2022-021242
情報表示装置、情報表示プログラム、情報表示方法および情報表示システム
- 審判番号
- 2022-021242
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-100162外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年12月27日
- 審決日
- 2023年07月18日
- 公報発行日
- 2023年10月27日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯
本願は、平成30年5月25日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
第2 令和4年12月27日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年12月27日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。)
「【請求項1】複数の機器のそれぞれについての情報を表示する情報表示装置であって、表示面を有する表示手段、所定の領域の地図を前記表示面に表示するとともに、当該所定の領域内に設置されている前記機器を表す表示子を当該地図上に表示し、併せて、当該所定の領域内に設置されている機器についての概略的な情報を当該表示面に表示する表示制御手段、およびユーザによる操作を受け付ける操作受付手段を備え、さらに、前記表示制御手段は、いずれかの前記機器を選択する選択操作が前記操作受付手段によって受け付けられたときに、当該選択操作により選択された当該機器についての状態情報と当該機器が設置されている店舗についての情報とを含む詳細情報を前記表示面に表示する、情報表示装置。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和4年6月22日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「【請求項1】複数の機器のそれぞれについての情報を表示する情報表示装置であって、表示面を有する表示手段、所定の領域の地図を前記表示面に表示するとともに、当該所定の領域内に設置されている前記機器を表す表示子を当該地図上に表示し、併せて、当該所定の領域内に設置されている機器についての概略的な情報を当該表示面に表示する表示制御手段、およびユーザによる操作を受け付ける操作受付手段を備え、さらに、前記表示制御手段は、いずれかの前記機器を選択する選択操作が前記操作受付手段によって受け付けられたときに、当該選択操作により選択された当該機器についての状態情報を含む詳細情報を前記表示面に表示する、情報表示装置。」
2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「詳細情報」について、上記のとおり限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献の記載事項、引用発明等
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ア 引用文献1
原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2004-234218号公報(平成16年8月19日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審で付した。以下同じ。)。
「【0006】【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述のLDAP等の検索プロトコルは、例えばEthernet(登録商標)などのLAN環境などで使用されることを前提としており、携帯電話などの携帯端末装置で使用されることを想定されていなかった。【0007】続きを表示(全11行)また、LDAP等を使用したディレクトリサービスで検索されたデバイスのネットワークアドレスの一覧リストでは、所望するデバイスの所在位置を判り易いかたちで得ることができなかった。例えば、所望するデバイスがネットワークプリンタである場合、「自分のフロアにおいて、自分の場所に一番近いプリンタは何処に在るのか」、或いは「カラー画像を出力できるプリンタは、その建物の中の何処に在るのか」等のように、ネットワーク上のデバイスの階層的なロケーション情報を判り易く提示することができなかった。【0008】また、印刷等の実行(ジョブ)をネットワークプリンタへ依頼した場合に、「何処のプリンタで印刷が行なわれたか」、或いは「自分が依頼した印刷が正常に終了したか否か」、或いは「ジャムや用紙切れ等のエラーが発生していないか」等といった情報を判り易く提示することができなかった。【0009】さらに、「デバイスが現在どのような状態(稼働状態、エラー発生状態等)にあるか」等といった情報についても、判り易く提示することができなかった。【0010】本発明は、このような背景の下になされたもので、その課題は、画像形成処理を要求した携帯端末装置に対して、その携帯端末装置の近辺に存在する画像形成装置を判り易く提示し得る画像形成処理システムを提供することにある。」
「【0012】【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]本発明に係る印刷システムは、例えば、図1に示すようなインターネット103を用いた通信システムに適用される。このインターネット103には、携帯端末装置としての携帯電話102、サーバ装置101、及びカラープリンタ104、カラーコピー機能とプリンタ機能を共に兼ね備えたカラーMFP(Mult Function Peripheral)105、モノクロプリンタ106等の画像形成装置(以下、デバイスとも言う)が接続され、互いに通信可能となっている。【0013】携帯電話102は、サーバ装置101に対してインターネット103上の画像形成装置104~106を検索するように要求すると共に、その検索結果を表示するように構成されている。また、携帯電話102は、GPS(Global Positioning System)、及びWebブラウザを搭載している。【0014】サーバ装置101は、Webサーバとして機能し、携帯電話102からの要求に応じて画像形成装置104~106に関する情報を取得すると共に、取得した情報を後述する地図画像上に配置して、インターネット103上に公開する。」
「【0020】本実施形態では、このようなハードウェア構成の下で、サーバ装置101は、携帯電話102からの要求に応じて、その携帯電話102の近くに存在する画像形成装置104~106を検索し、検索した画像形成装置104~106を示すデバイスアイコンを地図上に配置したWebページ(コンテンツ)を作成する。このデバイスアイコンは、上記の地図において当該デバイスの存在する位置に配置され、また、現在のステータスに応じた形態で表示される。【0021】携帯電話102は、サーバ装置101により作成された上記のWebページをアクセスして、当該携帯電話102の表示部に表示する。」
「【0022】このような機能を実現するため、サーバ装置101、携帯電話102、デバイス104~106は、夫々、図4に示したようなソフトウェアを搭載している。【0023】図4に示したように、携帯電話102は、検索要求モジュール21及び表示モジュール22を有している。検索要求モジュール21は、サーバ装置101へ所望のデバイス検索条件を送信し、その検索結果(上記のWebページ)を受信して表示する。この際、検索要求モジュール21は、サーバ装置10から所定のURL(本実施形態では、後述するようにURI)を受信し、そのURLで示されるWebページにアクセスすることによって、検索結果を表示する。」
「【0025】また、サーバ装置101は、検索モジュール12及び属性登録モジュール13を有している。検索モジュール12は、携帯電話102から受信したデバイス検索条件(位置情報等)に基づいて、データベース11から検索条件に合致するデバイスを検索し、その検索結果を地図画像に係るWebページとしてインターネット103上に公開すると共に、そのWebページのURL)を携帯電話102に通知する。また、検索モジュール12は、通知したURLに基づいてアクセスされたWebページを携帯電話102に送信する。これらURL、Webページは、表示モジュール22により携帯電話102の表示部(図示省略)に表示される。」
「【0035】サーバ装置101は、図6に示した全ての情報を各デバイス104~106から収集してデータバース11に登録するので、実際には、サーバ装置101のデータバース11には、図7に示すような形式で、各デバイス104~106の所在位置情報が登録されることとなる。」
「【0037】次に、各デバイス104~106を示すデバイスアイコンについて説明する。【0038】サーバ装置101は、各デバイス104~106毎に、各デバイスで発生し得る各種のイベント(ステータス)に対応するアイコン情報(ビットマップデータ、イメージデータ)を、ハードディスク211に保持している。続きを表示(全20行)【0039】例えば、カラーMFP105に関しては、図8に示すような稼働可能状態(ready)であることを示すためのアイコン情報、紙切れ状態(nopaper)であることを示すためのアイコン情報、及びジャム発生状態(paperjammed)であることを示すためのアイコン情報を保持している。また、モノクロプリンタ106に関しては、図9に示すような稼働可能状態(ready)であることを示すためのアイコン情報、紙切れ状態(nopaper)であることを示すためのアイコン情報、及びジャム発生状態(paperjammed)であることを示すためのアイコン情報を保持している。【0040】なお、図8、図9には、デバイスを示すアイコン(装置形状を示すイメージデータ)と、ステータスを示すアイコン(丸印の中に斜線を入れたイメージデータ)及びキャラクタ(イメージデータ)とが合成された状態で示されているが、本実施形態では、実際には、デバイスを示すアイコンとステータスを示すアイコン及びキャラクタとは、別々に記憶されており、使用するデバイス、及びそのステータスが確定した後に対応するアイコン同士を合成することにより、メモリ容量を可及的に低減するように構成されている。【0041】また、デバイス104~106のステータスを示すアイコンとしては、図8、図9に示したようなアイコンに限られることはなく、例えば、デバイスが使用中であることを示すアイコンやデバイス内のハードディスク等における読込/書込エラー発生を示すアイコン、また、デバイスがFAXである場合には、送信中/受信中であることを示すアイコンを保持してもよい。さらに、認証エラー発生を示すアイコンを保持して地図上に表示することにより、ユーザに認証エラー発生を認識させて不正侵入等を防止するようにしてもよい。【0042】また、デバイスを示すアイコンと、ステータスを示すアイコン及びキャラクタとを予め合成したデバイスアイコンを最初から保持することも可能である。【0043】なお、各デバイスのデバイスアイコンは、図8、図9から推測できるように、当該デバイスの種類や機能(例えば、カラー印刷機、モノクロ印刷機、複合機、印刷専用機、複写機)を識別する識別機能を発揮させることを意図したものである。【0044】次に、携帯電話102による検索要求処理を説明する。【0045】図10は、携帯電話102の表示部に示されるGUI(Graphical User Interface)画面であり、印刷を実行させるデバイスの指定方法を選択するためのGUI画面を示している。このGUI画面は携帯電話102に搭載された検索要求モジュール21に係るプログラムが実行されることにより表示される。【0046】検索要求モジュール21が実行されると、印刷に使用するデバイスの指定方法をユーザに質問する図10の画面が表示される。ここで、デバイスの指定方法としては、近辺のデバイスを検索して指定する方法=「▲1▼ 近辺のプリンタを検索」と、予め携帯電話102に登録されているデバイスを指定する方法=「▲2▼ プリンタを指定」と、の2つがある。ユーザは、携帯電話102の操作部を使用して、2つの指定方法のうちから1つを選択する。」
「【0048】ユーザが「▲1▼ 近辺のプリンタを検索」を選択した場合、検索探索モジュール21は、サーバ装置101に対して、当該携帯電話102の現在位置情報と共に、デバイス検索要求信号を送信する。このデバイス検索要求信号には、図11に示したように、携帯電話102を識別するための機器ID、この通信がデバイスの検索を要求するものであることを示すオペレーションID、携帯電話102の位置情報、JobID、携帯電話102のIPアドレスにより構成されている。」
「【0051】サーバ装置101は、このようなデバイス検索要求信号、及び携帯電話102の現在位置情報を受信すると、まず、それら受信信号・情報をオペレーションテーブルに記憶し、オペレーションIDを確認する。オペレーションIDがデバイスの検索要求であった場合、サーバ装置101は、次のようにして、携帯電話102の近辺に存在するデバイスをデータベース11(その内容は、図7参照)から検索する。【0052】すなわち、サーバ装置101は、まず、地図イメージデータを使用して、受信した携帯電話10の現在位置情報を5階層からなるLocation情報に変換する。次に、サーバ装置101は、変換した携帯電話102のLocation情報と、データベース11に登録されているデバイスのLocation情報とを下位層から照合していくことにより、携帯電話102の近辺に存在するデバイス104~106を検索する。続きを表示(全13行)【0053】次に、サーバ装置101は、携帯電話102の近辺に存在する検索に係るデバイス104~106のステータス情報を当該デバイス104~106から取得する。この場合、サーバ装置101と各デバイス104~106は、インターネット103によって接続されているので、各デバイス104~106のステータス情報は、IPP(Internet Printing Protocol)によって取得される。【0054】すなわち、サーバ装置101は、検索したデバイスのURIを図7に示したデータベース上で参照し、検索したデバイスに対してIPPのオペレーションであるGet-printer-Attributesオペレーションを発行する。デバイスは、Get-printer-Attributesオペレーションに対するレスポンス信号をサーバ装置101に返信する。サーバ装置101は、返信されたレスポンス信号中のデバイスのPrinter-Attributes、特にPrinter-state-reasonsを参照することで、検索に係るデバイスのステータスを確認する。【0055】その後、サーバ装置101は、検索されたデバイスのステータスに対応するアイコン(イメージデータ)を選択し、当該デバイスを示すデバイスアイコンと合成する。例えば、携帯電話102の現在位置の近傍に存在するデバイスとしてカラーMFP105が検索され、そのカラーMFP105の現在のステータスが「NoPaper」であった場合、サーバ装置101は、図8に示した「NoPaper」に対応するステータスアイコンを選択し、カラーMFP105のデバイスアイコンと合成する。【0056】次に、サーバ装置101は、合成に係るデバイスアイコンを地図上に配置する。この際、サーバ装置101は、まず、携帯電話102の現在位置を中心とする地図イメージデータをデータベース11から切り出し、携帯電話102を示すアイコン(図12の符号1200参照)を、切り出した地図イメージデータの中心に配置する。」
「【0057】次に、サーバ装置101は、図13に示したように、検索した各デバイスの位置情報(X、Y座標)に基づいて、上記の合成に係るデバイスアイコンアイコン(当審注:「デバイスアイコンアイコン」は「デバイスアイコン」の誤記と認められる。)を地図イメージデータ上の対応する位置に配置する(図13の符号1201、1202、1203参照)。そして、HTML(HyperText Markup Language)やXML(eXtensible Markup Language)を使用することにより、合成したアイコン情報を配置した地図イメージデータに基づいてWebページ(ファイル)を生成し、インターネット103上に公開すると共に、Webページ(ファイル)のURIを携帯電話102に通知する。【0058】そこで、ユーザは、携帯電話102により、通知に係るURIを用いて、Webページにアクセスして表示させ、Webページ上の所望のデバイスのデバイスアイコンを選択する。この選択は、例えばカーソルで所望のデバイスのデバイスアイコン指定してクリックすることにより行う。【0059】ユーザが所望のデバイスアイコンを選択すると、印刷Jobが携帯電話102からサーバ装置101に送られ、サーバ装置101は、印刷Jobを対応するデバイスに送信する。」
【図1】「
[図:0001402604000001.jpg]
」
【図4】「
[図:0001402604000002.jpg]
」
【図7】「
[図:0001402604000003.jpg]
」
【図8】「
[図:0001402604000004.jpg]
」
【図9】「
[図:0001402604000005.jpg]
」
【図10】「
[図:0001402604000006.jpg]
」
【図13】「
[図:0001402604000007.jpg]
」
ここで、携帯電話102に着目して、引用文献1に記載されている事項について検討する。
(ア) 上記【0023】の「図4に示したように、携帯電話102は、検索要求モジュール21及び表示モジュール22を有している。」との記載、上記【0025】の「これらURL、Webページは、表示モジュール22により携帯電話102の表示部(図示省略)に表示される。」との記載、上記【0046】の「ユーザは、携帯電話102の操作部を使用して、2つの指定方法のうちから1つを選択する」との記載及び上記【図4】、【図10】の記載から、引用文献1には、「携帯電話102であって、表示部、表示モジュール22、及び操作部を備える携帯電話102」が記載されていると認められる。
(イ) 上記【0045】の「図10は、携帯電話102の表示部に示されるGUI(Graphical User Interface)画面であり、印刷を実行させるデバイスの指定方法を選択するためのGUI画面を示している。」との記載及び上記【図10】の記載から、引用文献1には、「画面を有する表示部」が記載されていると認められる。
(ウ) 上記【0025】の「これらURL、Webページは、表示モジュール22により携帯電話102の表示部(図示省略)に表示される。」との記載、上記【0039】の「例えば、カラーMFP105に関しては、図8に示すような稼働可能状態(ready)であることを示すためのアイコン情報、紙切れ状態(nopaper)であることを示すためのアイコン情報、及びジャム発生状態(paperjammed)であることを示すためのアイコン情報を保持している。また、モノクロプリンタ106に関しては、図9に示すような稼働可能状態(ready)であることを示すためのアイコン情報、紙切れ状態(nopaper)であることを示すためのアイコン情報、及びジャム発生状態(paperjammed)であることを示すためのアイコン情報を保持している。」との記載、上記【0040】の「なお、図8、図9には、デバイスを示すアイコン(装置形状を示すイメージデータ)と、ステータスを示すアイコン(丸印の中に斜線を入れたイメージデータ)及びキャラクタ(イメージデータ)とが合成された状態で示されているが、本実施形態では、実際には、デバイスを示すアイコンとステータスを示すアイコン及びキャラクタとは、別々に記憶されており、使用するデバイス、及びそのステータスが確定した後に対応するアイコン同士を合成することにより、メモリ容量を可及的に低減するように構成されている。」、上記【0052】の「すなわち、サーバ装置101は、まず、地図イメージデータを使用して、受信した携帯電話10の現在位置情報を5階層からなるLocation情報に変換する。次に、サーバ装置101は、変換した携帯電話102のLocation情報と、データベース11に登録されているデバイスのLocation情報とを下位層から照合していくことにより、携帯電話102の近辺に存在するデバイス104~106を検索する。」との記載、上記【0053】の「次に、サーバ装置101は、携帯電話102の近辺に存在する検索に係るデバイス104~106のステータス情報を当該デバイス104~106から取得する。」との記載、上記【0055】の「その後、サーバ装置101は、検索されたデバイスのステータスに対応するアイコン(イメージデータ)を選択し、当該デバイスを示すデバイスアイコンと合成する。例えば、携帯電話102の現在位置の近傍に存在するデバイスとしてカラーMFP105が検索され、そのカラーMFP105の現在のステータスが「NoPaper」であった場合、サーバ装置101は、図8に示した「NoPaper」に対応するステータスアイコンを選択し、カラーMFP105のデバイスアイコンと合成する。」との記載、上記【0056】の「次に、サーバ装置101は、合成に係るデバイスアイコンを地図上に配置する。この際、サーバ装置101は、まず、携帯電話102の現在位置を中心とする地図イメージデータをデータベース11から切り出し、携帯電話102を示すアイコン(図12の符号1200参照)を、切り出した地図イメージデータの中心に配置する。」との記載、上記【0057】の「次に、サーバ装置101は、図13に示したように、検索した各デバイスの位置情報(X、Y座標)に基づいて、上記の合成に係るデバイスアイコンアイコン(当審注:「デバイスアイコンアイコン」は「デバイスアイコン」の誤記と認められる。)を地図イメージデータ上の対応する位置に配置する(図13の符号1201、1202、1203参照)。そして、HTML(HyperText Markup Language)やXML(eXtensible Markup Language)を使用することにより、合成したアイコン情報を配置した地図イメージデータに基づいてWebページ(ファイル)を生成し、インターネット103上に公開すると共に、Webページ(ファイル)のURIを携帯電話102に通知する。」との記載、上記【0058】の「そこで、ユーザは、携帯電話102により、通知に係るURIを用いて、Webページにアクセスして表示させ、Webページ上の所望のデバイスのデバイスアイコンを選択する。」との記載及び上記【図8】、【図9】、【図13】の記載から、引用文献1には、「「TonerEmpty」というステータスに対応するアイコンとモノクロプリンタを示すデバイスアイコンとが合成されたアイコン1201及び「NoPaper」というステータスに対応するアイコンとカラーMFPを示すデバイスアイコンとが合成されたアイコン1202が、各デバイスの位置情報に基づいて配置された地図イメージデータを、表示モジュール22により表示部の画面に表示すること」が記載されていると認められる。
イ 引用発明
したがって、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「携帯電話102であって、画面を有する表示部、表示モジュール22、及び操作部を備え、「TonerEmpty」というステータスに対応するアイコンとモノクロプリンタを示すデバイスアイコンとが合成されたアイコン1201及び「NoPaper」というステータスに対応するアイコンとカラーMFPを示すデバイスアイコンとが合成されたアイコン1202が、各デバイスの位置情報に基づいて配置された地図イメージデータを、表示モジュール22により表示部の画面に表示し、ユーザが所望のデバイスアイコンを選択すると、印刷Jobが携帯電話102からサーバ装置101に送られる、携帯電話102。」
ウ 引用文献2
原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開平10-320341号公報(平成10年12月4日出願公開。以下「引用文献2」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0030】図4の入出力機器設定ダイアログボックスにおいて、入出力機器名の表示領域または隣接する三角印をクリックすると、図6のような入出力機器の選択のための入出力機器選択ダイアログボックスが表示され、その入出力機器選択ダイアログボックスの中央部には、LANに接続されている機器が配置された事務所等のレイアウト図が表示されている。レイアウト図には、事務所等の壁、ドア、机、ついたて等が実際の配置に対応して表示されている。事務所内の実際の入出力機器の位置に対応した位置には、入出力機器を示すアイコンが表示されており、そのアイコン下部に機器名が表示されている。アイコンの配置と実際の事務所内での入出力機器の配置が一致しているため、アイコンと入出力機器実機との対応関係が分かり易い。ここで、アイコンとは対象物をシンボリックに表現した比較的小型の画像である。レイアウト図は階層的に構成されている。」
「【0032】図6は、入出力機器の全機種を表示した入出力機器選択ダイアログボックスを示す図である。ダイアログボックス中央のレイアウト図には、入出力機器の全機種のアイコンが表示されている。ダイアログボックス上部の「全機種」と表示された領域をクリックすると、図のように「プリンタ」、「FAX」、「スキャナ」と表示された領域が並んでリスト表示されるので、それらの中から所望の機種の領域をクリックすると機種別の表示に切り替えることができる。例えば、「プリンタ」の領域をクリックすれば、レイアウト図が切り替えられてダイアログボックスは図7のようになり、「FAX」の領域をクリックすれば、ダイアログボックスは図8のようになる。このような切り替え方法以外にも、ダイアログボックス内に「プリンタ」ボタン、「FAX」ボタン、「スキャナ」ボタン、「全機種」ボタンを配置しておき、いずれかのボタンをクリックすることにより機種を切り替えるようにしてもよい。【0033】全機種表示の入出力機器選択ダイアログボックスは上位の階層のレイアウト図であるとして、プリンタ、FAX、スキャナ等の機種の選択のみを可能として入出力機器の選択はできなくとも支障はないが、図6のように全機種表示のダイアログボックスからも入出力機器の選択が行えるようにしてもよい。図6は、デジタル複写機A41を選択した状態を示し、機器名が反転表示となっている。このように、選択状態のアイコンは、アイコンまたは機器名が反転表示となり選択されていることを示す。図6では機器名を反転表示しているが、アイコンを反転表示してもよいし、アイコンと機器名の両者を反転表示してもよい。【0034】ダイアログボックス下部の選択された機器の欄には、機器名が表示されており、その機器名の隣にその機器の利用可能な機能が並べて表示されている。プリンタとして設定する場合はプリンタ機能の領域をクリックして反転させ、FAXとしても設定する場合はFAX機能の領域もクリックして反転させる。そして、「OK」ボタンをクリックすればデジタル複写機A41がプリンタとして設定され、かつFAXとしても設定される。」
「【0075】図22は「ドキュメント送信(紙)」が選択された状態である。「ドキュメント送信(紙)」に分類される出力機器としてはプリンタ、プロッタ等があるが、この場合はプリンタ機能を有している出力機器が全て表示されている。出力機器の種類を切り替える場合は、ダイアログボックス上部の種類の表示領域をクリックして図のように選択できる種類をリスト表示させ、さらに、希望する種類の表示領域をクリックする。図では出力機器としてデジタル複写機A41が選択されている。「選択された送信先」欄には出力機器名が表示され、その下にはその出力機器の状況が表示される。アイコンを選択して出力機器を設定する方法は、図7、図8、図9のダイアログボックスでの設定と同様である。」
図6「
[図:0001402604000008.jpg]
」
【図22】「
[図:0001402604000009.jpg]
」
ここで、引用文献2に記載されている事項について検討する。
上記【0030】の「図4の入出力機器設定ダイアログボックスにおいて、入出力機器名の表示領域または隣接する三角印をクリックすると、図6のような入出力機器の選択のための入出力機器選択ダイアログボックスが表示され、その入出力機器選択ダイアログボックスの中央部には、LANに接続されている機器が配置された事務所等のレイアウト図が表示されている。レイアウト図には、事務所等の壁、ドア、机、ついたて等が実際の配置に対応して表示されている。事務所内の実際の入出力機器の位置に対応した位置には、入出力機器を示すアイコンが表示されており、そのアイコン下部に機器名が表示されている。」との記載、上記【0032】の「図6は、入出力機器の全機種を表示した入出力機器選択ダイアログボックスを示す図である。ダイアログボックス中央のレイアウト図には、入出力機器の全機種のアイコンが表示されている。」との記載、
上記【0033】の「図6は、デジタル複写機A41を選択した状態を示し、機器名が反転表示となっている。このように、選択状態のアイコンは、アイコンまたは機器名が反転表示となり選択されていることを示す。」との記載、上記【0034】の「ダイアログボックス下部の選択された機器の欄には、機器名が表示されており、その機器名の隣にその機器の利用可能な機能が並べて表示されている。」との記載、上記【0075】の「図22は「ドキュメント送信(紙)」が選択された状態である。「ドキュメント送信(紙)」に分類される出力機器としてはプリンタ、プロッタ等があるが、この場合はプリンタ機能を有している出力機器が全て表示されている。」、「図では出力機器としてデジタル複写機A41が選択されている。「選択された送信先」欄には出力機器名が表示され、その下にはその出力機器の状況が表示される。」との記載及び上記【図22】の記載から、引用文献2には、「入出力機器を示すアイコンが表示されるレイアウト図においてデジタル複写機A41が選択されると、選択されたデジタル複写機A41の「紙詰まり」という状況が表示されること」という技術的事項が記載されていると認められる。
エ 周知文献1、周知技術
周知技術が記載されている文献として新たに例示する、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である、美崎栄一郎ほか2名、美崎栄一郎のアプリ・バカ、株式会社マイナビ、2012年12月27日発行、38-39ページ(以下「周知文献1」という。)には、次の事項が記載されている。
(ア)「「コンビニマップ」はそういった不満を解消するのにぴったりの、コンビニ探しに特化した地図アプリ。アプリを起ち上げて現在位置を読み込めば、近くにあるコンビニをすぐさまピンで表示してくれるのでとてもわかりやすい。また、ピンには各コンビニのロゴが使われているので、いちいちタップしてコンビニ名を確認しなくてもいいのです。お酒やタバコは売っているか、ATMはあるかといった詳細情報はピンをタップすれば見ることができます。」(38ページ8-17行)
(イ)「[図:0001402604000010.jpg]」(39ページ上段左)
(ウ)「起動すると地図に各コンビニのアイコンが付いたピンが表示されます。GPSで現在位置を読み込めば、近くにあるコンビニがすぐにわかって便利です。」(39ページ上段左)
(エ)「[図:0001402604000011.jpg]」(39ページ下段左)
(オ)「ピンをタップするか、吹き出し表示を使うとピンに吹き出しが出てコンビニの詳細がわかります。現在地からどれくらいの距離にあるのかがわかって便利。」(39ページ下段左)
(カ)「[図:0001402604000012.jpg]」(39ページ下段中)
(キ)「吹き出し中のアイコンをタップすると、ATMがあるかどうかやお酒やタバコを扱っているか、住所や電話番号などの詳細情報も表示されます。」(39ページ下段中)
したがって、例えば、周知文献1に記載されているように、「地図に表示された店舗アイコンを選択し、選択された当該店舗アイコンについての店舗の詳細情報を表示すること」は、本願の出願前における周知技術であると認められる。
(3)引用発明との対比
本件補正発明と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明の「モノクロプリンタ」及び「カラーMFP」は、いずれも、本件補正発明の「機器」に相当する。また、引用発明の「携帯電話102」は、情報を表示している装置であるといえるから、本件補正発明の「情報表示装置」に相当する。さらに、引用発明の「携帯電話102」は、「画面を有する表示部」「を備え」、「「TonerEmpty」というステータスに対応するアイコンとモノクロプリンタを示すデバイスアイコンとが合成されたアイコン1201及び「NoPaper」というステータスに対応するアイコンとカラーMFPを示すデバイスアイコンとが合成されたアイコン1202が、各デバイスの位置情報に基づいて配置された地図イメージデータを、表示モジュール22により表示部の画面に表示」することから、「モノクロプリンタ」及び「カラーMFP」のそれぞれについての情報を表示するものといえる。
したがって、引用発明の「携帯電話102」は、本件補正発明の「複数の機器のそれぞれについての情報を表示する情報表示装置」と一致する。
イ 引用発明の「画面」及び「表示部」は、それぞれ、本件補正発明の「表示面」及び「表示手段」に相当する。
したがって、引用発明の「画面を有する表示部」は、本件補正発明の「表示面を有する表示手段」と一致する。
ウ 引用発明の「表示モジュール」は、表示部の画面の表示を制御しているといえるから、本件補正発明の「表示制御手段」に相当する。また、引用発明の「地図イメージデータ」は、上記(2)アの【図13】の記載から、所定の領域のものであるといえるから、本件補正発明の「所定の領域の」「地図」に相当する。さらに、引用発明の「アイコン」は、本件補正発明の「表示子」に相当する。加えて、引用発明の「アイコン1201」及び「アイコン1202」は、それぞれ、「モノクロプリンタ」及び「カラーMFP」を表しているといえる。
したがって、上記ア、イを踏まえると、引用発明の「「TonerEmpty」というステータスに対応するアイコンとモノクロプリンタを示すデバイスアイコンとが合成されたアイコン1201及び「NoPaper」というステータスに対応するアイコンとカラーMFPを示すデバイスアイコンとが合成されたアイコン1202が、各デバイスの位置情報に基づいて配置された地図イメージデータを」「表示部の画面に表示」する「表示モジュール22」は、本件補正発明の「所定の領域の地図を前記表示面に表示するとともに、当該所定の領域内に設置されている前記機器を表す表示子を当該地図上に表示し、併せて、当該所定の領域内に設置されている機器についての概略的な情報を当該表示面に表示する表示制御手段」と、「所定の領域の地図を前記表示面に表示するとともに、当該所定の領域内に設置されている前記機器を表す表示子を当該地図上に表示」する「表示制御手段」である点で共通する。
エ 引用発明の「操作部」は、上記(2)アの【0046】の「ユーザは、携帯電話102の操作部を使用して、2つの指定方法のうちから1つを選択する」との記載から、ユーザによる操作を受け付ける手段であることが明らかであるから、本件補正発明の「ユーザによる操作を受け付ける」「操作受付手段」に相当する。
オ 引用発明において、「ユーザが所望のデバイスアイコンを選択すると、印刷Jobが携帯電話102からサーバ装置101に送られる」ことから、いずれかのデバイスアイコンを選択する選択操作が操作部によって受け付けられたときに、印刷Jobが携帯電話102からサーバ装置101に送られているといえる。
したがって、上記ア、エを踏まえると、引用発明の「いずれかのデバイスアイコンを選択する選択操作が操作部によって受け付けられたときに、印刷Jobが携帯電話102からサーバ装置101に送られ」る構成は、本件補正発明の「前記表示制御手段は、いずれかの前記機器を選択する選択操作が前記操作受付手段によって受け付けられたときに、当該選択操作により選択された当該機器についての状態情報と当該機器が設置されている店舗についての情報とを含む詳細情報を前記表示面に表示する」構成と、「手段は、いずれかの前記機器を選択する選択操作が前記操作受付手段によって受け付けられたときに、処理を行う」点で共通する。
したがって、本件補正発明と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「複数の機器のそれぞれについての情報を表示する情報表示装置であって、表示面を有する表示手段、所定の領域の地図を前記表示面に表示するとともに、当該所定の領域内に設置されている前記機器を表す表示子を当該地図上に表示する表示制御手段、およびユーザによる操作を受け付ける操作受付手段を備え、手段は、いずれかの前記機器を選択する選択操作が前記操作受付手段によって受け付けられたときに、処理を行う、情報表示装置。」
(相違点1)
所定の領域の地図を表示面に表示するとともに、当該所定の領域内に設置されている機器を表す表示子を当該地図上に表示する表示制御手段において、本件補正発明では、「併せて、当該所定の領域内に設置されている機器についての概略的な情報を当該表示面に表示する」のに対し、引用発明では、「「TonerEmpty」というステータスに対応するアイコンとモノクロプリンタを示すデバイスアイコンとが合成されたアイコン1201及び「NoPaper」というステータスに対応するアイコンとカラーMFPを示すデバイスアイコンとが合成されたアイコン1202」を表示しているが、アイコン1201及びアイコン1202が、それぞれ、モノクロプリンタ及びカラーMFPについての概略的な情報を表しているのか明確に特定されていない点。
(相違点2)
いずれかの機器を選択する選択操作が操作受付手段によって受け付けられたときに、本件補正発明では、「前記表示制御手段は、当該選択操作により選択された当該機器についての状態情報と当該機器が設置されている店舗についての情報とを含む詳細情報を前記表示面に表示する」のに対し、引用発明では、「印刷Jobが携帯電話102からサーバ装置101に送られる」点。
(4)判断
以下、相違点について検討する。
ア 相違点1について
引用発明において、「アイコン1201」及び「アイコン1202」は、ステータスに対応するアイコンとデバイスアイコンとが合成されたものであるから、ステータスに対応するアイコン及びデバイスアイコンの両者を表示しているものといえる。また、ステータスに対応するアイコンは、合成したデバイスアイコンのデバイスのステータスという情報を表示するものであり、さらに、上記(2)アの【0043】の「各デバイスのデバイスアイコンは、図8、図9から推測できるように、当該デバイスの種類や機能(例えば、カラー印刷機、モノクロ印刷機、複合機、印刷専用機、複写機)を識別する識別機能を発揮させることを意図したものである。」との記載から、デバイスアイコンは、当該デバイスの種類や機能という情報を表示するものといえる。したがって、「アイコン1201」及び「アイコン1202」は、モノクロプリンタ及びカラーMFPについてのステータスと種類や機能という情報を表示するものといえ、これらの情報は、本件補正発明の「概略的情報」に相当するといえる。
よって、引用発明の「アイコン1201」及び「アイコン1202」を表示する構成は、本件補正発明の「併せて、所定の領域内に設置されている機器についての概略的な情報を表示面に表示する」構成と一致する。
したがって、上記相違点1は実質的な相違点ではない。
イ 相違点2について
引用文献2には、上記(2)ウのとおり、「入出力機器を示すアイコンが表示されるレイアウト図においてデジタル複写機A41が選択されると、選択されたデジタル複写機A41の「紙詰まり」という状況が表示されること」という技術的事項が記載されていると認められる。ここで、選択されたデジタル複写機A41の「紙詰まり」という状況の情報は、本件補正発明の「当該選択操作により選択された当該機器についての状態情報」に相当する。
そして、引用発明と引用文献2に記載された技術的事項とは、いずれも、GUI技術分野で共通し、「機器のアイコンを図上に表示する」という機能でも共通するものである。
したがって、デバイスアイコンが選択される引用発明において、引用文献2に記載された技術的事項を適用し、表示制御手段は、当該選択操作により選択された当該機器についての状態情報を含む詳細情報を表示面に表示するようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
また、ユーザが利用できるカラーMFPのような複合機が、コンビニのような店舗に設置されていることは、文献を示すまでもなく、本願の出願前における周知の事項である。
さらに、上記(2)エのとおり、「地図に表示された店舗アイコンを選択し、選択された当該店舗アイコンについての店舗の詳細情報を表示すること」は、本願の出願前における周知技術であると認められる。
したがって、デバイスアイコンが選択される引用発明において、上記周知の事項及び上記周知技術を適用し、表示制御手段は、当該機器が設置されている店舗についての情報を含む詳細情報を表示面に表示するようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
よって、デバイスアイコンが選択される引用発明において、引用文献2に記載された技術的事項、上記周知の事項及び上記周知技術を適用し、表示制御手段は、当該選択操作により選択された当該機器についての状態情報と当該機器が設置されている店舗についての情報とを含む詳細情報を表示面に表示するようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
ウ 効果について
これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明、引用文献2に記載された技術的事項、周知の事項及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
エ 請求人の主張について
請求人は、令和4年12月27日提出の審判請求書において
「(d)本願発明と引用例との対比本願請求項1に記載の発明と引用文献1に記載された発明とを比較すると、本願請求項1に記載の発明においては、いずれかの機器を選択する選択操作が操作受付手段によって受け付けられたときに、当該選択操作により選択された機器についての状態情報と当該機器が設置されている店舗についての情報とを含む詳細情報が表示されるのに対して、引用文献1に記載された発明では、ユーザにより所望のデバイスアイコンが選択されると、印刷Jobが携帯電話102からサーバ装置101に送られ、この点で、両者は相違する。また、引用文献1には、本願請求項1に記載の発明の特徴に関して、つまりいずれかの機器を選択する選択 操作が操作受付手段によって受け付けられたときに、当該選択操作により選択された機器についての状態情報と当該機器が設置されている店舗についての情報とを含む詳細情報が表示される点に関して、何ら開示されておらず、それを示唆する記載もない。このため、引用文献1に記載された発明では、本願請求項1に記載の発明による特有の効果、殊に、ユーザにとって、自身が希望する(選択した)機器についての状態情報と当該機器を探し当てる際の目印となる店舗についての情報とを含む詳細情報を認識することができ、ひいては自身の希望に即した機器を極めて効率よく検索することができる、という効果を、発揮することはできない。したがって、このような引用文献1に記載された発明から、本願請求項1に記載の発明を想致することは、たとえ当業者といえども全くもって不可能である。次に、本願請求項1に記載の発明と引用文献2に記載された発明とを比較すると、引用文献2には、本願請求項1に記載の発明が特徴とするところのユーザにより選択された機器が設置されている店舗についての情報が表示される点に関して、何ら開示も示唆もされておらず、まして、その動機付けとなるような記載すら全く見受けられない。ゆえに、引用文献2に記載された発明によっても、本願請求項1に記載の発明による前述の特有の効果を発揮することは、到底できない。そして、このような引用文献2に記載された発明から、本願請求項1に記載の発明を想致することは、たとえ当業者といえでも全くもって不可能である。また、引用文献1に記載された発明と引用文献2に記載された発明の組合せから、審査官殿は、「引用文献1に記載された発明において、ユーザが所望のデバイスアイコンを選択する操作によって、出力機器の状況を表示するように構成し、表示された出力機器の状況確認後に印刷Jobをサーバ装置101に送られるようにすることは、当業者が容易になし得たものである。」とご指摘であるが、当該組合せから想致し得るのは、そこまでのことであり、当該組合せをもってしても、機器についての状態情報に加えて、店舗についての情報を表示することにまで注目する本願請求項1に記載の発明を想致することは、やはり当業者といえども極めて困難である。」と主張する。
しかしながら、本件補正発明が容易想到であることは上記ア-イのとおりであるから、上記主張を採用することはできない。
オ したがって、本件補正発明は、引用発明、引用文献2に記載された技術的事項、周知の事項及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和4年12月27日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和4年6月22日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1-10に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、上記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1-2及びその記載事項は、上記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「詳細情報」についての「当該機器が設置されている店舗についての情報」という限定事項を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、上記第2の[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用発明、引用文献2に記載された技術的事項、周知の事項及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明、引用文献2に記載された技術的事項、周知の事項及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-021242