商標取消審判
2023-300505
レジュ
- 審判番号
- 2023-300505
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願1977-080165
- 登録番号
- 1473423
- 請求日
- 2023年07月19日
- 審決日
- 2024年07月04日
- 公報発行日
- 2024年09月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社 パテントジャパン
- 【請求人代理人】弁理士法人松田特許事務所
- 【被請求人】ピアスアライズ 株式会社
- 【被請求人代理人】弁理士法人三枝国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 分類
- T132 .1 -Y (Y03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第2項、商標法第50条第1項、商標法第2条第2項第1号、商標法第2条第3項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第1473423号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第1473423号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり「REJU」の欧文字と「レジュ」の片仮名を2段に書してなり、昭和52年11月14日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として同56年7月31日に設定登録され、その後、平成14年3月27日に、第3類及び第30類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品とする書換登録がされ、同23年8月9日に指定商品を、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,薫料」とする存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和5年7月31日である。
なお、本件審判において、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、令和2年(2020年)7月31日ないし同5年(2023年)7月30日である(以下「要証期間」という場合がある。)。
第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品中、第3類「化粧品」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品中、第3類「化粧品」(以下「請求に係る指定商品」という。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
被請求人が提出した乙各号証をもってしては、本件商標が、要証期間内に、日本国内において、通常使用権者により、請求に係る指定商品に使用されているということはできない。
(1)乙第4号証
乙第4号証に掲載されている美容液(以下「本件美容液」という。)には、本件商標と社会通念上同一の商標「REJU」の文字が大きく表示されているものの、その撮影場所、撮影者、撮影年月日が不明なものであり、また、本件美容液の製造日や消費期限などの記載もないことからすれば、要証期間において本件美容液が存在していたことを示すものではない。
なお、被請求人主張によると、本件美容液は香港でのみ販売されている製品のようであるが、そうであれば、(ア)外箱裏側の記載が日本語であること、(イ)価格が日本円表記であること、(ウ)問い合わせ先が日本であること、(エ)香港では未登録の商標である片仮名文字「カバーマーク」(甲3)に対して「マルアール記号(Registered Trademark)」が付されている点で疑義がある。
したがって、本件美容液を香港に輸出しているとする被請求人主張には疑義があり、その態様からすれば、乙第4号証は、本件商標権者のグループ会社であるカバーマーク株式会社(以下「カバーマーク社」という。)が日本国内で販売していた美容液の製品写真ではないかと推認される(請求人の調査によれば、該製品は2011年に販売終了しており、現在日本では販売されていない。)。
(2)乙第5号証ないし同第7号証
ア ピアス株式会社(以下「ピアス社」という。)がエルソルプロダクツ株式会社(以下「エルソル社」という。)に発行した「製品発注書」とされる書証(乙5~乙7)には、「発注者」欄にネーム印が押印されているのみで、ピアス社の住所等の記載や会社印の押印はなく、ピアス社によって作成されたものであるか不明である。
また、「受領者」欄には、受領印が押印されておらず、該発注書に対応する納品書、請求書等の提出もないことからすれば、実際に商品の発注が行われたことを証明し得ていない。
イ 商標の使用について
乙第5号証ないし乙第7号証に記載されている「CMレジュモイスチュアエッセンス」の表示(以下「使用商標1」という。)は、その構成中「モイスチュアエッセンス」の部分が「保湿美容液」を意味する語であることから、自他商品識別機能を果たす主要部は「CMレジュ」となる。
しかしながら、当該「CMレジュ」の表示から「CM」部分を省略しなければならない理由はないことから、取引者・需要者は、これを一体のものとして認識、把握するとみるのが自然であり、構成中「レジュ」部分のみを抽出して、商品の識別標識として認識するとはいえない。
したがって、使用商標1は、本件商標と社会通念上同一の商標といえるものではない。
(3)乙第8号証ないし乙第10号証
乙第8号証ないし乙第10号証には、本件商標の記載は一切見当たらず、これらの証拠をもって、本件商標の使用の事実を証明し得るものではない。
また、当該書証の1葉目(製品納品書)及び2葉目(請求書)に記載されている製品記号「V)REL」が、製品発注書(乙5~乙7)の製品名欄に記載の内容と一致していることまでは認められるものの、乙第8号証ないし乙第10号証の内容と乙第5号証ないし乙第7号証の内容とが対応することをうかがわせるような事情は一切見あたらないから、これらの一連の証拠を総合的に勘案しても、使用商標1が付された製品が、実際に発注、納品されたとはいえない。
そして、これらの書証の1葉目の「製品納品書」には、エルソルプロダクツ掛川工場が発行者として記載されているが、宛先の記載はなく、当該納品書が実際に発行されたのか不明である。
また、2葉目の「請求書」は、エルソル社から、ピアス社のインターナショナル事業部宛に送られたものと認められるが、「伝票番号」と「金額」の記載しかなされていないことから、いかなる製品の取引に関する請求書なのか不明である。
さらに、3葉目の「工場別製品別売上明細書」に至っては、1葉目、2葉目と対応関係が不明であるばかりか、商品売上を計上するにすぎない自社内の書類にすぎないものであり、本件製品の取引書類とはいえないものである。
(4)乙第13号証ないし乙第15号証
ア 乙第13号証ないし乙第15号証からは、ピアス社がPIAS INTERCOSMEX(HONG KONG) CO., LTD.宛にインボイスを発行した事実までは認められるものの、それらインボイスに記載の製品が現実に香港に輸出された事実を裏付ける証拠の提出は一切なく、当該証拠をもって、本件美容液が香港に輸出されたと認めることはできない。
イ 商標の使用について
乙第13号証ないし乙第15号証に記載の「COVERMARK REJU MOISTURE ESSENCE(7ML×12PC)」の表示(以下「使用商標2」という。)は、「MOISTURE ESSENCE」部分が「保湿美容液」を意味し、「(7ML×12PC)」部分が容量等を示す用語であることから、自他商品識別機能を果たす主要部は「COVERMARK REJU」となる。
しかしながら、当該「COVERMARK REJU」の表示は、外観上まとまりよく一体的に表され、これより生ずる「カバーマークレジュ」の称呼も無理なく一連に称呼し得ることから、取引者・需要者は、これを一体のものとして認識、把握するとみるのが自然であり、構成中「REJU」部分のみを抽出して、商品の識別標識として認識するとはいえない。
したがって、使用商標2は、本件商標「REJU/レジュ」と社会通念上同一の商標といえるものではない。
(5)乙第16号証
乙第16号証の1葉目は、乙第4号証と同様、撮影場所、撮影者、撮影年月日が不明なものであり、被写体である本件美容液の製造日や消費期限などの記載もないことからすれば、要証期間において本件美容液が存在していたことを示すものではなく、当該証拠をもってしては、要証期間内に、本件美容液が日本から輸出された事実を証明するものではない。
なお、付言するに、香港での販売にあたり、「caution label」を付すのみで、「¥7,000(税抜)」の価格表記のままにしておくことは考え難く、香港で販売された商品の写真とする被請求人の主張自体に疑義がある。
さらに、同号証の2葉目に至っては、いかなる画像を提示したものか不明である。
(6)乙第17号証
ア 乙第17号証によって、香港において「CP REJU MOIST ESSENCE」なる製品が販売されたことまでは認められるものの、当該製品が日本から輸出された製品であることを証明する証拠の提出は一切なく、当該証拠をもって、本件商標が付された製品が輸出されたと認めることはできない。
イ 商標の使用について
乙第17号証に掲載の「CP REJU MOIST ESSENCE」の表示(以下「使用商標3」という。)は、構成中「MOIST ESSENCE」部分が「保湿美容液」を意味する語であることから、自他商品識別機能を果たす主要部は「CP REJU」となる。
しかしながら、当該「CP REJU」の表示から「CP」部分を省略しなければならない理由はないことから、取引者・需要者は、これを一体のものとして認識、把握するとみるのが自然であり、構成中「REJU」部分のみを抽出して、商品の識別標識として認識するとはいえない。
したがって、使用商標3は、本件商標と社会通念上同一の商標といえるものではない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を答弁書において要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第17号証を提出した。
1 本件商標の使用の事実
本件商標権者は、その親会社であるピアス社(乙1、乙2)に通常使用権を許諾しており、ピアス社は要証期間内に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を請求に係る指定商品中「美容液」に使用していた。
詳細には、ピアス社は、グループ会社のエルソル社(乙3)に、本件商標を付した美容液の製造を委託し、当該美容液は、ピアス社のグループ会社であるカバーマーク社(乙3)の化粧品ブランド「COVERMARK」の製品として、ピアス社がカバーマーク社を代理して香港に輸出している。
2 ピアスグループについて
本件商標権者、エルソル社及びカバーマーク社は、ピアス社を統括会社とするグループ(以下「ピアスグループ」という。)に属する企業で、本件商標権者は、ピアスグループのグループ会社が使用する商標の一部について知的財産権を保有している。エルソル社は、ピアスグループの生産部門を担当する会社であり、グループ会社からの発注を受け、製品の製造を行っている。カバーマーク社のブランド「COVERMARK」は、ピアスグループの代表ブランドの1つであり、百貨店を中心に出店している高級化粧品ブランドである。
3 証拠の説明
(1)乙第4号証
本件美容液の外箱及び個装ボトルの表面に欧文字「REJU」が付され、裏面に片仮名「レジュ」が付されている。
(2)乙第5号証ないし乙第7号証
乙第5号証ないし乙第7号証は、ピアス社が、本件美容液の製造をエルソル社に発注した際の製品発注書である。「PI事業部」とは、ピアス社のインターナショナル事業部であり、同事業部からエルソル社に製品発注された。製品名に「V)REL CMレジュモイスチュアエッセンス」と記載されているのが、本件美容液であり、2021年4月27日、同年9月27日、2022年8月26日にそれぞれ500個発注された。
(3)乙第8号証ないし乙第10号証
乙第8号証ないし乙第10号証は、ピアス社から発注のあった本件美容液がエルソル社からピアス社に納品された事実を示す製品納品書と請求書である。
これらの書証に記載されている製品記号「V)REL」が本件美容液を示しており、本件美容液は、2021年7月1日、2022年6月1日、2023年6月1日に、物流拠点のあるピアスグループ掛川事業所内のピアスグループ掛川中央物流センター(乙11、乙12)に出庫された。
(4)乙第13号証ないし乙第15号証
乙第13号証ないし乙第15号証は、ピアス社が、本件美容液を、香港所在の「PIAS INTERCOSMEX(HONG KONG)CO.,LTD.」に輸出した事実を示すINVOICEであり、本件美容液は、CODEが「V)REL」と、DESCRIPTIONが「COVERMARK REJU MOISTURE ESSENCE(7MLx12PCS)」と表示されている。エルソル社から納品された本件美容液は、2022年12月17日、2023年3月18日、2023年7月22日に、愛知県名古屋市から香港に向けて輸出された。
(5)乙第16号証及び乙第17号証
乙第16号証は、本件美容液が香港に輸出された後、香港で販売された商品の写真であり、乙第17号証は、本件美容液が、2023年4月9日に香港で販売された際の販売レシートである。このように、「MADE IN JAPAN」と製造国表示のされた本件美容液が香港で流通していることも、本件美容液が日本から香港に輸出された事実を示している。
4 本件商標が、日本国内で要証期間内に使用されたことの説明
本件商標は、上掲のとおり、欧文字「REJU」と片仮名「レジュ」を上下2段に配した商標である。
上記3(1)のとおり、欧文字「REJU」と片仮名「レジュ」が、本件美容液の外箱と個装ボトルの表面と裏面にそれぞれ付されているところ、本件商標と、本件美容液に付されている欧文字「REJU」及び片仮名「レジュ」は、同一の称呼及び観念を生ずる社会通念上同一の商標である。
そして、ピアス社が、エルソル社に本件美容液の製造を委託し、本件美容液の外箱及び個装ボトルに本件商標を付する行為、及び本件美容液を香港に輸出する行為は、本件商標の使用に該当する(商標法第2条第2項第1号及び第2号)。
ピアス社が、エルソル社に本件美容液の製造を委託し、本件美容液がピアス社に納品されたのは、2021年4月27日から2023年6月1日までの間であり、また、ピアス社が香港に本件美容液を輸出したのは2022年12月17日、2023年3月18日、同年7月22日であることから、要証期間を含んでいる。
第4 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠及び同人の主張によれば、以下の事実が認められる。
(1)本件商標権者は、ピアス社(本社所在地 大阪市)を統括会社とするピアスグループに属する企業である(乙1、乙2)。
(2)商品名を「カバーマークレジュモイスチュアエッセンス(美容液)7ml×12本」とする商品(以下「使用商品」という。)の包装箱及び包装瓶には別掲2のとおりの「REJU」の欧文字(以下「使用商標」という。)が付されている(乙4)。
(3)ピアス社が2022年12月17日、2023年3月18日及び同年7月22日に作成したインボイス(以下、これらのインボイスをまとめて単に「インボイス」という。)には、コードを「V)REL」、商品名を「COVERMARK REJU MOISTURE ESSENCE(7ML×12PCS)」とする商品が記載されており、送付先として「PIAS INTERCOSMEX (HONG KONG) CO.,LTD」の記載がある。
また、インボイスには、当該商品を含む商品の出港地がNAGOYA/JAPAN、仕向地がHONG KONGと記載されている(乙13~乙15)。
(4)2023年4月9日に「V)REL CP REJU MOIST ESSENCE(12PCS)」とする商品が「HK$850」で販売された(乙17)ところ、当該商品の販売地は金額の「HK$」が香港ドルを表す文字であることから、香港と認められる。
なお、当該商品の販売地が香港であることについては、請求人も争っていない。
2 上記1の認定事実に基づき、以下判断する。
(1)使用商品について
包装箱及び包装容器に使用商標が付されている使用商品は、その商品名に「(美容液)」の文字があることから美容液であり、美容液は化粧品に含まれる商品であることが明らかであるから、使用商品は請求に係る商品の範ちゅうの商品である。
(2)本件商標と使用商標の社会通念上の同一性について
本件商標は、別掲1のとおり「REJU」の欧文字と「レジュ」の片仮名をゴシック体様の書体で2段に書してなるところ、両者は、辞書等に採録のない語であって、特定の意味を有さない造語と認められるものであるから、下段の「レジュ」の片仮名は、上段の「REJU」の読みを表した文字としてのみ認識され、上段の欧文字の読みを超えた特段の観念を有するものでない。
他方、使用商標は、別掲2のとおり「REJU」の欧文字を表してなるものである。
そうすると、使用商標は、上段及び下段の称呼並びに観念を共通にする本件商標の上段の欧文字の書体にのみ変更を加えた同一の文字からなるものであるから、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
なお、この点については請求人も争っていない。
(3)商標の使用及び使用時期について
ア インボイスには、商品名として「COVERMARK REJU MOISTURE ESSENCE(7ML×12PCS)」の表示があるところ、当該商品名は、使用商品の商品名「カバーマークレジュモイスチュアエッセンス(美容液)7ml×12本」の「(美容液)」を除いた部分を英語表記したものと認められる。
また、美容液の英語表記を「essence」とする場合もある(職権調査:https://ejje.weblio.jp/content/%E7%BE%8E%E5%AE%B9%E6%B6%B2)。
そうすると、インボイスに記載の、商品名を「COVEMARK REJU MOITURE ESSENCE(7ML×12PCS)」とする商品は使用商品と認められる。
そして、インボイスに記載の商品は、出港地を日本の名古屋、仕向地を香港とするものである。
イ 香港において、2023年4月9日に販売された「V)REL CP REJU MOIST ESSENCE(12PCS)」とする商品は、商品名中の「V)REL」の文字がインボイスのコード欄の表示と一致し、「CP REJU MOIST ESSENCE」の文字はインボイスの商品目欄の記載と若干異なる部分もあるものの概ね一致し、「(12PCS)の文字(個数表示)もインボイスに記載の個数表示と一致することから、当該「V)REL CP REJU MOIST ESSENCE(12PCS)」とする商品はインボイスに表示された「COVERMARK REJU MOISTURE ESSENCE(7ML×12PCS)」であり、使用商品と認められる。
ウ 上記イより、使用商品は2023年4月9日に香港で販売されていたものであるから、少なくとも当該日付の前までには香港に使用商品が存在していたものと推認できる。
そうすると、少なくとも2022年12月17日及び2023年3月18日を輸出日とするインボイスに係る商品は、当該日付において日本から香港に輸送されたものと推認できる。
また、2023年7月22日を輸出日とするインボイスも内容に不自然なところはない。
したがって、使用商標を付した使用商品は2022年12月17日、2023年3月18日及び同年7月22日に日本より香港に輸出されたものであり、当該日付はいずれも要証期間内である。
そして、使用商品を日本より輸出する行為は商標法第2条第3項第2項の「商品の包装に標章を付したものを輸出する行為」に該当する。
(4)使用商標の使用者について
インボイスの作成者はピアス社であるから、使用商品を「PIAS INTERCOSMEX (HONG KONG) CO.,LTD」に送付した者(日本から香港へ輸出した者)はピアス社であるといえる。
そうすると、「商品の包装に標章を付したものを輸出する行為」を行った者、すなわち、使用商標の使用者はピアス社である。そして、ピアス社は本件商標権者が属しているピアスグループの総括会社であるから、本件商標権者はピアス社に対して本件商標を使用する黙示の許諾を与えていたものと認めて差し支えない。
したがって、本件商標を使用したピアス社は、本件商標の通常使用権者であるといえる。
3 請求人の主張について
請求人は、使用商品の(ア)外箱裏側の記載が日本語であること、(イ)価格が日本円表記であること、(ウ)問い合わせ先が日本であること、(エ)香港では未登録の商標である片仮名文字「カバーマーク」に対して「マルアール記号(Registered Trademark)」が付されている点により、使用商品が香港に輸出されていたことに疑義がある旨主張する。
しかしながら、上記(ア)ないし(エ)の事実があるとしても、上記2(3)のとおり、使用商品が日本から香港に輸出されていたことに不自然な点はない。
したがって、請求人の主張は採用できない。
4 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の通常使用権者が、本件審判の請求に係る指定商品の範ちゅうの商品である美容液について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていることを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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