特許無効審判
2022-800055
発電制御装置及びそれを用いた発電制御システム
- 審判番号
- 2022-800055
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 無効審判(無効の審決)
- 出願番号
- 特願2018-042951
- 登録番号
- 6364567
- 請求日
- 2022年06月27日
- 審決日
- 2024年02月27日
- 公報発行日
- 2024年05月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社 フィールドロジック
- 【請求人代理人】▲高▼山 嘉成
- 【請求人代理人】冨宅 恵
- 【請求人代理人】藤原 誠
- 【被請求人】株式会社 ラプラス・システム
- 【被請求人代理人】弁理士法人M&Partners
- 【被請求人代理人】奧村 直樹
- 【被請求人代理人】工藤 嘉晃
- 【被請求人代理人】松野 仁彦
- 【被請求人代理人】富永 真太郎
- 【被請求人代理人】小松 香織
- 審判長/審判官
- 審判長 土居 仁士
- 審判官 丸山 高政
- 審判官 寺谷 大亮
- 分類
- P1113.112-Y (H02J) / P1113.121-Y (H02J)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第131条の2第1項、特許法第169条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の特許第6364567号発明「発電制御装置及びそれを用いた発電制御システム」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
1 請求の趣旨
特許第6364567号(以下「本件特許」という。)の特許請求の範囲の請求項2~6に記載された発明についての特許を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。
2 答弁の趣旨
本件無効審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。
第2 手続の経緯
本件特許は、平成30年3月9日に出願され、同年7月6日にその請求項1~6に係る発明について特許権の設定登録がなされた。
本件特許に係るその後の特許異議の申立て事件(異議2019-700006号、以下「別件異議」という。)及び訂正審判事件(訂正2021-390128号、以下「別件訂正」という。)の手続の概要は、以下の1のとおりであり、本件無効審判の手続の概要は、以下の2のとおりであり、本件無効審判における補正許否の決定の理由は、以下の3のとおりである。
1 別件異議及び別件訂正の手続の概要
本件特許に係る別件異議及び別件訂正における手続の概要は、以下のとおりである。
平成31年 1月 9日 別件異議の特許異議申立書
令和 元年12月20日 別件異議における訂正請求書
2年 2月12日付け 別件異議の決定(訂正を認め特許維持)
3年 8月25日 別件訂正の審判請求書
4年 1月 4日付け 別件訂正の審決(訂正を認める)
なお、別件異議の決定及び別件訂正の審決が確定したことにより、本件特許の請求項1は削除された。
2 本件無効審判の手続の概要
本件無効審判における手続の概要は、以下のとおりである。なお、令和4年8月19日付けの併合審理通知書は、本件無効審判と無効2021-800102号(以下「別件無効審判」という。)との審理の併合を通知するものである。
令和 4年 6月27日 審判請求書
8月19日付け 併合審理通知書
10月18日 審判事件答弁書
10月25日 上申書(被請求人)
12月23日付け 審理事項通知書
令和 5年 1月23日 口頭審理陳述要領書(被請求人)
1月24日 口頭審理陳述要領書(1)(請求人)
2月22日 上申書(請求人)
2月22日付け 審理事項通知書
3月20日 口頭審理陳述要領書(被請求人)
3月22日 口頭審理陳述要領書(2)(請求人)
4月 5日付け 審理事項通知書
4月13日 口頭審理陳述要領書(被請求人)
4月14日 口頭審理陳述要領書(3)(請求人)
4月21日 第1回口頭審理期日
4月26日 上申書(請求人)(本文1頁)
上申書(請求人)(本文2頁)
4月28日 上申書(請求人)
証人尋問申出書・尋問事項書(請求人)
5月 1日 上申書(被請求人)
6月22日 証人尋問申出書・尋問事項書(請求人)
6月23日付け 審理事項通知書
7月 7日 上申書(請求人)
7月14日 口頭審理陳述要領書(被請求人)
7月18日 口頭審理陳述要領書(4)(請求人)
7月20日 上申書(被請求人)
7月25日付け 補正許否の決定(不許可)
審理事項通知書
7月31日 口頭審理陳述要領書(5)(請求人)
8月 2日 口頭審理陳述要領書(6)(請求人)
口頭審理陳述要領書(被請求人)
8月 9日 口頭審理陳述要領書(7)(請求人)
8月 9日付け 補正許否の決定(不許可)
8月10日付け 口頭審理期日延期通知書
9月11日付け 審理事項通知書(第2回口頭審理)
審理事項通知書(第3回口頭審理)
10月 2日 口頭審理陳述要領書(被請求人)(注1)
口頭審理陳述要領書(被請求人)(注2)
10月 3日 口頭審理陳述要領書(8)(請求人)
10月 4日 口頭審理陳述要領書(9)(請求人)
10月18日付け 審理事項通知書
11月 2日 口頭審理陳述要領書(10)(請求人)
尋問事項書(2)(請求人)
尋問事項書(2)(請求人)
口頭審理陳述要領書7[2](被請求人)
11月13日 上申書([2]-2)(被請求人)
11月17日付け 審理事項通知書
11月24日付け 審理事項通知書
11月27日 口頭審理陳述要領書(11)(請求人)
11月28日付け 審理事項通知書
11月28日 口頭審理陳述要領書(8)(被請求人)
11月29日 口頭審理陳述要領書(9)(被請求人)
11月30日 口頭審理陳述要領書(10)(被請求人)
12月 5日 第2回口頭審理期日、証人尋問
12月 6日 第3回口頭審理期日
12月 8日 上申書(請求人)
12月25日 上申書(被請求人)
令和 6年 1月 9日付け 審尋(請求人に対して)
1月19日 回答書(請求人)
上申書(請求人)
1月22日 上申書(被請求人)
2月 6日付け 併合分離通知書
(注1)本文4頁
(注2)本文32頁
以下では、本件の審判請求書のことを単に「請求書」といい、請求人が提出した口頭審理陳述要領書(1)~口頭審理陳述要領書(11)を、それぞれ「請求人陳述要領書(1)」~「請求人陳述要領書(11)」といい、請求人が提出した上申書について、令和5年2月22日のものを「請求人上申書(1)」といい、同年4月26日の本文1頁のもの及び同日の本文2頁のものを、それぞれ「請求人上申書(2-1)」及び「請求人上申書(2-2)といい、同年4月28日のもの、同年7月7日のもの、同年12月8日のもの及び令和6年1月19日のものを、それぞれ「請求人上申書(3)」~「請求人上申書(6)」という。
また、「審判事件答弁書」のことを単に「答弁書」といい、被請求人が提出した口頭審理陳述要領書について、令和5年1月23日のもの、同年3月20日のもの、同年4月13日のもの、同年7月14日のもの及び同年8月2日のものを、それぞれ「被請求人陳述要領書(1)」~「被請求人陳述要領書(5)」といい、同年10月2日の本文4頁のもの及び同日の本文32頁のものを、それぞれ「被請求人陳述要領書(6-1)」及び「被請求人陳述要領書(6-2)」といい、同年11月2日のもの、同年同月28日のもの、同年同月29日のもの及び同年同月30日のものを、それぞれ「被請求人陳述要領書(7)」~「被請求人陳述要領書(10)」といい、被請求人が提出した上申書について、令和4年10月25日のもの、令和5年5月1日のもの、同年7月20日のもの、同年11月13日のもの、同年12月25日のもの及び令和6年1月22日のものを、それぞれ「被請求人上申書(1)」~「被請求人上申書(6)」という。
3 本件無効審判における補正許否の決定の理由
令和5年7月25日付け補正許否の決定、及び、令和5年8月9日付け補正許否の決定の理由は、次のとおりである。
請求人陳述要領書(4)中、5(2)(4頁24行~5頁27行)において新たに主張された特許法29条1項1号に関する無効理由、並びに、請求人陳述要領書(5)中、「5.」の「1 無効理由の補正」(2頁7行~3頁23行)において新たに主張された特許法29条1項1号及び3号に関する無効理由は、特許法131条の2第1項に規定される要旨を変更する補正であり、同項ただし書き1号及び3号のいずれにも該当せず、かつ、審理を不当に遅延させるおそれがないことが明らかなものであるとはいえない上に、同条2項1号又は2号に該当する事由があるとも認められないので、許可しない。
第3 本件発明
本件特許の請求項2~6に係る発明(以下、それぞれ「本件発明2」~「本件発明6」といい、これらを総称して「本件発明」という。)は、それぞれ本件特許の特許請求の範囲(別件訂正により訂正済)の請求項2~6に記載された事項により特定されるとおりのものであり、その特許請求の範囲は、次のとおりである。なお、後の参照の便宜のため、各請求項を以下の2A1~6Gに分説し、「発明特定事項2A1」のようにして参照する。
【請求項1】(削除)
【請求項2】
2A1 太陽電池の発電電力を制御するパワーコンディショナと、
2A2 負荷に接続された受変電部と、
2A3 前記負荷の消費電力を取得すると共に前記パワーコンディショナの出力の上限値を制御する1つの発電制御装置と、
2A を備え、
2B 前記発電制御装置は
2B1 少なくとも演算処理部及び計時部を備え、
2B2 前記発電電力の上限値を、前記発電電力の上限値と前記消費電力との差分が前記消費電力の一次関数となるよう設定して出力指令値を算出し、
2C 前記出力指令値に基づいて前記パワーコンディショナは前記発電電力が前記上限値以下となるよう制御することで逆潮流を回避し、
2D 前記一次関数の一次係数は、前記計時部の計時機能を用いて時間帯毎に変更可能である
2E ことを特徴とする発電制御システム。
【請求項3】
3A 前記発電制御システムは、さらに蓄電池を備えることを特徴とする
3B 請求項2記載の発電制御システム。
【請求項4】
4A 前記出力指令値を算出する前記消費電力についての一次関数の0次係数は、前記蓄電池の蓄電可能量に依存することを特徴とする
4B 請求項3記載の発電制御システム。
【請求項5】
5A 前記出力指令値を算出する前記消費電力についての一次関数の一次係数と0次係数は、時間に依存することを特徴とする
5B 請求項2乃至4のいずれか1項記載の発電制御システム。
【請求項6】
6A 太陽電池の発電電力の上限値を制御するパワーコンディショナに接続される1つの発電制御装置であって、
6B 前記発電制御装置は少なくとも演算処理部及び計時部を備え、
6C 太陽電池の発電電力と負荷の消費電力とを取得すると共に、
6D 前記演算処理部を用いて前記発電電力の上限値を、前記発電電力の上限値と前記消費電力との差分が前記消費電力の一次関数となるよう設定してパワーコンディショナの出力指令値を算出し、
6E 前記出力指令値に基づいて前記パワーコンディショナは前記発電電力が前記上限値以下となるよう制御することで逆潮流を回避し、
6F 前記一次関数の一次係数は、前記計時部の計時機能を用いて時間帯毎に変更可能である
6G ことを特徴とする発電制御装置。
第4 請求人の主張及び証拠方法
請求人の主張の概要は以下の1のとおりであり、請求人の証拠方法は以下の2のとおりである。
1 請求人の主張の概要
請求人は以下の無効理由1-1から無効理由3-2を主張する。
無効理由1-1 請求項2、3、5及び6に係る発明は、甲1に記載された発明、甲20~甲59等によって立証される公然実施発明、及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は同法123条1項2号に該当し、無効とすべきである。(請求書19頁2~8行)
無効理由1-2 請求項4に係る発明は、甲1に記載された発明、甲20~甲59等によって立証される公然実施発明、甲4に記載された事項、及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は同法123条1項2号に該当し、無効とすべきである。(請求書19頁9~15行)
無効理由2 請求項2及び6に係る発明は、甲20~甲59等によって立証される公然実施発明と同一であり、特許法29条1項2号の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は同法123条1項2号に該当し、無効とすべきである。(請求書19頁16~20行)
無効理由3-1 請求項2、3、5及び6に係る発明は、甲20~甲59等によって立証される公然実施発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は同法123条1項2号に該当し、無効とすべきである。(請求書19頁21~27行)
無効理由3-2 請求項4に係る発明は、甲20~甲59等によって立証される公然実施発明、甲4に記載された事項、及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は同法123条1項2号に該当し、無効とすべきである。(請求書19頁28行~20頁5行)
2 証拠方法
以下において、甲第○号証は「甲○」と略記し、甲第○号証の△は、「甲○-△」と略記する。
請求人は、証拠方法として、併合審理開始前に甲1、甲2-1~甲2-3、甲3~甲37、甲38-1~甲38-5及び甲39~甲62を取り調べるよう申し出、併合審理中に、甲63~甲68、甲69-1~甲69-4、甲70~甲90、甲91-1~甲91-6及び甲92~甲100並びに証人川上俊太郎及び証人秋葉伸夫を取り調べるよう申し出た。
本件審決で参照する証拠方法は、以下のとおりである。なお、甲号証の番号の右側の記載は、証拠説明書における標目である。
甲1 特開2016-178719号公報
甲2-1 資料2 出力制御機能付PCSの技術仕様について(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shoene_shinene/shin_energy/keito_wg/pdf/005_02_00.pdf)
甲4 国際公開第2017/109935号
甲21 2017年12月28日付けメール
甲23 御見積書
甲24 2018年1月24日付けメール
甲28 御見積書
甲29 2018年1月29日付けメール
甲30 注文書
甲31 2018年1月29日付けメール
甲32 御見積書
甲33 (株)フィールドロジック社の開発プログラム管理方法
甲36 技術資料ヤクルト食品殿納品プログラムFL社内確認
甲37 ヤクルト食品工業様向け 出力制御
甲38-1 工事完成引渡書
甲38-2 引渡書
甲38-3 工事完成受領書
甲40 証明書
甲42 出荷作業チェック(FL確認)
甲45 再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業実施報告書
甲59 プログラマブルコントローラ KV Nanoシリーズ基本ユニット(端子台タイプ)ユーザーズマニュアル
甲71 出荷連絡DB
甲72 システム仕様書(案件ID FL083-17071-03)
甲73 陳述書(秋葉伸夫)
甲74 現地調査報告書
甲75 証明書(2)
甲76 御見積書 No.000026K
甲77 注文書(発注No 00000001)
甲78 注文書(注文No.211535)
甲79 陳述書(柿本 豊)
甲82 平成29年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業)完了実績報告書
甲83 (添付資料A)内部稟議・稟議決裁・請負契約・請求支払いの時系列進捗状況
甲86 添付資料A No3 太陽光発電設備導入PT:補助金応募に添付の平成29年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業)公募申請書及び平成29年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業)に係る補助事業の第二次公募結果について
甲88 添付資料A No5 太陽光発電設備導入PT:補助金交付申請に添付の平成29年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業)交付決定通知書及び平成29年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業)交付申請書
甲89 添付資料A No6 管理職会議:見積調書に添付の管理職会議太陽光発電設備工事業者選定、子会社稟議書(様式2)、御見積書(株式会社マツコー)、御見積書(見積No.YAKU17062604)、及び御見積書(見積番号EAK290696 イ)
甲90 添付資料A No7 太陽光発電設備導入PT:請負契約に添付の注文書及び注文請書
甲91-6 工程表
甲93 ヤクルト食品殿納入PLCプログラム消費電力算出処理
甲94 ヤクルト食品殿納品プログラムFL社内確認(消費電力算出処理)
甲98 システム仕様書
甲99 システム仕様書
甲100 システム仕様書
証人 川上俊太郎
証人 秋葉伸夫
甲74、甲98、甲99及び甲100は、それぞれ甲41、甲20、甲22及び甲25の鮮明な印刷物であり、記載内容に違いはない。
なお、別件無効審判に対して、併合審理中に、請求人から甲24号証及び甲25号証が書証申出されたが、それぞれ、本件無効審判における甲63及び甲81と同一である。
第5 被請求人の主張及び証拠方法
被請求人の主張の概要は以下の1のとおりであり、被請求人の証拠方法は以下の2のとおりである。
1 被請求人の主張の概要
被請求人の主張は、概略、以下のとおりである。
(1)請求人が主張する無効理由1-1から無効理由3-2については、全て争う。(答弁書18頁等)
(2)甲20~甲51、甲61、甲71~甲79、甲93、甲94及び甲98~甲100並びに請求人従業者川上俊太郎及び請求人従業者秋葉伸夫の証言の実質的証拠力は低い。(答弁書18~19頁、被請求人陳述要領書(1)4頁、被請求人陳述要領書(4)5~6頁、被請求人陳述要領書(5)6~10頁、被請求人陳述要領書(6-2)22~24頁、被請求人陳述要領書(8)3頁、被請求人陳述要領書(10)3頁、被請求人上申書(5)2頁15行~13頁9行、被請求人上申書(6)3~4頁)
(3)公然実施発明の立証は不十分である。(被請求人陳述要領書(5)6~7頁、被請求人陳述要領書(6-2)4~6頁、被請求人陳述要領書(8)4~5頁、被請求人陳述要領書(9)3頁)
(4)公然実施発明の実施は、公然とされたものではない。(答弁書19~20頁、被請求人陳述要領書(2)5~7頁、被請求人陳述要領書(4)6~8頁、被請求人陳述要領書(5)9~14頁、被請求人陳述要領書(8)3頁、被請求人上申書(5)11頁)
(5)公然実施発明の実施品において、実際に「制御」の動作が開始されたのは、本件特許の出願後の平成30年4月13日である。(被請求人陳述要領書(5)14~15、被請求人陳述要領書(6-2)6~21頁、被請求人上申書(4)2~4頁)
2 証拠方法
以下において、乙第○号証は「乙○」と略記し、乙第○号証の△は、「乙○-△」と略記する。
被請求人は、証拠方法として、併合審理中に、乙1~乙4、乙5-1、乙5-2、乙6-1、乙6-2、乙7、乙8、乙9-1~乙9-4、乙10~乙12、乙13-1、乙13-2及び乙14~乙33を取り調べるよう申し出た。
なお、別件無効審判に対して、併合審理中に、被請求人から乙第1号証~乙第31号証が書証申出されたが、それぞれ、本件無効審判における乙1~乙31と同一である。
第6 証拠調べの結果
甲各号証及び乙各号証の成立に争いはなく、真正に成立したものでないとする特段の理由もないから、これらは、真正に成立したものと認める。
書証及び証人尋問の結果、以下が認められる。
1 甲号証の記載事項
書証の結果、以下の記載が認められる。
(1)甲1(特開2016-178719号公報)
甲1には、以下の記載がある。なお、下線は強調のために当審で付した。
ア 「【0003】
太陽光発電システムが大量に普及することで、国内の太陽光発電システムの発電電力と、発電の中断ができないようなその他の発電システムの発電電力との合計が、国内における電力需要を上回る状況が発生し得る。このような状況が発生した場合は、電力系統の周波数が上昇することで、電力系統の全ての発電システムが停止してしまう系統崩壊と呼ばれる現象が起こる可能性がある。
【0004】
このような系統崩壊を防止するため、平成22年6月8日に経済産業省で開催された「次世代送配電システム制度検討会第1ワーキンググループ」において対処手段が検討された。その際の参考資料であった下記の非特許文献1には、具体的な対処手段として、パワーコンディショナにカレンダー機能を設けることが記載されている。パワーコンディショナは、太陽光発電システムの構成要素の一つであって、太陽電池からの直流電力を交流電力に変換する装置である。パワーコンディショナのカレンダー機能によると、太陽光発電システムの発電電力が多くかつ電力需要の少ない5月の連休日を「特異日」として、特異日にはパワーコンディショナの出力の上限がパワーコンディショナの定格出力の例えば50%に設定される。また、その他の対処手段として、電力会社が設置した指令所から、通信網を介して太陽光発電システムへ、必要に応じて出力抑制指令を送信することが記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】出力抑制合同検討会(電気事業連合会/社団法人 日本電機工業会/一般社団法人 太陽光発電協会)著、「「出力抑制合同検討会」検討結果最終報告 出力抑制機能の具体的な方策(技術論の検討)(次世代送配電システム制度検討会第1ワーキンググループ(WG1)(第1回)配布資料 資料6)」、経済産業省 2009年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したように、カレンダー機能または出力抑制指令のような出力抑制情報によって太陽光発電システムの出力を制限することで系統崩壊を効果的に回避し得る。一方、太陽光発電システムが大量に普及する前で、かつ、出力抑制情報の仕様が決まっていない過渡期では、パワーコンディショナに出力抑制の基本機能のみを設け、上記仕様が決まった後、出力抑制情報を有する制御機器をパワーコンディショナに後付けし、将来、太陽光発電システムが大量に普及したときに、制御機器を介して出力抑制を実施することが想定される。
【0007】
すなわち、パワーコンディショナは、制御機器が取り付けられる前には、出力抑制を実施しないが、制御機器が取り付けられた後には、出力抑制情報に従い、確実に出力抑制を実施することが要求され、たとえ制御機器が故障し、出力抑制情報が得られない場合であっても、パワーコンディショナの出力が抑制され、系統崩壊が回避される必要がある。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、パワーコンディショナの出力を抑制するための出力抑制情報を有する制御機器が設置された後は、たとえ制御機器が故障した場合でも、パワーコンディショナの出力を抑制し、系統崩壊を回避することが可能な太陽光発電システムを提供することを目的とする。」
イ 「【0015】
パワーコンディショナ2は、太陽電池モジュール1が発電した直流電力を交流電力へ変換し、この交流電力を出力する。パワーコンディショナ2は、例えば住宅内に設置される。パワーコンディショナ2には交流電力の出力用に出力線11が接続され、出力線11は、住宅内の分電盤3を介して商用電源10に接続されている。また、出力線11は、分電盤3内の連系ブレーカー3aおよび分岐ブレーカー3bを介して住宅内の電気機器である負荷8に接続される。また、出力線11は、分電盤3内の連系ブレーカー3aおよび主幹ブレーカー3cを介して商用電源10に接続される。パワーコンディショナ2から出力された交流電力は、分電盤3内の連系ブレーカー3aおよび分岐ブレーカー3bを経由して負荷8に供給され、負荷8で消費される。また、パワーコンディショナ2から出力された交流電力が負荷8で消費されずに余った場合は、余った分は住宅外の商用電源10に供給される。これを逆潮流という。なお、パワーコンディショナ2は、分電盤3を介さずに商用電源10に接続される構成も可能である。また、太陽光発電システムの設置形態には、パワーコンディショナ2の発電電力を負荷8に供給することなく、発電電力を全て商用電源10に供給する形態がある。これを全量買取方式という。本実施の形態は、全量買取方式が採用された太陽光発電システムにも適用可能である。」
ウ 「【0024】
図7は、出力抑制情報15の一例を示した図である。出力抑制情報15は、例えば、出力抑制を実施する「年月日」、「時刻」および「抑制量」をリストにしたものである。ここで、「抑制量」は、例えば、パワーコンディショナ2の定格出力に対する割合で与えられる。例えば、「年月日」が2015/05/10、「時刻」が10:00~10:59のときは、「抑制量」が70%とされているので、パワーコンディショナ2の定格出力の70%を最大値として、パワーコンディショナ2はこれ以上の発電電力を出力しないように制御される。」
エ 「【0033】
実施の形態2.
図8は、本実施の形態に係る太陽光発電システムの構成図である。図8に示すように、本実施の形態に係る太陽光発電システムは、2台の太陽電池モジュール1と、2台の太陽電池モジュール1にそれぞれ接続されると共に分電盤3を介して負荷8および商用電源10に接続された2台のパワーコンディショナ2と、2台のパワーコンディショナ2に接続され、表示ユニット4およびルーター5を介してインターネット13に接続されると共に、分電盤3と商用電源10との接続点における電流および電圧を計測する計測ユニット7とを備える。
【0034】
パワーコンディショナ2の出力線11は、分電盤3を介して商用電源10に接続されている。詳細には、出力線11は、分電盤3内の連系ブレーカー3aおよび主幹ブレーカー3cを介して商用電源10に接続される。分電盤3には、分電盤3と商用電源10との接続点における電流を計測する電流センサー6が設置されている。電流センサー6は計測ユニット7に接続され、電流センサー6の出力は計測ユニット7に入力される。また、計測ユニット7は、分電盤3に接続され、分電盤3と商用電源10との接続点における電圧、すなわち、商用電源10の電圧を計測する。なお、実施の形態1で説明したように、パワーコンディショナ2は分電盤3を介さずに商用電源10に接続されていてもよく、この場合は、計測ユニット7は、パワーコンディショナ2と商用電源10との接続点における電流および電圧を計測することとなる。
【0035】
計測ユニット7は、電流計測値および電圧計測値から電力を算出する。これにより、計測ユニット7は、逆潮流が発生しているのか否かを判定することができる。このように、計測ユニット7は、太陽光発電システムの発電電力が負荷8で消費されず、発電電力が余った場合は、太陽光発電システムから商用電源10に流れる電力を計測し、逆に太陽光発電システムの発電電力が負荷8の消費電力より少ない場合は、商用電源10から負荷8に流れる電力を計測することとなる。
【0036】
計測ユニット7は、有線である信号線12を介して2台のパワーコンディショナ2の各々と接続されており、信号線12を介して2台のパワーコンディショナ2の各々との間で通信可能である。計測ユニット7は、信号線12を介してパワーコンディショナ2の各々から制御情報を取得する。また、計測ユニット7は、無線通信を介して表示ユニット4と接続されている。
【0037】
表示ユニット4は、実施の形態1と同様に、無線通信を介してルーター5と接続され、ルーター5を介して、通信網であるインターネット13に接続される。表示ユニット4は、ルーター5およびインターネット13を介して各種情報を取得する。特に、表示ユニット4は、ルーター5およびインターネット13を介して、例えば電力会社により設置された指令所から出力抑制情報15を取得する。表示ユニット4は、指令所から出力抑制情報15を取り込んだ後、出力抑制情報15を計測ユニット7に送信する。これにより、計測ユニット7は、出力抑制情報15を取得することができる。表示ユニット4は、出力抑制情報15を計測ユニット7に転送するだけで、出力抑制情報15を記憶しない。
【0038】
計測ユニット7は、出力抑制情報15を取得した後、出力抑制情報15を2台のパワーコンディショナ2の各々に出力することで2台のパワーコンディショナ2の各々に出力抑制を実施させる制御機器である。なお、表示ユニット4は、パワーコンディショナ2の制御情報と計測ユニット7による計測値情報を表示することができる。ここで、計測ユニット7による計測値情報には、電流計測値情報、電圧計測値情報および電力計測値情報が含まれる。」
オ 「【0045】
なお、本実施の形態では、計測ユニット7および表示ユニット4の双方を設ける構成としたが、計測ユニット7のみを設け、計測ユニット7がルーター5およびインターネット13を介して指令所から出力抑制情報15を取得するようにしてもよい。
【0046】
また、本実施の形態では、計測ユニット7は、太陽光発電システムから商用電源10に流れる電力を計測することができる。太陽光発電システムから商用電源10に電力を供給しなければ、国内の電力が需要を上回ることはなく、系統崩壊は回避できるため、太陽光発電システムにおける出力抑制は、逆潮流を抑制するものであればよく、必要以上に太陽光発電システムが負荷8に供給する電力を抑制する必要はない。このため、パワーコンディショナ2が出力抑制情報15に従って出力抑制を実施したときに、計測ユニット7の電流および電圧の計測により逆潮流が発生しないと判定された場合には、計測ユニット7は、パワーコンディショナ2に出力抑制を低減しまたは停止する指令を送信することができる。つまり、計測ユニット7は、逆潮流が発生しない発電電力を上限としてパワーコンディショナ2に出力抑制の指令を送信し制御することができる。」
カ 「【0050】
また、本実施の形態では、パワーコンディショナ2、表示ユニット4、計測ユニット7およびルーター5が互いに異なる筐体内に設けられるが、これらは同一の筐体内に配置されていてもよい。」
キ 「【0052】
本実施の形態のその他の構成、動作および効果は、実施の形態1で説明した通りである。」
ク 図7
[図:0001409771000001.jpg]
図7によれば、出力制御情報15の「抑制量」は時間帯毎に変更可能である。
ケ 図8
[図:0001409771000002.jpg]
図8によれば、一点鎖線の囲み3の内部に6が含まれている。そして、「分電盤3には、分電盤3と商用電源10との接続点における電流を計測する電流センサー6が設置されている。」(【0034】)から、図8の6は、分電盤3と商用電源10との接続点における電流を計測する電流センサー6であり、電流センサー6の位置は、分電盤3と商用電源10との接続点に一致すると解される。
よって、分電盤3は、分電盤3と商用電源10との接続点を含む。
(2)甲2-1(出力制御機能付PCSの技術仕様について)
甲2-1には、以下の記載がある。
ア 表紙
次の記載がある。
「出力制御機能付PCSの技術仕様について
太陽光発電協会
日本電機工業会
電機事業連合会」
イ 3頁
次の記載がある。
[図:0001409771000003.jpg]
ウ 4頁
次の記載がある。
[図:0001409771000004.jpg]
エ 7頁
次の記載がある。
[図:0001409771000005.jpg]
オ 8頁
次の記載がある。
[図:0001409771000006.jpg]
カ 9頁
次の記載がある。
[図:0001409771000007.jpg]
(3)甲4(国際公開第2017/109935号)
甲4には、以下の記載がある。なお、下線は強調のために当審で付した。
ア 「技術分野
[0001] 本発明は、発電設備から出力する電力が制限される制限期間において、電力を有効に活用できる管理装置、及び、管理システムに関する。
背景技術
[0002] 近年、太陽光発電に代表される発電設備が導入されたホームシステム(一例として、HEMS:Home Energy Management System)が普及している。このホームシステムでは、一般家庭の電力を適切に管理できるようになっている。
[0003] また、一般家庭だけでなく、ビル、工場、店舗、及び、学校といった地域全体における電力を管理する地域システム(一例として、CEMS:Community Energy Management System)も普及しつつある。
[0004] このような地域システムの先行技術として、例えば、特許文献1には、地域内の発電による余剰電力を蓄熱運転で吸収して低減できるエネルギマネジメントシステムの発明が開示されている。
先行技術文献
特許文献
[0005] 特許文献1:特開2012-55078号公報
発明の概要
発明が解決しようとする課題
[0006] ところで、発電設備が導入された需要家から商用電力系統(商用電源)へ電力が供給される逆潮流により、商用電力系統の需給バランスが崩れることがある。例えば、快晴の休日には、需要が大幅に減少するとともに、発電量の増加に伴い供給が増加する。
[0007] そこで、商用電力系統の需給バランスを保つために、電気事業者が需要家に対して時間を指定して逆潮流の抑制(制限)を予め指示するための制度の整備が進められている。例えば、2014年には日本の資源エネルギー庁から、太陽光発電に対する出力制御ルールが公示されている。この出力制御ルールは、発電設備の発電量を調整して、商用電力系統への売電を抑えるものである。
[0008] 具体的な運用の一例として、電気事業者は、発電設備からの出力を制限すべき制限期間(時間帯)を計画すると、その制限期間における制限内容(出力の上限)を含む制限情報を作成する。電気事業者は、作成した制限情報を、ネットワークを介して、発電設備に提供する。そして、発電設備は、提供された制限情報に沿って、制限期間が到来すると、出力上限を超えないように発電量を抑制する。
[0009] しかしながら、特許文献1に記載された発明では、上述のような逆潮流を抑制するための指示に応じて逆潮流を減少させるものではない。つまり、制限情報が提供されることを何ら考慮していないため、そのままでは、制限期間が到来しても、電力を抑制することができない。この結果、特許文献1に記載された発明では、制限期間において、電力を有効に活用することができなかった。
[0010] 本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、発電設備から出力する電力が制限される制限期間において、電力を有効に活用することのできる管理装置、及び、管理システムを提供することを目的とする。」
イ 「[0015] (実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るホームシステム1の全体構成の一例を示すブロック図である。図示するように、ホームシステム1は、電力を発電する発電設備10と、住居H内で電力を消費する機器20と、住居H内に供給される電力を遮断するブレーカ30と、住居H内で消費や発電される電力を計測する電力計測装置40と、ホームシステム1全体を制御する管理装置50と、ユーザに使用される端末装置60とを備えている。
[0016] 図1における太線は、電力線PLを示している。つまり、発電設備10、機器20、及び、ブレーカ30には、電力線PLを介して電力が供給又は、出力可能に接続されている。そして、それらの近傍には、電力線PLに流れる電力を計測するための変流器CTが配置されている。
[0017] また、図1における点線は、通信線CLを示している。つまり、発電設備10、機器20、電力計測装置40、管理装置50、及び、端末装置60は、通信線CLを通じて宅内ネットワークN1と接続されている。なお、通信線CL(宅内ネットワークN1)は、例えば、有線LAN(Local Area Network)や無線LANからなる。
[0018] また、ホームシステム1は、宅外ネットワークN2を介して、住居H外に配置されたサーバ70と通信可能となっている。このサーバ70は、発電設備10から電力の出力を制限すべき制限期間を含む制限情報71を記憶している。この制限情報71は、例えば、管理装置50から適宜読み出される。なお、制限情報71の詳細については、後述する。
[0019] 発電設備10は、一例として、発電モジュール11、及び、パワーコンディショナ12備えた太陽光発電システムである。
[0020] 発電モジュール11は、例えば、ソーラーパネルからなり、太陽光を受けて発電を行う。この発電モジュール11は、定格容量(最大発電電力)が、一例として、5kWである場合について、以下、説明する。
[0021] パワーコンディショナ12は、例えば、太陽光発電インバータ(Photo Voltec inverter)からなり、発電モジュール11で発電された電力(直流)を、交流に変換して出力する。パワーコンディショナ12は、例えば、管理装置50を介して制限情報71が供給されると、制限期間において、出力を抑制する。なお、パワーコンディショナ12は、管理装置50を介さずに、直接、サーバ70から制限情報71を読み出すようにしてもよい。
[0022] 制限情報71には、例えば、図2Aに示すように、各時間(時間帯)における出力上限(発電モジュール11の定格容量の何%まで出力できるか)が定められている。この例の場合、0時~9時、及び、15時~24時の出力が100%(つまり、制限なし)と規定されている。また、9時~11時、及び、13時~15時の出力が40%と規定されている。そして、11時~13時の出力が0%と規定されている。つまり、出力が100%よりも小さい時間帯が制限期間となり、その制限期間における出力上限が制限値となる。なお、図2Aに示す制限情報71は、一例であり、適宜変更可能である。例えば、出力上限を割合(%)で規定する代わりに、電力値(n[kW])で規定するようにしてもよい。
[0023] このような制限情報71が供給されると、パワーコンディショナ12は、例えば、図2Bに示すように、発電モジュール11が線Laに示すように発電しても、線Lpを上限として、電力を出力する。つまり、制限期間(9時~15時)において、発電モジュール11が発電した電力よりも少ない電力を出力する。特に、11時~13時は、出力する電力を0にする(電力を出力しない)。
[0024] なお、このような制限期間において、自家消費(買電)が発生している場合には、パワーコンディショナ12は、その自家消費分まで(発電モジュール11の発電量が足りている場合)、電力を出力できることが認められている。つまり、図2Cに示すように、連結点Cにおける逆潮流PRは、発電設備10から出力される電力PGと、機器20にて消費される電力PLとから、以下の式1により求まる。
[0025] PR = PG - PL・・・(式1)
[0026] そして、パワーコンディショナ12は、電力PR>0の場合に、上限値(線Lp)まで抑制した電力を出力する。一方、電力PR≦0であれば、電力PR=0に収束するまで電力を増やして出力することができる。
[0027] 具体的に図3を参照して説明する。図3において、機器20にて消費される電力PLの推移を、一点鎖線にて示している。また、発電設備10から出力される電力PGを太い実線にて示している。つまり、制限期間(9時~15時)において、電力PLが上限値(線Lp)を下回っている時間帯では、パワーコンディショナ12は、上限値となる2kWまで電力PGを出力する。その後、電力PLが上限値を上回ると、パワーコンディショナ12は、電力PLと同じ電力値まで増加させて電力PGを出力する。なお、電力PLが発電量(線La)を上回ると、パワーコンディショナ12は、発電量と同じ電力値の電力PGを出力する。」
ウ 図1
[図:0001409771000008.jpg]
エ 図2A
[図:0001409771000009.jpg]
オ 図2B
[図:0001409771000010.jpg]
カ 図2C
[図:0001409771000011.jpg]
キ 図3
[図:0001409771000012.jpg]
(4)甲21(電子メール)
甲21には、以下の記載がある。なお、電子メールのアドレスは削除した(以下同様)。
ア 1頁1~20行
「Yoshinari Takayama
差出人:FL秋葉 伸夫
送信日時:2017年12月28日木曜日 12:01
宛先:佐久間 裕
件名:RE: ヤクルト食品工業納め パワコン制御
添付ファイル:仕様書_ヤクルト食品工業様向け 出力制御_FL_083-17071-01.pdf; 御見積書_ヤクルト食品工業様向け 出力制御_FL083-17071-01-01.pdf
株式会社渡辺藤吉本店
佐久間様
いつもお世話になっております。
先日は突然の訪問にも関わらずお時間を頂戴し、ありがとうございました。
遅くなりましたが仕様書と御見積書を提出します。
本日より弊社は全社冬季休暇に入りますので、年明け1月5日に関係者を集め本件の仕様確定と2月5日あたりの納品を目指し納期調整を行います。
取り急ぎ、昨日打ち合わせを行いました仕様の概要とお見積りになります。
御確認・ご査収の程、よろしくお願い致します。
****************************************
株式会社フィールドロジック
営業部 営業課
秋葉 伸夫(Nobuo Akiba)」
イ 1頁27行~2頁9行
「From: 佐久間 裕[ ]
Sent: Monday, December 18, 2017 10:40 AM
To: FL秋葉 伸夫 < >
Subject: RE: ヤクルト食品工業納め パワコン制御
ありがとうございます。
パワコン形式:CEPT-P2AA2010B
10台設置の内、8台を容量制御の希望です。
計測データとしては、10台分のデータ+気温+日射
を記録してCVS出力が出来ればと考えます。
温度計・日射計・モニターの資料添付します。
よろしくお願い致します。」
ウ 2頁10~21行
「From: FL秋葉 伸夫 [ ]
Sent: Monday, December 18, 2017 10:09 AM
To: 佐久間 裕
CC: 小田切 祥一郎
Subject: RE: ヤクルト食品工業納め パワコン制御
株式会社 渡部藤吉本店
佐久間様
お世話になっております。
電力量計測の表示に誤りがございましたので、訂正致します。
パルスからの電力量計測(1200kWh/50000Pulse)
21日に安川電機様と打ち合わせをさせて頂きます。
システム構成と御見積は、22日AMまでに提出致します。」
エ 2頁29行~3頁10行
「From: FL秋葉 伸夫 [ ]
Sent: Monday, December 18, 2017 10:00 AM
To: '佐久間 裕' < >
Subject: RE: ヤクルト食品工業納め パワコン制御
株式会社 渡部藤吉本店
佐久間様
お世話になっております。
フィールドロジック営業課の秋葉と申します。
この度はお引き合いを頂きまして誠にありがとうございます。
下記条件にてお見積りを作成致します。
計測・制御
1. パルスからの電力量計測(1200kWh/Pulse)
2. PCS計測+制御(安川電機様PCS8台)
3. 既設モニタへの表示(DVI入力にて想定)
安川電機様のPCS型式をご教示頂けますと幸甚です。
内容に誤りがございましたらご教示下さい。」
オ 3頁22~31行
「From: 佐久間 裕[ ]
Sent: Monday, December 18, 2017 9:51 AM
To: FL秋葉 伸夫 < >
Subject: ヤクルト食品工業納め パワコン制御
To 秋葉さま From 渡辺藤吉本店 佐久間
お世話になります。
何卒よろしくお願い致します。
+++++++++++++++++++++
株式会社 渡辺藤吉本店
鋼建部 佐久間 裕」
(当審注:ウ及びエに「株式会社 渡部藤吉本店」とあるのは「株式会社 渡辺藤吉本店」の誤記と認める。)
(5)甲23(見積書)
甲23は1枚紙であり、以下の記載がある。
ア 上部に「御見積書」と記載され、その下、左側に「株式会社渡辺藤吉本店 御中/佐久間様/毎度格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。/下記の通りお見積申し上げます。何卒宜しくお願い申し上げます。/尚、当該金額に消費税は含まれておりません。/<件名>/ヤクルト食品工業様向け 自家消費制御対応/(小型計測端末 DataCube2)/納入期限:仕様確定、注文書受領後3週間/納入場所:貴社指定場所/有効期限:30日」(「/」は改行を示す。)と記載され、その右に「見積No. FL083-17071-01-01/見積日 平成29年12月27日/株式会社フィールドロジック/Field Logic/〒530-6126 大阪市北区中之島3-3-23/中之島ダイビル26F/TEL 06-6446-2301 FAX 06-6446-2500/秋葉 伸夫(アキバ ノブオ)/E-MAIL 」(「/」は改行を示す。)と記載されている。
イ 前記アの記載の下に5つの表があり、該5つの表は、いずれも、「内訳(※印はオプションとなります)」との欄、「単価」との欄、「数量」との欄、「金額」との欄及び「備考」との欄からなる。
前記5つの表は、上から順に、「計測ソフトウェア」との見出しが付いた表、「計測用機器」との見出しが付いた表、「表示画面」との見出しが付いた表、「労務費」との見出しが付いた表及び「諸経費」との見出しが付いた表であり、それぞれの表の「内訳」欄及び「数量」欄の内容を列挙すると、以下の(ア)~(オ)のとおりである。(それぞれの欄の内容は鉤括弧で囲み、空欄の場合は「(空欄)」として示し、各欄の間に読点を入れる。)
(ア)「計測ソフトウェア」の表
「小型計測端末 DataCube2 機器本体」、「1」
「小型計測端末 DataCube2 専用組み込み計測ソフトウェア」、「1」
「PCS多台数計測対応費」、「1」
「デジタル2系統計測対応費」、「1」
「USBフラッシュメモリー エレコム MF-MSU3A04GBK」、「1」
(イ)「計測用機器」の表
「PLCnano(基本ユニットユニット) KV-N24AT」、「1」
「PLCnano(RS485ユニット) KV-N11L」、「1」
「PLCnano(イーサネットユニット) KV-N1CEP」、「1」
「PLCnano(イーサネット用カセット) KV-N1」、「1」
「LANケーブル LA-Y5TS-03BL サンワサプライ」、「1」
(ウ)「表示画面」の表
「自家消費向け画面カスタマイズ対応費」、「1」
(エ)「労務費」の表
「現地調整費」、(空欄)
「交通費」、(空欄)
(オ)「諸経費」の表
「諸経費(進捗管理費・技術料)」、(空欄)
「本件向け特別値引き」、(空欄)
「端数値引き」、(空欄)
ウ 前記表の下には、「【備考】」として、次の記載がある。
「・上記見積価格は税抜きです。
・システム仕様書(FL083-17071-01)に基づく御見積です。仕様変更があった場合は再御見積となります。
・センサー類やモニタの設置、及び各種ケーブル・通線作業に関する費用は一切含みません。
・契約成立後のキャンセルにつきましては、実際に発生した(人件費含む)作業費と、手配が完了した機器料金を請求させていただきます。」
(6)甲24(電子メール)
甲24には、以下の記載がある。
ア 1頁1行~2頁11行
「Yoshinari Takayama
差出人:FL秋葉 伸夫
送信日時:2018年1月24日水曜日 14:16
宛先:佐久間 裕
件名:RE: ヤクルト食品
添付ファイル:仕様書_ヤクルト食品工業様向け 出力制御_FL083-17071-02.pdf; 計測システム図(FL追記).pdf; 仕様確認シート_ヤクルト食品工業様向け_180124.xlsx; 御見積書_ヤクルト食品工業様向け 出力制御_FL083-17071-02-01.pdf
株式会社渡辺藤吉本店
佐久間様
いつもお世話になっております。
フィールドロジックの秋葉です。
仕様について下記送付致します。
・仕様書
・計測システム図
・仕様確認シート
下記、ご相談致したくお電話致します。
■機器の役割について
・DC2:映像表示、計測データの取りまとめ用
・PLCnano:計測・制御
■配線について
・RPR、OVGRはPCSへ。PCSの挙動はPCSの状態(運転・停止)で判断する。
・パルス、PCSのRS485はPLCnanoへ
・PLCnanoとDC2間はLANケーブル
→こちらは、当初お打ち合わせの内容と変わってしまい大変申し訳ございません。
DC2で制御をする仕様から、PLCnanoのラダーで制御をする仕様に変更したため、機器間の通信方法が変わってしまいました。
また、8芯全てを仕様する為、2芯での伝送は不可でした。
配線の取り換えもしくは計測・制御機の機器選定とラダー変更で対処する必要があります。
■機器の使用について
仕様書最終ページに、動作温度・消費電力の記載をさせて頂きました。
やはり自身が高熱を発する仕様ではありません。
■納期
機器納期:2月5日
現地調整:2月13日以降
まずは資料を提出させて頂きます。
対応が遅く大変申し訳ございません。
ご確認の程、よろしくお願い致します。
****************************************
株式会社フィールドロジック
営業部 営業課
秋葉 伸夫(Nobuo Akiba)」
イ 2頁18行~3頁1行
「From: FL秋葉 伸夫
Sent: Friday, January 5, 2018 4:50 PM
To: '佐久間 裕' < >
Subject: RE: ヤクルト食品
株式会社渡辺藤吉本店
佐久間様
新年明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願い致します。
資料拝見しました。
作成頂きありがとうございます。
現在、ご提案の仕様でエミュレーターを使った動作試験を実施しております。来週いっぱいくらいまで動かしてみて、問題なければ本番機へ投入致します。
質疑やお願い事があろうかと思いますが、
引き続き宜しくお願い致します。」
ウ 3頁12~23行
「From: 佐久間 裕 [ ]
Sent: Friday, January 5, 2018 1:08 PM
To: FL秋葉 伸夫 < >
Subject: ヤクルト食品
To 秋葉さま From 渡辺藤吉本店 佐久間
お世話になります。
系統図作成しました、確認をお願いいたします。
パルスピック仕様書添付します。
本年もよろしくお願い致します。
+++++++++++++++++++++
株式会社 渡辺藤吉本店
鋼建部 佐久間 裕」
(7)甲28(見積書)
甲28は1枚紙であり、以下の記載がある。
ア 上部に「御見積書」と記載され、その下、左側に「株式会社渡辺藤吉本店 御中/佐久間様/毎度格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。/下記の通りお見積申し上げます。何卒宜しくお願い申し上げます。/尚、当該金額に消費税は含まれておりません。/<件名>/ヤクルト食品工業様向け 自家消費制御対応/(小型計測端末 DataCube2)/納入期限:仕様確定、注文書受領後3週間/納入場所:貴社指定場所/有効期限:30日」(「/」は改行を示す。)と記載され、その右に「見積No. FL083-17071-02-01/見積日 平成30年1月24日/株式会社フィールドロジック/Field Logic/〒530-6126 大阪市北区中之島3-3-23/中之島ダイビル26F/TEL 06-6446-2301 FAX 06-6446-2500/秋葉 伸夫(アキバ ノブオ)/E-MAIL 」(「/」は改行を示す。)と記載されている。
イ 前記アの記載の下に5つの表があり、該5つの表は、いずれも、「内訳(※印はオプションとなります)」との欄、「単価」との欄、「数量」との欄、「金額」との欄及び「備考」との欄からなる。
前記5つの表は、上から順に、「計測ソフトウェア」との見出しが付いた表、「計測用機器」との見出しが付いた表、「表示画面」との見出しが付いた表、「労務費」との見出しが付いた表及び「諸経費」との見出しが付いた表であり、それぞれの表の「内訳」欄及び「数量」欄の内容を列挙すると、以下の(ア)~(オ)のとおりである。(それぞれの欄の内容は鉤括弧で囲み、空欄の場合は「(空欄)」として示し、各欄の間に読点を入れる。)
(ア)「計測ソフトウェア」の表
「小型計測端末 DataCube2 機器本体」、「1」
「小型計測端末 DataCube2 専用組み込み計測ソフトウェア」、「1」
「接点用ロガー(PLC)通信設定費」、「1」
「デジタル2系統計測対応費」、「1」
「USBフラッシュメモリー エレコム MF-MSU3A04GBK」、「1」
(イ)「計測用機器」の表
「PLCnano(基本ユニットユニット) KV-N24AT」、「1」
「PLCnano(RS485ユニット) KV-N11L」、「1」
「PLCnano(イーサネットユニット) KV-N1CEP」、「1」
「PLCnano(イーサネット用カセット) KV-N1」、「1」
「PLCnano(電源ケーブル) n-power cable」、「1」
(ウ)「表示画面」の表
「自家消費向け画面カスタマイズ対応費」、「1」
(エ)「労務費」の表
「現地調整費」、「1.5」
「交通費」、(空欄)
(オ)「諸経費」の表
「諸経費(進捗管理費・技術料)」、(空欄)
「本件向け特別値引き」、(空欄)
「端数値引き」、(空欄)
ウ 前記表の下には、「【備考】」として、次の記載がある。
「・上記見積価格は税抜きです。
・システム仕様書(FL083-17071-02)に基づく御見積です。仕様変更があった場合は再御見積となります。
・センサー類やモニタの設置、及び各種ケーブル・通線作業に関する費用は一切含みません。
・契約成立後のキャンセルにつきましては、実際に発生した(人件費含む)作業費と、手配が完了した機器料金を請求させていただきます。」
(8)甲29(電子メール)
甲29には、以下の記載がある。
「Yoshinari Takayama
差出人:佐久間 裕 < >
送信日時:2018年1月29日月曜日 9:33
宛先:FL秋葉 伸夫
件名:ヤクルト食品
添付ファイル:ヤクルト食品工業.pdf
To 秋葉さま From 渡辺藤吉本店 佐久間
お世話になります。
題記注文書送らせていただきます。
何卒よろしくお願い致します。
+++++++++++++++++++++
株式会社 渡辺藤吉本店
鋼建部 佐久間 裕」
(9)甲30(注文書)
甲30は1枚紙であり、以下の記載がある。
ア 右上に「2018年1月29日」と記載され、その下、中央に「注文書」と記載され、その下、左側に「株式会社 フィールドロジック 御中/下記の通り注文いたします。/納入場所 弊社 本店/納入期日 2018年2月/支払条件 ご相談の上/注文番号 FL2018012901」(「/」は改行を示す。)と記載され、その右に「株式会社/渡辺藤吉本店/〒812-8718/福岡市博多区店屋町7-18/TEL 092-281-7513/FAX 092-272-8718」(「/」は改行を示す。)と記載されている。
イ 前記アの下には表があり、該表は「品名」との欄、「数量」との欄、「単価」との欄及び「金額」との欄からなる。
その内の「品名」欄及び「数量」欄の内容を、以下に列挙する。(それぞれの欄の内容は鉤括弧で囲み、空欄の場合は「(空欄)」として示し、各欄の間に読点を入れる。)
「ヤクルト食品工業納め計測制御装置」、「1」
「貴案件No.FL083-17071-02」、(空欄)
「現地試運転渡し」、(空欄)
(10)甲31(電子メール)
甲31には、以下の記載がある。
ア 1頁1~20行
「Yoshinari Takayama
差出人:FL秋葉 伸夫
送信日時:2018年1月29日月曜日 9:38
宛先:佐久間 裕
件名:RE: ヤクルト食品
添付ファイル:見積書_ヤクルト食品工業様向け 出力制御_FL083-17071-03-02.pdf
株式会社渡辺藤吉本店
佐久間様
いつもお世話になっております。
フィールドロジックの秋葉です。
ご注文頂き、誠にありがとうございます。
先週電話でお話させて頂いた金額の御見積書を提出致します。
(ご注文が先になってしまい申し訳ございません。)
また、今週は水・木のいずれかでお伺い出来ますので、
ご都合のいい日時をお聞かせください。
引き続き、よろしくお願い致します。
****************************************
株式会社フィールドロジック
営業部 営業課
秋葉 伸夫(Nobuo Akiba)」
イ 1頁27行~2頁6行
「From: 佐久間 裕 [ ]
Sent: Monday, January 29, 2018 9:33 AM
To: FL 秋葉 伸夫 < >
Subject: ヤクルト食品
To 秋葉さま From 渡辺藤吉本店 佐久間
お世話になります。
題記注文書送らせていただきます。
何卒よろしくお願い致します。
+++++++++++++++++++++
株式会社 渡辺藤吉本店
鋼建部 佐久間 裕」
(11)甲32(見積書)
甲32は1枚紙であり、以下の記載がある。
ア 上部に「御見積書」と記載され、その下、左側に「株式会社渡辺藤吉本店 御中|毎度格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。|下記の通りお見積申し上げます。何卒宜しくお願い申し上げます。|尚、当該金額に消費税は含まれておりません。|<件名>|ヤクルト食品工業様向け出力制御|(PLC nano)|納入期限:仕様確定、注文書受領後約1ヵ月|納入場所:貴社指定場所|有効期限:見積日より1カ月」(「|」は改行を示す。)と記載され、その右に「見積No. FL083-17071-03-02|見積日付 2018/01/29|株式会社フィールドロジック|Field Logic|株式会社フィールドロジック|〒530-6126 大阪市北区中之島3-3-23|中之島ダイビル26F|TEL 06-6446-2301 FAX 06-6446-2500|秋葉 伸夫(アキバ ノブオ)| 」(「|」は改行を示す。)と記載されている。
イ 前記アの記載の下に表があり、該表は「内訳(※印はオプションとなります)」との欄、「見積単価」との欄、「見積数量」との欄、「見積金額」との欄及び「摘要」との欄からなる。
その内の「内訳」欄及び「見積数量」欄の内容を、以下に列挙する。(それぞれの欄の内容は鉤括弧で囲み、空欄の場合は「(空欄)」として示し、各欄の間に読点を入れる。)
「計測ソフトウェア」、(空欄)
「DataCube2 DC2-01TD」、「1」
「接点用ロガー(PLC)通信設定費」、「1」
「デジタル2系統入力対応・プログラム改造費」、「1」
「USBメモリ UFD-A4G2BKK」、「1」
「接点用ロガー(PLC)」、(空欄)
「PLC(基本ユニット) KV-N24AT」、「1」
「PLC(増設RS-422A/485カセット) KV-N11L」、「1」
「PLC(EtherNet/IPユニット) KV-NC1EP」、「1」
「PLC(接続変換ユニット) KV-N1」、「1」
「nano用電源ケーブル n-power cable」、「1」
「表示画面」、(空欄)
「自家消費向け画面カスタマイズ対応費」、「1」
「労務費」、(空欄)
「現地作業費」、「1」
「交通費」、「1」
「諸経費」、(空欄)
「諸経費」、「1」
「本件特別値引き」、「1」
「端数値引き」、「1」
ウ 前記表の下には、「【備考】」として、次の記載がある。
「上記価格は税抜きです
システム仕様書(FL083-17071-03)に基づく御見積書です
各種ケーブル・通信作業に関する費用は一切含みません
契約成立後のキャンセルにつきましては、実際に発生した費用を請求します」
(12)甲33(請求人作成技術資料)
甲33の4頁には次の記載がある。
「下記は、ヤクルト食品殿への納入プログラムの管理画面です。
Fig1. 2018/01/05から、02/08 のβ版プログラム完成までの管理画面
[図:0001409771000013.jpg]
2018/01/05に最初のリビジョン[7533]が作られていて、
2018/02/08までに随時更新された、10世代のリビジョンが管理されています。
Fig2. 2018/02/08から、04/13 の納入から2019/10/15現在までの管理画面
[図:0001409771000014.jpg]
2018/02/08に最初のリビジョン[7632]が作られていて、(Fig1のリビジョン[7632]と同等)2018/02/13以降行われた現地調整後やプログラム改修時に更新された、現在までの16世代のリビジョンが管理されています。
※現地調整作業に帰社してから、SVNサーバにアップロードする為、リビジョンの日時は現地作業日と一致していないリビジョンもあります。
Fig1、Fig2の日時は、SVNサーバがリビジョンが作成されたタイミングで自動的に付与されます。SVNサーバの時刻は随時、公開NTPサーバと同期しているため、正確です。
また、既述の通りSVNはその仕組み上、過去のリビジョンに対して日時を変えずに修正を加えることは不可能です。
よって、当該リビジョンをダウンロードする事で、当時のソースコードである事を保証する事が可能となります。」
(13)甲36(請求人作成技術資料)
甲36には、以下の記載がある。
ア 6頁
6頁には、次の記載がある。
「■ 2018/02/13作成のプログラムを確認
◆【プログラムをダウンロードするフォルダを作成 ※フォルダ名は任意】
[図:0001409771000015.jpg]
◆【TortoiseSVNでフォルダにプログラムのチェックアウト(ダウンロード)を開始】
[図:0001409771000016.jpg]
」
イ 7頁
7頁には、次の記載がある。
「◆【プログラムのダウンロードが完了後、プログラムを確認】
[図:0001409771000017.jpg]
[図:0001409771000018.jpg]
」
ウ 8頁
8頁には、「◆【プログラムのダウンロードが完了後、プログラムを確認】」との記載の下に、画面に表示されたウィンドウの画像があり、該ウィンドウのタイトルバーには「KV-STUDIO - [エディタ:KV-N24] - [ヤクルト食品工業_安川制御] - [制御値算出処理]」と記載され、該ウィンドウに表示されているプログラムは、次のとおりである。
「DM20000:制御閾値
DM20002:生存確認デバイス
DM20050:PCSの総発電電力
DM20052:PCSの定格
DM20054:消費電力
DM20056:自給率
DM20058:制御状態
DM20060:制御値(読込用)
(当審注:請求人により墨塗)
(当審注:請求人により墨塗)
@DM10:桁数合わせ前の制御値
IF DM20066.L > 0 and (DM20054.L * DM20000.L > 0) THEN '現調時チェック
'IF (DM20054.L * 100 * DM20000.L / 100) > DM20050.L THEN
@DM12.F = FLOAT(DM20054.L) * FLOAT(DM20000.L) / 100
@DM16.F = FLOAT(DM20050.L) / FLOAT(DM20054.L)
DM20056.L = @DM16.F * 100
IF DM20056.L > 100 THEN
DM20056.L = 100
END IF
IF @DM12.F >= FLOAT(DM20052.L) THEN
'消費電力×閾値>発電電力
DM20058.L = 0
DM20060.L = 100
ELSE
DM20058.L = 1
'消費電力×閾値が定格の何%にあたるのか
@DM10.F = @DM12.F / FLOAT(DM20052.L)
DM20060.L = @DM10.F * 100 '/100 '桁数合わせ
END IF
ELSE
DM20060.L = 0
DM20056.L = 0
END IF」
(14)甲37(現調完了案件一覧)
甲37は1枚紙であり、以下の表がある。
[図:0001409771000019.jpg]
(15)甲38-1(工事完成引渡書)
甲38-1は1枚紙であり、以下の記載がある。
ア 上部に「工事完成引渡書」と記載され、その下、右側に「平成30年2月19日」と記載され、その下、左側に「ヤクルト食品工業株式会社 御中」と記載され、その下、右側に「請負者/佐賀県鳥栖市姫方町309番地2/株式会社 マツコー/代表取締役 松尾 政博」(「/」は改行を示す。)と記載され、該記載に「株式会社マツコー 代表取締役印」と読める印影が重なっている。
イ 前記アの記載の下に、「下記の工事が完了いたしましたので御引渡し致します。」と記載され、その下、中央に「記」と記載され、その下に、以下が記載されている。
「工事名称:ヤクルト食品工業株式会社 太陽光発電設備工事
工事場所:佐賀県神埼市神埼町城原3860
工期:自 平成29年11月10日 至 平成30年2月19日
引渡し年月日:平成30年2月19日」
(16)甲38-2(引渡書)
甲38-2は1枚紙であり、以下の記載がある。
ア 右上に「注文日:平成29年11月7日」と記載され、その下、左側に「ヤクルト食品工業株式会社 御中」と記載され、その下、右側に「佐賀県鳥栖市姫方町309番地2/株式会社 マツコー/代表取締役 松尾 政博」(「/」は改行を示す。)と記載され、該記載の右側に「株式会社マツコー 代表取締役印」と読める印影があり、その下に「引渡書」と記載され、その下に「下記物件確かに引き渡しました」と記載されている。
イ 前記アの記載の下に、「1.物件名および金額」との見出しの表があり、該表は「名称」との欄、「数量」との欄及び「金額」との欄からなる。
その内の「名称」欄及び「数量」欄の内容を、以下に列挙する。(それぞれの欄の内容は鉤括弧で囲み、空欄の場合は「(空欄)」として示し、各欄の間に読点を入れる。)
「太陽光発電設備工事」、(空欄)
「太陽光電池モジュール(396枚)」、「1式」
「パワーコンディショナー(10台)」、「1式」
「接続箱・架台等」、「1式」
「搬入据付費」、「1式」
「電気工事費」、「1式」
「仮設費・諸経費」、(空欄)
「値引き」、(空欄)
ウ 前記イの下に、「【メーカー記入欄】」と記載され、その下に「搬入日:平成30年2月19日 搬入者:菊池 勉」と記載され、その右に「菊池」との印影がある。
(17)甲38-3(工事完成受領書)
甲38-3は1枚紙であり、以下の記載がある。
ア 上部に「工事完成受領書」と記載され、その下、右側に「平成30年2月19日」と記載され、その下、左側に「佐賀県鳥栖市姫方町309番地2/株式会社マツコー/代表取締役 松尾 政博 殿」(「/」は改行を示す。)と記載され、その下、右側に「発注者/佐賀県神埼市神埼町城原3860番地/ヤクルト食品工業株式会社/取締役社長 丸野忠幸」(「/」は改行を示す。)と記載され、該記載に「ヤクルト食品工業株式会社 取締役社長印」と読める印影が重なっている。
イ 前記アの記載の下に、「下記の工事が完了しましたので受領致しました。」と記載され、その下、中央に「記」と記載され、その下に、以下が記載されている。
「工事名称:ヤクルト食品工業株式会社 太陽光発電設備工事
工事場所:佐賀県神埼市神埼町城原3860
工期:自 平成29年11月10日 至 平成30年2月19日
引渡し年月日:平成30年2月19日」
(18)甲40(証明書)
甲40は1枚紙であり、以下の記載がある。
ア 右上に「2019年11月1日」と記載され、その下、左側に「株式会社フィールドロジック/代表取締役 木村 敏 様」(「/」は改行を示す。)と記載され、その下、右側に「ヤクルト食品工業株式会社/代表取締役社長 田篭 恵」(「/」は改行を示す。)と記載され、当該記載に「ヤクルト食品工業株式会社」との印影が重なり、その下、中央に「証明書」と記載されている。
イ 前記アの記載の下に、「2019年10月30日に証明のご依頼がありました事項につきまして、以下の内容に相違がないことを証明致します。」と記載され、その下、中央に「記」と記載されている。
ウ 前記イの記載の下に、「株式会社マツコー様、九州機電株式会社様及び株式会社渡辺藤吉本店様を通じて弊社に納品された計測機器類一式が、2018年2月19日時点で弊社の太陽光発電設備(住所:佐賀県神埼市神埼町城原3860)に設置されていたことに相違ありません。」と記載され、その下に、「件名:ヤクルト食品工業様向け出力制御」と記載されている。
エ 前記ウの記載の下に、「納品物」と記載され、以下が列挙されている。
小型計測端末 DataCube2 DC2-01TD 機器本体
小型計測端末 DataCube2 専用組み込み計測ソフトウエア
USBメモリ4GB UFD-A4G2BKK
PLCnano(基本ユニット) KV-N24AT(自家消費制御に関するプログラムがインストールされている機器)
PLCnano(RS485ユニット) KV-N11L
PLCnano(イーサネットユニット)KV-N1CEP
PLCnano(イーサネット用カセット)KV-N1
オ 前記エの記載の下に、「現地調整:2018年2月13日」と記載されている。
(19)甲42(出荷作業チェック)
甲42は1枚紙であり、以下の記載がある。
ア 左上に「出荷作業チェック(FL確認)」と記載され、その右に「ヤクルト」と手書きされ、その右に「DC2 - イメージ回復_720p対応/PLCnano - 空ラダー -」(「/」は改行を示す。)と手書きされ、その下に表があり、該表は「No.」との欄、「確認事項」との欄、「チェック内容」との欄、「実務チェック」との欄、「確認チェック」との欄及び「備考」との欄がある。
前記表のうち、「No.」欄が「1」及び「2」の行についての「No」欄、「チェック内容」欄及び「備考」欄の内容を、以下に列挙する。(それぞれの欄の内容は鉤括弧で囲み、各欄の間には読点を入れる。)
「1」、「設定が必要な機器類はすべて設定したか」、「DC2(S/N:DC2-01TDA100385)」
「2」、「マニュアル・設置手順書等、必要書類が揃っているか(同梱マニュアル手引き.xlsx参照) →内容:取説・運用ガイド・現調マニュアル・その他(KV-nano端子台図)、「N-24T#9N710697」
(当審注:「No.」が「1」及び「2」の行の双方とも、「備考」欄の内容は手書きであり、「2」の「チェック内容」の内容のうち「KV-nano端子台図」の文字は手書きである。)
イ 該表の下、「実務チェック」の欄外に「2/2|中村」(「|」は改行を示す。)と手書きされ、「確認チェック」の欄外に「2/2|※注」(「|」は改行を示す。)と手書きされている。
※注 手書きで丸囲みの中に名字と思われるものが記入されているが、何と書いてあるか判然としない。
(20)甲45(別紙1、別紙2、添付資料A No11)
甲45には、以下の記載がある。
ア 1~2葉
1葉には、左上に「別紙1」と記載され、その下、中央に「再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業実施報告書/(第6号事業用)」(「/」は改行を示す。)と記載され、その下から2葉にかけて表があり、該表の1行目には「事業名 ヤクルト食品工業本社工場 太陽光発電設備設置事業
」と記載され、該表中、2葉1~14行には、次の記載がある。なお、「○1」等は、数字(この例では「1」)の周囲を円で囲った文字を表す。
「【2.再生可能エネルギー設備等の導入の妨げとなっている課題に関する事項】
(○1課題の概要)
(1)地域の再エネ導入への理解
・導入者と地域住民のコミュニケーション不足
(2)自然環境・景観保全
・環境と経済が持続的に向上する社会の実現
(3)企業としての再エネ導入取り組み
・低炭素化を推進するリーダーシップ企業が不足
(○2課題への対応の概要)
(1)地域との融合
・環境に配慮した工場の広報(地域貢献)活動
<工場見学、体験学習会、地域美化・植樹活動>
(2)地球環境保全への寄与
・低炭素社会へ <自家消費用太陽光発電設備導入>
・循環型社会へ <廃棄物の削減とリサイクル化>」
イ 3~4葉
3葉には、左上に「別紙2」と記載され、その下、中央に「再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業に要する経費所要額精算調書/(第6号事業)」(「/」は改行を示す。)と記載され、その下に「1.経費実績額」と題された表があり(表は省略)、その下から4葉にかけて「2.補助対象経費実支出内訳」と題された表がある。該表の3葉のものは、「経費区分・費目」との欄、「金額」との欄及び「積算内訳」の欄からなり、その「経費区分・費目」欄には、「設備費」と「工事費」の記載があり、4葉の表には、「購入した主な財産の内訳(一品、一組又は一式の価格が50万円以上のもの)」との見出しの下に、「名称」との欄、「仕様」との欄、「数量」との欄、「単価」との欄、「金額」との欄及び「購入時期」との欄からなる。
その内の「名称」欄、「仕様欄」、「数量」欄及び「購入時期」欄には、以下の記載のみがある。(それぞれの欄の内容は鉤括弧で囲み、各欄の間に読点を入れる。)
「太陽光発電設備一式」、「モジュール 108.9kW パワコン100.0kW 計測装置 架台 接続箱」、「1式」、「H29.11月~H30.2月」
ウ 5葉及び6葉
5~6葉には、「本社工場太陽光発電設備設置工事」の「システム図」(次図)がある。なお、次図は5葉と6葉の図面を当審にて結合加工したものである。
[図:0001409771000020.jpg]
なお、上図の左上部分を拡大したものは、以下のとおりである。
[図:0001409771000021.jpg]
エ 7葉
7葉には、左上に「添付資料A」と記載され、その下に「No11」と記載され、その下に「太陽光発電設備導入PT:竣工検査」と記載され、その下に以下が列挙されている。
・検収書
・検収調書 発電実績纏め集計
平成30年2月14日~21日(7日間)
オ 8葉
(ア)8葉には、右上に「注文日:平成29年11月7日」と記載され、その下、左側に「株式会社マツコー 御中」と記載され、その下、右側に「佐賀県神埼市神埼町城原3860番地/ヤクルト食品工業株式会社/TEL 0952-52-3205/FAX 0952-52-1604」(「/」は改行を示す。)と記載され、該記載に「ヤクルト食品工業株式会社」と読める印影が重なり、その下、中央に「検収書」と記載され、その下に「下記の物件確かに検収いたしました」と記載されている。
(イ)前記(ア)の下に「1.物件名および金額」と題された表があり、該表は「名称」との欄、「数量」との欄及び「金額」との欄からなる。
その内の「名称」欄及び「数量」欄の内容を、以下に列挙する。(それぞれの欄の内容は鉤括弧で囲み、空欄の場合は「(空欄)」として示し、各欄の間に読点を入れる。)
「太陽光発電設備工事」、(空欄)
「太陽光電池モジュール(396枚)」、「1式」
「パワーコンディショナー(10台)」、「1式」
「接続箱・架台等」、「1式」
「搬入据付費」、「1式」
「電気工事費」、「1式」
「仮設費・諸経費」、(空欄)
「値引き」、(空欄)
(ウ)前記(イ)の表の下に、「搬入日:平成30年2月19日 検収日:平成30年2月22日」と記載され、その下に「検収者:井上博文」と記載され、該記載の右に「井上」読める印影があり、その右側に「上長」と記載された枠があり、該枠の中に「本田」と読める印影がある。
カ 9葉
9葉には、上部に「発電実績纏め集計(2018/02/14~2018/02/21)」と記載され、該記載の下に表があり、その下に「※1」から「※3」の注釈があり、その下に「発電実績によりシステムは正常に稼働していると判断します。」と記載され、最下部に「1/9ページ」と記載されている。
キ 10葉~17葉
10~17葉には、それぞれの上部に「発電実績 2018/02/14(水)」、「発電実績 2018/02/15(木)」、「発電実績 2018/02/16(金)」、「発電実績 2018/02/17(土)」、「発電実績 2018/02/18(日)」、「発電実績 2018/02/19(月)」、「発電実績 2018/02/20(火)」及び「発電実績 2018/02/21(水)」と記載され、それぞれの最下部に「2/9ページ」、「3/9ページ」、「4/9ページ」、「5/9ページ」、「6/9ページ」、「7/9ページ」、「8/9ページ」及び「9/9ページ」と記載されている。
(21)甲59(ユーザーズマニュアル)
甲59には、以下の記載がある。
ア 表紙
左上に「KEYENCE」のロゴがあり、その下に、次の記載がある。
「プログラマブルコントローラ
KV Nanoシリーズ
基本ユニット(端子台タイプ)
ユーザーズマニュアル」
右下に、以下の記載がある。
「対応基本ユニット
・KV-N14AR
・KV-N14AT
・KV-N14ATP
・KV-N14DR
・KV-N14DT
・KV-N14DTP
・KV-N24AR
・KV-N24AT
・KV-N24ATP
・KV-N24DR
・KV-N24DT
・KV-N24DTP
・KV-N40AR
・KV-N40AT
・KV-N40ATP
・KV-N40DR
・KV-N40DT
・KV-N40DTP
・KV-N60AR
・KV-N60AT
・KV-N60ATP」
イ 5-251頁
次の記載がある。
「5-12 時計機能
《KV Nanoシリーズ》では、内蔵時計ICによって、「年、月、日、時、分、秒、曜日」を計時しています。
エラー・電源ON/OFF履歴、トレース機能などの時刻記録に使用します。
時計の精度は常温時(+25℃)において、±60s/月です。
!ポイント KV-N14□□は、時計機能がありません。」
(22)甲71(出荷連絡DB)
甲71は1枚紙であり、左上に「2023/06/06 18:09」と記載され、その右、中央部に「出荷連絡DB - 働くDB」との記載があり、その下、左側に「案件連絡管理 > 出荷連絡DB」との記載がある。
上記の下に、表があり、該表には、「更新日」が「2018/02/01 15:26」であること、「更新ユーザ」が「生産管理課」であること、「ステータス」が「提出済」であること、「案件」が「FL083-17071」であること、「案件名」が「ヤクルト食品工業様向け出力制御」であること、「担当営業」が「秋葉」であることが記載されている。
上記表の下に、「行」欄、「出荷ステータス」欄、「未確定理由」欄、「納品物」欄、「納品物詳細」欄、「納入日」欄、「時間指定」欄、「郵便番号」欄、「納入住所」欄、「受取人名(会社名/氏名)」欄、「受取人電話番号」欄、「注記」欄からなる表があり、該表には、出荷ステータスは「確定(出荷して下さい)」であり、納品物は「納品物全品」であり、納品物詳細は「全て」であり、納入日は「2018年02月05日(月)」であり、時間指定は「AM」であり、納入住所は「福岡県北九州市小倉北区西港町124-15」であり、受取人名は「新星電機株式会社」であることが記載されている。
(23)甲72(システム仕様書)
甲72には、以下の記載がある。
ア 1葉
上部に「システム仕様書」と記載され、その下に「御注文主 株式会社渡辺藤吉本店 殿」と記載され、その下に「案件名 ヤクルト食品工業様向け 自家消費制御対応」と記載され、下方に「株式会社フィールドロジック」と記載され、その下に「案件ID FL083-17071-03 ドキュメントID FL083-17071-03-01」と記載され、その下に「Rev. 1.2」と記載されている。
イ 11葉
次の記載がある。
[図:0001409771000022.jpg]
(24)甲73(陳述書)
甲73には、以下の記載がある。
ア 1頁
1頁右上には「令和5年6月21日」と記載され、その下、中央に「陳述書」と記載され、その下、左側に「特許庁審判長 殿」と記載され、その下、右側に「住所 東京都練馬区石神井町7-27-2/氏名 秋葉 伸夫」(「/」は改行を示す。)と記載され、当該記載に「秋葉伸夫」と読める印影が重なっている。
その下に、「私こと、秋葉伸夫は、甲第40号証(別訴乙第46号証)に記載の「ヤクルト食品工業様向け出力制御」について、株式会社フィールドロジック(以下、「フィールドロジック」)の従業員の営業担当として、関与し、現在も、株式会社フィールドロジックの従業員として勤務しております。」と記載されている。
イ 2頁16~20行
「ヤクルト食品工業の太陽光発電設備工事の場合、九州機電が工事一式を担当しました。
工事にあたり、渡辺藤吉本店から、新星電機株式会社(以下、「新星電機」)に対して、DataCube2等を納品するように指示があり、フィールドロジックは、新星電機に対して、DataCube2等を送付しました。
新星電機は盤メーカーであり、DataCube2等を盤に収める作業を担当しました。」
(25)甲74(現地調査報告)
甲74には、以下の記載がある。
ア 1頁
(ア)甲74、1頁には、上部に「現地調査報告書」と記載され、その下、右側に「令和1年10月29日/弁理士 高山 嘉成」(「/」は改行を示し、「高」はいわゆる梯子高を示す。)と記載され、その下に「2018年2月19日に、ヤクルト食品工業株式会社(佐賀県神埼市神埼町城原3860)に設置されました以下の計測機器類一式について、現地における設置状況を確認して参りましたので、以下のとおりご報告申し上げます。」と記載されている。
(イ)前記(ア)の記載の下に、「<計測機器類一式>」と記載され、その下に以下が列挙されている。
小型計測端末 DataCube2 DC2-01TD 機器本体
小型計測端末 DataCube2 専用組み込み計測ソフトウエア
USBメモリ4GB UFD-A4G2BKK
PLCnano(基本ユニット) KV-N24AT(自家消費制御に関するプログラムがインストールされている機器)
PLCnano(RS485ユニット) KV-N11L
PLCnano(イーサネットユニット)KV-N1CEP
PLCnano(イーサネット用カセット)KV-N1
(当審注:15頁の写真によれば、前記「KV-N1CEP」は「KV-NC1EP」の誤記と認められる。)
イ 4頁
次の写真がある。
[図:0001409771000023.jpg]
ウ 5頁~7頁
(ア)5頁上には次の写真がある。
[図:0001409771000024.jpg]
該写真の下には、「(工場見学通路内の太陽光発電システムモニタ及びDataCube2の収納ボックス)」と記載され、その下に「工場見学通路内に、太陽光発電システムのモニタが設置されている。」と記載されている。
(イ)5頁下には次の写真がある。
[図:0001409771000025.jpg]
該写真の下には、「(説明文章)」と記載され、その下から6頁にかけて「「この太陽光発電設備は、公益財団法人日本環境協会より交付された環境省間接補助事業である平成29年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業)により整備されたものです。平成30年2月」との説明がある。」と記載されている。
(ウ)7頁上には、次の写真がある。
[図:0001409771000026.jpg]
上記写真の下に「(収納ボックス内部)」とのキャプションがあり、その下に、「「DataCube2 DC-01TD FieldLogic」と記載された製品及び「SANWA Supply」と記載されたUSBメモリが確認出来る。」と記載されている。
エ 8頁
次の写真がある。
[図:0001409771000027.jpg]
上記写真の下には「(DataCube2 裏面ラベル)」とのキャプションがあり、その下に「シリアル番号(S/N)が、DC2-01TDA100385であることが確認できる。」と記載されている。
オ 9頁
次の写真がある。
[図:0001409771000028.jpg]
カ 10頁
下部には、次の写真がある。
[図:0001409771000029.jpg]
キ 11頁、12頁
(ア)11頁には6つの写真があり、そのうちの左上の写真は次のとおりである(他の写真は省略)。
[図:0001409771000030.jpg]
(イ)12頁には5つの写真があり(写真省略)、その下に、以下の記載がある。
「各PCS(パワーコンディショナ)に、取得年月日として、平成30年2月22日との記載がある。
「この太陽光発電設備は、公益財団法人日本環境協会より交付された環境省間接補助事業である平成29年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業)により整備されたものです。平成30年2月」との説明がある。」
ク 13頁
上部に、次の写真がある。
[図:0001409771000031.jpg]
上記写真の下には「(出力制御盤の外観)」とのキャプションがある。
ケ 14頁
次の写真がある。
[図:0001409771000032.jpg]
上記写真の下には「(出力制御盤の内部)」とのキャプションがある。
コ 15頁
上部には次の写真がある。
[図:0001409771000033.jpg]
該写真の下には、「(PLC一式)」とのキャプションがあり、その下に、「KV-24AT、KV-N1、KV-N1CEPの品番が確認できる。KV-N11Lは、上図に矢印で示す部材である。」と記載されている。
(当審注:該写真によれば、前記記載中「KV-N1CEP」は「KV-NC1EP」の誤記と認められる。)
(26)甲75(証明書(2))
甲75には、以下の記載がある。
ア 1頁には、右上に「2023年7月14日」と記載され、その下、左側に「株式会社フィールドロジック/代表取締役 宮林 修一 様」(「/」は改行を示す。)と記載され、その下、右側に「ヤクルト食品工業株式会社/代表取締役社長 栗原 清行」(「/」は改行を示す。)と記載され、該記載に「ヤクルト食品工業株式会社」との印影が重なり、その下、中央に「証明書(2)」と記載されている。
イ 前記アの記載の下に、「2019年11月1日に貴社宛に発行しました証明書(以下、「2019年11月1日付け証明書」)に関連して、追加で以下の事項に相違がないことを証明致します。」と記載され、その下、中央に「記」と記載されている。
ウ 前記イの記載の下に、以下が記載されている。
「1.2019年11月1日付け証明書に記載の「ヤクルト食品工業様向け出力制御」のシステムを導入するに際して、その仕様を決めるにあたって、発注先である株式会社マツコー様から、株式会社フィールドロジック様が作成したシステム仕様書_02(案件ID FL083-17071-02 ドキュメントID FL083-17071-02-01:添付書類(1))の提示を受けて、導入する自家消費制御の技術内容を、弊社担当者が理解した上で、株式会社マツコーに、「ヤクルト食品工業様向け出力制御」のシステムを注文し、2019年11月1日付け証明書に記載の納品物の納品を、2018年2月19日に受けました。
2.2019年11月1日付け証明書に記載の納品物は、弊社の敷地内の工場見学ルート及び太陽光発電所に設置されており、2018年2月19日以降、工場見学者からの求めに応じて、自家消費制御の技術内容を弊社担当者が説明することが可能な状態となっており、自家消費制御の技術内容は、秘密情報としては扱っていません。
3.株式会社マツコー様、九州機電株式会社様、株式会社渡辺藤吉本店様、及び株式会社フィールドロジック様のいずれとも、自家消費制御の技術内容について、2018年2月19日以降、秘密を保持すべきとの契約は締結しておりません。
4.株式会社マツコー様、九州機電株式会社様、株式会社渡辺藤吉本店様、及び株式会社フィールドロジック様のいずれからも、2019年11月1日付け証明書に記載の納品物について、格納されているプログラムの解析を禁止するとの指示や要望は受けておりません。
5.2019年11月1日付け証明書に記載の納品物は、添付書類(2)「現地調査報告書」に記載のもので間違いありません。ただし、添付書類(2)「現地調査報告書」の1頁及び15頁に記載の「KV-N1CEP」は誤記であり、正しくは、「KV-NC1EP」です。」
(当審注:上記の「添付書類(1)」及び「添付書類(2)」の「(1)」及び「(2)」は、それぞれ、丸囲み文字の「1」及び丸囲み文字の「2」を表す。)
エ 前記ウの記載の下、右側に、「以上」と記載され、その下に「添付書類」と記載され、その下に以下が列挙されている。
(1)システム仕様書_02(案件ID FL083-17071-02 ドキュメントID FL083-17071-02-01)
(2)現地調査報告書(令和1年10月29日付け弁理士高山 嘉成氏作成)
(当審注:上記の「(1)」及び「(2)」は、それぞれ、丸囲み文字の「1」及び丸囲み文字の「2」を表す。(2)の「高」はいわゆる梯子高を表す。)
オ 甲75に添付された添付書類(1)「システム仕様書_02」は甲100と同内容であり、添付書類(2)「現地調査報告書」は甲41及び甲74と同内容である。
(27)甲76(見積書)
甲76には、以下の記載がある。
ア 1葉には、上部に「御見積書」と記載され、その下、右側に「No. 000026K/平成29年10月18日」(「/」は改行を示す。)と記載され、その下、左側に「株式会社マツコー 御中」と記載され、その右側に「〒812--0016 福岡市博多区博多駅南1丁目8-13/博多駅南Rビル7階/TEL(092)475-6636/九州機電株式会社 福岡支店」(「/」は改行を示す。)と記載され、その下に「平成 年 月 日付第 号にてご照会の件下記の通り御見積申し上げます。何卒ご下名(注文)賜りますようお願い申し上げます。」と記載され、その下に「総金額(当審注:請求人により墨塗)/納期(ご注文後) 別途ご相談(H30年2月中旬予定)/御受渡場所 設備設置試運転調整後渡し/御支払条件 ヤクルト食品工業様支払いに準ずる(入金スライド)/備考 消費税は別途申し受けます。/◎見積有効期限は本書日付後60日限りですから期限後にご下名(注文)の節には一応ご照会の程お願い申し上げます。」(「/」は改行を示す。)と記載されている。
イ 前記アの下には、2葉にわたり表が記載され、該表は「項目」との欄、「品名及び仕様」との欄、「数量」との欄、「単価」との欄及び「金額」との欄からなる。
その内の「項目」欄、「品名及び仕様」欄及び「数量」欄の内容を、以下に列挙する。(それぞれの欄の内容は鉤括弧で囲み、空欄の場合は「(空欄)」として示し、各欄の間に読点を入れる。)
(空欄)、「ヤクルト食品工業(株)様納め」、(空欄)
(空欄)、「100kW 太陽光発電設備」、「1式」
(空欄)、「[補助対象工事]」、(空欄)
「1」、「太陽電池モジュール(京セラ製 275w)」、「396枚」
「2」、「パワーコンディショナー(三相 10kW 屋外壁掛け)」、「10台」
「3」、「直流接続箱(4回路 SUS屋外)」、「10台」
「4」、「計測監視装置」、「1台」
「5」、「屋根架台(パネルレール・折板金物)」、「1式」
「6」、「機器搬入据付費」、「1式」
「7」、「電気工事費」、「1式」
(空欄)、「小計」、(空欄)
(空欄)、「[補助対象外工事]」、(空欄)
「8」、「電気工事」、「1式」
(空欄)、「内訳」、(空欄)
(空欄)、「・交流集電箱 x 2台」、(空欄)
(空欄)、「・表示モニター x 1台」、(空欄)
(空欄)、「・出力制御版 x 1台」、(空欄)
(空欄)、「・キュービクル改造 x 1式」、(空欄)
(空欄)、「・電線路工事費 x 1式」、(空欄)
「9」、「一般管理費」、「1式」
「10」、「出精値引き」、(空欄)
(28)甲77(注文書)
甲77は1枚紙であり、上部に「注文書」と記載され、その下、右側に「平成29年11月9日/発注No. 00000001」(「/」は改行を示す。)と記載され、その下、左側に「九州機電株式会社 様/下記の通り注文いたします。お引き受けの際は請書をご提出ください。」(「/」は改行を示す。)と記載され、その右に「発注者 株式会社マツコー/代表取締役 松尾 政博/佐賀県鳥栖市姫方町309-2」と記載され、該記載に「株式会社マツコー代表取締役印」と読める印影が重なり、その下、左側に「工事名 ヤクルト食品工業(株)太陽光発電設備工事/現場住所 佐賀県神埼市神埼町城原3860/工事期間 平成29年11月10日~平成30年1月31日/引渡日 平成30年1月31日/工種 諸口/支払条件 当社規定の通り」(「/」は改行を示す。)と記載され、紙面下方に表があり、該表には、種目/品目が「太陽光発電設備工事」、数量が「1式」と記載されている。
(29)甲78(注文書)
甲78は1枚紙であり、右上に「注文No. 211535/2017年11月28日」(「/」は改行を示す。)と記載され、その下、中央に「注文書」と記載され、その下、左側に「株式会社渡辺藤吉本店 御中/下記の通りご注文申し上げます。/折返し諾否をご連絡願います。」(「/」は改行を示す。)と記載され、その右に「九州機電株式会社/KYUSHUKIDEN/〒803-0801/福岡県北九州市小倉北区西港町92-5」(「/」は改行を示す。)と記載され、その下、左側に「注文金額(当審注:請求人により墨塗)|納入場所 ヤクルト食品工業(株) 殿|引当先 同上|納入期日 2018/2/9|支払条件 入金リンク」(「|」は改行を示す。)と記載され、その下に表があり、該表には品名・仕様として「太陽光モジュール 他」、数量・単位として「1式」と記載されている。
(30)甲79(陳述書)
甲79には、以下の記載がある。
ア 1頁
1頁右上には「令和5年7月14日」と記載され、その下、中央に「陳述書」と記載され、その下、左側に「特許庁審判長 殿」と記載され、その下、右側に「住所 福岡県久留米市大善寺町宮本818-3/氏名 柿本 豊」(「/」は改行を示す。)と記載され、当該記載の右に「柿本」と読める印影がある。
その下に、「私こと、柿本 豊は、甲第40号証に記載の「ヤクルト食品工業様向け出力制御」について、九州機電株式会社(以下、「九州機電」)の従業員として関与し、現在も九州機電の従業員として勤務しております。「ヤクルト食品工業様向け出力制御」について、私の職務によって知り得た事実を、以下の通り陳述します。」と記載されている。
イ 2頁18~20行
「ただし、DataCube2等を盤に収める必要がありましたので、渡辺藤吉本店は、盤メーカーである新星電機株式会社(以下、「新星電機」)に対して、DataCube2等を盤に収める業務を発注した上で、盤に収まったDataCube2等を九州機電に納品しました。」
(31)甲82(完了実績報告書)
甲82は1枚紙であり、以下の記載がある。
ア 左上に「様式11(第11条関係)」と記載され、その下、右側に「平成30年 2月28日」と記載され、その下、左側に「公益財団法人日本環境協会/理事長 森嶌 昭夫 殿」(「/」は改行を示す。)と記載され、その下、右側に「補助事業者 住所 佐賀県神埼市神埼町城原/3860番地/氏名又は名称 ヤクルト食品工業株式会社/代表取締役社長 丸野 忠幸」(「/」は改行を示す。)と記載され、当該記載に「ヤクルト食品工業株式会社 取締役社長印」と読める印影が重なり、その下、中央に「平成29年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業)完了実績報告書」と記載されている。
イ 前記アの記載の下に、「平成29年10月30日付け日環協第29103001号で交付決定の通知を受けた平成29年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業)を完了しましたので、平成29年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業)交付規程第11条第1項の規定に基づき下記のとおり報告します。」と記載されている。
ウ 前記イの記載の下、中央に「記」と記載され、その下に以下の1~6が列挙されている。
1 補助事業の名称 第3条第6号事業
2 補助金の交付決定額及び交付決定年月日 金(当審注:請求人により墨塗)円(平成29年10月30日付け日環協第29103001号)(うち消費税及び地方消費税相当額 0円)
3 補助事業の実施状況 別紙1 実施報告書のとおり
4 補助金の経費収支実績 別紙2 経費所要額精算調書のとおり
5 補助事業の実施期間 平成29年11月10日~平成30年2月28日
6 添付資料
(1)委託先選定から支払までの関係資料
(2)完成図書
(3)写真
(4)その他参考資料
(32)甲83(添付資料A)
甲83の1葉には、上部に「(添付資料A)内部稟議・稟議決裁・請負契約・請求支払いの時系列進捗状況」と記載され、その下から2葉にわたり表が記載され、該表は項目見出しの他、Noが1から13の行に分かれている。
No1~No13の記載内容は、以下に列挙するとおりである。
No1
日付は「H29 6/1」、会議名称・審議内容は「(株主総会)議題:起工伺い ・3か年設備投資計画の承認依頼」、結果および承認内容は「・3か年設備投資計画の承認 ・平成29年度の太陽光発電設備導入承認」
No2
日付は「H29 8/22」、会議名称・審議内容は「(管理職会議)議題:内部承認 ・太陽光発電導入および補助金応募社内承認 ・概算見積による工事金額確認 ・日本環境協会補助金応募資料確認 ・太陽光発電設備の採算性について ・概算見積依頼業者3社の選定理由説明」、結果および承認内容は「・子会社稟議起案社内承認 ・補助金応募資料の内容確認と承認 ・太陽光発電設備の採算性と稟議起案承認 ・3社による概算見積内容の内容評価」
No3
日付は「H29 9/4」、会議名称・審議内容は「(太陽光発電導入PT)議題:補助金申請 ・平成29年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金二次募集応募 ・日本環境協会補助金への応募」、結果および承認内容は「・10/13 補助金事業採択通知受理 (受付番号)296234 日環協 第29101301号」
No4
日付は「H29 9/8」、会議名称・審議内容は「(太陽光発電導入PT)議題:見積業者選定 ・太陽光発電設備導入工事の詳細見積の業者依頼」、結果および承認内容は「補助金応募仕様に基づく見積仕様作成 発電能力100kW詳細見積依頼 ・マツコー(建築工事実績) ・(当審注:請求人により墨塗) ・(当審注:請求人により墨塗)」
No5
日付は「H29 10/23 10/30」、会議名称・審議内容は「(太陽光発電導入PT)議題:補助金交付申請 ・補助金交付申請 10/23申請」、結果および承認内容は「・交付決定通知書 日付:平成29年10月30日 日環協:第29101301号 補助金額(当審注:請求人により墨塗)円」
No6
日付は「H29 10/24 10/30」、会議名称・審議内容は「(管理職会議)議題:見積調書 ・太陽発電設備導入工事の詳細見積の業者選定 (太陽光発電導入PT) 議題:稟議起案 ・子会社稟議起案:10/30」、結果および承認内容は「・見積額およびその他の項目評価により(株)マツコーを施工業者に選定した ・子会社稟議決裁:11/6」
No7
日付は「11/7」、会議名称・審議内容は「(太陽光発電導入PT)議題:請負契約 ・工事発注:注文書発行 11/7」、結果および承認内容は「請負契約締結 ・(株)マツコー注文書請書発行 11/10」
No8
日付は「H29 11/10」、会議名称・審議内容は「(太陽光発電導入PT)議題:工事着工 ・請負契約締結による工事着手 11/10 (工事着手届)請負業者(株)マツコー」、結果および承認内容は「・着工届 ・現場代理者届書 ・工事作業所災害防止協議会兼施工体制表図 ・一級建築士免許証 ・管理技術者資格表」
No9
日付は「H29 11/10~H30 2/7」、会議名称・審議内容は「(太陽光発電導入PT)議題:工事進捗管理 ・工程会議 (5回開催)」、結果および承認内容は「・工程会議議事録 H29.11/10 H29.12/6 H29.12/20 H30.1/7 H30.2/7」
No10
日付は「H30 2/19」、会議名称・審議内容は「(太陽光発電導入PT)議題:工事完了報告 (株)マツコー ・工事完了届、検査願書」、結果および承認内容は「工事完成引渡書(マツコー書式) ・(株)マツコー 引渡書発行 2/19 工事完了受領書 ・ヤクルト食品工業(株)工事完了受領書 2/19 引渡書(ヤクルト食品工業書式) ・(株)マツコー 引渡書発行」
No11
日付は「H30 2/22」、会議名称・審議内容は「(太陽光発電導入PT)議題:竣工検査 ・検収調書」、結果および承認内容は「竣工検査:2月22日検収 ・発電実績の検証 2月14日~20日(7日間) 『発電実績纏め集計』の分析結果よりシステムは正常に稼働していると判断した」
No12
日付は「H30 2/23」、会議名称・審議内容は「・請求書」、結果および承認内容は「請求書 工事費一式(当審注:請求人により墨塗)円 消費税(当審注:請求人により墨塗)円 振込額(当審注:請求人により墨塗)円」
No13
日付は「H30 2/23」、会議名称・審議内容は「・支払い証明書」、結果および承認内容は「代金支払い証明 ・みずほ銀行e-ビジネスサイト振込・依頼一覧 ・みずほ銀行 e-ビジネスサイト入出金明細一覧」
(33)甲86(添付資料A No3)
甲86には、以下の記載がある。
ア 1葉
左上に「添付資料A」と記載され、その下に「No3」と記載され、その下に「太陽光発電設備導入PT:補助金応募」と記載され、その下に「・平成29年度二酸化炭素排出抑制対策事業等補助金応募、採択」と記載されている。
イ 2葉
左上に「様式第1」と記載され、その下、右側に「発翰番号/平成29年 9月 4日」(「/」は改行を示す。)と記載され、その下、左側に「公益財団法人日本環境協会/理事長 森嶌 昭夫 殿」(「/」は改行を示す。)と記載され、その下、右側に「申請者 住所 佐賀県神埼市神埼町城原/3860番地/氏名又は名称 ヤクルト食品工業株式会社/代表者の職・氏名/代表取締役社長 丸野 忠幸」(「/」は改行を示す。)と記載され、その右にかすれた印影があり、その下に「平成29年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金/(再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業)/公募申請書」(「/」は改行を示す。)と記載されている。
ウ 3葉
右上に「日環協第29101301号/平成29年10月13日」(「/」は改行を示す。)と記載され、その下、左側に「ヤクルト食品工業株式会社/代表取締役社長 丸野 忠幸 殿/(受付番号296234)」(「/」は改行を示す。)と記載され、その下、右側に「公益財団法人 日本環境協会/理事長 森嶌 昭夫」と記載され、該記載に「公益財団法人日本環境協会 理事長印」と読める印影が重なり、その下に「平成29年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業)に係る補助事業の第二次公募結果について」と記載され、その下に次の記載がある。
「この度は、当協会が公募した標記補助金に応募していただき誠にありがとうございました。
貴社・貴団体の公募申請書について審査しました結果、採択いたしますので通知いたします。(以下略)」
(34)甲88(添付資料A No5)
甲88には、以下の記載がある。
ア 甲88の1葉には、左上に「添付資料A」と記載され、その下に「No5」と記載され、その下に「太陽光発電設備導入PT:補助金交付申請」と記載され、その下に「・補助金交付申請、交付決定通知」と記載され、その下に「(申請書、通知書写し)」と記載されている。
イ 2葉には、右上に「日環協第29103001号」と記載され、その下、中央に「平成29年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業)交付決定通知書」と記載され、その下、右側に「ヤクルト食品工業株式会社/代表取締役社長 丸野 忠幸 殿」(「/」は改行を示す。)と記載され、その下に以下の記載がある。
「平成29年10月23日付けで交付申請のあった平成29年度二酸化炭素
排出抑制対策事業費等補助金(再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業)については、平成29年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業)交付規程(平成29年4月3日付け日環協第29040301号。以下「交付規程」という。)第7条第1項の規定により、下記のとおり交付することを決定したので、通知する。」
ウ 前記イの記載の下、左側に「平成29年10月30日」と記載され、その下、右側に「公益財団法人 日本環境協会/理事長 森嶌 昭夫」(「/」は改行を示す。)と記載され、該記載に「公益財団法人日本環境協会 理事長印」と読める印影が重なる。
(35)甲89(添付資料A No6)
甲89には、以下の記載がある。
ア 1葉
左上に「添付資料A」と記載され、その下に「No6」と記載され、その下に「管理職会議:見積調書」と記載され、その下に「・見積書に基づく業者選定」と記載され、その下に「・子会社稟議起案、決裁」と記載されている。
イ 7葉
右上に「採用」の印影があり、その下、中央に「御見積書」と記載され、その右側に「平成29年10月20日」と記載され、その下、左側に「ヤクルト食品工業株式会社 殿/下記の通り御見積申し上げます。/工事名 貴本社工場 太陽光発電設備工事/有効期間 60日間/御見積金額(当審注:請求人により墨塗)」(「/」は改行を示す。)と記載され、その右側にはロゴマークの下に「信頼をかたちにする」と記載され、その右側に「株式会社 マツコー」と記載され、該記載に「株式会社マツコー之印」と読める印影が重なり、その下に「〒841-0023佐賀県鳥栖市姫方町309-2/TEL 0942-83-2776・FAX 0942-85-2315/担当者(当審注:請求人により墨塗)」(「/」は改行を示す。)と記載され、その下に表があり、以下が列挙されている。
番号「A」として、名称が「補助対象工事」、数量・単位が「1式」
番号「B」として、名称が「補助対象外工事」、数量・単位が「1式」
ウ 8葉
上部に「内訳明細書」と記載され、その下に表があり、該表は「番号」との欄、「名称」との欄、「規格寸法」との欄、「数量」との欄、「単位」との欄、「単価」との欄、「金額」との欄及び「備考」との欄からなる。
その内の「番号」欄、「名称」欄、「数量」欄及び「単位」欄の内容を、以下に列挙する。(それぞれの欄の内容は鉤括弧で囲むが、「数量」欄と「単位」欄の内容はひとまとめにして鉤括弧で囲み、空欄は「(空欄)」で示し、各欄の間に読点を入れる)
「A」、「補助対象工事」、(空欄)
(空欄)、「太陽電池モジュール」、「396枚」
(空欄)、「パワーコンディショナ」、「10台」
(空欄)、「直流接続箱」、「10台」
(空欄)、「計測監視装置」、「1台」
(空欄)、「屋根架台」、「1式」
(空欄)、「機器搬入据付費」、「1式」
(空欄)、「電気工事費」、「1式」
エ 9葉
上部に「内訳明細書」と記載され、その下に表があり、該表は「番号」との欄、「名称」との欄、「規格寸法」との欄、「数量」との欄、「単位」との欄、「単価」との欄、「金額」との欄及び「備考」との欄からなる。
その内の「番号」欄、「名称」欄、「規格寸法」欄、「数量」欄及び「単位」欄の内容を、以下に列挙する。(それぞれの欄の内容は鉤括弧で囲むが、「数量」欄と「単位」欄の内容はひとまとめにして鉤括弧で囲み、空欄は「(空欄)」で示し、各欄の間に読点を入れる)
「B」、「補助対象外工事」、(空欄)(空欄)
(空欄)、「電気工事」、(空欄)、「1式」
(空欄)、「[内訳]」、「交流集電箱」、「2台」
(空欄)、(空欄)、「表示モニター」、「1台」
(空欄)、(空欄)、「出力制御盤」、「1台」
(空欄)、(空欄)、「キュービクル改造」、「1式」
(空欄)、(空欄)、「電線路工事費」、「1式」
(空欄)、「諸経費」、(空欄)、(空欄)
(空欄)、「[内訳]」、「現場事務所等仮設材」、「1式」
(空欄)、(空欄)、「昇降足場仮設」、「1式」
(空欄)、(空欄)、「一般管理費」、「1式」
(36)甲90(添付資料A No7)
甲90には、以下の記載がある。
ア 1葉
左上に「添付資料A」と記載され、その下に「No7」と記載され、その下に「太陽光発電設備導入PT:請負契約」と記載され、その下に「・注文書」と記載され、その下に「・注文請書」と記載されている。
イ 2葉
(ア)左上に「株式会社マツコー 御中」と記載され、その下、右側に「平成29年11月7日/長崎県神埼市神埼町城原3860番地/ヤクルト食品工業株式会社/TEL 0952_52_3205/FAX 0952_52_1604」(「/」は改行を示す。)と記載され、該記載に「ヤクルト食品工業株式会社」と読める印影が重なり、その下、中央に「注文書」と記載され、その下に「下記の通り注文を致します。」と記載されている。
(イ)前記(ア)の記載の下、左側に「1.物件名および金額」と記載され、その下に表があり、該表は「名称」との欄、「数量」との欄及び「金額」との欄からなる。
その内の「名称」欄及び「数量」欄の内容を、以下に列挙する。(それぞれの欄の内容は鉤括弧で囲み、空欄は「(空欄)」で示し、各欄の間に読点を入れる。)
「太陽光発電設備工事」、(空欄)
「太陽光電池モジュール(396枚)」、「1式」
「パワーコンディショナー(10台)」、「1式」
「接続箱・架台等」、「1式」
「搬入据付費」、「1式」
「電気工事費」、「1式」
「仮設費・諸経費」、(空欄)
「値引き」、(空欄)
(ウ)前記(イ)の表の下に、「2.納期または期間」と記載され、その下に「自 平成29年11月10日 至 平成30年2月20日」と記載され、その下に「3.納入場所」と記載され、その下に「ヤクルト食品工業株式会社」と記載されている。
ウ 3葉
(ア)右上に「注文日:平成29年11月7日」と記載され、その下に「注文請日:平成29年11月10日」と記載され、その下、左側に「ヤクルト食品工業株式会社 御中」と記載され、その下、右側に「佐賀県鳥栖市姫方町309番地2/株式会社マツコー/代表取締役 松尾政博」(「/」は改行を示す。)と記載され、該記載に「株式会社マツコー 代表取締役印」と読める印影が重なり、その下、中央に「注文請書」と記載され、その下に「下記の通り注文をお受けいたします。」と記載されている。
(イ)前記(ア)の記載の下、左側に「1.物件名および金額」と記載され、その下に表があり、該表は「名称」との欄、「数量」との欄及び「金額」との欄からなる。
その内の「名称」欄及び「数量」欄の内容を、以下に列挙する。(それぞれの欄の内容は鉤括弧で囲み、空欄は「(空欄)」で示し、各欄の間に読点を入れる。)
「太陽光発電設備工事」、(空欄)
「太陽光電池モジュール(396枚)」、「1式」
「パワーコンディショナー(10台)」、「1式」
「接続箱・架台等」、「1式」
「搬入据付費」、「1式」
「電気工事費」、「1式」
「仮設費・諸経費」、(空欄)
「値引き」、(空欄)
(ウ)前記(イ)の表の下に、「2.納期または期間」と記載され、その下に「自 平成29年11月10日 至 平成30年2月20日」と記載され、その下に「3.納入場所」と記載され、その下に「ヤクルト食品工業株式会社」と記載されている。
(37)甲91-6(工程表)
甲91-6は1枚紙であり、左上に「ヤクルト食品工業株式会社 御中」と記載され、その右に「平成30年2月1日」と記載され、その下、中央に「工程表」と記載され、その下、右側に「会社名 九州機電株式会社」と記載され、左側に「工事件名:太陽光発電設備設置工事」と記載され、その下に以下の表がある。
[図:0001409771000034.jpg]
(38)甲93(請求人作成技術資料)
甲93には、以下の記載がある。
ア 4頁
「甲第35号証のソースコードの解説の一部を下記に示します。」との記載の下に、次の図がある。
[図:0001409771000035.jpg]
イ 5頁
5頁には、「◇ 消費電力算出モジュール」との記載の下に、次の図がある。
[図:0001409771000036.jpg]
上図の「00002」の行には、次のプログラムが認められる。
「'パルスの集計
'TMR(@TO,9)
TMR(@TO,(当審注:請求人により墨塗))
IF LDP(@TO) THEN
RES(@TO)
'@DM100 = CM705
'IF @DM100 = 0 THEN '(当審注:請求人により墨塗)
WSR(DM23000.L,9,1) '(当審注:請求人により墨塗)
(当審注:請求人により墨塗)
'パルスリセット時の処理
IF @DM104.L < 0 or @DM104.L > 10000 THEN
@DM104.L = 0
END IF
(当審注:請求人により墨塗)
(当審注:請求人により墨塗)
'電力換算
(当審注:請求人により墨塗)
@DM110.L = (当審注:請求人により墨塗)
DM20054.L = @DM110.L + DM20050.L '発電電力と合算
(当審注:請求人により墨塗)
'END IF
'RES(@TO)
END IF」
(39)甲94(請求人作成技術資料)
甲94には、以下の記載がある。
ア 6頁
「■ 2018/02/13作成のプログラムを確認
◆【プログラムをダウンロードするフォルダを作成 ※フォルダ名は任意】
[図:0001409771000037.jpg]
◆【TortoiseSVNフォルダにプログラムのチェックアウト(ダウンロード)を開始】
[図:0001409771000038.jpg]
」
イ 7頁
7頁には、次の記載がある。
「◆【プログラムのダウンロードが完了後、プログラムを確認】
[図:0001409771000039.jpg]
[図:0001409771000040.jpg]
」
上記の下側のウィンドウに表示されているプログラムは、甲93、5頁のものと同じであると認められる。
(40)甲98(システム仕様書)
甲98には、以下の記載がある。
ア 1葉
1葉は次のとおりのものである。
[図:0001409771000041.jpg]
イ 9葉
次の記載がある。
[図:0001409771000042.jpg]
(41)甲99(システム仕様書)
甲99には、次の記載がある。
1葉の上部に「システム仕様書」と記載され、その下に「御注文主 株式会社渡辺藤吉本店 殿」と記載され、その下に「案件名 ヤクルト食品工業様向け 自家消費制御対応」と記載され、下方に「株式会社フィールドロジック」と記載され、その下に「案件ID FL083-17071-01 ドキュメントID FL083-17071-01」と記載され、その下に「Rev. 1.1」と記載されている。
(42)甲100(システム仕様書)
甲100には、以下の記載がある。
ア 1葉
上部に「システム仕様書」と記載され、その下に「御注文主 株式会社渡辺藤吉本店 殿」と記載され、その下に「案件名 ヤクルト食品工業様向け 自家消費制御対応」と記載され、下方に「株式会社フィールドロジック」と記載され、その下に「案件ID FL083-17071-02 ドキュメントID FL083-17071-02-01」と記載され、その下に「Rev. 1.2」と記載されている。
イ 2葉
次の図がある。
[図:0001409771000043.jpg]
ウ 4葉
「■ 計測制御装置」と記載された下に、以下の図がある。
[図:0001409771000044.jpg]
エ 6葉
「■ 計測・制御概要」との記載の下に表があり、該表は、「NO」との欄、「タイトル」との欄、「概要」との欄及び「備考」との欄からなり、その詳細は以下の(ア)~(エ)のとおりである。なお、「○1」等は、数字(この例では「1」)を円で囲った文字を表す。
(ア)NO○1
タイトルは「発電電力・状態の計測」であり、概要欄に以下の記載がある。
「通信方式 シリアル通信
概要 各PCSの発電電力の状況、状態を計測」
備考欄は空欄である。
(イ)NO○2
タイトルは「消費電力の計測」であり、概要欄に以下の記載がある。
「通信方式 パルス入力
概要 買電電力のパルス値を計測」
備考欄は空欄である。
(ウ)NO○3
タイトルは「制御判定」であり、概要欄に以下の記載がある。
「概要 制御ユニット内部での演算処理
○1で計測した各PCSの電力値合計と○2で計測した消費電力の比較を行う
需要電力×指定%≧発電電力
となるように発電電力の制御値を算出」
備考欄は空欄である。
(エ)NO○4
タイトルは「出力制御」であり、概要欄に以下の記載がある。
「通信方式 シリアル通信
概要 ○3で算出された制御値をもとにPCSへ出力制御値を送信」
備考欄に「制御値は全PCS一律とする」と記載されている。
オ 7葉
次の図がある。
[図:0001409771000045.jpg]
カ 8葉
3枚の図があり、そのうちの左上の図は次のとおりである(右上及び左下の図は省略)。
[図:0001409771000046.jpg]
キ 11葉
次の記載がある。
[図:0001409771000047.jpg]
2 証人尋問の結果
証人尋問では、以下の証言があった。なお、証言の文面は、被請求人から提出された「録音テープの書面化申請書」に基づいて作成された反訳によっており、各発言の先頭では、角括弧の中に話者を示した。
(1)請求人従業者川上俊太郎の証言
ア 質問番号063~069
063
[請求人代理人]Data Cube2にはどのような機能を発揮するプログラムが搭載されてましたか。
[証人]制御閾値を修正、変更するプログラムが組み込まれています。
064
[請求人代理人]ヤクルト食品工業に納品した制御装置においても、制御閾値を変更することは可能だったんですか。
[証人]はい、可能でした。
甲第53号証を示す。
065
[請求人代理人]甲53号証の5ページ、下に5と書いてあるところを示してください。上から数えてくださいね。上から11行目以降を見てください。Data Cube2にはと書いてあるところです。そこが11行目に当たります。私が、これ質問してるんですけれども、Data Cube2にはどのような機能を発揮するプログラムが搭載されましたかという質問に対して、あなたは発電電力の制御値を設定するプログラムを組み込んでいますと回答されてます。ここで発電電力の制御値を設定するというのは、任意の数値を設置する、設定する、すなわち任意に設定した数値を変更できるということで間違いないですか。
[証人]間違いありません。
066
[請求人代理人]次に、同じページの14行目以降を見てください。この制御値の変更を可能にするプログラムですけれどもと書いてあるところです。私は、先ほどのあなたが答えられたとおりのものであると理解した上で質問を続けてるんですけれども、この制御値の変更を可能にするプログラムですけれども、例えば時間とともに消費電力、発電電力を考慮して、指定値を変更する、制御値を変更する、そういうことも可能なんですかと私が質問したところ、あなたは、はい、可能ですと回答されてます。ヤクルト食品工業に納品した発電量の制御装置の制御値を設定するプログラムというのは、時間とともに異なる制御値を指定するプログラムを搭載すれば、時間とともに制御値を変更する装置になり得たんですか。
[証人]はい。
067
[請求人代理人]当時、時間とともに異なる制御値を指定する技術思想というのは存在しましたか。
[証人]はい。
068
[請求人代理人]時間とともに異なる制御値を指定する技術思想を実現するプログラムを簡単にあなたは作成することができましたか。
[証人]はい。
甲第25号証を示す。
069
[請求人代理人]続いて甲25号証を示してください。甲25号証の7枚目を示してください。今7枚目を見ていただいてます。ここに設定画面が示されてて、現在の制御率という項目がありますね。ここの記載では93%と記載されています。あなたが完成させた発明というのは、この制御率を例えば80%にしたり、70%に変更することができるということですか。
[証人]はい、そのとおりです。
イ 質問番号240~243
甲第53号証を示す。
240
[審判官]甲53号証をお示しください。甲53号証は、大阪地裁での裁判の時に川上さんが証言された証言の証人調書になっております。その速記録の5ページを開いてください。中ほどからなんですけども、先ほど冨宅先生のほうからもご指摘があったこの制御値の変更を可能にするプログラムですけどもというところから始まるお話で、先ほど証人、川上さんは冨宅先生の質問に対して、こういう制御値を時間帯ごとに変更可能にするプログラムは、簡単に作れるとお答えになったかと思いますけども、納品された、実際に納品された、ヤクルト工業に納品されたプログラムでは、その機能はなかったということでよろしいですか。
[証人]時間ごとの設定はできないものです。
241
[審判官]なぜそのような機能は付けなかったんでしょうか。
[証人]開発する時間が間に合わなかったというのが正直なところです。
[審判官]開発時間が間に合わなかった。分かりました。ありがとうございます。
甲第72号証を示す。
242
[審判官]甲72号証を示します。第7ページ、下に11分の7と書いてあるところを示します。先ほどから出ている制御閾値の変更、閾値設定画面なんですけども、こちら、アップデートというボタンとデリートというボタンがありまして、この画像の下のところの説明に「上記を設定して、DC2を再起動」というふうに書かれていますけども、これはアップデートする時は必ずシステムを再起動すると、そういう意味でしょうか。
[証人]そうですね。
243
[審判官]先ほど開発、制御閾値を時間帯ごとに変更するのは、開発時間が足りなかったというお話があったんですけども、基本的にこういうユーザーインターフェースをつくったというのも開発時間の制限からということでよろしいでしょうか。
[証人]そうです、はい。
(2)請求人従業者秋葉伸夫の証言
ア 質問番号032~034
甲第25号証を示す。
032
[請求人代理人]甲25号証を示してください。この甲25号証というのは、先ほど示した甲72号証の仕様書の1つ前の仕様書ですけれども、同じく11枚目の機器が記載されたページを見てください。少し細かくて見づらいんですけれども、こちらにはNo.2のUSBメモリの型番として、MF-MSU3A04GBKとなってますけれども、どうして甲25号証の仕様書に記載されたUSBメモリの型番から、甲27号証(当審注:甲27と発言しているが、甲72の言い間違いと認める。)の仕様書に記載されたUSBメモリの型番に変更されたんですか。
[証人]USBメモリが廃番になったために、相当品に差し替えました。
033
[請求人代理人]甲25号証に記載された型番のUSBメモリが廃番になったということですか。
[証人]25号証のほうが廃番になりました。
034
[請求人代理人]で、現行のものが甲72号証に記載されているということですか。
[証人]はい、そのように確認いたしました。
イ 質問番号035~039
甲第72号証を示す。
035
[請求人代理人]続いて再び甲72号証の11枚目を示してください。甲72号証の仕様書の機器等について記載されているところです。No.5を見てください。No.5にPLC Nanoイーサネットユニットが記載されてますけれども、その型番を見てください。ここには型番としてKV-N1CEPと記載されていますが、この型番は正しく記載されていますか。
[証人]いえ、誤っております。
036
[請求人代理人]正確な型番というものを今再現できますか。
[証人]KV-NC1EPになります。
037
[請求人代理人]ということは、こちら、今見ていただいている甲72号証の仕様書の型番表記というのは、これは誤記ですか。
[証人]誤記です。
甲第25号証を示す。
038
[請求人代理人]再び甲25号証の11枚目、甲25号証の仕様書の型番、使用機器が記載されている部分になります。こちらのNo.5のPLC Nanoイーサネットユニットの型番を見て欲しいんですけれども、こちらでもKV-N1CEPと記載されていますけれども、甲25号証の仕様書から甲72号証の仕様書に更新された時、PLC Nanoのイーサネットユニットの型番の誤記に気付かなかったんですか。
[証人]はい、気付きませんでした。
甲第28号証を示す。
039
続いて甲28号証を示してください。計測用機器と記載された欄を見てください。3つ目にPLC Nanoイーサユニット(当審注:発言は「イーサユニット」だが、「イーサネットユニット」の言い間違えと認める。)というのがありまして、型番としてKV-N1CEPと記載されてますが、これも誤記ですか。
[証人]はい、こちらも誤記です。
ウ 質問番号044~048
甲第32号証を示す。
044
[請求人代理人]甲32号証を示してください。一番下の備考欄を見てください。これシステム仕様書がFL083-17071-03、記載されてますよね。
甲第25号証を示す。
[請求人代理人]続いて25号証の1枚目を示してください。25号証1枚目、ここには案件IDとしてFL083-17071-02と記載されてますよね。
甲第30号証を示す。
[請求人代理人]続いて甲30号証を示してください。ここには貴案件のNo.としてFL083-17071-02と記載されてますよね。
甲第32号証を示す。
[請求人代理人]再び甲32号証を示してください。32号証の右肩に見積ナンバーが記載されてますけれども、こちらにはFL083-17071-03-02と記載されてますね。どうして甲32号証の案件ナンバーがFL083-17071-03-02となったり、備考欄でFL08-17071-03(当審注:「FL08-17071-03」と発言しているが、「FL083-17071-03」の言い間違いと認める。)と、こんな番号が違っているようなことになってるんですか。
[証人]本来02と記載するべきところを、ミスを起こしてしまい、03というふうに誤記をしております。
045
[請求人代理人]甲32号証の右肩見積ナンバーで、FL083-17071-03というのが余事記載になっているということですか。
[証人]はい、そのとおりです。
046
[請求人代理人]感覚的にこの案件ナンバーが長いということで、備考欄では03で止まってしまっているということですか。
[証人]そのような心理というか、そのような当時の状況だったと思います。
047
[請求人代理人]正しい案件番号というのは、FL083-17071-02なんですね。
[証人]相違ございません。
048
[請求人代理人]甲32号証を作成する時に、案件ナンバーで03というものをミスタイプしたために、そこから下で備考欄で03になってしまったという、そういう理解でいいわけですか。
[証人]はい、そのとおりです。
エ 質問番号165~166
甲第31号証を示す。
165
[審判官]甲31号証を示します。甲31号証は、これもあなたが渡辺藤吉本店の佐久間さんに、今度は2018年1月29日に送信した電子メールのプリントアウトということで間違いありませんね。
[証人]はい、間違いありません。
166
[審判官]メールの本文なんですけども、「先週電話でお話させて頂いた金額の御見積書を提出致します。」と書かれています。ここで言う先週の電話というのは、先ほどお答えいただいた相談のお電話ということでよろしいでしょうか。
[証人]はい、そのように紐(ひも)付けられると思います。
第7 当審の判断
当審の判断は以下のとおりである。
1 甲1発明の認定
甲1の記載(前記第6、1(1))によれば、実施の形態2(【0033】~【0052】)には「出力制御情報15」の具体例が示されていない。しかし、実施の形態2として記載された上記段落【0052】において「本実施の形態のその他の構成、動作および効果は、実施の形態1で説明した通りである。」との記載があるため、実施の形態2の「出力制御情報15」の具体例は、実施の形態1のもの、すなわち、【0024】及び図7に示されるものと同じと解される。
同様に、実施の形態2の「パワーコンディショナ2」の基本的な機能も、実施の形態1のもの(【0015】冒頭)と同じと解される。
よって、甲1には次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。なお、後の参照の便宜のため、甲1発明を以下の1a~1lに分説し、「構成1a」のようにして参照する。
1a 制御機器が設置された後は、たとえ制御機器が故障した場合でも、パワーコンディショナの出力を抑制し、系統崩壊を回避することが可能な太陽光発電システムであって、(【0008】)
1b1 太陽電池モジュール1と、
1b2 太陽電池モジュール1に接続されると共に分電盤3を介して負荷8および商用電源10に接続されたパワーコンディショナ2と、
1b3 パワーコンディショナ2に接続され、表示ユニット4およびルーター5を介してインターネット13に接続されると共に、分電盤3と商用電源10との接続点における電流および電圧を計測する計測ユニット7と
1b を備え、(【0033】)
1c 分電盤3は、分電盤3と商用電源10との接続点を含み、(図8)
1d パワーコンディショナ2は、太陽電池モジュール1が発電した直流電力を交流電力へ変換し、この交流電力を出力し、(【0015】)
1e パワーコンディショナ2、表示ユニット4、計測ユニット7およびルーター5は同一の筐体内に配置され、(【0050】)
1f 計測ユニット7は、電流計測値および電圧計測値から電力を算出し、これにより、計測ユニット7は、逆潮流が発生しているのか否かを判定することができ、(【0035】)
1g 表示ユニット4は、ルーター5およびインターネット13を介して、電力会社により設置された指令所から出力抑制情報15を取得し、表示ユニット4は、出力抑制情報15を計測ユニット7に転送し、(【0037】)
1h 計測ユニット7は、出力抑制情報15を取得した後、出力抑制情報15をパワーコンディショナ2に出力することでパワーコンディショナ2に出力抑制を実施させる制御機器であり、(【0038】)
1i 出力抑制情報15は、出力抑制を実施する「年月日」、「時刻」および「抑制量」をリストにしたものであり、「抑制量」は、パワーコンディショナ2の定格出力に対する割合で与えられ、例えば、「年月日」が2015/05/10、「時刻」が10:00~10:59のときは、「抑制量」が70%とされているので、パワーコンディショナ2の定格出力の70%を最大値として、パワーコンディショナ2はこれ以上の発電電力を出力しないように制御され、(【0024】)
1j 出力制御情報15の「抑制量」は時間帯毎に変更可能であり、(図7)
1k 太陽光発電システムにおける出力抑制は、逆潮流を抑制するものであればよく、計測ユニット7の電流および電圧の計測により逆潮流が発生しないと判定された場合には、計測ユニット7は、パワーコンディショナ2に出力抑制を低減しまたは停止する指令を送信することができる、(【0046】)
1l 太陽光発電システム。
2 公然実施発明の認定
請求人は、「被告フィールドロジックは,訴外川上から川上発明2を知得し,平成30年2月13日に川上発明2を実施し、同年同月19日に、訴外ヤクルト食品工業に納品した。」(請求書113頁24~26行)、「平成30年2月19日に公然実施された川上発明及びヤクルト向けシステム」(請求書120頁19~20行)等と主張するので、ヤクルト食品工業株式会社(以下「ヤクルト食品工業」という。)に設置されたシステムについて、以下、検討する。
(1)ヤクルト食品工業太陽光発電設備と補助事業
甲74は、令和元年10月29日に、請求人代理人が佐賀県神埼市神埼町城原3860にあるヤクルト食品工業に設置された機器を調査した現地調査報告書である。
甲74、5頁の写真(2枚)によれば、DataCube2の収納ボックスの下にあるディスプレイ(5頁上の写真の中央下寄り)に「ヤクルト食品工業株式会社 太陽光発電システム」と表示されている。
該ディスプレイの下には説明書きが置かれ(5頁上側の写真の下部)、該説明書きには「この太陽光発電設備は、公益財団法人日本環境協会より交付された環境省間接補助事業である平成29年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業)により整備されたものです。平成30年2月」との説明がある(5頁下の写真)。
さらに、甲74のPCSの写真(11頁左上のもの)には、扉に説明書きが貼られており、その説明書きには「この太陽光発電設備は、公益財団法人日本環境協会より交付された環境省間接補助事業である平成29年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業)により整備されたものです。平成30年2月」(12頁)と記載されていると認められる。(以下、公益財団法人日本環境協会を「日本環境協会」という。)
以上から、平成30年2月の時点でヤクルト食品工業に設置されていた太陽光発電設備(以下「ヤクルト食品工業太陽光発電設備」という。)は、平成29年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業)(以下「補助事業」という。)により整備されたものと認められる。
(2)ヤクルト食品工業太陽光発電設備の実施
前記(1)のとおり、ヤクルト食品工業太陽光発電設備は補助事業により整備されたのであるから、補助事業におけるヤクルト食品工業太陽光発電設備に係る発明の実施について、以下、検討する。
ア 補助事業に関する証拠の整理
補助事業に関しては複数の証拠があり、それらの関係は以下のとおりと認められる。
(ア)甲82と甲45の1葉及び2葉との関係
甲82は、ヤクルト食品工業が平成30年2月28日に日本環境協会に提出した「平成29年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業)完了実績報告書」(以下「完了実績報告書本紙」という。)である(前記第6、1(31)ア)から、補助事業の完了に係る報告書と認められる。
甲82によれば、完了実績報告書本紙には、「実施報告書」である「別紙1」と、「経費所要額精算調書」である「別紙2」が添付されている(前記第6、1(31)ウ)。
甲45の1葉及び2葉は、「別紙1」と記載され「再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業実施報告書」と題する書類である(前記第6、1(20)ア)から、完了実績報告書本紙(甲82)に記載の「別紙1」の「実施報告書」であると解される。
(イ)甲82と甲45の3葉~6葉の関係
甲45の3葉及び4葉は、「別紙2」と記載され「再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業に要する経費所要額精算調書」と題する書類である(前記第6、1(20)イ及びウ)から、完了実績報告書本紙(甲82)に記載の「別紙2」の「経費所要額精算調書」であると解され、5葉及び6葉の図面も「別紙2」の続葉と解される。
(ウ)甲45の7葉~17葉と甲83との関係
甲45の7葉は、「添付資料A No11」と題されており、甲45の7葉によれば、「添付資料A No11」は、「検収書」と、「検収調書 発電実績纏め集計 平成30年2月14日~21日(7日間)」とからなる(前記第6、1(20)エ)。
甲45の8葉は、検収書である(前記第6、1(20)オ(ア))から、前記「添付資料A No11」を構成する検収書であると解される。
甲45の9葉~17葉は、「発電実績纏め集計(2018/02/14~2018/02/21)」と題され(前記第6、1(20)カ)、「1/9ページ」~「9/9ページ」との頁数が振られている(前記第6、1(20)カ及びキ)ため、9頁で1つの資料となっていると解され、10葉~17葉は2018年(平成30年)2月14日から同年同月21日までの8日間の発電実績である(前記第6、1(20)キ)。そうすると、9葉~17葉は、「発電実績纏め集計」との表題があるが、前記「添付資料A No11」の「検収調書」のことであると解される。
(なお、甲45の7葉の「(7日間)」との記載は、「(8日間)」の誤記と認める。)
甲83は、「(添付資料A)内部稟議・稟議決裁・請負契約・請求支払いの時系列進捗状況」と題され、そのNo11の会議名称・審議内容に「検収調書」の記載、結果および承認内容に「発電実績纏め集計」の記載がある(前記第6、1(32))。甲83に記載の「検収調書」及び「発電実績纏め集計」は、甲45の9葉~17葉のことであると解され、甲83のNo11に関する資料として甲45の7葉~17葉が添付されていたと解される。
(エ)甲82と甲83との関係
完了実績報告書本紙(甲82)には「委託先選定から支払までの関係資料」が添付されていると認められる(前記第6、1(31)ウの「6(1)」)。
甲83は「太陽光発電設備導入工事の詳細見積の業者依頼」(No4)、「太陽発電設備導入工事の詳細見積の業者選定」(No6)及び「支払い証明書」(No13)について言及しているから、補助事業に係る工事(以下「補助事業工事」という。)の委託先選定から支払いまでの資料であると解される。
よって、甲83の「添付資料A」は、完了実績報告書本紙(甲82)の添付資料「委託先選定から支払いまでの関係資料」であると解される。
(オ)甲83と甲86との関係
甲83の添付資料Aには、No3として、平成29年9月4日に補助事業の二次募集に応募し、同年10月13日に「日環協第29101301号」として採択されたことが記載されている(前記第6、1(32))。
そして、甲86は、「添付資料A No3」であり(前記第6、1(33)ア)、平成29年9月4日にヤクルト食品工業が補助事業の公募に申請したこと(前記第6、1(33)イ)、前記申請が「受付番号296234」として受け付けられ、同年10月13日に「日環協第29101301号」として採択されたこと(前記第6、1(33)ウ)を示す書類である。
以上より、甲86は、甲83の添付資料AにNo3として添付された資料であると解される。
(カ)甲83と甲88との関係
甲83の添付資料AにはNo5として「・交付決定通知書 日付:平成29年10月30日 日環協:第29101301号」の記載があり、甲88は、「添付資料A No5」であり(前記第6、1(34)ア)、その2葉に「平成29年10月30日」付けの「平成29年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業)交付決定通知書」がある(前記第6、1(34)イ)から、甲88は、甲83の添付資料AにNo5として添付された資料であると解される。
なお、甲83の添付資料AのNo5には「日環協:第29101301号」とあり、甲88の2葉には「日環協第29103001号」とあり、番号が異なるが、甲86の3葉の「平成29年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業)に係る補助事業の第二次公募結果について」には「日環協第29101301号」と記載されていることから、甲83のNo5に記載の番号は、甲86のものを誤記したもので、正しくは「日環協第29103001号」であると認める。
(キ)甲83と甲89との関係
甲83の添付資料AにはNo6として「(管理職会議)議題:見積調書」の記載及び「(株)マツコーを施工業者に選定した」との記載があり、甲89は、「添付資料A No6 管理職会議:見積調書」であり(前記第6、1(35)ア)、その7~9葉に株式会社マツコー(以下「マツコー」という。)によるヤクルト食品工業本社工場の太陽光発電設備工事の「御見積書」がある(前記第6、1(35)イ~エ)から、甲89は、甲83の添付資料AにNo6として添付された資料であると解される。
(ク)甲83と甲90との関係
甲83の添付資料AにはNo7として「(太陽光発電導入PT)議題:請負契約」との記載があり、甲90は、「添付資料A No7 太陽光発電導入PT:請負契約」であり(前記第6、1(36)ア)、その2葉にマツコーへの注文書があり(前記第6、1(36)イ(ア))、3葉にマツコーからの注文請書がある(前記第6、1(36)ウ(ア))から、甲90は、甲83の添付資料AにNo7として添付された資料であると解される。
(ケ)補助事業に関する証拠についての小括
前記(ア)~(ク)を整理すると、補助事業について平成30年2月28日にヤクルト食品工業から日本環境協会に甲82の完了実績報告書本紙が提出され、完了実績報告書本紙には、甲45の1葉及び2葉の別紙1、並びに、甲45の3葉~6葉の別紙2が添付されていたと認められる。
前記別紙2には、甲83の添付資料Aが添付され、前記添付資料Aには、No3の資料として甲86、No5の資料として甲88、No6の資料として甲89、No7の資料として甲90、及び、No11の資料として甲45の7葉~17葉が添付されていたと認められる。
なお、以下では、甲45、甲82、甲83、甲86及び甲88~甲90を総称して「補助事業完了実績報告書」という。
イ 補助事業工事の概要
補助事業完了実績報告書によれば、以下の事実が認められる。
補助事業の実施期間は、平成29年11月10日~平成30年2月28日であった(甲82)。
ヤクルト食品工業は、平成29年11月7日にマツコーに対して「太陽光発電設備工事」として、「物件名および金額」の内訳が太陽光電池モジュール396枚、パワーコンディショナー10台、接続箱・架台等1式、搬入据付費1式、電気工事費1式、仮設費・諸経費及び値引きからなる工事、すなわち、ヤクルト食品工業太陽光発電設備の設置に係る補助事業工事を、平成29年11月10日~平成30年2月20日の期間で行うよう注文し(甲90、2葉)、マツコーは平成29年11月10日に該工事を請け負った(甲90、3葉)。よって、補助事業工事の開始は平成29年11月10日であると認められる。
甲38-1及び甲38-3によれば、平成30年2月19日に「ヤクルト食品工業株式会社 太陽光発電設備工事」すなわち補助事業工事は完了し、その工期は平成29年11月10日~平成30年2月19日であり、平成30年2月19日にマツコーからヤクルト食品工業に対して引渡しが行われたと認められる。そして、引き渡した「物件名および金額」の内訳は、太陽光電池モジュール396枚、パワーコンディショナー10台、接続箱・架台等1式、搬入据付費1式、電気工事費1式及び仮設費・諸経費からなり(甲38-2)、平成29年11月10日に請けた注文の内訳と一致する。
以上によれば、補助事業工事は、ヤクルト食品工業に、ヤクルト食品工業太陽光発電設備を設置する工事であり、平成29年11月7日にマツコーに注文され、同年11月10日に開始し、平成30年2月19日に終了したと認められる。
また、ヤクルト食品工業太陽光発電設備は、太陽光電池モジュール396枚、パワーコンディショナー10台、接続箱・架台等1式及び必要な電気工事により設置された設備からなると認められる。
そして、マツコーはヤクルト食品工業太陽光発電設備を、補助事業工事の工期の最終日(平成30年2月19日)に、ヤクルト食品工業に対して引き渡したと認められる。
ウ 前記イによれば、ヤクルト食品工業太陽光発電設備が平成30年2月19日にマツコーからヤクルト食品工業に譲渡されることによって、本件特許の出願前にヤクルト食品工業太陽光発電設備に係る発明は実施されたと認められる。
(3)ヤクルト食品工業太陽光発電設備の構成
前記(2)ウのとおり、ヤクルト食品工業太陽光発電設備に係る発明は、平成30年2月19日に実施されたと認められるから、以下では、平成30年2月19日(以下「実施日」という。)時点のヤクルト食品工業太陽光発電設備の構成について検討する。
なお、被請求人は、ヤクルト食品工業太陽光発電設備に用いられたプログラムが実施日以降も修正されていたことを根拠に、ヤクルト食品工業太陽光発電設備において実際に制御の動作が開始されたのは、本件特許の出願後であることを主張する(前記第5、1(5))。しかしながら、実施日後のプログラムの修正等は、実施日に実施された発明の構成を左右するものではないし、実施として譲渡を認定した以上、ヤクルト食品工業太陽光発電設備の制御動作の如何によって譲渡の事実が左右されるものでもない。
ア マツコーから請求人に至る補助事業工事の注文の流れ
(ア)補助事業完了実績報告書によれば、マツコーは補助事業工事開始前の平成29年10月20日にヤクルト食品工業に宛てて見積書を作成し(甲89、7葉~9葉)、その有効期間は60日であった。補助事業工事の注文日は平成29年11月7日である(前記(2)イ)から、前記見積書はこの時点で有効であったと認められる。
前記(2)イに示したヤクルト食品工業太陽光発電設備の構成と、前記見積書(甲89、8葉、9葉)とによれば、前記(2)イにおける「太陽光電池モジュール396枚」及び「パワーコンディショナー10台」は、それぞれ、前記見積書における「太陽電池モジュール」396枚及び「パワーコンディショナ」10台に対応し、前記(2)イの「接続箱・架台等1式」は、前記見積書の「直流接続箱」、「計測監視装置」及び「屋根架台」に対応し、前記(2)イの「必要な電気工事により設置された設備」は前記見積書における補助対象工事の「電気工事費」(甲89、8葉)及び補助対象外工事の「電気工事」(甲89、9葉)によって設置した設備に対応すると認められる。
そして、前記見積書の補助対象外工事の「電気工事」の内訳には、交流集電箱、表示モニター、出力制御盤、キュービクル改造及び電線路工事費があるので、補助対象工事としての電気工事は、ヤクルト食品工業の既存のキュービクルを改造し、交流集電箱、表示モニター、及び出力制御盤を設置し、必要な電線路を設置する工事であると認められる。
そうすると、ヤクルト食品工業太陽光発電設備は、太陽光電池モジュール396枚、パワーコンディショナ10台、直流接続箱、計測監視装置、屋根架台、改造されたキュービクル、交流集電箱、表示モニター、出力制御盤及び電線路を含む設備として注文されたと認められる。
(イ)甲76は、九州機電株式会社(以下「九州機電」という。)からマツコーに宛てた、「ヤクルト食品工業(株)様納め 100kW 太陽光発電設備」1式についての見積書であり、その補助対象工事及び補助対象外工事の内容は、補助事業完了実績報告書に添付されたマツコーからヤクルト食品工業に宛てた見積書(甲89、7葉~9葉)の内容と同じである。
九州機電からマツコーに宛てた見積書(甲76)は、平成29年10月18日に作成され、有効期限が60日である(1葉)。その有効期限内である同年11月9日に、マツコーは九州機電に対して「ヤクルト食品工業(株)太陽光発電設備工事」として太陽光発電設備工事1式を注文した(甲77)。
以上によれば、マツコーは、補助事業工事を平成29年11月9日に九州機電に下請けに出したと認められる。
(ウ)甲78は、2017年(平成29年)11月28日に、九州機電から株式会社渡辺藤吉本店(以下「渡辺藤吉本店」という。)に宛てた注文書であり、納入場所及び引当先をヤクルト食品工業とし、納入する品名・仕様として「太陽光モジュール 他」と記載されている。
該注文書が作成された平成29年11月28日は補助事業工事の工期中であり、その納入場所及び引当先は、補助事業工事の引渡先であるヤクルト食品工業であるから、渡辺藤吉本店が納入する「太陽光モジュール 他」は、ヤクルト食品工業太陽光発電設備を構成するものと認められる。(特に、渡辺藤吉本店が納入する「太陽光モジュールは、前記(ア)の「太陽光電池モジュール」のことと解される。)
そうすると、九州機電は、ヤクルト食品工業太陽光発電設備の調達を、少なくとも「太陽光電池モジュール」及びその他いくつかの設備について、渡辺藤吉本店に手配させたと認められる。
(エ)甲21の1頁1行の「Yoshinari Takayama」は、請求人代理人高山嘉成(「高」はいわゆる梯子高)のことであると認められ、甲21は、請求人従業者秋葉伸夫から渡辺藤吉本店従業者佐久間裕への電子メールを請求人代理人が印刷したものと認められる。
前記電子メールには、それまでにやりとりされた4件の電子メールの内容が末尾に引用されている。
甲21に引用された最先のメールは、2017年(平成29年)12月18日9:51に渡辺藤吉本店従業者佐久間裕から請求人従業者秋葉伸夫に宛てたものであり、件名(Subject)が「ヤクルト食品工業納め パワコン制御」となっている。平成29年12月18日は、九州機電が渡辺藤吉本店に補助事業工事に係る設備の調達を手配した20日後(前記(ウ))である。
最後のメールは、平成29年12月28日12:01に請求人従業者秋葉伸夫から渡辺藤吉本店従業者佐久間裕に宛てたものであり、添付ファイルとして「仕様書_ヤクルト食品工業様向け 出力制御_FL_083-17071-01.pdf」と「御見積書_ヤクルト食品工業様向け 出力制御_FL083-17071-01-01.pdf」が添付されている。平成29年12月28日は、補助事業工事の工期内である。
甲99は「システム仕様書」であり、注文主が渡辺藤吉本店であり、案件名が「ヤクルト食品工業様向け 自家消費制御対応」であり、案件ID及びドキュメントIDが共にFL083-17071-01である(1葉)から、甲21の電子メールに添付された「仕様書_ヤクルト食品工業様向け 出力制御_FL_083-17071-01.pdf」を印刷したものと認められる。
甲23は請求人が渡辺藤吉本店に宛てた「システム仕様書(FL083-17071-01)に基づく御見積」であり(甲23、備考欄)、見積No.がFL083-17071-01-01であり、件名が「ヤクルト食品工業様向け 自家消費制御対応」である(1葉)から、甲21の電子メールに添付された「御見積書_ヤクルト食品工業様向け 出力制御_FL083-17071-01-01.pdf」を印刷したものと認められる。
以上によれば、補助事業工事の工期内である平成29年12月28日に、請求人が「ヤクルト食品工業様向け 自家消費制御対応」と称するシステムについて、システム仕様書FL083-17071-01(以下「仕様書01」という。)及び見積書FL083-17071-01-01(以下「見積書01」という。)が、請求人から渡辺藤吉本店に示されたと認められる。
(オ)甲24は、前記(エ)に示した甲21と同様の電子メールであり、その最後のメールは、2018年(平成30年)1月24日14:16に請求人従業者秋葉伸夫から渡辺藤吉本店従業者佐久間裕に宛てたものであり、添付ファイルとして「仕様書_ヤクルト食品工業様向け 出力制御_FL083-17071-02.pdf」、「計測システム図(FL追記).pdf」、「仕様確認シート_ヤクルト食品工業様向け_180124.xlsx」及び「御見積書_ヤクルト食品工業様向け 出力制御_FL083-17071-02-01.pdf」が添付されている。平成30年1月24日は、補助事業工事の工期内である。
甲100は「システム仕様書」であり、注文主が渡辺藤吉本店であり、案件名が「ヤクルト食品工業様向け 自家消費制御対応」であり、案件IDがFL083-17071-02であり、ドキュメントIDがFL083-17071-02-01である(1葉)から、甲24の電子メールに添付された「仕様書_ヤクルト食品工業様向け 出力制御_FL083-17071-02.pdf」を印刷したものと認められる。
甲28は請求人が渡辺藤吉本店に宛てた「システム仕様書(FL083-17071-02)に基づく御見積」(甲28、備考欄)であり、見積No.がFL083-17071-02-01であり、件名が「ヤクルト食品工業様向け 自家消費制御対応」であり、見積日が平成30年1月24日であるから、甲24の電子メールに添付された「御見積書_ヤクルト食品工業様向け 出力制御_FL083-17071-02-01.pdf」を印刷したものと認められる。
以上によれば、補助工事の工期内である平成30年1月24日に、請求人が「ヤクルト食品工業様向け 自家消費制御対応」と称するシステムについて、システム仕様書FL083-17071-02-01(以下「仕様書02」という。)及び見積書FL083-17071-02-01(以下「見積書02」という。)が、請求人から渡辺藤吉本店に示されたと認められる。
(カ)仕様書02及び見積書02の送信(1月24日)の5日後である2018年(平成30年)1月29日9:33に、渡辺藤吉本店従業者佐久間裕から請求人従業者秋葉伸夫に宛てて電子メール(甲29)が送信され、添付ファイルとして「ヤクルト食品工業.pdf」が添付され、本文に「題記注文書送らせていただきます。」とあることから、添付ファイル「ヤクルト食品工業.pdf」は、渡辺藤吉本店が請求人に宛てた注文書であると認められる。
甲30は渡辺藤吉本店が請求人に宛てた「ヤクルト食品工業納め計測制御装置」の注文書であり、甲29の電子メールの送信日と同日の平成30年1月29日に作成されたものであるから、前記電子メールに添付された「ヤクルト食品工業.pdf」を印刷したものと認められる。
よって、平成30年1月29日9:33に、渡辺藤吉本店から請求人に宛てて甲30の注文書が送付されたと認められる。
(キ)甲31の末尾に引用された電子メール(前記第6、1(10)イ)は、平成30年1月29日9:33に送信されたものであり、甲29の電子メールと、差出人、送信日時、宛先、件名及び本文が一致する。そうすると、甲31に示される同日9:38送信の電子メール(前記第6、1(10)ア)は、甲29の電子メールへの返信(以下「甲31返信」という。)であると解される。
甲31返信の本文には、「先週電話でお話させて頂いた金額の御見積書を提出致します。」との記載があり、甲31の当該電子メールには、「見積書_ヤクルト食品工業様向け 出力制御_FL083-17071-03-02.pdf」という添付ファイルが添付されている。
甲32は、請求人が渡辺藤吉本店に宛てた「ヤクルト食品工業様向け出力制御」の見積書であり、見積No.がFL083-17071-03-02であり、見積日付が2018年(平成30年)1月29日となっているから、前記添付ファイル「見積書_ヤクルト食品工業様向け 出力制御_FL083-17071-03-02.pdf」を印刷したものと認められる。
よって、平成30年1月29日9:38に、請求人から渡辺藤吉本店に甲32の見積書(以下「見積書03」という。)が送付されたと認められる。
(ク)仕様書02、見積書02及び見積書03並びに甲30の注文書の関係を整理すると、以下のとおりである。
a 平成30年1月24日14:16に、請求人従業者秋葉伸夫は、仕様書02及び見積書02を渡辺藤吉本店従業者佐久間裕に送付した後、仕様書02及び見積書02に基づいて「ご相談」を電話で行った(甲24、前記第6、1(6)ア)。
その5日後の同年1月29日9:33に甲30の注文書が渡辺藤吉本店従業者佐久間裕から請求人従業者秋葉伸夫に送付されたが、その5分後に、甲31返信とともに見積書03が、請求人従業者秋葉伸夫から渡辺藤吉本店従業者佐久間裕に送付された。
甲31返信には「先週電話でお話させて頂いた金額の御見積書を提出致します。」と記載されており、ここでいう「先週電話でお話させて頂いた」は、前記「ご相談」のことを指している(前記第6、2(2)エ)から、見積書02の送信後の「ご相談」の結果、請求人と渡辺藤吉本店との間では、見積書02とは異なる金額で合意が得られていたと推察される。甲31返信の「ご注文書が先になってしまい申し訳ございません。」との記載は、「ご相談」で合意された内容を反映した見積書03の送付が、甲30の注文書の提出よりも遅くなったことを詫びたものと解される。
そうすると、甲30の注文書は、見積書03(甲32)の内容に基づいた注文であると認められる。
b 見積書03の見積No.はFL083-17071-03-02であり、備考欄に「システム仕様書(FL083-17071-03)に基づく御見積書です」と記載されている(甲32)が、請求人従業者秋葉伸夫の証言によれば、これらはFL083-17071-02の誤記であるから(前記第6、2(2)ウ)、仕様書02に基づく見積書であると認められる。
見積書03にはUSBメモリの型番が「UFD-A4G2BKK」である(甲32)のに対し、仕様書02ではUSBメモリの型番は「MF-MSU3A04GBK」である(甲100の11葉)が、これは、型番MF-MSU3A04GBKのUSBメモリが廃番になったため、相当品であるUFD-A4G2BKKに差し替えた(前記第6、2(2)ア)ための変更であると認められる。
見積書03の「PLC(EtherNet/IPユニット)」は、仕様書02の「PLCnano(イーサネットユニット)」に対応すると認められるが、前者の型番は「KV-NC1EP」であるのに対し、後者の型番は「KV-N1CEP」となっている。これについて、請求人従業者秋葉伸夫は、KV-N1CEPは誤りであり、正しくはKV-NC1EPである旨を証言している(前記第6、2(2)イ)。
その他、見積書03と仕様書02との間に不整合はない。
c 前記a及びbによれば、甲30の注文書は、仕様書02及び見積書03の内容に基づいたものと認められる。
(ケ)甲30の注文書に記載の納入期日は、2018年(平成30年)2月であり、補助事業の実施期間内である(前記(2)イ)。そして、甲30の注文書で納入を求められている品は「ヤクルト食品工業納め計測制御装置」であるから、ヤクルト食品工業太陽光発電設備を構成するものと認められる。
また、「ヤクルト食品工業納め計測制御装置」は、仕様書02によれば、現在の交流電力、本日の交流電力量、現在の消費電力、本日の消費電力量、及び、現在の制御率(甲100、7葉)や、現在の発電電力、日射強度、外気温度、総積算発電電力量などを画面に表示する(甲100、8葉)から、ヤクルト食品工業太陽光発電設備の監視を行う装置であると解される。
以上を踏まえると、請求人が渡辺藤吉本店に納入するよう注文された「ヤクルト食品工業納め計測制御装置」は、ヤクルト食品工業太陽光発電設備の一部をなす「計測監視装置」(前記(ア))であると認められる。
よって、渡辺藤吉本店は、平成30年1月29日9:33に(前記(ク))、請求人に対して、ヤクルト食品工業太陽光発電設備の一部を構成する「計測監視装置」を注文したと認められる。
(コ)前記(ア)~(ケ)によれば、ヤクルト食品工業の補助事業工事を請け負ったマツコーは、同工事を九州機電に下請けに出し、九州機電は、太陽光電池モジュール396枚、パワーコンディショナ10台、直流接続箱、計測監視装置、屋根架台、交流集電箱、表示モニター、出力制御盤及び電線路からなるヤクルト食品工業太陽光発電設備の調達を渡辺藤吉本店に手配させ、渡辺藤吉本店は、その内の計測制御装置を、平成30年1月29日に、請求人に対して注文したと認められる。
イ 請求人が納入した計測監視装置について
請求人が納入した計測監視装置(すなわち「ヤクルト食品工業納め計測制御装置」)については、以下のとおりである。
(ア)甲30の注文書により請求人が納入することになった計測監視装置すなわち「ヤクルト食品工業納め計測制御装置」は、仕様書02の「計測制御装置」(甲100、4葉)ないし「計測・制御システム」(甲100、2葉の赤枠内)のことであると解され、そのハードウェア構成は、DataCube2(型番DC2-01TD)、USBメモリ4GB(型番UFD-A4G2BKK)、PLCnano基本ユニット(型番KV-N24AT)、PLCnano RS485ユニット(型番KV-N11L)、PLCnanoイーサネットユニット(型番KV-NC1EP)、PLCnanoイーサネット用カセット(型番KV-N1)及びPLCnano電源用ケーブル(型番n-power cable)からなる(甲100、11葉、前記ア(ク)b)と認められる。
なお、仕様書02における「PLCnano」は、甲59に示される「KV Nanoシリーズ」のことであると解される。
(イ)甲71によれば、案件FL083-17071の出荷ステータスは、2018年(平成30年)2月1日15:26時点で確定しており、納入日を同年2月5日午前、受取人を新星電機株式会社(以下「新星電機」という。)として、出荷の指示が出ている。
受取人となった新星電機に関し、請求人従業者秋葉伸夫は、「工事にあたり、渡辺藤吉本店から、新星電機株式会社(以下、「新星電機」)に対してDataCube2等を納品するように指示があり、フィールドロジックは、新星電機に対して、DataCube2等を送付しました。」(甲73、2頁)と陳述し、九州機電従業者柿本豊は「渡辺藤吉本店は、盤メーカーである新星電機株式会社(以下、「新星電機」)に対して、DataCube2等を盤に収める業務を発注した上で、盤に収まったDataCube2等を九州機電に納品しました。」(甲79、2頁)と陳述している。(これらの陳述は、請求人が新星電機にDataCube2及びPLCnano基本ユニット等を出荷したとする甲71と整合し、また、以下の(オ)に示すとおり、請求人が出荷したDataCube2及びPLCnano基本ユニットのシリアル番号と、令和元年10月29日時点にヤクルト食品工業に設置されていた盤(収納ボックス、出力制御盤)に納められたDataCube2及びPLCnano基本ユニットのシリアル番号とが一致することとも整合する。)
そして、甲42によれば、「ヤクルト」に関する出荷作業チェック時(第6、1(19)イによれば2月2日)に確認された「DC2」すなわちDataCube2の「S/N」すなわちシリアル番号は、「DC2-01TDA100385」であり、「KV-nano」「N-24T」(KV Nanoシリーズの基本ユニットKV-N24ATのことと解される。)のシリアル番号は、「#9N710697」の番号であった。
以上によれば、請求人は、平成30年2月5日に、シリアル番号が「DC2-01TDA100385」のDataCube2及びシリアル番号が「#9N710697」のKV-N24ATを含む計測監視装置を渡辺藤吉本店の指示により新星電機に納入し、新星電機は、前記DataCube2及び前記KV-N24ATを盤に納めて、九州機電に納品したと認められる。
(ウ)甲91-6は、九州機電がヤクルト食品工業に宛てた平成30年2月1日時点の工程表であり、工事件名が「太陽光発電設備設置工事」であり、工程表には平成30年2月28日まで、すなわち、工期終了までの予定が記載されていることから、該工程表は九州機電が下請けした補助事業工事の工程表と解される。
前記工程表によれば、「出力制御盤取付」、「制御ケーブル布設・結線」、「通信BOX取付、ケーブル結線」及び「構内LANケーブル結線」の作業が平成30年2月9日に予定されていた。これらの作業は、ヤクルト食品工業太陽光発電設備の出力制御に係る機器の設置作業であると解されるから、請求人が同年2月5日に新星電機に納入した計測監視装置(すなわち「ヤクルト食品工業納め計測制御装置」)をヤクルト食品工業に設置する作業であると認められる。
甲37によれば、請求人従業者川上俊太郎は、2018年(平成30年)2月13日に、佐賀県神埼市神埼町城原3860、すなわち、ヤクルト食品工業に「ヤクルト食品工業様向け 出力制御」の現調、すなわち、現場での調整作業を行ったと認められる。
よって、請求人が前記(イ)のとおり納品した計測監視装置は、遅くとも平成30年2月13日までには、九州機電によってヤクルト食品工業に設置されていたと認められる。
(エ)甲33によれば、平成30年2月13日20:56:32に、リビジョン7672のプログラムが「現調後コミット」されている。
また、甲37によれば、作業員「川上さん」(請求人従業者川上俊太郎)が、2018年(平成30年)1月13日に、物件番号FL083-17071、物件名「ヤクルト食品工業様向け 出力制御」の件で、ヤクルト食品工業に作業に赴いたと解される。
加えて、ヤクルト食品工業が請求人に宛てた証明書(甲40)には、「現地調整:2018年2月13日」と記載されている。
よって、平成30年2月13日時点でヤクルト食品工業に設置されていた計測監視装置には、請求人従業者川上俊太郎の現調によって、リビジョン7672のプログラムが転送されたと認められる。
そして、リビジョン7672のプログラムの転送後、実施日(平成30年2月19日)までに「現調後コミット」をしたプログラムは存在しない(甲33)ので、実施日におけるヤクルト食品工業太陽光発電設備の計測監視装置には、リビジョン7672のプログラムが導入されていたと認められる。
(オ)補助事業工事の終了後である令和元年10月29日時点で、ヤクルト食品工業本社には、シリアル番号が「DC2-01TDA100385」のDataCube2と(甲74、8頁)、シリアル番号が「#9N710697」のKV-N24ATがあり(同15頁)、これらのシリアル番号は、請求人が平成30年2月5日に新星電機に出荷したDataCube2及びKV-N24ATのシリアルナンバー(前記(イ))と一致する。
また、前記のDataCube2は「収納ボックス」と呼ばれる盤に格納され(甲74、7頁)、KV-N24ATは「出力制御盤」と呼ばれる盤に格納されている(甲74、13~15頁)。これらは、前記(イ)と整合する。
そして、甲74によれば、KV-24ATと、KV-N1及びKV-NC1EPとが一体となって設置されていることが確認できる(14頁図、15頁上図)ため、請求人は、PLCnano基本ユニットに加えて、PLCnano RS485ユニット(型番KV-N11L)、PLCnanoイーサネットユニット(型番KV-NC1EP)、PLCnanoイーサネット用カセット(型番KV-N1)及びPLCnano電源用ケーブル(型番n-power cable)(以下、これらを「PLCnano一式」という。)をも、新星電機に納入していたと認められる。
(カ)前記(ア)~(オ)によれば、請求人は、平成30年2月5日に、DataCube2及びPLCnano一式からなる計測監視装置を渡辺藤吉本店の指示により新星電機に納入し、新星電機は、計測監視装置を盤に納め、九州機電に納品し、九州機電は、補助事業工事の一環として、盤に収まった計測監視装置をヤクルト食品工業に設置し、請求人は、ヤクルト食品工業に設置された計測監視装置に対して、平成30年2月13日に、リビジョン7672のプログラムを転送し、実施日に至ったと認められる。
ウ ヤクルト食品工業に設置されたその他の設備
ヤクルト食品工業太陽光発電設備は、太陽電池とパワーコンディショナとを備えており(甲74、9葉)、空撮画像によればソーラーパネル(太陽光電池モジュール)が認められ(甲74、4葉)、ヤクルト食品工業敷地内にはPCS(パワーコンディショナ)が備えられている(甲74、10葉~12葉)。
これらは、補助事業工事で設置が求められていた設備(前記ア(ア))と整合するから、補助事業工事はその注文どおりに完了し、ヤクルト食品工業太陽光発電設備は、太陽光電池モジュール396枚、パワーコンディショナ10台、直流接続箱、計測監視装置(DataCube2及びPLCnano一式並びにリビジョン7672のプログラム(前記イ(カ)))、屋根架台、改造されたキュービクル、交流集電箱、表示モニター、出力制御盤及び電線路から構成されると認められる。
エ ヤクルト食品工業太陽光発電設備のハードウェア
請求人が納入した計測監視装置について、以下が認められる。
(ア)仕様書02(甲100)によれば、PLCの「シリアル」(PLCnano RS485ユニットのことと解される)は、「発電電力計測/制御」として、「PCSと通信を行い計測データの取得、発電電力の制御を行う」(4葉右表「シリアルカセット」の欄)から、計測監視装置は、シリアル接続されたPCSすなわちパワーコンディショナを制御して、太陽光電池モジュールの発電電力の制御を行っていると認められる。
(イ)仕様書02(甲100)によれば、計測監視装置(計測制御装置)の出力制御は、「PCSへ出力制御値を送信」することにより行われる(6葉「出力制御」の行)と認められる。
(ウ)補助事業完了実績報告書の別紙2のシステム図(甲45、5~6葉)によれば、ヤクルト食品工業太陽光発電設備は受電盤を備え、受電盤は3φ3W6600V(三相三線6600V)と接続する。受電盤内では、電灯回路及び動力回路の各々が、変圧器を介して接続している。
また、電力技術における技術常識として、キュービクルは6600Vで受電した電力を、100V又は200Vに変圧する設備であるから、前記受電盤は、改造されたキュービクルを構成するものと解される。
(エ)甲59によれば、PLCnano基本ユニット(型番KV-N24AT)は、内蔵時計ICによって、「年、月、日、時、分、秒、曜日」を計時している(表紙、5-251頁)
(オ)前記(ア)~(エ)及び前記ウによれば、ヤクルト食品工業太陽光発電設備は、
太陽光電池モジュール396枚、パワーコンディショナ10台、直流接続箱、計測監視装置、屋根架台、改造されたキュービクル、交流集電箱、表示モニター、出力制御盤及び電線路から構成され、
改造されたキュービクルは受電盤から構成され、
受電盤は、三相三線6600Vの電力を受電し、変圧器で100V又は200Vに変圧して、電灯回路及び動力回路に接続し、
計測監視装置は、DataCube2及びPLCnano一式並びにリビジョン7672のプログラムからなり、
計測監視装置は、シリアル接続されたパワーコンディショナを制御して、太陽光電池モジュールの発電電力を制御するために、パワーコンディショナへ出力制御値を送信し、
PLCnano一式に含まれるPLCnano基本ユニットは、内蔵時計ICによって計時する
ものと認められる。
オ ヤクルト食品工業太陽光発電設備のソフトウェアの内容、その他
(ア)甲36、6~8葉によれば、リビジョン7672の制御値算出処理プログラムは、以下の手順1~手順7ように動作すると解される。
手順1 DM20066が0を超え、かつ、消費電力×制御閾値が0を超える場合、手順2に移り、そうでない場合、制御値及び自給率を0に設定し、プログラムの実行を終了する。
手順2 消費電力×制御閾値/100を算出する(@DM12)。
手順3 PCS総発電電力/消費電力を算出する(@DM16)。
手順4 自給率を(PCSの総発電電力/消費電力)×100に設定し、自給率が100を超えていたら自給率を100に再設定する。
手順5 消費電力×制御閾値/100がPCS定格以上である場合、制御状態を0に設定し、制御値を100に設定して手順7に移り、そうでない場合、手順6に移る。
手順6 制御状態を1に設定する。
手順7 制御値を((消費電力×制御閾値/100)/PCS定格)×100に設定する。
手順5~7によれば、リビジョン7672のプログラムは、以下の動作を行う。
消費電力×(制御閾値/100)がPCS定格以上の場合、制御値を100に設定し、そうでない場合、制御値を消費電力×制御閾値/PCS定格に設定する。
(イ)甲93及び甲94によれば、リビジョン7672のプログラムでは、次の処理がなされている。
DM20054.L = @DM110.L + DM20050.L
(甲93、5頁)
甲36によれば、DM20054は消費電力であり、DM20050はPCSの総発電電力であるから、上記処理は、
消費電力=@DM110+PCSの総発電電力 …(式1)
を計算する処理である。
ヤクルト食品工業太陽光発電設備において、電力供給源は、三相三線6600Vの電力すなわち系統からの買電電力と、太陽光電池モジュールの発電電力すなわちPCSからの発電電力の2つのみである。
そして、ヤクルト食品工業太陽光発電設備における負荷の消費電力は、前記2つの電力供給源から供給される電力の和に等しいことは明らかである。
そうすると、
消費電力=買電電力+PCSの総発電電力 …(式2)
の式が成り立つ。
式1と式2によれば、式1の@DM110は買電電力と解される。
したがって、リビジョン7672のプログラムにおいて、DM20054で表される消費電力は、買電電力とPCS(パワーコンディショナ)の総発電電力との和に設定されると認められる。
(ウ)なお、仕様書02(甲100)においては、「○1で計測した各PCSの電力値合計と○2で計測した消費電力の比較を行う」「需要電力×指定%≧発電電力」「となるように発電電力の制御値を算出」(6葉「制御判定」の行、「○1」及び「○2」は、円で囲まれた数字を表す。)との記載があり、「○2」の行、すなわち、「消費電力の計測」の行には、「買電電力のパルス値を計測」との記載があることから、仕様書02における「消費電力」(「需要電力」と同一と解される。)は、「買電電力」のことであると解される。
他方、実際にヤクルト食品工業太陽光発電設備に導入された計測監視装置の動作は、前記(ア)及び(イ)のとおり、消費電力は売電電力とPCSの総発電電力との和であると認められ、仕様書02から理解される内容と異なる。
この点について、請求人は、第3回口頭審理において、「公然実施発明の認定については、仕様書と納品されたシステムとの双方を一体的に把握すべきである。」旨主張した(第3回口頭審理調書)。しかしながら、本件では、公然実施発明による新規性欠如(無効理由2)、及び、公然実施発明による容易想到性(無効理由1-1、1-2、3-1及び3-2)が無効理由とされている以上、仕様書02の文言から理解される内容ではなく、実施されたものとして前記(ア)及び(イ)のとおり認定するのが妥当である。
(エ)仕様書02(甲100)によれば、制御用閾値は、閾値設定画面に設定してDataCube2を再起動することにより、設定できる(7葉)。
(オ)補助事業完了実績報告書によれば、ヤクルト食品工業太陽光発電設備は、「自家消費用太陽光発電設備」(甲45、2葉)として導入されたものと解され、仕様書02(甲100)においても、ヤクルト食品工業太陽光発電設備が「自家消費型太陽光発電システム」である(2葉)とされているから、ヤクルト食品工業太陽光発電設備は、自家消費型太陽光発電設備であると解される。
カ ヤクルト食品工業太陽光発電設備の構成についての小括
前記エ(オ)及び前記オによれば、ヤクルト食品工業太陽光発電設備として実施された発明は、次のとおりのものと認められる。なお、後の参照の便宜のため、2a~2iに分説し、「構成2a」のようにして参照する。
2a 太陽光電池モジュール396枚、パワーコンディショナ10台、直流接続箱、計測監視装置、屋根架台、改造されたキュービクル、交流集電箱、表示モニター、出力制御盤及び電線路から構成されたヤクルト食品工業太陽光発電設備であって、
2b 改造されたキュービクルは受電盤から構成され、
2c 受電盤は、三相三線6600Vの電力を受電し、変圧器で100V又は200Vに変圧して、電灯回路及び動力回路に接続し、
2d 計測監視装置は、DataCube2及びPLCnano一式並びにリビジョン7672のプログラムからなり、
2e 計測監視装置は、シリアル接続されたパワーコンディショナを制御して、太陽光電池モジュールの発電電力を制御するために、パワーコンディショナへ出力制御値を送信し、
2f PLCnano一式に含まれるPLCnano基本ユニットは、内蔵時計ICによって計時し、
2g リビジョン7672のプログラムは、消費電力×(制御閾値/100)がパワーコンディショナの定格以上の場合、制御値を100に設定し、そうでない場合、制御値を消費電力×制御閾値/パワーコンディショナの定格に設定し、消費電力は、買電電力とパワーコンディショナの総発電電力との和であり、
2h 制御用閾値は、閾値設定画面に設定してDataCube2を再起動することにより、設定できる
2i 自家消費型太陽光発電設備であるヤクルト食品工業太陽光発電設備。
(4)ヤクルト食品工業太陽光発電設備の実施の公然性
ヤクルト食品工業は、マツコー、九州機電、渡辺藤吉本店及び請求人との間で、ヤクルト食品工業太陽光発電設備についての制御の技術内容について、秘密保持契約を締結しておらず、また、該制御を司る計測監視装置に格納されているプログラムの解析を禁止されてもいない(甲75)から、不特定多数の者が、ヤクルト食品工業に照会するなどして、ヤクルト食品工業太陽光発電設備の内容を知り得る状態であったと認められる。
よって、前記(3)カに示した発明(以下「公然実施発明」という。)の実施(前記(2)ウ)は、公然と行われたと認められる。
なお、被請求人は、実施の公然性を否定する主張をする(前記第5、1(4))が、ヤクルト食品工業太陽光発電設備の内容が秘密であったことを伺わせる証拠は存在しない。また、被請求人は、公然実施発明に関する甲号証の実質的証拠力は低いと主張し(前記第5、1(2))、公然実施発明の立証が不十分であると主張する(前記第5、1(3))が、ヤクルト食品工業太陽光発電設備に係る発明の実施、その構成及びその実施の公然性は、いずれも甲号証並びに請求人従業者川上俊太郎及び同秋葉伸夫の証言から整合的に認定できるため、公然実施発明に関する甲号証の実質的証拠力は十分であり、その立証は十分であると認められる。
3 甲4技術の認定
甲4の記載(前記第6、1(3))によれば、甲4には次の技術(以下「甲4技術」という。)が記載されていると認められる。
制限期間において、電力を有効に活用することのできる管理装置であって、([0010])
電気事業者は、発電設備からの出力を制限すべき制限期間(時間帯)を計画すると、その制限期間における制限内容(出力の上限)を含む制限情報を作成し、作成した制限情報を、ネットワークを介して、発電設備に提供し、([0008])
ホームシステム1は、電力を発電する発電設備10と、住居H内で電力を消費する機器20と、住居H内に供給される電力を遮断するブレーカ30と、住居H内で消費や発電される電力を計測する電力計測装置40と、ホームシステム1全体を制御する管理装置50と、ユーザに使用される端末装置60とを備え、([0015])
発電設備10は、発電モジュール11、及び、パワーコンディショナ12備え、([0019])
ホームシステム1は、宅外ネットワークN2を介して、住居H外に配置されたサーバ70と通信可能となっており、サーバ70は、発電設備10から電力の出力を制限すべき制限期間を含む制限情報71を記憶しており、制限情報71は、管理装置50から適宜読み出され、([0018])
制限期間において、自家消費(買電)が発生している場合には、パワーコンディショナ12は、その自家消費分まで電力を出力できることが認められており、([0024])
発電設備10から出力される電力PG、機器20にて消費される電力PLとし、([0024])
制限期間(9時~15時)において、電力PLが上限値(線Lp)を下回っている時間帯では、パワーコンディショナ12は、上限値となる2kWまで電力PGを出力し、その後、電力PLが上限値を上回ると、パワーコンディショナ12は、電力PLと同じ電力値まで増加させて電力PGを出力する([0026])
管理装置。
4 本件発明2と甲1発明との対比
無効理由1-1及び無効理由1-2について判断するために、本件発明2と甲1発明とを対比する。
(1)発明特定事項2A1について
甲1発明の「太陽電池モジュール1」及び「パワーコンディショナ2」(及び「パワーコンディショナ」)は、それぞれ、本件発明2の「太陽電池」及び「パワーコンディショナ」に相当する。
甲1発明の「パワーコンディショナ2」は、「太陽電池モジュール1が発電した直流電力を交流電力へ変換し、この交流電力を出力」するもの(構成1d)であり、「出力制御情報15」によって「出力抑制を実施」するもの(構成1h)であるから、太陽電池モジュール1が発電した電力を制御すると解される。
他方、本件発明2の「パワーコンディショナ」(実施形態の「PCS2」に対応する。)は、本件明細書に「PCS2は、太陽電池1のI-V特性に従って太陽電池1の発電電力を制御することができ、例えばMPPT法により発電電力が最大となるように制御することができる。」(【0021】)と記載されているように、太陽電池それ自体の発電電力を制御するものを包含すると解される。
そうすると、本件発明2の「パワーコンディショナ」と甲1発明の「パワーコンディショナ」とは、「太陽電池からの発電電力を制御するパワーコンディショナ」である点で共通するが、本件発明2の「パワーコンディショナ」が制御する対象は「太陽電池の発電電力」すなわち太陽電池が発電する電力それ自体を包含するのに対し、甲1発明の「パワーコンディショナ2」が制御する対象は、太陽電池が発電した電力であるものの、太陽電池が発電する電力それ自体を含むか否かは不明である点で相違する。
(2)発明特定事項2A2について
甲1発明の「分電盤3と商用電源10との接続点」(構成1b3)は、商用電源10の受電を行う部分であると解され、「分電盤3と商用電源10との接続点」は、「分電盤3」に含まれる(構成1c)から、甲1発明の「分電盤3」は、本件発明2の「受変電部」に対応し、両者は「受電部」である点で一致する。
甲1発明では、「パワーコンディショナ2」と「負荷8」とは「分電盤3を解して」接続されている(構成1b2)から、「分電盤3」は「負荷8」に接続されている。
よって、本件発明2の「受変電部」と甲1発明の「分電盤3」とは、「負荷に接続された受電部」である点で共通するが、本件発明2の「受変電部」は「変電」の機能を有しているのに対し、甲1発明の「分電盤3」は変電の機能を有していない点で相違する。
(3)発明特定事項2A3について
甲1発明の「パワーコンディショナ2、表示ユニット4、計測ユニット7およびルーター5」は「同一の筐体内に配置され」る(構成1e)から、1つの装置(以下「計測ユニット等」という。)であると解される。
甲1発明の「計測ユニット7」は、「出力抑制情報15をパワーコンディショナ2に出力することでパワーコンディショナ2に出力抑制を実施させる制御機器であ」り(構成1h)、「出力制御情報15」に含まれる「抑制量」は、パワーコンディショナ2がこれ以上の発電電力を出力しないように制御する(構成1i)から、「計測ユニット7」はパワーコンディショナ2の出力の上限値を制御していると解される。
そうすると、甲1発明の「計測ユニット等」は、パワーコンディショナ2の出力の上限値を制御する発電制御装置であるといえるので、本件発明2の「発電制御装置」と甲1発明の「計測ユニット等」とは、「前記パワーコンディショナの出力の上限値を制御する1つの発電制御装置」である点で一致する。
そして、甲1発明の「計測ユニット7」は「分電盤3と商用電源10との接続点における電流および電圧を計測し」(構成1b3)、「電流計測値および電圧計測値から電力を算出」する(構成1f)から、分電盤3と商用電源10との接続点における電力を取得していると解される。
以上によれば、本件発明2の「発電制御装置」と甲1発明の「計測ユニット等」とは、「電力を取得すると共に前記パワーコンディショナの出力の上限値を制御する1つの発電制御装置」である点で共通するが、本件発明2の「発電制御装置」が取得する電力は「前記負荷の消費電力」であるのに対し、甲1発明で取得される電力は、分電盤3と商用電源10との接続点における電力である点で相違する。
(4)発明特定事項2A及び2Eについて
甲1発明は「太陽光発電システム」である(構成1a)が、「制御機器」としての「計測ユニット7」により「パワーコンディショナ2」の出力抑制を実施する(構成1h)から、全体として発電制御システムとなっている。
そして、甲1発明の「太陽光発電システム」は、「パワーコンディショナ2」と、「分電盤3」と、「パワーコンディショナ2、表示ユニット4、計測ユニット7およびルーター5」を同一の筐体内に配置してなる1つの装置」とを備えている(構成1b2、1b3、1e)。
よって、本件発明2の「発電制御システム」と甲1発明の「太陽光発電システム」とは、「パワーコンディショナ」と、「受電部」と、「1つの発電制御装置」と、を備える「発電制御システム」である点で共通する。
(5)発明特定事項2B及び2B1について
甲1発明の「計測ユニット7」は、「出力抑制情報15をパワーコンディショナ2に出力することでパワーコンディショナ2に出力抑制を実施させ」(構成1h)、「出力制御情報15の「抑制量」は時間帯毎に変更可能であ」る(構成1j)から、甲1発明の「パワーコンディショナ2」又は「計測ユニット7」は、時間帯毎に設定された抑制量に従ってパワーコンディショナ2の出力抑制を実現するために、計時部を備えることが明らかである。
また、「計測ユニット等」が演算処理部を有することは明らかである。
そうすると、本件発明2の「発電制御装置」と甲1発明の「計測ユニット等」とは、「少なくとも演算処理部及び計時部を備え」る点で一致する。
(6)発明特定事項2B及び2B2について
甲1発明の「出力抑制情報15」の「抑制量」は、「パワーコンディショナ2の定格出力に対する割合で与えられ」、「パワーコンディショナ2はこれ以上の発電電力を出力しないように制御され」る(構成1i)のであるから、本件発明2の「出力指令値」に相当する。
しかし、甲1発明の「抑制量」は、「電力会社により設置された指令所から」取得した「出力抑制情報15」に含まれる(構成1i)ものであって、算出されるものではない。
よって、本件発明2の「発電制御装置」と甲1発明の「計測ユニット等」とは、「出力指令値を得」る点で共通するが、本件発明2の「出力指令値」は「前記発電電力の上限値を、前記発電電力の上限値と前記消費電力との差分が前記消費電力の一次関数となるよう設定して」「算出」されるのに対し、甲1発明の「抑制量」は、「パワーコンディショナ2の定格出力に対する割合で与えられ」(構成1i)、「電力会社により設置された指令所から」「取得」される(構成1g)点で相違する。
(7)発明特定事項2Cについて
甲1発明では、「出力抑制情報15をパワーコンディショナ2に出力することでパワーコンディショナ2に出力抑制を実施させ」(構成1h)、「出力制御情報15」に含まれる「抑制量」は、パワーコンディショナ2がこれ以上の発電電力を出力しないように制御する(構成1i)から、「抑制量」に基づいてパワーコンディショナ2は太陽電池が発電した電力が上限値以下となるよう制御している。
また、甲1発明の出力抑制は、「逆潮流を抑制するものであればよ」い(構成1k)のだから、逆潮流を回避するために行っていると解される。
よって、本件発明2と甲1発明とは、「前記出力指令値に基づいて前記パワーコンディショナは前記発電電力が前記上限値以下となるよう制御することで逆潮流を回避」する点で共通する。
(8)発明特定事項2Dについて
本件発明2の「一次関数の一次係数」は、発電電力の上限値を定めるために使用される値である(発明特定事項2B2、2D)。
甲1発明の「抑制量」は、発電電力の上限値を定めるために使用される値である(構成1i)。
そうすると、甲1発明の「抑制量」は本件発明2の「一次係数」に対応し、両者は「発電電力の上限値を定めるために使用される値」である点で共通する。
そして、甲1発明では、「抑制量」を「時間帯毎に変更可能であ」る(構成1j)。
以上によれば、本件発明2と甲1発明とは、「前記発電電力の上限値を定めるために使用される値は、前記計時部の計時機能を用いて時間帯毎に変更可能である」点で共通するが、本件発明2で時間帯毎に変更可能な値は「前記一次関数の一次係数」であるのに対し、甲1発明では「抑制量」である点で相違する。
(9)一致点及び相違点
前記(1)~(8)によれば、本件発明2と甲1発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。
〈一致点〉
「太陽電池からの発電電力を制御するパワーコンディショナと、負荷に接続された受電部と、
電力を取得すると共に前記パワーコンディショナの出力の上限値を制御する1つの発電制御装置と、を備え、
前記発電制御装置は少なくとも演算処理部及び計時部を備え、出力指令値を得、
前記出力指令値に基づいて前記パワーコンディショナは前記発電電力が前記上限値以下となるよう制御することで逆潮流を回避し、
前記発電電力の上限値を定めるために使用される値は、前記計時部の計時機能を用いて時間帯毎に変更可能であることを特徴とする発電制御システム。」である点。
〈相違点1-1〉
本件発明2のパワーコンディショナが制御する対象は、「太陽電池の発電電力」すなわち太陽電池が発電する電力それ自体を包含するのに対し、甲1発明のパワーコンディショナ2が制御する対象は、太陽電池が発電した電力であるものの、太陽電池が発電する電力それ自体を含むか否かは不明である点。
〈相違点1-2〉
本件発明2は「受変電部」を備えるのに対し、甲1発明の「分電盤3」は、受電はするが、「変電」の機能を有していない点。
〈相違点1-3〉
本件発明2の発電制御装置が取得する電力は「前記負荷の消費電力」であるのに対し、甲1発明で取得される電力は、分電盤3と商用電源10との接続点における電力である点。
〈相違点1-4〉
本件発明2の「出力指令値」は、「前記発電電力の上限値を、前記発電電力の上限値と前記消費電力との差分が前記消費電力の一次関数となるよう設定して」「算出」されるのに対し、甲1発明の「抑制量」は、「パワーコンディショナ2の定格出力に対する割合で与えられ」、「電力会社により設置された指令所から」「取得」される点。
これに付随し、本件発明2で時間帯毎に変更可能な値は「前記一次関数の一次係数」であるのに対し、甲1発明では「抑制量」である点。
5 相違点1-3についての判断
甲1発明は、系統崩壊を回避することを目的としたものであって(構成1a)、パワーコンディショナ2の出力抑制を指示する「出力抑制情報15」は一例として「電力会社により設置された指令所」から取得される(構成1g)ものであるから、甲1発明の「出力抑制情報15」は、系統を管理する側が決めるものであって、個々の需要家が各自の消費電力を考慮して決めるものではない。
また、甲1発明は、「パワーコンディショナ2の発電電力を負荷8に供給することなく、発電電力を全て商用電源10に供給する」「全量買い取り方式」への適用を排除していない(【0015】)から、負荷の消費電力を測定して取得する必要がない。
さらに、甲1発明は、「逆潮流が発生しているのか否かを判定する」ために「計測ユニット7は、電流計測値および電圧計測値から電力を算出し」ている(構成1f)が、当該電流計及び電圧計は「分電盤3と商用電源10との接続点における電流および電圧を計測する」ものであって(構成1b3)、当該接続点の電力さえ測定できれば逆潮流の有無は判定できるのであるから、当該接続点以外の電力、例えば負荷の消費電力を測定する必要がない。
以上によれば、甲1発明において、負荷の消費電力を取得する動機付けはないから、当業者といえども、相違点1-3に係る発明特定事項2A3の構成は、甲1発明から容易に想到し得たものではない。
6 相違点1-4についての判断
前記5のとおり、甲1発明において負荷の消費電力を取得する動機付けがない以上、甲1発明の「抑制量」を作成するために、負荷の消費電力を用いることも、当業者といえども容易に想到し得たことではない。
仮に、甲1発明が負荷の消費電力を取得していたとしても、甲1発明の「抑制量」は、系統崩壊を回避することを目的としたものであり、系統を管理する側(例えば、「電力会社により設置された指令所」)が「特異日」(【0004】)等を考慮して作成した「出力制御情報15」として与えられることを前提としているから、甲1発明においては、需要家に備わる「計測ユニット等」が「抑制量」を算出するよう構成する動機付けが存在しない。
さらに、甲1発明の出力抑制に用いられる「抑制量」は、「パワーコンディショナ2の定格出力に対する割合で与えられ」る(構成1i)ものであって、この割合に従ってパワーコンディショナ2を制御することが想定されているのだから、「抑制量」とは別にパワーコンディショナ2を制御するための値を改めて「算出」する必要がない。
加えて、甲1発明の出力抑制は、「逆潮流を抑制するものであればよく、計測ユニット7の電流および電圧の計測により逆潮流が発生しないと判定された場合には、計測ユニット7は、パワーコンディショナ2に出力抑制を低減しまたは停止する指令を送信することができる」もの(構成1k)であるから、分電盤3と商用電源10との接続点における電力が測定されてさえいれば、「抑制量」による抑制が例え不十分であったとしても逆潮流が抑制できる。そうすると、甲1発明の抑制量を、発電電力の上限値と消費電力との差分が消費電力の一次関数になるよう設定して算出する必要性は存在しない。
以上によれば、甲1発明の「計測ユニット等」が「負荷の消費電力」を用いて「抑制量」を「算出」する動機付けはないから、当業者といえども、相違点1-4に係る発明特定事項2B及び2B2の構成は、甲1発明から容易に想到し得たものではない。
7 請求人の主張についての判断
本件発明の甲1発明からの容易想到性に関する請求人の主張について、以下、検討する。
(1)公然実施発明との組み合わせの動機付けについて
ア 請求人は、概略、次のように主張する。
甲1発明及び公然実施発明は、共に、逆潮流を回避するという点で、同一の目的を有するから、甲1発明に公然実施発明を適用する動機付けは存在し、また、その適用について、特段の阻害要因も存在しない。(請求書135頁)
イ しかしながら、甲1発明は、前記5及び6に示したように、負荷の消費電力を測定して取得することや、計測ユニット等が負荷の消費電力を用いて抑制量を算出することについて、動機付けが存在しない。これは、公然実施発明の存在に左右されない。
したがって、請求人の主張は採用できない。
(2)技術常識の考慮について
ア 請求人は、概略、以下のように主張する。
甲2-1に示される技術常識を考慮すると、「出力制御スケジュールをIDにて判別することにより、需給状況に応じた細かな出力制御を実現する」(9頁)のだから、甲1発明の「出力抑制情報15」は、需給状況を予測して、逆潮流が発生しないように、個別のIDで管理されている太陽光発電所に、送信される出力制御スケジュールであると解される。
したがって、合議体の暫定的見解、すなわち、「「出力制御情報15」を消費電力の一次関数として計算することは想定されていない。むしろ、消費電力ではなく逆潮流を検出することによって、逆潮流が発生しない範囲で「出力抑制を低減しまたは停止する指令」を出すようにしている」との見解は、明らかに間違いである。(請求人陳述要領書(1)12頁)
イ しかしながら、甲2-1は、「パターンA 0%制御」、「パターンB 部分制御」及び「パターンC 出力制御なし」の3つのパターンに各発電所を割り当てることを開示するのみであり、各発電所が自身の消費電力に基づいて独自の出力抑制を行うことを開示するものではない。よって、甲2-1でいう「需給状況に応じた細やかな出力制御」は、抑制量を各自の消費電力から算出することを意味するのではなく、3パターンの出力制御のうち、どのパターンの出力制御を行わせるかを、系統管理者側が定めることを意味しているに過ぎない。
そうすると、甲2-1に示される技術常識を考慮したとしても、甲1発明の「抑制量」は系統管理者側が定めるものに過ぎず、需要家が自身の消費電力に基づいて算出するものにはなり得ない。
したがって、請求人の主張は採用できない。
8 本件発明6と甲1発明との対比
無効理由1-1について判断するために、本件発明6と甲1発明とを対比する。
(1)発明特定事項6A及び6Gについて
甲1発明の「太陽電池モジュール1」及び「パワーコンディショナ2」は、それぞれ、本件発明6の「太陽電池」及び「パワーコンディショナ」に相当する。
前記4(3)に示したように、甲1発明の「計測ユニット等」は、同一の筐体内に配置されていると解されるから、本件発明6の「発電制御装置」に相当する。
前記4(3)に示したように、甲1発明の「計測ユニット7」はパワーコンディショナ2の出力の上限値を制御しており、前記4(1)に示したように、甲1発明の「パワーコンディショナ2」は、太陽電池モジュール1が発電した電力を制御しているから、本件発明6の「発電制御装置」と甲1発明の「計測ユニット等」とは、「太陽電池からの発電電力の上限値を制御する」「1つの発電制御装置」である点で共通する。
そして、甲1発明の「計測ユニット等」は、「パワーコンディショナ2」と同一の筐体内に配置されており、「パワーコンディショナ2」の電力を制御しているから、「計測ユニット等」と「パワーコンディショナ2」とは接続されていると解される。
以上によれば、本件発明6の「発電制御装置」と甲1発明の「計測ユニット等」とは、「太陽電池からの発電電力の上限値を制御するパワーコンディショナに接続される1つの発電制御装置であ」る点で共通するが、本件発明6の「発電制御装置」が制御する対象は「太陽電池の発電電力の上限値」すなわち太陽電池が発電する電力の上限値それ自体を包含するのに対し、甲1発明の「計測ユニット等」が制御する対象は、太陽電池が発電した電力の上限値であるものの、太陽電池が発電する電力の上限値それ自体を含むか否かは不明である点で相違する。
(2)発明特定事項6Bについて
前記4(5)と同様に、本件発明6の「発電制御装置」と甲1発明の「計測ユニット等」とは、「少なくとも演算処理部及び計時部を備え」る点で一致する。
(3)発明特定事項6Cについて
前記4(3)と同様に、本件発明6の「発電制御装置」と甲1発明の「計測ユニット等」とは、「電力を取得する」点で共通するが、本件発明6の「発電制御装置」が取得する電力は「太陽電池の発電電力と前記負荷の消費電力」であるのに対し、甲1発明で取得される電力は、分電盤3と商用電源10との接続点における電力である点で相違する。
(4)発明特定事項6Dについて
甲1発明の「計測ユニット等」は演算処理部を備えている(前記(2))ことを考慮すると、前記4(6)と同様に、本件発明6の「発電制御装置」と甲1発明の「計測ユニット等」とは、「演算処理部を用いて」「パワーコンディショナの出力指令値を得」る点で共通するが、本件発明6の「出力指令値」は「前記発電電力の上限値を、前記発電電力の上限値と前記消費電力との差分が前記消費電力の一次関数となるよう設定して」「算出」されるのに対し、甲1発明の「抑制量」は、「電力会社により設置された指令所から」「取得」される(構成1g)点で相違する。
(5)発明特定事項6Eについて
前記4(7)と同様に、本件発明6と甲1発明とは、「前記出力指令値に基づいて前記パワーコンディショナは前記発電電力が前記上限値以下となるよう制御することで逆潮流を回避」する点で共通する。
(6)発明特定事項6Fについて
前記4(8)と同様に、本件発明6と甲1発明とは、「前記発電電力の上限値を定めるために使用される値は、前記計時部の計時機能を用いて時間帯毎に変更可能である」点で共通するが、本件発明6で時間帯毎に変更可能な値は「前記一次関数の一次係数」であるのに対し、甲1発明では「抑制量」である点で相違する。
(7)一致点及び相違点
前記(1)~(6)によれば、本件発明6と甲1発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。
〈一致点〉
「太陽電池からの発電電力の上限値を制御するパワーコンディショナに接続される1つの発電制御装置であって、
前記発電制御は装置少なくとも演算処理部及び計時部を備え、
電力を取得すると共に、
前記演算処理部を用いてパワーコンディショナの出力指令値を得、
前記出力指令値に基づいて前記パワーコンディショナは前記発電電力が前記上限値以下となるよう制御することで逆潮流を回避し、
前記発電電力の上限値を定めるために使用される値は、前記計時部の計時機能を用いて時間帯毎に変更可能であることを特徴とする発電制御装置。」である点。
〈相違点1-5〉
本件発明6の発電制御装置が制御する対象は、「太陽電池の発電電力の上限値」すなわち太陽電池が発電する電力それ自体を包含するのに対し、甲1発明の計測ユニット等が制御する対象は、太陽電池が発電した電力であるものの、太陽電池が発電する電力それ自体を含むか否かは不明である点。
〈相違点1-6〉
本件発明6の発電制御装置が取得する電力は「太陽電池の発電電力と前記負荷の消費電力」であるのに対し、甲1発明で取得される電力は、分電盤3と商用電源10との接続点における電力である点。
〈相違点1-7〉
本件発明6の「出力指令値」は、「前記発電電力の上限値を、前記発電電力の上限値と前記消費電力との差分が前記消費電力の一次関数となるよう設定して」「算出」されるのに対し、甲1発明の「抑制量」は、「パワーコンディショナ2の定格出力に対する割合で与えられ」、「電力会社により設置された指令所から」「取得」される点。
これに付随し、本件発明6で時間帯毎に変更可能な値は「前記一次関数の一次係数」であるのに対し、甲1発明では「抑制量」である点。
9 相違点1-6及び1-7についての判断
相違点1-6は相違点1-3と同じく「負荷の消費電力」の取得の有無に係るものであり、相違点1-7は相違点1-4と同じく「発電制御装置」が「負荷の消費電力」を用いて「出力指令値」を「算出」するか否かに係るものであるから、前記5~7と同様である。
したがって、相違点1-6及び1-7に係る発明特定事項6C及び6Dの構成は、当業者といえども、甲1発明から容易に想到し得たものではない。
10 無効理由1-1及び1-2についての小括
前記5~7及び9のとおりであるから、その他の相違点について検討するまでもなく、本件発明2及び6は、当業者が甲1発明並びに公然実施発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものとは認められない。
また、本件発明3~5は、いずれも、本件発明2の発明特定事項を全て備え、さらに別の発明特定事項(発明特定事項3A、4A及び5A)を備えるものであるから、本件発明3~5と甲1発明との間には少なくとも前記4(9)に示した相違点1-3及び1-4が存在する。よって、本件発明3~5は、いずれも、当業者が甲1発明並びに公然実施発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものとは認められない。
以上によれば、本件発明は、いずれも、特許法29条2項の規定には該当しないため、無効理由1-1及び1-2には理由がない。
11 本件発明2と公然実施発明との対比
無効理由2、3-1及び3-2について判断するために、本件発明2と公然実施発明とを対比する。
(1)発明特定事項2A1について
公然実施発明の「太陽光電池モジュール」及び「パワーコンディショナ」は、それぞれ、本件発明2の「太陽電池」及び「パワーコンディショナ」に相当する。
公然実施発明は「計測監視装置は、パワーコンディショナを制御して、太陽光電池モジュールの発電電力を制御する」(構成2e)から、パワーコンディショナが制御されることにより、太陽光電池モジュールの発電電力が制御されると解され、結局のところ、計測監視装置は直接的にはパワーコンディショナのみを制御し、その制御の結果、パワーコンディショナは太陽光電池モジュールの発電電力を制御していると認められる。
そうすると、公然実施発明の「パワーコンディショナ」は、本件発明2の「太陽電池の発電電力を制御するパワーコンディショナ」に相当する。
(2)発明特定事項2A2について
公然実施発明の「受電盤」は、「三相三線6600Vの電力を受電し」、「変圧器で100V又は200Vに変圧」する(構成2c)から、受変電部といえる。
公然実施発明の「電灯回路」及び「動力回路」には、電灯及び電動機等が接続されると解され、電灯及び電動機等は負荷であるから、公然実施発明の「電灯回路及び動力回路に接続」する「受電盤」(構成2c)は、負荷に接続された受電盤といえる。
そうすると、本件発明2の「受変電部」と公然実施発明の「受電盤」とは、「負荷に接続された受変電部」である点で一致する。
(3)発明特定事項2A3について
以下のア~キのとおりである。
ア 公然実施発明の「計測監視装置」は、「パワーコンディショナを制御して、太陽電池モジュールの発電電力を制御」する(構成2e)から、本件発明2の「発電制御装置」に相当する。
イ 公然実施発明の「計測監視装置」を構成するリビジョン7672のプログラムは、制御値の算出の際に「買電電力とパワーコンディショナの総発電電力との和」である「消費電力」(構成2g)、つまり、負荷の消費電力を用いている。
よって、本件発明2の「発電制御装置」と公然実施発明の「計測監視装置」とは、「前記負荷の消費電力を取得する」点で一致する。
ウ 公然実施発明のリビジョン7672のプログラムは、「消費電力×(制御閾値/100)がパワーコンディショナの定格以上の場合、制御値を100に設定し、そうでない場合、制御値を消費電力×制御閾値/パワーコンディショナの定格に設定」する(構成2g)。
ここで、消費電力をS、制御閾値を100で除したもの(百分率ではなく全量を1として表したもの)をa、パワーコンディショナの定格をR、制御値を100で除したもの(百分率ではなく全量を1として表したもの)をcとすると、公然実施発明は、
aS≧Rの場合、c=1
aS<Rの場合、c=aS/R、
すなわち、
aS/R≧1の場合、c=1
aS/R<1の場合、c=aS/R
となるように制御が行われる。
エ 前記ウに示した関係から、
c≦min(1,aS/R) …(式3)
となる。なお、min(x,y)は、xとyのうち小さい方の値を取る。
式3の各辺にパワーコンディショナの定格Rを乗ずると、
cR≦min(R,aS) …(式4)
となる。
Rはパワーコンディショナの定格であるから、パワーコンディショナが出力できる最大の電力である。
そうすると、式4左辺のcRのcは、パワーコンディショナの定格出力Rに対する出力の比率であり、cを百分率で表した「制御値」は、出力をパワーコンディショナの定格出力の何%とするかを制御する値であると認められる。
オ 以下、パワーコンディショナが実際に出力する電力をpで表す。
「制御値」によってパワーコンディショナの出力をcRに制御された場合(式4)、日照不足などにより実際の出力電力pがcRに満たない場合があり得るが、pがcRを超える(制御に反する)ことはないから、
p≦cR≦min(R,aS) …(式5)
となる。
min関数の定義から明らかにmin(R,aS)≦aSが成立するから、式5より、
p≦cR≦min(R,aS)≦aS …(式6)
となる。
式6によれば、pはaSに一致することはあっても、pがaSを超えることはないから、aSはpの上限値である。よって、aSは発電電力の上限値ということができ、これをPで表すと、
p≦P=aS …(式7)
となる。
カ 前記オで示した公然実施発明の発電電力の上限値Pは、本件発明2の「発電電力の上限値」に相当するから、前記ウ~オによれば、本件発明2の「発電制御装置」と公然実施発明の「計測監視装置」とは、「前記パワーコンディショナの出力の上限値を制御する」点で一致する。
キ 前記イ及びカによれば、本件発明2の「発電制御装置」と公然実施発明の「計測監視装置」とは、「前記負荷の消費電力を取得すると共に前記パワーコンディショナの出力の上限値を制御する発電制御装置」である点で共通するが、本件発明2の「発電制御装置」は「1つの」ものであるのに対し、公然実施発明の「計測監視装置」は、「DataCube2及びPLCnano一式」、すなわち、複数の装置からなる点で相違する。
(4)発明特定事項2A及び2Eについて
公然実施発明の「ヤクルト食品工業太陽光発電設備」は、「太陽光電池モジュール396枚、パワーコンディショナ10台、直流接続箱、計測監視装置、屋根架台、改造されたキュービクル、交流集電箱、表示モニター、出力制御盤及び電線路から構成され」ている(構成2a)から、システムであると認められる。
公然実施発明の「ヤクルト食品工業太陽光発電設備」は、「太陽光電池モジュールの発電電力を制御」する「計測監視装置」を含むから、発電制御をしている。
そうすると、本件発明2の「発電制御システム」と公然実施発明の「ヤクルト食品工業太陽光発電設備」とは、「パワーコンディショナ」と、「受変電部」と、「発電制御装置」とを備える「発電制御システム」である点で一致する。
(5)発明特定事項2B及び2B1について
公然実施発明の「計測監視装置」を構成する「PLCnano一式」に含まれる「PLCnano基本ユニット」は、「内部時計ICによって計時」するから、「計測監視装置」は「内部時計IC」を備えており、公然実施発明の「内部時計IC」は本件発明2の「計時部」に相当する。
また、公然実施発明の「計測監視装置」は「リビジョン7672のプログラム」を実行すると認められるから、演算処理部を備えていると認められる。
よって、本件発明2の「発電制御装置」と公然実施発明の「計測監視装置」とは、「少なくとも演算処理部及び計時部を備え」る点で一致する。
(6)発明特定事項2B2について
以下のア~ウのとおりである。
ア 式7(前記(3)オ)のP=aSの両辺に-1を乗じ、両辺にSを加えると、
S-P=(1-a)S …(式8)
となるから、公然実施発明は、発電電力の上限値Pを、発電電力の上限値Pと消費電力Sとの差分(S-P)が、消費電力Sの一次関数(1-a)Sとなるように設定している。
イ 公然実施発明の「制御値」を100で除したcは、前記(3)ウに示したように、aS/R≧1の場合に1として算出され、aS/R<1の場合にaS/Rとして算出されるから、式8の関係を満たすように発電電力の上限値P(=aS)を設定した上で、前記(3)ウのように算出される。
ウ 前記ア及びイによれば、公然実施発明の「制御値」(cの100倍)は、発電電力の上限値Pを、発電電力の上限値Pと消費電力Sとの差分(S-P)が、消費電力Sの一次関数(1-a)Sとなるように設定した上で、aS/R≧1の場合に100として算出され、aS/R<1の場合に(aS/R)×100として算出される。
よって、本件発明2の「発電制御装置」と公然実施発明の「計測監視装置」とは、「前記発電電力の上限値を、前記発電電力の上限値と前記消費電力との差分が前記消費電力の一次関数となるよう設定して出力指令値を算出」する点で一致する。
(7)発明特定事項2Cについて
公然実施発明は、自家消費型太陽光発電設備である(構成2i)から、太陽光発電モジュールで発電された電力は、全て負荷で消費されなければならない。
式7(前記(3)オ)のとおり、P=aSであり、Pは発電電力の上限値、Sは消費電力を表すから、発電電力が全て負荷で消費されるためには、a≦1でなければならない。
そうすると、式7から、
p≦P=aS≦S
となるから、パワーコンディショナの実際の出力電力pは、消費電力Sを超えることがないため、余剰電力として系統に逆潮流することがない。
したがって、前記(6)ウ及び前記(1)も考慮すると、本件発明2と公然実施発明とは、「前記出力指令値に基づいて前記パワーコンディショナは前記発電電力が前記上限値以下となるよう制御することで逆潮流を回避」する点で一致する。
(8)発明特定事項2Dについて
式8(前記(6)ア)に示したように、S-PはSの一次関数(1-a)Sとして表される。このとき、1-aは前記一次関数の一次係数である。
ここで、公然実施発明の「制御閾値」を100で除したものはaである(前記(3)ウ)から、前記一次係数1-aは、「制御閾値」によって定まる。
そして、公然実施発明の「制御用閾値」(制御閾値)は、「閾値設定画面に設定してDataCube2を再起動することにより、設定できる」(構成2h)から、変更可能である。
そうすると、本件発明2と公然実施発明とは、「前記一次関数の一次係数は、変更可能である」点で共通するが、本件発明2の一次係数の変更は、「前記計時部の計時機能を用いて時間帯毎に」可能であるのに対し、公然実施発明の「制御閾値」の変更は、「閾値設定画面に設定してDataCube2を再起動することにより」行われる点で相違する。
(9)一致点及び相違点
前記(1)~(8)によれば、本件発明2と公然実施発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。
〈一致点〉
「太陽電池の発電電力を制御するパワーコンディショナと、負荷に接続された受変電部と、
前記負荷の消費電力を取得すると共に前記パワーコンディショナの出力の上限値を制御する発電制御装置と、を備え、
前記発電制御装置は少なくとも演算処理部及び計時部を備え、前記発電電力の上限値を、前記発電電力の上限値と前記消費電力との差分が前記消費電力の一次関数となるよう設定して出力指令値を算出し、
前記出力指令値に基づいて前記パワーコンディショナは前記発電電力が前記上限値以下となるよう制御することで逆潮流を回避し、
前記一次関数の一次係数は、変更可能であることを特徴とする発電制御システム。」である点。
〈相違点2-1〉
本件発明2の「発電制御装置」は「1つの」ものであるのに対し、公然実施発明の「計測監視装置」は、「DataCube2及びPLCnano一式」、すなわち、複数の装置からなる点。
〈相違点2-2〉
本件発明2の一次係数の変更は、「前記計時部の計時機能を用いて時間帯毎に」可能であるのに対し、公然実施発明の「制御閾値」の変更は、「閾値設定画面に設定してDataCube2を再起動することにより」行われる点。
12 相違点2-2についての判断
公然実施発明では、制御閾値を変更することは想定されているが、制御閾値の変更を「計時機能を用いて時間帯毎に」行うことは想定されていない。甲100、7葉の「閾値設定画面」は、「設定して、DC2を再起動」することを要しており、人手を必要とするものであるから、「計時機能を用いて」自動的に制御閾値を設定することには向かないものである。また、甲100、7葉の閾値設定画面において、制御閾値を「時間帯毎に」変更することも想定されていない。
そして、公然実施発明と甲1発明との組み合わせについて検討するに、甲1発明は、「抑制量」を「時間帯毎に変更可能」とするものである(構成1j)が、甲1発明の「抑制量」は、「電力会社により設置された指令所」から「出力制御情報15」として与えられるもの(構成1g)であって、公然実施発明のように需要家側で設定するものではないから、公然実施発明の「制御閾値」に対して甲1発明の「抑制量」についての構成を適用する動機付けは存在しない。
そして、その他の証拠を検討しても、公然実施発明の「制御閾値」を「計時機能を用いて時間帯毎に」変更可能とすることには、動機付けがない。
以上によれば、相違点2-2は実質的な相違点であり、相違点2-2に係る発明特定事項2Dの構成は、当業者といえども容易に想到し得たものではない。
13 請求人の主張についての判断
本件発明の公然実施発明からの容易想到性に関する請求人の主張について、以下、検討する。
(1)甲2-1と請求人従業者川上俊太郎の証言について
ア 請求人は、概略、以下のように主張する。
甲2-1の8葉(右肩に「7」の記載のある頁)に記載されているとおり、出力制御というのは、日時毎に指定されるものであり、電力会社は、太陽光発電設備に対して、30分毎(1日48コマ)に、出力制御指令値を送信して、系統の安定化を図っている。すなわち、出力制御というのは、時間帯毎に変更することを前提とした技術である。このように、公然実施発明の開発段階で、太陽光発電用のPCSは、出力制御指令値に対応していた。
請求人従業者川上俊太郎は、出力制御が時間帯毎に変更とすることを前提とした技術であることを踏まえて、次の証言をなした。すなわち、請求人従業者川上俊太郎は、ヤクルト食品工業に納品した発電量制御装置の制御値を設定するプログラムというのは、時間とともに異なる制御値を指定するプログラムを搭載すれば、時間とともに制御値を変更する装置になりえたのかとの質問に対し、なり得たと証言し、時間とともに、異なる制御値を指定する技術思想というのは、当時から存在したかとの質問に対し、存在したと証言し、さらに、時間とともに異なる制御値を指定する技術思想を実現するプログラムを簡単に作成することができたが、残された開発時間との関係で、その時間的余裕がなかったとの主旨の証言をしている(前記第6、2(1)ア及びイ)。
請求人従業者川上俊太郎は、公然実施発明の開発段階で周知であったPCSの出力制御機能を用いることで、容易に逆潮流を伴わない(複雑な電力接続協議を必要としない)「自家消費制御」を実現できると考えて、公然実施発明を発明するに至ったのであるから、公然実施発明においても、制御指令値を時間帯毎に変更可能とするという技術的思想に、当業者であれば、容易に想到することができた。(請求人上申書(5)1~2頁)
イ 前記アの請求人の主張について検討すると、以下のとおりである。
前記12に示したように公然実施発明の「制御閾値」は需要家側で設定するものであり、電力会社が設定するものではないから、甲2-1のように電力会社が出力制御を指示する技術(甲2-1、3頁及び4頁)が公知であったとしても、そのような公知技術を公然実施発明に適用する動機付けはない。
加えて、甲2-1、8頁右上のグラフでは、9時から15時の出力制御値は40%に設定されているものの、発電電力は40%を超えている時間帯が存在することから、甲2-1に示される技術における「出力制御値」は発電電力の上限値ではない。他方、公然実施発明の「制御閾値」は、発電電力の上限値を定めるものである(前記11(3)エ)。よって、発電電力の上限値を定める公然実施発明の「制御閾値」に対して、発電電力の上限値を定めるものではない甲2-1に示される技術の「出力制御値」を適用することには、動機付けが存在しない。
なお、請求人従業者川上俊太郎は、公然実施発明の発明者であって、公然実施発明を最も深く知悉している者であるから、公然実施発明に関しては、その技術の分野における「通常の知識」よりも深く豊富な知識を持っていると認められる。よって、公然実施発明の改変が、その発明者である請求人従業者川上俊太郎にとって容易に想到し得たことであったとしても、当該改変は当業者(その発明が属する技術の分野における通常の知識を有する者)にとって容易に想到し得たこととはいえない。
以上によれば、請求人の主張は採用できない。
(2)DataCube2の操作について
ア 請求人は、概略、以下のように主張する。
DataCube2において、制御指令値であるところの制御用閾値(指定%)は、LANに接続されたパソコンから、実際の運用時に、画面上で容易に変更できるようになっていた。すなわち、制御用閾値(指定%)を変更する度に、担当者は特別な対応をとる事なく、構内LANに接続されたオフィス自席のPCから、構内LANを通じてDataCube2にアクセスして制御用閾値(指定%)の変更が行える構成となっている。
これは、担当者が、頻繁に制御用閾値(指定%)を変更する運用を想定していた事を意味している。
そして、出力制御というのは、そもそも、時間帯毎に変更することを前提とした技術であることを踏まえれば、パソコンの画面上の「制御用閾値」を、DataCube2を再起動させて変更するのではなく、時間帯毎にプログラム上で自動的に変更するように制御することは、当業者であれば、容易に想到できたことである。(請求人上申書(5)2~3頁)
DataCube2においては、制御閾値は、机上のパソコンの画面から、容易に変更することが可能であり、制御値を変更した場合のDataCube2の再起動も、パソコン上の画面から容易に行うことができる。したがって、制御閾値を変更した際に、DataCube2を再起動しなければならないということは、本件発明の制御閾値を時間帯毎に変更可能とするということについての阻害要因とはならない。(請求人上申書(6)4~5頁)
イ 前記アの請求人の主張について検討すると、以下のとおりである。
前記12に示したように公然実施発明「制御閾値」(制御用閾値)は、DataCube2の再起動のために人手を要するものであり、計時機能を用いて自動的に制御閾値を設定することには向かないものである。そして、前記(1)で示したとおり、甲2-1に示される出力制御の技術を公然実施発明に適用する動機付けは存在しない。
請求人は、公然実施発明の制御閾値の変更について、「制御用閾値(指定%)を変更する度に、担当者は特別な対応をとる事なく、構内LANに接続されたオフィス自席のPCから、構内LANを通じてDataCube2にアクセスして制御用閾値(指定%)の変更が行える構成となっている」ことを根拠に「担当者が、頻繁に制御用閾値(指定%)を変更する運用を想定していた」と主張するが、制御閾値を変更するためにはDataCube2の再起動が必要なところ、DataCube2の再起動をオフィス自席のPCから、すなわち、リモートから実行できることは立証されていない。
仮に、DataCube2の再起動がリモートから実行できるとしても、制御閾値の変更の度に再起動を行わなければならないのであるから、DataCube2が再起動するまでの間は、DataCube2が担う情報集約の機能が働かないという不都合が生じることになる。そのため、公然実施発明における制御閾値は、頻繁に変更する運用を想定していたとはいえず、むしろ、制御閾値の変更は稀であることを前提としていたと解される。
加えて、請求人従業者川上俊太郎は、時間とともに、異なる制御閾値を指定する技術思想を実現するプログラムを簡単に作成することができたが、残された開発時間との関係で、その時間的余裕がなかった旨、証言する。この証言によれば、制御閾値を時間帯毎に変更可能とするプログラムは必須のものではなく、作成するにしても、「簡単に作成する」ために要する時間と人手は、作成したことによって得られる利点に見合うものではないと判断されたことがうかがえる。換言すれば、公然実施発明において、制御閾値を時間帯毎に変更可能とするプログラムを作成することよりも、当該プログラムを作成しないことの方が好ましいと判断されたのであるから、当該プログラムを作成する動機付けはなかったと解される。
以上によれば、請求人の主張は採用できない。
(3)本件発明の「時間帯毎に変更可能である」の解釈について
ア 請求人は、概略、以下のように主張する。
本件発明において「前記一次関数の一次係数は、前記計時部の計時機能を用いて時間帯毎に変更可能である」と特定されている(発明特定事項2D、6F)が、「変更可能である」ということは、変更せずに、一次関数の一次係数が固定されたままであることも含まれ、時間帯(例えば、12時~13時)によっては、一次係数が固定されたままとなっている。
ということは、本件発明は、一次係数が時間帯毎に変化しない発明を包含しているのであるから、進歩性欠如の無効理由を検討するにあたっては、本件発明の要旨が、「一次関数の一次係数が固定されたままであること」を含む場合も踏まえなければならない。(請求書130頁、142頁)
イ 前記アの請求人の主張について検討すると、以下のとおりである。
発明特定事項2D及び6Fは、「一次係数」が計時機能を用いて時間帯毎に「変更可能」となっていること、換言すれば、「一次係数」が「変更できる」ように構成されていることを特定していると解される。つまり、発明特定事項2D及び6Fは、実際の運用において「一次係数」が変化しているか否かを特定するのではなく、必要が生じたときに「一次係数」を「計時機能を用いて」「時間帯毎に」「変更できる」構成となっていることを特定している。
したがって、本件発明が、「一次係数」が固定されたままのものを包含すると解釈するのは適切とはいえず、請求人の主張は採用できない。
(4)動機付け及び阻害要因の有無について
ア 請求人は、概略、以下のように主張する。
甲1、甲2-1及び甲4の制御指令値は時間に応じて変化するから、制御指令値を時間に応じて変化させるという技術は周知技術に過ぎない。
公然実施発明の制御閾値(指定%)は、設定によって変更することができるようになっているから、上記周知技術を適用して、制御閾値を時間帯毎に変更できるようにすることには、動機付けがあり、阻害要因も存在しない。
(請求書145頁)
イ 前記アの請求人の主張について検討すると、以下のとおりである。
公然実施発明に甲1発明を適用することについては、前記12のとおりであり、公然実施発明に甲2-1に示される技術を適用することについては、前記(1)のとおりであり、いずれも動機付けがない。
甲4技術(前記3)は、甲2-1に示される技術と同様に、電気事業者が、需要家の発電電力を制限する制限情報を作成し、需要家の発電電力は制限情報に基づいて出力を抑制されるものの、需要家の発電電力が出力の上限値を上回っても、自家消費分までは出力するものである。そうすると、前記(1)と同様に、公然実施発明に甲4技術を適用する動機付けはない。
そして、甲1、甲2-1及び甲4を総合しても、電気事業者側が発電電力の抑制値を時間帯毎に変更することが開示されるのみであり、需要家側で算出した発電電力の上限値を時間帯毎に変更することは開示されていない。したがって、甲1、甲2-1及び甲4に記載された技術が周知であったとしても、公然実施発明に当該周知技術を適用する動機付けは存在しない。
よって、請求人の主張は採用できない。
14 本件発明6と公然実施発明との対比
無効理由2及び3-1について判断するために、本件発明6と公然実施発明とを対比する。
(1)発明特定事項6A及び6Gについて
公然実施発明の「太陽光電池モジュール」及び「パワーコンディショナ」は、それぞれ、本件発明2の「太陽電池」及び「パワーコンディショナ」に相当する。
前記11(3)アと同様に、公然実施発明の「計測監視装置」は、本件発明6の「発電制御装置」に相当する。
公然実施発明の「計測監視装置」と「パワーコンディショナ」とは「シリアル接続され」ており(構成2e)、前記11(1)に示したように、公然実施発明の「計測監視装置」はパワーコンディショナを制御することにより、その制御の結果、太陽光電池モジュールの発電電力を制御していると認められ、加えて、前記11(3)カと同様に、本件発明6の「発電制御装置」と公然実施発明の「計測監視装置」とは、前記パワーコンディショナの出力の上限値を制御する点で一致していることから、本件発明6の「発電制御装置」と公然実施発明の「計測監視装置」とは、「太陽電池の発電電力の上限値を制御するパワーコンディショナに接続される発電制御装置」である点で共通するが、本件発明6の「発電制御装置」は「1つの」ものであるのに対し、公然実施発明の「計測監視装置」は、「DataCube2及びPLCnano一式」、すなわち、複数の装置からなる点で相違する。
(2)発明特定事項6Bについて
前記11(5)と同様に、本件発明6の「発電制御装置」と公然実施発明の「計測監視装置」とは、「少なくとも演算処理部及び計時部を備え」る点で一致する。
(3)発明特定事項6Cについて
前記11(3)イと同様に、公然実施発明の「計測監視装置」は負荷の消費電力を取得している。
また、公然実施発明の「計測監視装置」の「リビジョン7672のプログラム」では、消費電力は「買電電力とパワーコンディショナの総発電電力との和」(構成2g)として得られ、「パワーコンディショナの総発電電力」は太陽光電池モジュールの総発電電力に他ならないから、公然実施発明の「計測監視装置」は、太陽光電池モジュールの発電電力を取得している。
よって、本件発明6の「発電制御装置」と公然実施発明の「計測監視装置」とは、「太陽電池の発電電力と負荷の消費電力とを取得する」点で一致する。
(4)発明特定事項6Dについて
前記11(5)と同様に、公然実施発明の「計測監視装置」は演算処理部を備えており、加えて、前記11(6)と同様であるから、本件発明6の「発電制御装置」と公然実施発明の「計測監視装置」とは、「前記演算処理部を用いて前記発電電力の上限値を、前記発電電力の上限値と前記消費電力との差分が前記消費電力の一次関数となるよう設定してパワーコンディショナの出力指令値を算出」する点で一致する。
(5)発明特定事項6Eについて
前記11(7)と同様に、本件発明6と公然実施発明とは、「前記出力指令値に基づいて前記パワーコンディショナは前記発電電力が前記上限値以下となるよう制御することで逆潮流を回避」する点で一致する。
(6)発明特定事項6Fについて
前記11(8)と同様に、本件発明6と公然実施発明とは、「前記一次関数の一次係数は、変更可能である」点で共通するが、本件発明6の一次係数の変更は、「前記計時部の計時機能を用いて時間帯毎に」可能であるのに対し、公然実施発明の「制御閾値」の変更は、「閾値設定画面に設定してDataCube2を再起動することにより」行われる点で相違する。
(7)一致点及び相違点
前記(1)~(6)によれば、本件発明6と公然実施発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。
〈一致点〉
「太陽電池の発電電力の上限値を制御するパワーコンディショナに接続される発電制御装置であって、
前記発電制御装置は少なくとも演算処理部及び計時部を備え、
太陽電池の発電電力と負荷の消費電力とを取得すると共に、
前記演算処理部を用いて前記発電電力の上限値を、前記発電電力の上限値と前記消費電力との差分が前記消費電力の一次関数となるよう設定してパワーコンディショナの出力指令値を算出し、
前記出力指令値に基づいて前記パワーコンディショナは前記発電電力が前記上限値以下となるよう制御することで逆潮流を回避し、
前記一次関数の一次係数は、変更可能であることを特徴とする発電制御装置。」である点。
〈相違点2-3〉
本件発明6の「発電制御装置」は「1つの」ものであるのに対し、公然実施発明の「計測監視装置」は、「DataCube2及びPLCnano一式」、すなわち、複数の装置からなる点。
〈相違点2-4〉
本件発明6の一次係数の変更は、「前記計時部の計時機能を用いて時間帯毎に」可能であるのに対し、公然実施発明の「制御閾値」の変更は、「閾値設定画面に設定してDataCube2を再起動することにより」行われる点。
15 相違点2-4についての判断
相違点2-4は相違点2-2と同じく「一次係数」の変更が「前記計時部の計時機能を用いて時間帯毎に」可能であるか否かに係るものであるから、前記12及び13と同様である。
したがって、相違点2-4は実質的な相違点であり、相違点2-4に係る発明特定事項6Fの構成は、当業者といえども、公然実施発明から容易に想到し得たものではない。
16 無効理由2、3-1及び3-2についての小括
前記12、13及び15のとおりであるから、その他の相違点について検討するまでもなく、本件発明2及び6は公然実施発明と同一ではなく、本件発明2及び6は、当業者が公然実施発明並びに甲1、甲2-1及び甲4に示される周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものとは認められない。
また、本件発明3~5は、いずれも、本件発明2の発明特定事項を全て備え、さらに別の発明特定事項(発明特定事項3A、4A及び5A)を備えるものであるから、本件発明3~5と公然実施発明との間には少なくとも前記11(9)に示した相違点2-2が存在する。よって、本件発明3~5は、いずれも、当業者が公然実施発明並びに甲1、甲2-1及び甲4に示される周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものとは認められない。
以上によれば、本件発明2及び6は、特許法29条1項2号に該当する公然実施発明と同一ではないため、本件発明2及び6に係る特許は、同条1項の規定に合致し、無効理由2には理由がない。
そして、本件発明は、いずれも、特許法29条2項の規定には該当しないため、無効理由3-1及び3-2には理由がない。
第8 むすび
前記第7、10及び第7、16のとおりであるから、無効理由1-1から無効理由3-2はいずれも理由がないものであり、請求人の主張及び証拠方法によっては、本件発明2~6についての特許は、無効とすることはできない。
審判に関する費用については、特許法169条2項の規定で準用する民事訴訟法61条の規定により、請求人の負担とする。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-800055