特許異議申立
2022-701180
使い捨てリストバンド作製用ロールおよびそれを用いた施設管理システム
- 審判番号
- 2022-701180
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2021-197389
- 登録番号
- 7078303
- 請求日
- 2022年11月29日
- 審決日
- 2024年03月28日
- 公報発行日
- 2024年06月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】ホクユーメディックス株式会社
- 【権利者代理人】中道 佳博
- 【異議申立人】合同会社 アクティブ
- 【異議申立人代理人】井上 真一郎
- 【異議申立人】新井 誠一
- 審判長/審判官
- 審判長 一ノ瀬 覚
- 審判官 藤井 昇
- 審判官 中村 則夫
- 分類
- P1651.121-YAA(G09F) / P1651.832-YAA(G09F) / P1651.841-YAA(G09F) / P1651.851-YAA(G09F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法120条の8第1項特許法135条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第2項、特許法第113条第2号、特許法第113条第4号、特許法第120条の8第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7078303号発明「使い捨てリストバンド作製用ロールおよびそれを用いた施設管理システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7078303号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~8〕について訂正することを認める。
特許第7078303号の請求項1~7に係る特許を維持する。
特許第7078303号の請求項8に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7078303号の請求項1~8に係る特許についての出願は、令和3年12月3日の出願であって、令和4年5月23日にその特許権の設定登録がされ、同年5月31日に特許掲載公報が発行された。
この請求項1~8に係る特許について、同年11月29日付けで特許異議申立人 合同会社アクティブ(以下「申立人A」という。)により、同年11月30日付けで特許異議申立人 新井誠一(以下「申立人B」という。)により、特許異議の申立てがあり、令和5年2月14日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である同年4月19日に特許権者により意見書の提出及び訂正請求がされ、同年6月7日に申立人Aにより、また、同年6月9日に申立人Bにより意見書の提出がされ、同年9月11日付けで取消理由(決定の予告)が通知され、その指定期間内である同年11月9日に特許権者により意見書の提出及び訂正請求がされ、同年12月19日に申立人Aにより、また、同年12月21日に申立人Bにより意見書の提出がされ、令和6年1月30日付けで、再度、取消理由(決定の予告)が通知され、その指定期間内である同年2月26日に特許権者により意見書の提出及び訂正請求がされたものである。
第2 訂正の適否
1 訂正の内容
令和6年2月26日の訂正請求(以下「本件訂正請求」という。)による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は以下の訂正事項1、2のとおりである(下線部は、訂正箇所を示し、当審で付与した。)。
なお、令和5年4月19日の訂正請求による訂正及び同年11月9日の訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第7項の規定により、取り下げられたものとみなす。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に記載の
「施設管理システムであって、
使い捨てリストバンド作製用ロールを備え、購入条件にしたがってリストバンド基体部分の表面に識別データを印刷し、マーカー部を認識して該ロールを切断し、入場者専用の使い捨てリストバンドを作製する自動販売機と、
該入場者が装着した該リストバンドの該識別データと連携して施設への入場を記録する入場ゲート装置と、
該識別データと連携して施設への退場を記録する退場ゲート装置と、
該識別データ、該入場ゲート装置が記録した入場データ、および該退場ゲート装置が記録した退場データを収容する管理サーバと、
を備え、
該使い捨てリストバンド作製用ロールが、
略一定の幅を有する、長尺の柔軟性帯体を巻回して構成されており、
該柔軟性帯体が、複数の細長いリストバンド基体部分を連続的に繰り返し配置したものであり、
該リストバンド基体部分が、印刷領域を有する表面と、該使い捨てリストバンドの端部の基準として設けられたマーカー部および外側が剥離層で保護された粘着部を有する裏面とで構成される、システム。」
を、
「施設管理システムであって、
使い捨てリストバンド作製用ロールを備え、購入条件にしたがってリストバンド基体部分の表面に識別データを印刷し、マーカー部を認識して該ロールを切断し、入場者専用の該入場者自らが装着する使い捨てリストバンドを作製する自動販売機と、
該入場者が装着した該リストバンドの該識別データと連携して施設への入場を記録する入場ゲート装置と、
該識別データと連携して施設への退場を記録する退場ゲート装置と、
該識別データ、該入場ゲート装置が記録した入場データ、および該退場ゲート装置が記録した退場データを収容する管理サーバと、
を備え、
該使い捨てリストバンド作製用ロールが、
略一定の幅を有する、長尺でありかつ孔のない柔軟性帯体を巻回して構成されており、
該柔軟性帯体が、複数の細長いリストバンド基体部分を連続的に繰り返し配置したものであり、
該リストバンド基体部分が、印刷領域を有する表面と、該使い捨てリストバンドの端部の基準として設けられたマーカー部および外側が剥離層で保護された粘着部を有する裏面とで構成される、システム。」
に訂正する(請求項1を直接又は間接的に引用する請求項2~7も同様に訂正する。)。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項8を削除する。
(3)一群の請求項についての説明
訂正事項1、2に係る訂正前の請求項1~8について、請求項2~8は、訂正の請求の対象である請求項1の記載を直接又は間接的に引用する関係にあるから、本件訂正請求は、一群の請求項1~8について請求されている。
2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的について
訂正事項1は、訂正前の請求項1に記載の「入場者専用の使い捨てリストバンド」について、「入場者専用の該入場者自らが装着する使い捨てリストバンド」に限定し、そして訂正前の請求項1に記載の「リストバンド作製用ロール」における「長尺の柔軟性帯体」について、「長尺でありかつ孔のない柔軟性帯体」に限定するものである。
したがって、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてした訂正であること
訂正事項1における、「入場者専用の該入場者自らが装着する使い捨てリストバンド」の限定は、特許明細書の段落【0047】、【0056】、【0059】、【0075】、【0078】、【0080】~【0084】及び【0090】の記載に基づくものである。
また、「リストバンド作製用ロール」における「長尺の柔軟性帯体」についての「長尺でありかつ孔のない柔軟性帯体」との限定は、本件特許明細書の段落【0043】、【0013】および本件図3の記載に基づくものである。
したがって、訂正事項1は、特許明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記アに記載のとおり、訂正事項1は、訂正前の請求項1に記載の「入場者専用の使い捨てリストバンド」について限定し、そして訂正前の請求項1に記載の「リストバンド作製用ロール」における「長尺の柔軟性帯体」について限定するものである。
したがって、訂正事項1による訂正は、発明特定事項を限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
(2)訂正事項2
訂正事項2は、訂正前の請求項8を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的としており、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(3)小括
したがって、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、且つ同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
よって、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~8〕について訂正することを認める。
第3 訂正後の本件発明
上記「第2」で述べたとおり、本件訂正は認められるので、本件訂正請求により訂正された請求項1~7に係る発明(以下「本件発明1」~「本件発明7」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~7に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
「【請求項1】
施設管理システムであって、
使い捨てリストバンド作製用ロールを備え、購入条件にしたがってリストバンド基体部分の表面に識別データを印刷し、マーカー部を認識して該ロールを切断し、入場者専用の該入場者自らが装着する使い捨てリストバンドを作製する自動販売機と、
該入場者が装着した該リストバンドの該識別データと連携して施設への入場を記録する入場ゲート装置と、
該識別データと連携して施設への退場を記録する退場ゲート装置と、
該識別データ、該入場ゲート装置が記録した入場データ、および該退場ゲート装置が記録した退場データを収容する管理サーバと、
を備え、
該使い捨てリストバンド作製用ロールが、
略一定の幅を有する、長尺でありかつ孔のない柔軟性帯体を巻回して構成されており、
該柔軟性帯体が、複数の細長いリストバンド基体部分を連続的に繰り返し配置したものであり、
該リストバンド基体部分が、印刷領域を有する表面と、該使い捨てリストバンドの端部の基準として設けられたマーカー部および外側が剥離層で保護された粘着部を有する裏面とで構成される、システム。
【請求項2】
さらに、前記識別データと連携して前記施設内の前記入場者の利用内容を記録する少なくとも1つの利用管理デバイスと、
該識別データと連携して、該利用管理デバイスが記録した利用データに応じて該入場者の未払い利用料金を精算しかつ該精算を記録するための自動精算機と、
を備え、かつ
前記管理サーバが、さらに該利用データおよび該自動精算機が記録した精算データを収容する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記自動精算機が、前記施設における前記退場ゲート装置よりも内側に設けられている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記自動精算機が、外部の精算または券売機と一体化されており、前記施設における前記退場ゲート装置よりも外側に設けられている、青求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記施設がレジャー施設である、請求項1から4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
前記使い捨てリストバンド作製用ロールにおける前記粘着部が前記マーカー部の近傍に設けられている、請求項1から5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
前記使い捨てリストバンド作製用ロールにおける前記柔軟性帯体が樹脂シートで構成されている、請求項1から6のいずれかに記載のシステム。」
第4 取消理由の概要
1 請求項1~7に係る特許に対して、当審が、令和5年9月11日付けの取消理由通知(決定の予告)において、特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。なお、取消理由で用いた証拠については、下記の引用文献一覧を参照のこと。
本件発明1は、引用文献1に記載された発明に、甲10Bの技術事項1、2、甲11Bの技術事項及び周知技術(引用文献2の技術事項1)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件発明2~5は、引用文献1に記載された発明、甲10Bの技術事項1、2、甲11Bの技術事項、上記周知技術、及び引用文献3に記載された事項を適用することにより、当業者が適宜なし得たことである。
本件発明6は、引用文献1に記載された発明、甲10Bの技術事項1、2、甲11Bの技術事項、上記周知技術、引用文献3に記載された事項及び引用文献2の技術事項3に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
さらに、本件発明7は、引用文献1に記載された発明、甲10Bの技術事項1、2、甲11Bの技術事項、上記周知技術、引用文献3に記載された事項、引用文献2の技術事項3、及び引用文献2の技術事項2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
そうすると、本件発明1~7に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
記
引用文献一覧
引用文献1:中国特許出願公開第107767550号明細書(甲2B)
引用文献2:特開2013-97112号公報(甲1A、甲4B)
引用文献3:韓国登録特許第10-1726563号公報(甲2A、甲3B)
甲10B:特開2009-234118号公報
甲11B:特開2011-215536号公報
ここで、甲○Aは、申立人Aが提出した甲第○号証、甲○Bは、申立人Bが提出した甲第○号証のことを、それぞれ示す。
2 請求項1~7に係る特許に対して、当審が、令和6年1月30日付けの取消理由通知(決定の予告)において、特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
「1 特許法第36条第6項第2号
請求項1の「長尺かつ平滑な柔軟性帯体」という記載からでは、「平滑」の程度(態様)やその範囲が特定できず、その意図する構成が明確でない。
(1)一般に、「平滑」とは「たいらでなめらかなこと」(広辞苑第7版)を意味するが、「平滑な柔軟性帯体」の「平滑」は、柔軟性帯体のどこがどのように「たいらでなめらかなこと」を特定しているのか不明である。
(2)「平滑」とは、例えば、「孔のない」ことを意図しているのか。
これは、請求項1の記載を直接又は間接的に引用する請求項2~7の記載についても同様である。
請求項1~7の記載は、明確でなく、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないから、請求項1~7に係る特許は、特許法第113条第4号に該当し、取り消されるべきである。」
第5 当審の判断1(第4で示した2(明確性要件違反)について)
本件訂正により、訂正前の請求項1の「長尺かつ平滑な柔軟性帯体」が、「長尺でありかつ孔のない柔軟性帯体」と訂正され、本件発明1~7に係る発明は、明確となった。
よって、上記第4の2で示した取消理由はは解消された。
第6 当審の判断2(第4で示した1(進歩性欠如)について)
1 引用文献の記載事項、引用発明
(1)引用文献1
引用文献1には、以下の記載がある(記載事項は、申立人Bが提出した「甲第2号証の翻訳」による。)。
・「技術分野
[0001]
本発明は、スマート無線通信技術分野に関し、特にセルフサービス型リストバンド販売方法及び管理システムに関する。」
・[0005]
本発明実施例が解決しようとする技術的課題は、セルフサービス型リストバンド販売方法を提供して、従来の娯楽施設における運営コストが高く、管理効率が低く、それによりビジター体験が満足のいくものにならないという問題を解決することである。」
・「[0025]
第2の面において、セルフサービス型リストバンド販売装置と、顧客関係管理装置と、ローカル操作処理装置とを含むセルフサービス型リストバンド管理システムを提供し、ここで、」
・「[0039]
選択可能な場合、前記主制御モジュールが生成した前記更衣ロッカー数は、前記券購入数以下であり、且つ生成されたリストバンド印刷情報は、身元情報、更衣ロッカー番号、有効期限、入場券の種類及び価格をさらに含む。」
・「[0084]
ここで、発券口が提供するリストバンドは、リストバンドロールであってよく、該リストバンドロールは、1本のリストバンドからなるロールであってよく、複数のリストバンドが順に連なってなる1つのロールであり、各リストバンドの間に継目等を設置してあってもよい。
[0085]
本実施例におけるリストバンドは、改札通関及び施設内消費行動に用いることができ、退場時にコードをスキャンすれば、自動返金を実現することができ、且つリストバンドを返却する必要はない。」
・「[0115]
本実施例においては、リストバンド上の二次元コードを情報伝達媒体としており、実際の応用においては、前記リストバンドは、医療用感熱性リストバンドであってよいことは、説明しておく必要がある。本実施例におけるリストバンドは、改札通関及び施設内消費行動に用いることができ、退場時にコードをスキャンすれば、自動返金を実現することができ、且つリストバンドを返却する必要はない。」
・「[0117]
ここで、リストバンド発券モジュール25が提供するリストバンドは、リストバンドロールであってよく、該リストバンドロールは、1本のリストバンドからなるロールであってよく、複数のリストバンドが順に連なってなる1つのロールであり、各リストバンドの間に継目等を設置してあってもよい。
・「[0127]
本発明実施例において、本発明実施例において、紙の入場券及びカード上の情報を2つ合わせて一体とし、また、無人監視の場合、セルフサービス支払、二次元コード又は超高周波チップを伴うリストバンドの自動販売、セルフサービス支払、セルフサービスによる娯楽施設のそれぞれの場所への入場、セルフサービス消費、セルフサービス料金返却等を実現し、使用者がそれぞれの場所で列をなして待つ時間を省き、ユーザ体験を向上させただけでなく、運営コストも削減し、運営効率も高めた。」
・「[0137]
さらに図4を参照されたい。図4は、本発明実施例が提供するセルフサービス型リストバンド管理システムの構造概略図であり、前記システムは、セルフサービス型リストバンド販売装置41と、顧客関係管理装置42と、ローカル操作処理装置と43とを含み、ここで、
[0138]
前記セルフサービス型リストバンド販売装置41は、使用者が入力した身元情報及び券購入情報に基づき、更衣ロッカー情報を生成し、前記更衣ロッカー情報を表示し、男性及び/又は女性用更衣ロッカーを選択するにはプリペイド金が必要であるという情報を知らせ、前記使用者が選択した男性及び/又は女性用更衣ロッカー数並びに支払った券購入代金及び更衣ロッカーのプリペイド金を受け取った後、前記使用者に対応する更衣ロッカー番号を割り当て、前記身元情報、券購入数、割り当てられた更衣ロッカー番号に基づき、リストバンド印刷情報に変換し、前記リストバンド印刷情報をリストバンド上に印刷し又はリストバンド上の超高周波チップを読み書きし、二次元コード又は超高周波チップを伴うリストバンドを生成し、前記二次元コード又は超高周波チップを伴うリストバンドを発券口に伝送し、さらに前記使用者の身元情報及び支払ったプリペイド金の情報を顧客関係管理装置に送信するために用いられる。」
・「[0140]
前記ローカル操作処理装置43は、使用者が入場改札機若しくは退場改札機上でリストバンドニ次元コードをスキャンした入場又は退場情報を受信し、前記入場又は退場情報に基づき、通行許可又は入場禁止を決定し、使用者が更衣ロッカーニ次元コードスキャン地点でリストバンドニ次元コードをスキャンした衣服出し入れ情報を受信し、前記衣服出し入れ情報に基づき、更衣ロッカーの開放を制御し、使用者がキャッシュレジスタ上でリストバンドニ次元コードをスキャンした消費情報を受信し、前記消費情報に基づき、対応する引き落とし操作を行い、返金地点でリストバンドニ次元コードをスキャンした返金情報を受信し、前記返金情報を前記顧客関係管理装置に送信するために用いられる。」
・「[0149]
前記保有ポイント消費管理モジュール433は、使用者がキャッシュレジスタ上でリストバンドニ次元コードをスキャンした消費情報を受信し、前記消費情報に基づき、対応する料金引き落とし操作を行い、さらに返金地点でリストバンドニ次元コードをスキャンした返金情報を受信し、前記返金情報を前記顧客関係管理装置42に送信するために用いられる。」
・「[0159]
本発明の上記すべての実施例は、水上エンタテインメント、スキー、温泉等の娯楽施設に応用することができることは、説明しておく必要がある。」
そうすると、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」ともいう。)が記載されていると認められる。
「娯楽施設におけるセルフサービス型リストバンド管理システムであって、
返却する必要のないリストバンドのリストバンドロールと、
身元情報、更衣ロッカー番号、有効期限、入場券の種類及び価格を含むリストバンド印刷情報をリストバンド上に印刷し、二次元コードを伴うリストバンドを生成するセルフサービス型リストバンド販売装置41と、
使用者が入場改札機若しくは退場改札機上でリストバンド二次元コードをスキャンした入場又は退場情報に基づき、通行許可又は入場禁止を決定し、使用者がキャッシュレジスタ上でリストバンド二次元コードをスキャンした消費情報を受信し、前記消費情報に基づき対応する引き落とし操作を行い、返金地点でリストバンド二次元コードをスキャンした返金情報を受信し、前記返金情報を顧客関係管理装置42に送信する、ローカル操作処理装置43と、
を備え、
リストバンドロールは1本のリストバンドからなるロールである、
セルフサービス型リストバンド管理システム。」
(2)引用文献2
引用文献2には、図面とともに、以下の事項が記載されている。
・「【0006】
そのため、図7に示すクリップを必要としないリストバンド30が考えられた。このリストバンド30は、帯状のバンド基材31の表面にプレ印刷11を施し、裏面の一端部近傍に両面粘着テープ32を設けたものである。両面粘着テープ32は粘着剤33を台紙34で覆ったものであり、手首や足首等に巻き付けた後、台紙34を剥がして粘着剤33を露出させ、バンド基材31裏面の端部同士を貼り合わせて使用するので、手首の太さに応じて所望の位置に留めることができ、便利である。リストバンド30の被装着者にとっては、肌に違和感を覚えることがなく、快適である。(特許文献2)」
・「【0008】
このリストバンド30に対し、リストバンド30一枚一枚に異なる情報の印字を行う場合は、リストバンド30を複数連ねて巻回してロール状のリストバンド連続体にし、電子プリンタ20で情報を印字する。
また、このロール状のリストバンド連続体は、リストバンド30を一単位毎に区画するミシン目4を等間隔で形成すると共に、リストバンド30一単位毎にタイミングマーク35を印刷しておく。このタイミングマーク35は、図3に示す電子プリンタ20に搭載した光学センサ23で検知され、リストバンド30の印字開始位置等を制御するために用いる。」
・「【0016】
・・・
【図7】従来のリストバンドの説明図であって、図7(a)はそのリストバンドの平面図7(b)は図7(a)の裏面図、図7(c)は図7(a)のc-c線断面図。」
・「【0019】
図2(a)(b)(c)に、台紙なしリストバンド2を示す。図2(a)は台紙なしリストバンド2を印字面(表面)から見た平面図である。図2(b)は図2(a)を反対の面(裏面)から見た平面図である。図2(c)は図2(a)のc-c線断面図である。
本発明の台紙なしリストバンド2は、長尺帯状のバンド基材5と、このバンド基材5の表面に透明の剥離剤を全面塗布して設けられた剥離剤層6と、バンド基材5の裏面の一端部近傍に粘着剤を塗布して設けられた粘着剤層7と、からなる。
【0020】
バンド基材5は、片面に熱を加えると発色するサーマル層を設けた合成樹脂フィルムで、後述する電子プリンタ20(図3)によって情報13が印字される。
バンド基材5として使用する合成樹脂フィルムは、例えば、PETフィルム、PEフィルム、PPフィルム、合成紙等が挙げられる。特に表面にサーマル層を設けた合成紙サーマル、PETサーマル等で、バンド基材5の表裏両面が白色であると好適である。」
・図7には、以下の内容が示されている。
図7
[図:0001411254000001.jpg]
・段落【0006】、【0008】の下線部の記載と図7からみて、「帯状のバンド基材31に、リストバンド30を一単位毎に区画するミシン目4を等間隔で形成すると共に、プレ印刷11を施した表面と、タイミングマーク35と外側が台紙34で覆った粘着剤33を有する裏面とで構成されるリストバンド30」(以下、従来技術に係る「引用文献2の技術事項1」という。)が理解できる。
・段落【0019】、【0020】の下線部の記載からみて「リストバンド2の長尺帯状のバンド基材5は合成樹脂フィルムからなること」(以下「引用文献2の技術事項2」という。)が理解できる。
(3)引用文献3
引用文献3には、以下の事項が記載されている(記載事項は、申立人Bが提出した「甲第3号証の翻訳」による。)。
・「請求項1
入場のための決済がなされると、バーコードが印刷され、RFチップが付着されたリストバンド形態のリストバンド無人入場券を発券して出力するリストバンド無人入場券発売機、
前記リストバンド無人入場券発売機を通じて発券されたリストバンド無人入場券に印刷されたバーコードの識別情報に決済金額、入場時間、退場時間、施設物利用内訳に対する情報を保存した精算サーバ、
入場を予約するための決済を受けて、予約決済されたことを使用者情報と共に前記リストバンド無人入場券発売機に伝送する予約サーバ、
出口ゲートに設けられてRFチップを読み取るRFチップ出口読取部、前記出口ゲートに設けられて警報音を発生する警報アラーム機、及び
前記RFチップ出口読取部を通じて退場通知値が読み取られずに入場通知値が読み取られる場合、前記出口ゲートを開放せずに前記警報アラーム機を通じて警報音を発生する出口管制部、
を含み、前記リストバンド無人入場券発売機は、
前記精算サーバと通信する通信部、
金融カードを読み取る金融カードリーダー機、
バーコードを読み取るバーコードリーダー機、
紙幣又はコインの貨幣が入金される貨幣収納部、
貨幣が保管される貨幣保管箱、
入場券決済又は施設物使用料精算がなされる場合、返還される貨幣が排出される貨幣排出部、
リストバンド無人入場券にバーコードを印刷するバーコード印刷機、
バーコードが印刷されたリストバンド無人入場券が発券されて排出されるリストバンド無人入場券排出部、
リストバンド無人入場券発券のための使用者情報の入力を受け、決済情報、精算情報が表示されるタッチスクリーンパネル、
バーコードが印刷されたリストバンド無人入場券に付着されたRFチップにデータを記録するRFチップ記録部、及び
入場のための決済がなされると前記タッチスクリーンパネルに決済情報を表示し、前記バーコード印刷機を通じてリストバンド無人入場券にバーコードを印刷して前記リストバンド無人入場券排出部を通じて排出させ、リストバンド無人入場券に印刷されたバーコードの識別情報、決済金額を前記精算サーバに伝送し、前記タッチスクリーンパネルを通じて精算要請がある場合、前記リストバンド無人入場券のバーコードを読み取って読み取ったバーコードの識別情報を前記精算サーバに伝送し、精算要請されたバーコードのチャージ金額から施設物利用金額を差し引いた残額情報を精算サーバから受信して残額情報に該当する貨幣を排出して支給し、入場のための決済が完了すると前記RFチップ記録部を通じてリストバンド無人入場券のRFチップに予め設定された入場通知値を記録し、精算が完了すると前記RFチップに予め設定された退場通知値を記録する制御部、
を含み、
前記制御部は、前記予約決済を行った使用者からリストバンド無人入場券発売要請がある場合、バーコードが印刷されたリストバンド無人入場券を発券して排出し、
前記精算サーバは、
リストバンド無人入場券発券時にチャージ金額が決済された場合、発券されたリストバンド無人入場券に印刷されたバーコードの識別情報に前記チャージ金額を割り当てて保存し、発券されたリストバンド無人入場券のバーコードを利用して施設物の利用がある場合、前記バーコードの識別情報に割り当てられたチャージ金額から施設物利用金額を差し引いた残額情報を記録し、バーコードに割り当てられている現在までの残額金額に対する情報を前記リストバンド無人入場券発売機に提供し、前記制御部は前記精算サーバから受信した残額情報に該当する貨幣を排出して支給することによって精算を完了するリストバンド無人入場券発売システム。」
・[0018]
従来の無人入場券発売機装置の場合、チケットを紙形態で発券をしたが本発明のリストバンド無人入場券発売機装置はリストバンド形態で機器からチケットが出て顧客の手首に付着後、毀損及び盗難の問題で既存のチケットより優れている。リストバンドを出力することができる無人入場券発売機装置は予約システムと連動して予約発券も可能であって発券による決済は現金/クレジットカード/モバイルペイメントが可能である。
[0019]
また、発券されたリストバンドには内容及びバーコードが出力されているので施設物利用時に入口に配置されたバーコードリーダー機に通して利用有無及び前払い決済時の差引きを通じて正確な履歴管理をすることができる。」
・「[0029]
ここで有料場所とは、遊園地、プール、競技場、映画館、チムジルバン(韓国式スーパ一銭湯)等のように有料で利用することができる施設物が備えられた場所を言うものであって、入場のために入場券発券を必要とする場所を言う。したがって、有料場所は前記で提示された遊園地、プール、競技場、映画館、チムジルバン(韓国式スーパー銭湯)以外にも他の多様な場所が全て含まれることができるはずである。」
・「[0031]
精算サーバ(200)は、前記リストバンド無人入場券発売機(100)を通じて発券されたリストバンド無人入場券に印刷されたバーコードの識別情報に決済金額、入場時間、退場時間、施設物利用内訳に対する情報を保存したサーバである。
[0032]
また、精算サーバ(200)は、リストバンド無人入場券発券時にチャージ金額が決済された場合、発券されたリストバンド無人入場券に印刷されたバーコードの識別情報にチャージ金額を割り当てて保存し、発券されたリストバンド無人入場券のバーコードを利用して施設物の利用がある場合、バーコードの識別情報に割り当てられたチャージ金額から施設物利用金額を差し引いた残額情報を記録する。」
・「[0035]
リストバンド無人入場券発売機(100)は、入場のための決済がなされると、図5のようにバーコードが印刷されたリストバンド形態のリストバンド無人入場券を発券して出力する。発券されたリストバンド無人入場券は、図6のように手首に巻かれて使用され、入場時にリストバンド無人入場券のバーコードを読み取って入場がなされ、入場後に有料場所でレストラン、ショップ等を利用時にバーコードを通じて読み取って決済がなされるようにする。即ち、バーコードに前払いされたチャージ金額が決済に活用されることができ、バーコードを通じて決済後退場時に後払いで精算されて使用されることができる。」
・「[0037]
・・・リストバンド無人入場券発売機(100)は、入場及び精算時に使用されるリストバンド無人入場券を発券する機器である・・・」
・[0044]
バーコード印刷機(116)は、リストバンド無人入場券にバーコードを印刷する印刷機である。バーコードは、棒形態の白と黒の縞模様で識別情報を表示するコードであって、固有な識別情報を各リストバンド無人入場券に印刷される。
[0045]
リストバンド無人入場券排出部(118)は、バーコードが印刷されたリストバンド無人入場券が発券されて排出されるモジュールである。リストバンド無人入場券排出部(118)は、ローラ、スライダ等の多様な構造体からなって、バーコードが印刷されたリストバンド無人入場券をリストバンド無人入場券発売機の外部に排出する。したがって、使用者はリストバンド無人入場券排出部(118)を通じてバーコードが印刷されたリストバンド無人入場券を受領することができる。」
・「[0049]
また、制御部(102)は、タッチスクリーンパネル(120)を通じて精算要請がある場合、リストバンド無人入場券のバーコードを読み取って読み取ったバーコードの識別情報を精算サーバ(200)に伝送する。そして精算要請されたバーコードのチャージ金額から施設物利用金額を差し引いた残額情報を精算サーバ(200)から受信して残額情報に該当する貨幣を排出して支給する。
[0050]
即ち、有料場所で退場のために精算を受けようとする使用者が、自分の手首に巻いているリストバンド無人入場券に印刷されたバーコードをバーコードリーダー機(108)に当てると、制御部(102)は、バーコードリーダー機(108)はリストバンド無人入場券に印刷されたバーコードを読み取るようにして読み取ったバーコードの識別情報を精算サーバ(200)に伝送する。
[0051]
精算サーバ(200)は、バーコードに割り当てられている現在までの残額金額に対する情報をリストバンド無人入場券発売機(100)に提供し、リストバンド無人入場券発売機(100)の制御部(102)は、精算サーバ(200)から受信した残額情報に該当する貨幣を排出して支給することによって精算を完了する。」
・「[0053]
・・・バーコードを通じて施設物利用代価を仮想決済し、退場時に仮想決済された施設物利用代価に対する後払い精算がなされるようにする後払い制で運営されることができる。
[0054]
ところが、後払い制で運営される場合、使用者が精算をせずに退場する可能性がある。このような不祥事が発生しないように本発明のリストバンド無人入場券にはRFチップが共に付着されて設けられて運営される。以下、図8及び図9と共に詳述する。
[0055]
図8は本発明の実施例によってRFチップ記録部が備えられたリストバンド無人入場券発売機の構成ブロック図であり、図9は本発明の実施例によるRFチップが付着されたリストバンド無人入場券の図である。」
・「[0060]
したがって、精算をせずにそのまま退場する場合、未精算者が着用しているリストバンド無人入場券のRFチップには入場通知値がそのまま記録されているため、出口ゲートを開放しないので退場することができないようにし、さらに、警報音を発生させて警告を与えるようになる。結局、本発明のリストバンド無人入場券発売システムを具現することによって、別途の管理人材を多く必要とせず、入場、精算、退場の業務プロセスを自動化することができるようになる。」
・図5には、以下の内容が示されている。
図5
[図:0001411254000002.jpg]
・図9には、以下の内容が示されている。
図9
[図:0001411254000003.jpg]
(4)甲10B
甲10Bには図面とともに以下の事項が記載されている。
・「【0013】
第1の実施の形態の印字装置は、図1を参照すると、ステップモータ等の回転角度を制御可能な搬送モータ10によって回転駆動されるプラテンローラ11と、発熱体がプラテンローラ11に対向する面に形成されているサーマルヘッド12とを有し、感熱発色層が形成された帯状の被印字媒体1の表面側がサーマルヘッド12の発熱体に接触するように、被印字媒体1をプラテンローラ11とサーマルヘッド12との間に挟持搬送し、サーマルヘッド12の発熱体を選択的に発熱させることにより、被印字媒体1の感熱発色層を感熱発色させて所望の文字、バーコード等の印字を施し、カッタ部13によって、単葉の被印字媒体1に切り離されて発行されるように構成されている。なお、被印字媒体1に感熱発色層を設けずに熱転写リボンをプラテンローラ11とサーマルヘッド12との間に挟持搬送する熱転写搬送ユニットを設け、熱転写リボンのインクを被印字媒体1に転写させて印字を施すようにしても良い。
【0014】
第1の実施の形態の印字装置に用いられる被印字媒体1は、図2に示すように、医療現場や遊園地等で使用されるリストバンド2が連続して形成されているリストバンド連続体であり、ロール状に巻き回された状態で用紙供給部14に装填される。リストバンド2には、印字が施される印字領域3が設けられていると共に、印字領域3を挟んで、印字領域3よりも搬送方向の前方側に2個の固定孔4が、印字領域3よりも搬送方向の後方側に固定孔4と同一形状の8個の調整孔5が、幅方向の中央、すなわちセンタライン上にそれぞれ形成されており、図3(a)および(b)に示すように、留め具6によって、固定孔4のいずれかと調整孔5のいずれかを固定することで、巻き径を調整して腕に装着できるようになっている。また、リストバンド2において、固定孔4の搬送方向の前方側、且つセンタライン上には、印字領域3およびカット位置Cを把握するための基準となる基準孔として機能する位置検出孔7が形成されており、図4を参照すると、位置検出孔7の搬送方向における長さLは、固定孔4および調整孔5の搬送方向における長さMよりも長く設定されている。なお、図2および図4に符号Cは、カッタ部13によって切り離されるカット位置を示している。
【0015】
図1を参照すると、用紙供給部14からプラテンローラ11とサーマルヘッド12との間に搬送される被印字媒体1を上下に挟むように発光素子と受光素子とが配置された透過型センサが、リストバンド2に形成されている位置検出孔7を検出する位置検出センサ15として設けられており、位置検出孔7の検出信号は、位置検出センサ15から制御部30に入力され、制御部30は、位置検出孔7の検出信号に基づく印字タイミング、すなわち、図4に示す印字領域3の先端位置Xがサーマルヘッド12とプラテンローラ11との間に到達するタイミングで、サーマルヘッド12と、プラテンローラ11を回転駆動する搬送モータ10とを制御して、ホスト40から受信した印字データをリストバンド2の印字領域3に印字すると共に、位置検出孔7の検出信号に基づくカットタイミング、図4に示すカット位置Cがカッタ部13に到達するタイミングで、カッタ部13を制御して、カット位置Cをカットする。なお、位置検出センサ15として、反射型センサを用いるようにしても良い。」
・図1には以下の内容が示されている。
図1
[図:0001411254000004.jpg]
・図2には以下の内容が示されている。
図2
[図:0001411254000005.jpg]
・図4には以下の内容が示されている。
図4
[図:0001411254000006.jpg]
・位置検出孔7は孔であるから、リストバンド2の表裏両面にあることは明らかである。
・図2、図4に図示される符号Cの破線は、カット位置Cを示すものにすぎず、ミシン目などの切断用穿孔を示すものではない。
そうすると、上記記載事項及び図示内容からみて、リストバンドの印字装置及びリストバンド連続体について、次の2つの技術事項を認定することができる。
<甲10Bの技術事項1>
「リストバンド2を作成する印字装置が、帯状の被印字媒体1の表面側に印字を施し、リストバンド連続体がロール状に巻き回された状態から、位置検出孔7の検出信号に基づいて、カッタ部13を制御して、カット位置Cをカットするとともに、リストバンド連続体はカット位置Cに切断用穿孔が設けられていないこと」及び「リストバンドには、位置検出孔7、固定孔4、及び調整孔5が形成されていること」
<甲10Bの技術事項2>
「リストバンド連続体が、帯状の被印字媒体1の表面側の印字領域3と、リストバンド2毎に配置されたカット位置Cの基準となる位置検出孔7とを備え、位置検出孔7はリストバンド2の表裏両面にあること」
(5)甲11B
甲11Bには、図面とともに以下の事項が記載されている。
・「【0022】
【図1】本発明にかかる印刷媒体の説明図(表面側、裏面側、部分断面図)である。」
・【0023】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した印刷媒体およびリストバンド、並びにリストバンドの作成方法の実施の形態を説明する。」
・「【0025】
・・・一方、各型抜き部2における印刷領域から外れた部分は、一定間隔で係止穴4が形成されたベルト部5となっている。各係止穴4は印刷媒体を貫通しており、型抜き部2の幅方向の中心線に沿って配列されている。」
・「【0027】
印刷媒体1の裏面1bには、図1(b)に示すように、各型抜き部6と直交するように設定されている印刷媒体1の切断ライン7の位置を規定するカットマーク8が付されている。切断ライン7は後述するプリンター9によるオートカット位置であり、印刷媒体1を横断する方向に設定されている。また、各カットマーク8は、対応する切断ライン7に対して、後述するプリンター9における印刷媒体1への印刷進行方向(図1(a)(b)における矢印A方向)の上流側に位置している。」
・「【0030】
印刷が完了すると、プリンター9は、印刷済みの印刷領域3を有する型抜き部2が形成されている印刷媒体1の部分を、オートカット機構11によるカット位置を経由して搬送し、プリンター9の排出口から外部へ排出する。このとき、カット位置の上流側の適宜位置に設けられた光学センサー等によってカットマーク8を読み取り、この読取結果に基づいて、印刷領域3への印刷が完了した型抜き部2と、その搬送方向上流側に位置する未印刷の型抜き部2との間に設定されている切断ライン7を、オートカット機構11によるカット位置に位置決めする。そして、切断ライン7の位置で印刷媒体1を切断する。このように、カットマーク8に従ってオートカット処理を行うことにより、切断ライン7の位置で正確に印刷媒体1を自動切断できる。なお、カットマーク8の読み取りを印刷位置の上流側において行っても良く、カットマーク8の位置に基づいて印刷領域3の搬送位置を判断して、印刷領域3の印刷位置への位置決めを行うこともできる。」
・図1には以下の内容が示されている。
図1
[図:0001411254000007.jpg]
・図2には以下の内容が示されている。
図2
[図:0001411254000008.jpg]
・図1(a)からみて、印刷媒体の表面1aに印刷領域3が有ることは明らかである。
そうすると、甲11Bには、以下の技術事項が記載されているといえる。
<甲11Bの技術事項>
「リストバンドを作製するための印刷媒体1の表面1aに印刷領域3があり、印刷媒体1の裏面1bには、印刷媒体1の切断ライン7の位置を規定するカットマーク8が付され、各カットマーク8は、対応する切断ライン7に対して、印刷媒体1への印刷進行方向の上流側に位置し、
光学センサー等によってカットマーク8を読み取り、切断ライン7の位置で印刷媒体1を切断するものであること」及び「各型抜き部2における印刷領域から外れた部分は、一定間隔で係止穴4が形成されたベルト部5となっており、各係止穴4は印刷媒体を貫通しており、型抜き部2の幅方向の中心線に沿って配列されていること」
2 対比・判断
(1)本件発明1について
ア 対比
(ア)本件発明1と引用発明とを対比すると、後者の「娯楽施設におけるセルフサービス型リストバンド管理システム」は前者の「施設管理システム」及び「システム」に相当し、以下同様に、「身元情報、更衣ロッカー番号、有効期限、入場券の種類及び価格」は「購入条件」に、「リストバンド上」は「リストバンド基体部分の表面」に、「二次元コード」又は「リストバンド二次元コード」は「識別データ」に、「使用者」は「入場者」に、「セルフサービス型リストバンド販売装置41」は「自動販売機」に、「入場改札機」は「入場ゲート装置」に、「退場改札機」は「退場ゲート装置」に、「ローカル操作処理装置43」及び「顧客関係管理装置42」は「管理サーバ」に、それぞれ相当する。
これらの相当関係を踏まえると、以下のことがいえる。
(イ)後者の「返却する必要のないリストバンド」は有効期限が過ぎれば使用できず、廃棄可能なことは明らかであるから、前者の「使い捨てリストバンド」に相当し、後者の「返却する必要のないリストバンドのリストバンドロール」は前者の「使い捨てリストバンド作製用ロール」に相当する。
(ウ)後者の「身元情報、更衣ロッカー番号、有効期限、入場券の種類及び価格を含むリストバンド印刷情報をリストバンド上に印刷し、二次元コードを伴うリストバンドを生成するセルフサービス型リストバンド販売装置41」と、前者の「購入条件にしたがってリストバンド基体部分の表面に識別データを印刷し、マーカー部を認識して該ロールを切断し、入場者専用の該入場者自らが装着する使い捨てリストバンドを作製する自動販売機」とは、身元情報や更衣ロッカー番号も印刷することから、リストバンドは入場者専用のものであることは明らかであり、通常、入場者自らが装着するものであるから、「購入条件にしたがってリストバンド基体部分の表面に識別データを印刷し、入場者専用の該入場者自らが装着する使い捨てリストバンドを作製する自動販売機」において共通する。
(エ)後者の「使用者が入場改札機若しくは退場改札機上でリストバンド二次元コードをスキャンした入場又は退場情報に基づき、通行許可又は入場禁止を決定」する「ローカル操作処理装置43」及び「顧客関係管理装置42」は、前者の「該入場者が装着した該リストバンドの該識別データと連携して施設への入場を記録する入場ゲート装置と、該識別データと連携して施設への退場を記録する退場ゲート装置と、該識別データ、該入場ゲート装置が記録した入場データ、および該退場ゲート装置が記録した退場データを収容する管理サーバ」に相当する。
(オ)通常、リストバンドは略一定の幅を有するものであり、後者の「リストバンドロールは1本のリストバンドからなるロールである」ことは、ロールしているから長尺の柔軟性帯体を券回して構成したものといえる。そして、上記(イ)の相当関係を踏まえると、後者の「返却する必要のないリストバンドのリストバンドロール」が「1本のリストバンドからなるロールである」ことと、前者の「該使い捨てリストバンド作製用ロールが、略一定の幅を有する、長尺でありかつ孔のない柔軟性帯体を巻回して構成されて」いることとは、「該使い捨てリストバンド作製用ロールが、略一定の幅を有する、長尺の柔軟性帯体を巻回して構成されて」いることにおいて共通する。
(カ)そうすると、両者は、
「施設管理システムであって、
使い捨てリストバンド作製用ロールを備え、購入条件にしたがってリストバンド基体部分の表面に識別データを印刷し、入場者専用の該入場者自らが装着する使い捨てリストバンドを作製する自動販売機と、
該入場者が装着した該リストバンドの該識別データと連携して施設への入場を記録する入場ゲート装置と、
該識別データと連携して施設への退場を記録する退場ゲート装置と、
該識別データ、該入場ゲート装置が記録した入場データ、および該退場ゲート装置が記録した退場データを収容する管理サーバと、
を備え、
該使い捨てリストバンド作製用ロールが、
略一定の幅を有する長尺の柔軟性帯体を巻回して構成されている、
システム。」
において一致し、以下の各点において相違すると認められる。
<相違点1>
本件発明1では、リストバンドを作製する自動販売機が「マーカー部を認識して該ロールを切断」するのに対して、引用発明では、自動販売機について、そのような特定はなされていない点。
<相違点2>
本件発明1では、柔軟性帯体が、長尺でありかつ孔のないものであって、複数の細長いリストバンド基体部分を連続的に繰り返し配置したものであるのに対して、引用発明では、1本のリストバンドが、孔の有無を含めこのような構成であるかどうか不明である点。
<相違点3>
本件発明1では、「リストバンド基体部分が、印刷領域を有する表面と、該使い捨てリストバンドの端部の基準として設けられたマーカー部および剥離層で保護された粘着部を有する裏面とで構成される」のに対して、引用発明では、1本のリストバンドからなるロールであるものの、そのような特定はなされていない点。
イ 判断
事案に鑑み、まず、相違点2について検討する。
甲10Bの「リストバンド連続体」は、引用発明の「柔軟性帯体」に相当するものであるところ、この「リストバンド連続体」は、上記1(4)で示したように、「位置検出孔7」、「固定孔4」、「調整孔5」を有するものである。したがって、甲10Bは、相違点2の柔軟性帯体が、長尺であり「かつ孔のない」ことを開示するものではない。
また、甲11Bの「印刷媒体1」は、引用発明の「柔軟性帯体」に相当するものであるところ、この「印刷媒体1」は、上記1(5)で示したように、「係止穴4」を有するものである。したがって、甲11Bもまた、相違点2の柔軟性帯体が、長尺であり「かつ孔のない」ことを開示するものではない。
そうすると、引用発明おいて、甲10Bや甲11Bに基づいて相違点2に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことではない。
また、リストバンドを構成する柔軟性帯体が、長尺であり「かつ孔のない」ものあって、複数の細長いリストバンド基体部分を連続的に繰り返し配置したものであることが明らかなものは、申立人A及びBの提示したいずれの証拠にも開示されていない(すなわち、引用文献2の「バンド基材5」は「ミシン目4」を、甲5Bの「バンド基材5」は「ミシン目4」を、引用文献3(甲3B)の図5、図9の「リストバンド」は「V字状の切り込み」を、参考資料1の「イヴバンド」は「孔」を備えるものである。)。
以上のとおりであるから、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、引用発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2)本件発明2~7について
本件発明2~7は、本件発明1の発明特定事項をすべて含み、さらに発明特定事項を付加して限定したものであるから、本件発明1と同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
(3)小括
以上のとおりであるから、上記第4の1で示した取消理由は解消された。
(4)申立人の主張について
ア 申立人Aは、令和5年12月19日に提出された意見書(1ページ下から5行~下から3行)に、甲第6号証(以下「甲6A」という。)の16ページに「リストバンド上に複数の孔が設けられていないリストバンドが開示されている。」旨主張する。
しかしながら、甲6Aの16ページをみても、リストバンド単体に孔があるか否かは必ずしも明らかでないし、リストバンド単体を切断して作成する前のリストバンド連続体の切断箇所にミシン目等の孔があるか否かも不明である。
したがって、申立人Aの上記主張は、採用することができない。
イ 申立人Bは、令和5年12月21日に提出した意見書(7ページ下から5行~下から2行)において、「また、切断用穿孔を含む穿孔が設けられないリストバンドは周知慣用技術である。一例を挙げれば、既に提出している引用文献2(甲4B)、引用文献3、甲5でも切断用穿孔を含む穿孔が設けられていないリストバンドが示されています。」旨主張する。
しかしながら、引用文献2(甲4B)や甲5Bのリストバンドには、ミシン目4(孔)が設けられている。また、引用文献3の図5、図9には、リストバンドにV字状の切り込み(孔)が設けられたものが記載されているし、同図5、図9に示されたものは、リストバンド単体であって、リストバンド単体を切断して作成する前のリストバンド連続体の切断箇所にミシン目等の孔があるか否かも不明である。
したがって、申立人Bの上記主張は、採用することができない。
第7 第4で示した1及び2で採用しなかった特許異議申立理由について
1 申立人Aの主張する特許法第29条第2項
(1)主張の概要
申立人Aは、下記の甲号証を示し、甲1Aを主引用文献、甲2A~甲10Aを副引用文献として、本件発明1~7は、当業者が容易に発明をすることができた旨主張する。
記
甲1A:特開2013-97112号公報(引用文献2)
甲2A:韓国登録特許第10-1726563号公報(引用文献3)
甲3A:Wristbands.com、“PDC RFID Wristbands Transform Water and Amusement Parks into the Ultimate Guest Experience" 、[online]、2014年10月18日、YouTube、[令和4年10月18日検索]、インターネット〈URL:https://www.youtube.com/watch?v=nspXKEiVLkQ&t=19s〉
甲4A:PDCSmart Wristband Kioskのパンフレット、アメリカ合衆国、Brady Corporation
甲5A:SmarteCarte、 Inc.、“Locker Link by SmarteCarte" 、[online]
、2014年3月11日、YouTube、[令和4年10月18日検索]、インターネット〈URL:https://
www.youtube.com/watch?v=NWvqiUJLLco〉
甲6A:PDC RFID Solutions Group、’'2017/2018 Innovative RFID Solutions" 、[online]、2017年、waterparkrfid.com、2017-RFID-CATALOG-WEB.pdf、[令和4年10月18日検索]、インターネット〈URL:https://waterparkrfid.com/wp-content/uploads/2017/09/2017-RFID-CATALOG-WEB.pdf〉
甲7A:地域発信プロジェクト、“キスケKIT (@松山/遊び)中四国最大級のエンタメ施設に潜入してみた”、“館内はリストバンドでキャッシュレス‘'、[online]、2018年11月19日、海賊つうしん、[令和4年10月18日検索]、インターネット〈URL:https://kaizoku-ehime. jp/44199/〉
甲8A:あははライフ、“KIT キットスタイリッシュな遊びの空間キスケBOX松山市”、“料金の支払いと駐車場無料の手続き”、[online]、2021年12月25日、あははライフ、[令和4年10月18日検索]、インターネット〈URL:https://ahahalife. com/matuyamatokaiasobikukankisukekit/〉
甲9A:株式会社Fujitaka、’'導入事例入退場ゲート管理システム導入【KIT】様'’、[online]、株式会社Fujitakaセキュリティゲートから入退場ゲート管理システムまで/導入事例、[令和4年10月18日検索]、インターネット〈URL:https://www.fujitaka.com/pub/system/case/casel8.html〉
甲10A:検索エンジン: MicrosoftBingによる、Fujitaka 入退場ゲート管理システム導入の画像検索結果、[令和4年10月20日検索]、インターネット〈URL: https://www.bing.com/irnages/search?view=detailV2&ccid=yLqpro4M&id=5C91BD5D86DECF388B152E56FlOAAEB917FE73EE&thid=OIP.yLqpro4MhgS_V5Yl_wuFqQAAAA&mediaurl=https%3A%2F%2Fwww.fujitaka.com%2Fpub%2Fsystem%2Frecord%2Fgate%2Firng%2Fimg_gatel8_02.jpg&exph=350&expw=400&q=Fujitaka+%e5%8y%a5%e9%80%80%e5%a0%b4%e3%82%b2%e3%83%bc%e3%83%88%e7%ae%a1%e7%90%86%e3%82%b~%e3%82%b9%e3%83%86%e3%83%aO%e5%b0%8e%e5%85%a5%e3%80%80%ef%bc%ab%ef%bc%a9%ef%bc%64&simid=608052127060880396&form=IRPRST&ck=OAC3B7036E91C43D931D9ADC81A33089&selectedindex=60&ajaxhist=O&ajaxserp=O&vt=2&sim=15、0〉
(2)甲1A記載事項、甲1A発明
・段落【0018】~【0020】の記載事項や図1からみて、「略一定の幅を有する、複数の細長い台紙なしリストバンドを連続的に繰り返し配置した長尺帯状な合成樹脂フィルムからなるバンド基材5を巻回して構成される、等間隔に設けられたミシン目4によって一単位ごとに切り離し可能な、台紙なしリストバンド連続体1」が記載されている。
・段落【0049】からみて、「医療施設や遊戯施設において、使用可能なリストバンドに適用できること」について記載されている。
・段落【0020】、【0034】からみて、「サーマル層を設けたバンド基材5は、電子プリンタ20によって可変情報13が印字されること」が記載されている。
・段落【0034】には、「光学センサ23は、粘着部8(粘着剤層7)をタイミングマークとして検知し、台紙なしリストバンド2の一単位を切断すると共に、サーマルヘッドによる印字位置の制御を行うこと」が記載されるとともに、段落【0036】には、「カッタ装置27は、電子プリンタ装置20の発光口26付近に設けられ、光学センサ23が粘着部8を検出したタイミングに基づいて切断を行うことができる」ことが記載されている。
・段落【0037】の記載からみて、「印字される情報13は、医療施設において患者固有のものであり、遊戯施設の場合には、日付やバーコード等であり、入場券や遊戯券として使用される」こと記載されている。
・これらの記載と、図2からみて、「台紙なしリストバンドの基体部分が表面と該台紙なしリストバンドの端部の基準として設けられた粘着部8(タイミングマーク)を有する裏面とで構成されていること」が記載されている。
以上から、甲1Aには、以下の発明(以下「甲1A発明」という、)が記載されていると認められる。
「医療施設や遊戯施設において、使用可能なリストバンドに適用でき、
台紙なしリストバンドの基体部分が印刷部分を有する表面と、台紙なしリストバンド部分の及び、サーマル層を設けたバンド基材5は、電子プリンタ20によって可変情報13が印字され、カッタ装置27は、電子プリンタ装置20の発光口26付近に設けられ、光学センサ23が粘着部8を検出したタイミングに基づいて切断を行うことができ、光学センサ23は、粘着部8(粘着剤層7)をタイミングマークとして検知し、台紙なしリストバンド2の一単位を切断すると共に、サーマルヘッドによる印字位置の制御を行い、印字される情報13は、医療施設において患者固有のものであり、遊戯施設の場合には、日付やバーコード等であり、入場券や遊戯券として使用される電子プリンタ20と、
略一定の幅を有する、複数の細長い台紙なしリストバンドを連続的に繰り返し配置した長尺帯状な合成樹脂フィルムからなるバンド基材5を巻回して構成される、等間隔に設けられたミシン目4によって一単位ごとに切り離し可能な、台紙なしリストバンド連続体1であって、
台紙なしリストバンドの基体部分が表面と該台紙なしリストバンドの端部の基準として設けられた粘着部8(タイミングマーク)を有する裏面とで構成されている、
装置。」
(3)本件発明1と甲1A発明との対比
ア 本件発明1と甲1A発明とを対比すると、後者の「台紙なしリストバンド」は前者の「リストバンド基体部分」に、相当し、以下同様に、「長尺帯状な合成樹脂フィルムからなるバンド基材5」は「巻回」されるから「柔軟性帯体」に、相当する。
イ 後者の「台紙なしリストバンド連続体1」と前者の「使い捨てリストバンド作製用ロール」とは「リストバンド作製用ロール」において共通する。
ウ 後者の「サーマル層を設けたバンド基材5は、電子プリンタ20によって可変情報13が印字される」ことは、「バンド基材5」が「台紙なしリストバンド」の一部であるから、前者の「購入条件にしたがってリストバンド基体部分の表面に識別データを印刷」することとは、「条件にしたがってリストバンド基体部分の表面に識別データを印刷」することにおいて共通する。
エ 後者の「粘着部8」は前者の「マーカー部」に相当する。
オ 後者の「電子プリンタ20」と前者の「自動販売機」とは「装置」において共通する。
カ 後者のリストバンドに「印字される情報13は、医療施設において患者固有のものであり、遊戯施設の場合には、日付やバーコード等であり、入場券や遊戯券として使用される」から、後者の「リストバンド」は前者の「入場者専用の該入場者自らが装着する使い捨てリストバンド」とは「専用のリストバンド」である点において共通する。
キ 上記イ~カを踏まえると、後者の「サーマル層を設けたバンド基材5は、電子プリンタ20によって可変情報13が印字され、カッタ装置27は、電子プリンタ装置20の発光口26付近に設けられ、光学センサ23が粘着部8を検出したタイミングに基づいて切断を行うことができ、光学センサ23は、粘着部8(粘着剤層7)をタイミングマークとして検知し、台紙なしリストバンド2の一単位を切断すると共に、サーマルヘッドによる印字位置の制御を行う、電子プリンタ20」と前者の「使い捨てリストバンド作製用ロールを備え、購入条件にしたがってリストバンド基体部分の表面に識別データを印刷し、マーカー部を認識して該ロールを切断し、入場者専用の該入場者自らが装着する使い捨てリストバンドを作製する自動販売機」とは、「リストバンド作製用ロールを備え、条件にしたがってリストバンド基体部分の表面に識別データを印刷し、マーカー部を認識して該ロールを切断し、専用のリストバンドを作製する装置」において共通する。
ク 上記ア、イを踏まえると、後者の「略一定の幅を有する、複数の細長い台紙なしリストバンドを連続的に繰り返し配置した長尺帯状な合成樹脂フィルムからなるバンド基材5を巻回して構成される」「台紙なしリストバンド連続体1」と、前者の「該使い捨てリストバンド作製用ロールが、略一定の幅を有する、長尺でありかつ孔のない柔軟性帯体を巻回して構成されており、該柔軟性帯体が、複数の細長いリストバンド基体部分を連続的に繰り返し配置したものであり」とは、「該リストバンド作製用ロールが、略一定の幅を有する、長尺な柔軟性帯体を巻回して構成されており、該柔軟性帯体が、複数の細長いリストバンド基体部分を連続的に繰り返し配置したものであ」ることにおいて共通する。
ケ 後者の「台紙なしリストバンドの基体部分が印刷領域11を有する表面と該台紙なしリストバンドの端部の基準として設けられた粘着部8(タイミングマーク)を有する裏面とで構成されていること」と前者の「該リストバンド基体部分が、印刷領域を有する表面と、該使い捨てリストバンドの端部の基準として設けられたマーカー部および外側が剥離層で保護された粘着部を有する裏面とで構成される」こととは、「該リストバンド基体部分が、表面と、該リストバンドの端部の基準として設けられたマーカー部および粘着部を有する裏面とで構成される」ことにおいて共通する。
コ 後者の「装置」と前者の「システム」は「装置」において共通する。
サ そうすると、両者は、
「リストバンド作製用ロールを備え、条件にしたがってリストバンド基体部分の表面に識別データを印刷し、マーカー部を認識して該ロールを切断し、専用のリストバンドを作製する装置と、
該リストバンド作製用ロールが、
略一定の幅を有する、長尺な柔軟性帯体を巻回して構成されており、
該柔軟性帯体が、複数の細長いリストバンド基体部分を連続的に繰り返し配置したものであり、
該リストバンド基体部分が、表面と、該リストバンドの端部の基準として設けられたマーカー部および粘着部を有する裏面とで構成される、
装置。」
において一致し、以下の各点で相違すると認められる。
<相違点4>
本件発明1では、「施設管理システムであって、使い捨てリストバンド作製用ロールを備えた自動販売機と、該入場者が装着した該リストバンドの該識別データと連携して施設への入場を記録する入場ゲート装置と、該識別データと連携して施設への退場を記録する退場ゲート装置と、該識別データ、該入場ゲート装置が記録した入場データ、および該退場ゲート装置が記録した退場データを収容する管理サーバと、を備えた、システム」であるのに対して、甲1A発明では、「医療施設や遊戯施設において、使用可能なリストバンドに適用でき、台紙なしリストバンド連続体1を備えた電子プリンタ20」である点。
<相違点5>
リストバンド作製用ロールを備え、条件にしたがってリストバンド基体部分の表面に識別データを印刷し、マーカー部を認識して該ロールを切断し、専用のリストバンドを作製する装置に関して、本件発明1では、リストバンド作製用ロールが「使い捨て」リストバンド作製用ロールであり、条件が「購入条件」であり、装置が「入場者専用の該入場者自らが装着する使い捨て」リストバンドを作製する「自動販売機」であるのに対して、甲1A発明では、そのような特定はなされていない点。
<相違点6>
該リストバンド作製用ロールが長尺な柔軟性帯体を巻回して構成されていること、及び、該リストバンド基体部分が、表面と、該リストバンドの端部の基準として設けられたマーカー部および粘着部を有する裏面とで構成されることに関して、本件発明1では、該「使い捨て」リストバンド作製用ロールが長尺でありかつ「孔のない」柔軟性帯体を巻回して構成されており、該リストバンド基体部分が、「印刷領域を有する」表面と、該「使い捨て」リストバンドの端部の基準として設けられたマーカー部および「外側が剥離層で保護された」粘着部を有する裏面とで構成されるのに対して、甲1A発明では、リストバンド連続体1には、等間隔にミシン目4が設けられている点。
(4)相違点の判断
事案に鑑み、まず、相違点6について検討する。
上記第6 1(2)で説示したとおり、引用文献2(甲1A)には、従来技術として、
「帯状のバンド基材31に、リストバンド30を一単位毎に区画するミシン目4を等間隔で形成すると共に、プレ印刷11を施した表面と、タイミングマーク35と外側が台紙34で覆った粘着剤33を有する裏面とで構成されるリストバンド30」(従来技術としての「引用文献2の技術事項1」)が記載されている。
しかしながら、引用文献2の技術事項1は、「ミシン目4」を有する構成であり、リストバンド作製用ロールの柔軟性帯体が「孔」のないものを開示しておらず、甲1A発明にこれを適用しても上記相違点6に係る本件発明1の構成とはならない。
また、これを措くとしても、そもそも引用文献2(甲1A)の技術事項1の「外側が台紙34で覆った粘着剤33を有する裏面とで構成されるリストバンド30」は、甲1A発明の従来技術であるから、甲1A発明にこれを適用しようとする動機付けはない。
また、甲2A~甲10Aには、リストバンド作製用ロールの柔軟性帯体が「孔のない」構成は、記載されていない。
したがって、その他の相違点を検討するまでもなく、本件発明1は、甲1A発明、及び、甲2A~甲10Aに記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
また、本件発明2~7は、本件発明1の発明特定事項をすべて含み、さらに発明特定事項を付加して限定したものであるから、本件発明1と同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
2 申立人Bの主張する特許法第29条第2項
(1)甲1Bを主引用文献とするもの
ア 主張の概要
申立人Bは、下記の甲号証を示し、甲1Bを主引用文献、甲3B~甲5Bを副引用文献として、本件発明1~7は、当業者が容易に発明をすることができた旨主張する。
記
甲1B:特開平8-7130号公報
甲3B:韓国登録特許第10-1726563号(引用文献3)
甲4B:特開2013-97112号公報(引用文献2)
甲5B:特開2013-29661号公報
イ 甲1B発明
甲1Bには、以下の発明(以下「甲1B発明」という。)が記載されていると認められる(括弧内に根拠箇所を示した。)。
「自動発券・改札システムであって(段落【0005】、【0060】)、
券KEとしての切符用の感熱紙22aを供給する紙ロール22を内蔵し(段落【0019】)、
プリンター31、32を動作させて、日付や口座(入場料)などの情報にしたがって感熱紙22aの基体部分の表面にバーコードを印刷し(段落【0019】、【0024】、【0048】、【0060】、図12等)、光センサ29で感熱紙22aの裏面に印刷された黒色のマークsが読み取られ(段落【0023】)、カッターc1、c2を作動させてマークsの位置で感熱紙22aを切断し(段落【0024】)、券KE(図13)を作製する自動発券機20と、
券KEのバーコードの情報を読み取ることにより入場及び退場の時間管理を行う改札機のコンピュータと(段落【0060】)、
を備え、
紙ロール22が、略一定幅を有する、長尺かつミシン目が形成されていない柔軟性帯体を巻回して構成されており(段落【0051】、図13)、該柔軟性帯体が複数の細長い基体部分を連続的に繰り返して配置したものであり(図5、図6)、
感熱紙22aの基体部分が印刷領域を有する表面と券KEの端部の基準として設けられた黒色のマークsを有する裏面とで構成される(図13、図14)、
自動発券・改札システム。」
ウ 本件発明1と甲1B発明との対比
(ア)本件発明1と甲1B発明とを対比すると、後者の「自動発券・改札システム」は「入場及び退場の時間管理を行う改札機のコンピュータ」を備え、例えば「風呂屋」(段落【0060】)に用いる場合もあるから、前者の「施設管理システム」に相当し、以下同様に、「日付や口座(入場料)などの情報」は「購入条件」に、「バーコード」は「識別データ」に、「黒色のマークs」は「マーカー部」に、「自動発券機20」は「自動販売機」に、「改札機」は「入場ゲート装置」及び「退場ゲート装置」に、「改札機のコンピュータ」は入場及び退場の時間管理を行うから「管理サーバ」に、それぞれ相当する。
(イ)後者の「紙ロール22」は券KEとしての切符用の感熱紙22aを供給するものであり、通常切符は、使い捨てられるものであるから、前者の「使い捨てリストバンド作製用ロール」とは、「使い捨てチケット作製用ロール」において共通し、後者の「感熱紙22aの基体部分」と前者の「リストバンド基体部分」とは「チケット基体部分」において共通し、後者の「券KE」と前者の「使い捨てリストバンド」又は「リストバンド」とは「使い捨てチケット」又は「チケット」において共通する。
上記(ア)(イ)の相当関係等を踏まえると、以下のことがいえる。
(ウ)後者の「券KEとしての切符用の感熱紙を供給する紙ロール22を内蔵し、プリンター31、32を動作させて、日付や口座(入場料)などの情報にしたがって感熱紙22aの基体部分の表面にバーコードを印刷し、光センサ29で感熱紙22aの裏面に印刷された黒色のマークsが読み取られ、カッターc1、c2を作動させてマークsの位置で感熱紙22aを切断し、券KEを作製する自動発券機20」と、前者の「使い捨てリストバンド作製用ロールを備え、購入条件にしたがってリストバンド基体部分の表面に識別データを印刷し、マーカー部を認識して該ロールを切断し、入場者専用の該入場者自らが装着する使い捨てリストバンドを作製する自動販売機」とは「使い捨てチケット作製用ロールを備え、購入条件にしたがってチケット基体部分の表面に識別データを印刷し、マーカー部を認識して該ロールを切断し、使い捨てチケットを作製する自動販売機」において共通する。
(エ)後者の「券KEのバーコードの情報を読み取ることにより入場及び退場の時間管理を行う改札機のコンピュータ」は、前者の「該入場者が装着した該リストバンドの該識別データと連携して施設への入場を記録する入場ゲート装置と、該識別データと連携して施設への退場を記録する退場ゲート装置と、該識別データ、該入場ゲート装置が記録した入場データ、および該退場ゲート装置が記録した退場データを収容する管理サーバ」とは、「該入場者が装着した該チケットの該識別データと連携して施設への入場を記録する入場ゲート装置と、該識別データと連携して施設への退場を記録する退場ゲート装置と、該識別データ、該入場ゲート装置が記録した入場データ、および該退場ゲート装置が記録した退場データを収容する管理サーバ」において共通する。
(オ)後者の「紙ロール22が、略一定幅を有する、長尺かつミシン目が形成されていない柔軟性帯体を巻回して構成されており、該柔軟性帯体が複数の細長い基体部分を連続的に繰り返して配置したものであ」ることと、前者の「該使い捨てリストバンド作製用ロールが、略一定の幅を有する、長尺でありかつ孔のない柔軟性帯体を巻回して構成されており、該柔軟性帯体が複数の細長い基体部分を連続的に繰り返して配置したものであ」ることは、「該使い捨てチケット作製用ロールが、略一定の幅を有する、長尺でありかつ孔のない柔軟性帯体を巻回して構成されており、該柔軟性帯体が複数の細長いチケット基体部分を連続的に繰り返して配置したものであ」ることにおいて共通する。
(カ)後者の「感熱紙22aの基体部分が印刷領域を有する表面と券KEの端部の基準として設けられた黒色のマークsを有する裏面とで構成される」ことと、前者の「該リストバンド基体部分が、印刷領域を有する表面と、該使い捨てリストバンドの端部の基準として設けられたマーカー部および外側が剥離層で保護された粘着部を有する裏面とで構成される」こととは、「該チケット基体部分が、印刷領域を有する表面と、該使い捨てチケットの端部の基準として設けられたマーカー部を有する裏面とで構成される」ことにおいて共通する。
(キ)そうすると、両者は、
「施設管理システムであって、
使い捨てチケット作製用ロールを備え、購入条件にしたがってチケット基体部分の表面に識別データを印刷し、マーカー部を認識して該ロールを切断し、使い捨てチケットを作製する自動販売機と、
該入場者が装着した該チケットの該識別データと連携して施設への入場を記録する入場ゲート装置と、
該識別データと連携して施設への退場を記録する退場ゲート装置と、
該識別データ、該入場ゲート装置が記録した入場データ、および該退場ゲート装置が記録した退場データを収容する管理サーバと、
を備え、
該使い捨てチケット作製用ロールが、
略一定の幅を有する、長尺でありかつ孔のない柔軟性帯体を巻回して構成されており、
該柔軟性帯体が複数の細長いチケット基体部分を連続的に繰り返して配置したものであり、
該チケット基体部分が、印刷領域を有する表面と、該使い捨てチケットの端部の基準として設けられたマーカー部を有する裏面とで構成される、
システム。」
において一致し、以下の各点において相違すると認められる。
<相違点7>
自動販売機と、入場ゲート装置と、退場ゲート装置と、管理サーバに関して、使い捨てチケット作製用ロール、チケット基体部分、及び、使い捨てチケットが、それぞれ、本件発明1では、使い捨て「リストバンド」作製用ロール、「リストバンド」基体部分、及び、使い捨て「リストバンド」であるのに対して、甲1B発明では、切符作製用の紙ロール22、感熱紙22aの基体部分、及び、券KEである点。
<相違点8>
該使い捨てチケット作製用ロールが、略一定の幅を有する、長尺でありかつ孔のない柔軟性帯体を巻回して構成され、該柔軟性帯体が複数の細長いチケット基体部分を連続的に繰り返して配置したものであり、該チケット基体部分が、印刷領域を有する表面と、該使い捨てチケットの端部の基準として設けられたマーカー部を有する裏面とで構成されることに関して、使い捨てチケット作製用ロール、チケット基体部分、該使い捨てチケットが、それぞれ、本件発明1では、使い捨て「リストバンド」作製用ロール、「リストバンド」基体部分、該使い捨て「リストバンド」であって、「リストバンド」基体部分が、さらに、「外側が剥離層で保護された粘着部を有する裏面」で構成されているのに対して、甲1B発明では、切符作製用の紙ロール22、感熱紙22aの基体部分、券KEであって、感熱紙22aの基体部分が「外側が剥離層で保護された粘着部を有する裏面」を有さない点。
エ 相違点の判断
事案に鑑み、まず、相違点8について検討する。
上述したように、甲3B(引用文献3)には[0018]に「従来の無人入場券発売機装置の場合、チケットを紙形態で発券をしたが本発明のリストバンド無人入場券発売機装置はリストバンド形態で機器からチケットが出て顧客の手首に付着後、毀損及び盗難の問題で既存のチケットより優れている。」と記載されており、甲4B(引用文献2)には、従来技術に係る「引用文献2の技術事項1」に示したように、「帯状のバンド基材31に、リストバンド30を一単位毎に区画するミシン目4を等間隔で形成すると共に、プレ印刷11を施した表面と、タイミングマーク35と外側が台紙34で覆った粘着剤33を有する裏面とで構成されるリストバンド30」が記載されている。また、甲5Bにも甲4Bと同様の記載がある。
しかしながら、甲1B発明の紙ロール22は、切符作製用のものであってリストバンド作製用のものではないから、甲1B発明において、そもそも上記甲3Bに記載される技術的背景を考慮する理由はないし、結果として上記甲4Bや甲5Bに記載される技術事項を適用する動機付けは見出せない。
したがって、相違点7を検討するまでもなく、本件発明1は、上記甲3B記載の示唆や上記甲4Bや甲5B記載の事項にかかわらず、甲1B発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
また、本件発明2~7は、本件発明1の発明特定事項をすべて含み、さらに発明特定事項を付加して限定したものであるから、本件発明1と同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2)甲3B(引用文献3)を主引用文献とするもの
ア 主張の概要
申立人Bは、下記の甲号証を示し、甲3Bを主引用文献、甲4B、甲5B、甲6Bを副引用文献として、本件発明1~7は、当業者が容易に発明をすることができた旨主張をする。
記
甲3B:韓国登録特許第10-1726563号(引用文献3)
甲4B:特開2013-97112号公報(引用文献2)
甲5B:特開2013-29661号公報
甲6B:特開2001-316921号公報
イ 甲3B発明
上記1(3)の記載事項及び図示内容からみて、甲3Bには、以下の発明(以下「甲3B発明」という。)が記載されていると認められる(括弧内に根拠箇所を示した。)。
「有料で利用することができる施設物において履歴管理することができるリストバンド無人入場券発売システムであって([0029]、[0019]、請求項1)、
リストバンド無人入場券の基体部分の表面に固有な識別情報であるバーコードが印刷されRFチップが付着されたリストバンド形態のリストバンド無人入場券を発券して出力するリストバンド無人入場券発売機(100)と(請求項1、図9)、
発券されたリストバンド無人入場券は、入場時にリストバンド無人入場券のバーコードを入口に配置されたバーコードリーダー機(108)で読み取って入場がなされ、バーコードをバーコードリーダー機(108)で読み取って決済後退場時に後払いで精算されて使用され([0035]、[0019])、
出口ゲートと(請求項1)、
リストバンド無人入場券に印刷されたバーコードの識別情報に決済金額、入場時間、退場時間、施設物利用内訳に対する情報を保存した精算サーバと(請求項1)、
を備え、
入場のための決済が完了するとRFチップ記録部を通じてリストバンド無人入場券のRFチップに予め設定された入場通知値を記録し、精算が完了すると前記RFチップに予め設定された退場通知値を記録する制御部を含み(請求項1)、
出口ゲートに設けられてRFチップを読み取るRFチップ出口読取部、前記出口ゲートに設けられて警報音を発生する警報アラーム機と(請求項1)、
精算をせずにそのまま退場する場合、未精算者が着用しているリストバンド無人入場券のRFチップには入場通知値がそのまま記録されているため、出口ゲートを開放しないので退場することができないようにし、さらに、警報音を発生させて警告を与え([0060])、
リストバンド無人入場券の基体部分が、印刷領域を有する表面と、裏面とで構成され、V字状の切り込みがある(図9)、
リストバンド無人入場券発売システム。」
ウ 本件発明1と甲3B発明との対比
(ア)本件発明1と甲3B発明とを対比すると、後者の「有料で利用することができる施設物において履歴管理することができるリストバンド無人入場券発売システム」は前者の「施設管理システム」及び「システム」に相当し、以下同様に、「リストバンド無人入場券の基体部分」は「リストバンド基体部分」に、「バーコード」は「識別データ」に、「リストバンド無人入場券発売機(100)」は「自動販売機」に、「バーコードリーダー機(108)」は「入場ゲート装置」に、「バーコードリーダー機(108)及び「「出口ゲート」は「退場ゲート装置」に、「入場時間」は「入場データ」に、「退場時間」は「退場データ」に、「精算サーバ」は「管理サーバ」に、それぞれ相当する。
後者の「リストバンド無人入場券」は前者の「使い捨てリストバンド」とは「リストバンド」において共通する。
これら相当関係等を踏まえると以下のことがいえる
(イ)後者の「リストバンド無人入場券の基体部分の表面に固有な識別情報であるバーコードが印刷されRFチップが付着されたリストバンド形態のリストバンド無人入場券を発券して出力するリストバンド無人入場券発売機(100)」と前者の「使い捨てリストバンド作製用ロールを備え、購入条件にしたがってリストバンド基体部分の表面に識別データを印刷し、マーカー部を認識して該ロールを切断し、入場者専用の該入場者自らが装着する使い捨てリストバンドを作製する自動販売機」とは「購入条件にしたがってリストバンド基体部分の表面に識別データを印刷し、入場者専用の該入場者自らが装着するリストバンドを作製する自動販売機」において共通する。
(ウ)後者の「発券されたリストバンド無人入場券は、入場時にリストバンド無人入場券のバーコードを入口に配置されたバーコードリーダー機(108)で読み取って入場がなされ、バーコードをバーコードリーダー機(108)で読み取って決済後退場時に後払いで精算されて使用され、
バーコードリーダー機(108)と出口ゲートと、リストバンド無人入場券に印刷されたバーコードの識別情報に決済金額、入場時間、退場時間、施設物利用内訳に対する情報を保存した精算サーバ」に関して、後者の「バーコードリーダー機(108)」、「出口ゲート」及び「精算サーバ」は、前者の「該入場者が装着した該リストバンドの該識別データと連携して施設への入場を記録する入場ゲート装置と、該識別データと連携して施設への退場を記録する退場ゲート装置と、該識別データ、該入場ゲート装置が記録した入場データ、および該退場ゲート装置が記録した退場データを収容する管理サーバ」に相当する。
(エ)後者の「リストバンド無人入場券の基体部分が、印刷領域を有する表面と、裏面とで構成される」ことと、前者の「該リストバンド基体部分が、印刷領域を有する表面と、該使い捨てリストバンドの端部の基準として設けられたマーカー部および外側が剥離層で保護された粘着部を有する裏面とで構成される」こととは、「該リストバンド基体部分が、印刷領域を有する表面と、裏面とで構成される」ことにおいて共通する。
(オ)そうすると、両者は、
「施設管理システムであって、
購入条件にしたがってリストバンド基体部分の表面に識別データを印刷し、入場者専用の該入場者自らが装着するリストバンドを作製する自動販売機と、
該入場者が装着した該リストバンドの該識別データと連携して施設への入場を記録する入場ゲート装置と、
該識別データと連携して施設への退場を記録する退場ゲート装置と、
該識別データ、該入場ゲート装置が記録した入場データ、および該退場ゲート装置が記録した退場データを収容する管理サーバと。
を備え、
該リストバンド基体部分が、印刷領域を有する表面と、裏面とで構成される、システム。」
の点で一致し、以下の各点で相違すると認められる。
<相違点9>
本件発明1では、「使い捨てリストバンド作製用ロールを備え、」「マーカー部を認識して該ロールを切断し、」入場者専用の該入場者自らが装着する「使い捨て」リストバンドを作製する自動販売機であるのに対して、甲3B発明では、「固有な識別情報であるバーコードが印刷されRFチップが付着されたリストバンド形態のリストバンド無人入場券を発券して出力するリストバンド無人入場券発売機(100)」である点。
<相違点10>
本件発明1では、「該使い捨てリストバンド作製用ロールが、略一定の幅を有する、長尺でありかつ孔のない柔軟性帯体を巻回して構成されており、該柔軟性帯体が、複数の細長いリストバンド基体部分を連続的に繰り返し配置したものであり、該リストバンド基体部分が、」印刷領域を有する表面と、「該使い捨てリストバンドの端部の基準として設けられたマーカー部および外側が剥離層で保護された粘着部を有する」裏面とで構成されるのに対して、甲3B発明では、「リストバンド無人入場券の基体部分が、印刷領域を有する表面と、裏面とで構成される」ものの、V字状の切り込みがあり「孔のない」ものでない点。
エ 相違点の判断
事案に鑑み、まず、相違点10について検討する。
上記4(1)イで述べたように、甲4B(引用文献2、甲1A)には、「略一定の幅を有する、複数の細長い台紙なしリストバンドを連続的に繰り返し配置した長尺帯状な合成樹脂フィルムからなるバンド基材5を巻回して構成される、等間隔に設けられたミシン目4によって一単位ごとに切り離し可能な、台紙なしリストバンド連続体1と、台紙なしリストバンドの基体部分が表面と該台紙なしリストバンドの端部の基準として設けられた粘着部8(タイミングマーク)を有する裏面とで構成されていること」が記載されており、本件発明1に倣うと、「略一定の幅を有する、長尺な柔軟性帯体を巻回して構成されており、該柔軟性帯体が、複数の細長いリストバンド基体部分を連続的に繰り返し配置したものである、該リストバンド作製用ロール」及び「該リストバンド基体部分が、表面と、該使い捨てリストバンドの端部の基準として設けられたマーカー部および粘着部を有する裏面とで構成される」ことが開示されているといえる。
また、上記1(2)で述べたように、甲4B(引用文献2、甲1A)には、従来技術として、「帯状のバンド基材31に、リストバンド30を一単位毎に区画するミシン目4を等間隔で形成すると共に、プレ印刷11を施した表面と、タイミングマーク35と外側が台紙34で覆った粘着剤33を有する裏面とで構成されるリストバンド30」も記載されており、本件発明1に倣うと、「柔軟性帯体に、リストバンドを一単位毎に区画するミシン目4を等間隔で形成すると共に、印刷領域を有する表面と、マーカー部および外側が剥離層で保護された粘着部を有する裏面とで構成される、リストバンド」が開示されるといえる。
しかしながら、上記甲4Bに開示された事項も、上記甲4Bに従来技術として開示された事項も、また、甲5Bにも、リストバンド作製用ロールの柔軟性帯体が「孔」のないものを開示しておらず、甲3B発明にこれらを適用しても上記相違点10に係る本件発明1の構成とはならない。また、甲6Bの図5には、リストバンド単体に孔のないものが開示されているが、切断部55においてリストバンド同士の「継ぎ目」の部分をカッタ66で切断するものであり(段落【0026】、【0028】)、リストバンド単体を切断して作成する前のリストバンド連続体の「継ぎ目」部分にミシン目等の孔があるか否は不明と言わざるを得ない。
したがって、甲3B発明において、甲4Bや甲5Bに開示される構成や甲6Bに開示される構成を適用して上記相違点10に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たこととはいえない。
よって、相違点9を検討するまでもなく、本件発明1は、甲3B発明と、甲4B、甲5B及び甲6Bに開示された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
また、本件発明2~7は、本件発明1の発明特定事項をすべて含み、さらに発明特定事項を付加して限定したものであるから、本件発明1と同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
第8 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由及び証拠によっては、本件発明1~7に係る特許を取り消すことはできない。
さらに、他に本件発明1~7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
また、請求項8に係る特許は、上記のとおり、訂正により削除された。これにより、申立人A、Bによる特許異議の申立てについて、請求項8に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。
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2022-701180