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特許拒絶査定不服審判

2023-007391

送信タイミングの柔軟な指示

審判番号
2023-007391
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-101535
請求日
2023年05月08日
審決日
2024年02月06日
公報発行日
2024年07月26日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ノキア テクノロジーズ オサケユイチア
  • 【請求人代理人】田中 伸一郎
  • 【請求人代理人】▲吉▼田 和彦
  • 【請求人代理人】須田 洋之
  • 【請求人代理人】大塚 文昭
  • 【請求人代理人】近藤 直樹
審判長/審判官
  • 審判長 土居 仁士
  • 審判官 高野 洋
  • 審判官 丸山 高政
分類
P18 .55 -Z (H04L) / P18 .537-Z (H04L)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第3項、特許法第36条、特許法第36条第6項第1号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2021-101535「送信タイミングの柔軟な指示」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 9月30日出願公開、特開2021-153334〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 1 本願は、2017年(平成29年)12月13日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2017年(平成29年)1月9日 アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願である特願2019-537240号の一部を令和3年6月18日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯の概要は以下のとおりである。 令和 3年 6月23日 手続補正書・上申書 令和 4年 3月22日 手続補正書・上申書 6月 9日付け 拒絶理由通知書 10月11日 手続補正書・意見書 12月22日付け 拒絶査定 令和 5年 5月 8日 審判請求書 以下では、令和3年6月23日の手続補正書による補正を「本件補正1」といい、令和4年3月22日の手続補正書による補正を「本件補正2」といい、同年10月11日の手続補正書による補正を「本件補正3」といい、同年6月9日付けの拒絶理由通知書を単に「拒絶理由通知書」といい、同年12月22日付け拒絶査定を「原査定」という。 2 本件補正1~本件補正3の内容 本件補正1は、特許請求の範囲の全文を補正するものであり、明細書及び図面を補正するものではない。 本件補正2は、特許請求の範囲の全文を補正するものであるが、請求項2~9及び請求項11~17の記載に変更はなく、請求項1及び10の記載のみを変更するものである。本件補正2は、明細書及び図面を補正するものではない。 本件補正3は、特許請求の範囲の全文を補正するものであるが、請求項1~13及び15~17の記載に変更はなく、請求項14の記載を変更し、請求項18~21を追加するものである。本件補正3は、明細書及び図面を補正するものではない。 第2 本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、本件補正3により補正された請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。 なお、後の参照の便宜のため、本願発明を以下のようにA~Cに分説し、「発明特定事項A」のようにして参照する。 「【請求項1】 A オフセットをスロットの数として指示する第1パラメータ、並びに第2パラメータ及び第4パラメータを含む合成パラメータをユーザ装置で受信することであって、 A1 前記第2パラメータはオフセットを1つのスロット内のシンボルの数として指示し、 A2 前記第4パラメータは送信の期間を1つのスロット内のシンボルの数として指示するものである、 A3 受信すること、 B 前記第1パラメータ及び前記合成パラメータに基づき送信タイミングを前記ユーザ装置で決定すること、及び C 送信タイミングを使用して、ユーザ装置からネットワークエンティティへアップリンク送信を送信するか、又はネットワークエンティティからのダウンリンク送信をユーザ装置で受信するかの少なくとも一方を行うことを含む、方法。」 第3 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由の概要は以下のとおりである。 理由1(新規事項)本件補正1及び本件補正2は、外国語書面の翻訳文(又は誤訳訂正書による補正後の明細書、特許請求の範囲若しくは図面)(以下「翻訳文等」という。)に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。(原査定1頁本文冒頭2行、拒絶理由通知書1頁理由冒頭) (本件補正1についての具体的理由は省略) 本件補正2後の請求項1の「前記第4パラメータは送信の期間を1つのスロット内のシンボルの数として指示するものである」ことについて、翻訳文等には、送信の「期間」の決定ないし指示に関わる情報と、「第4パラメータ」とは、明確に別であることが示されている。(拒絶理由通知書2頁20~37行) 段落【0055】において、「第4パラメータN2」と「スロット又はOFDMシンボルの数に関して決定された送信の期間」を「別に」決定するこが特定されており、やはり第4パラメータに送信の期間が含まれると解するのは不自然である。(原査定3頁12~19行) なお、本件補正3において、出願人は請求項18~21を追加する補正を行った。上記請求項18~21についても、同様の拒絶理由が認められる点についても、審判請求の際には留意されたい。(原査定3頁20~23行) 理由2(サポート要件)この出願は、理由1と同様の理由により、特許請求の範囲の記載が発明の詳細な説明に記載されたものではないから、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 第4 当審の判断 原査定の理由(前記第3)に係る本件補正2後の請求項1の「前記第4パラメータは送信の期間を1つのスロット内のシンボルの数として指示するものである」ことは、本件補正3が請求項1の記載を変更するものではない(前記第1、2)ので、前記第2に示した請求項1の発明特定事項A2と同じものである。 そこで、まず、発明特定事項A2に関する翻訳文等の記載事項を示し(以下の1)、次いで、翻訳文等の記載事項に基づき「第4パラメータ」の「指示する」ものについて検討し(以下の2)、前記検討に基づいて原査定の理由1について判断し(以下の3)、最後に原査定の理由2について判断する(以下の4)。 1 発明特定事項A2に関する翻訳文等の記載事項 発明特定事項A2によれば、本願発明において、「第4パラメータ」は「送信の期間」を「指示するものである」ことが特定されている。 ここで、「第4パラメータ」が「指示する」ものに関して、翻訳文等には、以下の記載がある。(下線は強調のために当審で付した。) (1)翻訳文等の明細書の記載事項 ア 「【0006】 変形例において、前記方法は、少なくとも、送信の終了をスロットの数として指示する第3パラメータ、又は送信の終了を1つのスロット内の記号位置として指示する第4パラメータに基づいて、送信タイミングを決定することを含む。」 イ 「【0016】 更に別の変形例において、前記方法は、少なくとも、送信の終了をスロットの数として指示する第3パラメータ、又は送信の終了を1つのスロット内の記号位置として指示する第4パラメータに基づいて、送信タイミングの期間を決定することを含む。」 ウ 「【0025】 ある変形例において、前記方法は、送信の終了をスロットの数として指示する第3パラメータ、又は送信の終了を1つのスロット内の記号位置として指示する第4パラメータをネットワークエンティティで決定することを含む。」 エ 「【0054】 ある実施形態では、パラメータがUEへ動的にシグナリングされ、半静的に構成され、及び/又はUEにより暗示的に決定される。ステップ230に示すように、UEは、少なくとも、送信の終了をスロットの数として指示する第3パラメータ(M2)、又は送信の終了を1つのスロット内の記号位置として指示する第4パラメータ(N2)に基づいて、送信タイミングを決定する。第1及び第2パラメータと同様に、第3及び第4パラメータは、UEへ動的にシグナリングされ、半静的に構成され、及び/又はUEにより暗示的に決定される。ステップ240において、UEは、送信タイミングを使用して、アップリンク送信を送信し、及び/又はダウンリンク送信を受信する。」 オ 「【0055】 第3パラメータM2及び/又は第4パラメータN2を指示するのとは別に、送信の期間を、例えばスロット又はOFDMシンボルの数に関して決定する。そのような実施形態では、各制御送信及び/又はデータ送信の送信期間が、上位レイヤシグナリングを経て予め定義され又は予め構成されるか、或いは物理的レイヤ又は第1レイヤ(L1)DLシグナリング、例えば、DL制御情報(DCI)を経て動的に指示される。又、ある実施形態では、上位レイヤシグナリング及びL1 DLシグナリングの組み合せを使用して、送信の期間を指示する情報をgNBからUEへ搬送することもできる。」 カ 「【0058】 スケジュールされるアップリンクグラント又はダウンリンク割り当ての終了は、OFDM記号に関して、第1、第2、第3及び第4パラメータを使用して決定される。換言すれば、第1及び第2パラメータは、送信タイミングを決定するために、又は送信が生じるときに、使用され、一方、第3及び第4パラメータは、送信の期間を決定するために、又は送信がどれほど長く実行されるかについて、使用される。Nがグラントに対するスロット内のOFDM記号のオフセットを指示する1つの実施形態では、スケジュールされるアップリンクグラント又はダウンリンク割り当ての終了は、次の式、即ち(M2+M)*y+N2+Nを使用して決定される。他方、Nがスロット内の絶対的OFDM記号インデックスを表わすときには、スケジュールされるアップリンクグラント又はダウンリンク割り当ての終了は、次の式、即ち(M2-M)*y+N2+N-kを使用して決定される。」 キ 「【0071】 ある実施形態では、送信時間を決定するときに第3パラメータM2及び第4パラメータN2も考慮される。第3パラメータM2は、図3に示す実施形態では、ゼロへと半静的に構成され、一方、第4パラメータN2は、その値が1又は2であり、そしてDCIにおいて暗示的に得られ又は指示される。暗示的に得られるとは、例えば、第4パラメータN2の値がDL制御情報の搬送に割り当てられた記号の数から決定されることである。N2は、送信がスロット内の1個又は2個の記号の後に終了することを指示する。」 ク 「【0077】 図8は、ある実施形態によるフローチャートである。図8は、ベースステーション又は5G NodeB(5G NB又はgNB)のようなネットワークエンティティの実施形態である。ステップ810において、ネットワークエンティティは、第1パラメータ及び第2パラメータを決定する。第1パラメータは、オフセットをスロットの数として指示する。第2パラメータは、オフセットを1つのスロット内の記号の数として指示する。ステップ820に示すように、ネットワークエンティティは、送信の終了をスロットの数として指示する第3パラメータもネットワークエンティティにおいて決定する。又、ネットワークエンティティは、送信の終了を1つのスロット内の記号位置として指示する第4パラメータも決定する。」 (2)翻訳文等の図面の記載事項 図3 [図:0001411977000001.jpg] (3)翻訳文等の特許請求の範囲の記載事項 ア 「【請求項2】 少なくとも、送信の終了をスロットの数として指示する第3パラメータ、又は送信の終了を1つのスロット内の記号位置として指示する第4パラメータに基づいて、前記送信タイミングを決定することを更に含む、請求項1に記載の方法。」 イ 「【請求項16】 送信の終了をスロットの数として指示する第3パラメータ又は送信の終了を1つのスロット内の記号位置として指示する第4パラメータをネットワークエンティティで決定することを更に含む、請求項15に記載の方法。」 2 「第4パラメータ」が「指示する」ものについての検討 発明特定事項A2において、「第4パラメータ」は「送信の期間」を指示するものであるから、以下では、「第4パラメータ」が指示する内容について検討する。 (1)前記1(1)によれば、段落【0006】、【0016】、【0025】、【0054】、【0071】及び【0077】では、「第4パラメータ」は「送信の終了」を「指示する」パラメータであると記載されている。 (2)図3には、「更に、任意のパラメータM2は、ゼロへと半静的に構成されるが、N2は、1又は2の値をとり、DCIにおいて暗示的に得られ又は指示される」と記載されている(前記1(2))。 該記載に関して、翻訳文等の【0071】段落には「第3パラメータM2は、図3に示す実施形態では、ゼロへと半静的に構成され、一方、第4パラメータN2は、その値が1又は2であり、そしてDCIにおいて暗示的に得られ又は指示される。暗示的に得られるとは、例えば、第4パラメータN2の値がDL制御情報の搬送に割り当てられた記号の数から決定されることである。N2は、送信がスロット内の1個又は2個の記号の後に終了することを指示する。」と記載されている。 【0071】及び図3の記載を総合すると、「1又は2の値」をとる「第4パラメータN2」は、「送信の終了」を指示するパラメータであるといえる。 (3)【0055】段落には「第3パラメータM2及び/又は第4パラメータN2を指示するのとは別に、送信の期間を、例えばスロット又はOFDM記号の数に関して決定する。そのような実施形態では、各制御送信及び/又はデータ送信の送信期間が、上位レイヤシグナリングを経て予め定義され又は予め構成されるか、或いは物理的レイヤ又は第1レイヤ(L1)DLシグナリング、例えば、DL制御情報(DCI)を経て動的に指示される。又、ある実施形態では、上位レイヤシグナリング及びL1 DLシグナリングの組み合せを使用して、送信の期間を指示する情報をgNBからUEへ搬送することもできる。」との記載があり、「送信の期間」の「決定」ないし「指示」に関わる情報と、「第4パラメータ」とは、明確に別であることが示されている。 (4)【0058】段落には、「第3及び第4パラメータは、送信の期間を決定するために、又は送信がどれほど長く実行されるかについて、使用される。」と記載されている。 しかしながら、前記(1)~(3)を総合すると、「第4パラメータ」は「送信の終了」を「決定する」情報であって、「送信の期間」を「指示する」情報とは別のものであると理解するのが自然である。 さらに、前記【0058】の記載に続く同段落の「Nがグラントに対するスロット内のOFDM記号のオフセットを指示する1つの実施形態では、スケジュールされるアップリンクグラント又はダウンリンク割り当ての終了は、次の式、即ち(M2+M)*y+N2+Nを使用して決定される。」との記載から、「第4パラメータ」は「送信の終了」を「決定する」ものであると理解するのが妥当である。 そうすると、【0058】の「第4パラメータは、送信の期間を決定する」との記載は、「第4パラメータ」が「送信の期間」を「指示する」ものであると理解するのは適切ではなく、「第4パラメータ」はあくまで「送信の終了」を「指示する」ものであり、「第4パラメータ」(N2)と他のパラメータ(M2、M、y、N)とを合わせることにより「送信の期間」が「決定」されるのだと解される。 (5)また、一般的に、「終了」とは「終えること。終わること。終り。」(広辞苑)の意味であり、「期間」とは「一定の時期から他の一定の時期までの間。」(広辞苑)の意味であるから、「終了」と「期間」とは明確に異なる概念を表す語である。 (6)明細書及び図面の他の部分を参照しても、「第4パラメータ」が「送信の期間」を「指示する」ことをうかがわせる記載はない。 また、「第4パラメータ」が「送信の期間」を「指示する」ことは、技術常識でもない。 そうすると、前記(1)~(5)によれば、翻訳文等の明細書及び図面からは、「第4パラメータ」が「送信の終了」を「指示する」ものであることを開示するのみであり、「第4パラメータ」が「送信の期間」を「指示する」ものであることについて記載も示唆もない。 (7)翻訳文等の特許請求の範囲を参照しても、請求項2及び16に「第4パラメータ」が「送信の終了」を「指示する」ことが記載されているに過ぎず、その他の請求項に「第4パラメータ」が「送信の期間」を「指示する」ことをうかがわせる記載はないから、翻訳文等が開示する技術的事項は前記(6)のとおりである。よって、翻訳文等の全体の記載を参照しても、「第4パラメータ」が「送信の期間」を「指示する」ものであることが開示されているとは認められない。 (8)前記(1)~(7)によれば、「第4パラメータ」が「送信の期間」を「指示する」ものであることを特定する発明特定事項A2は、翻訳文等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項であるといえる。 3 理由1(新規事項)についての判断 本件補正3は、特許請求の範囲全文を補正するものであり(前記第1、2)、本件補正3により補正された請求項1に係る発明は発明特定事項A2を包含するから、前記2(8)によれば、本件補正3は、翻訳文等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものである。 そうすると、本件補正3は、翻訳文等に記載した事項の範囲内においてしたものとはいえず、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。 なお、原査定は、本件補正2後の請求項1の「前記第4パラメータは送信の期間を1つのスロット内のシンボルの数として指示するものである」ことが新規事項追加であることを説示する(前記第3)ところ、本件補正3は、請求項1並びに明細書及び図面を変更しない(前記第1、2)から、原査定の説示は、実質上、前記2と同じ判断をしており、さらに、原査定は、本件補正3で追加された「請求項18~21についても、同様の理由が認められる」(前記第3)として、本件補正3について判断したことが示されているから、当審の前記判断は、原査定において通知されていた。 4 理由2(サポート要件)についての判断 (1)特許請求の範囲の記載が、いわゆるサポート要件を定めた特許法36条6項1号に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。 (2)前記2(6)で示したように、翻訳文等の明細書及び図面の記載によれば、「第4パラメータ」は「送信の終了」を「指示する」情報であって、「送信の期間」を決定ないし指示する情報とは別のものであると理解され、「第4パラメータ」が「送信の期間」を「指示する」ものであることについて記載も示唆もない。 そして、本件補正1~本件補正3は、翻訳文等の明細書及び図面を補正していないから、翻訳文等の明細書及び図面に記載された発明の詳細な説明は、本件補正3後の発明の詳細な説明と同一である。 したがって、発明の詳細な説明には、「前記第4パラメータは送信の期間を1つのスロット内のシンボルの数として指示するものである」という発明特定事項A2について記載されていないから、本件発明1は、発明の詳細な説明に記載された発明であるとはいえない。 よって、本件発明1が発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か等を判断するまでもなく、本件の特許請求の範囲は、特許法36条6項1号の規定に違反する。 5 請求人の主張について (1)請求人は、審判請求書の「3.新規事項及び記載不備の指摘事項に関する対処」において、発明特定事項A2を「特徴(B)」と記載して、次のア及びイのように主張している。 ア 請求人は、【0055】段落を示して、次のように主張している。(下線は、請求人が付したものである。) 「(0055) 「第3パラメータM2及び/又は第4パラメータN2を指示するのとは別に、送信の期間を、例えばスロット又はOFDMシンボルの数に関して決定する。そのような実施形態では、各制御送信及び/又はデータ送信の送信期間が、上位レイヤシグナリングを経て予め定義され又は予め構成されるか、或いは物理的レイヤ又は第1レイヤ(L1)DLシグナリング、例えば、DL制御情報(DCI)を経て動的に指示される。又、ある実施形態では、上位レイヤシグナリング及びL1 DLシグナリングの組み合せを使用して、送信の期間を指示する情報をgNBからUEへ搬送することもできる。」 当業者は、この段落の記載が、第4パラメータが送信の期間をシンボルの数として指示することを直接的にサポートしていることを容易に理解するものと思料する。」 イ 請求人は、図3を示して、次のように主張している。(下線は、請求人が付したものである。) 「図3は、パラメータN2(=第4パラメータ)が1または2の値を取ることを示しており、段落0071に記載されているように「N2は、送信がスロット内の1個又は2個のシンボルの後に終了することを指示する」ことができることを意味している。図3では、DLデータの送信はシンボル5で開始され、N2は「1または2シンボル」であるため、「1または2」は、本願請求項の特徴(B)のように、1つのスロット内のシンボルの数としての送信の期間を示すものと見なすことができる。 他には、N2は、送信の終了を1つのスロット内のシンボル位置として示すこともできる(出願時の請求項2の第4パラメータの元の形式)。ただし、このオプションを図3に使用した場合、N2は(1または2ではなく)5または6となる。したがって、出願時に開示された第4パラメータについては、少なくとも2つの選択肢があることは明らかである。N2(=第4パラメータ)は、送信の終了を1つのスロット内のシンボルの位置(例:図3の「5または6」)として示すことも、または送信の期間を1つのスロット内のシンボルの数(図3の「1」または「2」)として示すこともできる。」 (2)前記(1)アについては、前記2(3)で示したとおり、【0055】段落には、送信の「期間」の決定ないし指示に関わる情報と、「第4パラメータ」とは、明確に別であることが示されている。 (3)前記(1)イについては、前記2(2)で示したとおり、【0071】段落には、図3において「1又は2」で示されるN2が、送信の「終了」を指示するパラメータであることが記載されている。また、送信が終了するスロットはM2の値によって異なり、必ずしも1つのスロット内で送信が終了するものではなく、N2は、1つのスロット内で送信が終了すること(すなわち、M2=0となること)を指示するものでもないから、N2の「1または2」の値を「1つのスロット内のシンボルの数としての送信の期間を示すもの」とみなすことはできない。 (4)前記(1)~(3)のとおりであるから、請求人の主張は採用できない。 6 まとめ 以上検討したとおり、本件補正3は、翻訳文等に記載した事項の範囲内においてしたものとはいえず、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。また、本願発明は、発明の詳細な説明に記載したものとは認められず、特許法36条6項1号に規定する要件を満たしていない。 第5 むすび 以上のとおりであるから、原査定の理由により、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-007391

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