリントに基づいて、前記半導体製造プロセスで前記基板を処理する際に使用されることになる前記第2のプロセスに対する修正を決定することと、を含み、」との特定事項について
ア 引用発明の「制御ユニット5」が、本願発明でいう「ハードウェアコンピュータシステム」で構成されることは本願の優先日前の技術常識からみて明らかであるから、引用発明の「制御ユニット5」は、本願発明の「ハードウェアコンピュータシステム」に相当する。
イ 引用発明は、「エッチングツール1内で決定され、調整される処理パラメータは、エッチングする時間であ[る]」ものであるところ、「エッチングツール1内で」、「処理パラメータ」を「決定」し、「調整」することは、前記(3)アも踏まえると、本願発明の「前記半導体製造プロセスで前記基板を処理する際に使用されることになる前記第2のプロセスに対する修正を決定すること」に相当する。
ウ 引用発明は、「エッチングツール1内で決定され、調整される処理パラメータは、エッチングする時間であり、規則は、X=f(CVDチャンバ,デベロッパカップ)を用いて設定されており、エッチングツール1に導入されるそれぞれのウエハ20のために、ウエハ識別、すなわちスロット番号およびロット番号が、制御ユニット5によって読み出され、上記の表にあるデータベース項目が次いで、それぞれのウエハをエッチングする時間を個々に調整するエッチングする時間の公式と組合わせて用いられ[る]」ものであるところ、「エッチングツール1内で決定され、調整される処理パラメータ」である、「エッチングする時間」は、ウエハ識別とこれに対応するCVDチャンバ及びデベロッパカップの情報、すなわち、「トークン10a’、10b’、10a’’、10b’’」を使用して設定されていることは明らかである。
エ そうすると、前記(2)イ及びウ及び前記アも踏まえると、本願発明と引用発明は、「ハードウェアコンピュータシステムによって、取得された第1」「のコンテキストデータを使用して、」「前記半導体製造プロセスで前記基板を処理する際に使用されることになる前記第2のプロセスに対する修正を決定することと、を含[む]」点で共通する。
オ しかしながら、「ハードウェアコンピュータシステムによって、」「前記半導体製造プロセスで前記基板を処理する際に使用されることになる前記第2のプロセスに対する修正を決定すること」について、本願発明は、「取得された第1及び第2のコンテキストデータを使用して、前記第2のプロセスを用いて処理された後の前記基板にわたる性能パラメータのフィンガープリントを予測することと、」「を含み、」、「予測されたフィンガープリントに基づいて」行うのに対して、引用発明は、「取得された」「第2のコンテキストデータを使用」せず、また、「前記第2のプロセスを用いて処理された後の前記基板にわたる性能パラメータのフィンガープリントを予測[し]」ていない。
(5)本願発明の「前記第1及び第2のコンテキストデータは、ツール識別子を含み、」との特定事項について
ア 引用発明の「CVD装置番号」及び「デベロッパカップ番号」は、本願発明の「ツール識別子」に相当する。したがって、前記(2)を踏まえると、引用発明の「トークン10a’、10b’、10a’’、10b’’」が、「ウエハ識別、CVD装置番号およびデベロッパカップ番号を含[む]」ことは、本願発明の前記特定事項と、「前記第1」「のコンテキストデータは、ツール識別子を含[む]」点で共通する。
イ しかしながら、本願発明は「前記」「第2のコンテキストデータは、ツール識別子を含む」のに対して、引用発明は、前記(3)イのとおり、第2のコンテキストデータを取得するものではない。
(6)本願発明の「前記予測することは、複数の基板上で実行された前記半導体製造プロセス内の複数のプロセスで記録されたコンテキストを取得することと、前記複数の基板から各基板の前記性能パラメータの測定されたフィンガープリントを取得することと、前記性能パラメータの前記測定されたフィンガープリントをそれぞれの前記記録されたコンテキストに関連付けることと、前記取得された第1及び第2のコンテキストデータを使用して、前記記録されたコンテキストに対応する前記性能パラメータの前記測定されたフィンガープリントを取得することにより、前記第1のプロセス及び前記第2のプロセスに関連付けられた前記基板にわたる前記性能パラメータの前記予測されたフィンガープリントを決定することと、を含む」との特定事項について
本願発明の「前記[基板にわたる性能パラメータのフィンガープリントを]予測すること」は、「複数の基板上で実行された前記半導体製造プロセス内の複数のプロセスで記録されたコンテキストを取得することと、前記複数の基板から各基板の前記性能パラメータの測定されたフィンガープリントを取得することと、前記性能パラメータの前記測定されたフィンガープリントをそれぞれの前記記録されたコンテキストに関連付けることと、前記取得された第1及び第2のコンテキストデータを使用して、前記記録されたコンテキストに対応する前記性能パラメータの前記測定されたフィンガープリントを取得することにより、前記第1のプロセス及び前記第2のプロセスに関連付けられた前記基板にわたる前記性能パラメータの前記予測されたフィンガープリントを決定することと、を含む」のに対して、引用発明は、前記(4)オのとおり、基板にわたる性能パラメータのフィンガープリントを予測していない。
2 一致点及び相違点の認定
前記1によれば、本願発明と引用発明とは、以下の点で一致し、以下の点で相違する。
[一致点]
「半導体製造プロセスにおける基板の処理を設定するための方法であって、
前記半導体製造プロセスで基板を処理する際に使用された第1のプロセスの第1のコンテキストデータを取得することと、
ハードウェアコンピュータシステムによって、取得された第1のコンテキストデータを使用して、前記半導体製造プロセスで前記基板を処理する際に使用されることになる前記第2のプロセスに対する修正を決定することと、を含み、
前記第1のコンテキストデータは、ツール識別子を含む、方法。」である点。
[相違点1]
本願発明は、「前記半導体製造プロセスで前記基板を処理する際に使用されることになる第2のプロセスが前記基板上で実行される前に、前記第2のプロセスの第2のコンテキストデータを取得することと、」「を含み、」「前記」「第2のコンテキストデータは、ツール識別子を含[む]」のに対して、引用発明は、「トークンはここで、ウエハ識別、CVD装置番号およびデベロッパカップ番号を含[む]」ものであるが、エッチング工程の第2のコンテキストデータを取得することを含まない点。
[相違点2]
前記半導体製造プロセスで前記基板を処理する際に使用されることになる前記第2のプロセスに対する修正を決定するに際し、本願発明は、「取得された第1及び第2のコンテキストデータを使用して、前記第2のプロセスを用いて処理された後の前記基板にわたる性能パラメータのフィンガープリントを予測することと、」「を含み、」、「前記予測することは、複数の基板上で実行された前記半導体製造プロセス内の複数のプロセスで記録されたコンテキストを取得することと、前記複数の基板から各基板の前記性能パラメータの測定されたフィンガープリントを取得することと、前記性能パラメータの前記測定されたフィンガープリントをそれぞれの前記記録されたコンテキストに関連付けることと、前記取得された第1及び第2のコンテキストデータを使用して、前記記録されたコンテキストに対応する前記性能パラメータの前記測定されたフィンガープリントを取得することにより、前記第1のプロセス及び前記第2のプロセスに関連付けられた前記基板にわたる前記性能パラメータの前記予測されたフィンガープリントを決定することと、を含[み]」「予測されたフィンガープリントに基づいて、」決定するのに対して、引用発明は、エッチングツール1に導入されるそれぞれのウエハ20のために、ウエハ識別、すなわちスロット番号およびロット番号が、制御ユニット5によって読み出され、上記の表にあるデータベース項目が次いで、それぞれのウエハをエッチングする時間を個々に調整するエッチングする時間の公式と組合わせて用いられるものであるが、エッチング工程の後の半導体ウエハ20にわたる性能パラメータのフィンガープリントを予測することを含むものではなく、これに基づいてエッチングする時間である処理パラメータを決定し、調整するものではない点。
第6 判断
1 相違点1及び2について
相違点1及び相違点2について、まとめて検討する。
(1)引用発明に引用文献2技術事項を適用できること及びこれにより得られる構成について
引用発明は、「エッチング工程」の「エッチングツール1」が1つとされているが、エッチング処理を並列化することにより半導体製造プロセスを効率化することは、当業者が普通に考慮する常套手段であって、エッチングツール1を複数とすることはなんら創意工夫を要しない単なる設計変更にすぎない。
そして、エッチングツール1を複数とすると、エッチングツール間でデバイス内の個々のウエハ効果が生じるおそれがあることは、引用発明の解決すべき課題を考慮すれば当業者が直ちに想起できることであるところ、引用文献2技術事項に見られるように、「受信したレシピを、そのまま各処理装置で実行すると、機差によりエッチング処理の結果は使用するエッチング装置毎にまちまちとなる(受信したレシピを作成したエッチング装置を用いたときと同じ処理結果は得られない)ため」、「機差管理データを参照し、レシピを作成した装置(処理室#2)のレシピを作した時点での装置性能、およびこれからそのレシピを実行する装置(処理室#m)の現時点での性能を取得し、これらの差から性能差を算出」して「前記性能差データ、および記憶装置4に格納されたレシピ補正用データをもとにレシピ補正量を算出し、該補正量にしたがって前記受信したレシピ内容を補正し、補正されたレシピを用いてエッチング処理を実行[する]」ことが公知の技術事項であった。
したがって、引用発明において、エッチング処理を並列化することにより半導体製造プロセスを効率化することを動機としてエッチングツール1を複数化すること、及びその際に、引用文献2技術事項を適用して、「補正されたレシピを用いてエッチング処理を実行する」前に、複数のエッチングツール1に関しての、「機差管理データを参照し、レシピを作成した装置(処理室#2)のレシピを作した時点での装置性能」及び「これからそのレシピを実行する装置(処理室#m)の現時点での性能」を取得することで、レシピである処理パラメータの補正量を算出し、補正された処理パラメータを用いてエッチング処理を実行することは、当業者が容易に想到し得たことである。
(2)相違点1に係る本願発明の構成について
そして、前記(1)のとおり、引用発明において引用文献2技術事項を適用した結果得られる構成「(以下「容易想到構成」という。)」について、「これからそのレシピを実行する装置(処理室#m)の現時点での性能」を取得するためには、「これからそのレシピを実行する装置(処理室#m)」を特定する情報が必要であることは明らかであり、当該「これからそのレシピを実行する装置(処理室#m)」を特定する情報が、相違点1に係る本願発明の「前記第2のプロセスの第2のコンテキストデータ」に相当するとともに、当該「これからそのレシピを実行する装置(処理室#m)」を特定する情報を取得することが「補正されたレシピを用いてエッチング処理を実行する」前であることは、相違点1に係る本願発明の「前記第2のプロセスの第2のコンテキストデータ」の取得が「前記半導体製造プロセスで前記基板を処理する際に使用されることになる第2のプロセスが前記基板上で実行される前」であることに相当することとなる。また、容易想到構成において、「これからそのレシピを実行する装置(処置室♯m)」を特定する情報は、相違点1に係る本願発明の第2のコンテキストデータが含む「ツール識別子」にも相当する。
したがって、当業者は、引用発明に引用文献2技術事項を適用することにより、「前記半導体製造プロセスで前記基板を処理する際に使用されることになる第2のプロセスが前記基板上で実行される前に、前記第2のプロセスの第2のコンテキストデータを取得することと、」「を含み、」「前記」「第2のコンテキストデータは、ツール識別子を含[む]」との相違点1に係る本願発明の構成に至ることとなる。
(3)相違点2に係る本願発明の構成について
ア 「取得された第1及び第2のコンテキストデータを使用して、前記第2のプロセスを用いて処理された後の前記基板にわたる性能パラメータのフィンガープリントを予測することと、」[を含み]、「予測されたフィンガープリントに基づいて、」前記半導体製造プロセスで前記基板を処理する際に使用されることになる前記第2のプロセスに対する修正を決定することについて
(ア)引用発明は、「上記処理デバイス内の個々のウエハ効果でさえ、調整によって補償される」ものであって、「エッチングツールの処理パラメータは、CVDツールごとおよびデベロッパカップ(developer cup)ごとのばらつきを補償するように、それぞれのウエハ20用に調整され[る]」ものであるところ、容易想到構成においてはさらに、エッチング装置の機差に起因するばらつきも補償することとなるとなり、これらのばらつきを補償することは、上記処理デバイス内の個々のウエハ効果又はCVDツールごとおよびデベロッパカップ(developer cup)ごとのばらつきと、エッチング装置の機差に起因するばらつきを総合したばらつき(以下「本件ばらつき」という。)を補償することになる。そして、本件ばらつきは、相違点2に係る本願発明の「前記基板にわたる性能パラメータのフィンガープリント」に相当するといえる。さらに、引用発明においては、補償すべき当該「上記処理デバイス内の個々のウエハ効果」又は「CVDツールごとおよびデベロッパカップ(developer cup)ごとのばらつき」を明示的に予測することなく、X=f(CVDチャンバ,デベロッパカップ)を用いてエッチング時間を設定している。しかしながら、引用発明は、「エッチング装置の処理パラメータを、計測測定結果をフィードフォワードすることによって、調整するための方法」であるところ、フィードフォワード制御が制御対象の動作や状態の予測を内包する概念であることは例を示すまでもなく技術常識であるから、本件ばらつきを補償するに際し、まず、本件ばらつきを予測し、予測された本件ばらつきに基づいてエッチング時間を設定することは、当業者が適宜なし得る設計変更にすぎない。したがって、当業者は、相違点2に係る本願発明の「前記基板にわたる性能パラメータのフィンガープリントを予測[し]」、「予測されたフィンガープリントに基づいて」前記半導体製造プロセスで前記基板を処理する際に使用されることになる前記第2のプロセスに対する修正を決定するとの構成に至ることとなる。
(イ)次に、前記(ア)の予測されるべき本件ばらつきが何を使用して予測されるかについて検討すると、容易想到構成においては、エッチング時間である調整される処理パラメータは、「トークン10a’、10b’、10a’’、10b’’」に加えて、「これからそのレシピを実行する装置(処理室#m)」を特定する情報を使用して設定されることになるのであるから、予測されるべき本件ばらつきも、「トークン10a’、10b’、10a’’、10b’’」に加えて、「これからそのレシピを実行する装置」を特定する情報を使用して予測すべきことは当然のことであり、前記第5の1(2)イ及び前記(2)を踏まえれば、当業者は、相違点2に係る本願発明の「取得された第1及び第2のコンテキストデータを使用して、」前記基板にわたる性能パラメータのフィンガープリントを予測するとの構成に至ることとなる。
(ウ)さらに、前記(ア)の予測されるべき本件ばらつきがどの時点のものかについて検討すると、容易想到構成においては、本件ばらつきの補償を「エッチング工程」において行うことを勘案すれば、予測されるべき本件ばらつきは、エッチング後のものとすべきことも当然のことであるから、当業者は、「前記第2のプロセスを用いて処理された後の」前記基板にわたる性能パラメータのフィンガープリントを予測するとの構成に至ることとなる。
(エ)以上のとおり、当業者は、容易想到構成とすることにより、相違点2に係る本願発明の「取得された第1及び第2のコンテキストデータを使用して、前記第2のプロセスを用いて処理された後の前記基板にわたる性能パラメータのフィンガープリントを予測することと、」[を含み]、「予測されたフィンガープリントに基づいて、」前記半導体製造プロセスで前記基板を処理する際に使用されることになる前記第2のプロセスに対する修正を決定するとの構成に至ることとなる。
イ 「前記予測することは、複数の基板上で実行された前記半導体製造プロセス内の複数のプロセスで記録されたコンテキストを取得することと、前記複数の基板から各基板の前記性能パラメータの測定されたフィンガープリントを取得することと、前記性能パラメータの前記測定されたフィンガープリントをそれぞれの前記記録されたコンテキストに関連付けることと、」「を含[み]」について
(ア)容易想到構成においては、前記ア(イ)で説示したとおり、予測すべき本件ばらつきは、「トークン10a’、10b’、10a’’、10b’’」に加えて、「これからそのレシピを実行する装置(処理室#m)」を特定する情報を使用して予測されることになる。そして、機差に起因するばらつきをそれぞれの機器毎のばらつきを表す測定値に基づいて予測することは常套手段であるし、その際の測定の対象を複数のウエハとすることも、当業者であれば普通になし得ることである。このことは、引用発明においても、「制御ユニット5において、現在のウエハのデータと同じ処理デバイス上で最近処理されたウエハのデータを得、補償調整を確立するための統計的基礎を増加させる」として示唆されてもいる。したがって、容易想到構成において、CVDツールごとおよびデベロッパカップ(developer cup)ごとのばらつきや、エッチング装置の機差に起因するばらつき、及び、これらを総合した本件ばらつきを予測する際に、それぞれの機器毎の複数のウエハのばらつきを表す測定値に基づいて行うことは、当業者であれば適宜なし得る設計事項にすぎない。
(イ)そして、容易想到構成において機差に起因するばらつきをそれぞれの機器毎のばらつきを表す測定値に基づいて予測するためには、(i)機器を特定する情報である、蒸着プロセスを行ったCVD装置番号、開発プロセスを行ったデベロッパカップ番号及びエッチング工程を行ったエッチング装置の処理室を特定する情報を取得し、(ii)複数のウエハについて、CVDツールごとおよびデベロッパカップ(developer cup)ごとのばらつきやエッチング装置の機差に起因するばらつきを表す測定値を実測により取得し、(iii)取得した複数の各ウエハのばらつきを表す測定値と、取得した蒸着プロセスを行ったCVD装置番号、開発プロセスを行ったデベロッパカップ番号及びエッチング工程を行ったエッチング装置の処理室を特定する情報を関連付けたデータをデータベース化(以下、(i)~(iii)の一連の過程を、単に「データベース化」という。)する必要があることがあることは当業者に自明である。
ここで、複数の各ウエハで実行された、前記蒸着プロセス、前記開発プロセス及び前記エッチング工程は、相違点2に係る本願発明の「複数の基板上で実行された前記半導体プロセス内の複数のプロセス」に相当する。また、前記蒸着プロセスを行ったCVD装置番号、前記開発プロセスを行ったデベロッパカップ番号及び前記エッチング工程を行ったエッチング装置の処理室を特定する情報は、本願発明の「コンテキスト」に相当するとともに、本願発明でいう「複数の基板上で実行された前記半導体製造プロセス内の複数のプロセスで記録された」ものといえる。さらに、前記複数の各ウエハのばらつきを表す測定値は、本願発明の「前記性能パラメータの測定されたフィンガープリント」に相当するとともに、前記ばらつきを表す測定値が複数の各ウエハのものであることは、本願発明でいう前記性能パラメータの測定されたフィンガープリントが「各基板の」ものであることに相当する。そうすると、前記(i)機器を特定する情報である、蒸着プロセスを行ったCVD装置番号、開発プロセスを行ったデベロッパカップ番号及びエッチング工程を行ったエッチング装置の処理室を特定する情報を取得することは、相違点2に係る本願発明の「複数の基板上で実行された前記半導体製造プロセス内の複数のプロセスで記録されたコンテキストを取得すること」に相当し、前記(ii)複数のウエハについて、CVDツールごとおよびデベロッパカップ(developer cup)ごとのばらつきやエッチング装置の機差に起因するばらつきを表す測定値を実測により取得することは、相違点2に係る本願発明の「前記複数の基板から各基板の前記性能パラメータの測定されたフィンガープリントを取得すること」に相当し、前記(iii)取得した複数の各ウエハのばらつきを表す測定値と、取得した蒸着プロセスを行ったCVD装置番号、開発プロセスを行ったデベロッパカップ番号及びエッチング工程を行ったエッチング装置の処理室を特定する情報を関連付けたデータをデータベース化することは、相違点2に係る本願発明の「前記性能パラメータの前記測定されたフィンガープリントをそれぞれの前記記録されたコンテキストに関連付けること」に相当することとなる。
したがって、容易想到構成において前記データベース化を行うことにより、当業者は、相違点2に係る本願発明の「前記予測することは、複数の基板上で実行された前記半導体製造プロセス内の複数のプロセスで記録されたコンテキストを取得することと、前記複数の基板から各基板の前記性能パラメータの測定されたフィンガープリントを取得することと、前記性能パラメータの前記測定されたフィンガープリントをそれぞれの前記記録されたコンテキストに関連付けることと、」「を含む」との構成に至る。
ウ 「前記予測することは、」「前記取得された第1及び第2のコンテキストデータを使用して、前記記録されたコンテキストに対応する前記性能パラメータの前記測定されたフィンガープリントを取得することにより、前記第1のプロセス及び前記第2のプロセスに関連付けられた前記基板にわたる前記性能パラメータの前記予測されたフィンガープリントを決定することと、を含む」について
前記イ(ア)で説示したように、本件ばらつきを予測する際に、それぞれの機器毎の複数のウエハのばらつきを表す測定値に基づいて行うことは、当業者であれば適宜なし得る設計事項にすぎないし、前記イ(イ)で説示したように、それぞれの機器毎の複数のウエハのばらつきを表す測定値に基づいて行うために、前記データベース化を行う必要があることも当業者には自明のことである。
そして、本件ばらつきを、データベース化された、取得した複数の各ウエハのばらつきを表す測定値と、取得した蒸着プロセスを行ったCVD装置番号、開発プロセスを行ったデベロッパカップ番号及びエッチング工程を行ったエッチング装置の処理室を特定する情報を関連付けたデータを利用して予測する際には、トークン10a’、10b’、10a’’、10b’’及びこれからそのレシピを実行する装置を特定する情報を使用して、データベースから、取得した蒸着プロセスを行ったCVD装置番号、開発プロセスを行ったデベロッパカップ番号及びこれからそのレシピを実行する装置を特定する情報に対応するばらつきを表す測定値を取得することにより、蒸着プロセス、開発工程及びエッチング工程に関連付けられた本件ばらつきを決定することになる。この結果、当業者は、相違点2に係る本願発明でいう「前記取得された第1及び第2のコンテキストデータを使用して、前記記録されたコンテキストに対応する前記性能パラメータの前記測定されたフィンガープリントを取得することにより、前記第1のプロセス及び第2のプロセスに関連付けられた前記基板にわたる前記性能パラメータの前記予測されたフィンガープリントを決定する」との構成に至ることとなる。
2 総合検討
相違点1~2を総合的に勘案しても、本願発明の奏する効果は、本願発明の構成が奏するものとして、引用発明及び引用文献2技術事項に基づいて、当業者が予測し得たものであり、格別顕著なものということもできない。
3 請求人の主張について
(1)主張1
請求人は、引用発明において、「上記処理デバイス内の個々のウエハ効果」は、CVDツールによる蒸着プロセス及びデベロッパカップによる開発工程後であってエッチング工程前に計測により既知となりうるものであり、補償すべき「上記処理デバイス内の個々のウエハ効果」は、エッチング工程前に計測を通じて事前に把握されうることから、「上記処理デバイス内の個々のウエハ効果」をエッチング工程前にあらかじめ予測する必要はない旨、主張している。
しかしながら、前記1(3)ア(ア)で説示したように、引用発明は、エッチング装置の処理パラメータについて、計測測定結果をフィードフォワードすることによって調整するための方法であるところ、フィードフォワード制御は制御対象の動作や状態の予測を内包する概念であるから、本件ばらつきを補償するに際し、まず、本件ばらつきを予測することは、当業者が適宜なし得る設計変更にすぎない。また、前記1(3)ア(ア)で説示したように、予測される本件ばらつきは、処理デバイス内の個々のウエハ効果又はCVDツールごとおよびデベロッパカップ(developer cup)ごとのばらつきと、エッチング装置の機差に起因するばらつきを総合したばらつきであって、各工程におけるばらつきの計測値そのものではないから、各工程における計測値が既知であることは、本件ばらつきを予測する必要がないことを意味しない。
(2)主張2
請求人は、引用発明及び引用文献2技術事項には、「取得された第1及び第2のコンテキストデータを使用して、前記第2のプロセスを用いて処理された後の前記基板にわたる性能パラメータのフィンガープリントを予測すること」に相当する事項の開示はなく、そのため、「予測すること」の具体的態様である、「複数の基板上で実行された前記半導体製造プロセス内の複数のプロセスで記録されたコンテキストを取得することと、前記複数の基板から各基板の前記性能パラメータの測定されたフィンガープリントを取得することと、前記性能パラメータの前記測定されたフィンガープリントをそれぞれの前記記録されたコンテキストに関連付けることと、前記取得された第1及び第2のコンテキストデータを使用して、前記記録されたコンテキストに対応する前記性能パラメータの前記測定されたフィンガープリントを取得することにより、前記第1のプロセス及び前記第2のプロセスに関連付けられた前記基板にわたる前記性能パラメータの前記予測されたフィンガープリントを決定することと、を含」むことについても開示がない旨を主張している。
しかしながら、前記1(3)で検討したとおりである。
(3)主張3
請求人は、リソグラフィ技術によるデバイスの製造に使用して、エッチング後のCDに対する堆積厚さの変化やエッチャーのフィンガープリントなどのフィンガープリントの悪影響を低減し、それによって関連する課題の1つ以上を回避又は少なくとも緩和しながら歩留まりを向上させることができる、という本願発明の作用効果は、各引用文献に記載も示唆もない旨主張している。
そこで検討するに、引用発明に引用文献2技術事項を組み合わせた結果得られる容易想到構成では、前記1(3)で説示したように、上記処理デバイス内の個々のウエハ効果又はCVDツールごとおよびデベロッパカップ(developer cup)ごとのばらつきと、エッチング装置の機差に起因するばらつきを総合したばらつきである本件ばらつきを補償するものであるから、容易想到構成によりエッチング後のCDに対する堆積厚さの変化やエッチャーのフィンガープリントなどのフィンガープリントの悪影響を低減できることは、当業者であれば予測し得たものであるし、格別顕著なものともいえない。したがって、本願発明の効果は、前記2で説示したとおり、本願発明の構成が奏するものとして、引用発明及び引用文献2技術事項に基づいて、当業者が予測し得たものであり、格別顕著なものということもできない。
(4)以上のとおり、請求人の意見書での主張は、いずれも採用することができない。
4 小括
したがって、本願発明は、引用発明及び引用文献2技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2023-021142