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特許拒絶査定不服審判

2023-008212

遊技機

審判番号
2023-008212
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-102491
請求日
2023年05月19日
審決日
2024年12月10日
公報発行日
2025年02月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社藤商事
  • 【請求人代理人】弁理士法人テイクオフ
審判長/審判官
  • 審判長 渋谷 知子
  • 審判官 小林 俊久
  • 審判官 ▲高▼橋 祐介
分類
P18 .121-WZ (A63F) / P18 .572-WZ (A63F) / P18 .574-WZ (A63F) / P18 .575-WZ (A63F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第3項、特許法第36条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2021-102491「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和3年9月30日出願公開、特開2021-151543〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は平成29年7月3日に出願した特願2017-130276の一部を令和3年6月21日に新たな特許出願(特願2021-102491)としたものであって、本願出願後の手続の経緯の概略は次のとおりである。 令和3年 6月30日 :手続補正書、上申書の提出 令和4年 3月28日付け:拒絶理由通知書 5月26日 :意見書、手続補正書の提出 9月13日付け:拒絶理由通知書(最後) 11月10日 :意見書、手続補正書の提出 令和5年 2月 9日付け:令和4年11月10日にされた手続補正に ついての補正の却下の決定 同日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) 2月21日 :原査定の謄本の送達 5月19日 :審判請求書、手続補正書の提出 令和6年 1月23日付け:拒絶理由通知書 2月22日 :意見書、手続補正書の提出 6月10日付け:拒絶理由通知書(最後)(以下「当審拒絶 理由通知」という。) 8月 5日 :意見書、手続補正書の提出 第2 令和6年8月5日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和6年8月5日にされた手続補正を却下する。 [理由] 1 本件補正について(補正の内容) 令和6年8月5日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、令和6年2月22日提出の手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1に、 (本件補正前) 「【請求項1】 遊技領域を視認可能な視認窓が形成された枠体と、 画像を表示可能な画像表示手段と、 スピーカと、を備え、 前記画像表示手段に、遊技状態に応じて、前記遊技領域のうち左流下経路と右流下経路との何れを狙うのが遊技者にとって有利かを示す発射誘導画像を表示可能であり、 前記発射誘導画像は、前記左流下経路と前記右流下経路のうちの一方側を指し示す図形を含む 遊技機において、 前記枠体の前記視認窓の周囲の少なくとも一部に、換装可能な換装可能部材を有し、 前記換装可能部材を前記スピーカの前側に位置するように配置し、 前記画像表示手段に表示される画像に所定変形処理を行う特定演出を実行する演出実行手段を備え、 前記発射誘導画像の表示中に前記特定演出を実行する場合、前記発射誘導画像を含まない特定画像に対しては前記所定変形処理を行うが、前記発射誘導画像に対しては前記所定変形処理を行わないことにより、前記発射誘導画像を認識可能に表示し、 前記演出実行手段は、前記画像表示手段に表示する前記画像を描画するための領域として、1次バッファ領域とフレームバッファ領域とを有するとともに、前記所定変形処理を行うか否かに応じて、前記所定変形処理を行う画像に関しては、前記1次バッファ領域を経て描画を行う第1描画処理を、前記所定変形処理を行わない画像に関しては、前記1次バッファ領域を経ることなく描画を行う第2描画処理を夫々実行するように構成し、 前記第1描画処理では、前記1次バッファ領域に格納した画像データに対して前記所定変形処理を行って前記フレームバッファ領域へと描画を行い、 前記第2描画処理では、前記所定変形処理を行うことなく前記フレームバッファ領域へと描画を行い、 前記特定画像については前記第1描画処理を行い、 前記発射誘導画像を含む非特定画像については前記第2描画処理を行う ことを特徴とする遊技機。」 とあったものを、 審判請求時に提出された手続補正書(令和6年8月5日提出)の特許請求の範囲の請求項1における (本件補正後) 「【請求項1】 遊技領域を視認可能な視認窓が形成された枠体と、 画像を表示可能な画像表示手段と、 スピーカと、を備え、 前記画像表示手段に、遊技状態に応じて、前記遊技領域のうち左流下経路と右流下経路との何れを狙うのが遊技者にとって有利かを示す発射誘導画像を表示可能であり、 前記発射誘導画像は、前記左流下経路と前記右流下経路のうちの一方側を指し示す図形を含む 遊技機において、 前記枠体の前記視認窓の周囲の少なくとも一部に、換装可能な換装可能部材を有し、 前記換装可能部材を前記スピーカの前側に位置するように配置し、 前記画像表示手段に表示される画像に所定変形処理を行う特定演出を実行する演出実行手段を備え、 前記発射誘導画像の表示中に前記特定演出を実行する場合、前記発射誘導画像を含まない画像のうちの特定画像に対しては前記所定変形処理を行うが、前記発射誘導画像に対しては前記所定変形処理を行わないことにより、前記発射誘導画像を認識可能に表示し、 前記演出実行手段は、前記画像表示手段に表示する前記画像を描画するための領域として、1次バッファ領域とフレームバッファ領域とを有するとともに、前記所定変形処理を行うか否かに応じて、前記特定演出の実行時に前記所定変形処理を行う画像に関しては、前記1次バッファ領域を経て描画を行う第1描画処理を、前記特定演出の実行時に前記所定変形処理を行わない画像に関しては、前記1次バッファ領域を経ることなく描画を行う第2描画処理を夫々実行するように構成し、 前記第1描画処理では、前記1次バッファ領域に格納した画像データに対して前記特定演出の実行時に前記所定変形処理を行って前記フレームバッファ領域へと描画を行い、 前記第2描画処理では、前記特定演出の実行時に前記所定変形処理を行うことなく前記フレームバッファ領域へと描画を行い、 前記特定画像については前記第1描画処理を行い、 前記発射誘導画像を含む非特定画像については前記第2描画処理を行う ことを特徴とする遊技機。」 とする補正を含むものである(下線は補正箇所を示すために当審合議体が付した。)。 2 補正の適否 (1) 本件補正 本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正については、以下のとおりである。 ア 本件補正前の請求項1に記載された「前記発射誘導画像の表示中に前記特定演出を実行する場合」に「前記所定変形処理を行う」対象である「特定画像」が、「前記発射誘導画像を含まない特定画像」であるとされていたものを、「前記発射誘導画像を含まない画像のうちの特定画像」であることを特定して、「前記発射誘導画像を含まない」「画像」と、「特定画像」との関係を明確にするものである。 イ また、本件補正前の請求項1に記載された「第1描画処理」と「第2描画処理」を「夫々実行」するのが、「前記特定演出の実行時」であることを特定することにより、各描画処理が実行される期間を限定したものである。そして、当該補正について、本件補正後の請求項1に係る発明は、本件補正前の請求項1に係る発明と産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。 (2) 補正目的 本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、上記(1)アのとおり、本件補正前の請求項1の記載を明りょうにするとともに、上記(1)イのとおり、請求項1に係る発明の発明特定事項に限定を加えるものであって、本件補正後の請求項1に係る発明は本件補正前の請求項1に係る発明と産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項4号に掲げる「明りょうでない記載の釈明」及び同項2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。 (3) 新規事項 本件補正は、願書に最初に添付した明細書の【0245】~【0250】及び【0252】~【0259】並びに図面の【図49】及び【図45】~【図48】等の記載からみて、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、特許法17条の2第3項に規定する要件を満たす。 3 本件補正発明の独立特許要件 上記2(2)のとおり、本件補正により特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、特許法17条の2第5項2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正を含むから、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか)について以下で検討する。 (1) 本件補正発明 本件補正発明は、上記1に(本件補正後)として記載したとおりのものであるところ、本件補正発明について以下に再掲する(符号A等は、分説するために当審合議体が付した。以下、符号A等を付した事項を「特定事項A」等という。)。 (本件補正発明) 「【請求項1】 A 遊技領域を視認可能な視認窓が形成された枠体と、 画像を表示可能な画像表示手段と、 スピーカと、を備え、 B 前記画像表示手段に、遊技状態に応じて、前記遊技領域のうち左流下経路と右流下経路との何れを狙うのが遊技者にとって有利かを示す発射誘導画像を表示可能であり、 前記発射誘導画像は、前記左流下経路と前記右流下経路のうちの一方側を指し示す図形を含む C 遊技機において、 D 前記枠体の前記視認窓の周囲の少なくとも一部に、換装可能な換装可能部材を有し、 前記換装可能部材を前記スピーカの前側に位置するように配置し、 E 前記画像表示手段に表示される画像に所定変形処理を行う特定演出を実行する演出実行手段を備え、 前記発射誘導画像の表示中に前記特定演出を実行する場合、前記発射誘導画像を含まない画像のうちの特定画像に対しては前記所定変形処理を行うが、前記発射誘導画像に対しては前記所定変形処理を行わないことにより、前記発射誘導画像を認識可能に表示し、 F 前記演出実行手段は、前記画像表示手段に表示する前記画像を描画するための領域として、1次バッファ領域とフレームバッファ領域とを有するとともに、前記所定変形処理を行うか否かに応じて、前記特定演出の実行時に前記所定変形処理を行う画像に関しては、前記1次バッファ領域を経て描画を行う第1描画処理を、前記特定演出の実行時に前記所定変形処理を行わない画像に関しては、前記1次バッファ領域を経ることなく描画を行う第2描画処理を夫々実行するように構成し、 前記第1描画処理では、前記1次バッファ領域に格納した画像データに対して前記特定演出の実行時に前記所定変形処理を行って前記フレームバッファ領域へと描画を行い、 前記第2描画処理では、前記特定演出の実行時に前記所定変形処理を行うことなく前記フレームバッファ領域へと描画を行い、 前記特定画像については前記第1描画処理を行い、 前記発射誘導画像を含む非特定画像については前記第2描画処理を行う G ことを特徴とする遊技機。」 (2) 引用文献1について 本願出願前に日本国内又は外国において頒布された、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2015-47275号公報(平成27年3月16日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、「遊技機」(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている(下線は当審合議体が付した。以下同様。)。 ア 記載事項 (ア) 「【0013】 以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。 (中略) 【0016】 遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、パチンコ遊技機1で実行される所定の遊技に関する画像を、例えば1/60秒のフレーム周期といった、所定周期毎に更新して表示する。パチンコ遊技機1における遊技に関する画像の表示として、例えば特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。画像表示装置5の表示領域には、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアが設けられ、各飾り図柄表示エリアにて飾り図柄の可変表示が行われる。こうした飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。 (中略) 【0037】 遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。」 (イ) 「【0042】 パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。 (中略) 【0054】 演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。 (中略) 【0058】 図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。 【0059】 演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、図3(A)は表示制御部123の構成例を示している。図3(A)に示す表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)130と、画像データメモリ131と、仮画像バッファ132Aと、フレームバッファ132Bと、LCD駆動回路133とを備えている。なお、VDP130は、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。画像データメモリ131は、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。 【0060】 VDP130は、例えば画像表示装置5の画面上に各種画像を表示させるための高速描画機能や動画像デコード機能といった画像データ処理機能を有し、演出制御用CPU120からの表示制御指令に従った画像データ処理を実行する画像プロセッサである。画像データメモリ131は、画像表示装置5に表示される画像を構成する元画像として複数種類の部品画像に対応する画像データを予め記憶している。例えば、画像データメモリ131が記憶する画像データには、画像表示装置5において可変表示される複数種類の飾り図柄にそれぞれ対応する複数種類の部品画像データが含まれている。その他、画像データメモリ131が記憶する画像データには、画像表示装置5に表示されるキャラクタ(人物、動物、文字、図形、記号など)を示す演出画像や、その他の演出画像(背景画像、アニメーション画像、動画像など)にそれぞれ対応する複数種類の部品画像データが含まれている。 【0061】 仮画像バッファ132Aは、例えばRAMを用いて構成され、一時記憶領域として、複数種類の部品画像に含まれる配置対象画像を示す画像データを所定パターンにしたがって配置することで作成された仮画像を一時記憶する。仮画像は、例えば画像表示装置5のフレーム周期といった、所定周期に同期して作成される。仮画像バッファ132Aには、画像データメモリ131から読み出された複数種類の部品画像を配置することにより作成された1フレーム分に相当する仮画像が格納される。仮画像バッファ132Aに格納された1の仮画像を、画像表示装置5における複数フレームで継続して表示するように描画処理などが実行されてもよい。この場合、仮画像の作成は、例えば画像表示装置5のフレーム周期に同期して行われる一方、一旦作成された仮画像を複数のフレーム周期に対応して仮画像バッファ132Aに格納しておき、フレーム周期に同期して複数の表示画像を生成する毎に同一の仮画像が繰返し読み出されるようにすればよい。 【0062】 フレームバッファ132Bは、画像を描画または表示するために用いられる出力画像領域を提供する。図3(B)に示すように、フレームバッファ132Bには、第1バッファ領域132B-1と、第2バッファ領域132B-2とが設けられている。これら2つのバッファ領域132B-1、132B-2は、所定周期毎に描画用と表示用とで交互に切り替わることにより、いわゆるダブルバッファリングの機能を実現する。VDP130は、一方のバッファ領域(例えば第1バッファ領域132B-1)に描画(展開)された画像が画像表示装置5に表示されている期間に、他方のバッファ領域(例えば第2バッファ領域132B-2)に画像データを展開する処理を実行する。第1バッファ領域132B-1と第2バッファ領域132B-2とのそれぞれには、画像データメモリ131から読み出された複数種類の部品画像と仮画像バッファ132Aから読み出された仮画像とを用いて生成された1フレーム分の表示画像が格納される。VDP130は、複数種類の部品画像や仮画像を、例えば画像表示装置5のフレーム周期といった、所定周期と同期してフレームバッファ132Bに描画することにより表示画像を生成する。 (中略) 【0064】 仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に部品画像を配置する処理では、フレームバッファ132Bの出力画像領域に部品画像や仮画像を描画する処理と同様に、表示画像の映像信号に対応する画像データ(R、G、Bの各値を示すドットデータ)が一時記憶領域に書き込まれるようにすればよい。なお、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に部品画像を配置する処理は、表示画像の映像信号に対応する画像データを書き込む処理に限定されず、例えば画像表示装置5の表示領域を所定の大きさを有する複数の区画に区切り、複数の区画毎に割り当てられた2次元の座標と部品画像IDとを対応付けることで、各区画に配置される部品画像を特定可能に示すようにしてもよい。このように、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に部品画像を配置する処理は、フレームバッファ132Bの出力画像領域に部品画像や仮画像を描画する処理と同じ処理であってもよいし、異なる処理であってもよい。フレームバッファ132Bの出力画像領域に部品画像や仮画像を描画する処理は、画像データメモリ131に予め記憶されている部品画像や、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に格納された仮画像を、所定の変形処理などを施して、あるいは変形処理などを施すことなく、出力画像領域に配置する処理であればよい。 【0065】 VDP130の内部には、読出回路、読出制御回路、描画回路、表示回路や、各種インタフェース、各種バスなどが設けられていればよい。読出回路は、読出制御回路による制御に基づいて、画像データメモリ131から部品画像データを読み出し、描画回路などに供給する。読出制御回路や描画回路は、演出制御用CPU120から出力されたディスプレイリストなどを構成する表示制御指令を解析し、その解析結果に基づいて、部品画像データの読出制御や仮画像の作成、表示画像の描画といった、各種の画像処理を実行する。描画回路は、読出回路によって読み出された部品画像データを、仮画像バッファ132Aまたはフレームバッファ132Bに書き込むことで、仮画像を作成したり、表示画像を生成したりする。描画回路は、仮画像を作成する場合に、読出回路によって読み出された部品画像データに対応する部品画像を、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置する。これにより、例えば画像表示装置5のフレーム周期といった、所定周期に同期して仮画像が作成される。また、描画回路は、表示画像を生成する場合に、仮画像バッファ132Aに一時記憶されている仮画像、または読出回路によって読み出された部品画像データに対応する部品画像を、フレームバッファ132Bにおける描画用のバッファ領域に描画する。このとき、仮画像バッファ132Aに一時記憶されている仮画像を、画像データメモリ131から読み出された1つの部品画像と同様に、1つの描画単位となるオブジェクトとして扱い、出力画像領域に描画する。したがって、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に複数種類の部品画像を配置することで作成された仮画像は、1の表示対象画像として、表示倍率や表示座標などのアトリビュートを設定することができる。なお、描画回路が仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に部品画像を配置することで仮画像を作成するものに限定されず、例えば読出回路が画像データメモリ131から読み出した部品画像を、そのまま仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置するものであってもよい。 【0066】 VDP130の表示回路は、例えば画像表示装置5のフレーム周期といった、所定周期と同期してフレームバッファ132Bにおける表示用のバッファ領域から1フレーム分の表示画像を読み出し、画像表示装置5の表示領域を構成する各画素の階調データ(色信号データ)としてLCD駆動回路133に出力する。LCD駆動回路133は、VDP130から供給された階調データ(色信号データ)に応じた色信号を作成するとともに、所定のクロック信号に基づいて走査信号を生成して画像表示装置5に出力することなどにより、画像表示装置5の表示領域に各種画像を表示させる。」 (ウ) 「【0166】 ・・・複数種類の部品画像を一時記憶領域に配置または出力画像領域に描画するときには、部品画像ごとに所定の変形処理が実行されてもよいし、2種類以上の部品画像を用いたブレンディング処理が実行されてもよい。変形処理やブレンディング処理の有無や内容は、図11に示すような画像読出制御データに含まれるアトリビュート情報により設定されるようにすればよい。図11に示すような画像読出制御データでは、仮画像の作成が完了してから、仮画像バッファ132Aに格納されている仮画像を読み出してフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画する順番となるように、読出処理カウント値に応じた各種情報(画像指定情報、アトリビュート情報、仮画像対象フラグ情報)が予め設定されていればよい。 (中略) 【0172】 図14(A)に示す設定例では、仮画像の表示を開始してから600フレームまでの10秒間において、画像読出制御データに含まれるアトリビュート情報により、仮画像の表示倍率が縦1.0×横1.0に設定される。この期間では、初期の通常表示が行われ、仮画像バッファ132Aから読み出された仮画像が、拡大または縮小されることなくフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画される。 【0173】 初期の通常表示に続く1200フレームの20秒間では、画像読出制御データに含まれるアトリビュート情報により、仮画像の表示倍率が縦0.9×横0.9に設定される。この期間では、仮画像の縮小表示が行われ、仮画像バッファ132Aから読み出された仮画像が、縦0.9×横0.9の表示倍率で縮小されてフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画される。VDP130は、画像データメモリ131から読み出した複数種類の部品画像を仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置して仮画像を作成するときには各々の部品画像を拡大または縮小せずに、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域から読み出された仮画像を、フレームバッファ132Bの出力画像領域に描画するときに、アトリビュート情報で指定された表示倍率で拡大または縮小すればよい。このように、複数種類の部品画像を配置して作成された仮画像を所定倍率で拡大または縮小してから、フレームバッファ132Bの出力画像領域に描画することにより、仮画像を構成する複数種類の部品画像を個別に拡大または縮小することなく、複数種類の部品画像を一括して拡大または縮小することができ、表示画像の一部または全部を拡大または縮小する変形処理の負担増大を防止できる。なお、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置される複数種類の部品画像のうち、一部の部品画像をアトリビュート情報で指定された表示倍率で拡大または縮小してから、一時記憶領域に配置してもよい。 【0174】 縮小表示に続く300フレームの5秒間では、画像読出制御データに含まれるアトリビュート情報により、仮画像の表示倍率が縦1.0×横1.0に設定される。この期間では、通常表示に復帰して、仮画像バッファ132Aから読み出された仮画像が、拡大または縮小されることなくフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画される。 【0175】 このように、画像指定情報により指定される仮画像を表示するシーン表示期間として複数の期間が設けられ、各期間に応じて異なる表示倍率で仮画像を拡大または縮小して描画してもよい。こうした複数の期間のうちには、仮画像を所定倍率で拡大または縮小してから描画する期間と、仮画像を拡大または縮小せずに描画する期間とが含まれていてもよい。 (中略) 【0178】 仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に格納されている仮画像は、画像データメモリ131から読み出された部品画像と同様に、1の表示対象画像として表示座標を変更できればよい。このような表示座標を変更する処理の一例として、VDP130は、アトリビュート情報に示される表示座標の時間経過に伴う変化に応じて、仮画像の表示位置を移動させる。 【0179】 図14(B)は、仮画像を揺動表示する場合における設定の一例となる仮画像揺動表示設定例を示している。図14(B)に示す設定例では、複数のシーン表示期間に応じて、仮画像の表示座標が横方向(X軸方向)に変化するように設定される。例えば表示座標が(0,0)の場合を基準位置とした場合、アトリビュート情報により指定された表示座標が(x1,0)や(x2,0)となるときには、仮画像の移動表示が行われ、仮画像バッファ132Aから読み出された仮画像の描画位置を、基準位置よりも右方向にx1ドットまたはx2ドットだけ変更してフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画される。一方、アトリビュート情報により指定された表示座標が(-x1,0)や(-x2,0)となるときにも、仮画像の移動表示が行われ、仮画像バッファ132Aから読み出された仮画像の描画位置を、基準位置よりも左方向にx1ドットまたはx2ドットだけ変更してフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画される。 【0180】 ・・・VDP130は、画像データメモリ131から読み出した複数種類の部品画像を仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置して仮画像を作成するときには各々の部品画像の配置位置を変更せずに、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域から読み出された仮画像を、フレームバッファ132Bの出力画像領域に描画するときに、アトリビュート情報で指定された表示座標に変更すればよい。このように、複数種類の部品画像を配置して作成された仮画像の描画位置を時間経過に伴い変更して、フレームバッファ132Bの出力画像領域に描画することにより、仮画像を構成する複数種類の部品画像について描画位置を個別に変更することなく、それらの描画位置を一括して変更することができ、表示画像の一部または全部について描画位置を変更する移動処理などの負担増大を防止できる。・・・」 (エ) 「【0183】 画像データメモリ131から読み出された部品画像は、画像読出制御データに含まれる仮画像作成対象フラグ情報で設定される仮画像作成フラグの状態(オフ状態またはオン状態)に応じて、フレームバッファ132Bの出力画像領域に直接描画されることもあれば、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置して仮画像の作成に用いられることもある。部品画像を仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置するか否かの設定は、部品画像の種類(表示による報知内容など)に応じて、異ならせてもよい。どの種類の部品画像をフレームバッファ132Bの出力画像領域に直接描画するかは、演出制御パターンの表示制御データに含まれる画像読出制御データなどにより、予め設定されていればよい。例えば、画像表示装置5の表示領域に設けられた第4図柄表示エリア5I、5Jに表示される第4図柄に対応する部品画像や、保留数表示エリア5Kに表示される可変表示の保留数(特図保留記憶数)に対応する部品画像などは、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に直接描画してもよい。 (中略) 【0185】 特図ゲームと同期して可変表示される表示図柄の部品画像のうち、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄の部品画像については、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置して仮画像の作成に用いられるようにしてもよい。「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、例えば飾り図柄を拡大または縮小して表示することや、飾り図柄の種類や表示色を変更して表示することから、各種の表示演出に対応する演出画像と同様に、仮画像を作成してから描画による表示画像の生成が行われればよい。一方、第4図柄表示エリア5I、5Jでは、飾り図柄のような変化に富んだ表示が実行されず、可変表示の状態を遊技者が確実に認識できるように、特図ゲームの実行などに対応して定期的に表示態様が変化する状態表示が実行されればよい。そこで、可変表示される表示図柄の部品画像のうち、第4図柄表示エリア5I、5Jにて可変表示の状態を示す状態表示に使用される第4図柄の部品画像は、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画する。このように、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に直接描画される部品画像は、仮画像の変形処理や移動処理が行われるときでも、変形処理や移動処理の影響を受けずに表示することができる。これにより、第4図柄表示エリア5I、5Jにおける第4図柄を用いた状態表示の視認性を高めて、可変表示の状態を遊技者が確実に認識することができる。 (中略) 【0188】 第4図柄の部品画像や保留表示の部品画像を描画する場合以外でも、予め定められた部品画像をフレームバッファ132Bの出力画像領域に直接描画する場合があってもよい。例えばパチンコ遊技機1における異常の発生を報知するエラー表示の部品画像を、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に直接描画してもよい。スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bのような操作手段による所定の指示操作を指示する操作指示表示の部品画像を、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に直接描画してもよい。遊技球を所定の遊技領域に向けて打ち込むよう遊技者に指示する発射指示表示(例えば右側の遊技領域に向けて遊技球を発射させるよう指示する右打ち指示表示など)の部品画像を、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に直接描画してもよい。また、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄の部品画像を、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に直接描画してもよい。」 (オ) 「【0209】 仮画像の移動処理を行って描画する場合には、予め定められた順方向と逆方向とに所定周期で交互に描画位置を変更して揺動表示を行うものや、描画位置の軌跡が所定形状となるように変更されるものに限定されず、例えば仮画像を回転移動して描画するものであってもよい。また、例えば仮画像の描画位置を一定方向に継続して変更することで、仮画像をスクロール表示するものであってもよい。 【0210】 上記実施の形態における仮画像の変形処理や移動処理による表示演出は、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に同期して飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果が導出されて可変表示が終了するまでの所定期間にて実行されてもよいし、例えば大当り遊技状態が開始されるときや、大当り遊技状態に制御されているとき、大当り遊技状態が終了するとき、デモンストレーション画面を表示しているとき、パチンコ遊技機1における遊技や演出の進行状況に応じて予め定められたその他の所定期間にて、こうした表示演出を実行することができるように構成されていればよい。」 (カ) 「 [図:0001418679000001.jpg] 」 (キ) 「 [図:0001418679000002.jpg] 」 イ 引用発明 上記アの記載事項から、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる(引用発明の符号a~gは、本件補正発明の特定事項A~Gに概ね対応させて当審合議体が付したものである。)。 (引用発明) 「acd パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠3とから構成され、遊技盤2には遊技領域が形成され(【0013】)、遊技盤2における遊技領域には、各種の演出画像を表示する表示領域を形成した画像表示装置5が設けられ(【0016】)、遊技機用枠3の左右位置には、スピーカ8L、8Rが設けられ(【0037】)、 bef パチンコ遊技機1には、主基板11、演出制御基板12が搭載され(【0042】)、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123が搭載され(【0054】)、演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、VDP130と、画像データメモリ131と、仮画像バッファ132Aと、フレームバッファ132Bと、LCD駆動回路133とを備え、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行い(【0059】)、VDP130は、画像表示装置5の画面上に各種画像を表示させるための画像データ処理機能を有し、演出制御用CPU120からの表示制御指令に従った画像データ処理を実行する画像プロセッサであり、画像データメモリ131は、画像表示装置5に表示される画像を構成する元画像として複数種類の部品画像に対応する画像データを予め記憶しており(【0060】)、仮画像バッファ132Aは、一時記憶領域として、複数種類の部品画像に含まれる配置対象画像を示す画像データを所定パターンにしたがって配置することで作成された仮画像を一時記憶し(【0061】)、画像を描画または表示するために用いられる出力画像領域を提供するフレームバッファ132Bには、第1バッファ領域132B-1と、第2バッファ領域132B-2とが設けられ、これら2つのバッファ領域132B-1、132B-2は、所定周期毎に描画用と表示用とで交互に切り替わり、第1バッファ領域132B-1と第2バッファ領域132B-2とのそれぞれには、画像データメモリ131から読み出された複数種類の部品画像と仮画像バッファ132Aから読み出された仮画像とを用いて生成された1フレーム分の表示画像が格納され(【0062】)、VDP130の内部には、読出回路、読出制御回路、描画回路、表示回路が設けられ(【0065】)、VDP130の表示回路は、フレームバッファ132Bにおける表示用のバッファ領域から1フレーム分の表示画像を読み出し、LCD駆動回路133に出力し、LCD駆動回路133は、画像表示装置5に出力することなどにより、画像表示装置5の表示領域に各種画像を表示させ(【0066】)、 画像データメモリ131から読み出された部品画像を仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置するか否かの設定は、部品画像の種類(表示による報知内容など)に応じて異ならせ(【0183】)、遊技球を所定の遊技領域に向けて打ち込むよう遊技者に指示する発射指示表示(例えば右側の遊技領域に向けて遊技球を発射させるよう指示する右打ち指示表示など)の部品画像を、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に直接描画し(【0188】)、 仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に格納されている仮画像は表示座標を変更でき(【0178】)、画像データメモリ131から読み出した複数種類の部品画像を仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置して仮画像を作成し、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域から読み出された仮画像を、フレームバッファ132Bの出力画像領域に描画することにより、それらの描画位置を一括して変更することができ(【0180】)、仮画像の移動処理を行って描画する場合には、仮画像を回転移動して描画して、仮画像の変形処理や移動処理による表示演出を行ってもよく(【0209】、【0210】)、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に直接描画される部品画像は、仮画像の変形処理や移動処理が行われるときでも、変形処理や移動処理の影響を受けずに表示する(【0185】) g パチンコ遊技機1(【0013】)。」 (3) 周知技術 ア 引用文献3について 本願出願前に、電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-104150号公報(平成28年6月9日出願公開。以下「引用文献3」という。)には、「弾球遊技機」(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている。 (ア) 「【0170】 (8-3.発射誘導情報の報知) 図9には、上記の遊技状態に関連して、遊技者に有利な発射位置(左または右)とこれを報知する発射誘導情報(右打ち誘導情報または左打ち誘導情報)とを示してある。 【0171】 上記15R大当り遊技中、確変状態中および時短状態中の各期間については、発射位置として右側の右流下経路3cを狙うのが有利である。そこで、これらの期間は発射誘導情報として右打ち誘導情報画像366(図7参照)の表示や右打ち報知音声の発生や右打ちガイドの発光等を含む発射誘導情報の報知をするようにする。以下では右打ち誘導情報画像366の表示を中心に説明し、音や光による演出と報知との関係については必要がある場合を除き説明を省略する。 【0172】 各期間の推移に従って説明すると、まず15R確変大当りにおける規定ラウンド遊技の開始時においては、発射誘導情報画像366として図16(a)に示す右打ち誘導情報画像「右へ→」を表示し、これ以降、この右打ち誘導情報画像の表示を、当該15Rの規定ラウンド遊技が終了するまで続行する。そして、この15R大当り遊技が終了した後の確変状態の期間中については、各図柄変動表示ゲームにおいて図16(b)に示す右打ち誘導情報画像「右へ→」を表示する。 【0173】 続く15R非確変大当りにおける15Rの規定ラウンド遊技の開始時においては、図16(a)に示す右打ち誘導情報画像「右へ→」を表示し、この表示を、当該15Rの規定ラウンド遊技が終了するまで続行する。そして、この15R大当り遊技が終了した後の時短状態の期間中については、各図柄変動表示ゲームにおいて図16(b)のような右打ち誘導情報画像「右へ→」を表示する。 (中略) 【0177】 (8-4.右打ちが有利な理由) 上記遊技状態において右打ちが有利である理由として、(イ)15Rの規定ラウンド遊技中では、右流下経路3cに存在する右大入賞口50が規定ラウンド数だけ開放されて多くの入賞球が発生し、遊技者に対し多量の賞球の払い出しがなされること、また、(ロ)確変状態中および時短状態中の各期間は、普通図柄に関して確変機能、時短機能、開放延長機能が働いており、右流下経路3cに存在する普通図柄始動口37へ入賞することにより頻繁に普通変動入賞装置41の可動翼片47が開くこと、したがって図柄変動表示ゲームの開始条件となる下始動口35への入賞が高頻度で望める高ベース遊技状態となること、(ハ)仮に確変状態中および時短状態中に左打ちをしたとしても、左流下経路3b中には普通図柄始動口37が存在しないため、上記高ベース遊技状態が望めないからである。 【0178】 しかし、時短状態が終了して通常遊技状態に戻ったときは、図16(d)に示すように、発射誘導情報として左打ち誘導情報画像「左へ←」を表示する。その理由として、(イ)通常遊技状態に戻ると、遊技機が低確率状態となり、普通図柄について確変機能、時短機能、開放延長機能も働かなくなることから右打ちすることが無意味となることに加え、(ロ)誘導釘の配置関係から右側の右流下経路3cからでは上始動口34への入賞が殆ど望めなくなるので、遊技者は、発射位置として上始動口34への入賞が望める左側の左流下経路3bを狙うのが有利となるからである。」 (イ) 【図16】 「 [図:0001418679000003.jpg] 」 (ウ) 上記(ア)及び(イ)に摘記した記載から、引用文献3には、「発射位置として右側の右流下経路3cを狙うのが有利である、15R大当り遊技中、確変状態中および時短状態中の各期間については、右打ち誘導情報画像「右へ→」の表示を含む発射誘導情報の報知をし(【0171】~【0173】)、左側の左流下経路3bを狙うのが有利となる通常遊技状態に戻ったときは、発射誘導情報として左打ち誘導情報画像「左へ←」を表示する(【0178】)」ことが記載されていると認められる(引用文献3記載事項)。 イ 引用文献4について 本願出願前に、電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2017-80275号公報(平成29年5月18日出願公開。以下「引用文献4」という。)には、「遊技機」(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている。 (ア) 「【0361】 「右打ち→」の表示は、右打ちで打つことが遊技者にとって有利であることを報知するものであり、例えば、通常遊技状態から特定遊技状態に変化する前後において、「←左打ち」の表示から「右打ち→」の表示へと変化して報知される。」 (イ) 【図48】 「 [図:0001418679000004.jpg] 」 (ウ) 上記(ア)及び(イ)に摘記した記載から、引用文献4には、「右打ちで打つことが遊技者にとって有利であることを報知する「右打ち→」の表示が、例えば、通常遊技状態から特定遊技状態に変化する前後において、「←左打ち」の表示から「右打ち→」の表示へと変化して報知される(【0361】)」ことが記載されていると認められる(引用文献4記載事項)。 ウ 引用文献5について 本願出願前に日本国内又は外国において頒布された、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2006-51118号公報(平成18年2月23日出願公開。以下「引用文献5」という。)には、「遊技機」(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている。 (ア) 「【0012】 次に、前面カバー部材(透明部材保持枠)8について説明する。 前面カバー部材8は、図3~図6に示すように、遊技盤5の遊技領域6の全体が視認可能な略円形の開口部21を開設したベース部材22と、該ベース部材22の前面上部に設けられたパイロットレンズユニット23と、パイロットレンズユニット23の左右両端部の下方に設けられ、遊技の効果音を発生するスピーカー24と、該スピーカー24の前方を覆うスピーカー装飾ユニット25と、ベース部材22の前面下部に設けられた下部装飾ユニット26と、開口部21の周縁部に設けられた略環状のレンズユニット27と、ベース部材22の裏側に開口部21を塞ぐ状態でガラス板9を取り付けるガラスユニット28(本発明の透明部材に相当)と、開口部21の下方部分に配設され、ガラスユニット28の下端を嵌合する裏面部材29と、ベース部材22の裏面上部に設けられ、ガラスユニット28を保持するためのガラスユニット保持部材30とから概略構成されている。 (中略) 【0016】 スピーカー24の前方に取り付けられるスピーカー装飾ユニット25は、図13に示すように、スピーカー24からの音を外方へ伝達可能なスピーカーカバー68と、該スピーカーカバー68を後方から支持し、スピーカー装飾ユニット25のベースとなるユニット基部69と、該ユニット基部69の前面に配置され、スピーカーカバー68を前方へ突出させるスピーカー装飾部材70とから構成されている。」 (イ) 【図8】 「 [図:0001418679000005.jpg] 」 (ウ) 上記(ア)及び(イ)に摘記した記載から、引用文献5には、「前面カバー部材8は、遊技盤5の遊技領域6の全体が視認可能な略円形の開口部21を開設したベース部材22と、遊技の効果音を発生するスピーカー24と、該スピーカー24の前方を覆うスピーカー装飾ユニット25等から構成され(【0012】)、スピーカー24の前方にスピーカー装飾ユニット25が取り付けられる(【0016】)」ことが記載されていると認められる(引用文献5記載事項)。 エ 引用文献6について 本願出願前に日本国内又は外国において頒布された、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2005-287968号公報(平成17年10月20日出願公開。以下「引用文献6」という。)には、「遊技機」(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている。 (ア) 「【0010】 図2は本件発明のパチンコ機の正面図である。基本的な構成は従来公知のパチンコ機と同様であるため特徴部分のみ説明する。本体正面の中央上方には外(取付)枠102に対して開閉可能にガラス枠100が配置され、ガラス枠100には透明材料(ガラス)で構成された透視窓104が形成され、ガラス枠100の裏面側には透視窓104に覆われて遊技盤106が配置される。 遊技盤106の略中央部には図1の装飾表示装置9と同等の装飾表示装置108が配置される。遊技者が発射ハンドル206を操作すると、その操作量に応じて遊技球が遊技盤106に向けた発射され、遊技盤面上に設けられた図示しない始動入賞口に入賞すると大当たり抽選が実行され、その抽選結果に基づいて装飾表示装置108で演出表示が行われると共に図柄表示装置27の変動表示後の停止図柄の態様によって抽選結果が報知される。第1の実施形態では図柄表示装置27はガラス枠100の上部を構成する構成部品としてガラス枠100の一部として組み付けられるトップランプ110に配置される。 【0011】 図3はトップランプ110の分解斜視図である。トップランプ110は裏カバー112に3枚のLED(電飾)基板114、116、118が組み付けられ、更に両側部にスピーカー120及び122が組み付けられる。スピーカー120及び122のそれぞれ前面側にはスピーカーカバー124及び126が配置され、裏カバー112の全面側全体を覆うようにリフレクター128が組み付けられ、リフレクター128の全面側全体を覆うようにトップランプカバー130が組み付けられてユニット化されている。ユニットとして完成したトップランプ110はガラス枠100の上部に一体的に組み付けられる。」 (イ) 【図3】 「 [図:0001418679000006.jpg] 」 (ウ) 上記(ア)及び(イ)に摘記した記載から、引用文献6には、「ガラス枠100の上部に一体的に組み付けられるトップランプ110は、両側部にスピーカー120及び122が組み付けられ、スピーカー120及び122のそれぞれ前面側にはスピーカーカバー124及び126が配置される(【0011】)」ことが記載されていると認められる(引用文献6記載事項)。 オ 引用文献7について 本願出願前に日本国内又は外国において頒布された、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2004-290357号公報(平成16年10月21日出願公開。以下「引用文献7」という。)には、「遊技機」(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている。 (ア) 「【0013】 パチンコ遊技機1は、図1に示すように、機枠(本体枠)2に大きな開口部を有する額縁状の前面枠3の一側(図中左側)を開閉可能に取り付け、この前面枠3のベースとなる前面枠本体4の裏側に設けられた遊技盤収納フレーム内に遊技盤5を収納可能とし、遊技盤5の表面には、表示装置6、大入賞口7、一般入賞口8、アウト口9…などを配設した遊技領域10を形成している。また、前面枠3の前面には、一側(図中左側)が軸着された透明部材保持枠(ガラス枠)11を、ヒンジ部11aを介して回動可能に設け、該透明部材保持枠11に透視可能な透明部材(ガラス板)12を収納して、遊技領域10を前方から透視可能な状態で覆い、透明部材保持枠11の下方に上皿ユニット13と下皿ユニット14とを上下に並べて備えている。そして、このパチンコ遊技機1は、上皿ユニット13および下皿ユニット14の間に、遊技状態に応じて音を発生するスピーカーユニット15を収納し、下皿ユニット14の後方であって前面枠本体4の下部に、遊技球を遊技領域10に向かって発射するための発射装置17を備え、該発射装置17の左側にファール球(戻り球)を回収するためのファール流下口18を備えている(図2参照)。なお、上皿ユニット13、下皿ユニット14およびスピーカーユニット15については、後で詳しく説明する。 【0014】 透明部材保持枠11は、図2および図3に示すように、前面枠3の前面を装飾する装飾枠21と、該装飾枠21を前面に取り付けて前面枠本体4に軸着される枠状の保持枠フレーム22と、該保持枠フレーム22の裏側に取り付けられて、透明部材12を上方から収納する透明部材収納フレーム(ガラス収納フレーム)23と、該透明部材収納フレーム23に収納した透明部材12が上方向へ移動することを規制する透明部材ストッパー(ガラスストッパー)24と、透明部材12の左右両側方に取り付けられた保持枠スピーカー25とから概略構成されている。 (中略) 【0017】 そして、装飾枠21は、保持枠スピーカー取付部37と対向する箇所に、略三日月形の放音開口が開設されたカバー取付部材42を備え、このカバー取付部材42に保持枠スピーカーカバー(透音カバー部材)43を、放音開口を覆う状態で取り付けている。この保持枠スピーカーカバー43は、保持枠スピーカー25を保護するとともに、保持枠スピーカー25からの音をパチンコ遊技機1の前方へ伝達可能な部品であり、例えば、小さな貫通孔を多数開設した薄肉の金属板により形成されている。」 (イ) 【図3】 「 [図:0001418679000007.jpg] 」 (ウ) 上記(ア)及び(イ)に摘記した記載から、引用文献7には、「前面枠3の前面を装飾する装飾枠21は、保持枠スピーカー取付部37と対向する箇所に、略三日月形の放音開口が開設されたカバー取付部材42を備え、このカバー取付部材42に保持枠スピーカーカバー43を、放音開口を覆う状態で取り付けており、この保持枠スピーカーカバー43は、保持枠スピーカー25を保護するとともに、保持枠スピーカー25からの音をパチンコ遊技機1の前方へ伝達可能な部品である(【0014】、【0017】)」ことが記載されていると認められる(引用文献7記載事項)。 カ 周知技術1、周知技術2 (ア) 周知技術1 上記ア(ウ)の引用文献3記載事項、上記イ(ウ)の引用文献4記載事項に示したように、以下の技術は、遊技機の技術分野における本願出願前の周知技術(以下「周知技術1」という。)であったと認められる。 「遊技機の発射誘導情報の表示が、遊技状態に応じて、右と左の何れの流下経路を狙うのが有利であるかを示すものであり、右と左のうちの一方側を指し示す図形を含むこと。」 (イ) 周知技術2 上記ウ(ウ)の引用文献5記載事項、上記エ(ウ)の引用文献6記載事項、上記オ(ウ)の引用文献7記載事項に示したように、以下の技術は、遊技機の技術分野における本件特許の出願前の周知技術(以下「周知技術2」という。)であったと認められる。 「遊技機の遊技盤の遊技領域を視認可能とするように部材を配置し、遊技盤の遊技領域を視認可能とするように配置した部材の左右の一部に、スピーカーの前側に位置するようにした部材を取り付けること。」 (4) 引用発明との対比 ア 本件補正発明と引用発明の対比 (ア) 特定事項A及び特定事項Cについて 引用発明のacdにおける「各種の演出画像を表示する表示領域を形成した画像表示装置5」、「スピーカ8L、8R」は、それぞれ、本件補正発明の特定事項Aにおける「画像を表示可能な画像表示手段」、「スピーカ」に相当し、同じく引用発明のacdにおける「パチンコ遊技機1」は、本件補正発明の特定事項Cにおける「遊技機」に相当する。 そうすると、引用発明は、本件補正発明の特定事項A及び特定事項Cと、「画像を表示可能な画像表示手段と、スピーカと、を備え」た「遊技機」である点で共通する。 (イ) 特定事項Bについて 引用発明のbefにおける「遊技球を所定の遊技領域に向けて打ち込むよう遊技者に指示する発射指示表示(例えば右側の遊技領域に向けて遊技球を発射させるよう指示する右打ち指示表示など)の部品画像」は、本件補正発明の特定事項Bの「発射誘導画像」に相当し、当該「発射指示表示」(発射誘導画像)は、「フレームバッファ132Bの出力画像領域」への「描画」を経て、「画像表示装置5」(画像表示手段)の「表示領域に」「表示さ」れるものであるから、引用発明は、本件補正発明の特定事項Bと、「画像表示手段に、」「発射誘導画像を表示可能である」点で共通する。 (ウ) 特定事項Eについて 引用発明のbefにおいて、「フレームバッファ132B」の「第1バッファ領域132B-1と、第2バッファ領域132B-2」が、「所定周期毎に描画用と表示用とで交互に切り替わ」り、「格納され」た「1フレーム分の表示画像」を、「VDP130の表示回路」が「フレームバッファ132Bにおける表示用のバッファ領域から」「読み出し」て「LCD駆動回路133に出力し」、「LCD駆動回路133」が「画像表示装置5に出力する」ことで「画像表示装置5の表示領域に各種画像を表示させ」るものであるところ、「フレームバッファ132B」の「描画用」の「バッファ領域」に「格納され」る画像の更新に応じて、「画像表示装置5の表示領域」に「表示」される「各種画像」が遷移することにより、視覚的な演出がなされることは明らかである。 そして、同じく引用発明のbefによると、上記の「格納され」た「1フレーム分の表示画像」は「画像データメモリ131から読み出された複数種類の部品画像と仮画像バッファ132Aから読み出された仮画像とを用いて生成された」ものであり、また、「仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に格納されている仮画像は表示座標を変更でき」、「仮画像の移動処理を行って描画する場合には、仮画像を回転移動して描画して、仮画像の変形処理や移動処理による表示演出を行ってもよい」のであるから、前段で述べた視覚的な演出のうち「仮画像バッファ132Aから読み出された仮画像」に基づいて遷移する演出としての「仮画像の変形処理や移動処理による表示演出」は、本件補正発明の特定事項Eの「画像に所定変形処理を行う特定演出」に相当するといえる。 さらに、引用発明のbefにおける、「VDP130」、「仮画像バッファ132A」、「フレームバッファ132B」等を備える「表示制御部123」が搭載された「演出制御基板12」は、本件補正発明の特定事項Eの「演出実行手段」に相当し、また、引用発明の「画像表示装置5」が本願発明の「画像表示手段」に相当することは、上記(ア)で述べたとおりである。 そうすると、引用発明は、本願発明の特定事項Eの「画像表示手段に表示される画像に所定変形処理を行う特定演出を実行する演出実行手段」を備えている。 次に、引用発明のbefでは、「画像データメモリ131から読み出された部品画像を仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置するか否かの設定は、部品画像の種類(表示による報知内容など)に応じて異ならせ」、「遊技球を所定の遊技領域に向けて打ち込むよう遊技者に指示する発射指示表示(例えば右側の遊技領域に向けて遊技球を発射させるよう指示する右打ち指示表示など)の部品画像」(発射誘導画像)については、「仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に直接描画し」とされるところ、上で述べたように、「フレームバッファ132B」に「描画」された画像は、「所定周期」で「表示用」に「切り替わ」り、「読み出し」されて、「LCD駆動回路133に出力」されることから、直接、フレームバッファ132Bに描画された部品画像(発射誘導画像)に対しては、本件補正発明の「所定変形処理」に相当する処理を行わないことが明らかである。 他方、上で述べた「仮画像バッファ132Aから読み出された仮画像」に基づく演出としての「仮画像の変形処理や移動処理による表示演出」(画像に所定変形処理を行う特定演出)における「仮画像」には、前段に挙げた引用発明の構成によれば、発射指示表示ではない部品画像のうち、「仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置する」「種類」の「部品画像」が含まれるところ、当該「仮画像」は、「回転移動して描画して、」「変形処理や移動処理による表示演出を行ってもよ」いのであるから、本件補正発明の特定事項Eの「所定変形処理を行う」「発射誘導画像を含まない画像のうちの特定画像」に相当する。 そうすると、引用発明は、本件補正発明の特定事項Eの「発射誘導画像の表示中に特定演出を実行する場合、発射誘導画像を含まない画像のうちの特定画像に対しては所定変形処理を行うが、発射誘導画像に対しては所定変形処理を行わないことにより、発射誘導画像を認識可能に表示」することに相当する構成を備えている。 上記に従うと、引用発明は、本件補正発明の特定事項E(「前記画像表示手段に表示される画像に所定変形処理を行う特定演出を実行する演出実行手段を備え、前記発射誘導画像の表示中に前記特定演出を実行する場合、前記発射誘導画像を含まない画像のうちの特定画像に対しては前記所定変形処理を行うが、前記発射誘導画像に対しては前記所定変形処理を行わないことにより、前記発射誘導画像を認識可能に表示し、」)を備えている。 (エ) 特定事項Fについて 引用発明のbefの、「演出制御基板12」(演出実行手段)に搭載された「表示制御部123」が備える「仮画像バッファ132A」、同「フレームバッファ132B」は、上記(ウ)における検討を踏まえると、それぞれ、本件補正発明の特定事項Fの、「演出実行手段」が有する「画像表示手段に表示する画像を描画するための領域」としての「1次バッファ領域」、同「フレームバッファ領域」に相当する。 また、上記(ウ)での検討を踏まえると、引用発明のbefの「仮画像の移動処理を行って描画する場合」及び「仮画像の変形処理や移動処理が行われるとき」は、いずれも、本件補正発明の特定事項Fの「特定演出の実行時」に相当する。 そして、引用発明のbefにおける、「仮画像の移動処理を行って描画する場合」の、「仮画像」の「変形処理や移動処理による表示演出」(画像に所定変形処理を行う特定演出)では、「複数種類の部品画像を仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置して仮画像を作成し、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域から読み出された仮画像を、フレームバッファ132Bの出力画像領域に描画することにより、それらの描画位置を一括して変更する」ことから、引用発明が、本件補正発明の特定事項Fにおける、「1次バッファ領域を経て描画を行」う描画処理であって、「1次バッファ領域に格納した画像データに対して」「所定変形処理を行ってフレームバッファ領域へと描画を行」う「第1描画処理」に相当する処理を、「特定演出の実行時」に「実行」することに相当する構成を備えることは明らかであり、また、引用発明において、上記した仮画像の変形処理や移動処理による表示演出がなされる場合の、基となっている「仮画像」は、本件補正発明の特定事項Fにおける「特定演出の実行時に所定変形処理を行う画像」としての「特定画像」に他ならないから、引用発明は、本件補正発明の特定事項Fの「特定演出の実行時に所定変形処理を行う画像に関しては、1次バッファ領域を経て描画を行う第1描画処理を」「実行するように構成し、」「第1描画処理では、1次バッファ領域に格納した画像データに対して特定演出の実行時に所定変形処理を行ってフレームバッファ領域へと描画を行い、」「特定画像については第1描画処理を行」うことに相当する構成を備えているといえる。 また、同じく引用発明のbefにおける、「遊技球を所定の遊技領域に向けて打ち込むよう遊技者に指示する発射指示表示(例えば右側の遊技領域に向けて遊技球を発射させるよう指示する右打ち指示表示など)の部品画像」(発射誘導画像)を含む、「仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せず」、また、「フレームバッファ132Bの出力画像領域に直接描画される」「部品画像」は、本件補正発明の特定事項Fにおける「発射誘導画像を含む非特定画像」に相当し、当該「部品画像」は、「仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に直接描画され」、「部品画像」の表示は、「仮画像の変形処理や移動処理が行われるときでも、変形処理や移動処理の影響を受けず」とされていることから、上記(ウ)における検討(所定変形処理を行わない)も踏まえると、当該「部品画像」については、本件補正発明の特定事項Fにおける、「1次バッファ領域を経ることなく描画を行」う描画処理であって、「所定変形処理を行うことなくフレームバッファ領域へと描画を行」う「第2描画処理」に相当する処理を「特定演出の実行時」に「実行」することに相当する構成を備えたものであることが明らかであるから、引用発明は、本件補正発明の特定事項Fの「特定演出の実行時に所定変形処理を行わない画像に関しては、1次バッファ領域を経ることなく描画を行う第2描画処理を」「実行するように構成し、」「第2描画処理では、特定演出の実行時に所定変形処理を行うことなくフレームバッファ領域へと描画を行い、」「発射誘導画像を含む非特定画像については第2描画処理を行う」ことに相当する構成を備えているといえる。 さらに、上記の、「仮画像」に基づく変形処理や移動処理による表示演出がなされる場合の、基となっている「仮画像」(所定変形処理を行う画像)の描画処理、「仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に直接描画」される一部の「部品画像」(所定変形処理を行わない画像)の描画処理の振り分けが、それぞれ、「所定変形処理を行うか否かに応じ」てなされることは上記の検討に基づいて明らかである。 そうすると、引用発明は、本件補正発明の特定事項F(「前記演出実行手段は、前記画像表示手段に表示する前記画像を描画するための領域として、1次バッファ領域とフレームバッファ領域とを有するとともに、前記所定変形処理を行うか否かに応じて、前記特定演出の実行時に前記所定変形処理を行う画像に関しては、前記1次バッファ領域を経て描画を行う第1描画処理を、前記特定演出の実行時に前記所定変形処理を行わない画像に関しては、前記1次バッファ領域を経ることなく描画を行う第2描画処理を夫々実行するように構成し、前記第1描画処理では、前記1次バッファ領域に格納した画像データに対して前記特定演出の実行時に前記所定変形処理を行って前記フレームバッファ領域へと描画を行い、前記第2描画処理では、前記特定演出の実行時に前記所定変形処理を行うことなく前記フレームバッファ領域へと描画を行い、前記特定画像については前記第1描画処理を行い、前記発射誘導画像を含む非特定画像については前記第2描画処理を行う」)を備えている。 (オ) 特定事項Gについて 上記(ア)に述べたように、引用発明のacdの「パチンコ遊技機1」は、本件補正発明の「遊技機」に相当するから、引用発明は、本件補正発明の特定事項G(「遊技機。」)を備えている。 イ 引用発明との一致点及び相違点 上記アにおける検討を踏まえると、本件補正発明と引用発明の一致点及び相違点は、次のとおりである。 <一致点> 「A’ 画像を表示可能な画像表示手段と、 スピーカと、を備え、 B’ 前記画像表示手段に、遊技状態に応じて、前記遊技領域のうち左流下経路と右流下経路との何れを狙うのが遊技者にとって有利かを示す発射誘導画像を表示可能であり、 前記発射誘導画像は、前記左流下経路と前記右流下経路のうちの一方側を指し示す図形を含む C 遊技機において、 E 前記画像表示手段に表示される画像に所定変形処理を行う特定演出を実行する演出実行手段を備え、 前記発射誘導画像の表示中に前記特定演出を実行する場合、前記発射誘導画像を含まない画像のうちの特定画像に対しては前記所定変形処理を行うが、前記発射誘導画像に対しては前記所定変形処理を行わないことにより、前記発射誘導画像を認識可能に表示し、 F 前記演出実行手段は、前記画像表示手段に表示する前記画像を描画するための領域として、1次バッファ領域とフレームバッファ領域とを有するとともに、前記所定変形処理を行うか否かに応じて、前記特定演出の実行時に前記所定変形処理を行う画像に関しては、前記1次バッファ領域を経て描画を行う第1描画処理を、前記特定演出の実行時に前記所定変形処理を行わない画像に関しては、前記1次バッファ領域を経ることなく描画を行う第2描画処理を夫々実行するように構成し、 前記第1描画処理では、前記1次バッファ領域に格納した画像データに対して前記特定演出の実行時に前記所定変形処理を行って前記フレームバッファ領域へと描画を行い、 前記第2描画処理では、前記特定演出の実行時に前記所定変形処理を行うことなく前記フレームバッファ領域へと描画を行い、 前記特定画像については前記第1描画処理を行い、 前記発射誘導画像を含む非特定画像については前記第2描画処理を行う G 遊技機。」 <相違点1>(特定事項B) 本件補正発明の特定事項Bでは、「発射誘導画像」が、「遊技状態に応じて、遊技領域のうち左流下経路と右流下経路との何れを狙うのが遊技者にとって有利かを示す」こと及び「左流下経路と右流下経路のうちの一方側を指し示す図形を含む」ことが特定されるのに対し、引用発明では、かかる特定がない点。 <相違点2>(特定事項A、特定事項D) 本件補正発明の特定事項Aでは、本件補正発明の「遊技機」が「遊技領域を視認可能な視認窓が形成された枠体」を備えることが特定されるとともに、当該「枠体」について、本件補正発明の特定事項Dで、「枠体の視認窓の周囲の少なくとも一部に、換装可能な換装可能部材を有し、前記換装可能部材をスピーカの前側に位置するように配置」することが特定されるのに対し、引用発明では、「遊技機用枠3の左右位置には、スピーカ8L、8Rが設けられ」るものの、「遊技領域を視認可能な視認窓が形成された枠体」及び「換装可能部材」に係る特定がない点。 (5) 当審合議体の判断 ア 相違点1について 周知技術1は上記(3)カ(ア)で述べたとおりのものであり、その「発射誘導情報の表示」は、本件補正発明の特定事項Bの「発射誘導画像」に相当し、周知技術1は、上記相違点1に係る本件補正発明の構成を備えるものである。 引用発明と周知技術1は、遊技機の演出(特に、発射の誘導に関する演出)に係る技術である点で共通するから、引用発明における「発射指示表示」(発射誘導画像)の意味づけ及び表示内容について、周知技術1を適用して、相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 イ 相違点2について 周知技術2は上記(3)カ(イ)で述べたとおりのものであり、その「遊技盤の遊技領域を視認可能とするように配置した部材」、「遊技盤の遊技領域を視認可能とするように配置した部材の左右の一部」、「スピーカーの前側に位置するように」「取り付けられ」た「部材」は、それぞれ、本件補正発明の特定事項Dの「遊技領域を視認可能な視認窓が形成された枠体」、「枠体の視認窓の周囲の少なくとも一部」、「スピーカの前側に位置するように配置」した「換装可能部材」に相当し、周知技術2は、上記相違点2に係る本件補正発明の構成を備えるものである。 周知技術2における、「遊技機」に「遊技盤の遊技領域を視認可能とするように配置した部材」(遊技領域を視認可能な視認窓が形成された枠体)を設けることは、遊技機の一般的な基本構造ともいえるものである。 そして、引用発明と周知技術2は、いずれも、遊技機へのスピーカの取付構造に係る技術として共通し、引用発明の「スピーカ8L、8R」(本件補正発明の「スピーカ」に相当。)が設けられる位置としての、「遊技機用枠3の左右位置」は、遊技機の正面視で、周知技術2の「スピーカー」(スピーカ)が設けられる位置と共通するから、引用発明に上記した遊技機の一般的な基本構造(周知技術2)を適用するにあたって、周知技術2の、「遊技盤の遊技領域を視認可能とするように配置した部材」(枠体)に「スピーカーの前側に位置するように」「取り付けられ」る「部材」(換装可能部材)を配置することを採用して、相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 ウ 小括 上記ア~イで述べたとおりであって、引用発明、周知技術1及び周知技術2に基づいて、上記相違点1~2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が適宜なし得たことである。 そして、本件補正発明が奏する効果は、引用発明、周知技術1及び周知技術2から予測される程度のものに過ぎず、予測困難かつ格別顕著な効果を認めることはできない。 (6) 請求人の主張について 請求人は、令和6年8月5日提出の意見書において、「引用文献1には、1次バッファ領域を経由する描画処理と、1次バッファ領域を経由しない描画処理とを実行する点について記載されておりますが、1次バッファ領域を経由する描画処理を実行する場合であっても、画像を変形させる場合(特定演出の実行時に所定変形処理を行う場合)と変形させない場合(特定演出の実行時に所定変形処理を行わない場合)とが存在する構成となっております(例えば段落0064,0172、図14等参照)。即ち、引用文献1に記載の発明は、1次バッファ領域を経由するか否かの判定を、特定演出の実行時に所定変形処理を行うか否かという条件によって行うものでないことは明らかであり」として、引用文献1に記載された発明が本件補正発明と相違する旨を主張する。 請求人の主張について検討する。 本件補正発明の構成Fにおいては、「特定演出の実行時に」「所定変形処理を行わない」「画像」が具体的にどの画像であるのか特定されていないため、 (1) 本件補正発明の構成Eに特定される「発射誘導画像」のような、変形処理を常に行わない画像である場合、 (2) 本願明細書の【0256】~【0259】及び図48(a),(b)に記載の「演出図柄(図柄画像)114a」のような、大当たり信頼度に応じて変形処理(傾斜演出)を行ったり行わなかったりする画像である場合、の2つに分けて考えると、(1)については、引用文献1の【0183】に「部品画像は、・・・仮画像作成フラグの状態(オフ状態またはオン状態)に応じて、フレームバッファ132Bの出力画像領域に直接描画されることもあれば、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置して仮画像の作成に用いられることもある。部品画像を仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置するか否かの設定は、部品画像の種類(表示による報知内容など)に応じて、異ならせてもよい」と記載され、同【0188】に、「発射指示表示・・・の部品画像を、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に直接描画」すると記載されているので、引用発明も本件補正発明と同様に、「仮画像バッファ132Aの一時記憶領域」(1次バッファ領域)を経由するか否かの判定を、「演出の実行時」に「変形処理を行うか否かという条件」によって行う構成を備えるといえるものであり、他方で(2)については、本願の明細書の【0250】~【0259】に、「演出図柄」等の「傾斜変形を行う画像(変形情報が1の画像)」が「一次バッファを経由」すると記載されてはいるが、「大当たり信頼度」に基づき傾斜変形をしない場合に、当該「演出図柄」等の「画像」が一次バッファを経由しないことについて、本願明細書には記載されていない。 そして、請求人の主張の根拠とされる引用文献1の【0064】の記載は、上記(2)ア(イ)に示したとおりのものであって、同段落では「フレームバッファ132Bの出力画像領域に部品画像や仮画像を描画する処理は、画像データメモリ131に予め記憶されている部品画像や、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に格納された仮画像を、所定の変形処理などを施して、あるいは変形処理などを施すことなく、出力画像領域に配置する処理であればよい。」と説明されているが、上で指摘したように、引用文献1の【0183】、【0188】には、「仮画像バッファ132Aの一時記憶領域」(1次バッファ領域)を経由するか否かの判定を、「演出の実行時」に「変形処理を行うか否かという条件」によって行う構成が記載されているから、引用文献1に記載された発明が、本件補正発明の、特定演出実行時の画像の描画処理に係る構成を備えていないという理由にはならない。 また、同じく請求人の主張の根拠とされる、引用文献1の【0172】~【0175】及び【図4】の記載は、上記(2)アの(ウ)及び(キ)に示したとおりのものであって、「仮画像の表示を開始してから600フレームまでの10秒間」では、「仮画像バッファ132Aから読み出された仮画像が、拡大または縮小されることなくフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画される」「通常表示」を行い、「続く1200フレームの20秒間」では、「仮画像バッファ132Aから読み出された仮画像が、縦0.9×横0.9の表示倍率で縮小されてフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画される」「仮画像の縮小表示」を行い、「続く300フレームの5秒間」では「通常表示」に復帰させることが説明されるところ、「通常表示」と「縮小表示」を時間の経過に応じて切り替えているものの、切り替えの前後を通じて、「仮画像」(所定変形処理を行う画像;特定画像)が「仮画像バッファ132A」(1次バッファ領域)から読み出されることにおいて違いはなく、当該「仮画像」は、「続く1200フレームの20秒間」(特定演出の実行時)において「縮小」(所定変形処理)されるのであるから、「仮画像」が、上記「続く1200フレームの20秒間」ではない、その前後の期間において「縮小」されないとしても、引用文献1に記載された発明が、本件補正発明が備える「前記演出実行手段は、前記画像表示手段に表示する前記画像を描画するための領域として、1次バッファ領域とフレームバッファ領域とを有するとともに、前記所定変形処理を行うか否かに応じて、前記特定演出の実行時に前記所定変形処理を行う画像に関しては、前記1次バッファ領域を経て描画を行う第1描画処理を、前記特定演出の実行時に前記所定変形処理を行わない画像に関しては、前記1次バッファ領域を経ることなく描画を行う第2描画処理を夫々実行するように構成し、前記第1描画処理では、前記1次バッファ領域に格納した画像データに対して前記特定演出の実行時に前記所定変形処理を行って前記フレームバッファ領域へと描画を行い、前記第2描画処理では、前記特定演出の実行時に前記所定変形処理を行うことなく前記フレームバッファ領域へと描画を行い、前記特定画像については前記第1描画処理を行い、前記発射誘導画像を含む非特定画像については前記第2描画処理を行う」構成(特定事項F)を備えていないという理由にはならず、上記(4)ア(エ)で述べたように、引用発明は本件補正発明の特定事項Fの構成を備えている。 そうすると、特定演出実行時の画像の描画処理について、引用文献1に記載された発明が本件補正発明と相違する旨の請求人の主張は、本件補正発明の構成に基づくものとはいえない。 よって、請求人の主張を採用することはできない。 (7) まとめ したがって、本件補正発明は、引用発明、周知技術1及び周知技術2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 4 本件補正についてのむすび 以上のとおり、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は前記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和6年2月22日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認められ、その請求項1の記載は前記第2[理由]1に(本件補正前)として記載したとおりのものであるところ、本願発明について以下に再掲する(前記第2[理由]3(1)と同様に、符号A等は、分説するために当審合議体が付した。以下、A等を付した事項を「特定事項A」等という。)。 (本願発明) 「【請求項1】 A 遊技領域を視認可能な視認窓が形成された枠体と、 画像を表示可能な画像表示手段と、 スピーカと、を備え、 B 前記画像表示手段に、遊技状態に応じて、前記遊技領域のうち左流下経路と右流下経路との何れを狙うのが遊技者にとって有利かを示す発射誘導画像を表示可能であり、 前記発射誘導画像は、前記左流下経路と前記右流下経路のうちの一方側を指し示す図形を含む C 遊技機において、 D 前記枠体の前記視認窓の周囲の少なくとも一部に、換装可能な換装可能部材を有し、 前記換装可能部材を前記スピーカの前側に位置するように配置し、 E” 前記画像表示手段に表示される画像に所定変形処理を行う特定演出を実行する演出実行手段を備え、 前記発射誘導画像の表示中に前記特定演出を実行する場合、前記発射誘導画像を含まない特定画像に対しては前記所定変形処理を行うが、前記発射誘導画像に対しては前記所定変形処理を行わないことにより、前記発射誘導画像を認識可能に表示し、 F” 前記演出実行手段は、前記画像表示手段に表示する前記画像を描画するための領域として、1次バッファ領域とフレームバッファ領域とを有するとともに、前記所定変形処理を行うか否かに応じて、前記所定変形処理を行う画像に関しては、前記1次バッファ領域を経て描画を行う第1描画処理を、前記所定変形処理を行わない画像に関しては、前記1次バッファ領域を経ることなく描画を行う第2描画処理を夫々実行するように構成し、 前記第1描画処理では、前記1次バッファ領域に格納した画像データに対して前記所定変形処理を行って前記フレームバッファ領域へと描画を行い、 前記第2描画処理では、前記所定変形処理を行うことなく前記フレームバッファ領域へと描画を行い、 前記特定画像については前記第1描画処理を行い、 前記発射誘導画像を含む非特定画像については前記第2描画処理を行う G ことを特徴とする遊技機。」 2 当審拒絶理由通知の拒絶の理由 当審拒絶理由通知の拒絶の理由は、概略、次の理由を含んでいる。 「1 (明確性)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法36条6項2号に規定する要件を満たしていない。 2 (進歩性)本件出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 ●理由1(明確性)について ・請求項1 ●理由2(進歩性)について ・請求項 1 ・引用文献 1、3~7 <引用文献等一覧> 1 特開2015-47275号公報 3 特開2016-104150号公報(周知技術を示す文献) 4 特開2017-80275号公報(周知技術を示す文献) 5 特開2006-51118号公報(周知技術を示す文献) 6 特開2005-287968号公報(周知技術を示す文献) 7 特開2004-290357号公報(周知技術を示す文献)」 3 引用文献 (1) 引用文献の記載事項、引用発明、周知技術1、周知技術2 当審拒絶理由通知の拒絶の理由に引用された引用文献1及び3~7に記載された事項から認定される、引用発明及び引用文献3~7記載事項は、前記第2[理由]3(2)及び3(3)ア~オに示したとおりであり、また、引用文献3~7記載事項に例示される周知技術1及び周知技術2は、前記第2[理由]3(3)カに示したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、前記第2[理由]3(1)に記載した本件補正発明における、引用文献3~7記載事項に開示された「前記発射誘導画像の表示中に前記特定演出を実行する場合」に「前記所定変形処理を行う」対象である「特定画像」としての、「前記発射誘導画像を含まない画像のうちの特定画像」について、特定の一部を削除して、「発射誘導画像」以外のあらゆる画像を広く含みうる「前記発射誘導画像を含まない特定画像」とするとともに、「第1描画処理」と「第2描画処理」を「夫々実行」する期間について、「前記特定演出の実行時」であるとした特定を削除したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに限定したものに相当する本件補正発明が、前記第2[理由]3(7)で述べたとおり、引用発明、周知技術1及び周知技術2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明は、引用発明、周知技術1及び周知技術2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明、周知技術1及び周知技術2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、他の拒絶の理由について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-008212

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