商標取消審判
2022-300782
セルベリー
- 審判番号
- 2022-300782
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2004-114731
- 登録番号
- 4983886
- 請求日
- 2022年08月23日
- 審決日
- 2024年12月19日
- 公報発行日
- 2025年06月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】セリベリー セラピュティクス インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】弁理士法人R&C
- 【被請求人】株式会社 バイオ技研
- 【被請求人代理人】廣瀬 哲夫
- 【被請求人代理人】服部 秀一
- 【被請求人代理人】鈴木 佑子
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T132 .1 -Y (Y03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第2号、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第4983886号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第4983886号商標(以下「本件商標」という。)は、「Cellvely」の文字を標準文字で表してなり、平成16年12月16日に登録出願、「せっけん類」を含む第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年9月1日に設定登録され、現に有効に存続するものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和4年9月7日であり、登録前3年以内の期間である令和元年(2019年)9月7日から令和4年(2022年)9月6日までを以下「要証期間」という場合がある。
第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品中、第3類「せっけん類」(以下「請求に係る指定商品」という場合がある。)の登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を請求書及び審判事件弁駁書(以下「弁駁書」という。)において要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証(以下、証拠の表記にあたっては、「甲(乙)第1号証」を「甲(乙)1」のように省略して表記する。)を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、請求に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁について
(1)乙1及び乙2について
被請求人は、2021年6月7日及び同年8月1日に顧客より発注依頼があり、顧客へ商品を納品した旨を主張し、その証拠として、受注書(乙1)及び領収書の控え(乙2)を提出している。
しかしながら、まず、顧客の押印等のない受注書(乙1)及び発行者名の記載のない領収書の控え(乙2)のみでは、受注日付である2021年6月7日又は同年8月1日に実際に注文依頼があったかが不明である。
また、被請求人は、乙1に記載されている「セレヴリィ」又は「セレヴリイ」は本件商標と社会通念上同一の商標であると主張するが、本件商標から複数のカタカナ表記が考えられること自体、いずれのカタカナ表記も本件商標と同一の称呼及び観念が生じるとは言えず、本件商標と社会通念上同一の商標とは言い難い。むしろ、本件商標からは、その構成文字からして「セルベリー」又は「セルヴェリー」の称呼が生ずるとみるのが極めて自然であり、乙1に記載されている「セレヴリィ」又は「セレヴリイ」は本件商標と社会通念上同一の商標であるとはいえない。
したがって、乙1及び乙2によっては、本件商標が要証期間内に請求に係る指定商品である「せっけん類」について使用されたとはいえない。
(2)乙3について
乙3は本件商標が付されたボディーソープの写真とのことであるが、写真の撮影日や撮影場所等が不明であり、また、製品の製造日等を示す記載もないことから、要証期間における上記製品の存在を証明するものとはいえない。
したがって、乙3によっては、本件商標が要証期間内に請求に係る指定商品である「せっけん類」について使用されたとはいえない。
(3)乙4及び乙5について
乙4及び乙5はいずれも本件商標権者が過去に運営していたホームページの写しとのことであるが、それぞれ2004年、2007年及び2008年時のものであり、いずれも要証期間外である。
したがって、乙4及び乙5によっては、本件商標が要証期間内に請求に係る指定商品である「せっけん類」について使用されたとはいえない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)及び令和6年8月8日付け審尋に対する審判事件回答書(以下「回答書」という。)において、要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証(枝番号を含む。枝番号をまとめて引用するときは枝番号を省略する。また、枝番号は「乙○の○」のように記載する。)を提出した。
1 答弁書における主張
(1)乙1「セレヴリイ受注書」
顧客からの電話注文を受けて本件商標権者が作成した受注書(注文No.S80-851、852)であって、本件商品に係る「セレヴリイボディーソープ」が注文されていることが分かる。
なお、「セレヴリィ」「セレヴリイ」は、本件商標「Cellvely」をカタカナ表記したものであって、本件商標と社会通念上同一の商標である。
(2)乙2「領収書(控)」
顧客へ商品を発送する際に同封した領収書の控えである。乙1に係る受注(No.851、852)を含めた注文No.850ないし853に関するものである。
(3)乙3「商品写真」
本件商標「Cellvely」、「セレヴリィ」が付されたボディーソープの商品写真である。
(4)乙4、乙5「過去のホームページの写し」
本件商標権者が過去に運営していたホームページの写しであって、Waybackmachineから取得したものである。
(5)経緯
本件商標権者は、2004年頃からホームページ等で本件商標「Cellvely」を付したボディーソープの販売を始めた(乙3~乙5)。これに伴い、本件商標権者は、本件商標を出願、権利化した。
その後、2008年頃にホームページの運営を終了し、以降現在に至るまで常連顧客からの電話注文のみで継続して販売を行っている(乙1)。現在の販路はいわゆる「ロコミ」がメインである。
(6)使用について
ア 本件商標権者は、千葉県市川市に住所を置く法人である。
イ 本件商標権者は、2021年6月7日、8月1日に本件商品に係る第3類「せっけん類」であるボディーソープの受注を顧客から電話で受けた(乙1)。
ウ 顧客からの入金を受けて、領収書を発行すると共に、商品を日本国内の顧客に発送した(乙2)。
エ 発送した商品は、乙3に係る商品であり、容器本体に本件商標が付されたものであって、商標法第2条第3項に規定する「使用」に該当するものである。
2 審尋に対する回答書における主張
(1)新たな証拠について
ア 乙6は、乙1及び乙2で提出した注文No.850ないし852の顧客に依頼してコピーをとった領収書であり、余白に顧客から一筆ある手紙である。原本は顧客の手元にある。
イ 乙7は、乙1及び乙2で提出した注文No.850ないし852の納品書、請求書、物品受領書のコピーであり、本件商標権者が控えとして保管していたものである。
ウ 乙8は、令和4年8月期の地方税申告書であり、本件商標権者が乙6に記載の住所を使用していることを示すものであり、住所下段の「茨城県下妻市」は本件商標権者の工場所在地である。
(2)受注書及び領収書(控)(乙1、乙2)について
乙6の領収書(コピー)には、本件商標権者の名称、住所が記載、押印されている。なお、「茨城・・・」の住所は、本件商標権者の工場所在地である。行政の町名変更により、現在は、乙8に記載の住所「長塚乙2-7」となっているが、印鑑の変更はしておらず、郵便物も問題なく配達されている。
また、乙2の領収書(控)と乙6の領収書を比較すると、記載されている文字だけでなく、筆跡も一致している。
(3)商品写真(乙3)について
住所の相違はボトル製造時の担当者が在籍していないため理由は不明であるが、ビル名、階数が同じであり、番地の「3」の有無のみの違いであることから、「4-31-10」とするところを「4-1-10」とした誤記であることは明確である。
なお、本件商標権者の本社は、既に当該住所からは移転し、甲2、乙8の住所地にて事業を行っているが、ボトル本体の製造に際し、製造ロットが大きかったため、現在もボトル本体の在庫が多数あることから、移転前の住所が記載されたボトルを使用している。
(4)過去のホームページ(乙5)について
乙5の1は、乙5の2葉目の写真を拡大したものであるが、過去のホームページのため、画像はやや不鮮明であるが、片仮名、数字の解読は容易である。そして、本体上部に「セレヴリィ」「デリケートゾーン専用ボディーソープ」の文字、本体下部に本件商標権者の名称、住所、電話番号、メールアドレスが記載されており、乙3の裏面と一致していることが分かる。
そして、乙5(乙4)の当時に使用していたボトルの在庫があるため、現在も引き続き同じボトル(乙3)を使用している。
(5)弁駁書について
ア 今回提出した乙6、乙7により、顧客がボディソープ「Cellvely」を2021年5月ないし8月に注文し、納品書、領収書とともに、乙3にかかる製品が顧客へと送付されたことは明確である。
イ 「Cellvely」の片仮名表記について、本件商標権者は、乙1ないし乙7にあるように「セレヴリィ」を使用している。少なくとも本件商標権者と顧客にとって「セレヴリィボディソープ」といえば、乙3の「Cellvely」ボディソープである。
本件商標権者は、ボディソープは、乙3の「Cellvely」のみの販売であるので、本件商標権者のボディソープは、乙3の「Cellvely」ボディソープを指すものである。
ウ 乙3の写真について
乙3の写真は、答弁書提出当時の在庫商品を代理人が写したものである。また製造年月日が必要な商品ではない。
エ 乙4、乙5については、本件商標権者が2004年ないし2008年頃に運営していたホームページに掲載されていたボディソープ「Cellvely」と同じものを引き続き現在においても販売していることを示すためのものである。
(6)合議体の暫定的見解に対して
ア 乙1、乙2について
ボディソープ受注の流れは、まず、顧客からの電話注文を受け、乙1のセレヴリィ受注書を作成、次に顧客からの支払いを待ち、支払い確認後に、乙7の納品書、請求書、乙6の領収書、乙3の製品を顧客に発送する。
乙1に本件商標権者の住所記載はないが、電話番号、FAX番号が記載されており、これは、乙6の領収書の住所とともに押印されている電話番号、FAX番号と一致するもので、本件商標権者に係るものであることは明確である。乙2の領収書(控)と対をなす領収書を、乙6として提出した。
イ 乙3については、上記(3)に述べたとおり誤記である。
ウ 乙5について、本件商標権者は、乙1、乙4、乙5から分かるように、ボディソープは、200mlのボトル製品しか販売していない。ほかは、乙3の2葉目の写真にあるように試供品として小分けした袋のものを配布するのみである。
エ 値段については、乙4、乙5の当時(2008年頃)は、税込み3,000円で販売していたが、消費税率の改定等により、現在は、税抜き3,000円、税込み3,300円で乙3に係る200mlの製品を販売している。
オ 使用について
以上より、(ア)令和3年(2021年)5月10日、同年6月10日、同年8月5日に、(イ)日本国内において、(ウ)本件商標権者である株式会社バイオ技研は、 (エ)指定商品「せっけん類」にかかるボディソープに、(オ)本件商標「Cellvely」を (カ)ボディソープのボトル本体に付した状態で、顧客に販売しているので、商標法第2条第3項第2号の使用に該当する。
第4 当審の判断
1 両当事者の提出に係る各号証及び主張の全趣旨を総合すれば、以下のとおりである。
(1)本件商標の商標登録原簿における、本件商標権者の居所は、平成28年8月9日に東京都台東区から千葉県市川市とする表示変更の申請がされ、その後、同31年3月29日に現在の居所に変更する表示変更の申請がされた(甲2)。
本件商標権者は、居所が東京都台東区であった頃に、ホームページ上で「Cellvely」の文字を付したボディソープの販売を行っていた(乙4、乙5)が、2008年頃にホームページの運営を終了し、以降現在に至るまで常連顧客からの電話注文のみで継続して販売を行っている(被請求人主張、甲2、乙1、乙4)。
(2)ア 乙1の1葉目は「セレヴリイ受注書」(S80-851)とするものであり、本件商標権者名の記載及び電話番号とFax番号の記載があり、個人の顧客である東京都のIから2021年(令和3年)6月7日に「セレヴリィボディソープ」2本、合計金額「¥10,800」の注文を受けたものである。
イ 乙1の2葉目は、「セレヴリイ受注書」(S80-852)とするものであり、本件商標権者名の記載及び電話番号とFax番号の記載があり、個人の顧客である埼玉県のWから2021年(令和3年)8月1日に「セレヴリィボディソープ」1本、合計金額「¥7,500」の注文を受けたものである。
(3)ア 乙6の4葉目は、本件商標権者から顧客I宛の領収書のコピーであり、「No.851」、「¥10,800」「2021年6月10日」の記載があり、本件商標権者の住所は、「茨城県下妻市」であり、電話及びFax番号の記載がある。
イ 乙6の6葉目は、本件商標権者から顧客W宛の領収書のコピーであり、「No.852」、「¥7,500」「2021年8月5日」の記載があり、本件商標権者の住所は、「茨城県下妻市」であり、電話及びFax番号の記載がある。
(4)ア 乙7の2葉目は、本件商標権者から個人の顧客I宛の令和3年6月10日付けの納品書、請求書及び物品受領書(伝票NO.851)であり、商品名として「セレヴリィボディソープ」「数量 2本」「合計 10,800」の記載、本件商標権者の住所は「茨城県下妻市」となっている。
イ 乙7の3葉目は、本件商標権者から個人の顧客W宛の令和3年8月5日付けの納品書、請求書及び物品受領書(伝票NO.852)であり、商品名として「セレヴリィボディソープ」「数量 1本」「合計 7,500」の記載、本件商標権者の住所は「茨城県下妻市」となっている。
ウ 乙8及び被請求人の主張によれば、本件商標権者は、本社を「千葉県市川市」(商標登録原簿の記載の住所と同一)とするものであり、上記ア及びイの住所「茨城県下妻市」は本件商標権者の製造工場の所在地である。
(5)乙3は、「本件商標を付した商品写真」とするものであって、写真にある商品の前面には、「Cellvely」の欧文字をゴシック体様で表した文字(以下「使用商標」という。)「BIO―GIKEN INC」の欧文字の記載、背面には「セレヴリィ」「デリケートゾーン専用ボディーソープ」「(ラボから生まれた女性のためのソープ)」(以下当該「セレヴリィデリケートゾーン専用ボディソープ」とする商品を「使用商品」という。)との記載、下部には、「販売元 株式会社バイオ技研」(本件商標権者の名称)との記載があるが、住所は「東京都台東区・・・4-1-10」と記載されている。
(6)乙5は、2008年頃の本件商標権者のホームページであって、「Cellvely」の欧文字をゴシック体様で表した文字を付したボディソープの商品写真が掲載され、商品を注文できるように電話番号等の連絡先が記載されている。そして、その掲載された商品写真(乙5の1)には、前面には、「Cellvely」の欧文字をゴシック体様で表した文字(使用商標)「BIO―GIKEN INC」の欧文字の記載、背面には「セレヴリィ」「デリケートゾーン専用ボディーソープ」、「(ラボから生まれた女性のためのソープ)」と思しき記載、下部には、「販売元 株式会社バイオ技研」(本件商標権者)、住所は「東京都台東区・・・4-1-10」との記載がある。
2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。
(1)本件商標と使用商標の社会通念上の同一性について
本件商標は、上記第1のとおり、「Cellvely」の文字を標準文字で表してなるものである。他方、使用商品に付されている使用商標は、「Cellvely」の欧文字をゴシック体様で表した文字からなるものであるから、両者は書体にのみに変更を加えた同一の文字からなる商標であって、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標というのが相当である。
(2)商標の使用、使用時期及び使用者について
ア 上記1(2)アに係る受注書、上記1(3)アに係る領収書、上記1(4)アに係る納品書、請求書及び物品受領書は、当該書類に記載されている顧客の氏及び付されている番号と伝票No.、商品数量及び代金、本件商標権者の電話番号及びFAX番号が一致することから、一連の取引に係る取引書類であると認められ、当該取引に不自然なところはない
イ 上記1(2)イに係る受注書、上記1(3)イに係る領収書、上記1(4)イに係る納品書、請求書及び物品受領書は、当該書類に記載されている顧客の氏及び付されている番号と伝票No.、商品数量及び代金、本件商標権者の電話番号及びFAX番号が一致することから、一連の取引に係る取引書類であると認められ、当該取引に不自然なところはない。
ウ 上記ア及びイによれば、本件商標権者は、個人の顧客から令和3年6月7日及び同年8月1日に「セレヴリィボディソープ」の受注を受け、同年6月10日及び同年8月5日に当該顧客に当該商品を納品し及び当該商品の代金を請求し、当該顧客は同日に商品の代金を支払ったものと認められる。
そして、上記の当該商品の納品日は要証期間内である。
そして、上記の取引については、書類は日本語で記載されており、本件商標権者の製造工場から国内に所在の顧客に納品されたものであるから、日本国内で取引されたものといえる。
エ 使用商品の背面には「セレヴリィ」「デリケートゾーン専用ボディソープ」の記載があるところ、当該記載と上記1(4)の納品書、請求書及び物品受領書の「セレヴリィボディソープ」との記載は、商品の背面の表示を簡略に「セレヴリィボディソープ」と表したものと認められ、ほぼ一致する表示といえるから、当該取引(上記ア及びイの取引)に係る商品は使用商品である。
オ 使用商品に記載されている住所は、本件商標権者の本件商標の商標公報及び設定登録時の住所(東京都台東区)と若干相違しているものの、番地の「3」の有無のみの違いであり、それ以外は建物名も含め一致していることから誤記と認められるものであり、使用商品の製造者は、本件商標権者と認められる。
カ 乙5は、2008年頃の本件商標権者のホームページであるところ、「Cellvely」の欧文字をゴシック体様で表した文字を付したボディソープの商品写真が掲載され、販売されているものである。その掲載された商品写真と、使用商品の商品写真とは、その外観、形状及び色彩、そして表示されている文字から同一の商品(使用商品)と認められる。
そうすると、本件商標権者は、2008年頃の使用商品のボトルを上記ウの取引時においても使用していると推認される。さらに、上記1(4)の納品書等における本件商標権者の住所は、本件商標権者の商標登録原簿に記載の住所と相違するものの、当該住所は上記1(4)ウのとおり、本件商標権者の製造工場の住所であることからすれば、使用商品を製造及び販売(譲渡)したのは本件商標権者であると見て差し支えない。
キ 上記アないしカからすると、本件商標権者は、要証期間内に日本国内の顧客に対して、商品の包装に使用商標が付された使用商品を譲渡したということができるから、使用商標の使用者は本件商標権者であると認められる。
(3)使用商品について
使用商標を包装に付した商品(使用商品)は、上記1の納品書等の取引書類の商品名や商品容器にある「ボディソープ」の文字から「ソープ、せっけん」と認められるものであって、「せっけん類」に含まれる商品であるから、請求に係る指定商品の範ちゅうの商品である。
(4)小括
以上によれば、本件商標権者は、要証期間に日本国内において、請求に係る商品に含まれる「ボディソープ」の包装に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して譲渡したものと認められる。
本件商標権者による上記使用行為は、商標法第2条第3項第2号にいう「商品の包装に標章を付したものを譲渡する行為」に該当する。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標権者が本件審判の請求に係る指定商品である「せっけん類」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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