2022-021166
収穫機
- 審判番号
- 2022-021166
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-242568外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年12月27日
- 審決日
- 2023年12月04日
- 公報発行日
- 2024年02月22日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (A01D)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 14項目
第1 手続の経緯
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本願は、平成30年12月26日の特許出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。
同年 5月19日付け:拒絶理由通知書(最後)
同年 7月28日 :意見書の提出
同年 9月20日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
(同月27日 :原査定の謄本の送達)
第2 本願発明(本願発明の認定)
本願の請求項1~8に係る発明は、令和4年1月21日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~8に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、請求項1の記載は、次のとおりである。
「 【請求項1】機体の前部において、前記機体の左右両端部に亘って設けられ、圃場の作物を収穫する収穫部と、前記機体のうち左右一方側の箇所において、前記収穫部の後方に設けられた運転部と、前記機体のうち左右他方側の箇所において、前記運転部の横隣りに設けられ、収穫された作物を後方に向けて搬送する搬送装置と、続きを表示(全14行)前記搬送装置によって搬送された作物を脱穀処理する脱穀装置と、前記脱穀装置の脱穀処理によって得られた穀粒を貯留する穀粒貯留タンクと、前記穀粒貯留タンク内の穀粒を排出する穀粒排出装置と、が備えられている収穫機であって、前記運転部のうち左右方向で前記搬送装置が位置する側の側部の上方に設けられ、衛星からの位置情報を受信する受信装置と、前記受信装置を支持するフレームと、が備えられ、前記受信装置は、収納された状態の前記穀粒排出装置よりも上側の高さ位置に位置し、前記フレームに支持され、前記受信装置が取り付けられるステーが備えられ、前記ステーは、前記受信装置を使用する使用位置と、前記使用位置よりも下側の高さ位置に位置する収納位置とに位置変更可能に構成され、前記受信装置は、前記ステーが前記使用位置に位置する状態において、収納された状態の前記穀粒排出装置よりも上側の高さ位置に位置し、前記ステーが前記収納位置に位置する状態において、収納された状態の前記穀粒排出装置の上端よりも下側の高さ位置に位置し、前記穀粒排出装置が収納された状態において、前記ステーを前記収納位置に位置変更すると、前記穀粒排出装置の上端が前記機体のうちで最も高い位置に位置することになる収穫機。」
第3 原査定/当審における拒絶の理由
本願発明に対する原査定の拒絶の理由は、次のとおりである。
本願発明は、本願の出願前に発行された下記の引用文献1及び2に記載された発明に基づいて、本願の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
記
第4 引用文献に記載された発明の認定等
1 引用文献1に記載された事項及び引用発明の認定
(1) 引用文献1に記載された事項
本願出願日前の平成30年5月17日に公開された引用文献1には、以下の事項が記載されている。下線は当審合議体が付したものであり、以下同様である。
ア 段落【0018】~【0031】
「【0018】コンバイン1は、走行部2、刈取部3、脱穀部4、選別部5、貯留部6、排藁処理部7、動力部8、及び、操縦部9を備える。コンバイン1は、走行部2によって走行しつつ、刈取部3によって刈り取った穀稈を脱穀部4で脱穀し、選別部5で穀粒を選別して貯留部6に貯える。また、脱穀後の排藁は排藁処理部7によって処理される。動力部8は、これらの走行部2、刈取部3、脱穀部4、選別部5、貯留部6、排藁処理部7に動力を供給する。【0019】走行部2は、機体フレーム20の下方に設けられる左右一対の走行装置(以降「クローラ式走行装置」とする)21と、トランスミッション(不図示)と、を備える。トランスミッションは、動力部8のエンジン81の動力(以降「回転動力」とする)を変速してクローラ式走行装置21へ伝達する。続きを表示(全28行)【0020】刈取部3は、走行部2の前方に設けられている。刈取部3は、デバイダ31と、引起装置32と、切断装置33と、搬送装置34と、を備える。デバイダ31は、圃場の穀稈を引起装置32へ案内する。引起装置32は、デバイダ31によって案内された穀稈を引き起こす。切断装置33は、引起装置32によって引き起こされた穀稈を切断する。搬送装置34は、切断装置33によって切断された穀稈を脱穀部4へ搬送する。【0021】脱穀部4は、刈取部3の後方に設けられている。脱穀部4は、フィードチェーン41と、扱胴42と、を備える。フィードチェーン41は、搬送装置34から穀稈を受け継いで排藁処理部7へ搬送する。扱胴42は、フィードチェーン41によって搬送されている穀稈を脱穀する。【0022】選別部5は、脱穀部4の下方に設けられている。選別部5は、揺動選別装置51と、風選別装置52と、図示せぬ穀粒搬送装置及び藁屑排出装置と、を備える。揺動選別装置51は、脱穀部4から落下した脱穀物を穀粒と藁屑などに選別する。風選別装置52は、揺動選別装置51によって選別された脱穀物を更に穀粒と藁屑などに選別する。穀粒搬送装置は、揺動選別装置51及び風選別装置52によって選別された穀粒を貯留部6へ搬送する。藁屑排出装置は、揺動選別装置51及び風選別装置52によって選別された藁屑などを排出する。【0023】貯留部6は、脱穀部4の右側方に設けられている。貯留部6は、グレンタンク61と、排出オーガ62と、を備える。グレンタンク61は、選別部5から搬送されてきた穀粒を貯留する。排出オーガ62は、グレンタンク61に貯留されている穀粒を任意の場所に排出できる。また、排出オーガ62を収納する際に、その中途部を支持するオーガレスト63が機体に設けられている。【0024】排藁処理部7は、脱穀部4の後方に設けられている。排藁処理部7は、図示せぬ排藁搬送装置及び排藁切断装置を備える。排藁搬送装置は、フィードチェーン41から穀稈を受け継いで排藁切断装置へ搬送する。排藁切断装置は、排藁搬送装置によって搬送された穀稈を切断して排出する。【0025】操縦部9は、機体右側に設けられている。操縦部9は、キャビン91と、運転席92と、ハンドル93等の操作具と、を備える。キャビン91は、運転席92及びハンドル93等の各種操作具を内装している。運転席92は、オペレータが座る座席であり、操縦部9の左右方向中央に配置されている。ハンドル93は、コンバイン1の進行方向を変更する操向ハンドルである。オペレータは、ハンドル93を含む各操作具を適宜操作することによってコンバイン1を稼動させる。このような構成により、オペレータは、運転席92に着座した状態でコンバイン1を操縦できる。【0026】測定ユニット100は、キャビン91のルーフ94の左側方に取り付けられている。上述のように、キャビン91は機体右側に設けられ、その内部には運転席92が備えられている。つまり、測定ユニット100は、運転席92の機体中心側の側方に配置されることとなる。測定ユニット100をルーフ94の左側方に取り付けることで、キャビン91の前面に配置される前照灯や作業灯の配光に影響を及ぼすことがなく、かつ、キャビン91内からの視野に影響を与えることがない。これにより、運転席92に座るオペレータの視認性を確保することができる。【0027】また、キャビン91の左側方には、収納状態の排出オーガ62との間に空間が形成されており、測定ユニット100は、その空間を利用して配置されている。排出オーガ62による排出作業を行う際は、機体右後方を回動支点として収納位置から機体左側方又は上方に回動される。測定ユニット100を上記空間に配置することにより、排出オーガ62との干渉を防止することができる。【0028】そして、測定ユニット100を上記のように配置することで、コンバイン1のトレッド中心上に配置することが可能である。これにより、測定ユニット100の設置条件に起因する位置補正量(測位誤差)を少なくすることができ、測位精度を向上することが可能となる。また、測定ユニット100を上記のように高い位置に配置して、上方を空いたスペースとすることができ、測位誤差を低減することができる。【0029】測定ユニット100は、測位衛星からの電波を受信して、コンバイン1の位置を測定するためのものである。測位ユニット100は、受信装置101と、慣性航法装置102と、無線通信装置103と、これらを一体的に収容するケース104と、を備えている。【0030】受信装置101は、測位衛星からの電波を受信し、受信した電波を信号に変換して慣性航法装置102に送信する。受信装置101としては、GNSS衛星群からの電波を受信するGNSS受信機や、GPS衛星からの電波を受信するGPS受信機等が挙げられる。【0031】慣性航法装置102は、3軸のジャイロと3方向の加速度を測定し、姿勢方位データを算出する。また、慣性航法装置102は、受信装置101から送信される信号に基づいて位置データを算出する。つまり、慣性航法装置102は、受信装置101からの位置情報に基づいて位置データを算出する演算部として機能する。さらに、本実施形態では、慣性航法装置102にGNSS受信機105を搭載することで、慣性航法装置102による姿勢方位データの信頼性を向上している。」
イ 段落【0042】~【0044】
「【0042】以上の実施形態では、キャビン付きのコンバインを例にとって説明したが、図6及び図7に示すようなフロア型のコンバイン110についても同様の思想を持って測位ユニット100を配置することが可能である。【0043】すなわち、運転席111の機体中心側の側方に測位ユニット100を配置する。フロア型のコンバイン110では、運転席111の左側方に測位ユニット100を設置するための支持フレーム112を設けている。支持フレーム112は、運転席111の左側方のサイドコラム上に立設されている。また、支持フレーム112は、コンバイン110のトレッド中心上に設けられており、測位ユニット100もトレッド中心上に配置される。【0044】以上のように、フロア型のコンバイン110においても、キャビン91を備えるコンバイン1と同様に、測位ユニット100を容易に取り付けることができる。つまり、本実施形態の測位ユニット100は、異なる機種に対する高い汎用性を有する。また、収納状態の排出オーガ113と運転席111との間に設けられる空間に測位ユニット100を配置することで、測位ユニット100と排出オーガ113との接触を防止することができる。」
ウ 図2
「[図:0001406452000001.jpg]」
エ 図6
「[図:0001406452000002.jpg]」
オ 図7
「[図:0001406452000003.jpg]」
カ 図面から看取できる事項
前記イ、エ及びオから、図6及び7には、収納状態の排出オーガ113、運転席111を備えたフロア型のコンバイン110が記載されており、フロア型のコンバインの技術常識からみて、前記ア及びウのキャビン91を備えるコンバイン1と同様な配置で、フロア型のコンバイン111は、走行部2、刈取部3、脱穀部4、貯留部6、及び、操縦部9を備え、刈取部3によって刈り取った穀稈を脱穀部4で脱穀し、選別部5で穀粒を選別して貯留部6に貯えるものであり、各部の配置も同様であるといえる。
そうすると、図6及び7から次の事項を看取できる。
<図面看取事項1>
「フロア型コンバイン110は、走行部2、刈取部3、脱穀部4、選別部5、貯留部6、操縦部9を備え、刈取部3によって刈り取った穀稈を脱穀部4で脱穀し、選別部5で穀粒を選別して貯留部6に貯えるものであり、コンバイン110の刈取部3は、走行部2の前方に設けられ、デバイダ31と、引起装置32と、切断装置33と、搬送装置34と、を備え、デバイダ31は、圃場の穀稈を引起装置32へ案内し、引起装置32は、デバイダ31によって案内された穀稈を引き起こし、切断装置33は、引起装置32によって引き起こされた穀稈を切断し、搬送装置34は、切断装置33によって切断された穀稈を脱穀部4へ搬送し、脱穀部4は、刈取部3の後方に設けられ、刈取部3は、機体の左右両端部に亘って設けられ、操縦部9は、運転席111を備え、刈取部のデバイダ31と、引起装置32と、切断装置33の後方であって、機体右側に設けられ、搬送装置34は、収穫部3と脱穀部4の間であって、操縦部9の左側に設けられ、貯留部6は、グレンタンク61と、排出オーガ113と、を備え、グレンタンク61は、選別部5から搬送されてきた穀粒を貯留し、排出オーガ113は、グレンタンク61に貯留されている穀粒を任意の場所に排出できること。」
<図面看取事項2>
「支持フレーム112は、収納状態の排出オーガ113の下端よりも低い位置で測位ユニット100を支持し、収納状態の排出オーガ113の上端が機体のうちで最も高い位置に位置すること。」
(2) 引用発明
前記(1)より、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。
<引用発明>
「走行部2の前方であって、機体の左右両端部に亘って設けられる刈取部3であって、デバイダ31と、引起装置32と、切断装置33と、搬送装置34と、を備え、デバイダ31は、圃場の穀稈を引起装置32へ案内し、引起装置32は、デバイダ31によって案内された穀稈を引き起こし、切断装置33は、引起装置32によって引き起こされた穀稈を切断し、搬送装置34は、切断装置33によって切断された穀稈を脱穀部4へ搬送し、脱穀部4が刈取部3の後方に設けられた刈取部3と、運転席111を備え、刈取部のデバイダ31と、引起装置32と、切断装置33の後方であって、機体右側に設けられた操縦部9と、収穫部3と脱穀部4の間であって、操縦部9の左側に設けられた搬送装置34と、脱穀部4と、グレンタンク61と、排出オーガ113と、を備えた貯留部6であって、グレンタンク61は、選別部5から搬送されてきた穀粒を貯留し、排出オーガ113は、グレンタンク61に貯留されている穀粒を任意の場所に排出できる、貯留部6を備え、刈取部3によって刈り取った穀稈を脱穀部4で脱穀し、選別部5で穀粒を選別して貯留部6に貯えるフロア型のコンバイン110であって、(図面看取事項)測位衛星からの電波を受信して、コンバイン1の位置を測定するための測定ユニット100と、(段落【0029】)運転席111の左側方に測位ユニット100を設置するための支持フレーム112を設け、(段落【0043】)支持フレーム112は、収納状態の排出オーガ113の下端よりも低い位置で測位ユニット100を支持し、収納状態の排出オーガ113の上端が機体のうちで最も高い位置に位置する、(図面看取事項2)フロア型のコンバイン110。」
2 引用文献2に記載された事項及び引用文献2記載技術
(1) 引用文献2に記載された事項
本願出願日前の平成30年8月2日に公開された引用文献2には、以下の事項が記載されている。
ア 段落【0011】
「【0011】本特徴構成によれば、衛星測位アンテナを高位置状態にすることにより、ルーフ部の影響を受けることなく、衛星測位アンテナが衛星からの位置情報を良好に受信することができる。また、衛星測位アンテナを低位置状態にすることにより、コンバインの運搬時や収納時に、衛星測位アンテナが邪魔になり難くなる。」
イ 段落【0039】~【0045】
「【0039】穀粒貯留タンク9内の穀粒を外部に排出する穀粒排出装置12が設けられている。穀粒排出装置12は、金属製の部材によって構成されている。穀粒排出装置12には、穀粒貯留タンク9に接続された縦搬送部13と、縦搬送部13の上端部に上下揺動可能に連結された横搬送部14と、が備えられている。穀粒排出装置12は、上下方向に延びる旋回軸心Z1周りで旋回可能である。横搬送部14は、水平方向に延びる揺動軸心X1周りで上下揺動可能である。脱穀装置10の前部には、穀粒排出装置12が載置される受け台15が設けられている。穀粒排出装置12が受け台15に載置された状態で、穀粒排出装置12が収納状態になる。【0040】運転部7には、運転者が着座する運転座席16が備えられている。キャビン8には、キャビン8を支持するキャビンフレーム17が備えられている。キャビンフレーム17には、キャビン8のルーフ部8Aを支持するルーフフレーム18が備えられている。続きを表示(全16行)【0041】〔衛星測位装置〕図3には、本コンバインにおける衛星測位システムを示している。本コンバインには、GPS(Global Positioning System)用の衛星S1からの位置情報に基づいて、本機の位置情報を出力する衛星測位装置19が備えられている。衛星測位装置19が出力した位置情報を、例えば、圃場を走行経路に沿って自動走行する場合や、穀粒の品質と刈取位置とを関連付けて圃場管理を行う精密農業に利用することができる。【0042】衛星測位装置19には、衛星S1から位置情報を受信するGPSアンテナ20(本発明に係る「衛星測位アンテナ」に相当)と、基地局S2との通信用アンテナ21と、GPSアンテナ20を内装するケース22と、が備えられている。衛星測位装置19は、GPSアンテナ20が受信した衛星S1からの位置情報を、通信用アンテナ21が基地局S2から受信した補正情報によって補正して、本機の位置情報を出力するようになっている。【0043】図1及び図3に示すように、GPSアンテナ20は、ケース22の下端がルーフ部8Aの上端よりも上側に位置する状態で、収納状態における横搬送部14よりも高い位置に設けられている。すなわち、GPSアンテナ20は、キャビンフレーム17うち最も高い位置に位置する部位(ルーフフレーム18)よりも高い位置に設けられている。【0044】図2に示すように、GPSアンテナ20は、機体左右方向において、機体中央部に設けられている。具体的には、GPSアンテナ20は、機体左右方向において、左側のクローラ走行装置2と右側のクローラ走行装置2との間の中央位置Cに設けられている。GPSアンテナ20は、機体前後方向において、左右一対のクローラ走行装置2の前端部と同じ位置に設けられている。具体的には、GPSアンテナ20は、機体前後方向において、左右一対のクローラ走行装置2の前端よりも若干前側の位置に設けられている。【0045】図4に示すように、衛星測位装置19は、ブラケット23を介してルーフフレーム18に支持されている。ルーフフレーム18には、機体左右方向に延びてルーフフレーム18の前縁部を構成する前側フレーム18Aと、機体前後方向に延びてルーフフレーム18のうち機体左右方向で機体内側の縁部(左縁部)を構成する左側フレーム18B(本発明に係る「内側フレーム」に相当)と、が備えられている。ブラケット23には、機体左右方向に延びる横向き部23Aと、上下方向に延びる縦向き部23Bと、が備えられている。横向き部23A及び縦向き部23Bは、例えば、角パイプによって構成されている。横向き部23Aは、左側フレーム18Bから機体左右方向で機体内側(左方)に延び出ている。縦向き部23Bは、横向き部23Aから上方に延び出ている。」
ウ 段落【0056】~【0062】
「【0056】(10)図7から図9に示すように、GPSアンテナ20を、ルーフ部8Aの最上端よりも上側に位置する高位置状態と、高位置状態よりも低い低位置状態とに変更する位置変更機構26が備えられていてもよい。GPSアンテナ20は、キャビン8における機体左右方向の一方側の側部(左側部)に、機体前後方向に延びる軸心Y1周りで上下揺動可能に支持されている。位置変更機構26は、GPSアンテナ20を軸心Y1周りで上下揺動させることにより、高位置状態と低位置状態とに変更するように構成されている。【0057】詳述すると、位置変更機構26には、取り付けブラケット27と、固定ブラケット28と、前後一対の支軸29と、が備えられている。衛星測位装置19は、取り付けブラケット27及び固定ブラケット28(何れも本発明に係る「ブラケット」に相当)を介して、ルーフフレーム18の左縁部(左側フレーム18B)に支持されている。続きを表示(全14行)【0058】取り付けブラケット27には、衛星測位装置19が取り付けられている。取り付けブラケット27は、固定ブラケット28に前後一対の支軸29を介して軸心Y1周りで上下揺動可能に支持されている。取り付けブラケット27には、衛星測位装置19が載置固定される台座30と、台座30の前後両端部の夫々から軸心Y1側に向かって延びるアーム部31と、前側のアーム部31と後側のアーム部31とに亘って延びる固定部32と、が備えられている。【0059】固定ブラケット28は、左側フレーム18Bに固定されている。固定ブラケット28には、底板部33と、底板部33の前後両端部の夫々から立ち上がる支持部34と、底板部33の下面から垂れ下がる下側被固定部35と、前側の支持部34と後側の支持部34とに亘って延びる上側被固定部36と、が備えられている。支持部34には、アーム部31が支軸29を介して軸心Y1周りで上下揺動可能に支持されている。【0060】このような構成によれば、図8に示すように、取り付けブラケット27を軸心Y1周りで上側に揺動させて、GPSアンテナ20を高位置状態にした状態で、アーム部31を支持部34にボルト37によって固定し、かつ、固定部32を上側被固定部36にボルト38によって固定する。その際、固定部32が上側被固定部36に接触することにより、取り付けブラケット27がこれ以上右側に揺動することがない。こうして、GPSアンテナ20を高位置状態に位置固定することができる。【0061】また、図9に示すように、支持部34に対するアーム部31のボルト固定と、上側被固定部36に対する固定部32のボルト固定とを解除した後、取り付けブラケット27を軸心Y1周りで下側に揺動させて、GPSアンテナ20を低位置状態にした状態で、固定部32を下側被固定部35にボルト38によって固定する。その際、固定部32が下側被固定部35に接触することにより、取り付けブラケット27がこれ以上右側に揺動することがない。こうして、GPSアンテナ20を低位置状態に位置固定することができる。【0062】ここで、低位置状態において、GPSアンテナ20は、ルーフ部8Aの最上端よりも下側に位置している。本実施形態では、低位置状態において、GPSアンテナ20は、ルーフ部8Aの最下端よりも下側に位置している。」
エ 図1
「[図:0001406452000004.jpg]」
オ 図2
「[図:0001406452000005.jpg]」
カ 図3
「[図:0001406452000006.jpg]」
キ 図4
「[図:0001406452000007.jpg]」
ク 図7
「[図:0001406452000008.jpg]」
ケ 図8
「[図:0001406452000009.jpg]」
コ 図9
「[図:0001406452000010.jpg]」
(2) 引用文献2記載技術
前記(1)より、引用文献2には、次の技術的事項(以下「引用文献2記載技術」という。)が記載されている。
<引用文献2記載技術>
「衛星測位装置を備えたコンバインにおいて、GPSアンテナ20を、ルーフ部8Aの最上端よりも上側に位置する高位置状態と、高位置状態よりも低い低位置状態とに変更する位置変更機構26が備えられ、位置変更機構26には、取り付けブラケット27と、固定ブラケット28と、前後一対の支軸29と、が備えられ、衛星測位装置19は、取り付けブラケット27及び固定ブラケット28を介して、ルーフフレーム18の左縁部(左側フレーム18B)に支持され、(段落【0056】、【0057】)衛星測位装置19は、衛星S1から位置情報を受信するGPSアンテナ20が備えられ、GPSアンテナ20は、機体左右方向において、機体中央部に設けられ、(段落【0042】、【0044】)取り付けブラケット27には、衛星測位装置19が取り付けられ、取り付けブラケット27は、固定ブラケット28に前後一対の支軸29を介して軸心Y1周りで上下揺動可能に支持され、(段落【0058】)穀粒排出装置12には、穀粒貯留タンク9に接続された縦搬送部13と、縦搬送部13の上端部に上下揺動可能に連結された横搬送部14と、が備えられ、(段落【0039】)低位置状態において、GPSアンテナ20は、ルーフ部8Aの最上端よりも下側に位置し、(段落【0062】)GPSアンテナ20は、ケース22の下端がルーフ部8Aの上端よりも上側に位置する状態で、収納状態における横搬送部14よりも高い位置に設けられ、すなわち、GPSアンテナ20は、キャビンフレーム17のうち最も高い位置に位置する部位(ルーフフレーム18)よりも高い位置に設けられ、(段落【0043】)衛星測位アンテナを高位置状態にすることにより、ルーフ部の影響を受けることなく、衛星測位アンテナが衛星からの位置情報を良好に受信することができ、衛星測位アンテナを低位置状態にすることにより、コンバインの運搬時や収納時に、衛星測位アンテナが邪魔になり難くなること。(段落【0011】)」
第5 対比
1 本願発明と引用発明の対比
本願発明と引用発明を対比する。
(1) 引用発明の「刈取部3」の「デバイダ31と、引起装置32と、切断装置33」からなるものは、「刈取部3」が「走行部2の前方であって、機体の左右両端部に亘って設けられる」ものであり、「デバイダ31は、圃場の穀稈を引起装置32へ案内し、引起装置32は、デバイダ31によって案内された穀稈を引き起こし、切断装置33は、引起装置32によって引き起こされた穀稈を切断」するから、本願発明の「機体の前部において、前記機体の左右両端部に亘って設けられ、圃場の作物を収穫する収穫部」に相当する。
(2) 引用発明の「操縦部9」は、「運転席111を備え、刈取部のデバイダ31と、引起装置32と、切断装置33の後方であって、機体右側に設けられ」るから、本願発明の「前記機体のうち左右一方側の箇所において、前記収穫部の後方に設けられた運転部」に相当する。
(3) 引用発明の「搬送装置34」は、「収穫部3と脱穀部4の間であって、操縦部9の左側に設けられ」、「切断装置33によって切断された穀稈を脱穀部4へ搬送」するから、本願発明の「前記機体のうち左右他方側の箇所において、前記運転部の横隣りに設けられ、収穫された作物を後方に向けて搬送する搬送装置」に相当する。
(4) 引用発明の「脱穀部4」は、「切断装置33によって切断された穀稈」が「搬送装置34」により「搬送」され、「刈取部3によって刈り取った穀稈」を「脱穀」するから、本願発明の「前記搬送装置によって搬送された作物を脱穀処理する脱穀装置」に相当する。
(5) 引用発明の「グレンタンク61」は、「刈取部3によって刈り取った穀稈を脱穀部4で脱穀し、選別部5で穀粒を選別して貯留部6に貯える」から、本願発明の「前記脱穀装置の脱穀処理によって得られた穀粒を貯留する穀粒貯留タンク」に相当する。
(6) 引用発明の「排出オーガ113」は、「グレンタンク61に貯留されている穀粒を任意の場所に排出できる」から、本願発明の「前記穀粒貯留タンク内の穀粒を排出する穀粒排出装置」に相当する。
(7) 引用発明の「フロア型のコンバイン」は、本願発明の「収穫機」に相当する。
(8) 引用発明の「測位ユニット100」は、「測位衛星からの電波を受信して、コンバイン1の位置を測定するための」ものであり、「運転席111の左側方」、すなわち、「搬送装置34」側で「支持フレーム112」に「設置」されるから、本願発明の「前記運転部のうち左右方向で前記搬送装置が位置する側の側部の上方に設けられ、衛星からの位置情報を受信する受信装置」に相当する。
(9) 引用発明の「支持フレーム112」は、「測位ユニット100を設置するための」ものであるから、本願発明の「前記受信装置を支持するフレーム」に相当する。
2 一致点及び相違点
前記1の検討を総合すると、本願発明と引用発明は、次の一致点で一致し、相違点において相違する。
<一致点>
「 機体の前部において、前記機体の左右両端部に亘って設けられ、圃場の作物を収穫する収穫部と、前記機体のうち左右一方側の箇所において、前記収穫部の後方に設けられた運転部と、前記機体のうち左右他方側の箇所において、前記運転部の横隣りに設けられ、収穫された作物を後方に向けて搬送する搬送装置と、前記搬送装置によって搬送された作物を脱穀処理する脱穀装置と、前記脱穀装置の脱穀処理によって得られた穀粒を貯留する穀粒貯留タンクと、前記穀粒貯留タンク内の穀粒を排出する穀粒排出装置と、が備えられている収穫機であって、前記運転部のうち左右方向で前記搬送装置が位置する側の側部の上方に設けられ、衛星からの位置情報を受信する受信装置と、前記受信装置を支持するフレームと、が備えられた収穫機。」
<相違点>
本願発明が「前記受信装置は、収納された状態の前記穀粒排出装置よりも上側の高さ位置に位置し、
前記フレームに支持され、前記受信装置が取り付けられるステーが備えられ、
前記ステーは、前記受信装置を使用する使用位置と、前記使用位置よりも下側の高さ位置に位置する収納位置とに位置変更可能に構成され、
前記受信装置は、前記ステーが前記使用位置に位置する状態において、収納された状態の前記穀粒排出装置よりも上側の高さ位置に位置し、前記ステーが前記収納位置に位置する状態において、収納された状態の前記穀粒排出装置の上端よりも下側の高さ位置に位置し、
前記穀粒排出装置が収納された状態において、前記ステーを前記収納位置に位置変更すると、前記穀粒排出装置の上端が前記機体のうちで最も高い位置に位置することになる」のに対し、引用発明は「支持フレーム112は、収納状態の排出オーガ113の下端よりも低い位置で測位ユニット100を支持し、収納状態の排出オーガ113の上端が機体のうちで最も高い位置に位置する」点。
第6 判断
1 相違点についての判断
(1) 引用文献2記載技術について
本願発明と引用文献2記載技術と対比すると次のとおりである。
ア 引用文献2記載技術の「衛星測位装置19」、「フレーム」のそれぞれは、本願発明の「受信装置」、「フレーム」に相当する。
イ 引用文献2記載技術の「位置変更機構26」は、「取り付けブラケット27と、固定ブラケット28と、前後一対の支軸29と、が備えられ、衛星測位装置19は、取り付けブラケット27及び固定ブラケット28を介して、ルーフフレーム18の左縁部(左側フレーム18B)に支持され」、「取り付けブラケット27は、固定ブラケット28に前後一対の支軸29を介して軸心Y1周りで上下揺動可能に支持され」、「GPSアンテナ20を、ルーフ部8Aの最上端よりも上側に位置する高位置状態と、高位置状態よりも低い低位置状態とに変更する」から、本願発明の「前記フレームに支持され、前記受信装置が取り付けられるステー」であって、「前記ステーは、前記受信装置を使用する使用位置と、前記使用位置よりも下側の高さ位置に位置する収納位置とに位置変更可能に構成され」るものに相当する。
ウ 引用文献2記載技術の「GPSアンテナ20は、ケース22の下端がルーフ部8Aの上端よりも上側に位置する状態で、収納状態における横搬送部14よりも高い位置に設けられ」ることは、本願発明の「前記受信装置は、前記ステーが前記使用位置に位置する状態において、収納された状態の前記穀粒排出装置よりも上側の高さ位置に位置」することに相当する。
(2) 引用文献2記載技術を引用発明に適用することについて
ア 引用発明及び引用文献2記載技術のいずれも衛星からの位置情報を受信する受信装置を備えた収穫機という点で共通する技術分野に属するものである。
イ 引用発明の「測定ユニット100」は、「測位衛星からの電波を受信して、コンバイン1の位置を測定するための」ものであるから、「測位衛星からの電波を受信」するアンテナを備えることは自明のことであり、「測位衛星からの電波」をより確実に受信するためにアンテナを高い位置に配置するように設計することは、アンテナを設計する際の技術常識であり、引用発明の「測定ユニット100」において、同様の設計を行うのに特段の阻害要因があるとはいえず、同様の設計を行う動機を有することは自明である。
ウ また、コンバインを倉庫等に格納する際に、収納しやすい状態に高さや幅を小さくするという技術常識からみて、「収納状態」を有する「排出オーガ113」を備えた引用発明の「フロア型のコンバイン110」であれば、できる限り小さなサイズになるような機構等を適宜備えることについて動機を有するものである。
エ そうすると、引用発明の「収納状態の排出オーガ113の下端よりも低い位置で測位ユニット100を支持し、収納状態の排出オーガの上端が機体のうちで最も高い位置に位置する」「フロア型のコンバイン110」において、「支持フレーム112」に「収納状態の排出オーガ113の下端よりも低い位置で」支持された「測位ユニット100」に対し、「GPSアンテナ20は、キャビンフレーム17のうち最も高い位置に位置する部位よりも高い位置に設けられ」た引用文献2記載技術を適用することにより、高位置状態において、アンテナを含む「測位ユニット100」を「フロア型のコンバイン110」の「機体のうちで最も高い位置に位置する」「収納状態の排出オーガ113」よりも高い位置に位置し、低位置状態において、「収納状態の排出オーガ113」の上端よりも低い位置になるようにし、本願発明の相違点に係る構成とすることは、当業者であれば容易になし得たことである。
2 請求人の主張について
(1) 審判請求書における請求人の主張
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請求人は、令和5年 1月18日に提出した手続補正書により補正された審判請求書の3.の3-1の「(3)本願発明と引用文献に記載された発明との対比」において、概ね次の主張をしている。
(主張)
「(相違点3) 本願発明では、「前記受信装置は、前記ステーが前記使用位置に位置する状態において、収納された状態の前記穀粒排出装置よりも上側の高さ位置に位置し、前記ステーが前記収納位置に位置する状態において、収納された状態の前記穀粒排出装置の上端よりも下側の高さ位置に位置し、前記穀粒排出装置が収納された状態において、前記ステーを前記収納位置に位置変更すると、前記穀粒排出装置の上端が前記機体のうちで最も高い位置に位置することになる」ているのに対して、引用文献1に記載された発明は、このような構成を備えていない点。」として、
「引用文献2には、上記相違点3が開示されていません。」とし、
「審査官は、今回の拒絶査定において、『しかしながら、引用文献1の段落[0027]には「また、キャビン91の左側方には、収納状態の排出オーガ62との間に空間が形成されており、測定ユニット100は、その空間を利用して配置されている。排出オーガ62による排出作業を行う際は、機体右後方を回動支点として収納位置から機体左側方又は上方に回動される。測定ユニット100を上記空間に配置することにより、排出オーガ62との干渉を防止することができる。」との記載があり、「測位ユニット100と排出オーガ113との接触を防止」できるのは、「測位ユニット100を、収納状態の排出オーガ113と運転席111との間に設けられる空間に配置している」ことと「排出オーガ62による排出作業を行う際は、機体右後方を回動支点として収納位置から機体左側方又は上方に回動される」(排出オーガ62による排出作業を行う際は、排出オーガ62は、「収納状態の排出オーガ113と運転席111との間に設けられる空間」の方向には回動されない)ことによるものと解される。そうすると、「測位ユニット100を、収納状態の排出オーガ113よりも上側の高さ位置に位置するように構成」しても、「測位ユニット100と排出オーガ113との接触を防止する」という目的に反することには、ならない。したがって、出願人の上記主張は、採用することは、できない。』と指摘されています。しかしながら、引用文献1の段落[0027]の記載は、排出オーガ62が、機体右後方を回動支点として収納位置から機体右側方(「収納状態の排出オーガ113と運転席111との間に設けられる空間」の方向)に回動されることを妨げるものではありません。そして、引用文献1に記載された発明において、「測位ユニット100を、収納状態の排出オーガ113よりも上側の高さ位置に位置するように構成」すると、排出オーガ62が、機体右後方を回動支点として収納位置から機体右側方(「収納状態の排出オーガ113と運転席111との間に設けられる空間」の方向)に回動された場合、排出オーガ62が測位ユニット100等に接触する虞があります。このように、引用文献1に記載された発明において、上記のような虞がある中で、当業者が、あえて、「測位ユニット100を、収納状態の排出オーガ113よりも上側の高さ位置に位置するように構成」する動機付けを見いだすことはできません。したがって、引用文献1に記載された発明を出発点として本願発明(特に、上記相違点3)に想到することは、当業者が容易に成し得るものではありません。」
(2) 請求人の主張についての当審合議体の見解
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ア 引用文献1の段落【0027】の「キャビン91の左側方には、収納状態の排出オーガ62との間に空間が形成されており、測定ユニット100は、その空間を利用して配置されている。排出オーガ62による排出作業を行う際は、機体右後方を回動支点として収納位置から機体左側方又は上方に回動される。測定ユニット100を上記空間に配置することにより、排出オーガ62との干渉を防止することができる。」との記載は、「測定ユニット100」の配置として、「キャビン91の左側方」の「収納状態の排出オーガ62との間」の「空間」とすることについて記載したものであり、「排出オーガ」が機体右後方を回動支点として収納位置から、操縦部側にあたる機体右側方に回動することを容認することを読み取ることはできず、引用発明に引用文献2記載技術を適用することを阻害するとはいえない。
イ また、引用文献1に記載されたようなコンバインにおいて、「排出オーガ」は操縦部側とは逆の方向に回転、すなわち、段落【0027】に記載されたように「機体右後方を回動支点として収納位置から機体左側方又は上方に回動される」ようにすることが技術常識といえることからみても、前記アに示したとおりである。
ウ 仮に、操縦部側に回転できるように設計しようとしたとしても、回転する際に干渉するものを低く設計するというようなことが技術常識とはいえず、操縦部側の構造物に干渉しないように「排出オーガ」を操作して回避するようにするか、操縦部側の構造物が移動できるようなものは移動して干渉するのを回避するようなことを行うことが考えられる以上、「測定ユニット110」の高さを高い位置にするように設計することを阻害するものとまではいえない。
エ よって、請求人が主張する引用文献1の記載によって、引用発明に引用文献2記載技術を適用することを阻害するものでなく、引用発明に引用文献2記載技術を適用する動機については、前記1(2)に示したとおりである。
したがって、請求人の主張は、前記1に示した判断を左右するものでなく採用できない。
また、本願発明によって奏される効果は、引用発明及び引用文献2記載技術から当業者が予測し得る程度のものにすぎない。
3 小括
したがって、本願発明は、引用発明、引用文献2記載技術に基づいて当業者が容易に想到し得たものである。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び引用文献2記載技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について審理するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-021166