商標取消審判
2022-300118
ボタラボ、ボタ、ラボ
- 審判番号
- 2022-300118
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2003-072182
- 登録番号
- 4758595
- 請求日
- 2022年02月09日
- 審決日
- 2023年04月19日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】アスク カンパニー リミテッド
- 【請求人代理人】弁理士法人R&C
- 【被請求人】株式会社 黒ばら本舗
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 大山 健
- 審判官 鈴木 雅也
- 分類
- T131 .1 -Z (Y03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第2項、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第1号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第4758595号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第4758595号商標の商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第4758595号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり「BOTA-LABO」の欧文字と「ボタ-ラボ」の片仮名を二段に書してなり、平成15年8月7日に登録出願、第3類「シャンプーその他のせっけん類,頭髪用化粧品,バスソルトその他の浴用化粧品,その他化粧品,香料類」を指定商品として、同16年3月26日に設定登録され、同25年11月19日に存続期間の更新登録がされたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和4年2月24日であり、本件審判において、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、平成31年(2019年)2月24日ないし令和4年(2022年)2月23日である(以下「要証期間」という。)。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第11号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用された形跡が見当たらないから、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)乙第1号証ないし乙第5号証について
被請求人は、乙第1号証ないし乙第5号証をもって、要証期間に本件商標を付した商品を販売したと主張するが、乙第1号証ないし乙第5号証は、いずれも要証期間に本件商標を付した商品の販売が行われたことを証明する証拠とはなり得ないものである。
ア 乙第1号証について
乙第1号証は、被請求人と株式会社ボタ・ラボラトリー(以下「ボタ・ラボラトリー社」という。)との平成24年2月1日付けの商標使用権許諾契約書の写しとのことであるが、少なくともこの契約書の写しのみでは、本件商標が要証期間にその指定商品について使用されたとはいえない。
イ 乙第2号証について
乙第2号証は、東京都に提出した化粧品製造販売届書とのことであるが、これは商品の販売に関する取引書類等ではないことから、商品の販売を裏付ける証拠とはなり得ない。
したがって、乙第2号証によっては、本件商標が要証期間にその指定商品について使用されたとはいえない。
ウ 乙第3号証について
乙第3号証は、被請求人が本件商標の通常使用権者であると主張するボタ・ラボラトリー社によって撮影された商品の写真とのことであるが、証拠説明書によると撮影日が令和4年3月15日であり要証期間のものではない。
したがって、乙第3号証によっては、本件商標が要証期間にその指定商品について使用されたとはいえない。
なお、乙第3号証の商品にはJANコード「4560408270079」が記載されているが、JANコードの登録管理を行っているGS1 Japan(一般社団法人流通システム開発センター)のデータベースで当該番号を検索してみても、登録されている商品は発見できなかった(甲3)。このことから、現時点で乙第3号証の商品は販売されていないと思われ、さらに、後述する乙第4号証及び乙第5号証の発注、納品時点においても当該商品が販売されていたかが不明である。
エ 乙第4号証について
被請求人は、乙第4号証はセルレ株式会社(以下「セルレ社」という。)が作成した、ボタ・ラボラトリー社ヘの製品発注書であると主張する。しかしながら、この発注書には「セルレ株式会社」という会社名の記載と、「発注者」欄にK氏のネーム印が押印されているが、セルレ社の住所の記載や会社印等の押印もないことから、同社によって作成されたものであるか不明である。加えて、この発注書はネーム印がカラーであることから、FAX等で送られたものではないと推測されるが、送付方法が不明であり、依頼日付である2019年10月25日に実際に発注依頼があったものかも疑義が残る。
オ 乙第5号証について
被請求人は、乙第5号証はセルレ社が作成し、ボタ・ラボラトリー社ヘ発行した製品の受領書であると主張する。しかしながら、乙第5号証は全て手書きで記載されたものであり、S氏、M氏、N氏のネーム印は押印されているが、これらは受領印であるのかも判然とせず、受領者であるセルレ社の会社印等も押印されていないことから、この受領書からは実際に2019年11月6日にセルレ社によって受領されたものであるか疑義が残る。
さらに、乙第4号証に記載されている発注番号は「000188509」であるのに対し、乙第5号証に記載されている発注番号は「000188480」であるから、両者は対応するものではなく、乙第4号証及び乙第5号証をもって、商品の発注、納品が行われたことを証明する証拠とはなり得ないものである。
カ 小括
以上から、乙第1号証ないし乙第5号証は、いずれも要証期間において本件商標を付した商品が販売されたことを証明する証拠とはなり得ないことが明らかである。
(2)使用商標と本件商標の社会通念上の同一性について
被請求人は、乙第2号証ないし乙第5号証をもって、「ボタラボ」及び「Bota lab」の語を使用していることから、本件商標を使用していると主張するが、以下に述べるとおり、乙第2号証ないし乙第5号証で使用されている商標は本件商標そのものではなく、また、本件商標と社会通念上同一の商標ともいえないことから、本件商標を使用しているとはいえないものである。
ア 乙第2号証で使用されている商標について
乙第2号証では、販売名に「ボタラボ」ではなく、「ボタラボCCヘアエマルジョン」と記載されており、当該語は同一の書体、同一の大きさで一連に書してなるものであるから、「ボタラボCCヘアエマルジョン」全体が一つの商標として把握されるべきものといえる。そして、「ボタラボCCヘアエマルジョン」と本件商標とは、欧文字の「BOTA-LABO」部分の有無で異なるのみならず、「CCヘアエマルジョン」の語の有無でも異なる。また、称呼の観点からみても、両者は、「CCヘアエマルジョン」から生じる「シーシーヘアエマルジョン」の称呼の有無という点でも異なる。したがって、本件商標と乙第2号証で使用されている商標「ボタラボCCヘアエマルジョン」とは外観、称呼において明らかに異なり、「ボタラボCCヘアエマルジョン」は本件商標と社会通念上同一の商標とはいえないものである。
なお、仮に「ボタラボ」部分のみを本件商標の片仮名「ボタ-ラボ」のみと比較した場合であっても、両者は「-」(ハイフン)の有無で異なることから、いずれにしても本件商標とは外観において異なることが明らかである。
イ 乙第3号証で使用されている商標について
乙第3号証の商品に使用されている商標は、ややデザイン化された筆記体で表された「Bota lab」であるから、本件商標とは片仮名の「ボタ-ラボ」を有しない点で明らかに異なり、さらに、「BOTA-LABO」部分と比較しても、「-」(ハイフン)の有無、末尾の「O」の有無という点で明らかに外観が異なる。また、「labo」は「人名」「地名」を表す語であり(甲4)、「ラボー」「ラボ」の称呼が生じ得るのに対し、「lab」は「実験室、研究所」の意味を有する「laboratory」の略語であり、「ラブ」の称呼が生じるものである(甲5)。
例えば、インターネットで「lab」の語について検索すると、「lab」の語を「ラブ」と読んで使用している事実が多数ある(甲6~甲11)。
これらからすると、乙第3号証で使用されている商標「Bota lab」は「ボタラブ」と称呼されるべきものである。
以上のとおり、「Bota lab」は、本件商標とは外観、観念、称呼のいずれの点においても明らかに異なり、本件商標と社会通念上同一の商標とはいえないものである。
ウ 乙第4号証で使用されている商標について
乙第4号証には「品番/品名1」欄に「ボタラボラトリーCCヘアエマルジョン120ml」と記載されているのみで、本件商標は一切記載されていない。また、「ボタラボラトリーCCヘアエマルジョン120ml」は、本件商標とその外観、称呼において著しく異なることから、本件商標と社会通念上同一の商標ともいえないことは明らかである。
したがって、乙第4号証は、本件商標を使用している証拠とはなり得ないことが明らかである。
エ 乙第5号証で使用されている商標について
乙第5号証では「品名」欄に、かろうじて読める程度に「ボタラボCCヘアエマルジョン120ml」と記載されていると思われるが、乙第2号証のものと同様に、「ボタラボCCヘアエマルジョン」の語は同一の書体、同一の大きさで一連に書してなるものであるから、「ボタラボCCヘアエマルジョン」全体が一つの商標として把握されるべきといえる。そして、「ボタラボCCヘアエマルジョン」と本件商標とは、欧文字の「BOTA-LABO」部分の有無で異なるのみならず、「CCヘアエマルジョン」の語の有無でも異なる。また、称呼の観点からみても、両者は、「CCヘアエマルジョン」から生じる「シーシーヘアエマルジョン」の称呼の有無という点でも異なる。
したがって、本件商標と乙第5号証で使用されている商標「ボタラボCCヘアエマルジョン」とは外観、称呼において明らかに異なり、「ボタラボCCヘアエマルジョン」は本件商標と社会通念上同一の商標とはいえないものである。
なお、仮に「ボタラボ」部分のみを本件商標の片仮名「ボタ-ラボ」のみと比較した場合であっても、両者は「-」(ハイフン)の有無で異なることから、いずれにしても本件商標とは外観において異なることが明らかである。
オ 小括
以上から、乙第2号証ないし乙第5号証で使用されている商標は、いずれも本件商標ではなく、また、本件商標と社会通念上同一の商標ともいえないことが明らかである。
したがって、乙第1号証ないし乙第5号証をもって、本件商標を使用しているとはいえない。
(3)結語
以上から、乙第1号証及び乙第2号証は、商品の販売の事実を裏付ける取引書類等ではなく、乙第3号証は要証期間において商品が存在していたことを示すものではなく、乙第4号証及び乙第5号証は実際に商品が発注、納品されたことを証明するものとして疑義が残るものであることから、いずれも要証期間において本件商標を付した商品が販売されたことを証明する証拠とはなり得ないことが明らかである。
さらに、乙第2号証ないし乙第5号証で使用されている商標は、「Bota lab」及び「ボタラボCCヘアエマルジョン」等であって、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標ではないことも明らかである。
したがって、被請求人等が要証期間に日本国内において、本件商標を「頭髪用化粧品」について使用しているということはできない。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第32号証(枝番号を含む。以下、枝番号を含む号証で枝番号の全てを引用するときは、枝番号を省略して記載する。)を提出した。
1 答弁の要旨
株式会社黒ばら本舗(以下「黒ばら本舗社」という。)の商標である欧文字「BOTA-LABO」及び片仮名「ボタ-ラボ」にて構成された本件商標について、平成24年2月1日にボタ・ラボラトリー社と商標使用権許諾契約書を交わしている(現在、ボタ・ラボラトリー社ヘ権利の移転を検討している。)。ボタ・ラボラトリー社にて、製品へ「ボタラボ」及び「Bota Lab」という表示を行うため、商標権の侵害を考慮し、商標使用権許諾契約書を交わすことにより対応している(この点に関し、商標使用権許諾契約書の写し(乙1)を提出する。)。
ボタ・ラボラトリー社において、「ボタラボ」及び「Bota Lab」という表示をしている製品「ボタラボCCヘアエマルジョン」という頭髪用化粧品を販売している。
販売名については、製品名と同様の「ボタラボCCヘアエマルジョン」にて申請を行っている(この点に関し、化粧品製造販売届書の写し(乙2)、製品写真(乙3)を提出する。)。
同製品は、セルレ社より2019年10月25日に発注依頼があり、同年11月6日に製品の納品を行っている。よって、要証期間に使用していたことが証明される(この点に関し、製品発注書の写し(乙4)、物品受領書の写し(乙5)を提出する。)。
2 回答書の要旨
(1)被請求人とボタ・ラボラトリー社との関係について
商標使用権許諾契約書(乙1)の「第10条」に関して、「本契約の期間は、本契約書末尾記載の本契約締結日から3年間とする。本契約の期間満了3ヵ月前までに、甲乙いずれも相手方に対し、文章をもって本契約終了の意思表示をしないときは、本契約はさらに1年間延長されるものとし、以後も同様とする。」と記載されているように、「文章をもって本契約終了の意思表示」という内容から文章を発行しないことより、契約は続いているという契約内容となる。また、商標使用権許諾契約書(乙1)の甲(黒ばら本舗社)及び乙(ボタ・ラボラトリー社)の代表取締役はA氏であるため、当人の意思により本契約の延長に関する判断を行っている(この点に関し、履歴事項全部証明書(乙6)を提出する。)。
(2)「ボタラボCCヘアエマルジョン」と称する製品について
ボタ・ラボラトリー社において「ボタラボ」及び「Bota Lab」という表示をしている製品「ボタラボCCヘアエマルジョン」という頭髪用化粧品を販売していたという説明として、製品写真(乙3)を提出した。要証期間に製品が動いていたという証明として、2019年10月25日付けにて、セルレ社K氏から「丸二倉庫着2019年11月6日」として電子メールにて発注依頼されている。この電子メール内容とセルレ社からの発注書内容の「依頼日付」、「納品予定日」、「納品先」、ボタ・ラボラトリー社の物品受領書における「お届先名」及び「実納品日」が同じであり、製品が要証期間に製品が動いていたことを証明する。また、ボタ・ラボラトリー社にて保管していた「売上伝票」、「請求書(控)」及び「当座勘定照合表」に記載されている金額が同じであることより、製品が動いていたという証明になる。「当座勘定照合表」の「ご入金額92,444円」は、振込手数料として220円引かれているためである。さらに、セルレ社では仕入れた製品に対し、仕入明細一覧表を用いて管理を行っており、仕入明細一覧表に記載されている内容が上記内容と合致する(この点に関し、電子メール受信画面画像(乙7の1、乙7の2)、電子メールの写し(乙8の1、乙8の2)、売上伝票の写し(乙9の1)、請求書(控)の写し(乙10)、当座勘定照合表の写し(乙11)、仕入明細一覧表の写し(乙12)を提出する。)。
(3)発注書及び物品受領書について
ボタ・ラボラトリー社より発行される伝票は、5枚綴りとなっており1枚目に記入された内容が2枚目ないし5枚目に複写される仕組みになっている。そのため、5枚目の物品受領書(乙5)の記入内容が確認しにくい状態となっている。また、スキャナー対応したことにより、さらに文字が見にくくなってしまった。文字確認を鮮明に行うため、物品受領書を撮影したものを提出する。また、綴りになるボタ・ラボラトリー社が発行した「売上伝票」との内容とも合致することより、記載内容について鮮明に確認を行うことができる。
製品発注書(乙4)及び物品受領書(乙5)の発注番号が異なる内容については、人為的なミスにより発生した内容であるものと判明した。ボタ・ラボラトリー社は、黒ばら本舗社へ業務委託を行っており、同月にセルレ社から双方へ発注が行われたことにより、受注担当者による記入ミスが発生した。セルレ社から黒ばら本舗社への「発注書」及び黒ばら本舗社の「売上伝票」及び「物品受領書」の内容確認を行い、ボタ・ラボラトリー社及び黒ばら本舗社の伝票を同日に作成したことにより、記入ミスが起きたことを確認した。伝票内の「年月日」という項目が、伝票を作成した日となる。また、物品受領書(乙5)については、都度、各々の運送会社へ発送を依頼している関係上、ボタ・ラボラトリー社において保管を行っており、セルレ社に対しては、「仕入伝票」及び「納品案内書」が送付される流れとなっている。伝票の流れは次のようになる(説明として未記入の伝票を用いる)。ア「売上伝票」は、ボタ・ラボラトリー社にて保管。イ「請求明細書」は、セルレ社へ請求を行う際に、請求書と同封し郵送する。同封する請求書の控えが「請求書(控)の写し(乙10)となる。ウ「仕入伝票」は、得意先宛のセルレ社へ送られる。エ「納品案内書」は、届先名の丸二倉庫へ送られる。オ「物品受領書」は、ボタ・ラボラトリー社にて保管。上記にて説明した「売上伝票」の写し(乙9の1)は、物品受領書(乙5)と綴りになっているものであることにより、同じ内容が記入されていることが証明される。業務委託契約書の契約更新については、甲(ボタ・ラボラトリー社)及び乙(黒ばら本舗社)の代表取締役がA氏となっているため、当人の意思により本契約の延長に関する判断を行っている(この点に関し、物品受領書の写し(乙13)、業務委託契約書の写し(乙14)、電子メール受信画面画像(乙7の1、乙7の3)、電子メールの写し(乙8の1、乙8の3)、製品発注書の写し(乙15)、納品案内書の写し(乙16)、売上伝票の写し(乙9)、請求明細書の写し(乙17)、請求書(控)の写し(乙10)、仕入伝票の写し(乙18)、履歴事項全部証明書(乙6)を提出する。)。
(4)GS1 Japanデータベース検索について
請求人の「当該番号を検索してみても、登録されている商品は発見できなかった。」及び「当該製品が販売されていたかが不明である。」という主張であるが、「「GS1事業者コード登録通知書」を受け取った事業者さまへ」という案内において「GS1 Japan Data Bank(略称GJDB)は、GS1事業者コードを貸与された事業者(ブランドオーナー)が、商品の情報を登録することで、「GTIN(JANコード)の設定」や「GTINの管理」、「バーコード画像の生成/ダウンロード」を行えるサービスです。」との記載から、製品が販売されていることを証明するためのツールではなく、管理を目的としたサービスであることがわかる。また、記載されている「GS1 Japan(一般財団法人流通システム開発センター)」へ確認を行い、「必ず入力しなくてはならない内容ではなく、あくまで任意で登録を行うことでJANコードの管理を行い易くするというサービス」であるとの回答を得た。よって、請求人が主張している内容は当てはまらないといえる。要証期間外ではあるが、実際に店頭にて陳列されている画像を提出する(この点に関し、GS1 Japan Data Bank案内書の写し(乙19)、製品展開報告ライントーク画面画像の写し(乙20)、製品陳列写真(乙21)を提出する。)。
(5)セルレ社の発注書について
請求人の「実際に発注依頼があったものか疑義が残る。」という主張であるが、セルレ社の発注書に関しては、製品発注書(乙4)が正式な発注書となっている。セルレ社へ確認を行い、正式な書面であると確認済みである。セルレ社からの発注方法についてであるが、セルレ社から電子メールにて発注書がPDFにて送られてくる。また、セルレ社から黒ばら本舗社への発注に関しても同様の発注方法及び様式にて発注書が発行されている。2019年から2022年の間に発注書の様式が変更されていないこと及び発注先が異なったとしても同様の様式による発注書を使用していることが明らかであり、正式な発注書であることが証明される(この点に関し、電子メール受信画面画像(乙7の1、乙7の3、乙7の4)、電子メールの写し(乙8の1、乙8の3、乙8の4)、製品発注書の写し(乙15)、請求書(控)の写し(乙10)、当座勘定照合表の写し(乙11)を提出する。)。
(6)「Bota Lab」表記について
請求人の「「-」(ハイフン)の有無、末尾の「O」の有無という点で明らかに外観が異なる。」、「「labo」は「人名」「地名」を表す語であり、「ラボー」「ラボ」の称呼が生じ得る。」、「「lab」は「実験室、研究所」の意味を有する「laboratory」の略語であり、「ラブ」の称呼が生じるものである。」という主張であるが、「Bota lab」という表記が明らかに異なるという見解であるのであれば、請求人による「商願2022-24684」も明らかに異なるという解釈になるのではないかと考えられる。また、通知されている理由にも該当しないのではないかと考えられる。しかし、ボタ・ラボラトリー社及び黒ばら本舗社においては、請求人が受けている拒絶査定の理由に記載されている状況を避けるために「商標使用権許諾契約書」(乙1)を用いて対応している。また、請求人が黒ばら本舗社へ郵送した書面にて記載されている内容は、主張している内容と異なる意見かと思われる(この点に関し、経過情報照会の写し(乙22)、商標譲渡依頼通知書の写し(乙23)、電子メールの写し(乙8の5)を提出する。)。
「labo」及び「lab」についてインターネットにて検索を行うと、それぞれ「実験室」との意味を有し、「ラボ」と称呼が生じることも証明された(乙24~乙31)。
「「labo」は「人名」「地名」を表す語であり、「ラボー」「ラボ」の称呼が生じ得る。」及び「「lab」は「実験室、研究所」の意味を有する「laboratory」の略語であり、「ラブ」の称呼が生じるものである。」と主張しているが、「labo」に対して「研究所、研究室、実験室」という意味を有し、「lab」に関しては「ラボ」と称呼する事実が多数ある。この事実からすると、請求人が主張している「乙第3号証で使用されている商標「Bota lab」は「ボタラブ」と称呼されるべきものである。」及び「「Bota lab」は、本件商標とは外観、観念、称呼のいずれの点においても明らかに異なり、本件商標と社会的通念上同一の商標とはいえないものである。」という内容には該当しない(この点に関し、webilo英和辞典・和英辞典における検索結果の写し(乙32)を提出する。)。
(7)結論
以上より、弁駁書で請求人が、乙第1号証、乙第3号証ないし乙第5号証に対する主張において提示している証拠は、的確な根拠を証明する証拠とはなり得ないことが明らかである。また、請求人の「「Bota lab」は、本件商標とは外観、観念、称呼のいずれの点においても明らかに異なり、本件商標と社会的通念上同一の商標とはいえないものである。」との主張は、請求人による商標譲渡依頼通知書(乙23)の主張と相反する内容となり、主張内容の統一性がない。上記通知書の内容については、拒絶理由通知書(乙22)の記載と同じ内容となり、請求人は異なる内容にて主張している。商標法第2条第3項第1号に基づき、ボタ・ラボラトリー社及び黒ばら本舗社は、「登録商標と同一又は類似であって、その商標登録に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するもの。」に該当するという認識の基、本件商標を侵害しないよう「商標使用権許諾契約書」(乙1)を用いて対応していることを証明する。
第4 当審の判断
1 被請求人の提出した証拠は以下のとおりである。
(1)商品「ボタラボCCヘアエマルジョン」に関する証拠(乙2、乙3、乙20、乙21)
ア 商品の容器の画像(乙3)
乙第3号証は、略円筒状で薄橙色の容器を、その正面及び背面から撮影した画像(乙3の1、乙3の2)並びに背面の一部を拡大した画像(乙3の3)であり、容器正面の画像(乙3の1)から、当該容器には、筆記体で書された「Bota lab」及び「CC/Hair Emulsion」の表示が付されていることが確認できる。また、容器背面の画像(乙3の2、乙3の3)から、容器に、「ボタラボCCヘアエマルジョン」、「洗い流さないヘアトリートメント」、「NET.120mL 」、「株式会社ボタ・ラボラトリー」などの表示が付されていることが確認できる。
他方、乙第3号証のいずれの画像にも、製造日や消費期限などの記載、また、その画像の撮影日が確認できるような記載は見当たらない。
イ ライントーク画面の画像(乙20)
乙第20号証は、ライントーク画面の画像とされるものである。
乙第20号証の1(全3枚)の1葉目の上部には、「2018年1月11日(木)」の表示があり、1葉目ないし3葉目には、商品が陳列されている画像とともに、「お疲れ様です。こちら渋谷ロフトの展開です。」、「東京ハンズ渋谷店」、「東京ハンズ新宿店」などの記載がある。また、同ライントーク画面の画像中に、上記アの商品と思しき容器が陳列されている様子が写っている。
乙第20号証の2(全2枚)の1葉目の上部には、「2018年6月5日(火)」の表示があり、1葉目及び2葉目には、商品が陳列されている画像とともに、「お疲れ様です。アインズトルペ都内16店舗にて、先週よりエマルジョン新規導入しましたので、巡回した店舗の店頭写真お送りします。」、「西武池袋店/展開場所はサロン系の上段です。」、「銀座店/導入からまだ1週間なので、初回6個ですがまだ動いてない様子でした。」などの記載がある。また、同ライントーク画面の画像中にも、上記アの商品と思しき容器が陳列されている様子が写っている。
ウ 商品の陳列画像(乙21)
乙第21号証は、商品の陳列画像(全5枚)である。
乙第21号証には、商品が陳列されている画像が掲載され、同画像中には、上記アの商品と思しき容器が陳列され、その下に、「ボタラボ/CCヘアエマルジョン/1,300円+税」と記載されたタグが写っている。
他方、乙第21号証のいずれの画像にも、その撮影日が確認できるような記載は見当たらない。
エ 化粧品製造販売届書(乙2)
乙第2号証(全4枚)は、化粧品製造販売届書であり、その1葉目には、「受付票(正)」の記載の下、表内に「受付日 平成28年8月10日」「法人名 株式会社ボタ・ラボラトリー」「住所 東京都墨田区・・・」「様式 E83化粧品製造販売届書」「販売名 ボタラボCCヘアエマルジョン」「提出先 東京都知事」などの記載がある。また、2葉目には、「化粧品製造販売届書」の記載の下、表内に、「販売名 ボタラボCCヘアエマルジョン」の記載があり、さらにその下に、「上記により、化粧品の製造販売の届出をします。」、「平成28年8月10日」、「住所 東京都墨田区・・・」、「氏名 株式会社ボタ・ラボラトリー/代表取締役 T」及び押印、「東京都知事 K殿」の記載が確認できる。さらに、3葉目には、【名称】の項目の下に、「【種別】:06(頭髪用化粧品)」及び「【販売名】:ボタラボCCヘアエマルジョン」の記載がある。
(2)発注番号「000188509」の発注に関連する証拠(乙4、乙10~乙12)
ア 発注書(乙4)
乙第4号証は、セルレ社からボタ・ラボラトリー社へ宛てた発注書であり、「発注番号 000188509」、「枝番 01」、「依頼日付 2019/10/25」、「納品予定日 2019/11/06」、「納品先 ・・・丸二倉庫(株)鴻池(営)気付 セルレ/丸二倉庫(良品場所)」の記載とともに、表内に、「品番/品名1 4560408270079/ボタラボラトリーCCヘアエマルジョン120ml」「依頼数量 432」「単価 195.00」「金額 84,240」「金額計 84,240」の記載が確認できる。
イ 「2019/11仕入」と題する表(乙12)
乙第12号証は、「2019/11仕入」と題する表であり、「発注番号」に関する記載はないものの、「仕入先名 ボタ・ラボラトリー」「倉庫場所 丸二(良品)」「品番 4560408270079」「品名1 ボタラボラトリーCCヘアエマルジョン120ml」「仕入数 432」「仕入単価 195」「仕入金額 84240」「仕入消費税 8424」「仕入金額合 92664」などの記載があり、これらの記載は上記アの記載と合致する。
ウ 請求書(控)(乙10)及び当座勘定照合表(乙11)
乙第10号証は、ボタ・ラボラトリー社からセルレ社へ宛てた請求書の控えであり、「2019年11月1日」の記載とともに、表内に、「伝票枚数 1」「当月売上高 84,240」「差引売上高 84,240」「消費税 8,424」「合計御請求高 92,664」の記載があり、右下には手書きで「12/27入金」の記載がある。
また、乙第11号証は、「株式会社みずほ銀行」におけるボタ・ラボラトリー社の当座勘定照合表であり、「(口座番号)・・・」、「(期間)2019年12月21日から2019年12月27日まで」の記載とともに、表内に「年月日 2019 12 27」「摘要(小切手番号) 振込 セルレ(カ」「ご入金額 92444」の記載がある。
なお、請求書(控)(乙10)及び当座勘定照合表(乙11)には、「発注番号」に関する記載はないものの、それぞれに記載されたセルレ社とボタ・ラボラトリー社との間の取引時期及び取引金額は、上記アの発注書(乙4)及びイの「2019/11仕入」と題する表(乙12)の記載と合致する(なお、当座勘定照合表(乙11)の振込金額については、振込手数料として220円引かれて振り込まれている。)。
(3)発注番号「000188480」の発注に関連する証拠(乙5、乙9、乙13、乙15の1)
ア セルレ社とボタ・ラボラトリー社との取引に関する証拠(乙5、乙9の1、乙13の1)
(ア)物品受領書(乙5、乙13の1)
乙第5号証(乙第13号証の1)は、ボタ・ラボラトリー社がセルレ社に宛てた物品受領書であり、手書きで「取引区分 11」「発注番号 000188480」「伝票番号 00000001」「年月日 19 11 01」「実納品日 19 11 06」の記載とともに、表内に、手書きで「商品コード/品名 4560408270079 ボタラボCCヘアエマルジョン120ml」「数量 432」「納品数量 432」の記載がある。
(イ)売上伝票(乙9の1)
乙第9号証の1は、ボタ・ラボラトリー社がセルレ社に宛てた売上伝票であり、手書きで「取引区分 11」「発注番号 000188480」「伝票番号 00000001」「年月日 19 11 01」「実納品日 19 11 06」の記載とともに、表内に、手書きで「商品コード/品名 4560408270079 ボタラボCCヘアエマルジョン120ml」「数量 432」「納品数量 432」「単価 195」「金額 84240」「合計 84240」の記載がある。
イ セルレ社と黒ばら本舗社との取引に関する証拠(乙9の2、乙13の2、乙15の1)
(ア)物品受領書(乙13の2)
乙第13号証の2は、黒ばら本舗社がセルレ社に宛てた物品受領書であり、「取引区分 11」「発注番号 000188480」「発注日 19 11 1」「伝票番号 293927」「年月日 19 11 1」「実納品日 19 11 6」の記載とともに、表内に、「商品コード/品名 4901508973871 黒染トライアルセット」「数量 2400」「商品コード/品名 4901508974175 トレジョリ ココナッツオイル ボディエマルジョン」「数量 3000」「商品コード/品名 4901508974182 トレジョリ ココナッツオイル ハンドクリーム」「数量 576」「(数量の)合計 5976」の記載がある。
(イ)発注書(乙15の1)
乙第15号証の1は、セルレ社が黒ばら本舗社に宛てた発注書であり、「発注番号 000188480」「枝番 01」、「依頼日付 2019/10/18」、「納品予定日 2019/11/06」、「納品先 ・・・丸二倉庫(株)鴻池(営)気付 セルレ/丸二倉庫(良品場所)」の記載とともに、表内に、「品番/品名1 4901508973871 黒バラ黒染トライアルS・・・」「依頼数量 2,400」「単価 160.00」「金額 384,000」「品番/品名1 4901508974175 黒バラトレジョリココナッツオイルBDエマルジョン」「数量 3,000」「単価 165.00」「金額 495,000」「品番/品名1 4901508974182 黒バラトレジョリココナッツオイルハンドクリーム・・・」「数量 600」「単価 110.00」「金額66,000」「数量計 6,000」「金額計 945,000」の記載がある。
(ウ)売上伝票(乙9の2)
乙第9号証の2は、黒ばら本舗社がセルレ社に宛てた売上伝票であり、「取引区分 11」「発注番号 000188480」「発注日 19 11 1」「伝票番号 293927」「年月日 19 11 1」「実納品日 19 11 6」の記載とともに、表内に、「商品コード/品名 4901508973871 黒染トライアルセット」「数量 2,400」「単価 160」「金額 384000」「商品コード/品名 4901508974175 トレジョリ ココナッツオイル ボディエマルジョン」「数量 3,000」「単価 165」「金額 495000」「商品コード/品名 4901508974182 トレジョリ ココナッツオイル ハンドクリーム」「数量 576」「単価 110」「金額63360」「(数量の)合計 5976」「(金額の)合計 942360」の記載がある。
なお、被請求人は、セルレ社から黒ばら本舗社及びボタ・ラボラトリー社への発注に関連する電子メールの出力物(乙7、乙8の1~乙8の4)も提出しているが、そのいずれにも、本件商標に関する記載、上記発注番号「000188509」及び発注番号「000188480」に関する記載は見当たらない。
(4)商標権者(黒ばら本舗社)とボタ・ラボラトリー社との関係に関する証拠(乙1)
乙第1号証は、黒ばら本舗社とボタ・ラボラトリー社が平成24年2月1日付けで契約した「商標使用権許諾契約書」である。
当該契約書の第1条には、「甲は、本商標(審決注:「本商標」は「登録第4758595号商標(本件商標)」)の通常使用権を乙に許諾する。」、第10条には、「本契約の期間は、本契約書末尾記載の本契約締結日から3年間とする。本契約の期間満了3ヵ月前までに、甲乙いずれも相手方に対し、文章をもって本契約終了の意思表示をしないときは、本契約はさらに1年間延長されるものとし、以後も同様とする。」の記載がある。
(5)その他の証拠
被請求人は、その他の証拠として、「labo」及び「lab」は「実験室」の意味を有し「ラボ」と称呼されることについての証拠(乙24~乙32)などを提出した。
(6)上記(1)ないし(5)から、以下の事実が認められる。
ア 商標権者である黒ばら本舗社は、ボタ・ラボラトリー社と平成24年2月1日付けで本件商標に関する商標使用権許諾契約書を交わし、本件商標の通常使用権をボタ・ラボラトリー社に許諾した。この契約は、双方が文書をもって契約の終了の意思表示をしないときは延長されるものである旨記載されていることから、要証期間においてもその契約は有効であったとみるのが自然であり、これを否定するに足る証拠もない。
イ ボタ・ラボラトリー社は、商標権者が製造に関わる「ボタラボCCヘアエマルジョン」と称する頭髪用化粧品(以下「使用商品」という。)について、化粧品製造販売届書を平成28年(2016年)8月10日に東京都知事に届出した(乙2)。
上記商品は、その容器に、筆記体で書された「Bota lab」(以下「使用商標1」という。)、「ボタラボCCヘアエマルジョン」(以下「使用商標2」という。)及び「洗い流さないヘアトリートメント」の表示を付していたものと推認できるところ(乙3)、それは上記化粧品製造販売届書に記載された販売名(「ボタラボCCヘアエマルジョン」)と届出者(ボタ・ラボラトリー社)が同一であることからも裏付けられるものである。
そして、2018年(平成30年)頃、渋谷ロフト、西武池袋店等の都内の複数店舗において、上記商品と同じ容器といい得る商品が陳列されていたことがうかがえる(乙20、乙21)。
ウ ボタ・ラボラトリー社と顧客との取引について
(ア)ボタ・ラボラトリー社は、2019年(令和元年)10月25日に、顧客(セルレ社)から商品「ボタラボラトリーCCヘアエマルジョン120ml」432個について発注(発注番号「000188509」)を受け(乙4)、同年11月1日に、顧客に対しその代金92,664円を請求した(乙10)ところ、顧客は、同年12月27日にボタ・ラボラトリー社の銀行口座に振込手数料を差し引いた代金を入金した(乙11)ことから、2019年(令和元年)10月から同年12月にかけてボタ・ラボラトリー社は顧客と上記商品について取引があったといえる。
(イ)発注番号「000188480」に関連する証拠(乙5、乙9、乙13、乙15の1)について、被請求人も物品受領書(乙5)の記入に際して人為的ミスがあったと認めているところ、さらに同一の発注番号で、セルレ社とボタ・ラボラトリー社との取引に関連する証拠(乙5、乙9の1、乙13の1)と、セルレ社と黒ばら本舗社との取引に関連する証拠(乙9の2、乙13の2、乙15の1)の両方が提出されており、取引先が整合していないこと、また、セルレ社と黒ばら本舗社との取引に関する証拠(乙9の2、乙13の2、乙15の1)においては、使用商品(「ボタラボCCヘアエマルジョン」)と異なる商品(「黒染トライアルセット」等)が取引されており、取引商品も整合していないから、発注番号「000188480」の発注に関連する証拠(乙5、乙9、乙13、乙15の1)は、いずれも上記(ア)の取引に関する証拠とはいい難い。
エ 以上によれば、ボタ・ラボラトリー社は、2018年(平成30年)頃使用商標1及び使用商標2を使用した使用商品を販売のために陳列したといえ、また、2019年(令和元年)10月から同年12月にかけて、顧客と商品「ボタラボラトリーCCヘアエマルジョン120ml」についての取引があったといえるものの、取引の時点における商品又はその包装、商標の構成等を示す証拠はない。
2 上記1からすれば、次のとおり判断できる。
(1)商標の使用者、使用商品、使用時期、使用行為について
ボタ・ラボラトリー社は、本件商標について商標権者と使用許諾契約を交わし、その契約は終了されず存続していたと推認できるから、要証期間においても本件商標の通常使用権者といえる。
また、使用商品は、通常使用権者(ボタ・ラボラトリー社)の販売に係る「頭髪用化粧品」であるから、使用商品は、本件審判の請求に係る指定商品中の「頭髪用化粧品」と同一の商品といえる。
さらに、通常使用権者が販売する「ボタラボCCヘアエマルジョン」と称する使用商品には、使用商標1及び使用商標2が表示されており、2018年(平成30年)頃、複数の店舗で販売のために陳列されたと推認できるものの、その時期は、要証期間ではない。
なお、要証期間である2019年(令和元年)10月から同年12月にかけて、通常使用権者は「ボタラボラトリーCCヘアエマルジョン120ml」と称する商品について、顧客と取引があったといえるものの、当該商品の詳細を示す証拠は提出されていないから、当該商品が上記「ボタラボCCヘアエマルジョン」と称する使用商品と同様の容器を使用したものであったと推認することはできない。
(2)使用商標について
本件商標は、別掲のとおり、「BOTA-LABO」の欧文字と「ボタ-ラボ」の片仮名を二段に書してなるものである。
他方、使用商標1は、筆記体で書された「Bota lab」の文字であるところ、本件商標とは「ボタ-ラボ」の片仮名の有無に顕著な差異を有するものあり、また、本件商標の構成中の「BOTA-LABO」の欧文字との比較においても、「-」の有無及び末尾の「O」の有無において異なることから、使用商標1は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標とはいえない。
また、使用商標2は、「ボタラボCCヘアエマルジョン」の文字であるところ、これを本件商標と比較したときは、「BOTA-LABO」の文字及び「CCヘアエマルジョン」文字の有無といった顕著な差異を有するものであり、さらに、使用商標2の構成中の「CC」及び「ヘアエマルジョン」の文字が、それぞれ商品の型番などを示す記号及び商品の品質を表した部分と看取、理解され、「ボタラボ」の文字が自他商品の識別標識としての機能を有する部分と認識されたとしても、本件商標とは「BOTA-LABO」の欧文字の有無に差異を有するものであって、本件商標の構成中の「ボタ-ラボ」の片仮名との比較においても、「-」の有無において異なることから、使用商標2は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標とはいえない。
以上から、使用商標1及び使用商標2は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標ということはできない。
(3)小括
上記のとおり、被請求人提出の乙各号証によっては、本件商標の通常使用権者が要証期間に請求に係る指定商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていたものと認めることができない。
その他、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標が請求に係る指定商品について使用されていることを認めるに足る証拠はない。
3 結論
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件審判の請求に係る指定商品について、本件商標の使用をしていたことを証明したものと認めることはできない。
また、被請求人は、本件審判の請求に係る指定商品について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2022-300118