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特許拒絶査定不服審判

2023-016019

レベル表示方法、レベル表示システム、プログラム、レベル表示装置、リモコン装置および給湯システム

審判番号
2023-016019
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2022-029378
請求日
2023年09月22日
審決日
2024年04月22日
公報発行日
2024年07月26日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】パーパス株式会社
  • 【請求人代理人】畝本 正一
  • 【請求人代理人】畝本 継立
  • 【請求人代理人】畝本 卓弥
  • 【請求人代理人】沖田 正樹
審判長/審判官
  • 審判長 高野 洋
  • 審判官 丸山 高政
  • 審判官 寺谷 大亮
分類
P18 .121-Z (H04Q) / P18 .575-Z (H04Q)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2022- 29378「レベル表示方法、レベル表示システム、プログラム、レベル表示装置、リモコン装置および給湯システム」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年 5月18日出願公開、特開2022- 75702〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成30年3月28日に出願した特願2018-61634号の一部を令和4年2月28日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯の概要は以下のとおりである。 令和 4年 3月23日 上申書 令和 5年 1月19日付け 拒絶理由通知書 3月17日 意見書・手続補正書 6月22日付け 拒絶査定 9月22日 審判請求書・手続補正書 12月14日 前置報告書 以下では、令和5年6月22日付け拒絶査定を「原査定」といい、同年9月22日の手続補正書による補正を「本件補正」という。 第2 補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 本件補正を却下する。 [理由] 1 本件補正の内容 (1)本件補正前の請求項1の記載 本件補正前の令和5年3月17日の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。 「【請求項1】 移動対象を表す態様表示、移動経路を表す斜面表示、文字「ふもと」、「合目」または「登頂」を含み移動位置を表す段階表示を含む画像情報を生成する工程と、 提示すべきレベル情報を取得し、該レベル情報を前記移動位置に関係付ける工程と、 前記レベル情報に応じて前記斜面表示とともに前記態様表示および前記段階表示を表示し、前記レベル情報の推移に応じて少なくとも前記段階表示を更新する工程と、 を含む、レベル表示方法。」 (2)本件補正後の請求項1の記載 本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は、以下のとおりである。なお、下線は補正箇所を示す。 「【請求項1】 移動対象を表す態様表示と、移動経路を表す斜面表示と、文字「ふもと」、「合目」または「登頂」を含み移動位置を表すとともにふもとレベル、途上レベルまたは登頂レベルを表す第1の段階表示および複数段階表示により前記途上レベルにおけるレベルの変化を示す第2の段階表示を含む段階表示と、を含む画像情報を生成する工程と、 提示すべきレベル情報を取得し、該レベル情報を前記移動位置に関係付ける工程と、 前記レベル情報に応じて前記斜面表示とともに前記態様表示および前記段階表示を表示し、前記レベル情報の推移に応じて少なくとも前記段階表示を更新する工程と、 を含む、レベル表示方法。」 2 補正の目的 本件補正は、本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「段階表示」が、「第1の段階表示」及び「第2の段階表示」を含むとの限定を付加し、さらに、「第2の段階表示」が「複数段階表示により前記途上レベルにおけるレベルの変化を示す」ものであるとの限定を付加するものであって、本件補正前の請求項1に係る発明と本件補正後の請求項1に係る発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正の目的は、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮(いわゆる限定的減縮)を目的とするものに該当する。 3 補正の適否 本件補正の目的が限定的減縮に該当するので、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、前記1(2)に記載したとおりのものである。 なお、後の参照の便宜のため、請求項1を以下のA1~Dに分説し、「発明特定事項A」のようにして参照する。 【請求項1】 A1 移動対象を表す態様表示と、 A2 移動経路を表す斜面表示と、 A3A 文字「ふもと」、「合目」または「登頂」を含み移動位置を表すとともにふもとレベル、途上レベルまたは登頂レベルを表す第1の段階表示および A3B 複数段階表示により前記途上レベルにおけるレベルの変化を示す第2の段階表示 A3 を含む段階表示と、 A を含む画像情報を生成する工程と、 B 提示すべきレベル情報を取得し、該レベル情報を前記移動位置に関係付ける工程と、 C 前記レベル情報に応じて前記斜面表示とともに前記態様表示および前記段階表示を表示し、前記レベル情報の推移に応じて少なくとも前記段階表示を更新する工程と、 D を含む、レベル表示方法。 (2)引用文献の記載事項 原査定で引用された特開2003-233296号公報(以下「引用文献」という。)の記載は以下のアのとおりであり、当該記載から認定される発明は以下のイのとおりである。 ア 引用文献の記載 引用文献には、以下の記載がある。なお、下線は強調のために当審で付した。 (ア)「【0163】(履修状況管理機能)履修状況管理機能は、学生データベース15を参照して、学生が選択した表示モデルに基づき該学生の履修状況(学習進行状況)を出力する機能である。 【0164】制御手段16は、各モードにおいて、以下に説明する処理を実行することにより、履修状況管理機能を実現する。 【0165】最初に処理の前提について説明する。 【0166】履修状況管理処理を実行する場合、管理システム10は、学生ごとに、該学生が選択した表示モデルを記憶しておく必要がある。 【0167】ここで、表示モデルは、履修状況、例えば選択している授業のうち受講ステータスが「終了」となっている授業の割合を表示するためのモデルである。本実施形態における表示モデルは、スタート地点、1又は複数の中間地点、ゴール地点とを備えており、スタート地点からゴール地点までの行程中のポジションによって履修状況を表わすように構成されている。 【0168】スタート地点からゴール地点までの行程としては、例えば、登山行程、川の渡る行程、航行行程などが考えられる(図22参照)。図に示す例では、所定のキャラクタを表示したり、色を変えて表示することで、行程中のポジションを示している。 【0169】学生が選択した表示モデルは、例えば学生データベース15の一部として、学生IDに対応づけて記憶することが考えられる(図23参照)。 【0170】次に、図24に示すフローチャートを参照して、処理の流れについて説明する。 【0171】制御手段16は、学生が仮想空間モードや非同期授業モードのメニュー画面等において本処理を選択し、その実行を要求した場合、学生データベース15を参照し、該学生の選択授業数、及びそのうち受講ステータスが「終了」となっている授業数をカウントする(S700)。このとき、人文系、語学系など、所定の授業グループ単位でカウントするように構成してもよい。 【0172】次に、制御手段16は、該学生が選択した表示モデルを読み出し、前記読み出した表示モデルにおいて、スタート地点からの距離比が(受講ステータスが「終了」となっている授業数)/(選択している授業数)に最も近い地点を選択する(S701)。 【0173】そして、制御手段16は、表示モデルにおいて前記選択した地点にキャラクター等を表示するように画面情報を作成し、学生用端末に送信する(S702)。これにより、学生は自分の履修状況を自分が選択した表示モデルに基づくグラフィカルな表示によって知ることができる。 【0174】このように、履修状況の表示を、数値や単純なグラフ等による無味乾燥な表示ではなく、面白味のある表示モデルに基づいて表示するように構成したため、学生に対して履修状況を頻繁にチェックしようとするモチベーションを与えることができ、結果として履修を安定して進めることを促すことができる。 【0175】ここで、前記行程について、旅行をシミュレーションしたものとすることも考えられる。例えば、東京を出発してヨーロッパの各都市をまわる旅行を想定した場合、スタート地点(東京)、第1中間地点(成田)、第2中間地点(パリ)、第3中間地点(ローマ)、ゴール地点(ロンドン)のように、旅行で訪れる都市等を各地点に割り当てる。そして、割り当てた各都市等の画像を記憶しておき、各地点にポジションが到達した段階で、その地点に割り当てられた都市等の画像を表示するように構成する。この場合、学生自身が表示モデルに採用する都市等を選択できるように構成することが望ましい。このような表示モデルを用いることで、学生は例えば卒業旅行をイメージして表示モデルをカスタマイズすることができるようになり、より学生の興味を引き起こすことが可能となる。」 (イ)図22 [図:0001412162000001.jpg] 図22の左上の図によれば、登山行程(【0168】)として、山が表示され、ふもとに「スタート」の文字が表示され、山頂に「ゴール」の文字が表示され、「スタート」の文字の直上に黒丸(以下「黒丸1」)が表示され、その右上に黒丸(以下「黒丸2」)が表示され、その左上に白丸(以下「白丸3」)が表示され、その右上に白丸(以下「白丸4」)が表示され、「ゴール」の文字の直下に白丸(以下「白丸5」)が表示され、黒丸1から黒丸2、白丸3及び白丸4を経由して白丸5まで線が表示され、黒丸2の右横に人物のキャラクタが表示される。 イ 引用発明の認定 前記アの記載によれば、引用文献には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。なお、後の参照の便宜のため、引用発明をa~iに分説し、「構成a」のようにして参照する。 a 学生の履修状況(学習進行状況)を出力する機能である履修状況管理機能であって、(【0163】) b 管理システム10は、学生ごとに、該学生が選択した表示モデルを記憶しておき、(【0166】) c1 表示モデルは、履修状況、例えば選択している授業のうち受講ステータスが「終了」となっている授業の割合を表示するためのモデルであり、(【0167】) c2 表示モデルは、スタート地点、1又は複数の中間地点、ゴール地点とを備えており、(【0167】) c3 スタート地点からゴール地点までの行程中のポジションによって履修状況を表わすように構成され、(【0167】) d1 スタート地点からゴール地点までの行程は、登山行程であり、(【0168】) d2 所定のキャラクタを表示したり、色を変えて表示することで、行程中のポジションを示し、(【0168】) e 表示モデルを読み出し、前記読み出した表示モデルにおいて、スタート地点からの距離比が(受講ステータスが「終了」となっている授業数)/(選択している授業数)に最も近い地点を選択し、(【0172】) f 表示モデルにおいて前記選択した地点にキャラクター等を表示するように画面情報を作成し、これにより、学生は自分の履修状況を自分が選択した表示モデルに基づくグラフィカルな表示によって知ることができ、(【0173】) g 履修状況の表示を、数値や単純なグラフ等による無味乾燥な表示ではなく、面白味のある表示モデルに基づいて表示するように構成し、(【0174】) h 登山行程として、山が表示され、ふもとに「スタート」の文字が表示され、山頂に「ゴール」の文字が表示され、「スタート」の文字の直上に黒丸(以下「黒丸1」)が表示され、その右上に黒丸(以下「黒丸2」)が表示され、その左上に白丸(以下「白丸3」)が表示され、その右上に白丸(以下「白丸4」)が表示され、「ゴール」の文字の直下に白丸(以下「白丸5」)が表示され、黒丸1から黒丸2、白丸3及び白丸4を経由して白丸5まで線が表示され、黒丸2の右横に人物のキャラクタが表示される(図22) i 履修状況管理機能。 (3)対比 本件補正発明と引用発明とを対比すると、以下のア~コのとおりである。 ア 発明特定事項A1について 引用発明では、登山行程の表示において、黒丸2の右横に人物のキャラクタが表示されており(構成h)、当該キャラクタは、スタート地点からの距離比が(受講ステータスが「終了」となっている授業数)/(選択している授業数)に最も近い地点(構成e)に表示されたキャラクタである(構成f)と解されるので、当該キャラクタは、履修状況(学習進行状況)により移動するものと解される。 よって、引用発明の「キャラクタ」は本件補正発明の「移動対象」に相当し、引用発明において履修状況(学習進行状況)に従って「キャラクタ」の位置を変えて表示することを「態様表示」と呼ぶことは任意である。 以上によれば、本件補正発明と引用発明とは「移動対象を表す態様表示」を備える点で一致する。 イ 発明特定事項A2について 引用発明では、登山行程の表示において、山が表示されており(構成h)、当該山は、登山において登るべき斜面、すなわち、移動経路を表していると解される。 以上によれば、本件補正発明と引用発明とは、「移動経路を表す斜面表示」を備える点で一致する。 ウ 発明特定事項A3Aについて 前記アで触れたように、引用発明の「キャラクタ」は、その位置を移動するものであり、「キャラクタ」を表示することで移動位置が表され、それにより、「スタート」(構成hの黒丸1、以下同様)なのか、登山行程の途中(黒丸2、白丸3又は白丸4)なのか、「ゴール」(白丸5)なのかを段階的に表している。換言すれば、引用発明では、「キャラクタ」を表示することにより、移動位置を表すとともにスタートレベル、途中レベル又はゴールレベルを表す段階表示を備えており、当該段階表示を「第1の段階表示」と呼ぶことは任意である。 そして、引用発明の「スタート」(黒丸1)は、履修状況(学習進行状況)として最低レベルを表し、「ゴール」(白丸5)は履修状況として最高レベルを表し、黒丸2、白丸3及び白丸4は、履修状況として中間レベルを表していると解される。 他方、本件補正発明において、「ふもとレベル」は「出発点が山のふもとにある」ことに対応して「最低レベル」を示唆している(【0022】)と解され、「登頂レベル」は「到達を顕彰する」(【0024】)最高レベルであると解され、「途上レベル」は「最低レベルと最高レベルの間にある中間レベル」(【0023】)であると解される。 そうすると、本件補正発明と引用発明とは、「移動位置を表すとともに最低レベル、中間レベルまたは最高レベルを表す第1の段階表示」を備える点で共通するが、本件補正発明の「第1の段階表示」は「文字「ふもと」、「合目」または「登頂」を含」むものであり、レベルとして「ふもとレベル」、「途上レベル」及び「登頂レベル」を備えるのに対し、引用発明の表示は「ふもと」、「合目」又は「登頂」という文字を含むものではなく、履修状況として「ふもとレベル」、「途上レベル」及び「登頂レベル」を備えるものではない点で相違する。 エ 発明特定事項A3Bについて 引用発明は「色を変えて表示することで、行程中のポジションを示」すもの(構成d2)であり、登山行程として、「黒丸2の右横に人物のキャラクタが表示されている」状態で、下2つの丸が黒丸(黒丸1及び黒丸2)で表示され、上3つの丸が白丸(白丸3~白丸5)で表示される(構成h)ことから、引用発明では、到達したポジション(レベル)までの丸は黒で色付けられ、未到達のポジション(レベル)の丸は白で色付けられて表示されると認められる。 よって、引用発明の丸のうち、最低レベルと最高レベルを除く黒丸2、白丸3及び白丸4は、3つの段階表示により中間レベルにおけるレベルの変化を示す段階表示を備えていると認められ、当該段階表示を「第2の段階表示」と呼ぶことは任意である。 以上によれば、本件補正発明と引用発明とは、「複数段階表示により前記中間レベルにおけるレベルの変化を示す第2の段階表示」を備える点で一致する。 オ 発明特定事項A3について 前記ウ及びエに示した引用発明の「第1の段階表示」及び「第2の段階表示」を「段階表示」と総称することは任意である。 よって、本件補正発明と引用発明とは、第1の段階表示及び第2の段階表示「を含む段階表示」を備える点で一致する。 カ 発明特定事項Aについて 引用発明は、「表示モデルにおいて前記選択した地点にキャラクター等を表示するように画面情報を作成」するもの(構成f)であり、引用発明の「画面情報」は、本件補正発明の「画像情報」に相当し、引用発明の「画面情報を作成」する動作は、本件補正発明の「画像情報を生成する工程」に相当する。 そして、引用発明の「画面情報」は、前記ア~オの表示を含んでいる。 よって、本件補正発明と引用発明とは、態様表示と、斜面表示と、第1の段階表示および第2の段階表示を含む段階表示と「を含む画像情報を生成する工程」を含む点で一致する。 キ 発明特定事項Bについて 引用発明の「履修状況(学習進行状況)」(構成a)すなわち「選択している授業のうち受講ステータスが「終了」となっている授業の割合」(構成c1)すなわち「(受講ステータスが「終了」となっている授業数)/(選択している授業数)」(構成e)は、本件補正発明の「提示すべきレベル情報」に相当し、当該「履修状況(学習進行状況)は、明らかに取得されるものである。 引用発明では「表示モデルにおいて、スタート地点からの距離比が(受講ステータスが「終了」となっている授業数)/(選択している授業数)に最も近い地点を選択」する(構成e)ことによって、「履修状況(学習進行状況)を、表示モデル上の「地点」に関連付けている。 よって、本件補正発明と引用発明とは、「提示すべきレベル情報を取得し、該レベル情報を前記移動位置に関係付ける工程」を含む点で一致する。 ク 発明特定事項Cについて 前記キで触れたように、引用発明は、「履修状況(学習進行状況)」を表示モデル上の「地点」に関連付け、「山」を表示する(前記イ)とともに、前記「地点」に「キャラクタ」を表示させ(前記ウ)、「スタート」から前記「地点」までの丸を黒で色付けて表示し、前記「地点」より上の丸を白で色付けて表示する(前記エ)から、本件補正発明と引用発明とは「前記レベル情報に応じて前記斜面表示とともに前記態様表示および前記段階表示を表示」する工程を含む点で共通する。 他方、本件補正発明は「前記レベル情報の推移に応じて少なくとも前記段階表示を更新する」のに対し、引用発明は履修状況の推移に応じて表示モデルの更新を行うか否かは明らかではない点で相違する。 ケ 発明特定事項Dについて 前記ウ及びエによれば、引用発明は、履修状況を段階表示する工程を含むレベル表示方法といえる。 よって、本件補正発明と引用発明とは「レベル表示方法」である点で一致する。 コ 前記ア~ケによれば、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は以下のとおりである。 〈一致点〉 「移動対象を表す態様表示と、移動経路を表す斜面表示と、移動位置を表すとともに最低レベル、中間レベルまたは最高レベルを表す第1の段階表示および複数段階表示により前記中間レベルにおけるレベルの変化を示す第2の段階表示を含む段階表示と、を含む画像情報を生成する工程と、 提示すべきレベル情報を取得し、該レベル情報を前記移動位置に関係付ける工程と、 前記レベル情報に応じて前記斜面表示とともに前記態様表示および前記段階表示を表示する工程と、 を含む、レベル表示方法。」である点。 〈相違点1〉 本件補正発明の「第1の段階表示」は「文字「ふもと」、「合目」または「登頂」を含」むものであり、レベルとして「ふもとレベル」、「途上レベル」及び「登頂レベル」を備えるのに対し、引用発明の表示は「ふもと」、「合目」又は「登頂」という文字を含むものではなく、履修状況として「ふもとレベル」、「途上レベル」及び「登頂レベル」を備えるものではない点。 〈相違点2〉 本件補正発明は「前記レベル情報の推移に応じて少なくとも前記段階表示を更新する」のに対し、引用発明は履修状況の推移に応じて表示モデルの更新を行うか否かは明らかではない点。 (4)相違点についての判断 前記(3)コに示した相違点1及び2について検討する。 ア 相違点1について (ア)引用発明は、「スタート地点からゴール地点までの行程中のポジションによって履修状況を表わす」もの(構成c3)であり、特に「スタート地点からゴール地点までの行程は、登山行程」としたもの(構成d1)である。 登山とは山に登ることであり、登山行程は、一般に、ふもとから頂上までであって、その進捗は「合」で表される。このことは、「合」の意味が、「(3)頂上までの登山の道のりなどの10分の1。ふもとから1合目・2合目と数える。」(大辞泉)であることとも整合する。 また、「登頂」は登山において一般的に使用される語であり、その意味は「山の頂上にのぼること。とちょう。」(大辞泉)である。よって、登山の全行程を終えた状態は、登頂した状態である。 以上によれば、行程として登山行程を採用した引用発明において、学習をスタートした直後のような履修状況のことを「ふもとレベル」と呼び、全学習行程を修了した履修状況のことを「登頂レベル」と呼ぶことは、自然なことである。そして、「ふもとレベル」と「登頂レベル」との間にある履修状況を「途上レベル」と呼ぶことも、「途上」の意味が「(1)目的地に行く途中。(2)事業・計画などが目的に従って進行している途中。」(大辞泉)であることに鑑みれば、自然なことである。 (イ)行程の進捗を表すにあたり、現在の位置や、進捗状況を言語表現により表示することは、一般的な手法であるし、図示による表現に加えて同じ内容を言語表現によって表示することも、一般的な手法である。 そうすると、引用発明においても、履修状況をキャラクタの位置により表示したり、丸の色分けで示したりするような図示による表示のみならず、言語表現による表示も加えることは、当業者の通常の創作能力の発揮によりなし得ることであり、当該言語表現として、登山の開始及び完了を表すためにそれぞれ「ふもと」及び「登頂」を用い、途上の行程においては、登山行程の10分の1を表す「合」を用いて「1合目」、「2合目」のように表示することは、前記(ア)に鑑みて自然なことである。 (ウ)前記(ア)及び(イ)によれば、引用発明において、第1の段階表示に言語表現を加え、該言語表現に「ふもと」、「合目」又は「登頂」を含むようにし、履修状況を表すレベルとして、「ふもとレベル」、「途上レベル」及び「登頂レベル」を採用することは、当業者の通常の創作能力の発揮に過ぎず、格別のことではない。 イ 相違点2について 引用発明において、「履修状況(学習進行状況)」が推移したならば、当然、それに合わせて表示を変えるべきであるから、引用発明を「履修状況(学習進行状況)」の推移に応じて表示モデルの更新を行うように構成することは、当業者の通常の創作能力の発揮に過ぎず、格別のことではない。 (5)効果についての判断 本件補正発明の効果について、本願明細書には、以下の記載がある。 「【0010】 本発明によれば、次のいずれかの効果が得られる。 (1) 固定表示部を視覚の認識基準として切替え表示部の表示変化から状態やレベルを容易に認識してレベルを感じ取ることができ、ユーザーが直観的にたとえば、現在の状態や状態変化を認識できる。 (2) 切替え表示からたとえば、状態やレベルのトレンドを容易に感得でき、表示からユーザーがたとえば、最適状態への到達を容易に予測することができる。」 「【0030】 <実施例1の効果> この実施例1によれば、次の効果が得られる。 (1) 固定表示部と切替え表示部とが対比され、切替え表示部の変化を以てレベル変化を認識させることができる。 (2) 斯かるレベル表示では、直観的且つ感覚的にレベルを感得でき、ユーザーの認識に訴えるレベル表示を提供できる。」 上記記載によれば、本件補正発明の効果は、要するに、固定表示部(本件補正発明における「斜面表示」)と切替え表示部(本件補正発明における「第1の段階表示」及び「第2の段階表示」)との対比による視覚的作用により、ユーザーがレベルや状態を直感的かつ感覚的に感得できるというものであると解される。 これに対し、引用発明も、固定表示される「山」と、履修状況に応じて変化する「キャラクタ」の位置や丸の色との対比により、履修状況のレベルを「グラフィカル」(構成f)に認識できると解されるので、引用発明が奏する効果も、本件補正発明と同様であり、本件補正発明の効果は格別のものとは認められない。 (6)請求人の主張についての判断 請求人の主張について、以下、検討する。 ア ポジション表示との差異について 請求人は、本件補正発明のレベル表示と引用発明のポジション表示とが相違することについて、次のように主張する。 本件補正発明では、第1の表示段階(文字「ふもと」、「合目」または「登頂」を含み、ふもとレベル、途上レベルまたは登頂レベルを表す)および第2の段階表示(複数段階表示により前記途上レベルにおけるレベルの変化を示す)により「レベル」(すなわち、水準、程度、行程の度合い)を表すものであって、一行程におけるポジション表示とは異なる。 しかしながら、引用発明は「履修状況(学習進行状況)を出力」する(構成a)のであるから、学習進行の水準、程度、行程の度合いを表している。また、引用発明は「スタート地点からゴール地点までの行程は、登山行程であり」(構成d1)、「所定のキャラクタを表示したり、色を変えて表示することで、行程中のポジションを示」すもの(構成d2)であるから、履修状況を登山行程に見立てて、その登山行程のどの位置に達しているかを示すものであると解され、この見地からも、引用発明は履修状況を水準、程度、行程の度合いとして表していると認められる。 そして、文字「ふもと」、「合目」又は「登頂」を表示させることについては、前記(4)アに示したとおりである。 よって、請求人の主張は採用できない。 イ 「登頂」及び「合目」という文字表示について 請求人は、本件補正発明における「登頂」及び「合目」という文字表示について、次のように主張する。 「登頂」は、山において最も高いレベルを表す「山頂」とは異なる表現であり、山登りにおいて、頂上に登ったという、登山ならではの表現であるのに対し、引用発明では、履修の行程を山の図に重ねて表しているに過ぎず、スタート地点、ゴール地点に代えて、山のレベルを表す表現もしくは登山ならではの表現「登頂」を表示することは当業者にとって容易ではない。また、中間地点に対して何らの記述も表示していない引用発明に基づいて文字「合目」を表示させることは当業者にとって容易ではない。 しかしながら、前記(4)アに示したとおり、引用発明は学習の行程を登山行程に見立てているのだから、登山ならではの表現である「登頂」や「合目」という表現を用いることは自然なことである。 よって、請求人の主張は採用できない。 ウ 本件補正発明の効果について 請求人は、本件補正発明の効果について、次のように主張する。 本件補正発明では、文字「ふもと」、「合目」または「登頂」を含む第1の段階表示や途上レベルにおけるレベルの変化を示す第2の段階表示により一層「状態やレベルを容易に認識してレベルを感じ取ることができ、ユーザーが直感的にたとえば、現在の状態や状態変化を認識できる。」(【0010】)等の効果が得られるのに対し、引用発明では、山が示されているものの、「スタート」と「ゴール」の間における現在のポジションが色の変化により示されているに過ぎず、斯かる効果を奏することはできない。 しかしながら、前記(5)に示したように、本件補正発明の効果は、引用発明が奏する効果と対比して、格別のものとは認められない。 引用発明においても、元来、キャラクタの位置による表示と、丸の色分け表示との、2つの段階表示を備えており、一方のみの表示によるものよりも一層直感的に状態やレベルを容易に認識し感じ取ることができるものである。 それに加え、前記(4)アに示したとおり、引用発明に「ふもと」、「合目」及び「登頂」という文字を含む言語表現を加えることも格別の困難性なくなし得ることであり、そのように構成した引用発明は、より一層、状態やレベルを容易に認識し感じ取ることができると認められる。 したがって、請求人の主張は採用できない。 (7)小括 以上によれば、本件補正発明は、当業者が引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 よって、本件補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではない。 4 本件補正についてのむすび 前記3によれば、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明 本件補正は上述のとおり却下されたため、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記第2[理由]1(1)のとおりである。 第4 原査定の概要 原査定の概要は、以下のとおりである。 (進歩性)この出願の請求項1~6に係る発明は、引用文献1に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 この出願の請求項7に係る発明は、引用文献1に記載された発明並びに引用文献3及び引用文献4に示される周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1.特開2003-233296号公報 引用文献3.特開2004-360956号公報 引用文献4.特開2015-68530号公報 第5 引用文献の記載事項 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1は、前記第2[理由]3(2)に示した引用文献と同一であり、その記載事項は、前記第2[理由]3(2)に記載したとおりである。 第6 本願発明と引用発明との対比・判断 本願発明は、前記第2[理由]3で検討した本件補正発明から、その発明特定事項である「段階表示」が「第1の段階表示」及び「第2の段階表示」を含むとの限定事項を削除し、さらに、「第2の段階表示」が「複数段階表示により前記途上レベルにおけるレベルの変化を示す」との限定事項を削除したものである(前記第2[理由]2を参照)。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2[理由]3に示したとおり、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-016019

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