商標取消審判
2022-300449
イングリッシュコア、コア
- 審判番号
- 2022-300449
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2015-028925
- 登録番号
- 5795782
- 請求日
- 2022年05月20日
- 審決日
- 2023年07月12日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】佐藤 公彦
- 【被請求人】G-Leapコンサルティング 株式会社
- 【被請求人代理人】木下 茂
- 【被請求人代理人】澤田 優子
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 大橋 良成
- 審判官 馬場 秀敏
- 分類
- T132 .1 -Y (W41)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第2項、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第4号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5795782号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5795782号商標(以下「本件商標」という。)は「English Core」の欧文字及び「イングリッシュ・コア」の片仮名を上下2段に表してなり、平成27年3月30日に登録出願、第41類に属する別掲のとおりの役務を含む、第9類及び第16類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年10月2日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和4年6月6日であり、本件審判において、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、令和元年(2019年)6月6日ないし令和4年(2022年)6月5日である(以下「要証期間」という場合がある。)。
第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品及び指定役務中、第41類「全指定役務」についての登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、本件商標の指定商品及び指定役務中、第41類「全指定役務」について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を答弁書において要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 本件登録商標の使用の事実
(1)被請求人は、株式会社CORE&INITIALS(以下「被請求人関係会社」という。)との間で、English Coreに関する製品の保守・運用・開発の業務委託契約を2018年6月15日付で締結し、現在も、契約を更新している(乙1)。
(2)被請求人関係会社は、被請求人から、English Coreに関する製品の保守・運用・開発の業務委託を受けて、現在も当該保守・運用を行っている。
(3)したがって、被請求人関係会社による本件商標の使用は、被請求人の使用である。
2 被請求人関係会社による使用
(1)インターネット上で、「2017年より、CD教材ご購入者向けに無料のサービスとして提供して参りました、購入者特典のスマホアプリ(英語学習アプリケーションサービス「English Core」)はサービスを終了しました。これに伴い、アップデートは行われませんので、動作しない場合があります」と、告知している(乙2の2ページ)(以下「購入者特典のスマホアプリ(英語学習アプリケーションサービス「English Core」)」を「被請求人スマホアプリ」という。)。
この記載から、被請求人スマホアプリのアップデートは行わないが、現在も使用できることがわかる。
そして、当該インターネットの画面の中央には、「English Core」が表示されている。
さらに、「English Core」の利用規約の上部には、「English Core」が表示されている(乙2の3ページ)。
(2)要証期間内の2019年8月26日付メールで、被請求人関係会社のEnglish Core開発チームが、ユーザーAに対して、ダウンロードの方法を教示している(乙3)。
(3)要証期間前の2019年3月15日付メールで、被請求人関係会社のEnglish Core開発チームが、ユーザーB)に対して、ダウンロードの方法を教示している(乙4)。
(4)したがって、要証期間内、被請求人スマホアプリは、実際に、ユーザーが使用していたことがわかる。
(5)上記、被請求人スマホアプリは、「English Core」CD教材購入者特典として、また特定顧客様向け(特定顧客様はCD教材を購入していない)として、提供されているサービスである。
(6)被請求人スマホアプリのサービスを受ける場合には、被請求人関係会社から起動時の入カコードが与えられ、インストール時に、前記コードを入力し、サインインする(乙5の2ページ)。なお、この画面の上部には、イングリッシュ・コアの表示がある。
(7)アプリ起動時及び起動後のホーム画面には、「English Core」の文字が表示されている(乙5の3~4ページ)。
(8)被請求人スマホアプリのレッスンは、直前のユーザーの会話のレベルにあわせて行われ、文章作成のトレーニングを行うことができ、ユーザーに対して、英語の文章作成の教授がなされる。
また、English Coreのシステムが対話の相手方となり、ユーザーと実際の会話を行うというトレーニングを提供し、ユーザーに対して、英会話の教授がなされる(乙5の5~7ページ)。
(9)被請求人スマホアプリの開発プログラマーの陳述書(乙6)にあるように、当該アプリは、スマートフォン上で起動する単なるソフトウェアではなく、ユーザーとのセッションを常にリアルタイムでモニターし、学習内容、会話速度、難易度等を常に各個人ごとに最適化し、レッスンを提供する双方向のアプリケーションである。
(10)したがって、「イングリッシュ・コア」、「English Core」が使用されている、英語学習アプリケーションサービスは、電子計算機端末による通信を利用した、「第41類 語学の教授」に係る役務に相当する。
(11)被請求人スマホアプリの利用状況は、管理画面により、要証期間における一定数以上のアクセス数と一か月利用平均回数が記載されていることが確認できる(乙7)。
(12)このように、被請求人スマホアプリは、少なくとも、2019年6月1日~2022年5月31日の間使用され、要証期間に、日本国内において使用している。
3 使用商標と本件商標
(1)使用商標は「English Core」(乙2)及び「イングリッシュ・コア」「English Core」(乙5)である。
(2)一方、本件商標は、「English Core」の欧文字と「イングリッシュ・コア」の片仮名を上下二段に書してなるところ、その構成中の「イングリッシュ・コア」の片仮名は、「English Core」の欧文字の読みを記載したことが明らかであり、本件商標は、構成全体としての使用に加え、「English Core」の欧文字、又は「イングリッシュ・コア」の片仮名のみの使用も容認される。
(3)そして、本件商標の構成中の「English Core」の欧文字と、使用商標の「English Core」(乙2、乙5)及び本件商標の構成中の「イングリッシュ・コア」の片仮名と、使用商標の「イングリッシュ・コア」(乙5)はつづりを共通にし、かつ、共通の称呼が生じることからすると、本件商標と使用商標とは、社会通念上同一の商標である。
4 小括
以上に述べたとおり、本件商標は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者により使用されているものであるから、その登録は取り消されるべきものではない。
第4 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠及び同人の主張によれば、以下の事実が認められる。
(1)被請求人は、株式会社CORE&INITIALS(以下「被請求人関係会社」という。)との間で、English Coreに関する製品の保守・運用・開発の業務委託契約を2018年6月15日付で締結した(乙1)。
(2)被請求人関係会社は、2017年より、CD教材ご購入者向けに無料のサービスとして提供してきたとする、購入者特典のスマホアプリ(英語学習アプリケーションサービス「English Core」)(以下「購入者特典のスマホアプリ(英語学習アプリケーションサービス「English Core」)」を「被請求人スマホアプリ」という。)はサービスを終了し、これに伴い、アップデートは行わないが、現在も使用できるとされ、被請求人スマホアプリの画面中央には、「English Core」の表示がある(乙2の2ページ)。
(3)「English Core」の利用規約の上部には、「English Core」の記載がある(乙2の3ページ)。
(4)要証期間内である2019年8月26日付メールで、被請求人関係会社のEnglish Core開発チームが、ユーザーAに対して、ダウンロードの方法を教示している(乙3)。
(5)被請求人スマホアプリのサービスを受けるためにサインインするページの上部、起動時及び起動後のホーム画面には、「イングリッシュ・コア」又は「English Core」の文字が表示されている(乙5)。
(6)当該アプリは、システムが対話の相手方となり、ユーザーと実際の会話を行うというトレーニングを提供し、ユーザーに対して、英会話の教授をするものである(乙5)。
(7)当該アプリは、スマートフォン上で起動する単なるソフトウェアではなく、ユーザーとのセッションを常にリアルタイムでモニターし、学習内容、会話速度、難易度等を常に各個人ごとに最適化し、レッスンを提供する双方向のアプリケーションである(被請求人スマホアプリの開発プログラマーの陳述書(乙6))。
(8)被請求人スマホアプリの利用状況は、管理画面により、要証期間における一定数以上のアクセス数と一か月利用平均回数が記載されている(乙7)。
2 上記1の認定事項に基づき、以下判断する。
(1)使用者について
上記1(1)によれば、要証期間前である2018年6月15日付け契約により、「被請求人スマホアプリ」の保守・運用・開発について、被請求人からの業務委託を受け、本件商標を使用している被請求人関係会社は、通常使用権者と認めるのが妥当である。
そして、かかる契約は、当該契約書の第2条により、当事者間の申出がない場合には、その委託期間は自動更新されるとされているところ、上記1(2)ないし(4)によれば、被請求人関係会社の担当が、要証期間内である2019年8月26日時点においても、本件商標を付したアプリについての保守等の役務を提供していることがうかがえる。
そうとすると、被請求人関係会社は、要証期間における本件商標における通常使用権者と認めるのが相当である。
(2)使用役務ついて
上記1(2)、(6)及び(7)によれば、使用商標が付され使用されている役務は、ユーザーに対して、英語の知識を教授することを目的としたアプリであって、リアルタイムでモニターし、双方向コミュニケーションを取りながら語学を教授するものであることがうかがえる。
そうすると、使用商標「イングリッシュ・コア」、「English Core」が使用されている、英語学習アプリケーションサービスは、電子計算機端末による通信を利用した、「第41類 語学の教授」に係る役務に相当し、当該アプリ自体は、役務の用に供する物であると認められる。
(3)使用商標の使用者について
上記1(1)のとおり、使用商標を使用している被請求人関係会社は、被請求人との間で、要証期間前の2018年6月15日付のEnglish Coreに関する製品の保守・運用・開発の業務委託契約を締結し、その関係は、現在も有効であると推認されるから、要証期間においても途切れることなく、業務委託契約が係属し、これに基づき、使用商標の使用を継続してきたと推認することができるから、使用商標の使用者は、使用商標の使用についての通常使用権者というのが相当である。
(4)本件商標と使用商標の社会通念上の同一性について
ア 使用商標は「English Core」(乙2、乙5)及び「イングリッシュ・コア」「English Core」(乙5)である。
イ 本件商標は、「English Core」の欧文字と「イングリッシュ・コア」の片仮名を上下二段に書してなるところ、その構成中の「イングリッシュ・コア」の片仮名は、「English Core」の欧文字の読みを記載したことが明らかであり、本件商標は、構成全体としての使用に加え、「English Core」の欧文字、又は「イングリッシュ・コア」の片仮名のみの使用も容認される。
ウ そして、本件商標の構成中の「English Core」の欧文字と、使用商標の「English Core」(乙2、乙5)及び本件商標の構成中の「イングリッシュ・コア」の片仮名と、使用商標の「イングリッシュ・コア」(乙5)はつづりを共通にし、書体のみに変更を加えたものであるから、本件商標と使用商標とは、社会通念上同一の商標である。
(5)商標の使用及び使用時期について
被請求人スマホアプリは、少なくとも、2019年6月1日~2022年5月31日の間使用されていると主張しているところ、上記1(4)及び(8)の事実から、少なくとも、当該アプリに関して、要証期間である2019年8月26日付メールでユーザーに対し説明をしていることや、利用状況の履歴から、当該アプリは、少なくとも、要証期間内に有効に機能し、語学の教授に係る役務に提供されていたとみるべきであるから、要証期間に、日本国内において使用しているものと認められる。
(6)小括
以上によれば、本件商標の通常使用権者は、要証期間に日本国内において、本件商標の指定商品及び指定役務中、請求に係る指定役務、第41類「語学の教授」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付し、役務の提供を行ったと認められる。
本件商標の通常使用権者による上記行為は、商標法第2条第3項第4号の「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付したものを用いて役務を提供する」行為に該当する。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の通常使用権者が本件審判の請求に係る指定役務中、第41類「語学の教授」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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