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特許拒絶査定不服審判

2023-012125

ロボット吸引把持機のためのシステムおよび方法

審判番号
2023-012125
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-513821
請求日
2023年07月20日
審決日
2024年08月27日
公報発行日
2025年02月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】エイエムピー・ロボティクス・コーポレーション
  • 【請求人代理人】弁理士法人明成国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 鈴木 貴雄
  • 審判官 堀内 亮吾
  • 審判官 大山 健
分類
P18 .121-Z (B25J) / P18 .575-Z (B25J)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

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特願2020-513821「ロボット吸引把持機のためのシステムおよび方法」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 3月28日国際公開、WO2019/060489、令和 2年11月26日国内公表、特表2020-534168〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2018年(平成30年)9月20日(パリ条約に基づく優先権主張 外国庁受理 2017年9月21日、(US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は、概略以下のとおりである。 令和4年 8月29日付け:拒絶理由通知書 令和4年11月29日 :意見書、手続補正書の提出 令和5年 3月23日付け:拒絶査定 令和5年 7月20日 :審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和5年7月20日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和5年7月20日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 本件補正による請求項13についての補正は、下記1のとおりであって、下記2のとおり特許法17条の2第5項2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 しかしながら、本件補正後の請求項13に係る発明は、下記2のとおり、本願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献3に記載された発明及び引用文献2に記載された技術的事項、並びに引用文献4~6に例示される周知技術に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 したがって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下を免れない。 <引用文献> 引用文献2:実願平1-26033号(実開平2-117884号)のマイクロフィルム(原査定の引用文献2) 引用文献3:特開平8-187690号公報(原査定の引用文献3) 引用文献4:特開2013-119135号公報 (新たに引用された周知技術を示す文献) 引用文献5:特開2010-247324号公報 (新たに引用された周知技術を示す文献) 引用文献6:特開2013-158878号公報 (新たに引用された周知技術を示す文献) 1 本件補正について(補正の内容) (1) 本件補正後の請求項13の記載 本件補正により、特許請求の範囲の請求項13の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。) 「 【請求項13】 吸引把持機機構であって、前記吸引把持機機構が、 リニア軸受構成要素を収容し、その周りに取り付け組立体が固定されているボディ組立体と、前記取り付け組立体は、前記取り付け組立体の周囲を囲む1つ以上の球形状の取り付け点を備え、前記1つ以上の取り付け点は、仕分けロボットの1つ以上のロボットアームの相補的なソケット要素にそれぞれ旋回可能に結合され、 前記リニア軸受構成要素内に固定されかつ前記リニア軸受構成要素の軸線に関して上下に軸方向移動する自由を有する直線シャフト要素と、 前記直線シャフト要素の第1の端部に位置決めされた空気流印加ポートと前記直線シャフト要素の反対側の第2の端部に位置決めされた把持ポートとの間で空気流を伝えるように構成された前記直線シャフト要素内の内部空気流通路と、 前記把持ポートに機械的に結合するように構成されている交換式連結器とを備え、前記交換式連結器は、可撓性吸引カップを前記交換式連結器に固定するように構成され、 対象物体の捕獲動作の遂行中、前記吸引把持機機構が前記対象物体を捕獲および保持するために適用されるように圧縮空気を用いて前記把持ポートにおいて負圧が引かれ、 前記捕獲動作の完了後、前記対象物体を解放するために、前記吸引把持機機構を流れる前記空気流が反転される、吸引把持機機構。」 (2)本件補正前の請求項13の記載 本件補正前の(すなわち、令和4年11月29日提出の手続補正書により補正された)特許請求の範囲の請求項13の記載は次のとおりである。 「 【請求項13】 吸引把持機機構であって、前記吸引把持機機構が、 リニア軸受構成要素を収容するボディ組立体と、 前記リニア軸受構成要素内に固定されかつ前記リニア軸受構成要素の軸線に関して上下に軸方向移動する自由を有する直線シャフト要素と、 前記直線シャフト要素の第1の端部に位置決めされた空気流印加ポートと前記直線シャフト要素の反対側の第2の端部に位置決めされた把持ポートとの間で空気流を伝えるように構成された前記直線シャフト要素内の内部空気流通路と、 記把持ポート(当審注:「前記把持ポート」の誤記と認める。)に機械的に結合するように構成されている交換式連結器とを備え、前記交換式連結器は、可撓性吸引カップを前記交換式連結器に固定するように構成され、 対象物体の捕獲動作の遂行中、前記吸引把持機機構が前記対象物体を捕獲および保持するために適用されるように圧縮空気を用いて前記把持ポートにおいて負圧が引かれ、 前記捕獲動作の完了後、前記対象物体を解放するために、前記吸引把持機機構を流れる空気流が反転される、吸引把持機機構。」 2 補正の適否 本件補正は、本件補正前の請求項13に記載された発明を特定するために必要な事項である「ボディ組立体」について、上記1(1)に付した下線のとおり、ボディ組立体に固定される「取り付け組立体」を特定することで限定を付加するものであって、本件補正前の請求項13に記載された発明と本件補正後の請求項13に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号に掲げるいわゆる「特許請求の範囲の限定的減縮」を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項13に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。 (2)引用文献の記載事項、引用発明等 ア 引用文献3の記載及び引用発明3 (ア)原査定の拒絶の理由で請求項13に対して引用され、本願の優先日前に頒布又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献3(平成8年7月23日出願公開)には、次の記載がある。(下線は、当審で付した。) 「【0009】そしてまた、中央に開口部を有する記憶ディスクを吸着して搬送する吸着搬送装置であって、記憶ディスクの開口部周辺のみに対応する位置に吸着溝を備えたアダプターを有する吸着手段と、該吸着手段を移動させる搬送装置とよりなる吸着搬送装置に存する。 【0010】そしてまた、搬送装置が、上下方向及び水平方向に移動可能な搬送装置である吸着搬送装置に存する。そしてまた、吸着装置が、前記アダプターを記憶ディスクに対して弾圧的に当接するための弾圧体を備えた吸着搬送装置に存する。そしまた、アダプターが交換可能である吸着搬送装置に存する。そしてまた、吸着手段が一対である吸着搬送装置に存する。 ・・・ 【0012】 【実施例】以下、実施例を挙げ図面に基づいて本発明を説明する。最初に本発明の吸着搬送装置の吸着手段について説明する。先ず、図1の(a)は、本発明の吸着装置の一実施例を示す斜視図、(b)は吸着手段の部分拡大図であり、図2は吸着手段を底部から見た斜視図である。 【0013】図1において、1は吸着手段を示し、この吸着手段1は後述する搬送装置のアーム2の端部に取付けられる。吸着手段1は主に、軸部材10、アダプタ9、スリーブ21、図示しない吸引源等とよりなる。記憶ディスクであるミニディスク3(以下MD3と称する)は、通常、中央に円形の開口部4が穿孔されている。 【0014】そして、その開口部4より僅か離間したところまで円形凹部が形成され、その周囲を少しく外側に隔たったところからはデータ記憶部5が形成されている。更に言うと、MD3の開口部4の周辺は、データ記憶部の平面部分より僅か窪んだ円形凹部が形成されており、その裏面は逆にその部分が円形凸部となっている。この円形凹部には、MD3の組立て工程において、図示しない円盤状のクランピングプレートが挿嵌され、円形凹部周縁を溶融カシメすることにより取り付けられることになる。 【0015】このように、開口部4の周辺のある領域部分を残し、その外側はデータ記憶部5となる。すなわち、MD3の開口部4の周辺には、データ記憶部5が形成されていない一定の領域の吸着可能な環状領域である吸着面Tが存在している。なお、本発明のMD3を吸着する工程は、クランピングプレートの溶融カシメが行われる前段の工程であり、MD3は円形凹部を上面にして搬送されてくる。 【0016】本実施例の場合は、好ましくは前記円形凹部の外周でデータ記憶部5が形成されない環状の平面部分が吸着面Tとして使用される。一方、吸着手段の最下部に位置するアダプタ9の底面の環状溝13には、環状弾性体6が取り付けられている。この環状弾性体6は、断面矩形の弾力性を有するゴムまたは樹脂からなる可撓体で形成されたもので、ここではリングパッドと呼ぶ。 【0017】このリングパッド6の底面には、図2に示すように環状の開口部を底部に設けた吸着溝7であるリング溝が形成される。このリング溝7の底には、このリングパッドの背面に貫通する小孔8が、複数個リング溝7の直径と同一ピッチ円上に穿設される。一方、アダプタ9は、後述する軸部材10の下端に交換可能に取付けられる。従って、FD(フロッピーディスク)等のように形状の異なる他の種類の記憶ディスクを吸着する場合などには、それに対応するリングパッドを装着したアダプタ9と交換して使用することができる。 【0018】また、アダプタ9は、環状突部12とそのフランジ11とで形成される。この環状突部12の底部には、リングパッド6の一部が嵌め込まれるべき先述した環状溝13が形成される。そして、アダプタ9の環状突部12には、リングパッド6に穿設された複数の小孔8に一致するように、複数の小孔17が前記ピッチ円と同一ピッチ円上に穿設される。 【0019】この小孔17は、アダプタ9の環状溝13の底部からフランジ11上面に貫通しており、最終的には吸引源に通じている。また、前記軸部材10は、軸心方向に連通路15を穿設した軸部14と、軸部14の底部にアダプタ9のフランジ11とほぼ同径に形成されたフランジ16とで構成される。前記連通路15は、図示しないフレキシブルホースを介してこれもまた図示しない吸引源に接続されている。 【0020】さらに、フランジ16のフランジ16(当審注:「フランジ11」の明らかな誤記と認める。)に対する取付け面には、小孔17を配置した前記ピッチ円の直径より僅か大径の環状凹部18が形成される。このようにして、軸部材10のフランジ16には、アダプタ9のフランジ11が、密封手段である例えばOリング19等を介して取付けられ、これにより環状凹部18とフランジ16(当審注:「フランジ11」の明らかな誤記と認める。)の上面とで、連通路15と連通する流路空間が形成される。一方、搬送装置のアーム2には、このアーム2に形成された貫通穴20を挿通したスリーブ21が、該スリーブから立設されたフランジ22を介して取付けられている。 【0021】またスリーブ21内には、前記軸部材10の軸部14が、軸受け23a、23bを介して昇降可能に支持されている。またスリーブ21の外周には、圧縮バネ24が挿通され、この圧縮バネ24をアーム2の下面とフランジ16の上面との間に介装し、軸部材10を常時下方に押圧付勢する。この場合、圧縮バネ24の押圧付勢力は、吸着されるべき記憶ディスクの種類により所望の付勢力に設定される。 ・・・ 【0025】続いて、図示しない吸引源を作動させると、MD3の上面とリングパッド6のリング溝7により封鎖された内部の空気圧は負圧の状態となる。すなわち、MD3の上面とリングパッド6のリング溝7により封鎖された内部の空気は、図1に示す矢印の如く、リング溝7から複数の小孔17、環状凹部18および連通路15を経て吸引される。 ・・・ 【0037】そこで、吸着手段1a、1bは、搬送装置により下方に移動し、その一方の吸着手段1aは、供給位置Mに位置決めされたMD3a(これを第1のMD3aという)の開口部周辺の吸着部Tを、環状に吸着する。 ・・・ 【0039】その後、吸引が解かれその位置に第1MD3aが載置される。 ・・・。」 「図1 [図:0001418742000001.jpg] 」 「図2 [図:0001418742000002.jpg] 」 「図3 [図:0001418742000003.jpg] 」 (イ)上記(ア)の記載及び図面から、引用文献3には、次の事項が記載されているものと認められる。 a 引用文献3には、搬送装置と吸着手段とからなる吸着搬送装置(段落【0009】等)が記載され、図1には、吸着搬送装置の吸着手段の一実施例の斜視図が示され、図2には、吸着手段を底部から見た斜視図が示され、図3には、搬送装置の正面図が示されている。 b aに加え、段落【0020】の「搬送装置のアーム2には、このアーム2に形成された貫通穴20を挿通したスリーブ21が、該スリーブから立設されたフランジ22を介して取付けられている」との記載、段落【0021】の「スリーブ21内には、前記軸部材10の軸部14が、軸受け23a、23bを介して昇降可能に支持されている」との記載によれば引用文献3に記載の吸着搬送装置は、 「軸受け23a、23bを収容し、その周りにフランジ22が立設されているスリーブ21と、フランジ22は、搬送装置のアーム2に取り付けられ、 軸受け23a、23bに固定されかつ前記軸受け23a、23bの軸線に関して上下に軸方向移動する自由を有する軸部14」 を有していると認められる。 c aに加え、段落【0010】の「アダプターが交換可能である吸着搬送装置」との記載、段落【0019】の「記軸部材10は、軸心方向に連通路15を穿設した軸部14と、軸部14の底部にアダプタ9のフランジ11とほぼ同径に形成されたフランジ16とで構成される。前記連通路15は、図示しないフレキシブルホースを介してこれもまた図示しない吸引源に接続されている。」との記載、段落【0020】の「フランジ16のフランジ16(当審注:「フランジ11」の誤記と認める。)に対する取付け面には、小孔17を配置した前記ピッチ円の直径より僅か大径の環状凹部18が形成される。」との記載、及び「軸部材10のフランジ16には、アダプタ9のフランジ11が、密封手段である例えばOリング19等を介して取付けられ、これにより環状凹部18とフランジ16(当審注:「フランジ11」の誤記と認める。)の上面とで、連通路15と連通する流路空間が形成される。」との記載によれば、引用文献3に記載の吸着搬送装置は、 「軸部14の吸引源側の端部に位置決めされた開口部と前記軸部14の反対側のフランジ16側の端部に位置決めされた環状凹部18との間で空気流を伝えるように構成された軸部14内の連通路15」を有していること及び 「環状凹部18が形成されるフランジ16に機械的に結合するように構成されている交換可能なアダプタ9を備えている」ことが認められる。 d aに加え、段落【0016】の「吸着手段の最下部に位置するアダプタ9の底面の環状溝13には、環状弾性体6が取り付けられている。この環状弾性体6は、断面矩形の弾力性を有するゴムまたは樹脂からなる可撓体で形成されたもので、ここではリングパッドと呼ぶ。」との記載から、引用文献3に記載の吸着搬送装置は、 「アダプタ9は、環状弾性体6を前記アダプタ9に固定するように構成される」 ことが認められる。 e 段落【0025】、【0037】、【0039】の記載から、引用文献3に記載の吸着搬送装置は、 「MD3の吸着動作の遂行中、吸着搬送装置がMD3を吸着するために適用されるように環状凹部18において負圧が引かれ、 吸着動作の完了後、MD3を解放する」 ものであるといえる。 (ウ)上記(ア)及び(イ)から、引用文献3には、次の発明(以下「引用発明3」という。)が記載されていると認められる。 「 吸着装置であって、前記吸着搬送装置が軸受け23a、23bを収容し、その周りにフランジ22が立設されているスリーブ21と、前記フランジ22は、搬送装置のアーム2に取り付けられ、 前記軸受け23a、23b内に固定されかつ前記軸受け23a、23bの軸線に関して上下に軸方向移動する自由を有する軸部14と(上記(イ)b)、 前記軸部14の吸引源側の端部に位置決めされた開口部と前記軸部14の反対側のフランジ16側の端部に位置決めされた環状凹部18との間で空気流を伝えるように構成された前記軸部14内の連通路15と(上記(イ)c)、 環状凹部18が形成されるフランジ16に機械的に結合するように構成されている交換可能なアダプタ9とを備え(上記(イ)c)、 前記交換可能なアダプタ9は、環状弾性体6を前記交換可能なアダプタ9に固定するように構成され(上記(イ)d)、 MD3の吸着動作の遂行中、前記吸着搬送装置が前記MD3を吸着するために適用されるように、吸引源により前記環状凹部18において負圧が引かれ、 前記吸着動作の完了後、前記MD3を解放する、 吸着搬送装置(上記(イ)a)」 イ 引用文献2の記載及び引用文献2記載の技術的事項 (ア)原査定の拒絶の理由で請求項13に対して引用され、本願の優先日前に頒布又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献2(公開日、平成2年9月20日。)には、次の記載がある。(下線は、当審で付した。) a 明細書2ページ2~11行 「[産業上の利用分野] 本考案は、プレス機械のディスタックフィード装置等に利用される真空吸着装置に関する。 [従来の技術] 例えば、プレス機械では、ディスタックフィード装置、中間搬送装置等に多数のバキュームカップを有する真空吸着装置が利用されている。 従来の真空吸着装置は、ベンチュリー型の真空生成手段を用いてバキュームカップに負圧を生成しワークを真空吸着させるように形成されているのが一般的である。」 b 明細書12ページ5行~14ページ12行、 「次に、本実施例の作用を第3図に示すフローチャートを参照しなから説明する。 まず、ステップ100で、制御手段40から開放指令S0を電磁弁60のソレノイド61に出力することにより節約弁62を開放して、空気源1から加圧空気を真空生成手段20の上流側に供給する。これにより、空気源1(節約弁62)および真空生成手段20間の配管長さに関係なく、排気口23を開放すると直ちにバキュームカップ10に負圧を生成してワーク9を吸着することができる。この際、真空生成手段20の本体21内の加圧空気は排気口23が開閉手段50によって塞がれているので、吸引口12を介してバキュームカップ10に放出される。その結果、吸引口12等に付着していた埃等が該空気によって吹き飛ばされてバキュームカップ10は自動的に清掃される。そのため、バキュームカップ10のカップ13にワーク9を吸着するに十分な負圧を生成することが可能となり、円滑なワーク吸着作業の準備が整うことになる。 次に、ステップ102で吸着指令S1の有無を判断する。ステップ102で吸着指令S1があればステップ104に進み、吸着指令S1に基づき開閉手段50が作動されて排気口23が開放される。すなわち、吸着指令S1に基づき開閉手段50のソレノイド52aが作動して各ピストン部51aを同期的に移動させ各排気口23を開放させる。 こうして、排気口23が開放されると、真空生成手段20の本体21に供給されていた加圧空気は該排気口23より排出され、バキュームカップ10に負圧が生成されてワーク9が当該バキュームカップ10のカップ13に吸着される。この際、ステップ100で既に真空生成手段20には加圧空気が供給されているので、迅速にワーク9を吸着することができる。 次に、ステップ106で吸着指令S1解除の有無を判断し、指令S1が解除された場合にはステップ108に進み、開閉手段50を作動させて排気口23を閉鎖する。その結果、バキュームカップ10に生成された負圧は消滅しワーク10(当審注:「ワーク9」の明らかな誤記と認める。)は自重によりバキュームカップ10のカップ13から離れる。すると、真空生成手段20の本体21内の加圧空気はバキュームカップ10に放出され、該バキュームカップ10は自動的に清掃される。この際、バキュームカップ10から離れつつあるワーク9は、加圧空気によって下方に押されるので該カップ10から迅速に離隔する。」 c 図面 「 [図:0001418742000004.jpg] 」 「 [図:0001418742000005.jpg] 」 「 [図:0001418742000006.jpg] 」 (イ)上記(ア)の記載及び図面から、引用文献2には、次の事項が記載されているものと認められる。 a 引用文献2には、バキュームカップに負圧を生成しワークを真空吸着させるための真空生成手段20に関する技術が記載され、第1図には、一実施例を示す概略図が示され、第2図には、別の実施例の要部が示され、第3図には、動作説明をするためのフローチャートが示されている。 b 上記(ア)Bのステップ102~104に関する記載及び第1図より、引用文献2に記載された真空生成手段20は、 「ワーク9の吸着指令中、バキュームカップ10がワーク9を吸着するために適用されるように加圧空気を用いて管路11において負圧が生成され」 ることがわかる。 c 上記(ア)Bのステップ106~108に関する記載から、引用文献2に記載された真空生成手段20は、 「吸着指令S1の解除後、ワーク9をバキュームカップ10から離隔するためにバキュームカップ10を流れる空気流が反転される」ことがわかる。 (ウ)上記(ア)及び(イ)から、引用文献2には、真空生成手段20に関して、次の技術的事項(以下「引用文献2記載の技術的事項」という。)が記載されていると認められる。 「ワーク9の吸着指令中、バキュームカップ10がワーク9を吸着するために適用されるように加圧空気を用いて管路11において負圧が生成され(上記(イ)b)、 吸着指令S1の解除後、ワーク9をバキュームカップ10から離隔するためにバキュームカップ10を流れる空気流が反転される(上記(イ)c)こと。」 ウ 周知技術(引用文献4~6)について (ア)本件補正に伴い新たに引用する、本願の優先日前に頒布又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献4(平成25年6月17日出願公開)には、次の記載がある。 a 【0024】 「平行リンク4a,4bの下端部にはジョイントとしての球面軸受22a,22bを介して可動部2が連結される。球面軸受22a,22bは3自由度を持ち、平行リンク4a,4bは可動部2に対してX,Y,Z軸の回りに回転可能である。球面軸受22a,22bの替わりにカルダン型のジョイントを用いてもよい。一対の平行リンク4a,4bは三角形の可動部2の一辺に連結される。一対の平行リンク4a,4bの長さは互いに等しく、一対の平行リンク4a,4b、球面軸受21a,21b、及び球面軸受22a,22bによって平行四辺形が形成される。可動部2が移動しても平行四辺形は維持されるので、可動部2はベース1に対してX,Y,Z軸方向に並進運動する。」 b 【0027】 「可動部2には、必要に応じてエンドエフェクタの姿勢を変化させる姿勢制御機構が設けられる。姿勢制御機構は例えばエンドエフェクタをX,Y,Z軸の少なくとも一つの回りに回転させる回転ユニットを備え、例えば把持ユニットからなるエンドエフェクタの姿勢を変化させる。回転ユニットや把持ユニットを制御するドライバは可動部2に搭載するのが望ましい。上位コントローラからの指令を無線通信を介してドライバに通信すれば、可動部2上のドライバへの配線が不要になる。」 c 図1 「 [図:0001418742000007.jpg] 」 (イ)本件補正に伴い新たに引用する、本願の優先日前に頒布又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献5(平成22年11月4日出願公開)には、次の記載がある。 a 【0033】-【0034】 「【0033】 図1並びに、特に図7及び図8からわかるように、前腕部18を形成する一組のチューブ20は、それらの各々の上腕部16に枢動自在に接続されているだけではなく、ツール取付部10にも枢動可能に接続されており、当該接続は、実際は、図4から図6に関連して上述された様なボールジョイントを用いてなされている。 【0034】 ツール取付部10は、ジョイントプレート66を有する。ジョイントプレート66は、3つのプレート部70含む。3つのプレート部70は、中心孔68の周りに配され、互い120°離間して設けられている。プレート部70の各々は、制御アーム12に関連付けられている。ジョイントヘッド34は、プレート部70の各々の互いに反対に配された側部に取り付けられ、対応する制御アーム12のチューブ20に接続されているソケット部材36を受けるために設けられている。図4から図6について説明しかつそれに関連してこれらのソケット部材36の構造に関して説明する。制御アーム12のチューブ20同士は、引張ばね(図示せず)によってジョイントプレート66の領域内で拘束される。当該引張ばねは、上述の様なホルダ50によってソケット部材36に接続される。上述の実施例に従って、引張ばねの代わりに非弾性接続要素も使用され得る。」 b 図1 「 [図:0001418742000008.jpg] 」 c 図4 「 [図:0001418742000009.jpg] 」 d 図5 「 [図:0001418742000010.jpg] 」 e 図7 「 [図:0001418742000011.jpg] 」 f 図8 「 [図:0001418742000012.jpg] 」 (ウ)本件補正に伴い新たに引用する、本願の優先日前に頒布又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献6(平成25年8月19日出願公開)には、次の記載がある。 a 【0014】-【0017】 「【0014】 第1実施形態によるパラレルリンクロボット100は、図1に示すように、ベース部1と、ベース部1に設けられた3つのサーボモータ2と、3つのサーボモータ2によりそれぞれ駆動される3つのアーム部3と、エンドエフェクタ110が取り付けられる1つのヘッド部4とを備えている。なお、ヘッド部4は、本発明の「第1アーム」の一例である。 【0015】 ベース部1は、天井などの固定面に取り付けられている。また、ベース部1の内部に3つのサーボモータ2が設けられている。また、3つのサーボモータ2およびアーム部3は、平面的に見て(平面視で)、鉛直方向に延びるベース部1の中心軸L1回りに互いに等角度間隔(120度間隔)で配置されている。 【0016】 3つのアーム部3は、互いに同様の構成を有している。具体的には、アーム部3は、上アーム11と、リンク機構を構成するように上アーム11に接続される下アーム12とを有している。なお、上アーム11および下アーム12は、それぞれ、本発明の「第1アーム」および「第2アーム」の一例である。上アーム11は、根元側端部がサーボモータ2の出力軸に取り付けられており、サーボモータ2により鉛直面内で上下方向(Z方向)に揺動(回動)されるように構成されている。また、下アーム12の根元側端部は、関節機構部20を介して上アーム11の先端側端部11aに連結されている。また、下アーム12の先端側端部は、関節機構部30を介してヘッド部4に連結されている。 【0017】 図2に示すように、下アーム12は、関節機構部20(30)を挟んで互いに平行に配置された円柱状の一対のポール12aと、一対のポール12aの両端にそれぞれ1対ずつ設けられたソケット13および14と、各1対のソケット13および14に対して1つずつ設けられた2つの付勢機構部15とを含んでいる。」 b 図1 「 [図:0001418742000013.jpg] 」 c 図2 「 [図:0001418742000014.jpg] 」 (エ)上記(ア)~(ウ)から、次の技術的事項は、本願の優先日前において「パラレルリンクロボット」として周知であった(以下「周知技術」という。)と把握できる。 「エンドエフェクタが取り付けられる取り付け組立体は、取り付け組立体の周囲を囲む1つ以上の球形状の取り付け点を備え、1つ以上の取り付け点は、ロボットの1つ以上のロボットアームの相補的なソケット要素にそれぞれ旋回可能に結合されていること。」 (3)本件補正発明と引用発明3との対比 ア 本件補正発明と引用発明3とを対比する。 (ア)引用発明3における「吸着搬送装置」は「吸引把持機機構」に相当し、「軸受け23a、23b」は、その構造・機能・作用等からみて、本件補正発明における「リニア軸受構成要素」に相当する。以下同様に、「軸部14」は「直線シャフト要素」、「軸部14の吸引源側の端部に位置決めされた開口部」は「直線シャフト要素の第1の端部に位置決めされた空気流印加ポート」に、「軸部14の反対側のフランジ16側の端部に位置決めされた環状凹部18」は「直線シャフト要素の反対側の第2の端部に位置決めされた把持ポート」に、「連通路15」は「内部空気流通路」に、「交換可能なアダプタ9」は「交換式連結器」に、「環状弾性体6」は「可撓性吸引カップ」に、「MD3」は「対象物体」に、「吸着動作」は「捕獲動作」に、「吸着する」は「捕獲および保持する」に、それぞれ相当する。 (イ)また、引用発明3における「搬送装置」は、MD3を所定の位置に搬送する機能を有することから、「ロボット」である限りにおいて、本件補正発明における「仕分けロボット」と一致し、引用発明3における「アーム2」は、本件補正発明における「ロボットアーム」に相当する。さらに、引用発明3における「フランジ22」は、搬送装置のアーム2に取り付けられることから、「ロボットの1つ以上のロボットアームに結合され」る「取り付け体」である限りにおいて、本件補正発明における「取り付け組立体の周囲を囲む1つ以上の球形状の取り付け点を備え、1つ以上の取り付け点は、仕分けロボットの1つ以上のロボットアームの相補的なソケット要素にそれぞれ旋回可能に結合され」る「取り付け組立体」と一致する。してみると、引用発明3における、「軸受け23a、23bを収容し、その周りに「フランジ22」が「立設」されているスリーブ21」は、「リニア軸受構成要素を収容し、その周りに「取り付け体」が「固定」されているボディ組立体」である限りにおいて、本件補正発明における「リニア軸受構成要素を収容し、その周りに「取り付け組立体」が「固定」されているボディ組立体」に相当する。 (ウ)引用発明3における「交換可能なアダプタ9」が「環状凹部18が形成されるフランジ16に機械的に結合するように構成されている」点は、アダプタ9が環状凹部18を有するフランジに結合されていることからみて、本件補正発明における「交換式連結器」が「把持ポートに機械的に結合するように構成されている」ことに相当する。 (エ)引用発明3における「MD3の吸着動作の遂行中、前記吸着搬送装置が前記MD3を吸着するために適用されるように、吸引源により環状凹部18において負圧が引かれ」ることは、「対象物体の捕獲動作の遂行中、前記吸引把持機機構が前記対象物体を捕獲および保持するために適用されるように前記把持ポートにおいて負圧が引かれ」る限りにおいて、本件補正発明における「対象物体の捕獲動作の遂行中、前記吸引把持機機構が前記対象物体を捕獲および保持するために適用されるように圧縮空気を用いて前記把持ポートにおいて負圧が引かれ」ることに相当する。 また、引用発明3における「吸着動作の完了後、前記MD3を解放する」点は、「前記捕獲動作の完了後、前記対象物体を解放する」限りにおいて、本件補正発明における「前記捕獲動作の完了後、前記対象物体を解放するために、前記吸引把持機機構を流れる前記空気流が反転される」ことに相当する。 イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明3との一致点及び相違点は、次のとおりである。 【一致点】 「吸着装置であって、前記吸着搬送装置がリニア軸受構成要素を収容し、その周りに取り付け組立体が固定されているボディ組立体と、前記取り付け組立体は、ロボットの1つ以上のロボットアームに結合され、 リニア軸受構成要素内に固定されかつ前記リニア軸受構成要素の軸線に関して上下に軸方向移動する自由を有する直線シャフト要素と、 前記直線シャフト要素の第1の端部に位置決めされた空気流印加ポートと前記直線シャフト要素の反対側の第2の端部に位置決めされた把持ポートとの間で空気流を伝えるように構成された前記直線シャフト要素内の内部空気流通路と、 前記把持ポートに機械的に結合するように構成されている交換式連結器とを備え、 前記交換式連結器は、可撓性吸引カップを前記交換式連結器に固定するように構成され、 対象物体の捕獲動作の遂行中、前記吸引把持機機構が前記対象物体を捕獲および保持するために適用されるように前記把持ポートにおいて負圧が引かれ、 前記捕獲動作の完了後、前記対象物体を解放する、吸引把持機機構。」 【相違点1】 対象物体を捕獲および保持するために適用されるように把持ポートにおいて負圧が引かれる手法として、 本件補正発明では、「圧縮空気を用いて」把持ポートにおいて負圧が引かれるのに対して、 引用発明3では、「吸引源」により環状凹部18において負圧が引かれる点。 【相違点2】 捕獲動作の完了後、対象物体を解放するにあたり、 本件補正発明では、「吸引把持機機構を流れる空気流が反転される」のに対して、 引用発明3では、上記構成を有していない点。 【相違点3】 ロボットの1つ以上のロボットアームに結合される取付け組立体に関し、 本件補正発明では、「取り付け組立体は、取り付け組立体の周囲を囲む1つ以上の球形状の取り付け点を備え、1つ以上の取り付け点は、仕分けロボットの1つ以上のロボットアームの相補的なソケット要素にそれぞれ旋回可能に結合」されているのに対して、 引用発明3では、フランジ22は上記構成を有しておらず、また搬送装置が仕分け作業を行うかも不明である点。 (4)判断 以下、相違点について検討する。 ア 【相違点1~2】について 引用文献2には、真空生成手段20に関して、上記(2)イ(ウ)に引用文献2記載の技術的事項として示したように、 「ワーク9の吸着指令中、バキュームカップ10がワーク9を吸着するために適用されるように加圧空気を用いて管路11において負圧が生成され、 吸着指令S1の解除後、ワーク9をバキュームカップ10から離隔するためにバキュームカップ10を流れる空気流が反転されること。」が記載されている。 そして、引用発明3及び引用文献2記載の技術的事項は、いずれも、吸着によって対象物体を捕獲及び保持する点で共通の機能を有するものであって、引用発明3においても、対象物体を解放するにあたり、確実に解放をさせたいとの課題が内在するといえるから、引用発明3において対象物体を捕獲及び保持し、解放するための構成として、引用文献2記載の技術的事項を採用して、上記相違点1~2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 イ 【相違点3】について 引用発明3において、吸着搬送装置(吸引把持機機構)のフランジ22(取り付け体)をアーム2(ロボットアーム)に対してどのように結合するかは、その可動範囲や所望の動作等に応じて、当業者が適宜決定し得る事項であるところ、例えば、搬送装置に周知の仕分け作業を行わせるために、取り付け組立体についての前記(2)ウ(エ)に示した周知技術を用いて、相違点3に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (5)小括 したがって、本件補正発明は、引用発明3及び引用文献2記載の技術的事項、並びに上記周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 3 本件補正についてのむすび したがって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 令和5年7月20日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和4年11月29日にされた手続補正書に記載の特許請求の範囲の請求項1ないし22に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項13に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記第2[理由]1(2)の請求項13に記載された事項により特定されるとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由のうち、請求項13についての拒絶の理由は、次のとおりである。 (進歩性)この出願の請求項13に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 ・請求項 13 ・引用文献等 2、3 (引用文献3に記載の発明を主引用発明とする。) <引用文献> 引用文献2:実願平1-26033号(実開平2-117884号)のマイクロフィルム 引用文献3:特開平8-187690号公報 3 引用文献 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献2~3の記載事項は、前記第2の[理由]2(2)ア、イに記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、前記第2の[理由]で検討した本件補正発明から、「吸引把持機機構」について、リニア軸受構成要素を収容「し、その周りに取り付け組立体が固定されている」ボディ組立体と、「前記取り付け組立体は、前記取り付け組立体の周囲を囲む1つ以上の球形状の取り付け点を備え、前記1つ以上の取り付け点は、仕分けロボットの1つ以上のロボットアームの相補的なソケット要素にそれぞれ旋回可能に結合され」るという限定事項を削除したものである。 そして、本願発明と引用発明3を対比すると、前記第2の[理由]2(3)と同様の相当関係にあり、両発明は、以下の点で一致し、以下の相違点4~5で相違する。 【一致点】 「吸引把持機機構であって、前記吸引把持機機構が、 リニア軸受構成要素を収容するボディ組立体と、 前記リニア軸受構成要素内に固定されかつ前記リニア軸受構成要素の軸線に関して上下に軸方向移動する自由を有する直線シャフト要素と、 前記直線シャフト要素の第1の端部に位置決めされた空気流印加ポートと前記直線シャフト要素の反対側の第2の端部に位置決めされた把持ポートとの間で空気流を伝えるように構成された前記直線シャフト要素内の内部空気流通路と、 前記把持ポートに機械的に結合するように構成されている交換式連結器とを備え、前記交換式連結器は、可撓性吸引カップを前記交換式連結器に固定するように構成され、 対象物体の捕獲動作の遂行中、前記吸引把持機機構が前記対象物体を捕獲および保持するために適用されるように前記把持ポートにおいて負圧が引かれ、 前記捕獲動作の完了後、前記対象物体を解放する、吸引把持機機構。」 【相違点4】 対象物体を捕獲および保持するために適用されるように把持ポートにおいて負圧が引かれる手法として、 本願発明では、「圧縮空気を用いて」把持ポートにおいて負圧が引かれるのに対して、 引用発明3では、「吸引源」により環状凹部18において負圧が引かれる点。 【相違点5】 捕獲動作の完了後、対象物体を解放するにあたり、 本願発明では、「吸引把持機機構を流れる空気流が反転される」のに対して、 引用発明3では、上記構成を有していない点。 しかしながら、当該相違点4~5は、実質的に上記相違点1~2と同様であるから、相違点4~5についての容易想到性の判断は、前記第2の[理由]2(4)アの相違点1~2と同様である。 したがって、本願発明は、引用発明3及び引用文献2記載の技術的事項から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-012125

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