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特許拒絶査定不服審判

2023-004855

ポインティング装置

審判番号
2023-004855
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-246528
請求日
2023年03月23日
審決日
2023年12月04日
公報発行日
2024年01月26日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】国立大学法人高知大学
  • 【請求人代理人】弁理士法人三枝国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 岩間 直純
  • 審判官 山内 裕史
  • 審判官 野崎 大進
分類
P18 .121-WY (G06F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018-246528「ポインティング装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 7月 9日出願公開、特開2020-107149、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成30年12月28日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和4年 8月23日付け:拒絶理由通知書 令和4年10月28日: 意見書、手続補正書の提出 令和5年 1月31日付け:拒絶査定 令和5年 3月23日: 審判請求書の提出 令和5年 8月 1日付け:拒絶理由(当審拒絶理由)通知書 令和5年 9月11日: 意見書、手続補正書の提出 第2 原査定の概要 原査定(令和5年1月31日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 本願請求項1-2、6に係る発明は、以下の引用文献A、F、Gに基づいて、本願請求項3-5に係る発明は、以下の引用文献A、D-Gに基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 <引用文献等一覧> A.川島 徹也,”ホログラフィックプロジェクタによる非平行面への映像投影”,IMPS IMAGE MEDIA PROCESSING SYMPOSIUM 2014,2014年12月22日 B.(欠番) C.(欠番) D.特開2005-114996号公報(周知技術を示す文献) E.特開2015-149648号公報(周知技術を示す文献) F.国際公開第2015/072150号(周知技術を示す文献) G.特開2016-149094号公報(周知技術を示す文献) 第3 当審拒絶理由の概要 当審拒絶理由の概要は次のとおりである。 本願請求項1-6に係る発明は、以下の引用文献1に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 <引用文献等一覧> 1.特開2015-163968号公報(当審において新たに引用された文献) 第4 本願発明 本願請求項1-6に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明6」という。)は、令和5年9月11日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1-6に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。 「 【請求項1】 ユーザが操作体を用いて該操作体から離間した対象領域内にポインティングを行うためのポインティング装置であって、 前記操作体の映像を取得する撮影手段と、 前記操作体の映像に基づいて、前記操作体が前記対象領域内において指し示す位置である指示位置を特定する指示位置特定手段と、 前記指示位置特定手段によって特定された指示位置に、計算機合成ホログラムによる点状の立体像を表示させる立体像表示手段と、 を備えた、ポインティング装置。」 また、本願発明2-6は、本願発明1を減縮した発明である。 第5 引用文献、引用発明等 1 引用文献1及び引用発明 (1) 引用文献1 当審拒絶理由に引用した引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審で付した。以下同様。)。 「【図10】 [図:0001405685000001.jpg] 」 「【0472】 例示的システムおよび制御 図10は、投影システムの幾つかの主要なユニットおよびそれらの間のインタラクションを示す、例示的システム900の簡易ブロック図である。 【0473】 システム900は、ホログラムを生成しかつ投影するためにドライバ915によって駆動される投影ユニット910を含む。投影ユニット910はSLM920を含む。 【0474】 システム900はまた、SLM920の各画素の所望の光学的挙動を計算するための演算ユニット(930)、および演算ユニット930によって計算された所望の光学的挙動に従ってSLM920の各画素の光学的挙動を駆動するためのSLMドライバ(940)をも含む。 【0475】 演算ユニット930は、例えばデータセット、画像、またはビデオストリーム、任意選択的に3次元もしくはボリュメトリック画像、任意選択的に3次元もしくはボリュメトリック画像のストリームを入力として受け取る。入力は任意選択的にデジタル形式である。代替的に、入力はアナログ形式である。一部の実施形態では、3D画像の表面だけが提供される。任意選択的に、データはSLMに流すために事前計算される。代替的に、ユニット930は、例えば下述するように、入力からSLMデータを生成する。任意選択的に、ユニット930はデータを生成し、かつ/またはユーザがいるかまたは(例えば人間の頭部の特定の移動速度を想定して)ユーザがいると予想される観察方向にだけ入力をレンダリングする。任意選択的に、例えばデータの獲得における遅延および/またはそのようなデータのレンダリングにおける遅延のため、アイトラッカによる新しいユーザの検出とそれに対する画像(または完全な画像)の提示との間に遅れ(例えば数秒または数分の1秒)が存在する。」 「【0481】 例示的操作シーケンスでは、ビデオストリームは演算ユニット930に入力され、それはSLM920の種々の画素の所望の光学的挙動を計算する。演算ユニット930は計算された値をSLMドライバ940に伝達し、該ドライバはそれに従ってSLM920を駆動する。生成および投影ユニット910はSLM920を用いて物体ホログラムを生成し、物体ホログラムを投影する。」 「【0525】 ユーザインタフェース ユーザが動きながら3D空間でインタラクションを実行することができるときに、3Dインタラクションが発生する。マン・マシン・インタラクションは、人間および機械の両方が情報を受け取りかつ処理し、次いでその処理の出力を互いに提示することを要求する。目的を達成するために、ユーザは操作を行い、またはコマンドを機械に与える。機械はユーザによって提供された情報を受け取り、何らかの処理を実行し、次いで結果をユーザに提示する。」 「【0539】 ユーザインタフェースの一部の適用では、空中浮遊ディスプレイは、本書に記載したボリュメトリックディスプレイの実施形態を利用する。ユーザインタフェースの他の適用では、それらの特性が特定の適用をサポートすることを前提として、任意選択的に他のボリュメトリックディスプレイが使用される。」 「【0547】 位置決定ユニットは任意選択的に、幾つかの非限定例として、様々な方向に沿って画像を取り込みかつ3次元で位置を三角測量するように搭載されたカメラのような、3次元で物体(例えば指1330)の位置を突き止めるためのユニット、および/または表示空間1310内で物体までの距離を測定する距離測定ユニットを備える。」 「【0557】 ユーザインタフェース1350はまた任意選択的に、ボリュメトリックディスプレイ1355に制御およびデータ1390を提供するコンピュータ1385をも含む。ポインタ1380の位置は、位置決定ユニット(図示せず)によって突き止められる。位置決定ユニットは任意選択的に、表示空間1360内に配置された実際の物体を識別することによって、ポインタ1380の位置を決定する。」 「【0570】 ユーザインタフェースは任意選択的に、1つ以上の位置入力の移動を経時的に追跡し、かつ任意選択的に、表示空間における移動を追跡する1つ以上の経路を、任意選択的に表示空間に表示された画像上に重ね合わせて表示する。 【0571】 例示的適用では、ユーザインタフェースは任意選択的に、空のディスプレイから開始し、1つ以上の位置入力の移動を経時的に追跡し、表示空間における移動を追跡する1つ以上の経路を、任意選択的に実時間でかつ/または略実時間で表示する。」 「【図15】 [図:0001405685000002.jpg] 」 「【0589】 ここで図15を参照すると、それは、本発明の実施形態に従って構成されかつ動作するユーザインタフェース1500によって表示される同一物体と対話する、2人のユーザ1571 1572の略図である。 【0590】 図15のユーザインタフェース1500は、任意選択的に互いに相手から遠く離れている2つのボリュメトリックディスプレイ1556 1557を含む。2つのボリュメトリックディスプレイ1556 1557は任意選択的に、各々コンピュータ1551 1552に接続され、2つのコンピュータ1551 1552は任意選択的に、機能的接続1554によって互いに機能的に接続される。 【0591】 図15の実施形態の場合の第1使用例では、第1ボリュメトリックディスプレイ1556は、第1ボリュメトリックディスプレイ1556の表示空間1561に第1物体1565を表示する。第1ユーザ1571はポインタ1581を用いて第1物体1565を指し示す。ポインタ1581によって示された位置はピックアップされ、第1コンピュータ1551に転送される1596。第1コンピュータ1551は任意選択的に、第1ユーザ1571がどこを指し示したかを示す信号および/またはデータを第1ボリュメトリックディスプレイ1556に送信し、任意選択的に第1ユーザ1571にフィードバックを提供し、かつ任意選択的に、機能的接続1554を介してデータを第2コンピュータ1552に送信する。 【0592】 第2コンピュータ1552は任意選択的に、信号および/またはデータを第2ボリュメトリックディスプレイ1557に送信し、該ディスプレイは任意選択的に、第2物体1566の画像を第2ボリュメトリックディスプレイ1557の表示空間1562に表示する。 【0593】 第2物体1562の画像は任意選択的に、第1物体1561の画像と同じように見える。第2物体1562の画像は任意選択的に、第1ユーザ1571が指し示した位置の標識をも含む。」 (2) 引用発明 したがって、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「システム900は、投影ユニット910を含み、投影ユニット910はSLM920を含み、 システム900は演算ユニット930、およびSLMドライバ940を含み、 演算ユニット930は、ボリュメトリック画像のストリームを入力として受け取り、 ストリームは演算ユニット930に入力され、SLM920の種々の画素の所望の光学的挙動を計算し、演算ユニット930は計算された値をSLMドライバ940に伝達し、該ドライバはそれに従ってSLM920を駆動し、投影ユニット910はSLM920を用いて物体ホログラムを生成し、物体ホログラムを投影する、 システム900の、 ユーザインタフェースの適用では、ボリュメトリックディスプレイの実施形態を利用し、 位置決定ユニットは画像を取り込むカメラの3次元で物体の位置を突き止めるためのユニットを備え、 位置決定ユニットは、表示空間内に配置された実際の物体を識別することによって、ポインタの位置を決定し、 ユーザインタフェースは、互いに相手から遠く離れている2つのボリュメトリックディスプレイ1556 1557を含み、2つのボリュメトリックディスプレイ1556 1557は、各々コンピュータ1551 1552に接続され、2つのコンピュータ1551 1552は互いに接続され、 第1ボリュメトリックディスプレイ1556は、第1ボリュメトリックディスプレイ1556の表示空間1561に第1物体1565を表示し、第1ユーザ1571はポインタ1581を用いて第1物体1565を指し示し、ポインタ1581によって示された位置はピックアップされ、第1コンピュータ1551に転送され、第1コンピュータ1551は、第1ユーザ1571がどこを指し示したかを示す信号および/またはデータを第2コンピュータ1552に送信し、 第2コンピュータ1552は信号および/またはデータを第2ボリュメトリックディスプレイ1557に送信し、該ディスプレイは、第2物体1566の画像を第2ボリュメトリックディスプレイ1557の表示空間1562に表示し、 第2物体1562の画像は第1物体1561の画像と同じように見え、第2物体1562の画像は、第1ユーザ1571が指し示した位置の標識を含む、 ユーザインタフェース。」 2 引用文献A、D-Gについて (1) 引用文献A 引用文献Aには、以下の記載がある。 【Fig.1】 「 [図:0001405685000003.jpg] 」 【1ページ左欄24行~右欄10行】 「2 ホログラフィックプロジェクタ ホログラムは被写体となる物体の表面で散乱する光を感光材料に干渉縞として記録した媒体である.また,干渉縞を記録する際の光伝搬をコンピュータ上でシミュレートすることにより,電子データとして作成されたホログラムは計算機合成ホログラム(ComputerGenerated Hologram: CGH)と呼ばれる.ホログラフィックプロジェクタでは,投影したい映像から作成したCGHを用いて映像投影を行う. Fig.1に,ホログラフィックプロジェクタの投影光学系の概略図を示す.まず,投影したい映像から回折計算によって距離z離れた位置での光波場を求め,CGHを作成する.これを画素間隔pのLCDに表示し,ハーフミラーを用いて,波長λの平行光(参照光)を照射する.これにより,照射された光は投影映像の情報を持つ光(物体光)となり,ハーフミラーを透過して距離z離れた位置にあるスクリーンに映像が投影される.この際,回折現象により,回折角θの位置に式(1)を満たすような次数mの回折像昿距離λz/p間隔で生じる. psinθ=mλ (1) また,参照光がLCDでそのまま反射された光(直接光)もスクリーンに映る.」 (2) 引用文献D 引用文献Dには、以下の記載がある。 「【図1】 [図:0001405685000004.jpg] 」 「【0018】 図1は、本発明の実施形態に係るプロジェクタ装置10を用いたプロジェクタシステム60を示す。プロジェクタシステム60は、プロジェクタ装置10、プロジェクタ装置10に投影画像を入力するPC(パーソナルコンピュータ)30、プロジェクタ装置10からの投影画像を表示するスクリーン40、PC30とネットワーク等を用いて通信可能な他のPC70、他のPC70と通信可能な他のプロジェクタ装置20、および、他のプロジェクタ装置20からの投影画像を受ける他のスクリーン50を有する。利用者44は、筆記具42を用いてスクリーン40に直接書き込みをする。スクリーン40の例は、スチール製のホワイトボード、裏面がすりガラスのガラス板、白紙または白壁である。また、筆記具42の例は水性ペンである。 【0019】 本発明の実施形態に係るプロジェクタ装置10は、スクリーン40を撮像することにより、利用者44により直接スクリーン40に書き込まれた書き込みを取り込む。また、プロジェクタ装置10は、取り込んだ書き込みを投影画像と共に他のプロジェクタ装置20に送信し、他のプロジェクタ装置20は、受信した書き込みを投影画像に重畳して他のスクリーン50に投影する。」 (3) 引用文献E 引用文献Eには、以下の記載がある。 「【図12】 [図:0001405685000005.jpg] 」 「【0002】 プロジェクタの投影画面に対して専用のペンや指を使用して、文字や図形を描くことができ、プロジェクタ自体や投影画面元となるコンピュータを操作可能な双方向のインタラクティブ技術がすでに知られている。インタラクティブの方式としては、DLP(Digital Light Processing)(登録商標)プロジェクタのポイントブランクやカメラを使用した方式等がある。 【0003】 また、ペン等のポインティングデバイスを用いて投影画面に描かれた文字や図形情報を、ネットワーク経由で遠隔地に設けられた他のデバイスへ転送し、投影画面に描いた文字や図形を、リアルタイムで遠隔地と共有する技術も既に知られている。図12は、従来の画像投影システムの概要について説明する構成図である。」 (4) 引用文献F 引用文献Fには、以下の記載がある。 「[図1] [図:0001405685000006.jpg] 」 「[0015] 図1(A)は、本実施形態の情報処理システム100の動作概要を模式的に示す説明図である。図1(A)に示す情報処理システム100は、情報表示装置1と、センサ5とを含む構成である。センサ5は、接続ケーブルCBを介して、情報表示装置1に接続されている。図1(A)の説明を簡単にするために、情報表示装置1のディスプレイ19には、コンテンツ(例えば動画)の選択画面が表示されているとする。 [0016] センサ5は、所定のセンシング範囲SRの内部に存在するユーザの指FGを検知する。情報表示装置1は、センサ5が出力した検知結果信号(後述参照)に応じて、センサ5がユーザの指FGを検知したことを示す検知ポインタPTをディスプレイ19に表示させ、更に、ディスプレイ19に表示されたコンテンツの選択画面に対する処理を開始又は終了させるための不感領域ARを表示させる。検知ポインタPT及び不感領域ARの表示タイミングは同時でも良いし、検知ポインタPTが先に表示された後に不感領域ARが表示されても良い。 [0017] センサ5は、センシング範囲SR内に存在するユーザの指FGの上下左右の各方向への移動を検知でき、検知結果を含む検知結果信号を情報表示装置1に出力する。なお、センサ5は、指FGがセンシング範囲SR内から外れた場合には、指FGを検知できなかった旨の検知結果を含む検知結果信号を情報表示装置1に出力する。情報表示装置1は、センサ5が出力した検知結果信号に応じて、センシング範囲SR内の指FGの移動経路(軌跡)に合わせて検知ポインタPTをディスプレイ19において移動させ、指FGがセンシング範囲SR内を外れた場合に検知ポインタPTをディスプレイ19から非表示させる。なお、本実施形態の説明を簡単にするために、センサ5はセンシング範囲SR内の指FGを検知するものとして説明するが、センサ5の検知対象はユーザの指FGに限定されない。センサ5の検知対象がユーザの指FG以外である場合の説明は後述する。」 「[図15] [図:0001405685000007.jpg] 」 「[0086] なお、上述した本実施形態では、センサ5は、センシング範囲SRに存在するユーザの指FGを検知するものとして説明したが、検知対象としてはユーザの指FGに限らず、例えばユーザの手又は掌を検知することもできる。例えばセンサ5がユーザの掌を検知した場合の情報表示装置1の動作について、図15を参照して説明する。図15は、掌の検知を示す検知ポインタPT3の不感領域AR3内の上下方向の移動に応じて、マップMPを詳細表示又は広域表示する例の説明図である。 [0087] 先ず、ディスプレイ19には、コンテンツの一例としてマップMPのデータが表示され、検知ポインタPT及び丸形状の不感領域AR2も表示されている場合を想定する(図15の上側参照)。検知ポインタPTは不感領域AR2の初期範囲の中心に表示されている。 [0088] ここで、ユーザが指FGを立てている状態から手を開いてことで、センサ5がセンシング範囲SRに存在するユーザの掌を検知し、ユーザの掌を検知した旨の検知結果を含む検知結果信号を情報表示装置1に出力したとする。情報表示装置1は、センサ5からの検知結果信号を受けて、点形状の検知ポインタPT及び丸形状の不感領域AR2を、棒形状の検知ポインタPT3及び矩形形状の不感領域AR3をディスプレイ19に表示させ、更に、コンテンツ(例えばマップMP)を詳細表示するための拡大ボタンCB1とコンテンツ(例えばマップMP)を広域表示するための縮小ボタンCB2とをディスプレイ19に表示させる。」 (5) 引用文献G 引用文献Gには、以下の記載がある。 「【図5】 [図:0001405685000008.jpg] 」 「【0050】 処理部6が実行する処理のうち、ポインタ表示処理について説明する。図5は、ポインタ表示処理とポイント動作とを示す図である。ポインタとは、表示装置2に表示された各種機能を呼び出すメニューなどを選択するための図形である。本実施形態のポインタは点状、より詳しくは略円形状の図形である。 【0051】 図5(a)に示すように、ポインタ表示処理の一つとして、ポインタの表示処理を行う。具体的には、判定部5により手50がサークル動作をしたと判定されたとき、処理部6はポインタ30を非表示状態から表示状態とし、表示部7を介して表示装置2に表示させる。このとき、ポインタ30は略円形状をなし、運転者はそのポインタ30の形状(円形状)に合致した動作、すなわち、手のサークル動作を行うことで同ポインタ30を感覚的にスムーズに表示することが可能となる。 【0052】 図5(b)に示すように、ポインタ表示処理の一つとして、手のポイント動作に対応して表示位置を計算し、その表示位置にポインタ30が表示されるように表示部7に命令する処理を行う。具体的には、判定部5により手50がポイント動作をしたと判定されたとき、処理部6はポイント動作の方向に合わせて移動させた新たな位置に、表示部7を介して表示装置2にポインタ30を表示させる。 【0053】 図5(c)に示すように、ポインタ表示処理の一つとして、選択処理を実行する。選択処理とは、ポインタが重なっているメニューや各種情報に応じた処理を行うことをいう。例えば、ポインタがメニューに重なっているときにクリック動作が行われると、処理部6は、そのメニューにある各種機能、例えば空調装置の温度設定機能を呼び出す処理を行う。他にもポインタが各種情報に重なっているときにクリック動作が行われると、処理部6は、各種情報を消去したり、拡大したり、別の情報を表示させたりなど、各種の処理を実行する。 【0054】 上述したように、判定部5により手の動きから各種の動作が判定され、処理部6により当該動作に対応した各種の処理が実行される。これにより、運転者は、前方に配置された表示装置2を見ながら、ハンドル近傍で手の動作を行うことで、車両に搭載された各種機器を操作することができる。したがって、運転姿勢を崩すことなく安全に各種機器の操作を行うことができる。」 第6 対比・判断 1 本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。 ア 引用発明の「ポインタ」は、操作を行うための物体であるから、本願発明1の「操作体」に相当する。 イ 引用発明の「ユーザインタフェース」において「第1ボリュメトリックディスプレイ1556は、第1ボリュメトリックディスプレイ1556の表示空間1561に第1物体1565を表示し、第1ユーザ1571はポインタ1581を用いて第1物体1565を指し示」すことにおいて、当該「ユーザインタフェース」は、「第1ユーザ1571」が、「ポインタ1581」を用いて、「指し示」す対象となる「表示空間1561」という領域内に「指し示」すために用いられていると認められる。 したがって、上記アを踏まえると、引用発明の「ユーザインタフェース」は、本願発明1の「ユーザが操作体を用いて該操作体から離間した対象領域内にポインティングを行うためのポインティング装置」と、「ユーザが操作体を用いて」「対象領域内にポインティングを行うためのポインティング装置」である点で共通する。 ウ 引用発明の「位置決定ユニット」は、「画像を取り込むカメラの3次元で物体の位置を突き止めるためのユニット」であって、「表示空間内に配置された実際の物体を識別することによって、ポインタの位置を決定」するものであるから、「ポインタ」の「画像」という映像を「取り込む」「カメラ」という撮影手段であって、「ポインタ」の「画像」に基づいて、「ポインタ」が「表示空間内」という「ポインタの位置」を「決定」する対象となる領域内において「ポインタ」が指し示す「位置」を「決定」している手段であるといえる。 したがって、上記アを踏まえると、引用発明の「位置決定ユニットは画像を取り込むカメラの3次元で物体の位置を突き止めるためのユニット、を備え、位置決定ユニットは、表示空間内に配置された実際の物体を識別することによって、ポインタの位置を決定」する構成は、本願発明1の「前記操作体の映像を取得する撮影手段と、前記操作体の映像に基づいて、前記操作体が前記対象領域内において指し示す位置である指示位置を特定する指示位置特定手段」を備える構成に相当する。 エ 引用発明の「システム900」は、「システム900」が「含」む「演算ユニット930」が「ボリュメトリック画像のストリームを入力として受け取り」、「光学的挙動を計算し」、「計算された値」「に従って」「物体ホログラムを生成し、物体ホログラムを投影する」から、「生成し」「投影する」「物体ホログラム」は、「演算ユニット930」という計算機の計算結果を合成した結果による、「ボリュメトリック画像」という立体情報を持つ画像を表示した「ホログラム」であると認められる。 また、引用発明の「システム900」は、「ボリュメトリック画像のストリームを入力として受け取り」、「物体ホログラムを生成し、物体ホログラムを投影する」から、「ボリュメトリック画像」という立体情報を持つ画像を表示する手段であるといえる。 したがって、引用発明の「システム900」は、本願発明1の「計算機合成ホログラムによる」「立体像を表示させる立体像表示手段」に相当する。 オ 引用発明の「システム900」は、「ボリュメトリック画像のストリームを入力として受け取り」、「物体ホログラムを生成し、物体ホログラムを投影する」から、「ボリュメトリック画像」を表示するディスプレイ装置であるといえる。 したがって、引用発明の「ユーザインタフェースの適用では、ボリュメトリックディスプレイの実施形態を利用」することにおける「ボリュメトリックディスプレイの実施形態」は、引用発明の「システム900」を指すものである。 カ 引用発明の「ユーザインタフェース」において「第1ボリュメトリックディスプレイ1556は、第1ボリュメトリックディスプレイ1556の表示空間1561に第1物体1565を表示し、第1ユーザ1571はポインタ1581を用いて第1物体1565を指し示し、ポインタ1581によって示された位置はピックアップされ、第1コンピュータ1551に転送され、第1コンピュータ1551は、第1ユーザ1571がどこを指し示したかを示す信号および/またはデータを第2コンピュータ1552に送信し、第2コンピュータ1552は信号および/またはデータを第2ボリュメトリックディスプレイ1557に送信し、該ディスプレイは、第2物体1566の画像を第2ボリュメトリックディスプレイ1557の表示空間1562に表示し、第2物体1562の画像は第1物体1561の画像と同じように見え、第2物体1562の画像は、第1ユーザ1571が指し示した位置の標識を含む」ことにおいて、「ピックアップ」という決定が行われた「第1ユーザ1571」が「指し示」す「ポインタ1581によって示された位置」である「第1ユーザ1571が指し示した位置」に対応する「第2ボリュメトリックディスプレイ1557の表示空間1562」の位置に、「第1ユーザ1571が指し示した位置の標識」である画像を「第2ボリュメトリックディスプレイ1557の表示空間1562」という立体空間「に表示」していると認められる。 したがって、上記ウ-オを踏まえると、引用発明の「ユーザインタフェース」において「第1ボリュメトリックディスプレイ1556は、第1ボリュメトリックディスプレイ1556の表示空間1561に第1物体1565を表示し、第1ユーザ1571はポインタ1581を用いて第1物体1565を指し示し、ポインタ1581によって示された位置はピックアップされ、第1コンピュータ1551に転送され、第1コンピュータ1551は、第1ユーザ1571がどこを指し示したかを示す信号および/またはデータを第2コンピュータ1552に送信し、第2コンピュータ1552は信号および/またはデータを第2ボリュメトリックディスプレイ1557に送信し、該ディスプレイは、第2物体1566の画像を第2ボリュメトリックディスプレイ1557の表示空間1562に表示し、第2物体1562の画像は第1物体1561の画像と同じように見え、第2物体1562の画像は、第1ユーザ1571が指し示した位置の標識を含む」構成は、本願発明1の「前記指示位置特定手段によって特定された指示位置に、計算機合成ホログラムによる点状の立体像を表示させる立体像表示手段」と、「前記指示位置特定手段によって特定された指示位置に対応する位置に、計算機合成ホログラムによる」「立体像を表示させる立体像表示手段」である点で共通し、後記する相違点で相違する。 したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。 (一致点) 「ユーザが操作体を用いて対象領域内にポインティングを行うためのポインティング装置であって、 前記操作体の映像を取得する撮影手段と、 前記操作体の映像に基づいて、前記操作体が前記対象領域内において指し示す位置である指示位置を特定する指示位置特定手段と、 前記指示位置特定手段によって特定された指示位置に対応する位置に、計算機合成ホログラムによる立体像を表示させる立体像表示手段と、 を備えた、ポインティング装置。」 (相違点1) 本願発明1のユーザが操作体を用いてポインティングを行う対象領域が、「該操作体から離間し」ているのに対し、引用発明の第1ユーザ1571が、ポインタ1581を用いて、指し示す対象となる表示空間1561は、「ポインタ1581がその空間内に配置される」空間である点。 (相違点2) 本願発明1では、「立体像表示手段」が「前記指示位置特定手段によって特定された指示位置に、計算機合成ホログラムによる点状の立体像を表示させる」のに対し、引用発明では、(第1ボリュメトリックディスプレイ1556の指示位置ではなく、)第2ボリュメトリックディスプレイ1557の「前記指示位置特定手段によって特定された指示位置」に対応する位置に標識を表示する点及び前記標識が「点状の立体像」とは特定されていない点。 (2)相違点についての判断 相違点1及び2について検討する。 引用発明は、ポインタ1581が指し示す位置をピックアップするものであって、引用発明には、第1ユーザ1571が、ポインタ1581を用いて、該ポインタ1581から離間した表示空間1561内に指し示すことは示唆されていない。さらに、引用発明において、ポインタ1581が指し示す位置は、物理的にポインタ1581が指し示す位置であるから、当該位置を点状の立体像として表示する必然性もない。 一方、引用文献F、Gからは、ユーザが指、掌などを用いて、離間した位置にあるポインタを操作する技術が見て取れるところ、当該技術は周知技術であると認められる。しかしながら、これを、位置が物理的にポインタ1581が指し示すものである引用発明に適用する動機付けがあるとはいえない。 また、仮に、引用発明に前記周知技術を適用し得たとしても、第2ボリュメトリックディスプレイ1557の表示空間に第1ユーザ1571が指し示した位置の標識を表示することに替え、第1ボリュメトリックディスプレイ1556の表示空間に第1ユーザ1571が指し示した位置の標識を表示することに必然性はなく、当業者が容易に想到することができたものとはいえない。 してみれば、相違点1及び2に係る本願発明1の構成は、当業者といえども、引用発明及び周知技術から容易に想到することはできない。 よって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び周知技術に基づいて容易に想到することができたものであるとはいえない。 2 本願発明2-6について 本願発明2-6は、本願発明1と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 第7 原査定についての判断 令和5年9月11日付けの補正により、補正後の請求項1-6は、相違点1、2に係る本願発明1の構成を有するものとなった。 そして、当該構成は、原査定における引用文献A、D-Gには記載されておらず、本願出願前における周知技術でもないので、本願発明1-6は、当業者であっても、引用文献A、D-Gに基づいて容易に発明をすることができたものではない。 よって、原査定を維持することはできない。 第8 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-004855

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