商標拒絶査定不服審判
2023-008221
ダンボール、ダン、デイエイエヌ
- 審判番号
- 2023-008221
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-019121
- 請求日
- 2023年05月19日
- 審決日
- 2024年02月16日
- 公報発行日
- 2024年03月29日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社高木包装
- 【請求人代理人】弁理士法人篠原国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 冨澤 武志
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 中島 光
- 分類
- T18 .261-WY (W16) / T18 .262-WY (W16) / T18 .263-WY (W16)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-19121拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年2月21日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年8月4日付け:拒絶理由通知書
令和4年12月19日:意見書の提出
令和5年3月14日付け:拒絶査定
令和5年5月19日:審判請求書、手続補正書の提出
2 本願商標
本願商標は、「DANボール」の文字を標準文字で表してなり、第16類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願され、その後、指定商品については、前記1の手続補正書により、第16類「段ボール製包装用容器,段ボール箱,耐水性段ボール箱,段ボール箱用のふた,段ボール製緩衝材,段ボール,段ボール原紙,段ボール厚紙,段ボール製の広告用看板,段ボール製の荷札,段ボール製の旗及びのぼり,段ボール製のギフトボックス,段ボール製のパーティー記念用箱,段ボール製のケーキボックス,段ボール製の帽子箱,段ボール製の陳列用箱,段ボール製の筒,段ボール製の包装用詰物材,段ボール製の食品用装飾品,段ボール製の写真立て」と補正されたものである(以下、前記補正後の本願指定商品を「補正後指定商品」という。)。
3 引用商標
原審において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は以下のとおりであり、いずれの商標権も、現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5383752号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「談ボール」(標準文字)
登録出願日:平成22年8月4日
設定登録日:平成23年1月14日
最新更新登録日:令和2年9月14日
指定商品:第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤,紙製包装用容器,家庭用食品包装フイルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,紙類,文房具類,印刷物」
(2)登録第5383753号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲のとおり
登録出願日:平成22年8月4日
設定登録日:平成23年1月14日
最新更新登録日:令和2年9月14日
指定商品:第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤,紙製包装用容器,家庭用食品包装フイルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,紙類,文房具類,印刷物」
(3)登録第5836484号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:「暖ボール」
登録出願日:平成27年11月9日
設定登録日:平成28年3月25日
指定商品:第24類「織物,メリヤス生地,フェルト及び不織布,オイルクロス,ゴム引防水布,ビニルクロス,ラバークロス,レザークロス,ろ過布,布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製テーブルナプキン」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」
4 原査定の拒絶の理由の要点
本願商標は、前記3における引用商標と同一又は類似の商標であって、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
5 当審の判断
(1)引用商標3について
本願の指定商品は、前記1の手続補正書によって補正された結果、引用商標3の指定商品と同一又は類似の商品はすべて削除されたものと認められる。
その結果、本願の補正後指定商品は、引用商標3の指定商品と類似しないものになった。
したがって、本願商標が引用商標3との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は解消した。
(2)本願商標と引用商標1及び引用商標2との類否判断について
ア 本願商標について
本願商標は、「DANボール」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「DAN」の欧文字と、「ボール」の片仮名とは互いに異なる文字種で表されていることから、本願商標は「DAN」と「ボール」の各文字が結合してなるものと容易に看取されるものである。
また、本願商標の構成中「ボール」の文字は「球」(「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店。以下「前掲書」という。)の意味を有する我が国において一般に親しまれた語であるものの、構成中「DAN」の欧文字が、「(漁場の)目印ブイ」(「ジーニアス英和辞典 第5版」株式会社大修館書店)等を意味する語であるが、これは、我が国において一般に親しまれた語とはいえないことから、この文字に接する需要者が、直ちに特定の意味合いを理解するとはいい難いものであり、これらを結合した「DANボール」の文字も、辞書等に記載がないものであって、特定の意味合いを認識させるものではない。
そして、本願商標は、文字種の差異はあるものの、構成各文字が同じ書体及び大きさをもって間隔なく表されており、全体として外観上まとまりよく一体的に構成されているものである。
さらに、本願商標全体より生じる「ダンボール」の称呼も、格別冗長なものでなく、無理なく一連に称呼し得ることからすると、本願商標に接する需要者は、本願商標を一体不可分のものと認識、理解するとみるのが相当であるから、本願商標は、その構成文字に相応して「ダンボール」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標1について
引用商標1は、「談ボール」の文字を標準文字で表してなるものであり、その構成中の「談」の漢字と、「ボール」の片仮名とは互いに異なる文字種で表されていることから、引用商標1は「談」と「ボール」の各文字が結合してなるものと容易に看取されるものである。
また、引用商標1の構成中「談」の文字は、「話すこと」(前掲書)を意味する語であるものの、この文字と、「ボール」の文字とを結合した、「談ボール」の文字は、辞書等に記載がないものであって、特定の意味合いを認識させるものではない。
そして、引用商標1は、文字種の差異はあるものの、構成各文字が同じ書体及び大きさをもって間隔なく表されており、全体として外観上まとまりよく一体的に構成されているものである。
さらに、引用商標1の全体より生じる「ダンボール」の称呼も、格別冗長なものでなく、無理なく一連に称呼し得ることからすると、引用商標1に接する需要者は、引用商標1を一体不可分のものと認識、理解するとみるのが相当であるから、引用商標1は、その構成文字に相応して「ダンボール」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 引用商標2について
引用商標2は、別掲のとおり、上段に「団ボール」の文字を、中段に「弾ボール」の文字を、下段に「壇ボール」の文字を、いずれも普通に用いられる同一の書体、かつ、同じ大きさで、一定の間隔を空けて配してなるものであり、これらの文字は、いずれも漢字と片仮名という異なる文字種で表されていることから、引用商標2の各文字部分は「団」、「弾」及び「壇」の文字と「ボール」の文字が結合してなるものと容易に看取されるものである。
また、引用商標2の構成中の、「団」の文字は、「組織立って集まったなかま」の意味を、「弾」の文字は、「たま」の意味を、「壇」の文字は、「一段高く設けた場所」(いずれも前掲書)の意味を、それぞれ有するものの、これらの文字と、「ボール」の文字とを結合した、「団ボール」、「弾ボール」及び「壇ボール」の各文字は、いずれも辞書等に記載がないものであって、特定の意味合いを認識させるものではない。
そして、引用商標2の上段、中段及び下段の各文字部分は、それぞれ一定の間隔を空けて重なることなく配置されていることからすると、それぞれが視覚上、分離して看取、把握され得るものであり、また、これらの文字部分を一連に称呼した場合の「ダンボールダンボールダンボール」の称呼は冗長であり、さらに、各文字部分の間には観念的なつながりもなく、全体として特定の観念を生じるものでもない。
そうすると、引用商標2の構成中の各文字部分は、分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分的に結合しているということはできず、簡易迅速を尊ぶ商取引の実際においては、需要者において、上段、中段及び下段のいずれか一の文字部分を要部として、これをもって取引に資されることもあるというべきである。
したがって、引用商標2よりは、「団ボール」、「弾ボール」又は「壇ボール」の、いずれかの文字部分に相応して、「ダンボール」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
エ 本願商標と引用商標1及び引用商標2の類否について
(ア)本願商標と引用商標1を比較するに、外観において、前者は語頭が「DAN」の欧文字であるのに対し、後者は語頭が「談」の漢字であるという差異により、明確に区別できるものである。
また、称呼においては、本願商標と引用商標1から生じる「ダンボール」の称呼を共通にするものである。
そして、本願商標及び引用商標1は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念においては比較できない。
そうすると、本願商標と引用商標1とは、観念において比較できず、「ダンボール」の称呼を共通にするとしても、外観において明確に区別できるものであるから、これらを総合して判断すれば、両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
(イ)本願商標と引用商標2を比較するに、全体の外観において、前者が一段であるのに対し、後者は三段に配されている点で差異を有するのみでなく、本願商標と引用商標2のいずれか一の要部との比較においても、前者は語頭が「DAN」の欧文字であるのに対し、後者は語頭が「団」、「弾」又は「壇」の漢字であるという差異により、明確に区別できるものである。
また、称呼においては、本願商標と引用商標2のいずれか一の要部から生じる「ダンボール」の称呼を共通にするものである。
そして、本願商標及び引用商標2は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念においては比較できない。
そうすると、本願商標と引用商標2とは、観念において比較できず、「ダンボール」の称呼を共通にするとしても、外観において明確に区別できるものであるから、これらを総合して判断すれば、両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
オ 小括
以上のとおり、本願商標は、その補正後指定商品中に、引用商標1及び引用商標2に係る指定商品と類似する商品を含むとしても、引用商標1及び引用商標2と類似する商標ではないから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)まとめ
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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