特許拒絶査定不服審判
2023-003112
ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラム
- 審判番号
- 2023-003112
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2022-044683外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2023年02月22日
- 審決日
- 2023年12月07日
- 公報発行日
- 2024年01月26日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】LINEヤフー株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人樹之下知的財産事務所
- 分類
- P18 .121-WY (G01C) / P18 .55 -WY (G01C)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第3項、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2022-44683「ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和5年9月29日出願公開、特開2023-138142、請求項の数(7)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願(特願2022-044683号)は、令和4年3月18日の出願であって、令和4年6月15日付けで拒絶理由通知がされ、令和4年8月2日に意見書及び手続補正書が提出され、令和4年8月12日付けで拒絶理由通知がされ、令和4年10月20日に意見書及び手続補正書が提出されたが、令和4年11月11日付けで補正の却下の決定がされるとともに拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、令和5年2月22日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出されたものである。
第2 原査定の概要
原査定(令和4年11月11日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
1.(新規事項)令和4年8月2日付け手続補正書でした補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。
2.(進歩性)本願請求項1、2、6及び7に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2にて例示される周知技術に基いて、本願請求項3に係る発明は、以下の引用文献1及び3に記載された発明並びに引用文献2にて例示される周知技術に基いて、本願請求項5に係る発明は、以下の引用文献1及び4に記載された発明並びに引用文献2にて例示される周知技術に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1.特開2011-053103号公報
2.特開2003-177033号公報(周知技術を示す文献)
3.国際公開第2020/175599号
4.特開2009-134280号公報
第3 新規事項の追加
令和5年2月22日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし7において原査定の理由1において指摘された「又は、配信ユーザが地図上で複数の前記地点を結んで設定したルートコンテンツ」なる事項が削除された。
したがって、原査定の理由1によっては、本願を拒絶することはできない。
第4 進歩性の欠如
1.本願発明
本願請求項1ないし7に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明7」という。)は、令和5年2月22日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定される発明であり、このうち、独立形式請求項である本願発明1及び6は以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
ユーザの現在位置であるユーザ位置を検出する現在位置検出部と、
複数の地点を経由するルートと、各前記地点を紹介する地点紹介情報とを含む複数のルートコンテンツであって、動画の配信ユーザが複数の前記地点に移動しながら動画を撮影した際の撮影位置の履歴に基づいた前記ルートを含むルートコンテンツを前記ユーザが所有するユーザ端末に送信するルート提示部と、
複数の前記ルートコンテンツのうちから前記ユーザによって選択されたルートコンテンツのルートに沿った移動案内を要求する旨の案内要求を前記ユーザ端末から取得する案内要求受信部と、
前記ユーザ位置を中心とした地図情報を取得する地図取得部と、
前記ユーザ位置に対応したユーザ位置アイコンと、前記案内要求により指定された前記ルートコンテンツの前記ルートとを前記地図情報に重畳して前記ユーザ端末の表示部に表示させ、前記現在位置検出部で検出される前記ユーザ位置の遷移に応じて前記ユーザ位置アイコンを前記地図上で移動させて前記ルートに沿った前記ユーザの移動を案内する移動案内部と、
を備え、
前記移動案内部は、前記ユーザ位置が前記ルートコンテンツの前記ルートから外れた場合に、現在の前記ユーザ位置から、前記ルートコンテンツにおいて前記ユーザが外れた場所に復帰するように前記ユーザの移動を案内する、ナビゲーション装置。」
「【請求項6】
コンピュータによりユーザの位置を案内するナビゲーション方法であって、
前記コンピュータは、現在位置検出部、ルート提示部、案内要求受信部、地図取得部、及び、移動案内部を備え、
前記現在位置検出部が、ユーザの現在位置であるユーザ位置を検出する現在位置検出ステップと、
前記ルート提示部が、複数の地点を経由するルートと、各前記地点を紹介する地点紹介情報とを含む複数のルートコンテンツであって、動画の配信ユーザが複数の前記地点に移動しながら動画を撮影した際の撮影位置の履歴に基づいた前記ルートを含むルートコンテンツを前記ユーザが所有するユーザ端末に送信するルート提示ステップと、
前記案内要求受信部が、複数の前記ルートコンテンツのうちから前記ユーザによって選択されたルートコンテンツのルートに沿った移動案内を要求する旨の案内要求を前記ユーザ端末から取得する案内要求受信ステップと、
前記地図取得部が、前記ユーザ位置を中心とした地図情報を取得する地図取得ステップと、
前記移動案内部が、前記ユーザ位置に対応したユーザ位置アイコンと、前記案内要求により指定された前記ルートコンテンツの前記ルートとを前記地図情報に重畳して前記ユーザ端末の表示部に表示させ、前記現在位置検出部で検出される前記ユーザ位置の遷移に応じて前記ユーザ位置アイコンを前記地図上で移動させて前記ルートに沿った前記ユーザの移動を案内する移動案内ステップと、を実施し、
前記移動案内ステップでは、前記ユーザ位置が前記ルートコンテンツの前記ルートから外れた場合に、現在の前記ユーザ位置から、前記ルートコンテンツにおいて前記ユーザが外れた場所に復帰するように前記ユーザの移動を案内する、ナビゲーション方法。」
2.引用文献、引用発明等
(1)引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、次の事項が記載されている(下線は当審において付した。以下同様。)。
「【0035】
図2に、本実施形態における動画撮影装置1、データサーバ2、表示端末3の構成を示す。この図に示すように、動画撮影装置1とデータサーバ2との間のデータ通信は、例えば、無線基地局4、無線基地局と接続する電話局5、および電話局と接続する広域ネットワーク6を介して行う。また、データサーバ2と表示端末3との間のデータ通信は、例えば広域ネットワーク6を介して行う。
【0036】
動画撮影装置1は、データ通信部10、表示部11、制御部12、スイッチ情報入力部13、位置検出部14、動画保存部15、動画撮影部16を備えている。データ通信部10は、無線基地局4、電話局5、広域ネットワーク6を介してデータサーバ2と通信を行うための周知の無線インターフェース装置である。表示部11は、制御部12の制御に従って各種情報を文字または画像で表示する装置である。制御部12は、データ通信部10、スイッチ情報入力部13から受けた信号に応じた処理を行い、その処理において、必要に応じてデータ通信部10、表示部11、動画撮影部16を制御し、位置検出部14、動画保存部15から情報を取得する。制御部12としては、例えばROM等に記録されているプログラムを実行することで各種機能を実現する周知のマイクロコンピュータを用いることができる。制御部12の具体的な処理内容については後述する。」
「【0039】
動画撮影部16は、制御部12の制御に従って、自機の周囲の風景を所定のフレームレート(例えば1秒に30フレーム)で繰り返し撮影し、繰り返し撮影された複数の撮影画像(すなわちフレーム)の集合体を、動画像として動画保存部15に記録する。
【0040】
表示端末3は、入力部30、回線端末装置31、制御部32、および表示部33を有している。入力部30は、ユーザの入力操作を直接受け付け、受け付けた入力操作の内容に応じた信号を制御部32に出力する。入力部30としては、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、リモートコントローラがある。回線端末装置31は、広域ネットワーク6を介してデータサーバ2との通信を行うためのインターフェース回路である。表示部33は、制御部32の制御に従って各種情報を文字または画像で表示する装置である。
【0041】
制御部32は、回線端末装置31、制御部32から受けた信号に応じた処理を行い、その処理において、必要に応じて回線端末装置31、表示部33を制御する。制御部32としては、例えばROM等に記録されているプログラムを実行することで各種機能を実現する周知のマイクロコンピュータを用いることができる。制御部32の具体的な処理内容については後述する。
【0042】
データサーバ2は、データベース部20、回線端末装置21、制御部22、およびを有している。回線端末装置21は、無線基地局4、電話局5、広域ネットワーク6等を介して動画撮影装置1および表示端末3との通信を行うためのインターフェース回路である。制御部22は、回線端末装置21から受けた信号に応じた処理を行い、その処理において、必要に応じてデータベース部20に対してデータの書き込みおよび読み出しを行う。制御部22としては、例えばROM等に記録されているプログラムを実行することで各種機能を実現する周知のマイクロコンピュータを用いることができる。」
「【0044】
図3に、各データベース20a~20dに含まれる情報の一覧を示す。
【0045】
動画データベース20aには、複数個の動画情報が記録されるようになっている。個々の動画情報中では、1つの動画についての各種情報がまとめられている。具体的には、1つの動画情報中には、1つの動画についての動画ID、動画データ、撮影日時、再生時間、フォーマット、カメラ特性、投稿者情報、および動画付加情報等の情報が含まれる。
【0046】
動画IDは、その動画を一意に識別するための識別子(例えば識別番号)である。動画データは、当該動画そのもののデータである。撮影日時は、当該動画を撮影した日時の情報である。再生時間は、当該動画の総再生時間である。フォーマットは、当該動画の圧縮フォーマット(例えば、MPEG2、MPEG4)である。カメラ特性は、当該動画の撮影に用いられたカメラの特性(具体的には画角、または画角を決定するための各種カメラ特性)である。投稿者情報は、当該動画をデータサーバ2に送った人を識別する情報(例えば氏名、アカウント名、ニックネーム等)である。
【0047】
動画付加情報は、当該動画の内容をより詳しく説明するための情報である。この動画付加情報は、後述するように、動画撮影装置1を用いて当該動画をデータサーバ2に送信した人、または、表示端末3を用いて当該動画を閲覧した人が付加する情報である。動画付加情報としては、例えば、テキストデータ、画像データ、他の情報源(例えばデータサーバ2内の他の動画、データサーバ2以外のWebページ)へのリンク(例えばURL(Uniform Reference Locator))を示すリンク情報、当該動画の特徴を示す文字列であるタグ、当該動画の再生回数等がある。
【0048】
地図データベース20bには、地図情報が記録されている。地図情報は、道路の位置、接続関係、形状を示す道路情報、施設の名称、所在位置、種別を示す施設情報、各種地点の住所を示す住所情報、山、川、海等の自然構造物の位置、種別を示す構造物情報、各地点の標高を示す標高情報等が含まれる。
【0049】
アイコンデータベース20cには、複数個のアイコン情報が記録されるようになっている。アイコンとは、後述するように、地点(施設、自然構造物等)を指し示すために表示端末3のユーザによって動画中に登録され、動画中および地図中に表示される絵柄または記号の画像をいう。個々のアイコン情報中では、1つのアイコンについての各種情報がまとめられている。具体的には、1つのアイコン情報中には、1つのアイコンについてのアイコンID、登録者情報、アイコン付加情報、登録目的、種別、同一地点アイコンID等の情報が含まれる。
【0050】
アイコンIDは、当該アイコンを一意に識別するための識別子(例えば識別番号)である。登録者情報は、当該アイコンを登録したユーザを識別する情報(例えば氏名、アカウント名、ニックネーム等)である。
【0051】
アイコン付加情報は、当該アイコンの指し示す地点をより詳しく説明する情報である。このアイコン付加情報は、後述するように、表示端末3を用いて当該アイコンを登録したユーザ、または、表示端末3を用いて当該アイコンを閲覧したユーザが付加する情報である。アイコン付加情報としては、例えば、テキストデータ、画像データ、他の情報源(例えばWebサイト、動画)へのリンクを示すリンク情報、当該アイコンの特徴を示す文字列であるタグ、当該アイコンの再生回数等がある。
【0052】
登録目的は、当該アイコンが登録された目的(広告する、コメントを付加する、お気に入りであることを示す情報を付加する)である。種別は、当該アイコンが指し示すもの(例えば、施設、自然構造物等)の種別(例えば、コンビニエンスストア、ホテル、飲食店、イベント会場等)である。同一地点アイコンIDは、当該アイコンと同一の地点を指し示しているとみなした他のアイコンのアイコンIDである。」
「【0060】
[1]動画登録
まず、動画を動画撮影装置1からデータサーバ2に登録する際の作動について説明する。図5は、動画の登録時における動画撮影装置1、データサーバ2、表示端末3の作動手順を示すシーケンス図である。動画登録時に動画撮影装置1からデータサーバ2に送信されるデータは、図4に示す通りである。
【0061】
まず動画撮影装置1は、動画撮影を行う(ステップ101)、この動画撮影は、動画撮影装置1の移動中にユーザがスイッチ情報入力部13に対して撮影開始の操作を行ったときに始まり、その後ユーザがスイッチ情報入力部13に対して撮影終了の操作を行ったときに終了する。つまり、制御部12が、撮影開始の操作があったときに動画撮影部16を制御して撮影を開始させ、撮影終了の操作があったときに動画撮影部16を制御して撮影を終了させる。このようにして撮影された動画は、動画保存部15に動画データとして記録される。
【0062】
続いて動画撮影装置1は、撮影された動画データに情報を関連付けて動画保存部15に記録する(ステップ102)。動画データに関連付ける情報は、図4に示す通り、図3に示した動画情報のうち、動画データおよび動画ID以外の情報がある。
【0063】
動画データに関連付ける撮影日時は、撮影開始時または終了時の日時とする。また、関連付ける再生時間は、撮影開始時刻から撮影終了時刻までの時間とする。関連付けるフォーマット、カメラ特性は、あらかじめ定められた値を用いる。また、関連付ける投稿者情報および動画付加情報は、ユーザがスイッチ情報入力部13を用いて入力し、その入力された情報を採用してもよい。
【0064】
さらに動画データに関連付ける情報としては、図4に示す通り、図3に示した動画-地図リンク情報のうち、動画経路情報がある。このために、動画撮影装置1の制御部12は、動画撮影部16が撮影を開始したタイミングから撮影を終了するタイミングまで、繰り返し(例えば定期的に1秒周期で)位置検出部14から現在位置を取得し、取得した現在位置と現在時刻の組を、逐次動画保存部15に記録しておく。このように記録された情報は、当該動画の撮影開始地点から撮影終了地点までの時刻情報付きの経路データとなり、このデータを、動画経路情報として当該動画に関連付ける。
【0065】
続いて動画撮影装置1は、データ通信部10を用いて、ステップ102で作成した情報をデータサーバ2に送信する(ステップ103)。
【0066】
するとデータサーバ2の制御部22は、回線端末装置21を介してその情報を受信し(ステップ104)、受信した情報中の動画データ用の動画IDを作成する(ステップ105)。この動画IDについては、それまでに作成した動画IDとは値が異なるようにする。
【0067】
続いて制御部22は、当該動画に対応する動画表示地点情報を作成する(ステップ106)。本実施形態では、動画撮影装置1から受信した動画経路情報に基づいて、当該動画経路情報が示す経路(すなわち動画撮影時に動画撮影装置1が移動した撮影経路)のすべての範囲を動画表示地点情報とする。しかし、他の例として、当該動画経路情報の始点となる地点、終点となる地点、および、動画経路情報が示す経路(以下、単に撮影経路という)上の始点と終点の中間点のうちいずれか1つを動画表示地点情報としてもよい。
【0068】
続いて、受信した動画データ、撮影日時、再生時間、フォーマット、カメラ特性、投稿者情報、および動画付加情報と、作成した動画IDとの組を、1個の動画情報として動画データベース20aに記録する。さらに、受信した動画経路情報と、ステップ105で作成した動画IDと、ステップ106で作成した動画表示地点情報との組を、1個の動画-地図リンク情報としてリンクデータベース20dに記録する(ステップ107)。
【0069】
このようにして、動画撮影装置1で撮影された動画およびそれに対応する動画情報および動画-地図リンク情報が、データサーバ2のデータベース部20に登録される。以上のような処理がデータサーバ2と複数の動画撮影装置1との間で繰り返されることにより、データサーバ2の地図データベース中の地図に対する1つの動画の登録が繰り返され、その結果、地図に複数の動画が登録される。なお、登録される動画の撮影経路は、重複する場合もある。
【0070】
その後、データサーバ2は必要に応じて地図画像のデータおよび動画データを表示端末3に送信し(ステップ108)、表示端末3では、回線端末装置31を介して地図画像データおよび動画データを受信した制御部32が、これら地図画像のデータおよび動画データを用いて表示部33に地図画像および動画を表示させる。
【0071】
図6に、データサーバ2から表示端末3に送信される地図および動画の例を示す。データサーバ2の制御部22は、動画-地図リンク情報中の動画表示地点情報に基づいて、送信用の地図画像中に動画表示地点情報で示された地点が含まれるか否かを判定し、含まれる場合は、地図画像のその地点を強調した画像および当該動画表示地点情報に対応する動画の動画情報および動画-地図リンク情報を表示端末3に送信する。本実施形態の場合、動画表示地点情報で示された地点は、撮影経路の全体である。したがって、図6のように、地図画像41中において、ある動画が撮影された撮影経路41aおよび別の動画が撮影された撮影経路41bが、強調して表示される。
【0072】
また、表示部33に地図画像41が表示されている状態で、表示端末3のユーザが入力部30を用いて撮影経路41aを選択した場合、制御部32はその選択した撮影経路41aに対応する動画情報中の動画データを再生して表示部33に表示させる。
【0073】
あるいは、表示部33に地図画像41が表示されている状態で、表示端末3のユーザが入力部30を用いて撮影経路41aを選択した場合、制御部32はその選択した撮影経路41aの情報をデータサーバ2に送信し、データサーバ2の制御部22は、その選択された撮影経路41aに対応する動画IDを動画-地図リンク情報から読み出し、読み出した動画IDを有する動画情報を動画データベース20aから抽出し、更にこの動画IDを有する動画-地図リンク情報リンクデータベース20dから読み出すようになっていてもよい。この場合制御部22は、読み出した動画情報および動画-地図リンク情報を表示端末3に送信する。そしてこの動画情報および動画-地図リンク情報を受信した表示端末3の制御部32は、動画情報中の動画データを再生して表示部33に表示させる。
【0074】
なお、動画42の再生の際、地図画像41と動画42とは、表示部33の同じ画面上に同時に表示させる。そして、動画-地図リンク情報中の動画経路情報(撮影時刻と撮影地点の組を複数有する情報)に基づいて、再生の進行に同期させて地図画像41中で撮影地点マーク41cを撮影経路41aに沿って移動させる。この際、撮影時刻の進行量とフレームの進行量との対応関係は、フレームレートから特定できる。これによって、動画42が現在表示しているフレーム(コマ)の画像が、撮影経路中のどの位置で撮影されたかが明確に視認できるようになる。」
「【0130】
[3]動画検索
次に、動画検索について説明する。データサーバ2において複数の動画およびアイコンが登録されている状態で、ある表示端末3(第1の表示端末に相当する)のユーザは、所望の動画をデータサーバ2に検索させることができる。図17に、動画を検索するためのデータサーバ2および表示端末3の作動の一例をシーケンス図で表す。
【0131】
まず表示端末3の制御部32は、入力部30に対するユーザの動画検索操作を受け付け(ステップ131)、続いて受け付けた動画検索操作の内容を示す情報をデータサーバ2に送信する(ステップ132)。データサーバ2の制御部22は、この動画検索操作の内容の情報を受信し(ステップ133)、受信した情報に応じた方法で動画検索処理を行う(ステップ134)。動画検索処理では、動画データベース20aから動画検索操作の内容に適合する動画を抽出する。
【0132】
抽出できた動画が1つである場合、そのまま抽出した動画(第1の動画の一例に相当する)を表示端末3で表示させるために必要な情報(動画情報、地図情報、アイコン情報、動画-地図リンク情報、動画-アイコンリンク情報、地図-アイコンリンク情報等)をデータベース部20から取得し(ステップ141)、取得した情報をリクエスト元の表示端末3に送信し(ステップ142)、表示端末3の制御部32はこの情報中の動画を受信し、表示部33に表示および再生させる(ステップ143)。
【0133】
動画検索処理で抽出できた動画が複数個ある場合、抽出した動画のリストおよび動画付加情報等を検索結果として表示端末3に送信する(ステップ135)。表示端末3の制御部32はこの検索結果を受信し(ステップ136)、受信した検索結果を表示部33に表示させる(ステップ137)。そして表示端末3のユーザが入力部30を用いて表示された動画のリストのうちから1つの動画を選択すると(ステップ138)、制御部32はその選択された動画(第1の動画の一例に相当する)を指定する情報をデータサーバ2に送信する(ステップ139)。
【0134】
データサーバ2はこの動画を指定する情報を受信し(ステップ140)、その後、この指定された動画の表示に必要な情報をデータベース部20から取得して(ステップ141)表示端末3に送信する(ステップ142)。」
「【0174】
[5]地図・動画表示
次に、上述した動画検索によって再生する動画が決定し、あるいは、上述した「アイコン検索およびアイコン検索に続く動画再生開始フレーム決定」によって再生する動画および再生開始フレームが決定した後に、地図、動画等を表示端末3に表示させるための作動について説明する。以下では、再生する動画を再生動画(第1の動画の一例に相当する)という。図25に、地図および動画の表示処理の作動を示すシーケンス図を示す。
【0175】
まずデータサーバ2の制御部22は、再生動画および再生動画の撮影地点周辺の地図等を表示端末3に表示させるため、必要なデータを表示端末3に送信する(ステップ171)。送信するデータは、図4に示すように、動画情報、地図情報、アイコン情報、動画-地図リンク情報、動画-アイコンリンク情報、地図-アイコンリンク情報を含む。そして、「アイコン検索およびアイコン検索に続く動画再生開始フレーム決定」によって再生開始フレームを決定している場合には、更に、再生する動画の再生開始フレームの情報も含む。
【0176】
送信する動画情報は、再生する動画の動画情報である。また、送信する地図情報は、再生する動画の撮影経路(動画-地図リンク情報の動画経路情報に基づいて特定する)を含む範囲の地図情報である。
【0177】
また、送信するアイコン情報は、送信する地図範囲中にアイコン表示地点(地図-アイコンリンク情報に基づいて特定する)が存在するすべてのアイコンのアイコン情報に加え、それらアイコン情報中の同一地点アイコンIDをアイコンIDとして有するすべてのアイコン情報である。
【0178】
また、送信する動画-地図リンク情報は、送信する動画情報に対応する動画-地図リンク情報、および、送信する地図中に登録されたすべての動画に対応する動画-地図リンク情報である。
【0179】
また、送信する動画-アイコンリンク情報は、送信するアイコン情報に対応するすべての動画-アイコンリンク情報である。また、送信する地図-アイコンリンク情報は、送信するアイコン情報に対応するすべての地図-アイコンリンク情報である。
【0180】
表示端末3の制御部32は、このようにして送信されたデータを受信すると(ステップ172)、地図表示処理を実行する(ステップ173)と共に、動画再生処理を実行する(ステップ174)。この地図表示処と動画再生処理は、制御部32において並列処理またはタイムシェアリング方式で実質的に同時に実行されるようになっっていてもよいし、地図表示処、動画再生処理の順に実行されるようになっていてもよい。
【0181】
そして、この動画再生処理において、表示部33において表示されたリンク先にある情報を必要に応じてデータサーバ2に要求し、その要求を受信したデータサーバ2の制御部22は、当該リンク先にある情報を要求元の表示端末3に送信する(ステップ175)。そしてこのリンク先にある情報を受信した表示端末3の制御部32は、リンク先にある情報を表示部33に表示させる。
【0182】
ここで、地図表示処理について詳細に説明する。図26に、地図表示処理のフローチャートを示す。地図表示処理において制御部32は、まずステップ1505で、データサーバ2から受信した地図情報を用いて地図を表示部33に表示させる。続いてステップ1510で、表示させた地図上に再生動画の撮影地点(より具体的には撮影経路)を強調表示させる。再生動画の撮影経路は、再生動画の動画-地図リンク情報中の動画経路情報に基づいて特定する。」
「
[図:0001405644000001.jpg]
」(【図2】)
「
[図:0001405644000002.jpg]
」(【図3】)
「
[図:0001405644000003.jpg]
」(【図5】)
「
[図:0001405644000004.jpg]
」(【図17】)
「
[図:0001405644000005.jpg]
」(【図25】)
「
[図:0001405644000006.jpg]
」(【図26】)
したがって、上記引用文献1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「 アイコンの指し示す地点を経由する撮影経路と、アイコンの指し示す地点をに付加する動画付加情報を含む複数の動画であって、動画をデータサーバ2に送信した人がアイコンの指し示す地点に移動中に動画撮影を行った撮影地点を記録した撮影経路を含む動画をユーザの表示端末3に送信するデータサーバ2の制御部22と、
複数の動画のうちからユーザによって選択された動画の撮影経路に沿った再生をさせる選択操作に応じた動画IDを表示端末3から送信するデータサーバ2の制御部22と、
地図情報を受信する表示端末3の制御部32と、
撮影地点マーク41cと、選択操作により指定された動画の撮影経路とを地図情報に表示端末3の表示部33に強調表示させ、撮影地点に応じて撮影地点マーク41cを地図上で移動させて撮影経路に沿った再生をする表示端末3の制御部32と、
を備えた、
道路・地図連動表示システム。」
(2)引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、次の事項が記載されている。
「【0021】図4は、携帯ナビゲーション装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。制御部60は、CPU62と、ROM,RAM等からなるメモリ64と、入出力インタフェース(I/F)65とを備えたマイクロコンピュータで構成されている。制御部60はバスを介して入力検出部50、LCD方位検出部52、頭部方位検出部54、受信部56、通信部58、画像処理部66及び楽音処理部68に接続されている。制御部60はメモリ64に予め記憶された制御プログラムをCPU62で実行することにより、携帯ナビゲーション装置10の全体を制御してナビゲーション機能を実現する。
【0022】制御部60のメモリ64にはそのROM部分に、携帯ナビゲーション装置10の各種機能を実現するための制御プログラムが記憶される他、そのRAM部分に地図情報、LCDの基準方向(LCD基準方向)の方位情報、頭部正面方向の方位情報、現在地での進むべき方位を示す案内情報、楽音情報、現在地の位置情報、目的地の位置情報、目的地の方位情報等が記憶される。尚、通信部58を通じて地図情報及び楽音情報を適時サーバ・コンピュータ6からその都度必要な分だけダウンロードしてメモリ64のRAM部分に記憶することでメモリ64の小容量化を実現してもよいし、大容量のROMで構成されているメモリ64に広範囲の地図情報及び楽音情報を一括して記憶しておくようにしてもよい。」
「【0026】画像処理部66は、LCD22の駆動回路、DSP等から構成される。画像処理部66は、メモリ64に記憶されている地図情報等に基づき地図画像等をLCD22の画面24に表示させる。画像処理部66は、地図情報がBitmap形式等のラスタデータである場合、ラスタデータの所定範囲分をメモリ64から読み出して地図画像を画面24に表示させる。また画像処理部66は、地図情報がベクトルデータである場合、メモリ64から読み出したベクトルデータに基づいてラスタデータを生成し、生成したラスタデータに基づいて地図画像を画面24に表示させる。また画像処理部66は例えば図1に示すように、ユーザの現在地及び進むべき方向を示す案内アイコン80や、目的地を示す目的地アイコン82等を地図画像に重ねて画面24に表示させる。」
「【0030】図5は、制御部60が制御プログラムを実行することで実現されるナビゲーション処理の流れを示すフローチャートである。以下、ユーザがヘッドホン14を頭部に装着しLCD基準方向が胸の正面方向と一致するように装置本体12を把持した状態(図1参照)にあることを前提として図5の流れに沿って説明する。
【0031】はじめに、入力キー26を用いて目的地の緯度及び経度を表す目的地の位置情報をユーザに入力させる(S11)。目的地の位置情報の入力方法としては、画面24に表示した地図画像上で目的地の位置をユーザに選択させあるいは目的地の住所をユーザに入力させることで目的地の緯度及び経度を算定してもよいし、目的地の緯度及び経度をユーザに直接入力させてもよい。尚、地図画像上で目的地の位置を選択させるには、例えば予めメモリ64のRAM部分に記憶された目的地周辺の地図情報を読み出す方法がある。また目的地の位置を選択させるとき地図画像における北が画面24の上側となるように地図画像を表示することで目的地の位置情報の入力を容易にすることができる。
【0032】次に制御部60は受信部56を用いて現在地の位置情報を取得する(S12)。尚、装置本体12にPHS通信用の送受信機能を備えることでPHS通信網の基地局から現在地の位置情報を取得するようにしてもよい。また、GPSによる位置情報の取得は屋内や地下街では困難であることから、屋外ではGPSにより位置情報を取得し、屋内や地下街ではPHS通信により位置情報を取得するようにしてもよい。
【0033】続いて制御部60は目的地の位置情報と現在地の位置情報とに基づき目的地の現在方位を算定する(S13)。尚、目的地の現在方位についてサーバ・コンピュータ6に算定させるようにしてもよい。続いて制御部60は通信部58を用いて案内情報及び地図情報をサーバ・コンピュータ6から受信する(S14)。この処理については後に詳述する。
【0034】続いて制御部60はLCD方位検出部52からLCD基準方向の現在方位を取得する(S15)。LCD基準方向の現在方位は例えば8方位のいずれかに近似して取得する。LCD基準方向の現在方位をある程度大まかに取得することで、経路画像が安定して表示されることとなり経路画像が見易くなる。
【0035】続いて制御部60は画像処理部66を用いてユーザの現在地及び進むべき方向を示す案内アイコン80を現在地周辺の地図画像に重ねた経路画像を画面24に表示する(S16)。このとき画像処理部66は、地図画像においてLCD基準方向の現在方位に一致する方位が現実空間のLCD基準方向の方位に一致するように地図画像を回転させ、現在地が画面中央に位置するように現在地周辺の地図画像を画面24に表示させる。また制御部60は案内アイコン80が画面24上で指示する方向を次のように算定する。すなわち制御部60は、案内情報が表すユーザの進むべき現実空間の方位を案内アイコン80が画面24上で指示するように、案内情報が示す方位及びLCD基準方向の方位に基づいて案内アイコン80の指示方向を算定する。地図画像においてLCD基準方向の現在方位に一致する方位が現実空間のLCD基準方向の方位に一致しているため、案内アイコン80は現実空間で進むべき方位を指示するとともに地図画像においても進むべき方位を指示する。また、地図画像に表されている領域内に目的地が入っていれば目的地アイコン82を地図画像に重ねて目的地として表示する。」
「【0039】図6は、上記S14における処理を示すシーケンス図である。以下、ナビゲーション装置10がサーバ・コンピュータ6から地図情報及び案内情報を受信する流れを図6に基づいて説明する。ナビゲーション装置10は通信部58を用いて、現在地の位置情報及び目的地の位置情報をサーバ・コンピュータ6に送信し現在地周辺の地図情報及び案内情報をサーバ・コンピュータ6に要求する(S31)。
【0040】ナビゲーション装置10の現在地及び目的地の位置情報を受け取ったサーバ・コンピュータ6は、地図情報及び案内情報を携帯ナビゲーション装置10に送信するための処理を次のように行う。まず携帯ナビゲーション装置10から取得する現在地の位置情報、目的地の位置情報及びサーバ・コンピュータ6のデータベース(DB)で管理している路線情報に基づき、現在地から目的地までの推奨経路情報を作成し、現在地の位置情報及び推奨経路情報に基づいてナビゲーション装置10の現在地からユーザが進むべき方位を示す案内情報を作成する(S41)。続いて携帯ナビゲーション装置10の現在地の位置情報に基づきDBから携帯ナビゲーション装置10の現在地周辺の地図情報を読み出す(S42)。続いて、案内情報と地図情報とを基地局4を通じて携帯ナビゲーション装置10に送信する(S43)。
【0041】携帯ナビゲーション装置10は通信部58を用いて、サーバ・コンピュータ6から案内情報及び地図情報を受信する(S32)。以上、図6に基づいて地図情報及び案内情報を受信する流れを説明した。」
「
[図:0001405644000007.jpg]
」(【図4】)
「
[図:0001405644000008.jpg]
」(【図5】)
「
[図:0001405644000009.jpg]
」(【図6】)
したがって、上記引用文献2には、以下の技術的事項(以下、「引用文献2に記載された技術的事項」という。)が記載されていると認められる。
「 ユーザの現在地の位置情報を取得する受信部56と、
推奨経路情報に基づく案内にあたり現在地周辺の地図情報及び案内情報の要求を携帯ナビゲーション装置10から受け取るサーバ・コンピュータ6と、
現在地周辺の地図情報を読み出すサーバ・コンピュータ6と、
ユーザの現在地を示す案内アイコン80を地図画像に重ねて携帯ナビゲーション装置10の画面24に表示し、受信部56で取得するユーザの現在地を示す案内アイコン80を地図画像に表示させて推奨経路情報に沿ったユーザの移動を案内する制御部60及び画像処理部66と、
を備えた、
携帯ナビゲーション装置。」
3.対比・判断
(1)本願発明1について
ア 対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
(ア)引用発明における「アイコンの指し示す地点」は本願発明1における「複数の地点」に相当し、同様に、「アイコンの指し示す地点を経由する撮影経路」は「複数の地点を経由するルート」に、「アイコンの指し示す地点に付加する動画付加情報」は「各前記地点を紹介する地点紹介情報」に相当する。そして、引用発明における「アイコンの指し示す地点を経由する撮影経路と、アイコンの指し示す地点に付加する動画付加情報を含む複数の動画」は本願発明1における「複数の地点を経由するルートと、各地点を紹介する地点紹介情報を含む複数のルートコンテンツ」に相当する。
また、引用発明における「動画をデータサーバ2に送信した人」は本願発明1における「動画の配信ユーザ」に相当し、同様に「移動中に」は「移動しながら」に、「動画撮影を行った撮影地点」は「動画を撮影した際の撮影位置」に、「を記録した」は「の履歴に基づいた」に、それぞれ相当する。そして、引用発明における「動画をデータサーバ2に送信した人がアイコンの指し示す地点に移動中に動画撮影を行った撮影地点を記録した撮影経路を含む動画」は本願発明1における「動画の配信ユーザが複数の地点に移動しながら動画を撮影した際の撮影位置の履歴に基づいたルートを含むルートコンテンツ」に相当する。
さらに、引用発明における「ユーザ」は「ユーザ」に相当し、同様に、「ユーザの表示端末3」は「ユーザが所有するユーザ端末」に、「送信する」は「送信する」に、それぞれ相当する。
そうすると、引用発明における「データサーバ2の制御部22」は本願発明1における「ルート提示部」に相当する。
(イ)引用発明における「選択された」は、本願発明1における「選択された」に相当する。そして、引用発明における「複数の動画のうちからユーザによって選択された動画の撮影経路に沿った再生をさせる選択操作」は本願発明1における「複数のルートコンテンツのうちからユーザによって選択されたルートコンテンツのルートに沿った移動案内を要求する旨の案内要求」と「複数のルートコンテンツのうちからユーザによって選択されたルートコンテンツのルートに沿った追体験を要求する旨の要求」という限りにおいて一致する。
また、引用発明における「複数の動画のうちからユーザによって選択された動画の撮影経路に沿った再生をさせる選択操作に応じた動画IDを表示端末3から送信する」ことは本願発明1における「複数のルートコンテンツのうちからユーザによって選択されたルートコンテンツのルートに沿った移動案内を要求する旨の案内要求をユーザ端末から取得する」ことと「複数のルートコンテンツのうちからユーザによって選択されたルートコンテンツのルートに沿った追体験を要求する旨の要求をユーザ端末から取得する」ことという限りにおいて一致する。
そうすると、引用発明における「複数の動画のうちからユーザによって選択された動画の撮影経路に沿った再生をさせる選択操作に応じた動画IDを表示端末3から送信するデータサーバ2の制御部22」は、本願発明1における「複数のルートコンテンツのうちからユーザによって選択されたルートコンテンツのルートに沿った移動案内を要求する旨の案内要求をユーザ端末から取得する案内要求受信部」と「複数のルートコンテンツのうちからユーザによって選択されたルートコンテンツのルートに沿った追体験を要求する旨の要求をユーザ端末から取得する要求受信部」という限りにおいて一致する。
(ウ)引用発明における「地図情報」は本願発明1における「ユーザ位置を中心とした地図情報」と「地図情報」という限りにおいて一致する。また、引用発明における「受信する」は本願発明1における「取得する」に相当する。
そうすると、引用発明における「地図情報を受信する表示端末3の制御部32」は本願発明1における「ユーザ位置を中心とした地図情報を取得する地図取得部」と「地図情報を取得する地図取得部」という限りにおいて一致する。
(エ)引用発明における「撮影地点マーク41c」は本願発明1における「ユーザ位置に対応したユーザ位置アイコン」と「アイコン」という限りにおいて一致する。また、引用発明における「選択操作」は本願発明1における「案内要求」と「要求」という限りにおいて一致する。
また、引用発明における「表示端末3」は、本願発明1における「ユーザ端末」に相当し、同様に、「表示部33は「表示部」に、「強調表示させ」は「表示させ」に、それぞれ相当する。
さらに、引用発明における「撮影地点」は本願発明1における「現在位置検出部で検出されるユーザ位置」と「位置」という限りにおいて一致する。また、引用発明における「に応じて」は本願発明1の「の遷移に応じて」に相当し、同様に、「移動させて」は「移動させて」に、それぞれ相当する。
そして、引用発明における「撮影経路に沿った再生をする」ことは本願発明1における「ルートに沿ったユーザの移動を案内する」ことと「ルートに沿った追体験をさせる」ことという限りにおいて一致する。
そうすると、引用発明における「表示端末3の制御部32」は本願発明1における「移動案内部」と「表示部」という限りにおいて一致する。
(オ)引用発明における「道路・地図連動表示システム」は本願発明1における「ナビゲーション装置」と「装置」という限りにおいて一致する。
したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「 複数の地点を経由するルートと、各地点を紹介する地点紹介情報を含む複数のルートコンテンツであって、動画の配信ユーザが複数の地点に移動しながら動画を撮影した際の撮影位置の履歴に基づいたルートを含むルートコンテンツをユーザが所有するユーザ端末に送信するルート提示部と、
複数のルートコンテンツのうちからユーザによって選択されたルートコンテンツのルートに沿った追体験を要求する旨の要求をユーザ端末から取得する要求受信部と、
地図情報を取得する地図取得部と、
アイコンと、要求により指定されたルートコンテンツのルートを地図情報にユーザ端末の表示部に表示させ、位置の遷移に応じてアイコンを地図上で移動させてルートに沿った追体験をさせる表示部と、
を備えた、
装置。」
(相違点)
本願発明1は、「「ユーザの現在位置であるユーザ位置を検出する現在位置検出部と、」
複数のルートコンテンツのうちからユーザによって選択されたルートコンテンツのルートに沿った「移動案内」を要求する旨の「案内」要求をユーザ端末から取得する「案内」要求受信部と、
「 ユーザ位置を中心とした」地図情報を取得する地図取得部と、
「ユーザ位置に対応したユーザ位置アイコン」と、「案内」要求により指定されたルートコンテンツのルートとを地図情報に「重畳して」ユーザ端末の表示部に表示させ、「現在位置検出部で検出されるユーザ位置」の遷移に応じて「ユーザ位置アイコン」を地図上で移動させてルートに沿った「ユーザの移動を案内する移動案内」部と、
を備え、
「移動案内部は、ユーザ位置がルートコンテンツのルートから外れた場合に、現在のユーザ位置から、ルートコンテンツにおいてユーザが外れた場所に復帰するようにユーザの移動を案内する」、「ナビゲーション」装置。」
であるのに対し、
引用発明1は、
複数の動画(ルートコンテンツ)のうちからユーザ(ユーザ)によって選択された動画(ルートコンテンツ)の撮影経路(ルート)に沿った「再生」をさせる(要求する旨の)選択操作に応じた動画IDを表示端末3から送信する(を前記ユーザ端末から取得する)案内要求受信部(「データサーバ2の制御部22」)と、
地図情報(地図情報)を受信する(取得する)表示端末3の制御部32(地図取得部)と、
撮影地点マーク41cと、選択操作(要求)により指定された動画(ルートコンテンツ)の撮影経路(ルート)とを地図情報(地図情報)に表示端末3(前記ユーザ端末)の表示部33(表示部)に強調表示させ(表示させ)、撮影地点に応じて(の遷移に応じて)撮影地点マーク41cを地図(地図)上で移動させて(移動させて)撮影経路(ルート)に沿った再生をする表示端末3の制御部32と、
を備えた、
道路・地図連動表示システム
である点。
イ 相違点についての判断
上記相違点について検討する。
引用文献2に記載された技術的事項は、「第4引用文献、引用発明等」の「2.引用文献2について」に記載のとおりである。
しかしながら、引用文献2に記載された技術的事項は、相違点に係る本願発明1の発明特定事項のように、「ユーザ位置に対応したユーザ位置アイコン」と、「案内」要求により指定されたルートコンテンツのルートとを地図情報に「重畳して」ユーザ端末の表示部に表示させ、「現在位置検出部で検出されるユーザ位置の遷移に応じてユーザ位置アイコンを地図上で移動させてルートに沿ったユーザの移動を案内する移動案内」部を備えることを記載ないし示唆するものではないことから、当業者といえども、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項から、相違点に係る本願発明1の発明特定事項に容易に想到することはできない。
また、上記引用文献3は、原査定では本願発明3及び4において新たに特定された発明特定事項に対して引用され、同引用文献4は、同じく本願発明5において新たに特定された発明特定事項に対して引用されたものであるところ、引用文献3及び引用文献4のいずれも相違点に係る本願発明1の発明特定事項を開示するものではない。
以上のとおり、引用文献2ないし4に記載された技術的事項はいずれも相違点に係る本願発明1の発明特定事項を記載ないし示唆するものではないことから、本願発明1は引用発明並びに引用文献2ないし4に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
ウ まとめ
したがって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明並びに引用文献2ないし4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
(2)本願発明2ないし5及び7について
本願発明2ないし5及び7は、本願発明1を引用するものであり、本願発明1と同一の発明特定事項を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2ないし4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
(3)本願発明6について
本願発明6は、本願発明1と実質的に同様な発明特定事項を備える方法の発明であるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2ないし4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
第5 むすび
以上のとおり、本願発明1ないし7は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内において補正されたものであり、また、本願発明1ないし7は、当業者が引用発明及び引用文献2ないし6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2023-003112