特許拒絶査定不服審判
2023-001386
適応的映像符号化装置及び方法
- 審判番号
- 2023-001386
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-171743
- 請求日
- 2023年01月26日
- 審決日
- 2024年07月08日
- 公報発行日
- 2024年12月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】エレクトロニクス アンド テレコミュニケーションズ リサーチ インスチチュート
- 【請求人代理人】宮嶋 学
- 【請求人代理人】関根 毅
- 【請求人代理人】吉元 弘
- 審判長/審判官
- 審判長 高橋 宣博
- 審判官 畑中 高行
- 審判官 千葉 輝久
- 分類
- P18 .121-WZ (H04N)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第5項第2号、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020-171743「適応的映像符号化装置及び方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 1月 7日出願公開、特開2021- 2892〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2010年(平成22年)12月16日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2009年12月16日(KR)韓国、2010年5月28日(KR)韓国、2010年12月14日(KR)韓国)を国際出願日とする特願2012-544386号の一部を平成25年7月18日に新たな特許出願とした特願2013-149911号の一部をさらに平成28年1月4日に新たな特許出願とした特願2016-273号の一部をさらに平成30年9月11日に新たな特許出願とした特願2018-169870号の一部をさらに令和2年10月12日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
なお、以下(第2の2(2)イ)で説明するとおり、本願は、韓国特許出願10-2009-0125305(出願日:2009年12月16日。以下、「優先基礎出願1」という。)、韓国特許出願10-2010-0050034(出願日2010年5月28日。以下、「優先基礎出願2」という。)及び韓国特許出願10-2010-0127500(出願日:2010年12月14日。以下、「優先基礎出願3」という。)に基づく優先権が主張されているが、令和5年1月26日付け手続補正書の請求項1~11に記載された事項及び令和6年4月17日付け手続補正書の請求項1~11に記載された事項は、優先基礎出願1及び2に開示されたものではなく、優先基礎出願1及び優先基礎出願2に基づき主張された優先日は有効でないから、優先日は、優先基礎出願3の出願日である2010年12月14日とする。
令和3年 9月24日付け:拒絶理由通知書
同年12月23日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年 3月15日付け:拒絶理由通知書(最後)
同年 6月16日 :意見書、手続補正書の提出
同年 9月22日付け:補正の却下の決定、拒絶査定
令和5年 1月26日 :審判請求書、手続補正書の提出
同年 4月11日付け:前置報告
令和6年 1月17日付け:拒絶理由通知書(当審:最後)
同年 4月17日 :意見書、手続補正書の提出
第2 令和6年4月17日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和6年4月17日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について
(1)本件補正前の請求項の記載
本件補正は、特許請求の範囲を補正するものであり、本件補正前の令和5年1月26日にされた特許請求の範囲の請求項1及び7の記載は次のとおりである。
なお、各構成の記号A~F111は、分説するために当審にて付した。以下、「構成A」~「構成F111」という。
「【請求項1】
D 画面間予測を用いて対象ブロックに対する復号化を行う映像復号化方法であって、
E 参照ブロック識別子を受信すること、
F 前記対象ブロックに対する復号化を行うこと、
を含み、
前記復号化は、
F1 前記参照ブロック識別子に基づいて以前に復元されたブロックの中から参照ブロックを決定すること、
F2 前記参照ブロックの動き情報に基づいて前記対象ブロックの動き情報を決定すること、
および
F3 前記対象ブロックの前記動き情報に基づいて前記対象ブロックに対する復号化を行うこと
を含み、
F21 前記動き情報は、動きベクトルと参照ピクチャインデックスとを含み、
F11 前記参照ブロックは、前記対象ブロックを含む現在ピクチャ内に含まれる復元されたブロックと、以前に復元されたピクチャ内に含まれる復元されたブロックとの中から、前記参照ブロック識別子によって示されたように決定され、
F111 前記以前に復元されたピクチャ内に含まれる前記復元されたブロックは、前記対象ブロックの位置に基づいて決定される
D ことを特徴とする映像復号化方法。」
「【請求項7】
A 画面間予測を用いて対象ブロックに対して符号化を行う映像符号化方法であって、
B 参照ブロック識別子を生成すること、
C 前記対象ブロックに対する符号化を行うことによって、符号化された対象ブロック情報を生成することを含み、
B1 前記参照ブロック識別子は、以前に復元されたブロックの中から一つのブロックを参照ブロックとして示し、
A1 前記符号化は、前記対象ブロックの動き情報を決定すること、および前記対象ブロックに対して符号化を行うことを含み、
A11 前記対象ブロックの動き情報は、前記参照ブロックの動き情報に基づいて決定され、
A111 前記動き情報は、動きベクトルと参照ピクチャインデックスとを含み、
B11 前記参照ブロックは、前記対象ブロックを含む現在ピクチャ内に含まれる復元されたブロックと、以前に復元されたピクチャ内に含まれる復元されたブロックとの中から、前記参照ブロック識別子によって示されたように決定され、
B111 前記以前に復元されたピクチャ内に含まれる前記復元されたブロックは、前記対象ブロックの位置に基づいて決定される
A ことを特徴とする映像符号化方法。」
(2)本件補正後の請求項の記載
本件補正後の特許請求の範囲の請求項1及び7の記載は次のとおりである。
なお、下線部は、補正箇所である。
「【請求項1】
D 画面間予測を用いて対象ブロックに対する復号化を行う映像復号化方法であって、
E 参照ブロック識別子を受信すること、
F 前記対象ブロックに対する復号化を行うこと、
を含み、
前記復号化は、
F1’ 前記参照ブロック識別子によって示された参照ブロックを決定すること、
F2 前記参照ブロックの動き情報に基づいて前記対象ブロックの動き情報を決定すること、
および
F3 前記対象ブロックの前記動き情報に基づいて前記対象ブロックに対する復号化を行うこと
を含み、
F21 前記動き情報は、動きベクトルと参照ピクチャインデックスとを含み、
F11’ 前記対象ブロックを含む現在ピクチャ内に含まれる復元されたブロックと、以前に復元されたピクチャ内に含まれる復元されたブロックとの中から、前記参照ブロック識別子は一つのブロックを示し、
F111 前記以前に復元されたピクチャ内に含まれる前記復元されたブロックは、前記対象ブロックの位置に基づいて決定される
D ことを特徴とする映像復号化方法。」
「【請求項7】
A 画面間予測を用いて対象ブロックに対して符号化を行う映像符号化方法であって、
B 参照ブロック識別子を生成すること、
C 前記対象ブロックに対する符号化を行うことによって、符号化された対象ブロック情報を生成することを含み、
B1 前記参照ブロック識別子は、以前に復元されたブロックの中から一つのブロックを参照ブロックとして示し、
A1 前記符号化は、前記対象ブロックの動き情報を決定すること、および前記対象ブロックに対して符号化を行うことを含み、
A11 前記対象ブロックの動き情報は、前記参照ブロックの動き情報に基づいて決定され、
A111 前記動き情報は、動きベクトルと参照ピクチャインデックスとを含み、
B11’ 前記対象ブロックを含む現在ピクチャ内に含まれる復元されたブロックと、以前に復元されたピクチャ内に含まれる復元されたブロックとの中から、前記参照ブロック識別子は一つのブロックを示し、
B111 前記以前に復元されたピクチャ内に含まれる前記復元されたブロックは、前記対象ブロックの位置に基づいて決定される
A ことを特徴とする映像符号化方法。」
2 補正の適否
(1)補正の目的について
ア 請求項1に係る本件補正について
請求項1に係る本件補正は、以下の(ア)及び(イ)の補正事項を含むものである。
(ア)本件補正前の構成F1の「前記参照ブロック識別子に基づいて以前に復元されたブロックの中から参照ブロックを決定すること、」を本件補正後の構成F1’において「前記参照ブロック識別子によって示された参照ブロックを決定すること、」とする補正。
(イ)本件補正前の構成F11の「前記参照ブロックは、前記対象ブロックを含む現在ピクチャ内に含まれる復元されたブロックと、以前に復元されたピクチャ内に含まれる復元されたブロックとの中から、前記参照ブロック識別子によって示されたように決定され、」を本件補正後の構成F11’において「前記対象ブロックを含む現在ピクチャ内に含まれる復元されたブロックと、以前に復元されたピクチャ内に含まれる復元されたブロックとの中から、前記参照ブロック識別子は一つのブロックを示し、」とする補正。
上記(ア)の補正事項については、本件補正前の構成F1における、前記参照ブロック識別子に「基づいて以前に復元されたブロックの中から」という構成が削除され、本件補正後の構成F1’においては、前記参照ブロック識別子に「よって示された」と補正するものであり、本件補正後では、本件補正前の「以前に復元されたブロックの中から」という事項が削除されることにより、以前に復元されていないブロックも含めたブロックの中からブロック識別子によって示された参照ブロックを決定することとなり、構成F1と構成F1’との関係では、減縮とはなっていない。
しかしながら、構成F11’において「前記対象ブロックを含む現在ピクチャ内に含まれる復元されたブロックと、以前に復元されたピクチャ内に含まれる復元されたブロックとの中から、前記参照ブロック識別子は一つのブロックを示し、」とされており、本件補正前の「以前に復元されたブロックの中から」という事項は本件補正前の構成F11及び構成F11’に記載されており、上記(ア)の補正事項は、記載箇所を変更しただけであって、補正によって技術的事項は何ら変更されていないといえる。
上記(イ)の補正事項については、本件補正前の構成F11における、「前記参照ブロックは、」・・・前記参照ブロック識別子「によって」示「されたように決定され」という記載が削除され、本件補正後の構成F11’においては、・・・前記参照ブロック識別子「は一つのブロックを」示「し」と補正するものであり、本件補正後では、本件補正前の「参照ブロックは、」・・・「決定され」という記載が削除され、「参照ブロック識別子」が「ブロックを示す」ことを追加することにより、本件補正前の参照ブロックの決定に関する事項に代えて、参照ブロック識別子が示す事項を特定することとなり、構成F11と構成F11’との関係では、減縮とはなっていない。
しかしながら、構成F1’において「前記参照ブロック識別子によって示された参照ブロックを決定すること、」とされており、本件補正前の「参照ブロックは、」・・・「決定され」という事項は、本件補正前の構成F11及び構成F1’に記載されており、上記(イ)の補正事項は、記載箇所を変更しただけであって、補正によって技術事項は何ら変更されていないといえる。
そして、上記(イ)の補正には、前記参照ブロック識別子は「一つのブロックを示し」という参照ブロック識別子が示す対象を限定する事項が記載されているため、この点において、特許請求の範囲を減縮しているといえる。
上記(ア)及び(イ)の補正事項についての検討のように、請求項1に係る本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
イ 請求項7に係る本件補正について
請求項7に係る本件補正は、以下の(ア)の補正事項を含むものである。
(ア)本件補正前の構成B11の「前記参照ブロックは、前記対象ブロックを含む現在ピクチャ内に含まれる復元されたブロックと、以前に復元されたピクチャ内に含まれる復元されたブロックとの中から、前記参照ブロック識別子によって示されたように決定され、」を本件補正後の構成B11’において「前記対象ブロックを含む現在ピクチャ内に含まれる復元されたブロックと、以前に復元されたピクチャ内に含まれる復元されたブロックとの中から、前記参照ブロック識別子は一つのブロックを示し、」とする補正。
上記(ア)の補正事項については、本件補正前の構成B11における「前記参照ブロックは、」・・・前記参照ブロック識別子「によって」示「されたように決定され」という記載が削除され、本件補正後の構成B11’においては、・・・前記参照ブロック識別子「は一つのブロックを」示「し」と補正するものであり、本件補正後では、本件補正前の「参照ブロックは、」・・・「決定され」という記載が削除され、「参照ブロック識別子」が「ブロックを示す」ことを追加することにより、本件補正前の参照ブロックの決定に関する事項に代えて、参照ブロック識別子が示す事項を特定することとなり、構成B11と構成B11’との関係では、減縮とはなっていない。
そして、本件補正後の構成B1には、「前記参照ブロック識別子は、以前に復元されたブロックの中から一つのブロックを参照ブロックとして示し、」とあるように、参照ブロック識別子が一つのブロックを参照ブロックとして示すことは記載されているものの、本件補正後の構成B1やその他の構成においても参照ブロックの決定については何ら記載されていない。
してみると、請求項7に係る本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当しない。
また、請求項7に係る本件補正は、同項第1号、第3号及び第4号に掲げる請求項の削除、誤記の訂正及び明りょうでない記載の釈明を目的とするものでもない。
(2)独立特許要件について
上記(1)における本件補正の目的が、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするもの等であって、同項の規定に該当するものであるとした場合、本件補正後の請求項7に係る発明が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
ア 本件補正発明
本件補正後の請求項7に係る発明(以下、「本件補正発明」という。)は、上記1(2)に記載のとおりのものである。
イ 優先権について
本願は、韓国特許出願10-2009-0125305(出願日:2009年12月16日。)、韓国特許出願10-2010-0050034(出願日2010年5月28日。)及び韓国特許出願10-2010-0127500(出願日:2010年12月14日。)に基づく優先権が主張されている。
ここで、本願補正発明の構成Bの「参照ブロック識別子を生成すること」、構成B1の「前記参照ブロック識別子は、以前に復元されたブロックの中から一つのブロックを参照ブロックとして示し」及び構成B11’の「前記対象ブロックを含む現在ピクチャ内に含まれる復元されたブロックと、以前に復元されたピクチャ内に含まれる復元されたブロックとの中から、前記参照ブロック識別子は一つのブロックを示し」との発明特定事項に関し、優先権基礎出願3には、以下の記載がある。なお、下線は、強調のため当審において付したものである。
[図:0001417030000001.jpg]
[図:0001417030000002.jpg]
(当審仮訳
<98> 参照ブロックの符号化パラメータによる現在ブロックの画面内符号化方法が符号化器で使われる場合、復号化器は、省略された符号化パラメータ情報を参照ブロックから導出でき、導出された情報を現在復号化対象ブロックに適用し、現在ブロックで省略された符号化パラメータ情報を正しく使用できる。このとき、必要な場合、符号化器は、どの参照ブロックが選択されたかに対する参照ブロック識別子を復号化器に伝送することができ、復号化器は、当該参照ブロックから省略された符号化パラメータ情報を導出することができる。)
[図:0001417030000003.jpg]
(当審仮訳
<104> 符号化器が参照ブロックの符号化パラメータによる現在ブロックの画面間符号化方法を使用した場合、復号化器は省略された符号化パラメータ情報を参照ブロックから導出することができる。復号化器は、前記導出された情報を現在復号化対象ブロックに適用することによって、現在ブロックで省略された符号化パラメータ情報を正しく使用できる。
<105> このとき、必要な場合、符号化器は、どの参照ブロックが選択されたかを示す(又は、どの参照ブロックが選択されたかに対する情報を含む)参照ブロック識別子を復号化器に送信することができる。参照ブロック識別子を使用することによって、復号化器は、識別された参照ブロックから省略された符号化パラメータ情報を導き出すことができる。)
[図:0001417030000004.jpg]
(当審仮訳
<153> 現在ブロック740の輝度及び色差画面内予測方向760は、復号化器に伝送されない。この時、現在ブロック740の参照ブロックが上端ブロック752であることが参照ブロック識別子を通じて復号化器に知らせされる。復号化器は、参照ブロック識別子を通じて、上端ブロック732が現在ブロック740の参照ブロックであることを識別できる。)
[図:0001417030000005.jpg]
(当審仮訳
<162> 現在ブロック940の画面間マクロブロックパーティション960は復号化器に伝送されない。上端ブロック932が現在ブロック940の参照ブロックであることが参照ブロック識別子を通じて復号化器に知らせされる。復号化器は、参照ブロック識別子を通じて、上端ブロック932が現在ブロック940の参照ブロックであることを識別できる。)
[図:0001417030000006.jpg]
(当審仮訳
<166> 現在ブロック1040の動きベクトル1060は復号化器に伝送されない。上端ブロック1032が現在ブロック940の参照ブロックであることが参照ブロック識別子を通じて復号化器に知らせされる。復号化器は、参照ブロック識別子を通じて、上端ブロック1032が現在ブロック1040の参照ブロックであることを識別できる。)
[図:0001417030000007.jpg]
[図:0001417030000008.jpg]
(当審仮訳
<170> 現在ブロック1140の参照映像インデックス1160は復号化器に伝送されない。上端ブロック1132が現在ブロック1140の参照ブロックであることが参照ブロック識別子を通じて復号化器に知らせされる。復号化器は、参照ブロック識別子を通じて、上端ブロック1132が現在ブロック1140の参照ブロックであることを識別できる。)
[図:0001417030000009.jpg]
(当審仮訳
<174> 現在ブロック1240の参照画像リスト1260は復号化器に伝送されない。上端ブロック1232が現在ブロック1240の参照ブロックであることが参照ブロック識別子を通じて復号化器に知らせされる。復号化器は、参照ブロック識別子を通じて、上端ブロック1232が現在ブロック1240の参照ブロックであることを識別できる。)
[図:0001417030000010.jpg]
(当審仮訳
<178> 現在ブロック1340の予測方向1360は復号化器に伝送されない。上端ブロック1332が現在ブロック1340の参照ブロックであることが参照ブロック識別子を通じて復号化器に知らせされる。復号化器は、参照ブロック識別子を通じて、上端ブロック1332が現在ブロック1340の参照ブロックであることを識別できる。)
これらの記載から見て、優先権基礎出願3には、本願補正発明の構成Bの「参照ブロック識別子を生成すること」及び構成B1の「前記参照ブロック識別子は、以前に復元されたブロックの中から一つのブロックを参照ブロックとして示」すことについて記載されているといえる。
また、優先基礎出願3には、以下の記載がある。
[図:0001417030000011.jpg]
(当審仮訳
<64> 現在ブロックを符号化するにおいて、DIP又はTMがそのまま利用され、又は前述された又は後述される他の方法を使用して復元されたブロックの中から、参照ブロックが決定されうる。)
上記段落<64>の記載によれば、当該段落<64>の前述された又は後述される他の方法を使用して復元されたブロックの中から、参照ブロックが決定されうるから、段落<98>の画面内符号化方法や段落<104>の画面間符号化方法を使用して復元されたブロックの中から、参照ブロックが決定されうるといえ、優先権基礎出願3には、本願補正発明の構成B11’の「前記対象ブロックを含む現在ピクチャ内に含まれる復元されたブロックと、以前に復元されたピクチャ内に含まれる復元されたブロックとの中から、前記参照ブロック識別子は一つのブロックを示」すことについて記載されているといえる。
しかしながら、優先基礎出願2には、上記優先基礎出願3の段落<64>と同じ記載が段落<46>に記載されているものの、「参照ブロック識別子」に関する記載はなく、また、優先基礎出願1には、上記優先基礎出願3の段落<64>と同じ又は同旨の記載はなく、「参照ブロック識別子」に関する記載もない。
よって、優先基礎出願1及び2に基づく優先権の主張の効果は認められず、新規性及び進歩性の判断の基準の日は、優先基礎出願3の出願日である2010年12月14日とする。
ウ 引用文献、引用発明等
(ア)引用文献1について
a 引用文献1に記載された事項
令和6年1月17日付けの当審の拒絶の理由で引用された「J. Jung et al., "Core Experiment 9: Motion Vector Coding", Joint Collaborative Team on Video Coding (JCT-VC), 2010-11-19, [JCTVC-C509] (version 5)」(以下、「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている。 なお、下線は、当審にて付したものである。
(a)引用文献1の文献名称
「Joint Collaborative Team on Video Coding (JCT-VC) of ITU-T SG16 WP3 and ISO/IEC JTC1/SC29/WG11 3rd Meeting: Guangzhou, CN, 7-15 October, 2010」
(b)「1 Introduction
Some input documents were proposed to the Guangzhou meeting related to motion vector coding. This includes three categories: prediction unit based Merge and Skip tools, the adaption of the set of motion vector predictors at the slice level, and the temporal motion vector memory compression.
This core experiment addresses these topics, and evaluates the performance of the different motion vector coding methods proposed and some possible combinations.」
(当審仮訳:
1 序論
いくつかの入力文書は、動きベクトル符号化に関連してGuangzhou会議に提案された。これは、3つのカテゴリ、すなわち、予測ユニットベースのマージツール及びスキップツールと、スライスレベルにおける動きベクトル予測子のセットの適応と、時間的動きベクトルメモリ圧縮とを含む。
このコア実験は、これらのトピックに対処し、提案された異なる動きベクトル符号化方法及びいくつかの可能な組合せの性能を評価する。)
(c)「3.1.2 Modified merge
The block merging mode at the PU/(CU) level was modified as well. The default PU/(CU) based configuration uses the motion vectors left and above of the current block. The modified versions use more than the two motion vectors. The motion vectors used are listed in the following table. 」
(当審仮訳:
3.1.2 修正されたマージ
PU/(CU)レベルでのブロックマージングモードも同様に修正された。デフォルトのPU/(CU)ベースの構成は、現在のブロックの左及び上の動きベクトルを使用する。修正されたバージョンは、2個以上の動きベクトルを使用する。使用した動きベクトルを以下の表に示す。)
(d)上記(c)の記載に続いて、引用文献1には以下の表が記載されている。
「
[図:0001417030000012.jpg]
** In this case, the corner MV is not above right or below left or above left as in AMVP but above right and below left if both are available. 」
(当審仮訳:この場合、コーナーMVは、AMVPのように右上又は左下又は左上ではなく、両方が利用可能である場合、右上及び左下である。)
b 引用発明の認定
(a)上記a(a)から、引用文献1は、ITU-Tすなわち国際電気通信連合(ITU)下部組織の電気通信標準化部門におけるJoint Collaborative Team on Video Coding (JCT-VC)すなわち映像符号化に関する共同作業部会において提案された文献であるため、映像符号化方法に関する文献であるといえる。
(b)上記a(c)から、引用文献1には、ブロックマージングモードを修正するものであり、2個以上の動きベクトルを使用することが記載されているといえる。
(c)上記a(c)、(d)から、Mod. PU/(CU) based 2及びMod. PU/(CU) based 3において、上記(b)の動きベクトルは、現在のブロックの左(left)及び上(above)の動きベクトルだけでなく、コロケーテッド(collocated)の動きベクトルも使用することが記載されている。
上記a(a)~(d)の摘記事項及び上記(a)~(c)から、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
なお、各構成の末尾に、対応する項目を付し、記号a~cは分説するために当審にて付した。以下、「構成a」~「構成c」という。
「a 映像符号化方法であって(a)、
b 動きベクトル符号化に関連し、予測ユニットベースのマージツール及びスキップツールと、スライスレベルにおける動きベクトル予測子のセットの適応と、時間的動きベクトルメモリ圧縮を含むトピックに対処し、(a(b))、
c ブロックマージングモードを修正するものであり、2個以上の動きベクトルを使用し、その動きベクトルは、現在のブロックの左及び上の動きベクトルだけでなく、コロケーテッドの動きベクトルも使用する((b)、(c))、
a 映像符号化方法。」
(イ)引用文献2について
a 引用文献2に記載された事項
同じく当審の拒絶の理由で引用された「"Test Model under Consideration" (draft003), Joint Collaborative Team on Video Coding (JCT-VC) of ITU-T SG16 WP3 and ISO/IEC JTC1/SC29/WG11 2nd Meeting: Geneva, CH, 2010-09-24, [JCTVC-B205], <JCTVC-B205_draft003.doc>」(以下、「引用文献2」という。)には、引用文献1の公表時におけるJCT-VCでのブロックマージの技術的前提に関して、以下の事項が記載されている。
なお、下線は、当審にて付したものであり、Fig.3はFig.4の誤記である。
6.3.1.3 Derivation process for luma motion vectors for merge_flag equal to 1
This process is only invoked if merge_flag is equal to 1 for the current partition.
Input to this process is a prediction partition index puPartIdx.
Outputs of this process are
- the luma motion vectors mvL0 and mvL1,
- the reference indices refIdxL0 and refIdxL1,
- the prediction list utilization flags predFlagL0 and predFlagL1,
- a motion vector count variable subMvCnt.
The motion vectors mvLXA and mvLXB, the reference indices refIdxLXA and refIdxLXB, and the prediction utilization flag predFlagLXA and predFlagLXB (with X being 0 and 1) are derived as specified by the following ordered steps:
The derivation process for neighbouring partitions in subclause 4.3.4.4 is invoked with lcuAddr, puIdx and puPartIdx as input and the output is is assigned to lcuAddrN, puIdxN and puPartIdxN with N being replaced by A and B.
Depending on the partition lcuAddrN/puIdxN/puPartIdxN (with N being A and B), the following applies.
- If the partition lcuAddrN/puIdxN/puPartIdxN is not available, predFlagL0N and predFlagL1N are set equal to 0.
- Otherwise, predFlagL0N, predFlagL1N, mvL0N, mvL1N, refIdxL0N, and refIdxL1N are set equal to the variables predFlagL0, predFlagL1, mvL0, mvL1, refIdxL0, and refIdxL1, respectively, of the partition lcuAddrN/puIdxN/puPartIdxN.
The variable mergeLeft is derived as follows:
- If (predFlagL0B is equal to 0 and predFlagL1B is equal to 0) or merge_left_flag is equal to 1, mergeLeft is set equal to 1.
- Otherwise, mergeLeft is set equal to 0.
Depending on mergeLeft, the following applies:
- If mergeLeft is equal to 1, predFlagL0, predFlagL1, mvL0, mvL1, refIdxL0, and refIdxL1 are set equal to predFlagL0B, predFlagL1B, mvL0B, mvL1B, refIdxL0B, and refIdxL1B, respectively.
- Otherwise, predFlagL0, predFlagL1, mvL0, mvL1, refIdxL0, and refIdxL1 are set equal to predFlagL0A, predFlagL1A, mvL0A, mvL1A, refIdxL0A, and refIdxL1A, respectively.
The motion vector count variable subMvCnt is set equal to predFlagL0 + predFlagL1.
(当審仮訳:
6.3.1.3 1に等しいmerge_flagについてのルーマ動きベクトルの導出プロセス
このプロセスは、現在のパーティションについてmerge_flagが1に等しい場合にのみ呼び出される。
このプロセスへの入力は、予測パーティションインデックスpuPartIdxである。
このプロセスの出力は次のとおりである。
- ルマ動きベクトルmvL0及びmvL1
- 参照インデックスrefIdxL0及びrefIdxL1
- 前記予測リスト利用フラグpredFlagL0及びpredFlagL1
- 動きベクトルカウント変数subMvCnt。
動きベクトルmvLXA及びmvLXB、参照インデックスrefIdxLXA及びrefIdxLXB、並びに予測利用フラグpredFlagLXA及びpredFlagLXB(Xは0及び1である)は、以下の順序付けられたステップによって指定されるように導出される。
1. 4.3.4.4項における隣接パーティションのための導出プロセスは、lcuAddr、puIdx、及びpuPartIdxを入力として呼び出され、出力は、NがA及びBによって置き換えられて、lcuAddrN、puIdxN、及びpuPartIdxNに割り当てられる。
2. 区分lcuAddrN/puIdxN/puPartIdxN(NはA及びBである)に応じて、以下が適用される。
- パーティションlcuAddrN/puIdxN/puPartIdxNが利用可能でない場合、predFlagL0N及びpredFlagL1Nは0に等しく設定される。
- そうでない場合、predFlagL0N、predFlagL1N、mvL0N、mvL1N、refIdxL0N、及びrefIdxL1Nは、パーティションlcuAddrN/puIdxN/puPartIdxNの変数predFlagL0、predFlagL1、mvL0、mvL1、refIdxL0、及びrefIdxL1にそれぞれ等しく設定される。
変数mergeLeftは、以下のように導出される。
- (predFlagL0Bが0に等しく、predFlagL1Bが0に等しい)又はmerge_left_flagが1に等しい場合、mergeLeftは1に等しく設定される。
- そうでなければ、mergeLeftは0に等しく設定される。
mergeLeftに応じて、以下が適用される。
- mergeLeftが1に等しい場合、predFlagL0、predFlagL1、mvL0、mvL1、refIdxL0、及びrefIdxL1は、それぞれpredFlagL0B、predFlagL1B、mvL0B、mvL1B、refIdxL0B、及びrefIdxL1Bに等しく設定される。
- そうでない場合、predFlagL0、predFlagL1、mvL0、mvL1、refIdxL0、及びrefIdxL1は、それぞれpredFlagL0A、predFlagL1A、mvL0A、mvL1A、refIdxL0A、及びrefIdxL1Aに等しく設定される。
動きベクトルカウント変数subMvCntは、predFlagL0+predFlagL1に等しく設定される。)
8.2 Prediction unit (PU)
・・・
All information related to prediction is signaled on a PU basis, for instance, the direction of intra prediction for intra or the motion vector difference and reference index for inter. Motion vector prediction and motion compensation are also performed on a PU basis.
For each inter predicted blocks, individual motion parameters are transmitted. In order to achieve an improved coding efficiency, the block merging process enables to merge neighbouring blocks into so-called regions. By doing so, the motion parameters do not need to be transmitted for each block of the region individually, but instead the parameters are transmitted only for once for the whole region.
For each inter prediction block, the set of all prediction blocks that are coded before that block in processing order is called the “set of causal blocks”. The set of blocks that is admissible for merging with a particular block is called the “set of available blocks” and is always a subset of the set of causal blocks. If a particular block is encoded and its set of available blocks is not empty, it is signaled whether this block is to be merged with one block out of this set and if so, with which of them. Otherwise, merging cannot be used for this block.
The set of available blocks is formed as follows. Starting from the top-left sample position of the current block, its left neighbouring sample position and its top neighbouring sample position is derived. The set of available blocks can have only up to two elements, namely those blocks out of the set of causal blocks that contain one of the two sample positions. Thus the set of available blocks can only have the two direct neighbouring blocks of the top-left sample position of the current block as its elements. Note that only inter predicted blocks can be members of the set of available blocks.
If the set of available blocks is not empty, one flag called merge_flag is signaled, specifying whether the current block is merged with any of the available blocks. Otherwise, or if the merge_flag is equal to 0 (for “false”), this block is not merged with one of its causal blocks and all parameters are transmitted ordinarily. If the merge_flag is equal to 1 (for “true”), the following applies. If the set of available blocks contains one and only one block, this block is used for merging. Otherwise the set of available blocks contains exactly two blocks. If the motion parameters of these two blocks are identical, these motion parameters are used for the current block. Otherwise (the two blocks have different motion parameters), a flag called merge_left_flag is signaled. If merge_left_flag is equal to 1 (for “true”), the block containing the left neighbouring sample position of the top-left sample position of the current block is selected out of the set of available blocks. If merge_left_flag is equal to 0 (for “false”), the other (i.e., top neighbouring) block out of the set of available blocks is selected. The motion parameters of the selected block are used for the current block.
(当審仮訳:
8.2 予測ユニット(PU)
・・・
予測に関係するすべての情報は、PUベースでシグナリングされ、例えば、イントラの場合はイントラ予測の方向、又はインターの場合は動きベクトル差分及び参照インデックスである。
動きベクトル予測及び動き補償も、PUベースで実行される。
各インター予測ブロックに対して、個々の動きパラメータが送信される。改善された符号化効率を達成するために、ブロックマージプロセスは、隣接するブロックをいわゆる領域にマージすることを可能にする。そうすることによって、動きパラメータは、領域の各ブロックについて個別に送信される必要はなく、代わりに、パラメータは、領域全体について一度だけ送信される。
各インター予測ブロックについて、処理順序においてそのブロックの前に符号化されるすべての予測ブロックのセットは、「因果ブロックのセット」と呼ばれる。特定のブロックとマージするために許容されるブロックのセットは、「利用可能なブロックのセット」と呼ばれ、常に因果ブロックのセットのサブセットである。特定のブロックが符号化され、その利用可能なブロックのセットが空でない場合、このブロックがこのセットからの1つのブロックとマージされるべきかどうかがシグナリングされ、そうである場合、それらのうちのどれとマージされるかがシグナリングされる。そうでなければ、このブロックに対してマージを使用することができない。
利用可能なブロックのセットは以下のように形成される。現在のブロックの左上のサンプル位置から開始して、その左の隣接サンプル位置及びその上の隣接サンプル位置が導出される。利用可能なブロックのセットは、最大2つの要素、すなわち、2つのサンプル位置のうちの1つを含む因果ブロックのセットからのブロックのみを有することができる。したがって、利用可能なブロックのセットは、その要素として現在のブロックの左上のサンプル位置の2つの直接隣接するブロックのみを有することができる。インター予測されたブロックのみが利用可能なブロックのセットのメンバーであり得ることに留意されたい。
利用可能なブロックのセットが空でない場合、merge_flagと呼ばれる1つのフラグがシグナリングされ、現在のブロックが利用可能なブロックのいずれかとマージされるかどうかを指定する。そうでない場合、又はmerge_flagが0に等しい場合(「false」の場合)、このブロックは、その因果ブロックのうちの1つとマージされず、すべてのパラメータが通常どおり送信される。merge_flagが1に等しい場合(「真」の場合)、以下が適用される。利用可能なブロックのセットが1つのブロックのみを含む場合、このブロックはマージに使用される。そうでなければ、利用可能なブロックのセットは正確に2つのブロックを含む。これら2つのブロックの動きパラメータが同一である場合、これらの動きパラメータは現在のブロックに対して使用される。そうでない場合(2つのブロックが異なる動きパラメータを有する)、merge_left_flagと呼ばれるフラグがシグナリングされる。merge_left_flagが1に等しい場合(「真」の場合)、現在のブロックの左上サンプル位置の左に隣接するサンプル位置を含むブロックが、利用可能なブロックのセットから選択される。merge_left_flagが0に等しい場合(「偽」の場合)、利用可能なブロックのセットから他の(すなわち、上部隣接)ブロックが選択される。選択されたブロックの動きパラメータは、現在のブロックに対して使用される。)
[図:0001417030000013.jpg]
[図:0001417030000014.jpg]
Fig. 3: Two examples illustrating the set of causal blocks (grey) and the set of available blocks (A, B).
Fig. 3 shows two examples for a quadtree-based division of a picture into prediction blocks. On the left side of Fig. 4, the top two blocks of the biggest size are so-called macroblocks, i.e., they are prediction blocks of the maximum possible size. The other blocks in this left figure are obtained as a subdivision of their corresponding macroblock. The current block is marked with an “X”. All the grey-shaded blocks are encoded before the current block, so they form the set of causal blocks. As explicated in the description of the derivation of the set of available blocks, only the blocks containing the direct (i.e. top or left) neighbouring samples of the top-left sample position of the current block can be members of the set of available blocks. Thus the current block can be merged with either block “A” or block “B”. If merge_flag is equal to 0 (for “false”), the current block “X” is not merged with any of the two blocks. If blocks “A” and “B” have identical motion parameters, no distinction needs to be made, since merging with any of the two blocks will lead to the same result. So, in this case, the merge_left_flag is not transmitted. Otherwise, if blocks “A” and “B” have different prediction parameters, merge_left_flag equal to 1 (for “true”) will merge blocks “X” and “B”, whereas merge_left_flag equal to 0 (for “false”) will merge blocks “X” and “A”.
In Fig. 4 (right) another example is shown. Here the current block “X” and the left neighbour block “B” are macroblocks, i.e., they have the maximum allowed block size. The size of the top neighbour block “A” is one quarter of the macroblock size. The blocks which are element of the set of causal blocks are grey-shaded. Note that the current block “X” can only be merged with the two blocks “A” or “B”, not with any of the other top neighbouring blocks.
(当審仮訳;
図3は、予測ブロックへのピクチャの四分木ベースの分割の2つの例を示す。図4の左側では、最大サイズの上部の2つのブロックはいわゆるマクロブロックであり、すなわち、それらは最大可能サイズの予測ブロックである。この左図における他のブロックは、それらの対応するマクロブロックの再分割として得られる。現在のブロックは「X」でマークされる。すべてのグレー陰影付きブロックは、現在のブロックの前に符号化されるので、それらは因果ブロックのセットを形成する。利用可能なブロックのセットの導出の説明において詳述されるように、現在のブロックの左上のサンプル位置の直接の(すなわち、上又は左の)隣接するサンプルを含むブロックのみが、利用可能なブロックのセットのメンバーであり得る。したがって、現在のブロックは、ブロック「A」又はブロック「B」のいずれかとマージされ得る。merge_flagが0に等しい場合(「偽」の場合)、現在のブロック「X」は、2つのブロックのいずれともマージされない。ブロック「A」及び「B」が同一の動きパラメータを有する場合、2つのブロックのいずれかとのマージが同じ結果をもたらすので、区別する必要はない。したがって、この場合、merge_left_flagは送信されない。そうではなく、ブロック「A」及び「B」が異なる予測パラメータを有する場合、1に等しいmerge_left_flag(「真」の場合)はブロック「X」及び「B」をマージし、0に等しいmerge_left_flag(「偽」の場合)はブロック「X」及び「A」をマージする。
図4(右)には別の例が示されている。ここでは、現在のブロック「X」及び左隣接ブロック「B」はマクロブロックであり、すなわち、それらは最大許容ブロックサイズを有する。上部隣接ブロック「A」のサイズは、マクロブロックサイズの4分の1である。因果ブロックの集合の要素であるブロックには、灰色の陰影が付けられている。現在のブロック「X」は、2つのブロック「A」又は「B」とのみマージすることができ、他の上部隣接ブロックのいずれともマージすることができないことに留意されたい。)
b 引用文献2に記載された技術事項
上記aの摘記事項から、引用文献2には、次の技術事項(以下、「引用文献2技術事項」という。)が記載されている。
「 このプロセスは、現在のパーティションについてmerge_flagが1に等しい場合にのみ呼び出され、
このプロセスへの入力は、予測パーティションインデックスpuPartIdxであり、
このプロセスの出力は、ルマ動きベクトルmvL0及びmvL1、参照インデックスrefIdxL0及びrefIdxL1、前記予測リスト利用フラグpredFlagL0及びpredFlagL1、動きベクトルカウント変数subMvCntであり、
変数mergeLeftは、merge_left_flagが1に等しい場合、mergeLeftは1に等しく設定され、
そうでなければ、mergeLeftは0に等しく設定され、
mergeLeftが1に等しい場合、predFlagL0、predFlagL1、mvL0、mvL1、refIdxL0、及びrefIdxL1は、それぞれpredFlagL0B、predFlagL1B、mvL0B、mvL1B、refIdxL0B、及びrefIdxL1Bに等しく設定され、
そうでない場合、predFlagL0、predFlagL1、mvL0、mvL1、refIdxL0、及びrefIdxL1は、それぞれpredFlagL0A、predFlagL1A、mvL0A、mvL1A、refIdxL0A、及びrefIdxL1Aに等しく設定され、
改善された符号化効率を達成するために、ブロックマージプロセスは、隣接するブロックをいわゆる領域にマージすることを可能にし、そうすることによって、動きパラメータは、領域の各ブロックについて個別に送信される必要はなく、代わりに、パラメータは、領域全体について一度だけ送信され、
merge_left_flagが1に等しい場合(「真」の場合)、現在のブロック「X」の左上サンプル位置の左に隣接するサンプル位置を含むブロック「B」が、利用可能なブロックのセットから選択され、merge_left_flagが0に等しい場合(「偽」の場合)、利用可能なブロックのセットから他の(すなわち、上部隣接)ブロック「A」が選択され、選択されたブロックの動きパラメータは、現在のブロックに対して使用され、
ブロック「A」及び「B」が異なる予測パラメータを有する場合、1に等しいmerge_left_flag(「真」の場合)はブロック「X」及び「B」をマージし、0に等しいmerge_left_flag(「偽」の場合)はブロック「X」及び「A」をマージすること。」
エ 対比・判断
(ア)対比
本件補正発明と引用発明を、以下で対比する。
a 構成A、C、A1、A11について
引用発明の構成a及びbによれば、引用発明は、「映像符号化方法であって」、「動きベクトル符号化に関連」する発明であり、「予測ユニットベースのマージツール」を含むトピックに対処するものである。
ここで、「予測ユニットベースのマージ」とは、引用発明の技術的前提である引用文献2技術事項にあるように、「隣接するブロックをいわゆる領域にマージすることを可能にし、そうすることによって、動きパラメータは、領域の各ブロックについて個別に送信される必要はなく、代わりに、パラメータは、領域全体について一度だけ送信され」、「選択されたブロックの動きパラメータは、現在のブロックに対して使用され」るものであるから、引用発明には、構成A11の「前記対象ブロックの動き情報は、前記参照ブロックの動き情報に基づいて決定され」ることに相当する構成があるといえる。
そして、引用発明は、「動きベクトル符号化に関連」する発明であるから、「動きベクトル符号化」の技術常識を考慮すると、引用発明には、本願補正発明の構成Aと同様の「画面間予測を用いて対象ブロックに対して符号化を行う映像符号化方法」に関して、構成Cの「前記対象ブロックに対する符号化を行うことによって、符号化された対象ブロック情報を生成することを含」むこと、構成A1の「前記符号化は、前記対象ブロックの動き情報を決定すること、および前記対象ブロックに対して符号化を行うことを含」むこと、に相当する構成もあるといえる。
b 構成Bについて
本件補正発明では、「参照ブロック識別子を生成する」のに対し、引用発明では、「参照ブロック識別子を生成する」のか否か不明である点で相違する。
c 構成B1について
本件補正発明では、「前記参照ブロック識別子は、以前に復元されたブロックの中から一つのブロックを参照ブロックとして示」すのに対し、引用発明では、上記bのように「参照ブロック識別子を生成する」のか否か不明であることから、「前記参照ブロック識別子は、以前に復元されたブロックの中から一つのブロックを参照ブロックとして示」すのか否かも不明である点で相違する。
d 構成A111について
本件補正発明では、「前記動き情報は、動きベクトルと参照ピクチャインデックスとを含」むのに対し、引用発明では、「動きベクトル符号化」を行うことから、動き情報に「動きベクトル」は含むものの、「参照ピクチャインデックス」を含むのか否か不明である点で相違する。
e 構成B11’について
引用発明の構成cによれば、引用発明は、「動きベクトルは、現在のブロックの左及び上の動きベクトルだけでなく、コロケーテッドの動きベクトルも使用する」ものであることから、本件補正発明の構成B11とは、「前記対象ブロックを含む現在ピクチャ内に含まれる復元されたブロックと、以前に復元されたピクチャ内に含まれる復元されたブロック」がある点で共通するものの、引用発明では、上記bのように「参照ブロック識別子を生成する」のか否か不明であることから、「前記対象ブロックを含む現在ピクチャ内に含まれる復元されたブロックと、以前に復元されたピクチャ内に含まれる復元されたブロックとの中から、前記参照ブロック識別子は一つのブロックを示」すのか否か不明である点で相違する。
f 構成B111について
引用発明の構成cによれば、引用発明は、「コロケーテッドの動きベクトルも使用する」ことから、「コロケーテッド」の位置に関する技術常識を考慮すると、引用発明には、本願発明1の構成B111の「前記以前に復元されたピクチャ内に含まれる前記復元されたブロックは、前記対象ブロックの位置に基づいて決定される」ことに相当する構成があるといえる。
(イ)一致点及び相違点
以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
<一致点>
「画面間予測を用いて対象ブロックに対して符号化を行う映像符号化方法であって、
前記対象ブロックに対する符号化を行うことによって、符号化された対象ブロック情報を生成することを含み、
前記符号化は、前記対象ブロックの動き情報を決定すること、および前記対象ブロックに対して符号化を行うことを含み、
前記対象ブロックの動き情報は、前記参照ブロックの動き情報に基づいて決定され、
前記参照ブロックは、前記対象ブロックを含む現在ピクチャ内に含まれる復元されたブロックと、以前に復元されたピクチャ内に含まれる復元されたブロックとがあり、
前記以前に復元されたピクチャ内に含まれる前記復元されたブロックは、前記対象ブロックの位置に基づいて決定される
映像符号化方法。」
<相違点1>
本件補正発明では、「参照ブロック識別子を生成」し、「前記参照ブロック識別子は、以前に復元されたブロックの中から一つのブロックを参照ブロックとして示」し、「前記対象ブロックを含む現在ピクチャ内に含まれる復元されたブロックと、以前に復元されたピクチャ内に含まれる復元されたブロックとの中から、前記参照ブロック識別子は一つのブロックを示」すのに対し、引用発明では、「参照ブロック識別子を生成する」のか否か不明であり、そのため「前記参照ブロック識別子は、以前に復元されたブロックの中から一つのブロックを参照ブロックとして示」すのか否か及び「前記対象ブロックを含む現在ピクチャ内に含まれる復元されたブロックと、以前に復元されたピクチャ内に含まれる復元されたブロックとの中から、前記参照ブロック識別子は一つのブロックを示」すのか否か不明である点。
<相違点2>
本件補正発明では、「前記動き情報は、動きベクトルと参照ピクチャインデックスとを含」むのに対し、引用発明では、動き情報に「動きベクトル」を含むものの、「参照ピクチャインデックス」を含むのか否か不明である点
(ウ)相違点についての判断
上記相違点について以下で検討する。
a 相違点1について
引用文献2技術事項における「merge_left_flag」が、1に等しい場合、「predFlagL0、predFlagL1、mvL0、mvL1、refIdxL0、及びrefIdxL1は、それぞれpredFlagL0B、predFlagL1B、mvL0B、mvL1B、refIdxL0B、及びrefIdxL1Bに等しく設定され」、そうでない場合、「predFlagL0、predFlagL1、mvL0、mvL1、refIdxL0、及びrefIdxL1は、それぞれpredFlagL0A、predFlagL1A、mvL0A、mvL1A、refIdxL0A、及びrefIdxL1Aに等しく設定され」、「merge_left_flagが1に等しい場合(「真」の場合)、現在のブロック「X」の左上サンプル位置の左に隣接するサンプル位置を含むブロック「B」が、利用可能なブロックのセットから選択され、merge_left_flagが0に等しい場合(「偽」の場合)、利用可能なブロックのセットから他の(すなわち、上部隣接)ブロック「A」が選択され、選択されたブロックの動きパラメータは、現在のブロックに対して使用され、ブロック「A」及び「B」が異なる予測パラメータを有する場合、1に等しいmerge_left_flag(「真」の場合)はブロック「X」及び「B」をマージし、0に等しいmerge_left_flag(「偽」の場合)はブロック「X」及び「A」をマージする。」
そうすると、引用文献2技術事項における「merge_left_flag」は、マージの際に左のパーティションを参照するのかを示すためのフラグであり、これはマージの際に、以前に復元されたパーティションの中からどのパーティションを予測の際に参照するのかを示すためのフラグの一種であり、本件補正発明における「以前に復元されたブロックの中から一つのブロックを参照ブロックとして示」す「参照ブロック識別子」に対応するといえる。
そして、引用文献2技術事項は、引用文献1の公表時におけるブロックのマージに関する技術的前提に関する技術であり、引用発明においても、予測の際にどのブロックを参照するのかを示さなければ復号することができないことは明らかであるから、引用発明において引用文献2技術事項における「merge_left_flag」及びこれと同様のフラグを生成して復号の際にどのブロックを参照するのかを示す構成をとることは、当業者にとって自明な事項又は当業者が容易になし得ることである。
また、引用発明では、マージの際に「現在のブロックの左及び上の動きベクトルだけでなく、コロケーテッドの動きベクトルも使用する」ことから、引用発明において引用文献2技術事項と同様のフラグを生成する場合、引用文献2技術事項における「merge_left_flag」のように予測の際に以前に復元されたブロックのうち、左又は上のいずれかのブロックを参照することを示すだけでなく、以前に復元されたピクチャにおいて、現在ピクチャと同じ位置であるコロケーテッドの位置のブロックを参照することを示すフラグを生成することは明らかである。
してみると、引用発明において、その技術的前提となる引用文献2技術事項を勘案すれば、相違点1に係る「参照ブロック識別子を生成」し、「前記参照ブロック識別子は、以前に復元されたブロックの中から一つのブロックを参照ブロックとして示」し、「前記対象ブロックを含む現在ピクチャ内に含まれる復元されたブロックと、以前に復元されたピクチャ内に含まれる復元されたブロックとの中から、前記参照ブロック識別子は一つのブロックを示」すようにすることは、当業者が適宜なし得ることである。
b 相違点2について、
引用文献2技術事項では、「プロセスの出力」に、「ルマ動きベクトルmvL0及びmvL1」だけでなく、「参照インデックスrefIdxL0及びrefIdxL1」があり、この「参照インデックスrefIdxL0及びrefIdxL1」は、本件補正発明における「参照ピクチャインデックス」に相当するから、引用発明においても、動き情報に「動きベクトル」だけでなく、「参照ピクチャインデックス」を含むようにすることは、当業者が適宜なし得ることである。
(エ)請求人の主張について
令和6年4月17日付けで提出された意見書において、請求人は、次の主張をしている。
「 しかしながら、merge_left_flagは、以前に復元されたピクチャに含まれるブロックが参照ブロックとして用いられるか否かを示すことはできない。
すなわち、merge_left_flagは、現在ピクチャに含まれる復元されたブロックのうちの参照ブロック(すなわち、左側の隣接サンプルの位置または上部の隣接サンプルの位置を含むブロック)を示すに過ぎず、以前に復元されたピクチャに含まれる復元されたブロックを示すことはできない。
上述したように、引用文献1には参照ブロック識別子は開示されておらず、また引用文献2の参照ブロック識別子は現在ピクチャ内の左側のブロックまたは上段ブロックを示すに過ぎない。
したがって、「対象ブロックを含む現在ピクチャ内に含まれる復元されたブロックと、以前に復元されたピクチャ内に含まれる復元されたブロックとの中から、参照ブロック識別子は一つのブロックを示し」という技術的特徴は、引用文献1および引用文献2に開示されたものとは異なるものである。」
しかしながら、上記(ウ)aでの検討のように、引用発明では、マージの際に「現在のブロックの左及び上の動きベクトルだけでなく、コロケーテッドの動きベクトルも使用する」ことから、引用発明において引用文献2技術事項と同様のフラグを生成する場合、引用文献2技術事項における「merge_left_flag」のように予測の際に以前に復元されたブロックである左又は上のいずれかのブロックを参照することを示すだけでなく、以前に復元されたピクチャにおける現在ブロックと同じ位置であるコロケーテッドの位置のブロックを参照することも示すフラグを生成することは明らかであるのであって、当該請求人の主張を採用することはできない。
3 小括
よって、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定又は同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
したがって、上記補正の却下の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和6年4月17日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項7に係る発明は、令和5年1月26日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項7に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項7に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、その請求項7に記載された事項により特定される、上記第2の1(1)に記載のとおりのものである。
2 優先権について
上記第2の2(2)イと同様に、優先基礎出願1及び優先基礎出願2には、「参照ブロック識別子」に関する記載がないことから、本願発明についても、優先基礎出願1及び2に基づく優先権の主張の効果は認められず、新規性及び進歩性の判断の基準の日は、優先基礎出願3の出願日である2010年12月14日とする。
3 当審の拒絶の理由
本願発明についての当審の拒絶の理由は、次のとおりのものである。
本件出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
・請求項1-11について 引用文献等1、2
<引用文献等一覧>
1.J. Jung et al., "Core Experiment 9: Motion Vector Coding", Joint Collaborative Team on Video Coding (JCT-VC), 2010-11-19, [JCTVC-C509] (version 5)
2."Test Model under Consideration" (draft003), Joint Collaborative Team on Video Coding (JCT-VC) of ITU-T SG16 WP3 and ISO/IEC JTC1/SC29/WG11 2nd Meeting: Geneva, CH, 2010-09-24, [JCTVC-B205], <JCTVC-B205_draft003.doc>
4 引用文献、引用発明等
上記拒絶の理由で引用された引用文献1、引用文献2及びその記載事項は、上記第2の2(2)ウに記載したとおりである。
また、引用発明及び引用文献2技術事項は、それぞれ上記第2の2(2)ウ(ア)b及び上記第2の2(2)ウ(イ)bに記載したとおりである。
5 対比・判断
本願発明は、上記第2の2で検討した本件補正発明から、構成B11’において、・・・前記参照ブロック識別子「は一つのブロックを」示「し」という補正事項を削除し、「前記参照ブロックは、」・・・前記参照ブロック識別子「によって」示「されたように決定され」という記載を追加したものである。
そうすると、本願発明と引用発明との相違点は、上記第2の2(2)エ(イ)における相違点2と、次の相違点3である。
<相違点3>
本願発明では、「参照ブロック識別子を生成」し、「前記参照ブロック識別子は、以前に復元されたブロックの中から一つのブロックを参照ブロックとして示」し、「前記参照ブロックは、前記対象ブロックを含む現在ピクチャ内に含まれる復元されたブロックと、以前に復元されたピクチャ内に含まれる復元されたブロックとの中から、前記参照ブロック識別子によって示されたように決定され」るのに対し、引用発明では、「参照ブロック識別子を生成する」のか否か不明であり、そのため「前記参照ブロック識別子は、以前に復元されたブロックの中から一つのブロックを参照ブロックとして示」すのか否か及び「参照ブロック」の「決定」が「参照ブロック識別子によって示されたように」されるのか否か不明である点。
上記相違点について検討する。
上記相違点2については、上記第2の2(2)エ(ウ)bにおいて検討したとおり、当業者が適宜なし得ることである。
上記相違点3については、上記第2の2(2)エ(ウ)aにおいての検討と同様であり、「前記対象ブロックを含む現在ピクチャ内に含まれる復元されたブロックと、以前に復元されたピクチャ内に含まれる復元されたブロックとの中から、前記参照ブロック識別子は一つのブロックを示」すようにすることは、「参照ブロック」から見ると、「参照ブロック」の「決定」が「参照ブロック識別子によって示されたように」されるといえることから、引用発明において、その技術的前提となる引用文献2技術事項を勘案すれば、相違点3に係る構成とすることは、当業者が適宜なし得ることである。
してみると、本願発明は、引用発明及び引用文献2技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
6 本願発明についてのまとめ
以上のことから、本願発明は、当審の拒絶の理由で通知したとおり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2023-001386