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特許拒絶査定不服審判

2023-007037

減衰デバイスを含む変換器アセンブリおよび変換器アセンブリを備える超音波測定システム

審判番号
2023-007037
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-539757
請求日
2023年04月28日
審決日
2024年04月18日
公報発行日
2024年10月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ランディス+ギア アーゲー
  • 【請求人代理人】上田 邦生
審判長/審判官
  • 審判長 岡田 吉美
  • 審判官 中塚 直樹
  • 審判官 九鬼 一慶
分類
P18 .121-Z (G01F) / P18 .571-Z (G01F) / P18 .572-Z (G01F) / P18 .573-Z (G01F) / P18 .574-Z (G01F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第5項、特許法第29条
データ出所
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特願2020-539757「減衰デバイスを含む変換器アセンブリおよび変換器アセンブリを備える超音波測定システム」拒絶査定不服審判事件〔令和元年 8月 1日国際公開、WO2019/145828、令和 3年 5月 6日国内公表、特表2021-511506〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2019年(平成31年)1月17日を国際出願日とする外国語特許出願であって(パリ条約による優先権主張 2018年1月24日 スイス)、その手続の経緯の概略は、以下のとおりである。 令和4年 7月26日付け :拒絶理由通知書 同年10月31日 :意見書及び手続補正書の提出 令和5年 2月24日付け :拒絶査定(以下「原査定」という。) (同月28日 :原査定の謄本の送達) 同年 4月28日 :審判請求書及び手続補正書の提出 第2 令和5年4月28日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和5年4月28日にされた手続補正を却下する。 [補正の却下の決定の理由] 1 本件補正の内容 (1) 令和5年4月28日にされた補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲を補正するものである。 (2) 請求人は、本件補正については、審判請求書において、次のアからウまでの点を説明する。 ア 新請求項1は、旧請求項13を独立請求項として書き換えたものである。 イ 旧請求項13を引用する旧請求項14,15は、それぞれ新請求項1を引用するように補正した。 ウ 上記補正に伴い、旧請求項1,12を削除するとともに、旧請求項2-11については、新請求項1を直接的又は間接的に引用する新請求項4-13となるように補正した。 (3) 次のアに本件補正前の特許請求の範囲の請求項1~13の記載を、また、後記のイに本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載を示す。なお、合議体により、新規事項の論点となる箇所に下線を付した。 ア 本件補正前 「【請求項1】 2つのワイヤを有する接続ケーブルを含む超音波変換器を備え、 前記接続ケーブルに圧力を働かせて、超音波測定信号が前記超音波変換器に達することが予期される時間窓の外で前記接続ケーブルを介して前記超音波変換器に戻るように構造伝達音を反射させる構造伝達音減衰デバイスを備える変換器アセンブリ。 【請求項2】 前記減衰デバイスが、前記ワイヤそれぞれの周囲に圧力を少なくとも部分的に作用させるようにして、前記ケーブルに圧力を働かせるように構成される請求項1に記載の変換器アセンブリ。 【請求項3】 前記減衰デバイスが、前記ケーブルがきつく巻き付けられる剛性要素を備える請求項1または2に記載の変換器アセンブリ。 【請求項4】 前記剛性要素がケーブル・クリップである請求項3に記載の変換器アセンブリ。 【請求項5】 前記減衰デバイスが、前記ケーブルを圧縮する円筒状圧力要素を備え、前記ケーブルが前記円筒状圧力要素内において少なくとも区画方向で配置される、請求項1から4のいずれか一項に記載の変換器アセンブリ。 【請求項6】 前記ケーブルの区画がループを形成し、該ループが前記円筒状圧力要素内において少なくとも区画方向で配置される、請求項5に記載の変換器アセンブリ。 【請求項7】 前記円筒状圧力要素が、弾性スリーブ、縮着チューブ、シュリンク・ディスクまたはブッシングである請求項5または6に記載の変換器アセンブリ。 【請求項8】 前記減衰デバイスが、前記ケーブルが中を通って延在する、凝固した媒体の要素を備える請求項1から7のいずれか一項に記載の変換器アセンブリ。 【請求項9】 前記減衰デバイスを用いて、前記ワイヤの少なくとも一方が前記ワイヤの他方に圧力を働かせる請求項1から8のいずれか一項に記載の変換器アセンブリ。 【請求項10】 前記ワイヤの少なくとも一方に圧力を働かせるノットを備える請求項1から9のいずれか一項に記載の変換器アセンブリ。 【請求項11】 前記ケーブルに沿って、前記減衰デバイスが前記ケーブルの前記超音波変換器とは反対側の端部よりも前記超音波変換器に近い請求項1から10のいずれか一項に記載の変換器アセンブリ。 【請求項12】 変換器アセンブリの少なくとも1つが請求項1から11のいずれか一項に記載の変換器アセンブリである、2つの変換器アセンブリを備えた超音波測定システム。 【請求項13】 前記ケーブルに沿って、前記超音波変換器によって放射される超音波が前記ケーブルを通る移動時間が測定経路に沿った前記超音波変換器間の移動時間の半分よりも短いようにして、前記超音波変換器と前記減衰デバイスとの間の距離が寸法決めされる請求項12に記載の超音波測定システム。 (後略)」 イ 本件補正後 「【請求項1】 2つの変換器アセンブリを備える超音波測定システムであって、 各変換器アセンブリが、2つのワイヤを有する接続ケーブルを含む超音波変換器を備え、 前記変換器アセンブリの少なくとも1つが、前記接続ケーブルに圧力を働かせる構造伝達音減衰デバイスであり、 前記ケーブルに沿って、前記超音波変換器によって放射される超音波が前記ケーブルを通る移動時間が、測定経路に沿った前記超音波変換器間の移動時間の半分よりも短いようにして、前記超音波変換器と前記減衰デバイスとの間の距離が寸法決めされる超音波測定システム。 (後略)」 2 本件補正の目的について (1) 本件補正後の請求項1についての補正の内容 本件補正後の請求項1についての補正は、実質的に次のア及びイの補正事項を含むものである。 ア 本件補正前の請求項1を削除し、本件補正前の請求項1を引用する請求項12をさらに引用する請求項13を独立請求項として書き換え、新たな請求項1とすること。 イ 本件補正前の「構造伝達音減衰デバイス」について、「超音波測定信号が前記超音波変換器に達することが予期される時間窓の外で前記接続ケーブルを介して前記超音波変換器に戻るように構造伝達音を反射させる」ものであるという限定を削除すること。 (2) 補正の目的要件の充足性についての当審の判断 ア 特許請求の範囲の減縮に該当しないことについて (ア)a 前記(1)の補正事項イによって、「構造伝達音減衰デバイス」が「超音波測定信号が前記超音波変換器に達することが予期される時間窓の外で前記接続ケーブルを介して前記超音波変換器に戻るように構造伝達音を反射させる」ものであるという限定が削除された。 b その結果、本件補正後の請求項1には、次の(a)及び(b)の二つの技術事項があるものの、ノイズとなるリスクを持つ超音波成分は、「反射波」以外のものも含むものとなった。 (a) 「前記変換器アセンブリの少なくとも1つが、前記接続ケーブルに圧力を働かせる構造伝達音減衰デバイスであり」という技術事項 (b) 「前記ケーブルに沿って、前記超音波変換器によって放射される超音波が前記ケーブルを通る移動時間が、測定経路に沿った前記超音波変換器間の移動時間の半分よりも短いようにして、前記超音波変換器と前記減衰デバイスとの間の距離が寸法決めされる」という技術事項 c なお、本願明細書の【0024】においても、「構造伝達音を放射した超音波変換器に対する音の反射だけでなく、他のそれぞれの超音波変換器への構造伝達音の伝達も防止することができ」と記載されている。 「【0024】 超音波測定システムの可能な実施形態によれば、2つの変換器アセンブリは互いに対して固定の距離で形成され、1つの変換器アセンブリのケーブルに沿って、超音波変換器と減衰デバイスとの間の距離は、ケーブルの超音波変換器と減衰デバイスとの間の区画を変換器アセンブリのそれぞれ他方と容易に接触させることができないように寸法決めされる。そのため、それぞれの超音波変換器によって生じる構造伝達音が伝播することができる、ケーブルの超音波変換器と減衰デバイスとの間の区画は、それぞれ他方のケーブルに接触することができないので、構造伝達音を放射した超音波変換器に対する音の反射だけでなく、他のそれぞれの超音波変換器への構造伝達音の伝達も防止することができ、大きい測定誤差または不正確な検出のリスクがやはり低減される。」 (イ) したがって、本件補正後の請求項1についての補正は、特許請求の範囲の減縮(第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)を目的とするものには該当しない。 イ そのほかの目的にも該当しないことについて そして、本件補正後の請求項1についての補正が、請求項の削除、誤記の訂正又は明瞭でない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)のいずれを目的とするものにも該当しないことは明らかである。 ウ 目的要件についての検討のまとめ 前記ア及びイの検討結果をまとめると、本件補正後の請求項1についての補正は、特許法17条の2第5項各号において列挙するいずれをも目的とするものに該当せず、同項の規定に適合しない。 3 本件補正の適否のまとめ 前記2において検討したとおり、本件補正は、特許法17条の2第5項の規定に適合しないから、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は、上記第2において示したとおり却下したので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和4年10月31日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、請求項1の記載は、前記第2の1(3)アに摘記したとおりである。 2 原査定における拒絶の理由の概要 原査定の本願発明についての拒絶の理由(進歩性の欠如)の要旨は、次のとおりである。 本願発明は、本願の出願前に発行された特開2012-163518号公報(以下「引用文献1という。)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 3 引用文献1に記載された事項及び引用発明の認定 (1) 引用文献1に記載された事項 前記引用文献1には、次の事項が記載されている。なお、下線は当審において付したものである。 ア 【0001】~【0003】 「【技術分野】 【0001】 本発明は、超音波を利用してガス等の被測定流体の流量を計測する超音波式流量計測装置に関する。 【背景技術】 【0002】 例えば、家庭のガス器具にて消費される燃料ガス等の流体の流量を計測するものとして、シングアラウンド法(伝搬速度差法)を利用した超音波式流量計測装置が知られている。この流量測定装置では、上記流体(被測定流体)を通流させる流路において、その上流位置と下流位置とに超音波振動子を有する超音波センサを設け、パルス状の超音波を交互に送受信させる。これにより、流体の通流方向に対する順方向及び逆方向のそれぞれについて、流体を介した超音波の伝搬時間を取得し、その差から被測定流体の流速を算出する。そして、算出した流速と流路の通流断面積とから、最終的に流体の流量を計測すること ができる。 【0003】 ところで、受信側の超音波センサに到達する信号には、流体を介して伝搬する所望の信号波(以下、「直接波」とも称する)だけでなく、流路を構成する流路部材の壁部を媒体として伝搬する信号波(以下、「間接波」とも称する)も含まれている場合がある。このような間接波が受信側の超音波センサにて受信されると、所望の直接波から正確な流速を得ることが難しくなり、流量の計測精度上好ましくない。そこで、従来、間接波の伝搬を抑制するための技術が提案されている。」 イ 【0008】~【0012】 「【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明に係る超音波式流量計測装置は、被測定流体が流れる管状の流路部材に設けられる一対の超音波振動子と、この一対の超音波振動子の間で互いに超音波を送受信させるべく、該超音波振動子を駆動する回路が実装された基板と、各超音波振動子及び前記基板の間を接続するリード線と、を備え、更に、一方の超音波振動子に接続されたリード線から、前記基板を経て、他方の超音波振動子に接続されたリード線に至るまでの経路上に、該経路を介して伝搬する振動を抑制するための防振手段が備えられている。 【0009】 本願発明者は、鋭意努力の結果、従来知られていた間接波の媒体である流路部材の他にも、間接波を伝搬する媒体が存在することを突き止めた。詳説すると、超音波式流量計測装置は、流体(被測定流体)が流れる流路部材、及び該流路部材に設けられる一対の超音波振動子に加えて、この超音波振動子を駆動するための回路が実装された基板、及び、各超音波振動子と基板とを接続するリード線を備えている。そして、これらリード線及び基板が、間接波を伝搬する媒体となっていたのである。 【0010】 従って、上述したような構成とすることにより、即ち、一方の超音波振動子に接続されたリード線から基板を経て他方の超音波振動子に接続されたリード線に至るまでの経路上に、該経路を介して伝搬する間接波(振動)を抑制するための防振手段を備えることにより、この種の間接波が受信側の超音波振動子にて受信されるのを抑制することができる。 【0011】 また、前記防振手段は、各超音波振動子に接続されたリード線のうち、何れか一方の超音波振動子に接続されたリード線に対して防振処理を施すものであってもよい。このような構成とすることにより、上記経路上に多数の防振手段を設けずとも、最小数の防振手段によって効果的に間接波の伝搬を抑制することができる。 【0012】 また、前記防振手段として、前記リード線を前記基板に支持させる支持手段を有し、該支持手段は、前記リード線及び前記基板に付着した状態で弾性を有する弾性部材から成るものであってもよい。また、このような弾性部材の典型的な例としては、固化状態で弾性を有する接着剤を採用することができる。このような構成とすることにより、安価で且つ施工が容易な方法により、間接波の伝搬を抑制することができる。」 ウ 【0018】~【0022】、【図1】 「【0018】 (実施の形態1) 図1は、本実施の形態に係る超音波式流量計測装置(以下、「流量計測装置」と称する)の全体構成を示す正面断面図である。この図1に示すように、流量計測装置1は、直方体形状を成して所定容量を有するボックス状の筐体2を備えている。該筐体2は、その容量の大半を占めて上部が開口された筐体容器2aと、該筐体容器2aの上部開口を閉塞する筐体蓋部2bとから構成されており、この筐体容器2aの開口縁部と筐体蓋部2bの周縁部とが接続されることで、閉塞空間を形成する筐体2を成している。 【0019】 筐体蓋部2bの上面一側部には、筐体2の内外を連通するガス流入部3が備えられ、上面他側部には、同様に筐体2の内外を連通するガス流出部4が備えられている。更に、ガス流出部4の上流端部には、ガス流入部3を介して筐体2内に流入したガスの流量を計測するための流量計測部5が接続されている。 【0020】 このうちガス流入部3は、上下方向に軸芯を向けた比較的短寸の管状を成して、筐体蓋部2bを貫通して設けられたガス流入管10を備えている。このガス流入管10の上端は、図示しない上流側ガス供給配管が接続されるガス流入口10aを成す一方、下端は閉塞されている。また、ガス流入管10の下部の周壁部分には、該ガス流入管10の内外を連通するガス流出口10bが正面側へ開口するようにして形成されている。このガス流出口10bには、外部からの制御信号に基づいて駆動するバルブ11が設けられており、ガス流出口10bを開閉可能になっている。 【0021】 従って、バルブ11によりガス流出口10bが開放されている場合は、上流側ガス供給配管から供給されたガスが、ガス流入口10aを介してガス流入管10内に入り、ガス流出口10bを介して筐体2内へと導入される。一方、バルブ11によりガス流出口10bが閉塞されている場合は、ガス供給配管から供給されるガスの筐体2内への導入は制限される。 【0022】 ガス流出部4は、上下方向に軸芯を向けた比較的長寸の管状を成して、筐体蓋部2bを貫通して設けられたガス流出管12を備えている。このガス流出管12の上端は、図示しない下流側ガス供給管が接続されるガス流出口12aを成す一方、下端は閉塞されている。また、ガス流出管12の下部の周壁部分には、該ガス流出管12の内外を連通するガス流入口12bが筐体2の中心側へ向けて開口するように形成されている。そして、このガス流入口12bに流量計測部5が接続されている。」 「【図1】 [図:0001414757000001.jpg] 」 エ 【0023】~【0037】、【図2】 「【0023】 図2は、本実施の形態に係る流量計測装置1の流量計測部5を拡大して示す正面断面図(上側)及び平面図(下側)である。図2の正面断面図に示すように、主に流量計測部5は、管状(又は筒状)を成してガスが通流する流路部材20と、一対の超音波センサ30と、該超音波センサ30を駆動するための回路が実装された基板40とを備えている。 【0024】 流路部材20は、左右方向に軸芯を向けて配設されており、その一端はガスの導入口21を成し、他端は排出口22を成している。導入口21及び排出口22は何れも開口端へ向かうに従って拡径しており、特に、導入口21は軸芯を含む断面が円弧状を成し、排出口22は軸芯を含む断面が階段状を成している。この排出口22には、上述したガス流出部3のガス流入口12bが接続されるようになっている(図1参照)。また、流路部材20の上側壁部であって、導入口21と排出口22との間の部分には、センサ取付用開口23が形成されている。 【0025】 このセンサ取付用開口23には、センサ取付部材31が装着されるようになっており、該センサ取付部材31には、防振ゴム32を介して超音波センサ30が取り付けられている。センサ取付部材31は、およそ左右対称の構成になっており、左右で一対を成すように超音波センサ30(超音波センサ30A,30B)が取り付けられる。また、この超音波センサ30は、上記の通りセンサ取付部材31及び防振ゴム32を介して流路部材20に取り付けられると、一方から他方への超音波の伝搬経路R1(図2中に一点鎖線で示す、流路部材20内の経路)がV字状を成すようになっている。 【0026】 各超音波センサ30(30A,30B)は、超音波を発する超音波振動子33(33A,33B)を備えている。より詳しく説明すると、超音波センサ30は、防振ゴム32により支持されて容器状を成す導電性の振動ケース34と、該振動ケース34の上部開口を閉塞する導電性の封止蓋35を備えている。そして、振動ケース34内には超音波振動子33が収容されており、且つ、収容された状態で、振動ケース34の内底面が超音波振動子33の下面に当接するようになっている。また、超音波振動子33の上面と封止蓋35の内面との間には導電ゴム36が介装されている。 【0027】 これらの超音波振動子33には、それぞれ2本のリード線Lが接続されている。即ち、超音波振動子33Aについて言えば、一方のリード線L(リード線LA1)の一端が封止蓋35に接続されている。ここで、封止蓋35及びこれに接続された振動ケース34は何れも上述したように導電性を有しているため、結局のところ上記リード線LA1は、振動ケース34に当接する超音波振動子33Aの下面に接続された状態になっている。 【0028】 また、他方のリード線L(リード線LA2)の一端は、封止蓋35に形成された図示しない孔を通じて導電ゴム36に接続されており、該導電ゴム36を介して超音波振動子33Aの上面に接続されている。このように、2本のリード線LA1,LA2は、超音波振動子33Aの下面及び上面に接続されている。なお、超音波振動子33Bについても同じであり、2本のリード線L(リード線LB1,LB2)の一端は、それぞれ超音波振動子33Bの下面及び上面に接続されている。そして、これら4本のリード線Lの他端は、何れも基板40に接続されている。 【0029】 図2の平面図に示すように、基板40は、長方形状の基板部材において一対の対辺部分を矩形に切り欠いた形状になっている。換言すると、基板40は、矩形の切欠部41を有するH字形状を成している。そして、図2の側面断面図に示すように、このような基板40は、センサ取付部材31から立設された基板取付ボス42の上端に固着されている。また、上述したリード線Lが、切欠部41を通じて基板40の下面側から上面側へと引き出されており、基板40上の適宜端子43に対してハンダ付けされている。 【0030】 以上に説明した本実施の形態に係る流量計測装置1の場合、ガス流入部3から筐体2内へ導入されたガスが、流量計測部5の流路部材20を通り、更にガス流出部4を経て外部の配管へと供給される。そして、流量計測部5を通流する間に、ガスの流量が計測される。 【0031】 例えば超音波振動子33Aが送信側になってパルス状の超音波信号を発信し、超音波振動子33Bが受信側になってこの信号を受信する。次に、送受信側を交代し、超音波振動子33Bが送信側になってパルス状の超音波信号を発信し、超音波振動子33Aが受信側になってこの信号を受信する。このようにして、送信側と受信側とを順次交代しつつ、一方からの信号を他方が受信する。そして、この送受信に要する時間差から、流路部材20内を通流するガスの流速を算出し、更に流路部材20の通流断面積に基づいてガスの流量を算出している。 【0032】 ところで、この流量計測装置1の場合、一方の超音波振動子33Aに接続されたリード線L(リード線LA1,LA2)から、基板40を経て、他方の超音波センサ33Bに接続されたリード線L(リード線LB1,LB2)に至る経路R2が、振動を伝搬する経路になる可能性がある。即ち、ガス流量の計測用としては、流路部材20内のガスを媒体とする図2の一点鎖線で示される経路R1が、両方の超音波振動子33間を超音波信号が伝搬する正規のルートとして想定されている。しかしながら、両方の超音波振動子33間は、上述したようにリード線L及び基板40を介した経路R2でも結ばれている。従って、この経路R2を介して、送信側の超音波振動子33が発した超音波信号に由来する振動(間接波)が、受信側の超音波振動子33へ伝搬する可能性がある。 【0033】 そこで、本実施の形態に係る流量計測装置1では、上記経路R2上に防振手段を備えている。より具体的に説明すると、固化状態で弾性を有する接着剤45(支持手段を成す弾性部材の一例)を、リード線Lと基板40との間を結ぶように塗布することにより、基板40に対してリード線Lを支持させている。これにより、リード線Lを介して伝搬する振動は、接着剤45が有する弾性によって減衰され、受信側の超音波振動子33への伝搬を抑制することができる。 【0034】 なお、リード線のどの部分を基板40に対して接着するかは特に限定されないが、本実施の形態では、作業性等の観点から、リード線Lが基板40に接続される基板40上の端子43を含む部分に接着剤45が塗布されている。即ち、端子43とこれに接続されたリード線Lの端部とが埋没するように、接着剤45が塗布されている。 【0035】 また、図2に示す構成の場合、超音波振動子33Aに一端が接続されたリード線LA1,LA2の他端は、比較的近接した端子43に接続されている。従って、本実施の形態においては、これら2本のリード線LA1,LA2の他端を1つの塗布領域内に両方とも含むようにして、接着剤45が塗布されている。超音波振動子33Bに一端が接続されたリード線LB1,LB2の他端も比較的近接した端子43に接続されているため、これら2本のリード線LB1,LB2の他端についても、これらを1つの塗布領域内に両方とも含むようにして、接着剤45が塗布されている。 【0036】 なお、本実施の形態では、作業性等の観点から好適な接着剤45について例示したが、基板40とリード線Lとを結ぶ防振手段はこれに限られない。即ち、リード線L及び基板40の両方に付着することができて基板40に対してリード線Lを支持可能であり、且つリード線Lを伝搬する超音波信号に由来する振動を減衰可能な弾性部材であれば、他のものを採用してもよい。 【0037】 また、本実施の形態では、両方の超音波振動子33A,33Bに接続された計4本のリード線Lに対し、接着剤45による防振処理を施した場合を説明したが、これに限られない。即ち、何れか一方の超音波振動子33に接続された2本のリード線Lに対して防振処理を施せば、他方の超音波振動子33に接続されたリード線Lに対する防振処理は省略してもよい。例えば、リード線LA1,LA2に対して接着剤45により防振処理を施すことにより、リード線LB1,LB2に対する防振処理を省略しても、経路R2を介した振動の伝搬を抑制することができる。」 「【図2】 [図:0001414757000002.jpg] 」 オ 【0051】 「【0051】 また、リード線Lをその途中で折り曲げて屈曲部を形成することによっても、該屈曲部を設けたリード線Lを介する振動の伝搬を抑制することができる。従って、上述した実施の形態1~4の構成に合わせて、あるいは単独で、リード線Lに防振手段を成す屈曲部を設けることとしてもよい。なお、この屈曲部は直角以下の鋭角を成すように形成することが、防振効果の上で好ましい。」 (2) 引用発明の認定 前記(1)において摘記した事項を総合すると、引用文献1には、図2に示されたものに対応する発明として、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 [引用発明] 「一対の超音波センサ30と、該超音波センサ30を駆動するための回路が実装された基板40とを備えている、流量計測装置1の流量計測部5であって、(【0023】) 各超音波センサ30(30A,30B)は、超音波を発する超音波振動子33(33A,33B)を備え、(【0026】) 超音波振動子33Aが送信側になってパルス状の超音波信号を発信し、超音波振動子33Bが受信側になってこの信号を受信し、 次に、送受信側を交代し、超音波振動子33Bが送信側になってパルス状の超音波信号を発信し、超音波振動子33Aが受信側になってこの信号を受信するようにして、 送信側と受信側とを順次交代しつつ、一方からの信号を他方が受信し、 この送受信に要する時間差から、流路部材20内を通流するガスの流速を算出し、更に流路部材20の通流断面積に基づいてガスの流量を算出するものであり(【0031】) これらの超音波振動子33には、それぞれ2本のリード線Lが接続されており、(【0027】) 固化状態で弾性を有する接着剤45を、リード線Lと基板40との間を結ぶように塗布することにより、基板40に対してリード線Lを支持させ、これにより、リード線Lを介して伝搬する振動は、接着剤45が有する弾性によって減衰され、受信側の超音波振動子33への伝搬を抑制することができる、(【0033】) 流量計測部5。」 4 対比 (1) 対比分析 本願発明と引用発明を対比する。 ア 変換器アセンブリの発明である点 (ア) 「変換器アセンブリ」という用語について、明細書の【0002】には次の記載がある。 「変換器アセンブリ、および2つの変換器アセンブリを備えた超音波測定システムは、良く知られている。例えば、超音波変換器は、気体もしくは液体のような媒体の流量を判定するのに、または流れる媒体中の気泡もしくは粒子を検出するのに使用される。」 (イ) そうすると、超音波により流量を測定する装置は、「変換器アセンブリ」であるといえる。 (ウ) 引用発明の「流量計測部5」は、次の構成を備えるものであるから、上記(イ)の「変換器アセンブリ」の用語の解釈を踏まえると、引用発明は、「変換器アセンブリ」の発明であるといえる。 「 超音波振動子33Aが送信側になってパルス状の超音波信号を発信し、超音波振動子33Bが受信側になってこの信号を受信し、 次に、送受信側を交代し、超音波振動子33Bが送信側になってパルス状の超音波信号を発信し、超音波振動子33Aが受信側になってこの信号を受信するようにして、 送信側と受信側とを順次交代しつつ、一方からの信号を他方が受信し、 この送受信に要する時間差から、流路部材20内を通流するガスの流速を算出し、更に流路部材20の通流断面積に基づいてガスの流量を算出する」 (エ) したがって、本願発明と引用発明は、「変換器アセンブリ」の発明である点において一致する。 イ 超音波変換器について (ア) 引用発明における「リード線L」は、本願発明における「ワイヤ」に相当し、引用発明における「2本のリード線L」は全体として、本願発明における「2つのワイヤを有する接続ケーブル」に相当する。 (イ) 前記(ア)も踏まえると、引用発明における「超音波を発する超音波振動子33(33A,33B)を備え」、「これらの超音波振動子33には、それぞれ2本のリード線Lが接続されて[いる]」「超音波センサ30」は、本願発明における「2つのワイヤを有する接続ケーブルを含む超音波変換器」に相当する。 (ウ) したがって、本願発明と引用発明は、次の点において一致する。 「2つのワイヤを有する接続ケーブルを含む超音波変換器を備え[る]」点。 ウ 構造伝達音減衰デバイスについて (ア) 「構造伝達音減衰デバイス」という用語の解釈について a まず、「構造伝達音減衰デバイス」という用語について、本願明細書の発明の詳細な説明を参酌して検討する。 b 本願明細書には、「構造伝達音減衰デバイス」に関し、次の(a)、(b)の記載がある。(下線は当審による。) (a) 【0033】、【図1】 「【0033】 図1の例示的実施形態では、減衰デバイス6は、ワイヤ4、5の少なくとも1つを備え、更にはそれから成る。特に、減衰デバイス6は、ノット7を形成するワイヤ4、5の両方を備えてもよい。ノット7は減衰要素8として指定されてもよい。特に、ワイヤ4、5は、例えばハンドオーバー・ノット7に、きつく結ばれてもよい。ノット7によるワイヤ4、5の絡み合わされたまたは撚り合わされた構成により、ワイヤ4、5の周囲にほぼ完全にまたは全体的に圧力が作用してもよい。 …<後略>…」 「【図1】 [図:0001414757000003.jpg] 」 (b) 【0037】、【0039】、【図5】 「【0037】 図5は、変換器アセンブリ1の別の例示的実施形態を概略斜視図で示している。簡潔にするため、上述の例示的実施形態との違いのみについて以下で見ていく。図3(当合議体注:「図5」の誤記)の例示的実施形態の減衰デバイス6は、凝固した媒体の要素14を備え、そこを通ってケーブル3が延在する。」 「【0039】 固化または硬化の際、媒体は収縮することがあり、それによって、凝固した要素14がケーブル3および/またはワイヤ3、4に作用させる圧力が増加してもよい。それに加えて、ワイヤ3、4が互いに接触し、接触ギャップをもたらす場合、収縮する媒体によってワイヤ3、4が互いに押圧されることがあり、そのことが、接触ギャップであっても構造伝達音の伝播を更に低減する助けとなる。媒体は、プラスチック材料、シーラント材料(例えば、シーラント・パテ)、結合材料(例えば、接着剤、熱接着剤、もしくはブル・タックなど)を含んでもよい。特に、要素が射出成形によって形成される場合、媒体は熱可塑性樹脂を含んでもよい。」 「【図5】 [図:0001414757000004.jpg] 」 c 前記b(a)、(b)に摘記した記載を参酌すると、本願発明の「構造伝達音減衰デバイス」は、「リード線を屈曲させた「ノット」構造」及び「リード線を「接着剤」により結合させた構造」を包摂するといえる。 (イ) 前記(ア)の「構造伝達音減衰デバイス」の解釈を踏まえた検討 前記(ア)の検討結果を踏まえると、引用発明における「「基板40に対してリード線Lを支持させ[る]」「固化状態で弾性を有する接着剤45」」は、本願発明における「前記接続ケーブルに圧力を働かせ[る]」「構造伝達音減衰デバイス」に相当する。 (ウ) そうすると、本願発明と引用発明は、次のaの点において共通するものであり、「構造伝達音減衰デバイス」について、後記bの点において相違すると認められる。 a 「構造伝達音減衰デバイス」についての共通点 「前記接続ケーブルに圧力を働かせる構造伝達音減衰デバイス」を備える点。 b 「構造伝達音減衰デバイス」についての相違点 本願発明においては、「構造伝達音減衰デバイス」が「超音波測定信号が前記超音波変換器に達することが予期される時間窓の外で前記接続ケーブルを介して前記超音波変換器に戻るように構造伝達音を反射させる」ものであるのに対して、 引用発明においては、「「基板40に対してリード線Lを支持させ[る]」「固化状態で弾性を有する接着剤45」」について、次の(a)、(b)に示す2点が明示的に特定されていない点。 (a) 構造伝達音を反射させる点 (b) 反射された構造伝達音が超音波センサ30(30A,30B)に戻る時間と超音波測定信号が前記超音波センサ30(30A,30B)に達することが予期される時間窓との関係 (2) 一致点及び相違点の認定 前記(1)の対比分析の検討結果をまとめると、本願発明と引用発明は、次のアに示す一致点において一致し、後記イに示す相違点において相違する。 ア 一致点 「2つのワイヤを有する接続ケーブルを含む超音波変換器を備え、 前記接続ケーブルに圧力を働かせる構造伝達音減衰デバイスを備える変換器アセンブリ」である点。 イ 相違点 本願発明においては、「構造伝達音減衰デバイス」が「超音波測定信号が前記超音波変換器に達することが予期される時間窓の外で前記接続ケーブルを介して前記超音波変換器に戻るように構造伝達音を反射させる」ものであるのに対して、 引用発明においては、「「基板40に対してリード線Lを支持させ[る]」「固化状態で弾性を有する接着剤45」」について、 次の(a)、(b)に示す2点が明示的に特定されていない点。 (a) 構造伝達音を反射させる点 (b) 反射された構造伝達音が超音波センサ30(30A,30B)に戻る時間と超音波測定信号が前記超音波センサ30(30A,30B)に達することが予期される時間窓との関係 5 判断 (1) 本願発明の容易性について ア 相違点の想到容易性について 上記相違点について検討する。 (ア) リード線Lに屈曲部を形成する点の想到容易性について a 引用文献1の段落【0051】は、次のように記載されている。 「また、リード線Lをその途中で折り曲げて屈曲部を形成することによっても、該屈曲部を設けたリード線Lを介する振動の伝搬を抑制することができる。従って、上述した実施の形態1~4の構成に合わせて、あるいは単独で、リード線Lに防振手段を成す屈曲部を設けることとしてもよい。なお、この屈曲部は直角以下の鋭角を成すように形成することが、防振効果の上で好ましい。」 b したがって、引用文献1の記載中の示唆に従って、「「基板40に対してリード線Lを支持させ[る]」「固化状態で弾性を有する接着剤45」」に併せて、又は、替えて、「リード線Lをその途中で折り曲げて直角以下の鋭角を成すように形成された防振手段をなす屈曲部」(以下、単に「防振手段をなす屈曲部」という。)を形成することは、当業者が適宜選択できる設計上の事項にすぎない。 (イ) 構造伝達音を反射させる点について a 前記4(1)ウ(ア)において検討したように、本願発明の「構造伝達音減衰デバイス」は、「リード線を屈曲させた「ノット」構造」を包摂するものである。 b そして、引用文献1においては、屈曲部が超音波を反射させることについては説明がないものの、実際上、超音波の反射波は厳密にはゼロではなく、超音波を多少は反射させるものであることは明らかである。 c したがって、引用発明において、引用文献1の示唆に従ってリード線Lに形成した防振手段をなす屈曲部は、「構造伝達音を反射させる構造伝達音減衰デバイス」であるといえる。 (ウ) 反射波が戻る時間と超音波測定信号が到達する時間窓の関係について a 引用発明は、次のように構成されている。 「各超音波センサ30(30A,30B)は、超音波を発する超音波振動子33(33A,33B)を備え、 超音波振動子33Aが送信側になってパルス状の超音波信号を発信し、超音波振動子33Bが受信側になってこの信号を受信し、 次に、送受信側を交代し、超音波振動子33Bが送信側になってパルス状の超音波信号を発信し、超音波振動子33Aが受信側になってこの信号を受信するようにして、 送信側と受信側とを順次交代しつつ、一方からの信号を他方が受信し、 この送受信に要する時間差から、流路部材20内を通流するガスの流速を算出し、更に流路部材20の通流断面積に基づいてガスの流量を算出する」 b そうすると、「超音波振動子33A」が送信側として機能している期間(反射信号が発生している期間)は、「超音波振動子33A」は受信側としては機能しておらず、当該期間が「超音波測定信号が前記超音波変換器に達することが予期される時間窓の外」に相当するものであることは明らかである。 (エ) 相違点についてのまとめ 前記(ア)から(ウ)に検討したとおり、引用発明の「基板40に対してリード線Lを支持させ[る]」「固化状態で弾性を有する接着剤45」に併せて、又は、替えて、「リード線L」に「防振手段をなす屈曲部」を形成することは、当業者が容易に想到し得たものであるところ、この「防振手段をなす屈曲部」は、構造伝達音を反射させるものであって、反射された構造伝達音が超音波センサ30(30A,30B)(「超音波変換器」に相当する。)に戻る時間は、超音波測定信号が前記超音波センサ30(30A,30B)に達することが予期される時間窓の外」であることは明らかである。 したがって、引用発明において前記相違点にかかる構成を備えるようにすることは、引用文献1の記載中の示唆に従って、当業者が容易に想到し得たものである。 イ 本願発明の容易性についての判断のまとめ 前記アに検討のとおり、引用発明において前記相違点にかかる構成を備えるようにすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 そして、本願発明の奏する効果としては、当該構成のものとして、当業者が予測困難であり、かつ、格別顕著な効果は認められない。 したがって、本願発明は、当業者が引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものである。 (2) 請求人の主張について 審判請求書において、請求人は、本件補正後の請求項1に係る発明が進歩性を有する旨主張するが、前記第2で説示したように、本件補正は却下したので、請求人の審判請求書における主張は採用できない。 また、請求人は、令和4年10月31日提出の意見書において、本願発明は、引用発明に対して「前記接続ケーブルに圧力を働かせて、超音波測定信号が前記超音波変換器に達することが予期される時間窓の外で前記接続ケーブルを介して前記超音波変換器に戻るように構造伝達音を反射させる構造伝達音減衰デバイスを備える」という点で相違し、当該相違点は設計変更でもないものであるから、本願発明が進歩性を有する旨主張する。 しかし、相違点が容易に想到できるものであることは、前記(1)において説示したとおりであるから、請求人のかかる主張は採用できない。 第4 むすび 以上検討のとおり、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-007037

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