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特許拒絶査定不服審判

2023-003238

光モジュール

審判番号
2023-003238
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-075397
請求日
2023年02月27日
審決日
2024年06月17日
公報発行日
2024年09月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】日本ルメンタム株式会社
  • 【請求人代理人】弁理士法人はるか国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 山村 浩
  • 審判官 波多江 進
  • 審判官 吉野 三寛
分類
P18 .121-WZ (H01L)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条
データ出所
審決公報(XML)

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特願2018- 75397「光モジュール」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年10月24日出願公開、特開2019-186379〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成30年4月10日の出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。 令和4年 1月28日付け:拒絶理由通知書 同年 3月24日 :意見書、手続補正書の提出 同年 6月 7日付け:拒絶理由通知書(最後の拒絶理由) 同年 8月10日 :意見書、手続補正書の提出 同年11月15日付け:補正の却下の決定、拒絶査定(以下「原査定」という。) (同年12月 6日 :原査定の謄本の送達) 令和5年 2月27日 :審判請求書、手続補正書の提出 同年 5月 2日 :前置報告書 同年 6月 5日 :上申書の提出 令和6年 1月26日付け:拒絶理由通知書 同年 3月22日 :意見書、手続補正書の提出 第2 本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和6年3月22日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、その請求項1の記載は、次のとおりである。 「相互に反対の第1面及び第2面を有して前記第1面から前記第2面まで貫通する貫通穴を有する導電性のステムと、 前記ステムに前記第1面の側で固定されて光信号及び電気信号を少なくとも一方から他方に変換するための光電素子と、 前記貫通穴の内側に前記ステムとは非接触で配置されて前記光電素子と電気的に接続される一対のリードピンと、 前記ステムに前記第1面の側で固定され、前記貫通穴の外側で前記一対のリードピンを保持する絶縁基板と、 前記貫通穴の内側を通らずに、前記貫通穴の外側であって前記貫通穴の両側で、前記ステムに固定されて前記ステムに電気的に接続される一対のGNDピンと、 を有し、 前記貫通穴は、内周面を有し、 前記一対のリードピンは、外周面を有し、 前記内周面と外周面は、対向領域では相互に連結されないように、空隙によって分離され、 前記内周面がシールド面であり、前記内周面と前記外周面の間に介在する媒質の誘電率に従った特性インピーダンスで、伝送線路が構成され、 前記内周面は、対向する一対の面領域を有し、 前記一対のリードピンおよび前記一対のGNDピンは、前記第2面から突出し、前記対向する一対の面領域に沿った方向に隣り合い、 前記絶縁基板は、第3面および第4面を有し、 前記絶縁基板は、前記第3面に一対の第1導電パッドを有し、前記第1導電パッドに前記一対のリードピンが接合され、 前記絶縁基板は、前記第3面に第2導電パッドを有し、前記第2導電パッドが前記ステムの前記第1面に接合され、 前記絶縁基板は、前記第4面に電極を有し、前記電極および前記第2導電パッドがコンタクトを介して電気的に接続されていることを特徴とする光モジュール。」 第3 当審において通知した拒絶の理由の概要 本願発明は、令和6年3月22日に提出された手続補正書による補正前の請求項1に係る発明を補正したものであるところ、当審において令和6年1月26日付け拒絶理由通知書で当該補正前の請求項1に係る発明に対して通知した拒絶の理由(以下「当審拒絶理由」という。)の概要は、次のとおりである。 (進歩性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明である引用文献5に記載された発明及び引用文献6に記載された技術的事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 記 <引用文献一覧> 5.特開2004-47830号公報 6.特開2007-42757号公報 第4 当合議体の判断 当合議体は、以下に示すとおり、本願発明は、引用文献5に記載された発明、引用文献6に記載された技術的事項及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、と判断する。 1 引用文献に記載された事項及び引用発明等の認定 (1) 引用文献5に記載された事項及び引用発明の認定 ア 引用文献5に記載された事項 当審拒絶理由で引用され、本願の出願前に発行された前記引用文献5(特開2004-47830号公報)には、以下の事項が記載されている。下線は当合議体が付したものであり、以下同様である。 (ア) 技術分野 「【0001】 【発明の属する技術分野】 この発明は、半導体レーザなどの光半導体素子が搭載される光半導体用パッケージに関し、さらに詳しくは光ファイバが付属した同軸型モジュールや、光ファイバを接続するためのレセプタクル型アダプタ付きの光半導体素子モジュールに関するものである。」 (イ) 発明が解決しようとする課題 「【0010】 【発明が解決しようとする課題】 この種の光送受信器の分野では、光通信を、幹線系だけでなく、オフィスや家庭などのアクセス系までの市場に広めるためにも、低コストでかつ10Gb/s以上の光伝送を実現することができる光半導体素子モジュールが強く要望されている。 【0011】 しかし、特開平6-314857号公報や特開平11-233876号公報に記載されるような従来の光半導体素子モジュールに用いられるキャン型のパッケージでは、フィードスルーの前後でインピーダンスが不整合となり易く、高周波伝送特性が劣化するという問題があった。従って、上述のような10Gb/s以上のビットレートの信号伝送に耐えることができない。 【0012】 また、特開2000-164970号公報、特開2000-19473号公報などに記載されるような、セラミックで形成された外部端子の設けられた従来の光半導体素子モジュールに用いられる箱形パッケージでは、10Gb/s以上のビットレートで信号伝送することは可能であるものの、セラミック基板自体が単位面積当たり高価であること、フィードスルーを構成しようとすると多層セラミックとなること、多層セラミックとリードとを接合する点で、蝋付けなどの工程が必要になり、手間がかかること、あるいはパッケージが高価となるなどの問題があった。 【0013】 この発明は上記に鑑みてなされたもので、コストを安く維持できるとともに、高周波伝送特性が良好で、10Gb/s以上の高速動作が可能な光半導体用パッケージを得ることを目的とする。」 (ウ) 実施の形態1(【0027】~【0029】、【図1】~【図3】) 「【0027】 実施の形態1. 図1~図17に従って、この発明の実施の形態1の光半導体素子モジュールに用いる光半導体用パッケージについて説明する。この実施の形態1の光半導体用パッケージは、安価なキャンパッケージ型のモジュール形態を採用しており、パッケージ内には光半導体素子としてレーザダイオード(以下LDという)が内蔵されている。また、本明細書では、光半導体用パッケージとは、密閉用のキャップ(蓋)がないものも含めた総称であるとする。 【0028】 図1は光半導体用パッケージ(以下キャンパッケージという)1の外観構成を示すもので、図2はキャンパッケージ1およびレセプタクル2から構成される光半導体素子モジュール(以下、この実施の形態では主にLDを搭載した例を示すので、LDモジュールと呼ぶ)3の外観構成を示すもので、図3(a)(b)はLDモジュール3の水平断面(図2のx軸に平行な方向),垂直断面図(図2のy軸に平行な方向)を示すものである。 【0029】 図1~図3に示すように、キャンパッケージ1は、バイアス給電ピン、高周波信号ピンなどがマウントされる円板状のステム10と、複数のセラミック基板が搭載される台形柱状の台座11(台座ブロック)と、LD40から発生されたレーザ光を集光する集光レンズ12と、台座11などを外部から密閉するための円筒形のキャップ13などを備えている。」 「【図1】 [図:0001413816000001.jpg] 【図2】 [図:0001413816000002.jpg] 【図3】 [図:0001413816000003.jpg] 」 (エ) 実施の形態1(【0046】~【0059】、【図5】~【図7】) 「【0046】 つぎに、図5~図18を用いてキャンパッケージ1の各構成要素について説明する。図5は、キャップ13を外した状態におけるキャンパッケージ1を示す斜視図であり、図6はその平面図である。また、図7は、ステムとピンと台座の配置関係などを示すための図である。なお、図6は、説明の都合上、バイアス給電ピン44a,44bと、モニタ信号ピン43などの配置位置が、図3、図5および図7とは若干異なっている。 【0047】 図5~図7に示すように、キャンパッケージ1は、複数のピンがマウントされた円板状のステム10と、Agロウ付けなどによってステム10の内壁面に垂直に固定される台形柱状の台座11とから構成される。 【0048】 グランドを構成するステム10には、LD駆動回路100からの差動の変調電気信号(以下差動高周波信号ともいう)が伝送される一対の高周波信号ピン41a,41bと、これら高周波信号ピン41a,41bの両側に配される2本のグランドピン42a,42bと、モニタ用の受光素子(例えばフォトダイオード、以下PDという)50の信号伝送のための1本のモニタ信号ピン43と、LD40に対して外部の直流バイアス電流源からバイアス電流を供給する一対のバイアス給電ピン44a,44bと、モニタ用のPD50を搭載するためのPD用チップキャリア45とがマウントされている。例えば、高周波信号ピン41aから図4に示す正相の電流信号I2が引き抜かれるとともに、周波信号ピン41bに対して図4に示す電流信号I2と逆相の電流信号I1が与えられる。 【0049】 これらの信号ピンのうち、高周波信号ピン41a,41bは、気密を保ったままステム10を介して電気信号を通過させるフィードスルーを構成している。後で詳述するが、これら各ピンは、ガラスなどの材料で構成される誘電体を介してステム10に対し気密封止状態で固定されている。グランドピン42a,42bは、グランドを構成するステム10の外壁面に圧着および溶接によって固着されている。PD用チップキャリア45上にマウントされたPD50は、LD40から後方に出射されるモニタ光をモニタするためのものである。 【0050】 ステム10に対し台座11がほぼ垂直に配設されている。台座11の上面には、マイクロストリップ差動線路基板46,47と、LD用チップキャリア48と、バイアス回路用基板49とが搭載されている。台座11とステム10とは表面全体に導電性のメッキが施されている。マイクロストリップ差動線路基板46,47やLD用チップキャリア48の裏面に形成され接地導体層となる平面導体板(以下ベタグランドと呼ぶ)が、台座11の上面に半田接合され電気的に接続されている。また、台座11は、LD40等から発生する熱の放熱経路になっている。 【0051】 マイクロストリップ差動線路基板46は、セラミック基板51と、セラミック基板51の上面に形成された一対のストリップ差動信号線52a,52bと、セラミック基板51の裏面に形成されたベタグランド(図示せず)で構成されている。ストリップ差動信号線52a,52bの一端側には、ステム10から突出された高周波信号ピン41a,41bと接触させるためのパッド53a,53bが形成されている。ストリップ差動信号線52a ,52bの途中には、互いの信号線に接近するように突出された特性インピーダンスが低い、容量として作用するスタブ54a,54bが形成されている。ストリップ差動信号線52a,52bは、高周波信号ピン41a,41bとのインピーダンス整合のために、ステム10に近い入力側の部分52d(図6)では、特性インピーダンスが高くなるよう信号線間隔が大きく設定されている。また、ストリップ差動信号線52a,52bは、信号線間隔が徐々に接近する部分と、間隔が接近して平行に配置される出力側部分とを有している。ステム10にマウントされる高周波信号ピン41a,41bの端部は、図7に示すように、マイクロストリップ差動線路基板46のパッド53a,53bにロウ付けまたは半田付けによって接続固定されている。 【0052】 マイクロストリップ差動線路基板47は、セラミック基板55と、セラミック基板55の上面に形成された一対のストリップ差動信号線56a,56bと、セラミック基板55の裏面に形成されたベタグランド(図示せず)で構成されている。ストリップ差動信号線56a,56bは、信号線方向を略90度折り曲げるためのコーナーカーブ部を有している。ストリップ差動信号線56a,56bの途中には、インピーダンス整合用の抵抗31a,31b(図4参照)がそれぞれ形成されている。ストリップ差動信号線52a,52bと、ストリップ差動信号線56a,56bとは、ワイヤボンド57a,57bによってそれぞれ接続されている。 【0053】 LD用チップキャリア48は、セラミック基板58と、セラミック基板58の上面に形成された一対のストリップ差動信号線59a,59bと、セラミック基板58の裏面に形成されたベタグランド(図示せず)で構成されるマイクロストリップ差動線路を有し、一方のストリップ差動信号線59b上にLD40の一方の電極であるアノードが直接当接するように、LD40が搭載されている。LD40の他方の電極としてのカソードは、ワイヤボンド60によって他方のストリップ差動信号線59aに接続されている。ストリップ差動信号線56a,56bと、ストリップ差動信号線59a,59bとは、ワイヤボンド61a,61bによってそれぞれ接続されている。セラミック基板58は、熱伝導性の良い窒化アルミ(AlN)や炭化シリコン(SiC)などの材料から構成されている。LD40としては、10Gb/sの変調が可能な、例えば分布帰還型のレーザダイオード素子が用いられている。 …(中略)… 【0058】 ステム10は、コバール(Fe-Ni合金)、軟鉄、あるいはCuW(銅タングステン)などの金属で構成され、通常、その上層に半田付けのためにNiや金などのメッキが施されている。例えば、コバールや軟鉄からなるステム10は金属板を金型で打ち抜いて作ることができ、また、CuWからなるステム10はメタルインジェクションモールドで作ることができ、製造が簡単なので、コストが安い。ステム10には、複数の孔74,75,76a,76bが分散して形成されており、これらの孔74,75,76a,76bに、誘電体77,78,79a,79bが挿入される。 【0059】 誘電体77には一対のピン挿入孔80a,80bが形成され、これらのピン挿入孔80a,80bに高周波信号ピン41a,41bが挿入固定される。同様に、誘電体78,79a,79bには、孔(符号は省略)がそれぞれ形成され、これらの各孔にモニタ信号ピン43およびバイアス給電ピン44a,44bが挿入固定される。一対の高周波信号ピン41a,41bが挿入される誘電体77の形状は、この場合長円形状を呈している。これに対応して、誘電体77が挿入される孔74も長円形状を呈している。その他の誘電体78,79a,79bは、円形形状としている。なお、グランドピン42a,42bは、ステム10を貫通されておらず、前述したように、ステム10の外壁面10z(図6、図7)に圧着および溶接によって固着されている。」 「【図5】 [図:0001413816000004.jpg] 【図6】 [図:0001413816000005.jpg] 【図7】 [図:0001413816000006.jpg] 」 (オ) 実施の形態1【0072】~【0091】、【図9】~【図10】 「【0072】 つぎに、差動信号線路において、インピーダンスマッチングをとるための構成について説明する。 【0073】 単相線路を用いた従来のキャンパッケージはコストが安いが、高周波特性が今ひとつよくないという問題を有している。図9(a)は、特開平11-233876号公報などに記載された単相線路の信号ピンを用いた従来のキャンパッケージについて、フィードスルー部分の断面を模式的に表した図である。図9(a)において、半径raの金属製の信号ピン601の外周に、半径rbを有する誘電体(ガラス)602を充填し、誘電体602の外周を金属製のステム603で囲んでフィードスルーを構成している。ステム603は接地してある。 【0074】 このような信号ピン601の特性インピーダンスは、下式(1)で表せる。図10(a)は、図9(a)に示す単相フィードスルーの信号ピンの場合において、誘電体(ガラス)の比誘電率εs=4.1、比透磁率μs=1とし、信号ピン601の半径raを0.1mm、0.15mm、0.2mm、0.25mmとした場合のフィードスルーの特性インピーダンスを示したものである。 【0075】 【数1】 [図:0001413816000007.jpg] 【0076】 図10(a)に示すように、例えば、信号ピンの半径raが0.15mmの場合に特性インピーダンスを30オームとするには、半径rbが0.4mmの誘電体(ガラス)を用いてフィードスルーを構成する必要がある。このフィードスルーをステムに2個並列に並べ、さらに、2つのフィードスルーの間に0.5mmの間隔S1を確保すると、それらが信号ピンの径方向に占める長さは2.1mmとなる。このような構成では、一般的なキャンパッケージの直径が5.4mm(または3.5mm)であるのに対して、フィードスルーが半分もの(または半分以上の)比率を占めてしまう。 【0077】 また、誘電体602の半径(誘電体602の充填されるステム603の穴径)の変化に伴う特性インピーダンスの変化が大きく、加工する際に穴径やピンの取付け位置がずれた時、特性インピーダンスが大きくばらついてしまうという問題があった。また、このフィードスルーの出口から回路基板、またはストリップ線路などに接続する部分は、急激に特性インピーダンスが大きくなり、電気的な反射を起こしやすいため、特性インピーダンスのばらつきは整合回路の設計や製造を難しくしていた。 【0078】 一方、図9(b)は、この発明の実施の形態1によるキャンパッケージ1に設けた高周波信号ピン41a、41bを有するフィードスルーの断面を、模式的に示したものである。図において、高周波信号ピン41a、41bの半径をRa、高周波信号ピン41a、41bの中心間隔をS2とし、高周波信号ピン41a、41bの外周に半径Rbの誘電体(ガラス)610(図5の誘電体77に相当する)を設け、その外側にステム10が配置されている。図では、説明を簡単にするために誘電体610を円形にしている。また、ステム10は接地してある。 【0079】 この場合の特性インピーダンスは、下式(2)で表せる。なお、式(1)及び式(2)は、小西義弘著のマイクロ波回路の基礎とその応用(第1版)の第16ページ(総合電子出版社1990年8月20日)の記載に基づくものである。図10(b)は高周波信号ピン41a、41bの半径Raを0.15mm、その中心間隔S2を0.6mmから0.9mm(0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm)とし、誘電体(ガラス)の比誘電率εs=4.1、比透磁率μs=1として、差動線路のフィードスルーの特性インピーダンスを示したものである。例えば、高周波信号ピン41a、41bの半径Raが0.15mmの場合、その中心間隔S2が0.7mmから0.9mmにばらつき、更に誘電体(ガラス)610の半径が0.65mmから1.1mmの範囲でばらついても、特性インピーダンスは60~65オームの範囲であって、その変動が少なくなる。 【0080】 【数2】 [図:0001413816000008.jpg] 単位Ω、但し、Rb>RaとS2>2Raの条件で簡略化した。 【0081】 このように、フィードスルーに差動線路を用いることで、高周波信号ピン41a、41b間の電界結合により特性インピーダンスのバラツキが少なくなる。したがって、高周波信号ピン41a、41bのガラス融着固定工程におけるピンの位置のバラツキや、ステム加工時の穴径のバラツキを適宜に許容することができ、品質が安定し、安価なフィードスルーを得ることができる。また、誘電体610の半径を0.8mmとすることができ、さらには誘電体を長円形、楕円形、繭型とする(図18で誘電体の形状例を示す)ことで、単相のフィードスルーを横に並べた場合と比べてより小型なキャンパッケージを得ることが可能である。 【0082】 さらに、キャンパッケージ1の内部(マイクロストリップ差動線路基板46側)に突出するフィードスルーの出力端とマイクロストリップ差動線路基板46を接続する部分や、キャンパッケージ1の外部(グランデッドコプレナ差動線路70側)に突出するフィードスルーの出力端とマイクロストリップ差動線路基板46を接続する部分では、線路間の電界結合が適宜に維持され、特性インピーダンスの変化を抑えることができる。このため、スタブ54a,54bのような整合回路の設計が容易となる。 【0083】 図10(c)は高周波信号ピン41a、41bの半径Raを0.05mmから0.25mm(0.05mm、0.1mm、0.15mm、0,20mm、0.25mm)、ピンの中心間隔S2を0.8mmとした時の特性インピーダンスを示すものであり、ピンの半径Raを変えることで、特性インピーダンスを所望の大きさに合わせることができる。図からわかるように、ピンの半径Raを適宜選択しても、誘電体Rbの半径の変化に伴なう特性インピーダンスの変化が少なく、前述と同様の効果がある。 【0084】 なお、好ましくは、高周波信号ピン41a、41bの中心間隔S2を0.7~0.9mm、誘電体610の半径Rbを0.65~1.1mmとするのが良く、また、高周波信号ピン41a、41bの半径を0.05mmから0.5mmとするのが好適である。 【0085】 本実施の形態1においては、LD駆動回路100の差動トランジスタ103,104の出力からLD40までのインピーダンスマッチングをとるためこれらの間を全て差動線路で構成してLD40を駆動するようにしており、ステム10を貫通するピンも、長円形状の誘電体77に一対の高周波信号ピン41a,41bを貫通させることで、差動線路を構成する差動ピンとしている。このため、両信号ピン間の電気的結合が高くなり、電界を封じ込めることができ、漏洩による損失を低減することができる。したがって、特に寸法バラツキが生じやすい高周波信号ピン41a,41bにおけるステム10からLD駆動回路100側に露出されている部分(以下、ドライバ側ピン露出領域という)の電界の不連続を従来に比べ抑えることができる。さらに、このドライバ側ピン露出領域には、グランドピン42a,42bが高周波信号ピン41a,41bに並走するように配されているので、この部分のインピーダンスを低くして反射を抑えることができる。 【0086】 また、例えば、単相駆動の場合には、LDを駆動した大電流が接地を経由して駆動回路に帰還するので、接地電位が変動するため、近接して設置された微弱電流を検出する光受信系の電子回路に悪影響がでることがあるが、本実施の形態では、差動線路を用いて、LDをプッシュプル動作しているので、大電流は差動線路を流れ、接地電位の変動が少なくなり、周辺回路への影響がでにくいという利点もある。 【0087】 このように、ドライバ側ピン露出領域を差動線路構成としかつその外側にグランドピン42a,42bを配して、この部分のインピーダンスを従来に比べ低くするようにしたので、この部分とステム内側とのインピーダンス差が従来に比べ小さくなり、また電界の不連続も少なくしたので、通過特性および反射特性を改善することができる。 【0088】 高周波信号ピン41a,41bの周りに配置される誘電体77として、ガラスを使用しているので、ステム10の内側部分(高周波信号ピン41a,41bが誘電体77で囲まれているフィードスルー部分、以下ピン非露出領域ともいう)では、インピーダンスが下がりすぎる傾向がある。このピン非露出領域のインピーダンスを上げるためには、高周波信号ピンの周りに配置される誘電体77の断面積(長円の面積)を大きくすればよいが、これでは小型化、省スペース化の要求を満足させることができない。 【0089】 そこで、2本の高周波信号ピン41a,41bは、誘電体77の外側にでると、即座にマイクロストリップ差動線路基板46の差動信号線52a,52bに乗り移れるように、LD40側への突出長を短くするとともに、マイクロストリップ差動線路基板46のストリップ差動信号線52a,52bのうち、高周波信号ピン41a,41bに接続される、ステム10に近い部分52d(図6参照)の間隔を、例えば、差動線路基板47に近い部分の線路間隔よりも大きくしたり、ピン41a、41bの間隔よりも若干広く設定する等、比較的大きく設定することで、この部分の電気的結合を弱くして、この部分52dを高インピーダンスに設定している。例えば、高周波信号ピン41a,41bのフィードスルー部分が60Ω、ストリップ差動信号線52a,52bにおける間隔の広い52dの部分が150Ω、ストリップ差動信号線52a,52bにおける差動線路基板47に近い間隔の狭い部分が100Ωとなるようにしている。 【0090】 このように、ステム10を出た直後の差動線路部分の線路間隔を大きくして、高インピーダンス部分を故意に作成しており、この高インピーダンス部分とステム内側(ピン非露出領域)の低インピーダンス部分とでインピーダンスを相殺させ、全体的に見てインピーダ ンスを整合させるようにしている。すなわち、ピン非露出領域(フィードスルー部分)は低インピーダンスであるので、その後にハイインピーダンスを少し作って、全体としてのインピーダンスマッチングをとるようにしている。 【0091】 また、ストリップ差動信号線52a,52bの途中には、インピーダンス整合用の一対のスタブ54a,54bを形成しており、これら一対のスタブ54a,54bによりインピーダンスを下げてストリップ差動信号線56a、56bとのミスマッチングが発生しないようにしている。すなわち、これら一対のスタブ54a,54bにより、ドライバ側ピン露出領域のリアクタンス成分と、ピン非露出領域(フィードスルー部分)のリアクタンス成分を補償して、通過特性および反射特性を改善している。」 「【図9】 [図:0001413816000009.jpg] 【図10】 [図:0001413816000010.jpg] 」 (カ) 【0106】~【0107】、【図13】 「【0106】 また、PD50をLD40の上下のどちらにずらせるかを選択する際には、LD40を構成する半導体基板99と活性層93との位置関係、並びにモニタ光の遠視野像の強度分布に応じて決定する。図13は、LD40の構造を概略的に示すものである。 【0107】 LD40は、カソード(n電極)91と、アノード(p電極)92と、p型の半導体基板99と、発光領域をなす活性層93と、反射防止膜(ARコート)を施した端面110からの反射戻り光を低減するための窓構造94と、活性層93を挟むクラッド層501などを備えている。なお、窓構造94とは、共振器端面(へき開面)502近傍に不純物を注入又は拡散させて無秩序化することにより、端面近傍におけるバンドギャップを増大させて、端面近傍における光吸収などを抑制し、端面破壊を防止するなどの効果を持つ構造である。」 「【図13】 [図:0001413816000011.jpg] 」 イ 引用文献5に記載された事項から当業者が把握できる事項 (ア) 【0078】~【0080】の記載から、式(2)で表される差動線路のフィードスルーの特性インピーダンスは誘電体(ガラス)の比誘電率εs及び比透磁率μsの関数となっていることが理解できるから、引用文献5に記載された事項から、「差動線路のフィードスルーは誘電体の比誘電率及び比透磁率の関数である特性インピーダンスを有する」ことを当業者は把握することができる。 (イ) 【0059】の「一対の高周波信号ピン41a,41bが挿入される誘電体77の形状は、長円形状を呈しており、これに対応して、誘電体77が挿入される孔74も長円形状を呈しており」との記載及び【0085】の「グランドピン42a,42bが高周波信号ピン41a,41bに並走するように配されている」との記載と、図6及び図7を併せてみると、「グランドピン42a,42bは、高周波信号ピン41a,41bと長円形状の孔74の長手方向に沿うように、孔74の長手方向の両側に配されている」ことを当業者は把握することができる。 (ウ) 【0107】の記載及び図13から、「LD40は、端面発光型である」ことを当業者は把握することができる。 ウ 引用発明の認定 前記アに摘記した引用文献5の記載事項及び前記イで認定した引用文献5の記載事項から当業者が把握できる事項を総合すると、引用文献5には、図1~図17に示される実施の形態1に係る光半導体用パッケージ1に関して、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(引用発明の認定に用いた段落番号等を参考までに括弧内に付してある。以下同じ。)。 <引用発明> 「光半導体素子モジュール3であって、(【0028】)、 光半導体素子モジュール3は、光半導体用パッケージ(キャンパッケージ)1およびレセプタクル2から構成され、(【0027】、【0028】) パッケージ内には光半導体素子としてレーザダイオード(LD)が内蔵されており、(【0027】) キャンパッケージ1は、複数のピンがマウントされた円板状のステム10と、Agロウ付けなどによってステム10の内壁面に垂直に固定される台形状の台座11とから構成され、(【0047】) グランドを構成するステム10には、LD駆動回路100からの差動の変調電気信号が伝送される一対の高周波信号ピン41a,41bと、これら高周波信号ピン41a,41bの両側に配される2本のグランドピン42a,42bとがマウントされており、(【0048】) 高周波信号ピン41a,41bは、気密を保ったままステム10を介して電気信号を通過させるフィードスルーを構成しており、これら各ピンは、ガラスなどの材料で構成される誘電体を介してステム10に対し気密封止状態で固定されており、グランドピン42a,42bは、グランドを構成するステム10の外壁面に圧着および溶接によって固着されており、(【0049】) ステム10に対し台座11がほぼ垂直に配設されており、台座11の上面には、マイクロストリップ差動線路基板46,47と、LD用チップキャリア48とが搭載されており、(【0050】) マイクロストリップ差動線路基板46は、セラミック基板51と、セラミック基板51の上面に形成された一対のストリップ差動信号線52a,52bと、セラミック基板51の裏面に形成されたベタグランドで構成されており、ストリップ差動信号線52a,52bの一端側には、ステム10から突出された高周波信号ピン41a,41bと接触させるためのパッド53a,53bが形成されており、ステム10にマウントされる高周波信号ピン41a,41bの端部は、マイクロストリップ差動線路基板46のパッド53a,53bにロウ付けまたは半田付けによって接続固定されており、(【0051】) マイクロストリップ差動線路基板47は、セラミック基板55と、セラミック基板55の上面に形成された一対のストリップ差動信号線56a,56bと、セラミック基板55の裏面に形成されたベタグランドで構成されており、ストリップ差動信号線52a,52bと、ストリップ差動信号線56a,56bとは、ワイヤボンド57a,57bによってそれぞれ接続されており、(【0052】) LD用チップキャリア48は、セラミック基板58と、セラミック基板58の上面に形成された一対のストリップ差動信号線59a,59bと、セラミック基板58の裏面に形成されたベタグランドで構成されるマイクロストリップ差動線路を有し、一方のストリップ差動信号線59b上にLD40の一方の電極であるアノードが直接当接するように、LD40が搭載されており、LD40の他方の電極としてのカソードは、ワイヤボンド60によって他方のストリップ差動信号線59aに接続されており、ストリップ差動信号線56a,56bと、ストリップ差動信号線59a,59bとは、ワイヤボンド61a,61bによってそれぞれ接続されており、(【0053】) ステム10は、金属で構成され、ステム10には、孔74が形成されており、孔74に、誘電体77が挿入され、(【0058】) 誘電体77には、一対のピン挿入孔80a,80bが形成され、これらのピン挿入孔80a,80bに高周波信号ピン41a,41bが挿入固定され、一対の高周波信号ピン41a,41bが挿入される誘電体77の形状は、長円形状を呈しており、これに対応して、誘電体77が挿入される孔74も長円形状を呈しており、グランドピン42a,42bは、ステム10を貫通されておらず、ステム10の外壁面10zに圧着および溶接によって固着されており、(【0059】) 差動線路のフィードスルーは誘電体の比誘電率及び比透磁率の関数である特性インピーダンスを有し、(前記イ(ア)) LD駆動回路100の差動トランジスタ103,104の出力からLD40までのインピーダンスマッチングをとるためこれらの間を全て差動線路で構成してLD40を駆動するようにしており、ステム10を貫通するピンも、長円形状の誘電体77に一対の高周波信号ピン41a,41bを貫通させることで、差動線路を構成する差動ピンとしており、(【0085】) グランドピン42a,42bが高周波信号ピン41a,41bに並走するように配されており、(【0085】) グランドピン42a,42bは、高周波信号ピン41a,41bと長円形状の孔74の長手方向に沿うように、孔74の長手方向の両側に配されており、(前記イ(イ)) LD40は、端面発光型である、(前記イ(ウ)) 光半導体素子モジュール」 (2) 引用文献6に記載された事項及び引用文献6技術事項の認定 ア 引用文献6記載された事項 当審拒絶理由で引用され、本願の出願前に発行された前記引用文献6(特開2007-42757号公報)には、以下の事項が記載されている。 (ア) 発明が解決しようとする課題 「【発明が解決しようとする課題】 【0006】 ところで、キャンパッケージの光デバイスでは、発光素子や受光素子と接続される端子が、ステムに設けられている貫通孔を挿通した状態で樹脂やガラス等の封止材で固定される。 【0007】 ここで、樹脂やガラスは比誘電率が高いことから、貫通孔の位置で封止材により固定された端子部分は、電気的には容量性となりインピーダンスが低下してしまう。このようにインピーダンスが低下してしまうと、キャンパッケージに内蔵されているアセンブリ基板や、キャンパッケージの光デバイスに接続されるフレキシブル基板、およびフレキシブル基板と接続される他の回路基板で、伝送線路のインピーダンスや回路の入力インピーダンスおよび出力インピーダンスを所望のインピーダンスに設定しても、貫通孔の位置でインピーダンスの不整合を生じ、反射が大きくなってしまい伝送特性が悪化してしまう。」 (イ) 課題を解決するための手段及び発明の効果 「【課題を解決するための手段】 【0010】 この発明に係る光デバイスとその製造方法および光通信装置では、貫通孔が設けられたステムと、貫通孔に挿通される端子と、端子と接続される発光素子および/または受光素子が設けられたアセンブリ基板とを有し、アセンブリ基板はステムに固着し、端子は、ステムと接することなく中空状態の貫通孔を挿通した状態として、一方の端部をアセンブリ基板に固着したものである。 【発明の効果】 【0011】 この発明によれば、アセンブリ基板がステムに固着されて、端子は、ステムと接することなく中空状態の貫通孔を挿通させて、一方の端部がアセンブリ基板に固着される。このため、ステムの貫通孔に封止材を充填しなくとも端子が固定されるので、封止材を充填することにより固定した端子部分が容量性となってインピーダンスが大きく変動してしまうことを防止することができるので、良好な伝送特性を得られる。」 (ウ) 発明を実施するための最良の形態 「【発明を実施するための最良の形態】 …(中略)… 【0020】 図3は、送信用光デバイス22の内部を示す斜視図である。また、図4Aは送信用光デバイス22の内部を示す正面図、図4Bは図4AのII-II'位置の断面概略図である。 【0021】 円盤状のステム222には、端子231a~231dを挿通するための貫通孔223a~223dを設ける。ステム222の上面には、アセンブリ基板241を固着する。このアセンブリ基板241には、レーザ光を出射する面発光レーザ素子242、レーザ光の出射レベルをモニターするための受光素子243を設けておく。更に、円盤状のステム222には、面発光レーザ素子242や受光素子243を端子と接続するための接続パターンを形成しておく。 …(中略)… 【0026】 ステム222のアセンブリ基板241が固着された面とは逆側の面から突出した端子に は、フレキシブル基板29を接続する。更に、フレキシブル基板29とステム222を、固定部材250例えば樹脂系の接着剤やモールド部材等で固定する。 【0027】 このように、貫通孔は中空状態ままとして、アセンブリ基板241とフレキシブル基板29で端子を固定する。この場合、ステム222の貫通孔に例えばガラス材質のような比誘電率の高い封止材を充填する従来のキャンパッケージのように、貫通孔の部分の伝送線路が容量性となってしまうことがない。従って、図5に示すように、貫通孔223の部分におけるインピーダンスの変化量を少なくできるので、インピーダンスの不整合が小さく良好な伝送特性を得ることができる。なお、図5において、破線は貫通孔223に封止材を充填して端子を固定した場合のインピーダンス変化を示している。 【0028】 また、ステム222の貫通孔の内部は中空状態で、貫通孔と端子は同軸構造となっているため、バラツキによるインピーダンスの変動を小さくできる。更に、貫通孔の内部は中空状態で、貫通孔と端子は同軸構造であることから、ガラス材質のような封止材を充填した場合のようにインピーダンスが低下してしまうことがなく、インピーダンスを高く設定でき、かつ高い周波数に対応できる。 …(中略)… 【0030】 次に、図6を用いて、送信用光デバイス製造方法を説明する。図6Aに示すように、台座70には、ステム222に設けた貫通孔223a~223dの中心と対応する位置に保持穴71a~71dを設けて、この保持穴71a~71dに端子231a~231dを挿入して保持させる。台座70の表面にはレジスト81を設け、レジスト81上には、端子231a~231dのそれぞれの周囲に半田81a~81dを塗布する。 …(中略)… 【0032】 次に、図6Cに示すように、ステム222の貫通孔223a~223dを端子231a~231dが挿通するようにして、ステム222をフレキシブル基板29上に載置する。 【0033】 ステム222の上面(フレキシブル基板側の面とは逆側の面)には、図6Dに示すように、面発光レーザ素子242や受光素子243が設けられているアセンブリ基板241を、接着剤等を用いて固着する。また、銀ペースト等の導電性接着剤を用いてアセンブリ基板241に端子231a~231dを固着して、端子231a~231dとアセンブリ基板241に形成されている接続パターンを電気的に接続する。 【0034】 その後、図6Eに示すように、固定治具90でステム222を固定して台座70を取り外し、フレキシブル基板29側から突出している端子部分を切断する。また、この状態では、フレキシブル基板29とステム222が固定されていないので、フレキシブル基板29に力が加わると端子231a~231dが変形してステム222と接触してしまうおそれがある。このため、図6Fに示すように、樹脂等の固定部材250を用いてフレキシブル基板29とステム222を固定する。また、貫通孔223a~223dを完全に閉塞するように、固定部材250を用いてフレキシブル基板29とステム222を固定すれば、その後、ステム222にキャップ221が封着されたとき、送信用光デバイスの内部を密閉することができる。」 「【図3】 [図:0001413816000012.jpg] 【図4】 [図:0001413816000013.jpg] 【図5】 [図:0001413816000014.jpg] 【図6】 [図:0001413816000015.jpg] 」 イ 引用文献6技術事項の認定 前記アに摘記した引用文献6の記載事項を総合すると、引用文献6には、光半導体装置の課題及びその解決手段に関して、次の技術事項(以下「引用文献6技術事項」という。)が記載されていると認められる。 <引用文献6技術事項> 「キャンパッケージの光デバイスでは、発光素子や受光素子と接続される端子が、ステムに設けられている貫通孔を挿通した状態で樹脂やガラス等の封止材で固定され、(【0006】) 樹脂やガラスは比誘電率が高いことから、貫通孔の位置で封止材により固定された端子部分は、電気的には容量性となりインピーダンスが低下してしまい、このようにインピーダンスが低下してしまうと、キャンパッケージに内蔵されているアセンブリ基板や、キャンパッケージの光デバイスに接続されるフレキシブル基板、およびフレキシブル基板と接続される他の回路基板で、伝送線路のインピーダンスや回路の入力インピーダンスおよび出力インピーダンスを所望のインピーダンスに設定しても、貫通孔の位置でインピーダンスの不整合を生じ、反射が大きくなってしまい伝送特性が悪化してしまうこと、(【0007】) これを解決するために、アセンブリ基板がステムに固着されて、端子は、ステムと接することなく中空状態の貫通孔を挿通させて、一方の端部がアセンブリ基板に固着され、ステムの貫通孔に封止材を充填しなくとも端子が固定されるので、封止材を充填することにより固定した端子部分が容量性となってインピーダンスが大きく変動してしまうことを防止することができるので、良好な伝送特性を得られること(【0011】)」 (3) 引用文献2、6、7に記載された事項及び周知技術の認定 ア 引用文献2に記載された事項 原審の拒絶理由で引用され、本願の出願前に発行された特開2004-221095号公報(以下「引用文献2」という。)には、以下の事項が記載されている。 (ア) 【0026】~【0028】、【図1】 「【0026】 【発明の実施の形態】 本発明の光半導体装置について以下に詳細に説明する。図1は本発明の光半導体装置について実施の形態の一例を示す断面図であり、1は基体、2は光半導体素子、4は透光性部材、5は配線基板、12は光ファイバ、3は金属製の蓋体である。これら基体1および配線基板5で光半導体素子収納用パッケージが基本的に構成される。また、光半導体素子収納用パッケージに光半導体素子2を搭載し、透光性部材4が接合された蓋体3を接合することにより光半導体装置となる。 【0027】 本発明の光半導体装置は、平板状の金属製の基体1と、上端面3aの略中央部に貫通孔3bが形成されているとともに下端3cが開かれた筒状であり、基体1の上側主面の外周部に下端3cが接合された金属製の蓋体3と、貫通孔3bの開口の周囲に接合された透光性部材4と、基体1の上下主面間を貫通するように形成された貫通穴1aを覆うようにして基体1の上側主面に接合された配線基板5と、配線基板5の上面に載置された光半導体素子2とを具備しており、配線基板5は、複数の絶縁層が積層されて成る絶縁基板の上面に形成された複数の第1の電極パッド6aと絶縁基板の下面に2列に配設された複数の第2の電極パッド7aとを有するとともに、第1の電極パッド6aとそれに対応する第2の電極パッド7aとが絶縁基板の内部の内層導体層8bを介して貫通導体8aにより電気的に接続され、複数の第2の電極パッド7aのそれぞれに外部接続用ピン10が接合されている構成である。 【0028】 本発明の基体1は、略円板状、略長方形等の平板状であり、Fe-Ni-Co合金やFe-Ni合金、Cu-W合金等の金属から成り、そのインゴットに圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加工法を施すことによって所定形状に製作される。この基体1には、外部接続用ピン10を挿通するために、基体1の上下主面間を貫通する貫通穴1aが設けられている。この貫通穴1aには、配線基板5がその下面の外周部に設けられた第2の同一面導体層7bを介して、貫通穴1aを覆うようにして配線基板5が銀(Ag)ろう等のろう材によって気密に接合される。」 「【図1】 [図:0001413816000016.jpg] 」 (イ) 【0041】~【0042】・【0052】、【図4】~【図6】 「【0041】 好ましくは、図4に示すように、第1の電極パッド6aの周囲に略一定間隔をもって配線基板5の上面の略全面に第1の同一面導体層6bを形成し、また第2の電極パッド7aの周囲に略一定間隔をもって配線基板5の下面の略全面に第2の同一面導体層7bを形成するのがよい。この構成により、配線基板5の上下面においてシールド効果(電磁遮蔽効果)が得られ、高周波信号が第1の電極パッド6aと第2の電極パッド7aを介して配線基板5を入出力する際、高周波信号がノイズ等の影響により正常に入出力できなくなるのを防止するとともに、配線基板5の上下面での高周波信号の放射による損失を防止する。 【0042】 さらに好ましくは、図5に示すように、第2の電極パッド7aを第1の電極パッド6aと対向する位置に設け、第1の電極パッド6aと第2の電極パッド7aとを電気的に接続する貫通導体8aの周りに、貫通導体8aを中心とする円周上に略一定間隔で複数の接地貫通導体9aを設けるのがよい。この場合、図6(a)に図5のA-A’線断面図を示すように、セラミックグリーンシートの層間には貫通導体8aの周りに貫通導体8aの中心C1を中心とする略円形の内層導体層8bを設けるとともに、中心C1を中心とする直径Dの円周上に接地貫通導体9aの中心C2が載るようにして、略一定間隔で複数の接地貫通導体9aを設ける。接地貫通導体9aの周りには中心C2を中心とする略円形の内層接地導体層9bを設ける。 …(中略)… 【0052】 本発明の光半導体装置は、光半導体素子2の電極を外部電気回路に電気的に接続し、製品としての光半導体装置となる。この光半導体装置は、例えば外部電気回路から供給される電気信号によって光半導体素子2にレーザ光等の光を励起させ、この光を透光性部材4、光ファイバ12の順に透過させ、光ファイバ12を介して外部に伝送することによって、高速光通信等に使用される光半導体装置として機能する。」 「【図4】 [図:0001413816000017.jpg] 【図5】 [図:0001413816000018.jpg] 【図6】 [図:0001413816000019.jpg] 」 イ 引用文献6に記載された事項 前記引用文献6(特開2007-42757号公報)には、前記(2)アに記載した事項に加えて、以下の事項が記載されている。 「【0020】 図3は、送信用光デバイス22の内部を示す斜視図である。また、図4Aは送信用光デバイス22の内部を示す正面図、図4Bは図4AのII-II'位置の断面概略図である。 【0021】 円盤状のステム222には、端子231a~231dを挿通するための貫通孔223a~223dを設ける。ステム222の上面には、アセンブリ基板241を固着する。このアセンブリ基板241には、レーザ光を出射する面発光レーザ素子242、レーザ光の出射レベルをモニターするための受光素子243を設けておく。更に、円盤状のステム222には、面発光レーザ素子242や受光素子243を端子と接続するための接続パターンを形成しておく。」 「【図3】 [図:0001413816000020.jpg] 【図4】 [図:0001413816000021.jpg] 」 ウ 引用文献7に記載された事項 本審決で新たに引用され、本願の出願前に発行された特開2008-135696号公報(以下「引用文献7」という。)には、以下の事項が記載されている。 「【0024】 図1(a)は本発明の電子部品収納用パッケージおよび光半導体装置の実施の形態の一例を示す正面から見た断面図、図1(b)は図1(a)の電子部品収納用パッケージの基体部の上面図であり、図2(a)は本発明の電子部品収納用パッケージおよび光半導体装置の実施の形態の他の例を示す正面から見た断面図、図2(b)は図2(a)の電子部品収納用パッケージの下面図である。図3(a),図3(b)はそれぞれ本発明の電子部品収納用パッケージおよび光半導体装置の実施の形態のさらに他の例を示す正面から見た断面図および下面図である。また、図4(a),図4(b)はそれぞれ図1(a),図2(a)の電子部品収納用パッケージおよび光半導体装置の実施の形態の他の例を示す正面から見た断面図である。図5(a),図5(b)はそれぞれ本発明の電子部品収納用パッケージの配線基板の他の例を示す下面図である。図5(c)は本発明の電子部品収納用パッケージの配線基板の他の例を示す上面図である。なお、図1(b),図2(b),図3(b),図5(a),図5(b),図5(c)において、導体層が形成されている部分をクロスハッチングで示している。従って、これらクロスハッチングは断面を示すものではない。 【0025】 これらの図において、1は基体、2は電子部品(光半導体素子)、4は透光性部材、5は配線基板、12は光ファイバ、3は金属製の蓋体を示す。これら基体1および配線基板5で電子部品収納用パッケージが基本的に構成され、電子部品収納用パッケージに光半導体素子で成る電子部品2を搭載し、蓋体3を接合することにより光半導体装置となる。 …(中略)… 【0029】 なお、図1~図4に示される電子部品収納用パッケージに光半導体素子で成る電子部品2を搭載する本発明の光半導体装置においては、蓋体3の上端面3aの中央部に貫通孔3bが形成されており、貫通孔3bの開口の周囲に透光性部材4が接合されている。透光性部材4が設けられることにより、透光性部材4を介して電子部品2に光信号を入出力させることができる。そして、透光性部材4に電子部品2の受光部または発光部を対向させて、配線基板5の上面に電子部品2を載置し、基体1の上側主面の外周部に、筒状の蓋体3の開かれた下端3cを接合することにより、図1~図4に示される光半導体装置となる。 …(中略)… 【0031】 以下、図1~図4に示す電子部品収納用パッケージおよび光半導体装置の実施の形態について説明する。以下の実施の形態の例においては、内部導体8が内層導体層8b同士を層間接続する貫通導体8aと配線基板5の内層配線として形成された内層導体層8bとから成る場合について説明するが、内部導体8は貫通導体8aのみから成っていてもよい。この場合、配線導体5は単層の配線基板5であってもよい。なお、内層導体層8bは、上下のセラミックグリーンシートにおける貫通導体8a同士を確実に電気的に接続させるとともに、内層に配線を引きまわすためのものである。 【0032】 本発明の電子部品収納用パッケージおよび光半導体装置における基体1は、平面視形状が円板状、長方形状、多角形状等の平板状であり、鉄(Fe)-ニッケル(Ni)-コバルト(Co)合金やFe-Ni合金、銅(Cu)-タングステン(W)合金等の金属から成り、そのインゴットに圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加工法を施すことによって所定形状に製作される。この基体1には、基体1の上下主面間を貫通する円形状、多角形状等の貫通穴1aが設けられている。そして、この貫通穴1aには、配線基板5が貫通穴1aを覆うようにして基体1の貫通穴1aの周囲に銀(Ag)ろう等のろう材によって気密に接合される。基体1にろう材を介して接合するために、配線基板5の上面外周部または下面外周部の凸部5b上面または下面に接合用導体7bが形成されている。 …(中略)… 【0036】 本発明の電子部品収納用パッケージは、または図2,図3に示すように、配線基板5は、基体1に接合される部位が下側に突出した断面四角形状の凸部5bとされ、凸部5bの下面に基体1との接合用導体7bが形成されている。すなわち、配線基板5の下側の中央部は凸部5bによって取り囲まれて成る凹部5aとされ、この凹部5aの底面には複数個の第2の電極パッド7aが配設され、第2の電極パッド7aと接合用導体7bとの間に凸部5bによって段差が形成される。その結果、配線基板5が小型集積化して、第2の電極パッド7aと接合用導体7bとの距離が非常に近接したものとなっても、第2の電極パッド7aに外部接続端子部材10を接合するためのろう材と接合用導体7bを基体1に接合するためのろう材との接触が防止され、第2の電極パッド7aと接合用導体7bとが電気的に短絡してしまうのを防止することができ、第2の電極パッド7aに電気信号を確実に伝送させることができるようになる。よって、電子部品収納用パッケージの小型集積化が可能となる。 …(中略)… 【0041】 配線基板5の下面に配設された複数個の第2の電極パッド7aには、図1~図3に示すように、それぞれ外部接続端子部材10が、Agろう等のろう材によって接続される。外部接続端子部材10は、Fe-Ni-Co合金,Fe-Ni合金等から成り、円柱状,角柱状等の線材で成る。好ましくは、外部接続端子部材10は、第2の電極パッド7aとの接合部(上端)に、釘の頭部のように上面が平たい円形に成形された鍔部が設けられているのがよく、外部接続端子部材10を電極パッド7aに強固に接合できる。また、第2の電極パッド7aは外部接続端子部材10の頭部より大きい円形状等に形成される。 …(中略)… 【0054】 好ましくは、図3に示すように、配線基板5の上面の、第1の電極パッド6aの周囲に所定間隔をもって第1の同一面導体層6bを形成し、また配線基板5の凹部5aの底面には第2の電極パッド7aの周囲に所定間隔をもって第2の同一面接地導体層7cを形成するのがよい。この構成により、配線基板5の上下面において第1の同一面導体層6bおよび第2の同一面接地導体層7cによってシールド効果(電磁遮蔽効果)が得られ、高周波信号がノイズ等の影響により正常に入出力できなくなるのを防止するとともに、配線基板5の上下面での高周波信号の放射による損失を防止する。第1の同一面導体層6bおよび第2の同一面接地導体層7cは、配線基板5の電極等形成部以外の上面および凹部5a底面を覆うようにほぼ全面に形成し、基体1と接続するとよい。 …(中略)… 【0059】 なお、電子装置の一例としての光半導体装置は、電子部品2の電極を配線基板5を介して外部電気回路に電気的に接続し、外部電気回路から供給される電気信号によって光半導体素子2にレーザ光等の光を励起させ、この光を透光性部材4、光ファイバ12の順に透過させ、光ファイバ12を介して外部に伝送することによって、高速光通信等に使用される光半導体装置として機能する。または、光ファイバ12を介して外部から伝えられ、透光性部材4を透過して電子部品2としての受光素子に伝達された光信号を、電気信号として配線基板5を介して外部電気回路に出力する。」 「【図3】 [図:0001413816000022.jpg] 」 エ 周知技術の認定 前記ア~ウに摘記した引用文献2、6、7の記載事項を総合すると、次の技術事項は、本願出願時の周知技術であると認められる。 <周知技術> 「面発光型レーザ(引用文献2の【0052】、引用文献6の【0021】、引用文献7の【0029】・【0059】、なお、引用文献2、7には「面発光型」との明記はないが、光半導体素子の搭載形態とレーザ光の向きからみて、当業者には面発光型であることが明らかである。)を搭載した基板(引用文献2、7の配線基板5、引用文献6のアセンブリ基板241)をステム(引用文献2、7の基体1、引用文献6のステム222)に固定する際に、台座を用いずにその下面をステムに固定すること(引用文献2の【0028】、引用文献6の【0021】・【図3】・【図4】、引用文献7の【0032】)、 また、その際に、基板(引用文献2、7の配線基板5)の下面に複数の電極パッド(引用文献2、7の第2の電極パッド7a)を設け、複数の電極パッドのそれぞれに外部接続用ピン(引用文献2の外部接続用ピン10、引用文献7の外部接続端子部材10)が接合され、基板はその下面に設けられた接合用導体(引用文献2の第2の同一面導体層7b、引用文献7の接合用導体7b)を介してステムに接合され、基板の上面に同一面導体層(引用文献2、7の同一面導体層6b)を設け、同一面導体層を接合用導体と電気的に接続してシールド効果を得ること(引用文献2の【0041】~【0042】、引用文献7の【0058】)」 2 対比 (1) 対比分析 本願発明と引用発明を対比する。 ア 引用発明の「光半導体素子モジュール3」は、本願発明の「光モジュール」に相当する。 よって、本願発明と引用発明は、「光モジュール」である点で一致する。 イ(ア) 引用発明の「ステム10」は、本願発明の「ステム」に相当する。 (イ) 引用発明の「ステム10」は「円板状」であるところ、その台座11が固定されている「内壁面」及びそのグランドピンが固着されている「外壁面10z」が、本願発明の「相互に反対の第1面及び第2面」に相当する。 (ウ) 引用発明の「ステム10」には「孔74が形成されて」いるところ、当該「孔74」は「誘電体77が挿入される」ものであり、「誘電体77」には、「一対のピン挿入孔80a,80bが形成され、これらのピン挿入孔80a,80bに高周波信号ピン41a,41bが挿入固定され」ている。そして、引用発明は、「誘電体77に一対の高周波信号ピン41a,41bを貫通させる」ものであって、「ピン」が「ステム10を貫通する」ものであるから、ステムに形成された「孔74」が円板状のステムの両面を貫通するものであることは明らかである。そうすると、引用発明の「孔74」は、本願発明の「前記第1面から前記第2面までを貫通する貫通穴」に相当する。 (エ) 引用発明の「ステム10」が「金属で構成され[る]」ことは、本願発明の「ステム」が「導電性」であることに相当する。 (オ) 前記(ア)~(エ)をまとめると、本願発明と引用発明は、「相互に反対の第1面及び第2面を有して前記第1面から前記第2面まで貫通する貫通穴を有する導電性のステム」を有する点で一致する。 ウ(ア) 引用発明の「光半導体素子」としての「レーザダイオード(LD)」、すなわち、「LD40」は、レーザダイオードが電気信号を光信号に変換するためのものであるという技術常識に照らせば、本願発明の「光信号及び電気信号を少なくとも一方から他方に変換するための光電素子」に相当する。 (イ) 引用発明の「LD40」は、「LD用チップキャリア48」が有する「ストリップ差動信号線59b上」に「搭載されて」いるところ、「LD用チップキャリア48」は、「台座11の上面に」「搭載されて」おり、さらに、「台座11」は、「ステム10の内壁面に垂直に固定され」るものである。このとき、「ステム10」の「台座11」が固定される「内壁面」が、前記イ(イ)の「相互に反対の第1面及び第2面」のうち「第1面」に相当する。 そうすると、引用発明の「LD40」が、ステム10の内壁面に垂直に固定される台座11の上面に搭載されたLD用チップキャリア48が有するストリップ差動信号線59b上に搭載されることは、本願発明の「光電素子」が、「前記ステムの前記第1面の側で固定され[る]」ことに相当する。 (ウ) 前記(ア)~(イ)をまとめると、本願発明と引用発明は、「前記ステムに前記第1面の側で固定されて光信号及び電気信号を少なくとも一方から他方に変換するための光電素子」を有する点で一致する。 エ(ア) 引用発明の「高周波信号ピン41a,41b」は、本願発明の「一対のリードピン」に相当する。 (イ) 引用発明の「高周波信号ピン41a,41b」が、「誘電体77」に形成された「一対のピン挿入孔80a,80b」に「挿入固定され」ており、「誘電体77」が、「ステム10」に形成された「孔74」に「挿入され」ていることは、本願発明の「一対のリードピン」が、「前記貫通穴の内側に」「配置されて」いることに相当する。 (ウ) 引用発明の「高周波信号ピン41a,41b」が、「ガラスなどの材料で構成される誘電体を介してステム10に対し気密封止状態で固定されて」いることは、本願発明の「一対のリードピン」が、「ステムとは非接触で配置されて」いることに相当する。 (エ) 引用発明の「高周波信号ピン41a,41b」は、「ストリップ差動信号線52a,52bの一端側」に形成された「パッド53a,53b」に「接続固定されており」、「ストリップ差動信号線52a,52bと、ストリップ差動信号線56a,56bとは、ワイヤボンド57a,57bによってそれぞれ接続されており」、「ストリップ差動信号線56a,56bと、ストリップ差動信号線59a,59bとは、ワイヤボンド61a,61bによってそれぞれ接続されており」、「一方のストリップ差動信号線59b上にLD40の一方の電極であるアノードが直接当接するように、LD40が搭載されており、LD40の他方の電極としてのカソードは、ワイヤボンド60によって他方のストリップ差動信号線59aに接続されて」いるから、「高周波信号ピン41,41b」は、「LD40」に接続されていることになる。このことは、本願発明の「一対のリードピン」が、「前記光電素子と電気的に接続される」ことに相当する。 (オ) 前記(ア)~(エ)をまとめると、本願発明と引用発明は、「前記貫通穴の内側に前記ステムとは非接触で配置されて前記光電素子と電気的に接続される一対のリードピン」を有する点で一致する。 オ(ア) 引用発明の「マイクロストリップ差動線路基板46」を構成する「セラミック基板51」は、その上面に一対のストリップ差動信号線52a,52bが形成されることからみて絶縁性であることは明らかであるから、本願発明の「絶縁基板」に相当する。 (イ) 引用発明の「セラミック基板51」が構成する「マイクロストリップ差動線路基板46」が、「台座11の上面に」「搭載されて」おり、さらに、「台座11」が、「ステム10の内壁面に垂直に固定され」ることは、前記ウ(イ)も踏まえると、本願発明の「絶縁基板」が、「前記ステムに前記第1面の側で固定され[る]」ことに相当する。 (ウ) 前記(ア)~(イ)をまとめると、本願発明と引用発明は、「前記ステムに前記第1面の側で固定され[る]」「絶縁基板」を有する点で共通する。 (エ) 一方で、「絶縁基板」について、本願発明は、「前記貫通穴の外側で前記一対のリードピンを保持する」のに対して、引用発明は、「セラミック基板51」とともに「マイクロストリップ差動線路基板46」を構成する「一対のストリップ差動信号線52a,52b」の「一端側には、ステム10から突出された高周波信号ピン41a,41bと接触させるためのパッド53a,53bが形成されており」、「ステム10にマウントされる高周波信号ピン41a,41bの端部は、マイクロストリップ差動線路基板46のパッド53a,53bにロウ付けまたは半田付けによって接続固定されて」いるものの、ステム10から突出された高周波信号ピン41a,41bを保持するものといえるかどうかは不明である。 カ(ア) 引用発明の「2本のグランドピン42a,42b」は、本願発明の「一対のGNDピン」に相当する。 (イ) 引用発明の「グランドピン42a,42b」が、「グランドを構成するステム10の外壁面に圧着および溶接によって固着されて」いることは、本願発明の「一対のGNDピン」が、「前記貫通穴の内側を通らずに、前記貫通穴の外側で」「前記ステムに固定」されていることに相当する。 (ウ) 引用発明の「グランドピン42a,42b」が、「孔74の長手方向の両側に配されて」いることは、本願発明の「一対のGNDピン」が、「前記貫通孔の両側で、」「固定」されていることに相当する。 (エ) 引用発明の「グランドピン42a,42b」は、「グランドを構成するステム10の外壁面に圧着および溶接によって固着されて」いることからみて、ステム10と電気的に接続されていることは当業者には自明のことであるから、このことは、本願発明の「一対のGNDピン」が、「前記ステムに電気的に接続される」ことに相当する。 (オ) 前記(ア)~(エ)をまとめると、本願発明と引用発明は、「前記貫通穴の内側を通らずに、前記貫通穴の外側であって前記貫通穴の両側で、前記ステムに固定されて前記ステムに電気的に接続される一対のGNDピン」を有する点で一致する。 キ(ア) 引用発明の「孔74」が内周面を有すること、及び、引用発明の「一対の高周波信号ピン41a,41b」が外周面を有することは、いずれも自明である。よって、本願発明と引用発明は、「前記貫通穴は、内周面を有し、前記一対のリードピンは、外周面を有[する]」点で一致する。 (イ) 一方で、本願発明は、「前記内周面と外周面は、対向領域では相互に連結されないように、空隙によって分離され[る]」のに対して、引用発明は、「孔74に、誘電体77が挿入され、誘電体77には、一対のピン挿入孔80a,80bが形成され、これらのピン挿入孔80a,80bに高周波信号ピン41a,41bが挿入固定され[る]」点で相違する。 ク(ア) 引用発明の「孔74」は「ステム10」に形成されたものであり、「ステム10」は「グランドを構成する」ものであるから、グランドはシールドとして機能するという技術常識を勘案すれば、「孔74」の内周面は、「シールド面」であるといえる。 よって、本願発明と引用発明は、「前記内周面がシールド面であ[る]」点で一致する。 (イ) 引用発明は、「高周波信号ピン41a,41bは、気密を保ったままステム10を介して電気信号を通過させるフィードスルーを構成」するものであるところ、「差動線路のフィードスルー」が有する「誘電体の比誘電率及び比透磁率の関数である特性インピーダンス」は、前記キも踏まえれば、本願発明の「前記内周面と前記外周面の間に介在する媒質の誘電率に従った特性インピーダンス」に相当する。 (ウ) 引用発明において、「ステム10を貫通するピンも、長円形状の誘電体77に一対の高周波信号ピン41a,41bを貫通させることで、差動線路を構成する差動ピンとして[いる]」ことは、差動線路が伝送線路の一形態であることと、前記(イ)も踏まえると、本願発明において、前記(イ)の「特性インピーダンス」で「伝送線路が構成される」ことに相当する。 (エ) 前記(ア)~(ウ)をまとめると、本願発明と引用発明は、「前記内周面がシールド面であり、前記内周面と前記外周面の間に介在する媒質の誘電率に従った特性インピーダンスで、伝送線路が構成され[る]」点で一致する。 ケ(ア) 引用発明の「孔74」は「長円形状」であるところ、「孔74」の内周面のうち、長円の長手方向に対応する一対の面が、本願発明の「対向する一対の面領域」に相当する。 (イ) 前記イ(イ)及び前記ウ(イ)を踏まえると、引用発明の「ステム10」の「グランドピン42a,42b」が固着されている「外壁面10z」が、前記イ(イ)の「相互に反対の第1面及び第2面」のうち「第2面」に相当する。 (ウ) 引用発明は、「誘電体77に一対の高周波信号ピン41a,41bを貫通させる」ものであって、「ピン」が「ステム10を貫通する」ものであるから、「高周波信号ピン41a,41b」が、「ステム10」の「外壁面10z」から突出することは明らかであり、このことは、本願発明において、「前記一対のリードピン」は、「前記第2面から突出する」ことに相当する。 (エ) 引用発明の、「グランドピン42a,42b」は、「ステム10の外壁面10zに圧着および溶接によって固着されて」いるから、「ステム10」の「外壁面10z」から突出することは明らかであり、このことは、本願発明において、「前記一対のGNDピンは、前記第2面から突出する」ことに相当する。 (オ) 引用発明において、「グランドピン42a,42bは、高周波信号ピン41a,41bと長円形状の孔74の長手方向に沿うように」「配されて」いることは、前記(ア)も踏まえると、本願発明において、「前記一対のリードピンおよび前記一対のGNDピンは、」「前記対向する一対の面領域に沿った方向に隣り合[う]」ことに相当する。 (カ) 前記(ア)~(オ)をまとめると、本願発明と引用発明は、「前記内周面は、対向する一対の面領域を有し、前記一対のリードピンおよび前記一対のGNDピンは、前記第2面から突出し、前記対向する一対の面領域に沿った方向に隣り合[う]」点で一致する。 コ(ア) 引用発明の「セラミック基板51」の一対のストリップ差動信号線59a,59bが形成される「上面」及びベタグランドが形成される「裏面」はそれぞれ、本願発明の「第3面」及び「第4面」に相当する。 よって、本願発明と引用発明は、「前記絶縁基板は、第3面および第4面を有[する]」点で一致する。 (イ) 引用発明の「セラミック基板51」の「上面」に形成される「一対のストリップ差動信号線59a,59b」の一端側に形成される「パッド53a,53b」は、本願発明の「一対の第1導電パッド」に相当する。 また、引用発明において、「ステム10にマウントされる高周波信号ピン41a,41bの端部は、マイクロストリップ差動線路基板46のパッド53a,53bにロウ付けまたは半田付けによって接続固定されて」いることは、本願発明において、「前記第1導電パッドに前記一対のリードピンが接合され」ることに相当する。 よって、本願発明と引用発明は、「前記絶縁基板は、前記第3面に一対の第1導電パッドを有し、前記第1導電パッドに前記一対のリードピンが接合され[る]」点で一致する。 (ウ) 引用発明の「セラミック基板51」の「裏面」に形成される「ベタグランド」は、本願発明の「電極」に相当する。 よって、本願発明と引用発明は、「前記絶縁基板は、前記第4面に電極を有[する]」点で一致する。 (エ) 前記(ア)~(ウ)をまとめると、本願発明と引用発明は、「前記絶縁基板は、第3面および第4面を有し、前記絶縁基板は、前記第3面に一対の第1導電パッドを有し、前記第1導電パッドに前記一対のリードピンが接合され、前記絶縁基板は、前記第4面に電極を有[する]」点で共通する。 (オ) 一方で、「絶縁基板」について、本願発明は、「前記第3面に第2導電パッドを有し、前記第2導電パッドが前記ステムの前記第1面に接合され」、「前記電極および前記第2導電パッドがコンタクトを介して電気的に接続されている」のに対して、引用発明は、ステム10の内壁面に接合され、電極とコンタクトを介して電気的に接続される第2導電パッドを有していない点で相違する。 (2) 一致点及び相違点の認定 前記(1)の対比分析の結果をまとめると、本願発明と引用発明の一致点及び相違点は、次のとおりである。 ア 一致点 「相互に反対の第1面及び第2面を有して前記第1面から前記第2面まで貫通する貫通穴を有する導電性のステムと、 前記ステムに前記第1面の側で固定されて光信号及び電気信号を少なくとも一方から他方に変換するための光電素子と、 前記貫通穴の内側に前記ステムとは非接触で配置されて前記光電素子と電気的に接続される一対のリードピンと、 前記ステムに前記第1面の側で固定される絶縁基板と、 前記貫通穴の内側を通らずに、前記貫通穴の外側であって前記貫通穴の両側で、前記ステムに固定されて前記ステムに電気的に接続される一対のGNDピンと、 を有し、 前記貫通穴は、内周面を有し、 前記一対のリードピンは、外周面を有し、 前記内周面がシールド面であり、前記内周面と前記外周面の間に介在する媒質の誘電率に従った特性インピーダンスで、伝送線路が構成され、 前記内周面は、対向する一対の面領域を有し、 前記一対のリードピンおよび前記一対のGNDピンは、前記第2面から突出し、前記対向する一対の面領域に沿った方向に隣り合い、 前記絶縁基板は、第3面および第4面を有し、 前記絶縁基板は、前記第3面に一対の第1導電パッドを有し、前記第1導電パッドに前記一対のリードピンが接合され、 前記絶縁基板は、前記第4面に電極を有する 光モジュール」である点。 イ 相違点 (ア) 相違点1 「絶縁基板」について、本願発明は、「前記貫通穴の外側で前記一対のリードピンを保持する」のに対して、引用発明は、「セラミック基板51」とともに「マイクロストリップ差動線路基板46」を構成する「一対のストリップ差動信号線52a,52b」の「一端側には、ステム10から突出された高周波信号ピン41a,41bと接触させるためのパッド53a,53bが形成されており」、「ステム10にマウントされる高周波信号ピン41a,41bの端部は、マイクロストリップ差動線路基板46のパッド53a,53bにロウ付けまたは半田付けによって接続固定されて」いるものの、ステム10から突出された高周波信号ピン41a,41bを保持するものといえるかどうかは不明である点。 (イ) 相違点2 本願発明は、「前記内周面と外周面は、対向領域では相互に連結されないように、空隙によって分離され[る]」のに対して、引用発明は、「孔74に、誘電体77が挿入され、誘電体77には、一対のピン挿入孔80a,80bが形成され、これらのピン挿入孔80a,80bに高周波信号ピン41a,41bが挿入固定され[る]」点。 (ウ) 相違点3 絶縁基板について、本願発明は、「前記第3面に第2導電パッドを有し、前記第2導電パッドが前記ステムの前記第1面に接合され」、「前記電極および前記第2導電パッドがコンタクトを介して電気的に接続されている」のに対して、引用発明は、ステム10の内壁面に接合され、電極とコンタクトを介して電気的に接続される第2導電パッドを有していない点。 3 判断 (1) 相違点についての検討 前記相違点について検討する。 ア 相違点1、2について 相違点1、2について併せて検討する。 引用発明は、ステム10には、孔74が形成されており、孔74に、誘電体77が挿入され、その誘電体77に高周波信号ピン41a,41bが挿入されているところ、引用発明を開示する引用文献5の【0088】には、ステム10の内側部分(高周波信号ピン41a,41bが誘電体77で囲まれているフィードスルー部分)ではインピーダンスが下がりすぎる傾向があることが明記されている。そうすると、引用発明に接した当業者であれば、ステム10の孔74において高周波信号ピン41a,41bの周囲に誘電体77が存在することによりインピーダンスが低下してしまい、孔の位置でインピーダンスの不整合を生じるおそれがあることは直ちに理解できることであるといえるのであり、このことは、ステムの孔に高周波信号ピンを備えた光半導体のキャンパッケージに関する技術として共通する引用文献6技術事項を踏まえれば、さらに明らかである。 したがって、引用発明において、ステム10の内側部分(高周波信号ピン41a,41bが誘電体77で囲まれているフィードスルー部分)でインピーダンスが下がりすぎることを解決するために、引用文献6技術事項を適用して、高周波信号ピン41a,41bがステム10と接することなく中空状態の孔74を挿通させて、ステム10から突出された高周波信号ピン41a,41bの端部が接続固定されるマイクロストリップ差動線路基板46のパッド53a,53bにおいて、ステム10の貫通孔に誘電体77がなくとも高周波信号ピン41a,41bが固定されるようにすることは、当業者が容易になし得たことである。 このとき、ステム10から突出された高周波信号ピン41a,41bの端部が接続固定されるマイクロストリップ差動線路基板46のパッド53a,53bにおいて、ステム10の貫通孔に誘電体77がなくとも高周波信号ピン41a,41bが固定されることは、相違点1に係る本願発明の絶縁基板が、「前記一対のリードピンを保持する」ことに相当する。また、パッド53a,53bに接触するのはステム10から突出された高周波信号ピン41a,41bであるから、当該接続固定はステム10に形成された孔74の外側で行われるものであり、このことは、相違点1に係る本願発明の一対のリードピンの保持が、「前記貫通穴の外側で」行われることに相当する。 さらに、高周波信号ピン41a,41bがステム10と接することなく中空状態の孔74を挿通させることは、相違点2に係る本願発明の「前記内周面と外周面は、対向領域では相互に連結されないように、空隙によって分離され[る]」ことに相当する。 このように、引用発明において引用文献6技術事項を適用することによって、当業者は、相違点1、2に係る本願発明の構成に至ることとなる。 イ 相違点3について 引用発明は、ステム10に対しほぼ垂直に配設された台座11の上面にマイクロストリップ差動線路基板46,47と、LD用チップキャリア48とが搭載されているものであるが、ステム10に対しほぼ垂直に配設された台台座11を用いる技術上の意義は、LD40が端面発光型であるためLD40の端面を光出射方向であるステム10の内壁面及び外壁面10zに直交する方向に向けるためであると解される。 一方、レーザダイオードとしては、端面発光型のものとともに面発光型のものもよく知られており、引用発明において、LD40として端面発光型に代えて面発光型を採用することは、単なる設計事項にすぎない。 その際に、前記1(3)で認定した周知技術のように「面発光型レーザを搭載した基板をステムに固定する際に、台座を用いずにその下面をステムに固定する」ように変更することは、面発光型を採用することに伴う必然的な設計事項にすぎないし、また、その際に、シールド効果を得るために、「基板の下面に複数の電極パッドを設け、複数の電極パッドのそれぞれに外部接続用ピンが接合され、基板の下面に設けられた接合用導体を介してステムに接合され、基板の上面に同一面導体層を設け、同一面導体層を接合用導体と電気的に接続してシールド効果を得ること」との前記1(3)で認定した周知技術を採用することも、当業者が容易に想到し得たことである。 このとき、セラミック基板51の下面に設けられ、高周波信号ピン41a,41bが接合される「複数の電極パッド」が、本願発明の「一対の第1導電パッド」に相当し、セラミック基板の下面に設けられステム10に接合される「接合用導体」が、本願発明の「第2導電パッド」に相当し、セラミック基板の上面に形成され、接合用導体と接続される「同一面導体層」が、本願発明の「電極」に相当することとなるから、引用発明において上記のように周知技術を適用することによって、当業者は、相違点3に係る本願発明の構成に至ることとなる。 ウ 総合検討 前記相違点1~3を総合的に勘案しても、本願発明の奏する効果は、本願発明の構成が奏するものとして、引用発明、引用文献6技術事項及び周知技術からは予測困難な効果であり、かつ、格別顕著な効果であるとはいえない。 (2) 請求人の主張について 請求人は、引用発明は、ステムの第1面に台座11があり、基板46が台座11に取り付けられているため、基板46とステム10の第1面は直接的には接合されない旨を主張している。 しかしながら、引用発明においてLD40として端面発光型に代えて面発光型を採用することは単なる設計事項にすぎないこと、面発光型レーザを搭載した基板をステムに固定する際に、台座を用いずにその下面をステムに固定するように変更することは、面発光型を採用することに伴う必然的な設計事項にすぎないことは、前記(1)イで説示したとおりである。 よって、請求人の主張は採用できない。 4 小括 以上検討のとおり、本願発明は、引用発明、引用文献6技術事項及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第5 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-003238

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