特許拒絶査定不服審判
2023-020613
電力制御ユニット、及び分電盤システム
- 審判番号
- 2023-020613
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-230946
- 請求日
- 2023年12月04日
- 審決日
- 2024年05月16日
- 公報発行日
- 2024年08月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】パナソニックIPマネジメント株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人北斗特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 土居 仁士
- 審判官 稲葉 崇
- 審判官 寺谷 大亮
- 分類
- P18 .121-Z (H02J) / P18 .56 -Z (H02J) / P18 .572-Z (H02J) / P18 .575-Z (H02J)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2019-230946「電力制御ユニット、及び分電盤システム」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 7月 1日出願公開、特開2021-100326〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和元年12月20日の出願であって、その手続の経緯の概要は以下のとおりである。
令和 5年 3月28日付け 拒絶理由通知書
6月 5日 意見書・手続補正書
8月29日付け 拒絶査定
12月 4日 審判請求書・手続補正書
令和 6年 1月 5日 前置報告書
以下では、令和5年8月29日付け拒絶査定を「原査定」といい、同年12月4日の手続補正書による補正を「本件補正」という。
第2 補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
本件補正を却下する。
[理由]
1 本件補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲について、(1)に示す本件補正前の特許請求の範囲の請求項1~14を、(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項1~12へと補正するものである。なお、(2)における下線は補正箇所を示す。
(1)本件補正前の特許請求の範囲
「【請求項1】
アグリゲータからの指令を受信する指令受信部と、
分散型電源から出力される電力に関する電力情報、及び前記アグリゲータからの前記指令に基づいて、分電盤に電気的に接続される負荷を制御する制御信号を出力する出力部と、を備え、
前記指令は、電気の需要を抑制する下げDRと、電気の需要を創出する上げDRとを含み、
前記出力部は、
前記指令が下げDRの場合、前記負荷の動作を抑制又は停止させ、
前記指令が上げDRの場合、前記負荷での電力消費を増大させる、
電力制御ユニット。
【請求項2】
アグリゲータからの指令を受信する指令受信部と、
分散型電源から出力される電力に関する電力情報、及び前記アグリゲータからの前記指令に基づいて、分電盤に電気的に接続される負荷を制御する制御信号を出力する出力部と、を備え、
前記指令は、電気の需要を抑制する下げDRと、電気の需要を創出する上げDRとを含み、
前記出力部は、前記指令を満足し得る電力量を一時的に増大又は減少させることが可能な時間帯を決定する、
電力制御ユニット。
【請求項3】
前記分散型電源から出力される電流を計測する電流センサから取得した計測結果に基づいて、前記電力情報を計測する計測部を更に備える、
請求項1又は2に記載の電力制御ユニット。
【請求項4】
前記電力情報を外部から取得する取得部を更に備える、
請求項1~3のいずれか1項に記載の電力制御ユニット。
【請求項5】
前記分電盤とは別に、ねじ止めにより壁に取り付け可能な構造を有する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の電力制御ユニット。
【請求項6】
前記負荷は、前記分散型電源から出力される電力を調整する電力調整装置を含んでおり、
前記制御信号は、前記電力調整装置から電力系統へ逆潮流する電力の増減を制御する制御指令を含む、
請求項1~5のいずれか1項に記載の電力制御ユニット。
【請求項7】
前記負荷は、前記分散型電源としての蓄電池を含んでおり、
前記制御信号は、前記蓄電池の充電及び放電の少なくとも一方を制御する制御指令を含む、
請求項1~6のいずれか1項に記載の電力制御ユニット。
【請求項8】
前記負荷は、前記分電盤から電力を供給される需要機器を含んでおり、
前記制御信号は、前記需要機器の動作を制御する制御指令を含む、
請求項1~7のいずれか1項に記載の電力制御ユニット。
【請求項9】
前記電力情報を前記アグリゲータに送信する送信部を更に備える、
請求項1~8のいずれか1項に記載の電力制御ユニット。
【請求項10】
前記出力部は、前記分散型電源から出力される電力以外の電力に関する情報に基づいて、前記制御信号を出力し、
前記分電盤は、主幹ブレーカ及び分岐ブレーカを備え、
前記分岐ブレーカは、前記主幹ブレーカが電気的に接続される一次側端子と、前記負荷として前記分電盤から電力を供給される需要機器が接続される二次側端子と、を有し、
前記情報は、前記需要機器が接続される前記二次側端子で計測された電力量に関する情報を含む、
請求項1~9のいずれか1項に記載の電力制御ユニット。
【請求項11】
情報端末に対して、前記電力情報、前記指令、及び前記負荷の制御状況の少なくとも1つを含む端末情報を送信する端末情報送信部を更に備える、
請求項1~10のいずれか1項に記載の電力制御ユニット。
【請求項12】
動作用の電力をコンセントから受ける電源部を更に備える、
請求項1~11のいずれか1項に記載の電力制御ユニット。
【請求項13】
前記分電盤の内部に、ねじ止めにより取り付け可能な構造を有する、
請求項1~12のいずれか1項に記載の電力制御ユニット。
【請求項14】
請求項13記載の電力制御ユニットと、
前記分電盤と、を備える、
分電盤システム。」
(2)本件補正後の特許請求の範囲
「【請求項1】
アグリゲータからの指令を受信する指令受信部と、
分散型電源から出力される電力に関する電力情報、及び前記アグリゲータからの前記指令に基づいて、分電盤に電気的に接続される負荷を制御する制御信号を出力する出力部と、を備え、
前記指令は、電気の需要を抑制する下げDRと、電気の需要を創出する上げDRとを含み、
前記出力部は、
前記指令が下げDRの場合、前記負荷の動作を抑制又は停止させ、
前記指令が上げDRの場合、前記負荷での電力消費を増大させ、
前記電力情報を外部から取得する取得部を更に備え、
前記取得部は、前記分散型電源から出力される電力を調整する電力調整装置から前記電力情報を取得する、
電力制御ユニット。
【請求項2】
前記分散型電源から出力される電流を計測する電流センサから取得した計測結果に基づいて、前記電力情報を計測する計測部を更に備える、
請求項1に記載の電力制御ユニット。
【請求項3】
前記分電盤とは別に、ねじ止めにより壁に取り付け可能な構造を有する、
請求項1又は2に記載の電力制御ユニット。
【請求項4】
前記負荷は、前記電力調整装置を含んでおり、
前記制御信号は、前記電力調整装置から電力系統へ逆潮流する電力の増減を制御する制御指令を含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載の電力制御ユニット。
【請求項5】
前記負荷は、前記分散型電源としての蓄電池を含んでおり、
前記制御信号は、前記蓄電池の充電及び放電の少なくとも一方を制御する制御指令を含む、
請求項1~4のいずれか1項に記載の電力制御ユニット。
【請求項6】
前記負荷は、前記分電盤から電力を供給される需要機器を含んでおり、
前記制御信号は、前記需要機器の動作を制御する制御指令を含む、
請求項1~5のいずれか1項に記載の電力制御ユニット。
【請求項7】
前記電力情報を前記アグリゲータに送信する送信部を更に備える、
請求項1~6のいずれか1項に記載の電力制御ユニット。
【請求項8】
前記出力部は、前記分散型電源から出力される電力以外の電力に関する情報に基づいて、前記制御信号を出力し、
前記分電盤は、主幹ブレーカ及び分岐ブレーカを備え、
前記分岐ブレーカは、前記主幹ブレーカが電気的に接続される一次側端子と、前記負荷として前記分電盤から電力を供給される需要機器が接続される二次側端子と、を有し、
前記情報は、前記需要機器が接続される前記二次側端子で計測された電力量に関する情報を含む、
請求項1~7のいずれか1項に記載の電力制御ユニット。
【請求項9】
情報端末に対して、前記電力情報、前記指令、及び前記負荷の制御状況の少なくとも1つを含む端末情報を送信する端末情報送信部を更に備える、
請求項1~8のいずれか1項に記載の電力制御ユニット。
【請求項10】
動作用の電力をコンセントから受ける電源部を更に備える、
請求項1~9のいずれか1項に記載の電力制御ユニット。
【請求項11】
前記分電盤の内部に、ねじ止めにより取り付け可能な構造を有する、
請求項1~10のいずれか1項に記載の電力制御ユニット。
【請求項12】
請求項11記載の電力制御ユニットと、
前記分電盤と、を備える、
分電盤システム。」
2 本件補正の目的
(1)本件補正後の請求項1は、本件補正前の請求項1に、「前記電力情報を外部から取得する取得部を更に備え」との発明特定事項、及び「前記取得部は、前記分散型電源から出力される電力を調整する電力調整装置から前記電力情報を取得する」との発明特定事項を追加したものとなっている。
(2)本件補正前の請求項4は「前記電力情報を外部から取得する取得部を更に備える、
請求項1~3のいずれか1項に記載の電力制御ユニット。」であるから、本件補正前の請求項4の内の請求項1を引用する場合、すなわち、「前記電力情報を外部から取得する取得部を更に備える、
請求項1に記載の電力制御ユニット。」(以下「本件補正前請求項1引用請求項4」という。)は、本件補正前の請求項1に、「前記電力情報を外部から取得する取得部を更に備える」との発明特定事項を追加したものである。
(3)前記(1)及び(2)によれば、本件補正後の請求項1は、本件補正前請求項1引用請求項4に、「前記取得部は、前記分散型電源から出力される電力を調整する電力調整装置から前記電力情報を取得する」との発明特定事項を追加したものとみることができる。
(4)したがって、本件補正のうち本件補正後の請求項1に係る補正は、本件補正前の請求項4について、引用する請求項を請求項1~3から請求項1のみに限定し、独立形式に改めた上で、「前記取得部は、前記分散型電源から出力される電力を調整する電力調整装置から前記電力情報を取得する」との発明特定事項を追加して、本件補正後の請求項1とするものであると認められる。
(5)そして、「前記取得部は、前記分散型電源から出力される電力を調整する電力調整装置から前記電力情報を取得する」との発明特定事項は、本件補正前の請求項4が有する発明特定事項である「取得部」について、「電力調整装置から前記電力情報を取得する」ことを特定することで、「取得部」の動作を限定するものであるから、本件補正前の請求項4が有する発明特定事項に限定を付加するものである。
また、本件補正前の請求項4に係る発明と本件補正後の請求項1に係る発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。
(6)したがって、本件補正のうち本件補正後の請求項1に係る補正は、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
3 本件補正の適否
前記2のとおり、本件補正のうち本件補正後の請求項1に係る補正は、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するから、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか)について、以下、検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、前記1(2)に示した本件補正後の請求項1に記載された事項により特定されるものと認められる。
なお、後の参照の便宜のため、請求項1を以下のA~Iに分説し、「発明特定事項A」のようにして参照する。
【請求項1】
A アグリゲータからの指令を受信する指令受信部と、
B 分散型電源から出力される電力に関する電力情報、及び前記アグリゲータからの前記指令に基づいて、分電盤に電気的に接続される負荷を制御する制御信号を出力する出力部と、を備え、
C 前記指令は、電気の需要を抑制する下げDRと、電気の需要を創出する上げDRとを含み、
D 前記出力部は、
E 前記指令が下げDRの場合、前記負荷の動作を抑制又は停止させ、
F 前記指令が上げDRの場合、前記負荷での電力消費を増大させ、
G 前記電力情報を外部から取得する取得部を更に備え、
H 前記取得部は、前記分散型電源から出力される電力を調整する電力調整装置から前記電力情報を取得する、
I 電力制御ユニット。
(2)引用文献1の記載事項
ア 原査定で引用された特開2015-149862号公報(以下「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている。なお、下線は強調のために当審で付した(以下同様)。
(ア)「【0022】
(実施形態)
エネルギー管理システム(電力管理システム)の全体構成を、図2に示す。エネルギー管理システムは、分電盤10、自立分電盤20、電源切替器30、計測装置40、電力変換装置50、蓄電池62、燃料電池63、エネルギー管理装置81、表示端末82、ルータ83を主構成として備える。」
(イ)「【0043】
電力変換装置50は、蓄電池62と太陽電池64とが接続され、分電盤10との間で電力の授受を行う機能と、自立分電盤20に電力を供給する機能とを有する電力変換器51を備える。さらに、電力変換装置50は、電力変換器51から2線で出力される電力を3線に変換するトランス52を備える。
【0044】
電力変換器51は、太陽電池64が発電した直流電力を、系統電源61に連系可能な交流電力に変換する。また、電力変換器51は、蓄電池62の充電電流および放電電流を監視・制御し、蓄電池62が放電する直流電力を交流電力に変換する。
【0045】
さらに電力変換器51は、連系ブレーカ13に接続される連系端子55と、トランス52に電力を供給する自立出力部56とを備える。そして、電力変換器51は、系統電源61の通電期間/停電期間(系統電源61から受電可能か否か)を、連系端子55における端子間の電圧を用いて判断する。」
(ウ)「【0067】
さらに、計測装置40は、電力変換装置50と通信することによって、蓄電池62の情報(蓄電電力、放電電力、機器情報、エラー情報等)、太陽電池64の情報(発電電力、機器情報、エラー情報等)、通電期間/停電期間の判断結果を示す停電情報を取得する。
【0068】
そして、計測装置40は、売買電情報、消費電力情報(一般負荷)、消費電力情報(特定負荷)、蓄電池62の情報、太陽電池64の情報、停電情報、発電情報(燃料電池)を、エネルギー管理装置81へ無線送信する。
【0069】
エネルギー管理装置81は、情報取得部81aと、信号受信部81bと、電力制御部81cと、負荷制御部81dと、蓄熱量予測部81eと、使用湯量予測部81fと、発電電力予測部81gと、表示データ生成部81hとを備える(図1参照)。なお、エネルギー管理装置81が、コージェネレーション装置の制御装置に相当する。
【0070】
エネルギー管理装置81は、計測装置40と無線通信可能に構成されており、情報取得部81aは、売買電情報、消費電力情報(一般負荷)、消費電力情報(特定負荷)、蓄電池62の情報、太陽電池64の情報、停電情報、発電情報(燃料電池)を、計測装置40から取得する。さらに、エネルギー管理装置81は、燃料電池63と無線通信可能に構成されており、情報取得部81aは、燃料電池63の情報(貯湯タンク632の蓄熱量(貯湯量および湯温)、機器情報、エラー情報等)も取得する。
【0071】
さらに、エネルギー管理装置81は、計測装置40と無線通信することによって、計測装置40経由で電力変換器51と通信可能である。
【0072】
そして、電力制御部81cは、上記各情報に基づいて、電力変換器51および燃料電池63を制御して、蓄電池62、燃料電池63、太陽電池64の各動作を制御する。」
(エ)「【0077】
次に、本発明の要旨である、デマンドレスポンス信号による燃料電池63の発電制御について、説明する。
【0078】
電力供給事業者は、将来の電力需要量が電力供給量に逼迫すると予測される場合、将来の電力抑制期間に商用電力の使用量を抑制することを需要家に対して予め要請する。この商用電力の使用量の抑制要請は、サーバ200が各需要家に設置されたエネルギー管理装置81へデマンドレスポンス信号(以降、DR信号と称す)を送信することによって行われる。信号受信部81bは、ルータ83を通してインターネット等の広域ネットワーク100に接続しており、DR信号を受信する。
【0079】
DR信号は、各需要家における商用電力の削減量、電力抑制期間の各情報を含む。そして、表示データ生成部81hは、DR信号を受信すると、商用電力の削減量、電力抑制期間等を通知して商用電力の抑制を要請するためのDR情報を生成し、このDR情報を表示端末82へ送信する。表示端末82は、このDR情報を表示する。一般に、DR信号は、電力抑制期間が設定された日の前日に送信される。また、電力抑制期間が午後である場合、DR信号は当日の午前に送信されてもよい。」
(オ)「【0090】
また、負荷制御部81dは、一般負荷70および特定負荷80と通信(無線または有線)することによって、一般負荷70および特定負荷80の各動作を制御することができる。DR信号には、各需要家における商用電力の使用量の上限値に関する情報(抑制電力情報)が含まれている。例えば、抑制電力情報は、各需要家における商用電力の使用量の抑制度(例えば、60%)、各需要家における商用電力の削減量(例えば、10kW減)、各需要家における商用電力の使用量の上限値(例えば、15kW)等で表される。
【0091】
負荷制御部81dは、この抑制電力情報に基づいて、電力抑制期間T2における商用電力の使用量の上限値(商用電力の上限使用量)を把握する。そして、負荷制御部81dは、電力抑制期間T2における商用電力の使用量が上限使用量を上回らないように、一般負荷70および特定負荷80の動作(負荷の動作)を制御する。具体的に負荷制御部81dは図5に示すように、電力抑制期間T2に負荷へ供給される電力P0が、商用電力の上限使用量P1と、蓄電池62の放電電力P2と、燃料電池63の発電電力P3と、太陽電池64の発電電力P4との和以下となるように、負荷の動作を制御する。すなわち、負荷制御部81dは、電力抑制期間T2に負荷へ供給される電力P0が、商用電力の上限使用量P1と、燃料電池63の発電電力P3と、負荷へ電力を供給する他の電源による供給電力の和以下となるように、負荷の動作を制御する。ここで、負荷制御部81dが制御する負荷の動作とは、空調設備の設定温度、風量の各制御、照明の点灯・消灯・調光制御、床暖房設備の設定温度の制御等である。
【0092】
したがって、負荷制御部81dが負荷の動作を制御することによって、電力抑制期間T2における商用電力の使用量を、DR信号によって通知された上限使用量以下に抑えることができる。また、系統電源61および燃料電池63以外に負荷へ電力を供給する電源(蓄電池62、太陽電池64等)を備えていないシステムであれば、負荷制御部81dは、電力抑制期間T2に負荷へ供給される電力P0が、商用電力の上限使用量P1と、燃料電池63の発電電力P3との和以下となるように、負荷の動作を制御する。」
(カ)図1
[図:0001413214000001.jpg]
図1によれば、一般負荷70は分電盤10に電気的に接続され、特定負荷80は自立分電盤20及び電源切替器30を介して分電盤10に電気的に接続される。
イ 引用発明
前記アの記載によれば、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。なお、後の参照の便宜のため、引用発明をa~qに分説し、「分説a」のようにして参照する。
「a エネルギー管理システムであって、(【0022】)
b エネルギー管理システムは、分電盤10、計測装置40、電力変換装置50、蓄電池62、エネルギー管理装置81を主構成として備え、(【0022】)
c 電力変換装置50は、蓄電池62と太陽電池64とが接続され、分電盤10との間で電力の授受を行う機能を有する電力変換器51を備え、(【0043】)
d 電力変換器51は、太陽電池64が発電した直流電力を、系統電源61に連系可能な交流電力に変換し、また、電力変換器51は、蓄電池62の充電電流および放電電流を監視・制御し、蓄電池62が放電する直流電力を交流電力に変換し、(【0044】)
e 計測装置40は、電力変換装置50と通信することによって、蓄電池62の情報(蓄電電力、放電電力、機器情報、エラー情報等)、太陽電池64の情報(発電電力、機器情報、エラー情報等)、通電期間/停電期間の判断結果を示す停電情報を取得し、(【0067】)
f 計測装置40は、蓄電池62の情報、太陽電池64の情報を、エネルギー管理装置81へ無線送信し、(【0068】)
g エネルギー管理装置81は、情報取得部81aと、信号受信部81bと、負荷制御部81dとを備え、(【0069】)
h エネルギー管理装置81は、計測装置40と無線通信可能に構成されており、情報取得部81aは、売買電情報、消費電力情報(一般負荷)、消費電力情報(特定負荷)、蓄電池62の情報、太陽電池64の情報、停電情報、発電情報(燃料電池)を、計測装置40から取得し、(【0070】)
i エネルギー管理装置81は、計測装置40と無線通信することによって、計測装置40経由で電力変換器51と通信可能であり、(【0071】)
j 電力制御部81cは、上記各情報に基づいて、電力変換器51および燃料電池63を制御して、蓄電池62、燃料電池63、太陽電池64の各動作を制御し、(【0072】)
k 電力供給事業者は、将来の電力需要量が電力供給量に逼迫すると予測される場合、将来の電力抑制期間に商用電力の使用量を抑制することを需要家に対して予め要請し、この商用電力の使用量の抑制要請は、サーバ200が各需要家に設置されたエネルギー管理装置81へデマンドレスポンス信号(DR信号)を送信することによって行われ、信号受信部81bは、ルータ83を通してインターネット等の広域ネットワーク100に接続しており、DR信号を受信し、(【0078】)
l DR信号は、各需要家における商用電力の削減量、電力抑制期間の各情報を含み、(【0079】)
m 負荷制御部81dは、一般負荷70および特定負荷80と通信(無線または有線)することによって、一般負荷70および特定負荷80の各動作を制御することができ、DR信号には、各需要家における商用電力の使用量の上限値に関する情報(抑制電力情報)が含まれており、(【0090】)
n1 負荷制御部81dは、抑制電力情報に基づいて、電力抑制期間T2における商用電力の使用量の上限値(商用電力の上限使用量)を把握し、(【0091】)
n2 負荷制御部81dは、電力抑制期間T2に負荷へ供給される電力P0が、商用電力の上限使用量P1と、蓄電池62の放電電力P2と、燃料電池63の発電電力P3と、太陽電池64の発電電力P4との和以下となるように、負荷の動作を制御し、(【0091】)
n3 負荷制御部81dが制御する負荷の動作とは、空調設備の設定温度、風量の各制御、照明の点灯・消灯・調光制御、床暖房設備の設定温度の制御等であり、(【0091】)
o 負荷制御部81dが負荷の動作を制御することによって、電力抑制期間T2における商用電力の使用量を、DR信号によって通知された上限使用量以下に抑えることができ、(【0092】)
p 一般負荷70は分電盤10に電気的に接続され、特定負荷80は自立分電盤20及び電源切替器30を介して分電盤10に電気的に接続される、(図1)
q エネルギー管理システム」
(3)周知技術の認定
ア 引用文献2に記載された事項
原査定において周知技術を示す文献として引用された国際公開第2017/098631号(以下「引用文献2」という。)には、以下の事項が記載されている。
(ア)「[0013](実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係るホームシステム1の全体構成の一例を示す模式図である。図示するように、ホームシステム1は、電力を蓄える蓄電設備10と、発電する発電設備20と、住居H内に供給される電力を遮断するブレーカ30と、住居H内で消費や発電される電力を計測する電力計測装置40と、住居H内で電力を消費する機器50と、ホームシステム1全体を制御する電力制御装置60と、ユーザに使用される端末装置70とを備えている。」
(イ)「[0023] この電力制御装置60の構成の一例について、以下、図2を参照して説明する。図2は、電力制御装置60の構成の一例を示すブロック図である。図示するように、電力制御装置60は、宅内通信部61と、宅外通信部62と、データ記憶部63と、制御部64とを備える。」
(ウ)「[0031] 制御部64は、例えば、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)を備え、電力制御装置60全体を制御する。制御部64は、機能的には、情報取得部641と、予測モデル更新部642と、予測演算部643と、表示制御部644と、運転計画立案部645と、機器制御部646とを備える。これらの機能は、CPUが、RAMをワークメモリとして用い、ROMに記憶されている各種プログラムを適宜実行することにより実現される。
[0032] 情報取得部641は、必要な情報を取得する。例えば、情報取得部641は、宅外通信部62を制御し、宅外ネットワークN2を介して、サーバ80から電気料金テーブル81や気象予報情報82を取得する。これ以外にも、情報取得部641は、宅外ネットワークN2を介して、アグリゲータ、つまり、電力小売事業者から発せられたDR(デマンドレスポンス)指令や発電量抑制を取得する。なお、デマンドレスポンスとは、電力需要バランスを維持するために需要家に対して需要抑制や需要シフトを促すインセンティブ制度である。発電量抑制とは、例えば、電力供給が電力需要を大きく上回った場合に、需要家からの売電を停止させるため、アグリゲータから発せられる指令である。」
(エ)「[0068] 制御部64は、節電制御計画2を立案する(ステップS117)。例えば、運転計画立案部645は、デマンドレスポンス、つまり、DR指令に対応して、節電制御が可能な機器50について、時間帯別に節電用の運転計画を立案する。」
イ 引用文献2記載事項
前記アの記載によれば、引用文献2には、次の引用文献2記載事項が記載されていると認められる。
「ホームシステム1は、電力を蓄える蓄電設備10と、発電する発電設備20と、住居H内で消費や発電される電力を計測する電力計測装置40と、住居H内で電力を消費する機器50と、ホームシステム1全体を制御する電力制御装置60とを備えており、([0013])
電力制御装置60は、制御部64を備え、([0023])
制御部64は、情報取得部641と、運転計画立案部645と、機器制御部646とを備え、([0031])
情報取得部641は、宅外ネットワークN2を介して、アグリゲータ、つまり、電力小売事業者から発せられたDR(デマンドレスポンス)指令や発電量抑制を取得し、なお、デマンドレスポンスとは、電力需要バランスを維持するために需要家に対して需要抑制や需要シフトを促すインセンティブ制度であり、発電量抑制とは、例えば、電力供給が電力需要を大きく上回った場合に、需要家からの売電を停止させるため、アグリゲータから発せられる指令であり、([0032])
運転計画立案部645は、デマンドレスポンス、つまり、DR指令に対応して、節電制御が可能な機器50について、時間帯別に節電用の運転計画を立案すること。([0068])」
ウ 引用文献3に記載された事項
原査定において周知技術を示す文献として引用された特開2019-33643号公報(以下「引用文献3」という。)には、以下の事項が記載されている。
(ア)「【0015】
(実施形態)
まず、図1を用いて、実施形態に係る通信システムについて説明する。図1は、実施形態に係る通信システム1の構成例を示す図である。図1に示すように、実施形態に係る通信システム1は、電力会社のサーバ装置41(以下、電力会社41)と、アグリゲータのサーバ装置42(以下、アグリゲータ42)と、EMS(Energy Management System)クラウド43と、HEMSコントローラ44と、スマートメータ(電力計測器)45とを備える。
【0016】
電力会社41は、各契約者宅Hに系統電源11を介して電力を供給する事業者、すなわち、電力事業者が使用するサーバ装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。なお、電力会社41は、発電施設や変電施設を所有する電気事業者であってもよく、送電事業者であってもよい。」
(イ)「【0018】
アグリゲータ42は、電力会社41と契約者との仲介を行い、電力会社41からの要求に応じて、EMSクラウド43に対して指示し、対象機器16を統括的に制御することで、VPPと呼ばれる制御を実現する。
【0019】
例えば、アグリゲータ42は、電力会社41からの要請に基づき、EMSクラウド43に対して電力量(いわゆるコミット量)の制御指示を行う。そして、アグリゲータ42は、制御指示に対して供給された各契約者宅Hのコミット量に基づいて、例えば各契約者に支払うインセンティブを算出する。また、アグリゲータ42は、例えば、インターネットのNTPを用いて時刻同期サーバと同期する。」
(ウ)「【0021】
また、EMSクラウド43は、アグリゲータ42からコミット量(電力量)の指示を受け付けると、各契約者宅Hにおける対象機器16の余剰電力量や現在の状態を加味して、住宅毎にコミットすべきコミット量を指示する。
【0022】
HEMSコントローラ44は、EMSクラウド43から指示されたコミット量に基づいて各対象機器に対して指示し、契約者宅H全体として指示されたコミット量を満たすように、対象機器を連携制御する。なお、HEMSコントローラ44がEMSクラウド43の有するアグリゲータ42とのコミット量指示に対応する機能などを有する場合、EMSクラウド43を省略することができる。」
(エ)「【0042】
次に、図2を用いて、実施形態に係るHEMSコントローラ44の構成について説明する。図2は、実施形態に係るHEMSコントローラ44の構成の一例を示す図である。図2に示すように、HEMSコントローラ44は、通信部20と、制御部30と、記憶部40とを備える。」
(オ)「【0047】
図2に戻って、制御部30は、取得部31と、算出部32と、処理部33と、機器制御部34とを備える。制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路であり、HEMSコントローラ44の全体制御を実行する。」
(カ)「【0065】
機器制御部34は、電力量の制御指示を受け付け、かかる制御指示に基づいて対象機器16を制御する。具体的には、機器制御部34は、アグリゲータ42もしくはEMSクラウド43からコミットすべきコミット量を取得し、かかるコミット量を達成できるように対象機器16を制御する。機器制御部34は、例えば、蓄電池等の分散電源の充放電制御を行ったり、空調機器等といった負荷機器の電力量の瞬時値を低下させる制御を行ったりする。」
(キ)「【0076】
なお、上述した実施形態では、アグリゲータ42とEMSクラウド43とが別体で構成される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、アグリゲータ42とEMSクラウド43とが一体的に構成されてもよい。かかる場合、アグリゲータ42がEMSクラウド43の機能を兼ねる。」
(ク)図1
[図:0001413214000002.jpg]
Hは、契約者宅である(前記(ア))から、図1によれば、HEMSコントローラ44は契約者宅Hに設けられる。
エ 引用文献3記載事項
前記ウの記載によれば、引用文献3には、次の引用文献3記載事項が記載されていると認められる。
「通信システム1は、電力会社のサーバ装置41(以下、電力会社41)と、アグリゲータのサーバ装置42(以下、アグリゲータ42)と、EMSクラウド43と、HEMSコントローラ44とを備え、(【0015】)
HEMSコントローラ44は契約者宅Hに設けられ、(図1)
電力会社41は、各契約者宅Hに系統電源11を介して電力を供給する事業者、すなわち、電力事業者が使用するサーバ装置であり、(【0016】)
アグリゲータ42は、電力会社41と契約者との仲介を行い、電力会社41からの要求に応じて、EMSクラウド43に対して指示し、対象機器16を統括的に制御することで、VPPと呼ばれる制御を実現し、(【0018】)
アグリゲータ42は、電力会社41からの要請に基づき、EMSクラウド43に対して電力量(いわゆるコミット量)の制御指示を行い、(【0019】)
EMSクラウド43は、アグリゲータ42からコミット量(電力量)の指示を受け付けると、住宅毎にコミットすべきコミット量を指示し、(【0021】)
HEMSコントローラ44は、EMSクラウド43から指示されたコミット量に基づいて各対象機器に対して指示し、契約者宅H全体として指示されたコミット量を満たすように、対象機器を連携制御し、(【0022】)
HEMSコントローラ44は、制御部30を備え、(【0042】)
制御部30は、機器制御部34とを備え、(【0047】)
機器制御部34は、アグリゲータ42もしくはEMSクラウド43からコミットすべきコミット量を取得し、かかるコミット量を達成できるように対象機器16を制御し、機器制御部34は、例えば、蓄電池等の分散電源の充放電制御を行ったり、空調機器等といった負荷機器の電力量の瞬時値を低下させる制御を行ったりし、(【0065】)
アグリゲータ42とEMSクラウド43とが一体的に構成されてもよいこと。(【0076】)」
オ 引用文献4に記載された事項
原査定において周知技術を示す文献として引用された特開2018-207745号公報(以下「引用文献4」という。)には、以下の事項が記載されている。
(ア)「【背景技術】
【0002】
近年、電力供給事業者による全体の発電量に占める、太陽光発電や風力発電等の再生可能エネルギーによる発電量の割合が増加している。再生可能エネルギーによる発電量は天候(日射量、風量等)に応じて増減することから、このような変動に対応可能な、電力の需給バランスの調整システムが必要となる。
【0003】
例えば近年では、電力供給事業者側の発電量の変動に応じて、電力を消費する需要家側が受電電力(買電力)を一時的に制御する、デマンドレスポンス(以下適宜DRとも記載する)と呼ばれる電力需給調整が知られている。
【0004】
さらにこのデマンドレスポンスに関して、電力供給事業者と複数の需要家との間に入って電力需給を調整する、アグリゲータと呼ばれる事業者が知られている。アグリゲータは電力供給事業者から増減させる電力量の要請(大口DR要請)を受けると、これを適宜小口に分けて複数の需要家に電力調整を要請する(小口DR要請)。」
(イ)「【0019】
<電力管理システムのシステム構成>
図1に、本実施形態に係る電力管理システム10を含む、全体的な電力の送配電システムの構成を例示する。電力管理システム10は、アグリゲータシステム12及び需要家電力管理システム14(電力管理システム:EnergyManagementSystem、EMS)を含んで構成される。なお、図示を簡略化するために、図1では、アグリゲータシステム12に接続される需要家電力管理システム14は一つのみ例示されているが、複数の需要家電力管理システム14,14,14・・・がアグリゲータシステム12に接続される。」
(ウ)「【0020】
なお一般的に、デマンドレスポンスの例として、デマンドレスポンスの発令によって電気の需要量(購入電力)を増加させるいわゆる「上げDR」と、デマンドレスポンスの発令によって電気の需要量(購入電力)を減少させるいわゆる「下げDR」とが存在する。さらに両者を混合させた、いわゆる「上げ下げDR」が存在する。
【0021】
上げDRは例えば再生可能エネルギーの過剰出力分を消費するようなデマンドレスポンスの類型を指す。下げDRは例えば電気需要のピーク時に電力供給事業者等からの電力購入を減らすようなデマンドレスポンスの類型を指す。いずれにしても、デマンドレスポンス要請量に応じて蓄電池49の充放電および負荷47の消費電力調整が行われる。以下では代表的なデマンドレスポンスの類型である、下げDRを例に挙げて説明するが、本実施形態に係るデマンドレスポンスでは、上げDRも上げ下げDRも対応可能となっている。
【0022】
アグリゲータシステム12は、電力供給事業者16と複数の需要家電力管理システム14,14,14・・・との間に入り、電力供給事業者16から送られる、大口の電力制限要請量である、大口デマンドレスポンス要請量WDR_LL(以下適宜、大口DR要請量と記載する)を分配(小分け)して、各需要家電力管理システム14,14,・・・に対して小口の電力制限要請量である、小口デマンドレスポンス要請量(以下適宜、小口DR要請量WDR_SLと記載する)を割り当てる。」
(エ)図1
[図:0001413214000003.jpg]
図1によれば、小口のDR要請が、アグリゲータシステム12から需要家EMS14(すなわち「需要家電力管理システム14」(前記(イ)))に送られる。
カ 引用文献4記載事項
前記オの記載によれば、引用文献4には、次の引用文献4記載事項が記載されていると認められる。
「近年、電力供給事業者による全体の発電量に占める、太陽光発電や風力発電等の再生可能エネルギーによる発電量の割合が増加しており、再生可能エネルギーによる発電量は天候(日射量、風量等)に応じて増減することから、このような変動に対応可能な、電力の需給バランスの調整システムが必要となり、(【0002】)
近年では、電力供給事業者側の発電量の変動に応じて、電力を消費する需要家側が受電電力(買電力)を一時的に制御する、デマンドレスポンス(DR)と呼ばれる電力需給調整が知られており、(【0003】)
デマンドレスポンスに関して、電力供給事業者と複数の需要家との間に入って電力需給を調整する、アグリゲータと呼ばれる事業者が知られており、(【0004】)
電力管理システム10は、アグリゲータシステム12及び需要家電力管理システム14を含んで構成され、複数の需要家電力管理システム14がアグリゲータシステム12に接続され、(【0019】)
一般的に、デマンドレスポンスの例として、デマンドレスポンスの発令によって電気の需要量(購入電力)を増加させるいわゆる「上げDR」と、デマンドレスポンスの発令によって電気の需要量(購入電力)を減少させるいわゆる「下げDR」とが存在し、(【0020】)
上げDRは例えば再生可能エネルギーの過剰出力分を消費するようなデマンドレスポンスの類型を指し、下げDRは例えば電気需要のピーク時に電力供給事業者等からの電力購入を減らすようなデマンドレスポンスの類型を指し、いずれにしても、デマンドレスポンス要請量に応じて蓄電池49の充放電および負荷47の消費電力調整が行われ、電力管理システム10におけるデマンドレスポンスでは、下げDRだけでなく、上げDRも対応可能となっており、(【0021】)
アグリゲータシステム12は、電力供給事業者16と複数の需要家電力管理システム14との間に入り、電力供給事業者16から送られる、大口の電力制限要請量である、大口デマンドレスポンス要請量を分配(小分け)して、各需要家電力管理システム14に対して小口の電力制限要請量である、小口デマンドレスポンス要請量を割り当て、(【0022】)
小口のDR要請が、アグリゲータシステム12から需要家電力管理システム14に送られること。(図1)」
キ 引用文献5に記載された事項
当審で新たに引用する特開2019-170097号公報(以下「引用文献5」という。)には、以下の事項が記載されている。
「【0045】
第2の実施の形態に係る水素製造制御システム100の電力管理装置10は、電力需要を減らすデマンドレスポンスがあった場合に、水素製造装置40の負荷を下げると共に、蓄電池20の放電電力を、水素製造装置40又は他の負荷へ供給する。
【0046】
また、電力管理装置10は、電力需要を増やすデマンドレスポンスがあった場合に、水素製造装置40の負荷を上げて水素貯蔵設備50へ貯蔵すると共に、電力系統の電力を用いて蓄電池20を充電する。
【0047】
<水素製造制御システム100の動作>
次に、第2の実施の形態に係る水素製造制御システム100の動作について説明する。
【0048】
電力管理装置10により、上記図2に示す水素製造制御処理ルーチンが繰り返し実行される。また、並行して、電力管理装置10により、図3に示すデマンドレスポンス対応処理ルーチンが繰り返し実行される。
【0049】
まず、ステップS200において、デマンドレスポンスがあったか否かを判定する。デマンドレスポンスがあった場合には、ステップS202へ進み、電力需要を増やすデマンドレスポンス(上げDR)であるか、電力需要を減らすデマンドレスポンス(下げDR)であるかを判定する。
【0050】
電力需要を減らすデマンドレスポンスである場合には、ステップS204において、水素消費設備へ水素を供給すべき期間であるか否かを判定する。水素消費設備へ水素を供給すべき期間である場合には、ステップS206において、水素製造装置40の負荷を低減する。これにより、水素製造装置40の電力需要を減少させる。一方、水素消費設備へ水素を供給すべき期間でない場合には、ステップS208へ移行する。
【0051】
ステップS208では、蓄電池20の放電電力を、水素製造装置40又は他の負荷へ供給し、デマンドレスポンス対応処理ルーチンを終了する。ここで、水素消費設備へ水素を供給すべき期間である場合には、蓄電池20の放電電力を、水素製造装置40及び他の負荷へ供給し、水素消費設備へ水素を供給すべき期間でない場合には、蓄電池20の放電電力を、他の負荷へ供給する。これにより、水素製造装置40や他の負荷の電力需要を減少させる。
【0052】
電力需要を増やすデマンドレスポンスである場合には、ステップS210において、水素消費設備へ水素を供給すべき期間であるか否かを判定する。水素消費設備へ水素を供給すべき期間である場合には、ステップS212において、水素製造装置40の負荷を上げる。これにより、水素製造装置40の電力需要を増加させる。一方、水素消費設備へ水素を供給すべき期間でない場合には、ステップS214へ移行する。
【0053】
ステップS214では、電力系統の電力で蓄電池20を充電するか、又は電力系統の電力を水素製造装置40へ供給して水素貯蔵設備50に貯蔵し、デマンドレスポンス対応処理ルーチンを終了する。」
ク 引用文献5記載事項
前記キの記載によれば、引用文献5には、次の引用文献5記載事項が記載されていると認められる。
「水素製造制御システム100の電力管理装置10は、電力需要を減らすデマンドレスポンスがあった場合に、水素製造装置40の負荷を下げ、(【0045】)
電力管理装置10は、電力需要を増やすデマンドレスポンスがあった場合に、水素製造装置40の負荷を上げ、(【0046】)
電力管理装置10により、デマンドレスポンス対応処理ルーチンが繰り返し実行され、(【0048】)
デマンドレスポンスがあったか否かを判定し、デマンドレスポンスがあった場合には、電力需要を増やすデマンドレスポンス(上げDR)であるか、電力需要を減らすデマンドレスポンス(下げDR)であるかを判定し、(【0049】)
電力需要を増やすデマンドレスポンスである場合には、水素消費設備へ水素を供給すべき期間であるか否かを判定し、水素消費設備へ水素を供給すべき期間である場合には、水素製造装置40の負荷を上げること。(【0052】)」
ケ 引用文献6に記載された事項
当審で新たに引用する特開2019-187023号公報(以下「引用文献6」という。)には、以下の事項が記載されている。
(ア)「【0035】
[実施の形態1]
<デマンドレスポンス(DR)について>
図1は、デマンドレスポンスについて説明するための図である。
【0036】
図1に示すように、電力需給の逼迫時には、電力会社1がアグリゲータ2に対してDRを発行することにより、電力の削減要請を行う。DRでは、DRの実施時間と、要請する削減電力とがアグリゲータ2に通知される。
【0037】
アグリゲータ2は、電力会社1が発行したDRに応答して、アグリゲータ2が管理する需要家3(需要家AおよびBなど)に対して、DRを発行する。つまり、電力会社1が要請する削減電力を複数の需要家3に分配して、需要家3ごとにDRを発行する。なお、需要家3がDRに参加する際に電力会社1またはアグリゲータ2から要求される削減電力(以下、「要求削減電力」という。)は契約で予め定められているものとする。この契約は、需要家3とアグリゲータ2との間、または需要家3と電力会社1との間で結ばれる。要求削減電力は、契約により、DR実施時間にベースライン電力を基準として削減を要請される電力のことである。ここで、ベースライン電力は、要求削減電力を計算する際の基準となる電力のことであり、アグリゲータ2と需要家3との間で契約により取り決められる。
【0038】
需要家3は、アグリゲータ2が発行したDRに応答して、DRの実施時間において、エアコンなどの電力を消費する機器を停止させたり、ガス発電機などの内燃力発電機により発電を行ったりすることにより、電力系統からの受電電力の削減を行う。需要家3は、削減した受電電力(以下、「削減電力」という。)をアグリゲータ2に通知する。」
(イ)「【0109】
[実施の形態2]
実施の形態1では、DRにおいて受電電力の削減が要請された。しかし、DRによっては、受電電力の増加が要請される場合がある。例えば、風力発電機や太陽光発電機が過剰に発電を行った場合に、過剰に発電した電力を需要家3で吸収させることを目的とする。一般的には、このようなDRを上げDRという。上げDRにおいては、要請された受電電力の増加分(以下、「要求増加電力」という。)を、需要家3に設置された蓄電池61に受電したり、需要設備70において消費したりすることにより、需要家3は、当該要請に応える。」
コ 引用文献6記載事項
前記ケの記載によれば、引用文献6には、次の引用文献6記載事項が記載されていると認められる。
「アグリゲータ2は、電力会社1が発行したデマンドレスポンス(DR)に応答して、アグリゲータ2が管理する需要家3に対して、DRを発行する、つまり、電力会社1が要請する削減電力を複数の需要家3に分配して、需要家3ごとにDRを発行し、(【0035】、【0037】)
需要家3は、アグリゲータ2が発行したDRに応答して、DRの実施時間において、エアコンなどの電力を消費する機器を停止させたり、ガス発電機などの内燃力発電機により発電を行ったりすることにより、電力系統からの受電電力の削減を行い、(【0038】)
上記の実施の形態では、DRにおいて受電電力の削減が要請されたが、DRによっては、受電電力の増加が要請される場合があり、例えば、風力発電機や太陽光発電機が過剰に発電を行った場合に、過剰に発電した電力を需要家3で吸収させることを目的とし、一般的には、このようなDRを上げDRといい、上げDRにおいては、要請された受電電力の増加分(「要求増加電力」)を、需要家3に設置された蓄電池61に受電したり、需要設備70において消費したりすることにより、需要家3は、当該要請に応えること。(【0109】)」
サ 周知技術1の認定
(ア)引用文献3記載事項では、アグリゲータ42が、電力会社41と契約者との仲介を行い、電力会社41からの要請に基づき、住宅毎にコミットすべきコミット量(電力量)を指示するための制御を行っている。
(イ)引用文献4記載事項では、デマンドレスポンスに関して、アグリゲータと呼ばれる事業者が電力供給事業者と複数の需要家との間に入り、電力供給事業者からの大口デマンドレスポンス要請量を分配して、各需要家電力管理システムに対して割り当てている。
(ウ)引用文献6記載事項では、アグリゲータ2は、電力会社1が要請する削減電力を複数の需要家3に分配して、需要家3ごとにDRを発行している。
(エ)以上によれば、引用文献3、4及び6記載事項のいずれも、電力会社のような電力供給事業者と複数の需要家の間にアグリゲータが入り、電力供給事業者からの要請に対して、各需要家への分配を行うことで、電力需要の調整を行うものであるといえ、次の技術事項は当業者にとって周知技術であったと認められる。
[周知技術1]
「電力供給事業者と複数の需要家の間にアグリゲータが入り、電力供給事業者からの要請に対して、各需要家への分配を行うことで、電力需要の調整を行うこと。」
シ 周知技術2の認定
(ア)引用文献2記載事項では、ホームシステム1の電力制御装置60は、アグリゲータから発せられたDR(デマンドレスポンス)指令を取得する。
(イ)引用文献3記載事項では、契約者宅Hに設けられたHEMSコントローラ44は、アグリゲータ42からコミットすべきコミット量(電力量)を取得する。
(ウ)引用文献4記載事項では、小口のDR要請が、アグリゲータシステム12から需要家電力管理システム14に送られる。
(エ)以上によれば、引用文献2~4記載事項のいずれも、電力需要調整のための指示(引用文献2記載事項ではDR指令、引用文献3記載事項ではコミット量、引用文献4記載事項ではDR要請)を、アグリゲータから需要家に送るものであるといえ、次の技術事項は当業者にとって周知技術であったと認められる。
[周知技術2]
「電力需要調整のための指示を、アグリゲータから需要家に送ること。」
ス 周知技術3の認定
(ア)引用文献4記載事項では、デマンドレスポンスとして、デマンドレスポンスの発令によって電気の需要量(購入電力)を増加させるいわゆる「上げDR」と、デマンドレスポンスの発令によって電気の需要量(購入電力)を減少させるいわゆる「下げDR」が存在し、電力管理システム10におけるデマンドレスポンスでは、下げDRだけでなく、上げDRも対応可能となっている。
(イ)引用文献5記載事項では、デマンドレスポンスがあった場合には、電力需要を増やすデマンドレスポンス(上げDR)であるか、電力需要を減らすデマンドレスポンス(下げDR)であるかを判定する。
(ウ)引用文献6記載事項では、デマンドレスポンス(DR)において、受電電力の削減が要請される場合と、受電電力の増加が要請される場合がある。
(エ)以上によれば、引用文献4~6記載事項のいずれにおいても、デマンドレスポンスとして、電力需要を減少させる下げDRを行う場合と、電力需要を増加させる上げDRを行う場合があり、次の技術事項は当業者にとって周知技術であったと認められる。
[周知技術3]
「デマンドレスポンスとして、電力需要を減少させる下げDRを行う場合と、電力需要を増加させる上げDRを行う場合があること。」
セ 周知技術4の認定
(ア)引用文献4記載事項では、上げDRにおいて、例えば再生可能エネルギーの過剰出力分を消費する。すなわち、負荷において消費する電力を増やすことで、上げDRに対応するものと認められる。
(イ)引用文献5記載事項では、上げDRがあった場合に、水素製造装置40の負荷を上げる。
(ウ)引用文献6記載事項では、上げDRにおいて、要求増加電力を需要設備70において消費することで、要請に応える。すなわち、負荷において消費する電力を増やすことで、上げDRに対応するものと認められる。
(エ)以上によれば、引用文献4~6記載事項のいずれも、上げDRの際に負荷の電力消費を増加させるものであるといえ、次の技術事項は当業者にとって周知技術であったと認められる。
[周知技術4]
「上げDRの際に負荷の電力消費を増加させること。」
(4)対比
本件補正発明と引用発明とを対比する。
ア 発明特定事項Aについて
(ア)引用発明では、「エネルギー管理装置81」は、「信号受信部81bと、負荷制御部81dとを備え」(分説g)、「信号受信部81b」は、「DR信号を受信し」(分説k)、「DR信号には、各需要家における商用電力の使用量の上限値に関する情報(抑制電力情報)が含まれており」(分説m)、「負荷制御部81dは、電力抑制期間T2に負荷へ供給される電力P0が、商用電力の上限使用量P1と、蓄電池62の放電電力P2と、燃料電池63の発電電力P3と、太陽電池64の発電電力P4との和以下となるように、負荷の動作を制御」する(分説n2)から、引用発明の「エネルギー管理装置81」では、「信号受信部81b」により「DR信号」が受信されると、「DR信号」における指示に沿って、負荷の動作の制御が行われていると認められる。
したがって、引用発明の「DR信号」は、「エネルギー管理装置81」に対する指令であるといえ、本件補正発明の「指令」に相当する。
(イ)引用発明では、「信号受信部81b」により「DR信号」が受信される(前記(ア))から、引用発明の「信号受信部81b」は、本件補正発明の「指令受信部」に相当し、本件補正発明と引用発明とは、「指令を受信する指令受信部」を備える点で一致する。
(ウ)引用発明では、「電力供給事業者」は「商用電力の使用量を抑制することを需要家に対して予め要請し、この商用電力の使用量の抑制要請は、サーバ200が各需要家に設置されたエネルギー管理装置81へデマンドレスポンス信号(DR信号)を送信することによって行われ」る(分説k)から、「DR信号」は、商用電力の使用量の抑制要請を行うために、「電力供給事業者」から「需要家」に対して送られるものであると認められる。
したがって、「DR信号」は「電力供給事業者」からのものであるといえる。
(エ)前記(イ)及び(ウ)によれば、引用発明では、「信号受信部81b」は「電力供給事業者」からの「DR信号」を受信するから、「電力供給事業者」は、当然、「信号受信部81b」の外部に存在する。
また、本件補正発明でも、「指令受信部」は「アグリゲータ」からの指令を受信する(発明特定事項A)から、「アグリゲータ」は「指令受信部」の外部に存在する。
したがって、本件補正発明の「アグリゲータ」と引用発明の「電力供給事業者」とは、「指令受信部」からみて「外部」である点で共通する。
(オ)前記(イ)~(エ)によれば、本件補正発明と引用発明とは、「外部からの指令を受信する指令受信部」を備える点で共通する。
他方、「指令」は、本件補正発明では、「アグリゲータ」からのものであるのに対して、引用発明では、「電力供給事業者」からのものである。
イ 発明特定事項Bについて
(ア)引用発明では、「電力変換装置50は、蓄電池62と太陽電池64とが接続され」ており(分説c)、蓄電池のような電力貯蔵システムや、太陽電池を始めとした再生可能エネルギーを利用した発電設備は、一般に分散型電源と呼ばれるものであるから、引用発明の「蓄電池62」及び「太陽電池64」は、本件補正発明の「分散型電源」に相当する。
(イ)引用発明では、「蓄電池62の情報(蓄電電力、放電電力、機器情報、エラー情報等)、太陽電池64の情報(発電電力、機器情報、エラー情報等)」が「取得」されている(分説e)から、「蓄電池62の情報」として、「蓄電池62」の「放電電力」を示す情報(以下「放電電力情報」という。)、「太陽電池64の情報」として、「太陽電池64」の「発電電力」を示す情報(以下「発電電力情報」という。)が取得されていると認められる。
そして、放電は電池に蓄えられた電力が出力されることであるから、「放電電力情報」は、「蓄電池62」から出力される電力に関する電力情報であるといえる。
また、「太陽電池64」から発電される電力は、当然、「太陽電池64」から出力されるから、「発電電力情報」は、「太陽電池64」から出力される電力に関する電力情報であるといえる。
したがって、引用発明の「放電電力情報」及び「発電電力情報」は、本件補正発明の「分散型電源から出力される電力に関する電力情報」に相当する。
(ウ)引用発明の「一般負荷70」及び「特定負荷80」(分説m)は、本件補正発明の「負荷」に相当する。
また、引用発明では、「一般負荷70は分電盤10に電気的に接続され、特定負荷80は自立分電盤20及び電源切替器30を介して分電盤10に電気的に接続される」(分説p)から、「一般負荷70」、「特定負荷80」のいずれも、「分電盤10」に電気的に接続される。
したがって、本件補正発明の「負荷」と、引用発明の「一般負荷70」及び「特定負荷80」とは、「分電盤に電気的に接続される」点で一致する。
(エ)引用発明では、「負荷制御部81dは、電力抑制期間T2に負荷へ供給される電力P0が、商用電力の上限使用量P1と、蓄電池62の放電電力P2と、燃料電池63の発電電力P3と、太陽電池64の発電電力P4との和以下となるように、負荷の動作を制御」しており(分説n2)、「蓄電池62の放電電力P2」は「放電電力情報」(「蓄電池62」の「放電電力」を示す情報)であり、「太陽電池64の発電電力P4」は「発電電力情報」(「太陽電池64」の「発電電力」を示す情報)であると認められるから、引用発明において、「負荷制御部81d」は、「商用電力の上限使用量P1」、「放電電力情報」及び「発電電力情報」に基づいて、「負荷」を制御しているといえる。
また、「負荷制御部81d」は「一般負荷70および特定負荷80の各動作を制御する」(分説m)から、「負荷制御部81d」が制御する上記の「負荷」は、「一般負荷70」及び「特定負荷80」であると認められる。
したがって、引用発明では、「負荷制御部81d」は、「商用電力の上限使用量P1」、「放電電力情報」及び「発電電力情報」に基づいて、「一般負荷70」及び「特定負荷80」を制御している。
(オ)引用発明では、「商用電力の上限使用量」は、「抑制電力情報」に基づいて把握されるものであり(分説n1)、「抑制電力情報」は「DR信号」に「含まれ」る(分説m)から、「商用電力の上限使用量」は、「DR信号」に基づいて定まるものである。
(カ)前記(エ)及び(オ)によれば、引用発明では、「負荷制御部81d」は、「DR信号」、「放電電力情報」及び「発電電力情報」に基づいて、「一般負荷70」及び「特定負荷80」を制御していると認められる。
また、前記(イ)のとおり、引用発明の「放電電力情報」及び「発電電力情報」は、本件補正発明の「分散型電源から出力される電力に関する電力情報」に相当する。
したがって、本件補正発明と引用発明とは、「分散型電源から出力される電力に関する電力情報、及び外部からの前記指令に基づいて、分電盤に電気的に接続される負荷を制御する」点で共通する。
(キ)引用発明では、「負荷制御部81dは、一般負荷70および特定負荷80と通信(無線または有線)することによって、一般負荷70および特定負荷80の各動作を制御する」(分説m)から、「負荷制御部81d」は、「一般負荷70」及び「特定負荷80」を制御する際に、無線または有線の通信路に制御信号を当然出力していると認められる。
したがって、引用発明の「負荷制御部81d」は、本件補正発明の「出力部」に相当し、本件補正発明と引用発明とは、「負荷を制御する制御信号を出力する出力部」を備える点で一致する。
(ク)前記(カ)及び(キ)によれば、本件補正発明と引用発明とは、「分散型電源から出力される電力に関する電力情報、及び外部からの前記指令に基づいて、分電盤に電気的に接続される負荷を制御する制御信号を出力する出力部」を備える点で共通する。
他方、前記ア(オ)のとおり、本件補正発明では、「指令」は「アグリゲータ」からのものであるのに対して、引用発明では、「電力供給事業者」からのものである。
ウ 発明特定事項Cについて
(ア)引用発明では、「サ―バ200」が「DR信号」を「送信」することによって、「電力供給事業者」からの「商用電力の使用量の抑制要請」が行われる(分説k)から、「DR信号」は、商用電力の使用量の抑制要請(以下「電力抑制要請」という。)を行うものである。
(イ)商用電力の使用量は、使用する電気に対する需要であるといえるから、引用発明の「電力抑制要請」は、電気の需要を抑制することを要請するものである。
また、引用発明の「デマンドレスポンス信号(DR信号)」(分説k)の「デマンドレスポンス」(「DR」)は、需要家への要請により電力の需要の調整を行う手法であり、電気の需要を抑制することを求めることは、需要を下げる方向のデマンドレスポンス(DR)、すなわち、下げDRであるといえる。
よって、引用発明の「電力抑制要請」は、電気の需要を抑制する下げDRである。
(ウ)前記(ア)及び(イ)によれば、引用発明の「DR信号」は、電気の需要を抑制する下げDRを行うものであるから、本件補正発明と引用発明とは、「前記指令は、電気の需要を抑制する下げDRを含」む点で共通する。
他方、本件補正発明では、「指令」に、「電気の需要を創出する上げDR」が含まれるのに対して、引用発明では、「DR信号」により、電気の需要を創出する上げDRを行うことは特定されていない。
エ 発明特定事項D~Fについて
(ア)引用発明では、「負荷制御部81dは、電力抑制期間T2に負荷へ供給される電力P0が、商用電力の上限使用量P1と、蓄電池62の放電電力P2と、燃料電池63の発電電力P3と、太陽電池64の発電電力P4との和以下となるように、負荷の動作を制御」しており(分説n2)、「負荷の動作とは、空調設備の設定温度、風量の各制御、照明の点灯・消灯・調光制御、床暖房設備の設定温度の制御等」である(分説n3)から、引用発明においては、「負荷へ供給される電力P0」が所望の値以下となるように、空調設備の設定温度を下げたり、風量を弱くしたり、照明を消灯したり、といった、「負荷」の動作を抑制又は停止させる制御が、「負荷制御部81d」により行われるものと認められる。
そして、引用発明では、「エネルギー管理装置81」は、「DR信号」が受信されると、「DR信号」に基づいて負荷の動作の制御を行っており(前記ア(ア))、「DR信号」は「電力抑制要請」を行うものである(前記ウ(ア))から、「負荷制御部81d」は、「DR信号」により「電力抑制要請」が行われた場合に、「負荷」の動作を抑制又は停止させる制御をしているものと認められる。
(イ)引用発明の「電力抑制要請」は、電気の需要を抑制する下げDRである(前記ウ(イ))から、前記(ア)も踏まえると、引用発明では、「負荷制御部81d」は、「DR信号」により下げDRが行われた場合に、「負荷」の動作を抑制又は停止させているといえる。
また、「負荷制御部81d」が制御する「負荷」は、「一般負荷70」及び「特定負荷80」である(前記イ(エ))から、「負荷制御部81d」は「一般負荷70」及び「特定負荷80」の動作を抑制又は停止させていると認められる。
(ウ)以上によれば、本件補正発明と引用発明とは、「前記出力部は、前記指令が下げDRの場合、前記負荷の動作を抑制又は停止させ」る点で共通する。
他方、本件補正発明では、「前記指令が上げDRの場合、前記負荷での電力消費を増大させ」るのに対して、引用発明では、前記ウ(ウ)のとおり、「DR信号」により、電気の需要を創出する上げDRを行うことは特定されておらず、上げDRの場合に「一般負荷70」及び「特定負荷80」での電力消費を増大させることも特定されていない。
オ 発明特定事項Gについて
引用発明では、「エネルギー管理装置81」は、「情報取得部81a」を備え(分説g)、「情報取得部81a」は、「蓄電池62の情報、太陽電池64の情報」を、「計測装置40から取得」しており(分説h)、また、「蓄電池62の情報」には「放電電力情報」が含まれ、「太陽電池64の情報」には「発電電力情報」が含まれる(前記イ(イ))。
よって、引用発明では、「情報取得部81a」は、「放電電力情報」及び「発電電力情報」を、「エネルギー管理装置81」の外部から取得していると認められる。
したがって、引用発明の「情報取得部81a」は、本件補正発明の「取得部」に相当し、本件補正発明と引用発明とは、「前記電力情報を外部から取得する取得部を更に備え」る点で一致する。
カ 発明特定事項Hについて
(ア)引用発明では、「電力変換装置50」は「電力変換器51」を備え(分説c)、「電力変換器51」は、「蓄電池62」の「放電電流を監視・制御」している(分説d)から、「電力変換装置50」は、「蓄電池62」の放電電流を制御している。そして、放電電流の制御とは、所定の目的の下で放電電流の大きさを変化させるものと認められる。また、放電電流の大きさは、放電電力に対応する。
よって、引用発明では、「電力変換装置50」は、所定の目的の下で「蓄電池62」の放電電力を変化させていると認められ、所定の目的の下で放電電力を変化させることは、放電電力の調整であるといえる。
したがって、引用発明では、「電力変換装置50」は、「蓄電池62」から出力される電力を調整しているといえる。
(イ)引用発明では、「電力変換器51は、太陽電池64が発電した直流電力を、系統電源61に連系可能な交流電力に変換」している(分説d)。
また、引用発明では、「電力制御部81cは、上記各情報に基づいて、電力変換器51および燃料電池63を制御して、蓄電池62、燃料電池63、太陽電池64の各動作を制御」する(分説j)から、「太陽電池64」は、「電力変換器51」を制御することで、その動作が制御されるものであり、一般に、太陽電池に接続されるパワーコンディショナと呼ばれる直流・交流の電力変換器は、太陽電池からの出力を調整することができる(例えば、特開2013-110830号公報の【0003】、特開2014-23381号公報の【0081】を参照。)から、引用発明の「電力変換器51」も、当然、「太陽電池64」の出力を調整することができるものと認められる。
(ウ)引用発明では、「電力変換装置50」は「電力変換器51」を備える(分説c)から、前記(イ)を踏まえると、「電力変換装置50」は、「太陽電池64」から出力される電力を調整するものであるといえる。
(エ)以上によると、引用発明の「電力変換装置50」は、本件補正発明の「電力調整装置」に相当し、本件補正発明の「電力調整装置」と、引用発明の「電力変換装置50」とは、「分散型電源から出力される電力を調整する」ものである点で一致する。
(オ)引用発明では、「計測装置40は、電力変換装置50と通信することによって」、「蓄電池62の情報」及び「太陽電池64の情報」を「取得し」(分説e)、「情報取得部81a」は、「蓄電池62の情報」及び「太陽電池64の情報」を、「計測装置40から取得」している(分説h)から、「電力変換装置50」からの「蓄電池62の情報」及び「太陽電池64の情報」が、「計測装置40」を経由して、「情報取得部81a」において取得されているものと認められる。
よって、「情報取得部81a」は、「計測装置40」経由で、「電力変換装置50」から「蓄電池62の情報」及び「太陽電池64の情報」を取得しているといえる。
そして、「蓄電池62の情報」には「放電電力情報」が含まれ、「太陽電池64の情報」には「発電電力情報」が含まれる(前記イ(イ))。
(カ)したがって、本件補正発明の「取得部」と、引用発明の「情報取得部81a」とは、「電力調整装置から前記電力情報を取得する」点で一致する。
(キ)前記(エ)及び(カ)によれば、本件補正発明と引用発明とは、「前記取得部は、前記分散型電源から出力される電力を調整する電力調整装置から前記電力情報を取得する」点で一致する。
キ 発明特定事項Iについて
(ア)引用発明の「エネルギー管理装置81」は「負荷制御部81d」を備え(分説g)、「負荷制御部81dが負荷の動作を制御することによって、電力抑制期間T2における商用電力の使用量を、DR信号によって通知された上限使用量以下に抑える」(分説o)から、「エネルギー管理装置81」は、電力制御を行っていると認められる。
また、引用発明の「エネルギー管理装置81」は、所定の機能や物理的な構成を有するユニットであるといえる。
(イ)よって、引用発明の「エネルギー管理装置81」は、本件補正発明の「電力制御ユニット」に相当し、本件補正発明と、引用発明の「電力制御ユニット」とは、「電力制御ユニット」である点で一致する。
そして、本件補正発明の「電力制御ユニット」は、「指令受信部」、「出力部」及び「取得部」を備える(発明特定事項A~I)ところ、引用発明の「エネルギー管理装置81」は、「信号受信部81b」、「負荷制御部81d」及び「情報取得部81a」を備えており(分説g)、引用発明の「信号受信部81b」、「負荷制御部81d」及び「情報取得部81a」が、本件補正発明の「指令受信部」、「出力部」及び「取得部」にそれぞれ相当することは、前記ア(イ)、イ(キ)、及びオのとおりである。
ク 前記ア~キによれば、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は以下のとおりである。
〈一致点〉
「 外部からの指令を受信する指令受信部と、
分散型電源から出力される電力に関する電力情報、及び外部からの前記指令に基づいて、分電盤に電気的に接続される負荷を制御する制御信号を出力する出力部と、を備え、
前記指令は、電気の需要を抑制する下げDRを含み、
前記出力部は、
前記指令が下げDRの場合、前記負荷の動作を抑制又は停止させ、
前記電力情報を外部から取得する取得部を更に備え、
前記取得部は、前記分散型電源から出力される電力を調整する電力調整装置から前記電力情報を取得する、
電力制御ユニット」である点。
〈相違点1〉
外部からの指令について、本件補正発明では、「指令」は「アグリゲータ」からのものであるのに対して、引用発明では、「電力供給事業者」からのものである点。
〈相違点2〉
本件補正発明では、「指令」に、「電気の需要を創出する上げDR」が含まれ、「指令が上げDRの場合、前記負荷での電力消費を増大させ」るのに対して、引用発明では、「DR信号」により、電気の需要を創出する上げDRを行うことは特定されておらず、上げDRの場合に「一般負荷70」及び「特定負荷80」での電力消費を増大させることも特定されていない点。
(5)相違点についての判断
ア 相違点1について
(ア)電力供給事業者と複数の需要家の間にアグリゲータが入り、電力供給事業者からの要請に対して、各需要家への分配を行うことで、電力需要の調整を行うこと(周知技術1)や、電力需要調整のための指示を、アグリゲータから需要家に送ること(周知技術2)は周知技術である。
(イ)そして、引用発明でも、「DR信号」が「各需要家」に「送信」されている(分説k)とおり、電力需要の調整は複数の「需要家」に対して行われているから、より効果的、効率的に調整を行うために、アグリゲータにより多数の需要家を束ねて調整を行うことは、当業者であれば、当然想定する事項であるといえる。
(ウ)したがって、引用発明に上記周知技術を適用して、電力供給事業者と需要家の間にアグリゲータが入り、「DR信号」がアグリゲータから送られる構成とすることは、当業者が容易に想到できたことである。
イ 相違点2について
(ア)デマンドレスポンスとして、電力需要を減少させる下げDRを行う場合と、電力需要を増加させる上げDRを行う場合があること(周知技術3)や、上げDRの際に負荷の電力消費を増加させること(周知技術4)は周知技術である。
(イ)そして、引用発明においても、電力の需要と供給のバランスによっては、需要家における需要を増加させる方向の調整を行う必要性が生じ得ることは、当業者により当然認識されると認められるから、引用発明に上記周知技術を適用して、「DR信号」により、下げDRだけでなく、電力需要を増加させる上げDRを行うこととし、上げDRの場合には、「一般負荷70」及び「特定負荷80」での電力消費を増大させるようにすることは、当業者が容易に想到できたことである。
(6)効果についての判断
引用発明において、「DR信号」をアグリゲータからのものとし、「DR信号」により、下げDRだけでなく、上げDRを行うこととし、上げDRの場合には、「一般負荷70」及び「特定負荷80」での電力消費を増大させるようにしたものは、本件補正発明と同一の効果を奏することが明らかであるため、本件補正発明の効果は格別のものではない。
(7)請求人の主張についての判断
ア 請求人は、以下の主張をしている。
「本願の請求項1に係る発明(以下、本願第1発明という。)における取得部は、分散型電源から出力される電力を調整する電力調整装置から電力情報を取得するものである。一方、引用文献1に記載された情報取得部81aは、電流センサX4(本願の電流センサに相当)の出力が入力される計測装置40(本願の計測部に相当)から情報を取得するものである。つまり、本願第1発明における取得部と、引用文献1における情報取得部81aとは、情報の取得先が異なる。また、本願第1発明における取得部は、計測部に代わって、電力制御ユニットに設けられるものである(段落[0055]等参照)。したがって、本願第1発明における取得部は、引用文献1における情報取得部81aに相当するものではない。さらに、本願第1発明は、取得部が電力調整装置から直接電力情報を取得することで、分電盤が電流センサを備える必要がなくなるという引用文献1に対して有利な効果を奏する。
また、引用文献2-7には、本願第1発明の構成について記載も示唆もない。
したがって、引用文献1-7に基づいて本願第1発明を想到するのは当業者といえども容易ではなく、本願第1発明は特許法第29条第2項の規定に該当するものではない。」(審判請求書10頁)
イ しかしながら、前記(4)カ(オ)のとおり、引用発明では、「情報取得部81a」は、「計測装置40」経由で、「電力変換装置50」から「放電電力情報」及び「発電電力情報」を取得しているから、「情報取得部81a」は、「電力変換装置50」から「放電電力情報」及び「発電電力情報」を取得しているといえる。
ウ また、引用発明では、「情報取得部81a」は「エネルギー管理装置81」が備える構成である(分説g)から、「情報取得部81a」は「エネルギー管理装置81」に設けられており、前記(4)キ(イ)のとおり、引用発明の「エネルギー管理装置81」は、本件補正発明の「電力制御ユニット」に相当する。
エ さらに、本件補正後の請求項1に、「電力調整装置から前記電力情報を取得する」との記載があるが、電力調整装置から電力情報を「直接」取得することは特定されていないから、「本願第1発明は、取得部が電力調整装置から直接電力情報を取得することで、分電盤が電流センサを備える必要がなくなる」との主張は、請求項の記載に基づくものではない。
オ したがって、請求人の主張は採用できない。
(8)小括
以上によれば、本件補正発明は、当業者が引用発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
よって、本件補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではない。
4 本件補正についてのむすび
前記3によれば、本件補正後の請求項1に係る補正を含む本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明
本件補正は上述のとおり却下されたため、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記第2[理由]1(1)に示した本件補正前の請求項1に記載された事項により特定されるものと認められる。
第4 原査定の概要
原査定の概要は、以下のとおりである。
1.(進歩性)この出願の請求項1~4、6~11に係る発明は、以下の文献1に記載された発明並びに文献2、3及び7に示される周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
この出願の請求項5及び12に係る発明は、以下の文献1に記載された発明並びに文献2~5及び7に示される周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
この出願の請求項13及び14に係る発明は、以下の文献1に記載された発明及び文献2~7に示される周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
文献1.特開2015-149862号公報
文献2.国際公開第2017/098631号(周知技術を示す文献)
文献3.特開2019-33643号公報(周知技術を示す文献)
文献4.特開昭54-59583号公報(周知技術を示す文献)
文献5.特開2012-85435号公報(周知技術を示す文献)
文献6.特開2014-14237号公報(周知技術を示す文献)
文献7.特開2018-207745号公報(周知技術を示す文献)
第5 文献の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用された文献1(この審決における引用文献1)の記載事項は、前記第2[理由]3(2)に記載したとおりである。
第6 本願発明と引用発明との対比・判断
本願発明は、前記第2[理由]3で独立特許要件を検討した本件補正発明から、「前記電力情報を外部から取得する取得部を更に備え」との発明特定事項、及び「前記取得部は、前記分散型電源から出力される電力を調整する電力調整装置から前記電力情報を取得する」との発明特定事項を削除したものである(前記第2[理由]2を参照)。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2[理由]3に示したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2023-020613