特許訂正審判
2022-390195
包丁ホルダ及び包丁ホルダ装置
- 審判番号
- 2022-390195
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2020-111000
- 登録番号
- 6789434
- 請求日
- 2022年10月31日
- 審決日
- 2023年01月20日
- 公報発行日
- 2023年05月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】堤 康博
- 【請求人代理人】穴見 健策
- 審判長/審判官
- 審判長 松下 聡
- 審判官 白土 博之
- 審判官 平城 俊雅
- 分類
- P141 .832-Y (A47J) / P141 .851-Y (A47J) / P141 .852-Y (A47J)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第6789434号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第6789434号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項4について訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第6789434号(以下「本件特許」という。)は、令和2年6月27日を出願日とする出願であって、令和2年11月5日に設定登録がなされた。
その後、本件特許に対して、審判請求人(以下「請求人」という。)により、訂正審判(以下「本件訂正審判」という。)の請求が、令和4年10月31日になされたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、「特許第6789434号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項4について訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。
第3 訂正事項(下線は訂正箇所を示す。)
1.訂正事項1
特許請求の範囲の請求項4に記載された「請求項2記載の包丁ホルダ装置。」を、「請求項3記載の包丁ホルダ装置。」に訂正する。
2.訂正事項2
特許請求の範囲の請求項4に記載された「スタンド装置の回動アームが上下又は横方向に回動可能」を、「スタンド装置の回動アームが上下方向に回動可能」に訂正する。
第4 当審の判断
1.訂正事項1
(1)訂正の目的について
ア 訂正前の請求項4に記載された、「請求項2記載の包丁ホルダ装置」について、請求項2には、「包丁ホルダ装置」は記載されていないから、訂正前の請求項4の記載において、「請求項2記載の包丁ホルダ装置」とした場合、請求項2の記載との関係において齟齬が生じる。
イ また、訂正前の請求項4に記載されているのは、「包丁ホルダ装置」であって、訂正前の請求項4より前の請求項において、「包丁ホルダ装置」が記載されるのは、請求項3のみであるから、請求項4が引用する請求項のうち、記載の上で整合し得る請求項は、請求項3のみである。
ウ そうすると、訂正前の請求項4の「請求項2記載の包丁ホルダ装置。」が「請求項3記載の包丁ホルダ装置。」の誤記であることは明らかである。
エ したがって、訂正事項1は、訂正前の請求項4の「請求項2記載の包丁ホルダ装置。」を「請求項3記載の包丁ホルダ装置。」と訂正することにより、請求項4の記載の誤記を訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とする訂正である。
(2)新規事項について
願書に最初に添付した明細書の段落【0006】の「上記課題を解決するために本発明は、包丁hの峰bhの頂部tを保持して包丁全体を吊支するホルダ体10と、ホルダ体10に取り付けられ間隔を設けて磁石52が2個以上列状に設けられて包丁の峰の頂部tを着脱自在に磁力支持する磁石列50と、を含み、ホルダ体10の一端側からみて幅方向略中央位置に磁石列50が配置されている包丁ホルダ1から構成される。」、段落【0008】の「また、本発明は、請求項1の包丁ホルダ1と、該包丁ホルダ1を横方向に長い状態で基台31から所要の高さ位置で支持するスタンド装置30と、を含む包丁ホルダ装置20から構成される。」、及び段落【0009】の「さらに、包丁ホルダ装置20は、包丁ホルダ1を横方向に長い状態で基台31から所要の高さ位置で支持するスタンド装置30の回動アームが上下又は横方向に回動可能に設けられているとよい。」という記載や、図9の記載に照らして、訂正事項1に係る訂正により特定される請求項4に係る発明は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)に記載されている。
したがって、訂正事項1は、当初明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものでなく、当初明細書等の範囲内においてするものである。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の拡張・変更について
上記(1)のとおり、訂正事項1は、誤りであることが明らかな記載を、本来その意であることが明らかな記載に正すものであり、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明のカテゴリーや対象を変更するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
2.訂正事項2
(1)訂正の目的について
訂正事項2は、訂正前の請求項4に、「上下又は横方向」と択一的に記載されていた回動アームの回動方向について、「横方向」のみを削除するものである。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)新規事項について
上記(1)のとおり、訂正事項2は、訂正前の請求項4に、「上下又は横方向」と択一的に記載されていた回動アームの回動方向について、「横方向」のみを削除するものである。そして、回動アームの回動方向を「上下方向」とする点は、願書に添付した明細書の段落【0009】、【0025】に記載されている。
したがって、訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「特許明細書等」という。)の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものでなく、特許明細書等の範囲内においてするものである。
よって、訂正事項2は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の拡張・変更について
上記(1)のとおり、訂正事項2は、訂正前の請求項4に、「上下又は横方向」と択一的に記載されていた回動アームの回動方向について、「横方向」のみを削除することにより、特許請求の範囲を減縮しようとするものである。
したがって、訂正事項2は実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項2は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
3.独立特許要件について
上記1.(1)及び2.(1)で検討したとおり、訂正事項1は誤記の訂正を目的とし、訂正事項2は特許請求の範囲を減縮しようとするものであるところ、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、訂正後における特許請求の範囲の請求項4に記載される事項により特定される発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。
したがって、訂正後における特許請求の範囲の請求項4に記載されている事項により特定される発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであり、訂正事項1及び2は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
第5 むすび
以上のとおりであるから、本件審判請求に係る訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。
また、本件審判請求に係る訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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