商標取消審判
2022-301009
ハクバ
- 審判番号
- 2022-301009
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2018-154705
- 登録番号
- 6198421
- 請求日
- 2022年11月17日
- 審決日
- 2023年08月24日
- 公報発行日
- 2023年11月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ジャガー・ランドローバー・ジャパン 株式会社
- 【請求人代理人】中田 和博
- 【請求人代理人】青木 博通
- 【被請求人】天津市万達輪胎集団有限公司
- 【被請求人代理人】岡村 太一
- 【被請求人代理人】恩田 俊郎
- 【被請求人代理人】TRY国際弁理士法人
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 大山 健
- 審判官 山田 啓之
- 分類
- T131 .1 -Y (W12)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第2号、商標法第50条第1項、商標法第50条第2項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第6198421号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6198421号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、「HAKUBA」の欧文字を横書きしてなり、平成30年12月18日に登録出願、第12類「自動車用タイヤ,自転車用タイヤ用チューブ,空気タイヤ,自転車用タイヤ,航空機・二輪自動車・自転車用タイヤ,空気タイヤの外殻,チューブ修理用具,空気タイヤ用チューブ,タイヤ再生用トレッド,航空機・自動車・二輪自動車・自転車用ソリッドタイヤ,自転車用チューブレスタイヤ,航空機用車輪」を指定商品として、令和元年11月15日に設定登録されたものである。
そして、本件審判請求の登録日は、令和4年12月5日である。
なお、本件審判において、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、令和元年(2019年)12月5日ないし令和4年(2022年)12月4日である(以下「要証期間」という。)。
第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定に基づき、本件商標の商標登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
1 請求の理由
被請求人は、過去3年以上、日本において本件商標を指定商品について使用していないから、商標法第50条第1項の規定によりその登録は取り消されるべきである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は、被請求人提出の審判事件答弁書に対して、何ら弁駁していない。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第12号証を提出した。
1 以下に示すとおり、本件商標の通常使用権者が、本件商標を指定商品中、第12類「自転車用タイヤ,自転車用タイヤ用チューブ」について、要証期間に使用している。また、これらの商品における欧文字「HAKUBA」の使用が本件商標の使用に該当することは明白である。
2 被請求人と本件商標の通常使用権者
被請求人である天津市万達輪胎集団有限公司は、1988年に設立された中国企業で、主に自転車用タイヤ、自動車用タイヤ、オートバイ用タイヤ等のタイヤ製品の研究開発、製造、販売等を行っており、世界中に販売拠点を有する。
河北万達輪胎有限公司は2013年に設立された中国企業で、被請求人の子会社である。主に自転車用タイヤ、自動車用タイヤ、オートバイ用タイヤ等のタイヤ製品の製造、販売を行っている。
被請求人は、2020年(令和2年)1月1日付けで、河北万達輪胎有限公司との間に本件商標の第12類「タイヤ」に関する指定商品について使用許諾契約を締結した(乙1)。
河北万達輪胎有限公司が被請求人の子会社であることを証明する資料として、被請求人に関する会計事務所業務報告書を提出する(乙2)。当該資料は中国の会計事務所が作成したもので、被請求人の財務状況が記載されている。当該資料の4葉目に河北万達輪胎有限公司が被請求人の子会社であることが明記されている。
合わせて、河北万達輪胎有限公司が取得した品質マネジメントシステム(ISO9001)の認証に関する証明書の写しを提出する(乙3)。当該資料では、河北万達輪胎有限公司の社名の英語表記「Hebei Wanda Tyre Co.,Ltd.」が確認できる。なお、乙第1号証でも、「Hebei Wanda Tyre Co.,Ltd.」が河北万達輪胎有限公司の英語表記として記載されている。
このように、被請求人は、自身の子会社である河北万達輪胎有限公司に本件商標の商品「タイヤ」に関する通常使用権を許諾しており、2020年(令和2年)1月1日から現在に至るまで、河北万達輪胎有限公司は本件商標の通常使用権者である。
3 販売
(1)概要
本件商標の通常使用権者である河北万達輪胎有限公司は、要証期間に、本件商標が付された商品「自転車用タイヤ」及び「自転車用タイヤ用チューブ」を、日本の企業「株式会社MonotaRO」に販売していた。また、株式会社MonotaROは上記商品「自転車用タイヤ」及び「自転車用タイヤ用チューブ」をセットにした「タイヤチューブセット」を、自社のオンラインショップにて要証期間に販売した。株式会社MonotaROは、兵庫県尼崎市に本社を置き、事業者向け工業用間接資材を中心に幅広い商品を取り扱う通信販売会社である(乙4)。
以下、上記の販売に関して具体例とともに詳述する。
(2)乙第5号証
河北万達輪胎有限公司が、要証期間である2022年(令和4年)4月2日に中国税関に提出した税関申告書の写しを提出する(乙5)。当該資料には、貨物の出荷者が河北万達輪胎有限公司であり、これを受け取る受取人として株式会社MonotaROが記載されている。また、貨物の仕向地として、日本の神戸と記載されている。
「商品名称及びスペック型番」の項目では、「自転車の外側タイヤ」と記載され、「自転車用 26*1 3/8等 26英寸等 1 3/8英寸等」と続き、また「商標名 HAKUBA」と記入されている。これらの記載は、後に詳述する商品仕様書(乙9)中の注文コード40559759に対応する「サプライヤ品番 W/O 26×1・3/8」「サイズ 26×1・3/8」と一致するため、輸出商品は、乙第9号証にて確認できる「HAKUBA」の文字が付された「自転車用タイヤ」であることは明らかである。
また、「商品名称及びスペック型番」の項目では、商品名称「自転車用内側タイヤ(自転車用タイヤ用チューブ)」及び「商標名 HAKUBA」と記載されており、以下にて説明する乙第6号証ないし乙第8号証の資料中にも「BICYCLE TUBE(自転車用タイヤ用チューブ)」と記載されていることから、輸出商品に「自転車用タイヤ用チューブ」も含まれていたことがわかる。
さらに、乙第5号証には、「販売契約番号」として「G6-XR2203-C-MONO03940」と記載されているが、当該番号は乙第6号証ないし乙第8号証にも記載されていることから、これらは同一貨物に関する書類である。
加えて、乙第5号証には、自転車用タイヤの数量として11240個、自転車用タイヤ用チューブの数量として10240個と記載されていて、これらの数量は乙第6号証ないし乙第8号証中の数量と一致している。
(3)乙第6号証ないし乙第8号証
乙第6号証ないし乙第8号証は、税関申告書(乙5)の添付書類として税関に提出された書類の写しである。各書類には税関申告書と同様の「G6-XR2203-C-MONO03940」が付されていることから、同一貨物の「自転車用タイヤ」及び「自転車用タイヤ用チューブ」等に関する一連の書類であり、要証期間である2022年(令和4年)3月29日に作成された。
乙第6号証は、「SALES CONFIRMATION」であり、売主の河北万達輪胎有限公司と買主の株式会社MonotaROとの間で成立した売買確認書である。乙第7号証は「COMMERCIAL INVOICE」であり、河北万達輪胎有限公司から株式会社MonotaRO宛てに発行された貨物に関する請求書である。さらに、乙第8号証は「PACKING LIST」であり、貨物に関する梱包明細書である。
これらの乙第6号証ないし乙第8号証には、「SHIPPER(荷送り人)」として「HEBEI WANDA TYRE CO., LTD.(河北万達輪胎有限公司)」が記載され、「TO(受取人)」に「MonotaRO Co., Ltd.(株式会社MonotaRO)」と記載されている。また、「NAME OF GOODS&SPECIFICATION(商品名称及び仕様)」には「BICYCLE TIRE(自転車用タイヤ)」と記載され、「26×1 3/8 B003 BLK」等の記載が確認できるが、これらの記号はタイヤのサイズ等を表示したものであり、税関申告書(乙5)及び商品仕様書(乙9)中の対応する箇所の記載と一致する。また、「NAME OF GOODS&SPECIFICATION(商品名称及び仕様)」には「BICYCLE TUBE」とも記載されていることから、貨物に「自転車用タイヤ用チューブ」が含まれていたことは明らかである。さらに、「TRANSPORT DETAILS(輸送手段詳細)」には、「FROM(積出地)」として「XINGANG,CHINA(天津新港、中国)」と記載され、「TO(荷揚地)」として「KOBE,JAPAN(神戸、日本)」と記載されていることから、中国の天津新港から日本の神戸に向けて貨物が送付されたことを示している。
(4)乙第9号証
乙第9号証は、株式会社MonotaROが作成した商品仕様書であり、同社が販売する商品の仕様がまとめられている。株式会社MonotaROは、通常使用権者から、本件商標に係る商品「自転車用タイヤ」及び「自転車用タイヤ用チューブ」を購入し、これらをまとめて「タイヤチューブセット」として販売している。乙第9号証には、この「タイヤチューブセット」に関する注文コード、品番、サイズ、セット内容、タイヤの溝のパターンの他に、製品写真等が掲載されており、これらの写真により、商品「自転車用タイヤ」の側面に「HAKUBA」の文字が印字されていることを確認可能である。
既に述べたとおり、乙第9号証の1葉目下部に記載された注文コード40559759に対応する「サプライヤ品番 W/O 26×1・3/8」「サイズ 26×1・3/8」は、乙第5号証ないし乙第8号証に記載された商品「自転車用タイヤ」の仕様と一致するため、乙第5号証ないし乙第8号証に係る貨物「自転車用タイヤ」が乙第9号証に記載された「自転車用タイヤ」と同一であることは明らかである。
(5)乙第10号証ないし乙第12号証
株式会社MonotaROは、「タイヤチューブセット」を自社オンラインショップ「モノタロウ」にて販売していることから、乙第10号証として当該オンラインショップの「タイヤチューブセット」のページの写しを提出する。
乙第10号証の1葉目にて、「タイヤ・チューブ 各2本セット」、「海外ブランド「HAKUBA」のタイヤチューブセットです。」、「「HAKUBA」は、2015年に正式にリリースされ、日本や韓国のミドルクラス以上の自転車タイヤマーケットをターゲットとしてきました。」との記載が確認でき、1葉目の中央にて、「海外ブランド「HAKUBA」製」の文字の下に自転車用タイヤの製品写真が掲載され、当該タイヤ側面部に欧文字「HAKUBA」が付されていることが確認できる。さらには、商品「タイヤチューブセット」の注文コード「40559734」「40559743」「40559759」等が記載され、その右には「サイズ 22×1・3/8」「タイプ W/O」「空気圧300(43)」「ETRTO規格 37-501」の項目が続く。これらは、商品仕様書(乙9)の1葉目下部に記載された「注文コード」「サイズ」「タイプ」「空気圧」「ETRTO規格」の情報と対応している。具体的には、商品仕様書(乙9)の注文コード「40559734」の「サイズ」「タイプ」「空気圧」「ETRTO規格」の各記載事項は、乙第10号証の同一注文コード「40559734」の「サイズ」「タイプ」「空気圧」「ETRTO規格」と一致しており、これらは同一の「タイヤチューブセット」を指している。
乙第10号証の注文コード「40559759」をクリックすると、当該商品の個別ページが開くが、当該ページの写しが乙第11号証である。乙第11号証の下部にある「すべてのレビューを表示(満足度別に絞り込む)」をクリックして開かれるページの写しが乙第12号証である。
乙第12号証では、オンラインショップ「モノタロウ」にて商品「タイヤチューブセット」を購入した需要者の商品レビューが掲載されているが、これらの中には、要証期間である2022年(令和4年)10月22日付け及び2022年11月8日付けの注文コード「40559759」に関する商品レビューが認められる。これらの商品レビューは、要証期間に、株式会社MonotaROのオンラインショップを通じて、注文コード「40559759」に対応する「タイヤチューブセット」が、需要者に譲渡(販売)されたことを示すものである。
なお、被請求人は、通常使用権者を介して、株式会社MonotaROとの取引を2019年4月に開始したが、上記は要証期間に入力された多数の商品レビューの一部を例示したものにすぎないことを付言する。
4 小括
このように、乙第5号証ないし乙第12号証により、要証期間に、本件商標の通常使用権者である河北万達輪胎有限公司が、「HAKUBA」の文字を付した商品「自転車用タイヤ」及び「自転車用タイヤ用チューブ」を、株式会社MonotaROに譲渡(販売)したことが見て取れる。また、乙第9号証にて確認できる「HAKUBA」の文字が本件商標と社会通念上同一と認められる商標であることは明らかであって、商品「自転車用タイヤ」及び「自転車用タイヤ用チューブ」は、本件商標の指定商品の範ちゅうに含まれる。
したがって、上記の譲渡行為は、商標法第2条第3項第2号にいう、商品に標章を付したものを譲渡する行為に該当する。
さらに、乙第10号証ないし乙第12号証によれば、河北万達輪胎有限公司から商品「自転車用タイヤ」及び「自転車用タイヤ用チューブ」を購入した株式会社MonotaROは、これらを「タイヤチューブセット」として、要証期間に日本の需要者に販売したことが見て取れる。
商標権者等が登録商標の使用をしている場合とは、商標権者等が、その製造に係る商品の販売等の行為をするに当たり、登録商標を使用する場合のみを指すのではなく、商標権者等によって市場に置かれた商品が流通する過程において、流通業者等が、商標権者等の製造に係る当該商品を販売等するに当たり、当該登録商標を使用する場合も含むものと解するのが相当であるとされている(知的財産高等裁判所 平成24年(行ケ)第10310号判決)。
そうすると、河北万達輪胎有限公司が、日本の通信販売会社である株式会社MonotaROに対し、日本において消費者に販売されることを認識しつつ本件商標を付して商品を譲渡し、株式会社MonotaROが本件商標を付した状態で日本の消費者に対して商品「自転車用タイヤ」及び「自転車用タイヤ用チューブ」を譲渡した事実が認められるのであるから、河北万達輪胎有限公司によって、本件商標が日本国内で使用されたものと評価できる。また、乙第12号証は、株式会社MonotaROによる商品「タイヤチューブセット」の販売が、要証期間に行われたものであることを示している。
したがって、株式会社MonotaROによる商品「タイヤチューブセット」の販売は、商標法第2条第3項第2号にいう、商品に標章を付したものを譲渡する行為に該当する。
5 むすび
以上のとおり、本件商標の通常使用権者である河北万達輪胎有限公司は、要証期間に、本件審判の請求に係る指定商品中、「自転車用タイヤ」及び「自転車用タイヤ用チューブ」について、本件商標又は本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をした。
第4 当審の判断
1 被請求人提出の乙各号証及び同人の主張によれば、以下のとおりである。
(1)税関申告書、売買確認書、請求書及び梱包明細書(乙5~乙8)
乙第5号証は、契約番号が「G6-XR2203-C-MONO03940」である売買契約に係る商品の中国の税関申告書であり、当該税関申告書には、申告日として「2022/04/02」、出荷者として「河北万達輪胎有限公司」、受取人として「MonotaRO Co., Ltd.」、貨物の指定到着港として「神戸(日本)」の記載がある。
また、税関申告書(乙5)の中央には、「項番」「商品番号」「商品名称及びスペック型番」「数量及び単位」「単価/総額/通貨」「原産国(地域)」「最終目的国(地域)」などを項目とする表内に、「項番 1」「商品番号 4011500000」「商品名称及びスペック型番 自転車の外側タイヤ/・・・自転車用|26*1 3/8等|26英寸等|1 3/8英寸等/商標名:HAKUBA 中国名称なし」「数量及び単位 ・・・/11240条/・・・」「単価/総額/通貨 ・・・/25689.70/美元」「原産国(地域) 中国/(CHN)」「最終目的国(地域) 日本/(JPN)」、及び、「項番 2」「商品番号 4013200000」「商品名称及びスペック型番 自転車の内側タイヤ(自転車用タイヤ用チューブ)/・・・自転車用 商標名:HAKUBA 中国名称なし」「数量及び単位 ・・・/10240条/・・・」「単価/総額/通貨 ・・・/9932.80/美元」「原産国(地域) 中国/(CHN)」「最終目的国(地域) 日本/(JPN)」の記載がある。
また、乙第6号証ないし乙第8号証は、それぞれ、税関申告書(乙5)と同じ契約番号が「G6-XR2203-C-MONO03940」である売買契約についての、2022年3月29日付け売買確認書(乙6)、請求書(乙7)及び梱包明細書(乙8)であり、それぞれの出荷者、受取人、指定到着港、商品、数量、総額等の記載は税関申告書(乙5)と整合している。
(2)商品仕様書(乙9)
乙第9号証は、株式会社MonotaRO(以下「MonotaRO社」という。)が作成した商品仕様書(全2葉)であり、その1葉目には、「作成日 2020/01/01」「メーカー名 16580-モノタロウ(WANDA)」、「メーカーURL http:www.tjwanda.com.cn/」、「ブランド モノタロウ」、「グループコード 4221871」、「商品名 タイヤチューブセット」の記載がある。
また、商品仕様書(乙9)の1葉目には、「商品」のタイトルの下、タイヤチューブセットと思われる商品の画像が掲載され、「属性情報」のタイトル下、「●セット内容 タイヤ2本、チューブ2本、リムフラップ(リムバンド)2本」等の記載とともに、「■実際の印字」の記載下、タイヤの側面を撮影したと思われる画像が付され、同画像から、タイヤの側面に「HAKUBA」の文字が表示されていることが確認できる(別掲2を参照。)。
さらに、商品仕様書(乙9)には、「寸法・図面」のタイトル下、「注文コード」「サプライヤ品番」「販売単位」「サイズ」等を項目とする表に、「注文コード 40559759」「サプライヤ品番 W/O 26×1・3/8」「販売単位 1セット」「サイズ 26×1・3/8(刻印)」の記載が確認できる。
加えて、商品仕様書(乙9)の2葉目にも、「■実際の印字」の記載下、側面に「HAKUBA」の文字が表示された、タイヤの側面を撮影したと思われる画像が掲載されている。
なお、MonotaRO社の英語表記は「MonotaRO Co.,Ltd.」であり(乙4)、上記(1)に係る税関申告書(乙5)に商品の受取人として記載されている「MonotaRO Co.,Ltd.」と一致する。
(3)商標使用許諾契約書(乙1)
乙第1号証は、商標権者である天津市万達輪胎集団有限公司(以下「天津市万達輪胎集団社」という。)と河北万達輪胎有限公司(以下「河北万達輪胎社」という。)の間で2020年1月1日に締結された商標使用許諾契約書である。この商標使用許諾契約書(乙1)には、商標権者である天津市万達輪胎集団社が、所有する本件商標の区分第12類「タイヤ」に関する指定商品に対して、河北万達輪胎社に使用権を許諾することが記載されている。また、許諾使用期間が2020年1月1日ないし2029年11月15日であること、使用許諾契約の使用は日本地域での販売にのみ有効であること、及び河北万達輪胎社は本件商標を使用して自社の企業名及び原産地を商品に表示する必要があること等が記載されており、天津市万達輪胎集団社及び河北万達輪胎社の押印も確認できる。
(4)上記(1)ないし(3)から以下の事実が認められる。
ア 商標権者である天津市万達輪胎集団社は、2020年1月1日ないし2029年11月15日の期間において、河北万達輪胎社が、商品「タイヤ」を日本に販売する際に、本件商標を使用することを許諾した。
イ 河北万達輪胎社は、2022年4月頃、MonotaRO社に対して、「HAKUBA」ブランドである商品「自転車の外側タイヤ」11240個(「26×1・3/8」のサイズのものを含む。)を総額25689.70米ドルで販売するとともに、同じく「HAKUBA」ブランドである商品「自転車の内側タイヤ(自転車用タイヤ用チューブ)」10240個を総額9932.80米ドルで販売し、それぞれ同時期に中国から日本の神戸港に出荷したことから、河北万達輪胎社が製造した「自転車の外側タイヤ」(以下「使用商品」という。)は2022年4月頃に日本において、MonotaRO社に引き渡された(譲渡された)といえる。
ウ MonotaRO社は、河北万達輪胎社が製造してMonotaRO社向けに出荷した「自転車の外側タイヤ」及び「自転車の内側タイヤ(自転車用タイヤ用チューブ)」などを「タイヤチューブセット」として商品仕様書(乙9)に掲載したといえ、この商品仕様書(乙9)によれば、使用商品(「自転車の外側タイヤ」)の側面には、「HAKUBA」(以下「使用商標」(別掲2)という。)の文字が印字されていることが推認できる。
2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
本件商標は、「HAKUBA」の欧文字を横書きしてなるもの(別掲1)であるところ、使用商標は「HAKUBA」の文字からなり(別掲2)、本件商標と文字構成を同じくするものであるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標と判断するのが相当である。
(2)使用商品について
使用商品は「自転車の外側タイヤ」であるところ、本件審判の請求に係る指定商品中、第12類「自転車用タイヤ」の範ちゅうに属する商品であるといえる。
(3)使用行為、使用時期、使用者について
河北万達輪胎社は2020年1月1日ないし2029年11月15日の期間において、商標権者からタイヤを日本に販売する際に本件商標の使用を許諾されていたことから、要証期間を含む同期間において、本件商標の通常使用権者であったといえる。
そして、通常使用権者である河北万達輪胎社が、要証期間である2022年4月頃に、日本において、MonotaRO社に、使用商標が印字された使用商品を引き渡した(譲渡した)行為は、商標法第2条第3項第2号に規定する使用行為に該当する。
(4)小括
上記(1)ないし(3)からすれば、本件商標の通常使用権者は、要証期間に、日本国内において本件審判の請求に係る指定商品中、「自転車用タイヤ」の範ちゅうに属する商品に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して譲渡した(商標法第2条第3項第2号に該当。)と認めることができる。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の通常使用権者が、その審判の請求に係る指定商品について本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていたことを証明したといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-301009