2022-020230
生成装置、生成方法、及び生成プログラム
- 審判番号
- 2022-020230
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-078668外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年12月13日
- 審決日
- 2023年07月21日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ヤフー株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人酒井国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-WY (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 20項目
第1 手続の経緯
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本願は、平成29年8月15日に出願した特願2017-156774号の一部を令和3年5月6日に新たな特許出願としたものであって 、その手続の経緯は以下のとおりである。
第2 原査定の概要
原査定(令和4年9月13日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1、2、11、12に係る発明は、以下の引用文献1-3に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。また、本願請求項3に係る発明は、以下の引用文献1-4に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。さらに、本願請求項4-10に係る発明は、以下の引用文献1-5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
1.特開2013-105232号公報
2.米国特許出願公開第2016/0306844号明細書
3.特開2012-94056号公報
4.特開2017-58876号公報
5.特開2004-287667号公報
第3 本願発明
本願請求項1-12に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明12」という。)は、令和4年12月13日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1-12に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。
「【請求項1】複数のサービスのうち少なくとも1つを利用したユーザである第1ユーザの行動情報と、前記第1ユーザ以外のユーザであっても回答を行うことが可能なアンケートに対する回答を行ったユーザである第2ユーザのアンケートに関するアンケート情報に基づく前記第2ユーザの感情に関する感情情報とを取得する取得部と、前記取得部により取得された前記第1ユーザの行動情報と、前記第2ユーザの感情情報とに基づいて、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザを含むユーザ群のうち、前記アンケートに対する回答を行ったユーザであっても前記複数のサービスのうち所定のサービスを所定の期間内において利用していないユーザを不適合ユーザとし、前記不適合ユーザ以外のユーザであって、前記所定のサービスを所定の期間内において利用しているユーザであり、かつ前記アンケートに対する回答を行ったユーザである適合ユーザの行動情報と当該適合ユーザの感情情報とに基づいて、行動情報が入力される入力ユーザの感情を推定するモデルを生成する生成部と、を備えることを特徴とする生成装置。」
また、本願発明2-10は、本願発明1を減縮した発明である。
さらに、本願発明11、12は、本願発明1に対応する「方法」、「プログラム」の発明であり、本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。
第4 引用文献、引用発明
1 引用文献1、引用発明
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審で付した。以下同様。)。
「【0013】感情推定装置100は、ユーザ側装置10から取得したGPS情報やスケジュール情報を用いて、各ユーザの行動特性を示す行動情報を生成する。この行動情報は、ユーザの行動毎に、かかる行動を特定するための行動要素として、行動の名称(後述する「イベント名称」に対応)や、行動場所(後述する「ランドマーク名称」に対応)や、行動を共にした他のユーザである同行者に関する各種情報を含む。また、感情推定装置100は、このような行動情報と、ユーザによって入力された各行動に対する感情表現を示す感情情報とに基づいて、感情表現毎に各行動要素の発生頻度(後述する「出現確率」に対応)を算出することで感情モデルを生成する。そして、感情推定装置100は、所定の行動情報に対するユーザの感情を推定する際に、感情モデルを参照して、かかる行動情報に含まれる行動要素の発生頻度が高い感情表現をユーザの感情として推定する。」
「【図2】[図:0001400352000001.jpg]」
「【0015】[感情推定装置の構成]図2を用いて、実施例1に係る感情推定装置100の構成について説明する。図2は、実施例1に係る感情推定装置100の構成例を示す図である。図2に例示するように、実施例1に係る感情推定装置100は、記憶部として、ユーザ情報DB(Data Base)110と、ライフログDB120と、モデルDB130とを有する。【0016】ユーザ情報DB110、ライフログDB120及びモデルDB130は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置である。ユーザ情報DB110、ライフログDB120及びモデルDB130に記憶される情報については、以下に説明する各処理部による処理とともに説明する。なお、ユーザ情報DB110、ライフログDB120、モデルDB130のぞれぞれは、ユーザ毎に生成され得るが、以下では、所定の1人のユーザUに関する各種情報を記憶するユーザ情報DB110、ライフログDB120及びモデルDB130を例示し、各処理部がユーザUの感情を推定する処理を行う場合を例に挙げて説明する。また、以下では、各処理部による処理について、「ユーザ情報格納処理」と「ライフログDB作成処理」と「感情モデル化処理」と「感情推定処理」とに分けて説明する。【0017】(ユーザ情報格納処理)まず、感情推定装置100によるユーザ情報格納処理について説明する。図2に例示するように、感情推定装置100は、ユーザ情報格納部141と、滞留地情報格納部142とを有する。かかるユーザ情報格納部141及び滞留地情報格納部142は、スケジュール情報やGPS情報等のユーザ情報をユーザ情報DB110に格納するユーザ情報格納処理を行う。」
「【0032】(ライフログDB作成処理)次に、感情推定装置100によるライフログDB作成処理について説明する。図2に例示するように、感情推定装置100は、行動情報生成部151と、同行者情報生成部152とを有する。かかる行動情報生成部151及び同行者情報生成部152は、ユーザ情報DB110に記憶されている各種情報を用いて、ユーザUの各行動を特定するための行動要素を含む行動情報を生成し、生成した行動情報をライフログDB120に格納するライフログDB作成処理を行う。」
「【0074】(感情モデル化処理)次に、感情推定装置100による感情モデル化処理について説明する。図2に例示するように、感情推定装置100は、感情情報入力部161と、感情モデル化部162と、同行者モデル化部163とを有する。かかる感情情報入力部161、感情モデル化部162及び同行者モデル化部163は、ライフログDB120に記憶されている各種情報を用いて、ユーザの行動特性とユーザの感情表現との対応を示す感情モデルを生成し、生成した感情モデルをモデルDB130に格納する感情モデル化処理を行う。【0075】続きを表示(全11行)具体的には、感情情報入力部161は、ユーザによって入力された各行動情報と、ユーザによって入力された各行動に対する感情表現との組合せである感情情報を取得し、取得した感情情報を感情モデル化部162及び同行者モデル化部163に入力する。【0076】例えば、感情情報入力部161は、ユーザによって記載された電子メールやブログ等のユーザコンテンツを取得する。そして、感情情報入力部161は、構文解析等の手法により、ユーザコンテンツに記載されている文章から、「感情表現」と、「日時及びランドマーク名称」又は「日時及びイベント名称」とを抽出する。ここでいう「感情表現」とは、例えば、「緊張した」や「楽しかった」等の文字列に該当する。【0077】また、例えば、感情情報入力部161は、行動特性DB122に記憶されている「日付」及び「イベント名称」の一覧や、行動特性DB122に記憶されている「日付」及び滞留地DB113に記憶されている滞留地(ランドマーク名称)の一覧をユーザ側装置10に送信することで、各イベントに対する感情表現をユーザに入力させ、ユーザ側装置10から各イベントに対する感情表現を取得する。このとき、感情情報入力部161は、地図とともに滞留地の一覧をユーザ側装置10に送信してもよい。また、例えば、感情情報入力部161は、スケジューラ等の可視化ツールによって、各イベントに対する感情表現をユーザに入力させてもよい。【0078】感情モデル化部162は、ユーザの行動を特定するための行動要素を含む行動情報と、かかる行動情報に対応するユーザの感情表現を示す感情情報とに基づいて、かかる感情表現に対応する行動情報に含まれる全ての行動要素の中に各行動要素が含まれる割合である出現確率を感情表現毎に算出する。実施例1における感情モデル化部162は、感情情報入力部161によって入力された感情情報を用いて、行動特性DB122に記憶されている各行動情報を感情表現毎に分類する。」
【0079】
図12を用いて、かかる感情モデル化部162による処理について説明する。感情モデル化部162は、感情情報入力部161によって入力された感情情報に含まれる「日時及びランドマーク名称」と一致する行動特性DB122内の行動情報や、「日時及びイベント名称」と一致する行動特性DB122内の行動情報を、かかる感情情報に含まれる感情表現に分類する。または、感情モデル化部162は、ユーザUに各イベントに対する感情表現を入力させた場合には、かかる入力情報に従って行動特性DB122内の各行動情報を所定の感情表現に分類する。図12に示した例では、感情モデル化部162は、行動特性DB122に記憶されている各行動情報を感情表現「緊張した」や「楽しかった」等に分類する。
【0080】
そして、感情モデル化部162は、図12に例示した感情表現毎の行動情報を用いて、図6に例示したイベントID付与DB121aに記憶されている全てのカテゴリ及びイベント名称について、感情表現毎の出現確率を算出する。同様に、感情モデル化部162は、図7に例示したランドマークID付与DB121bに記憶されている全てのカテゴリ及びランドマーク名称について感情表現毎の出現確率を算出し、図8に例示した同行者ID付与DB121cに記憶されている全ての同行者名称について感情表現毎の出現確率を算出する。そして、感情モデル化部162は、このようにして算出した出現確率をモデルDB130の感情モデル化DB131に格納する。」
「【0102】(感情推定処理)次に、感情推定装置100による感情推定処理について説明する。図2に例示するように、感情推定装置100は、推定部171と、出力部172とを有する。かかる推定部171は、ユーザUの推定対象の行動情報を取得した場合に、モデルDB130に記憶されている各種情報を用いて、かかる推定対象の行動情報に対応する感情表現を推定する。また、出力部172は、推定部171によって推定されたユーザの感情表現を出力する。」
したがって、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「感情推定装置100は、ユーザの行動特性を示す行動情報を生成し、行動情報と、ユーザによって入力された各行動に対する感情表現を示す感情情報とに基づいて、感情表現毎に各行動要素の発生頻度(出現確率)を算出することで感情モデルを生成し、所定の行動情報に対するユーザの感情を推定する際に、感情モデルを参照して、かかる行動情報に含まれる行動要素の発生頻度が高い感情表現をユーザの感情として推定するものであり、感情推定装置100は、ユーザ情報DB(Data Base)110と、ライフログDB120と、モデルDB130とを有し、ユーザの感情を推定する処理を行う場合、処理について、「ユーザ情報格納処理」と「ライフログDB作成処理」と「感情モデル化処理」と「感情推定処理」とが存在し、ユーザ情報格納処理について、ユーザ情報をユーザ情報DB110に格納するユーザ情報格納処理を行い、続きを表示(全11行)ライフログDB作成処理について、ユーザ情報DB110に記憶されている各種情報を用いて、ユーザの行動情報を生成し、生成した行動情報をライフログDB120に格納するライフログDB作成処理を行い、感情モデル化処理について、感情推定装置100は、感情情報入力部161と、感情モデル化部162を有し、感情情報入力部161、感情モデル化部162は、ライフログDB120に記憶されている各種情報を用いて、ユーザの行動特性とユーザの感情表現との対応を示す感情モデルを生成し、生成した感情モデルをモデルDB130に格納する感情モデル化処理を行い、感情情報入力部161は、ユーザによって入力された各行動情報と、ユーザによって入力された各行動に対する感情表現との組合せである感情情報を取得し、取得した感情情報を感情モデル化部162に入力し、感情モデル化部162は、ユーザの行動を特定するための行動要素を含む行動情報と、かかる行動情報に対応するユーザの感情表現を示す感情情報とに基づいて、かかる感情表現に対応する行動情報に含まれる全ての行動要素の中に各行動要素が含まれる割合である出現確率を感情表現毎に算出し、感情モデル化部162は、算出した出現確率をモデルDB130の感情モデル化DB131に格納し、感情推定処理について、ユーザの推定対象の行動情報を取得した場合に、モデルDB130に記憶されている各種情報を用いて、かかる推定対象の行動情報に対応する感情表現を推定する、感情推定装置100。」
2 引用文献2
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている(訳は当審訳。)。
「【図1】[図:0001400352000002.jpg]」
「[0034] FIG. 1 illustrates one embodiment of a system configured to determine a cause of an inaccuracy in predicted affective response. The illustrated system includes at least the following computer-executable modules: feature generator 706, the Emotional Response Predictor (ERP) 731, discrepancy detector module 930, and investigation module 932. The system may optionally include additional modules such as event annotator 701. In some embodiments, at least some of these modules may be part of, and/or utilize by, a software agent operating on behalf of the user.」
[当審訳]
「[0034] 図1は、予測感情応答の不正確さの原因を決定するように構成されたシステムの一実施形態を示す図である。図示されたシステムは、少なくとも以下のコンピュータ実行可能モジュール:特徴量生成部706、感情応答プレディクタ(ERP)731、相違検出モジュール930、および検査モジュール932とを含む。システムは、任意にイベント注釈付与機701のような追加のモジュールを含むことができる。いくつかの実施形態では、これらのモジュールのうちの少なくともいくつかは、及び/又はを利用し、ユーザに代わって動作するソフトウェアエージェントの一部であってもよい。」
「[0039] The ERP 731 is configured, in one embodiment, to utilize model 912 of the user 101 to predict, based on the feature values generated by the feature generator 706 from the description of the event, a predicted affective response corresponding to the event. The predicted affective response is indicative of the affective response of the user 101 due to the event. Optionally, the predicted affective response may be expressed in the same terms as a measurement of affective respond of the user (e.g., a measurement taken with sensor 102). Optionally, the predicted affective response is represented by a type of an affective value described in this disclosure.[0040] The model 912 is trained based on data comprising: measurements of affective response of the user 101, corresponding to events involving the user 101 having various experiences, and descriptions of the events. Thus, for example, the data includes at least a first measurement of the user 101 corresponding to a first event in which the user 101 had a first experience (e.g., the user 101 played a computer game) and a second measurement of the user 101 corresponding to a second event in which the user 101 had a second experience (e.g., the user 101 ate at a certain restaurant). In some embodiments, the data is collected over an extensive period of time (e.g., at least a certain number of days, if not weeks or months and even years). In some embodiments, collecting a large amount of data may enable training a model that can accurately reflect the user's biases towards many factors.[0041] In one embodiment, the model 912 includes bias values of the user 101 corresponding to at least some of the factors characterizing the event. In this embodiment, for each factor from among the at least some of the factors, the model 912 includes a value describing an effect the factor has on the user 101 in terms of how it influences the affective response of the user 101. For example, the effect may be to increase the extent the user feels a certain emotion such as s happiness, surprise, anger, fear, disgust, or sadness. Optionally, the effect of the factor is represented an affective value, as described elsewhere in this disclosure.(当審註:「such as s happiness」は「such as happiness」の誤記と認められる。)[0042] In another embodiment, the model 912 includes parameters utilized by an Emotional Response Predictor (ERP). Optionally, analysis of the model 912 may reveal the effect of at least some of the factors characterizing the event on the user 101. For example, the model 912 may include a regression parameter corresponding to each of the at least some of the factors. Optionally, a bias value of a factor from among the factors that characterize the event may be determined by comparing the difference in the value of predicted affective response when the weight of the factor is changed, as discussed in more detail in the patent application in the patent application U.S. Ser. No. 15/184,401.」
[当審訳]
「[0039] ERP731は、一実施形態では、ユーザ101のモデル912を利用して、イベントの記述から特徴量生成部706により生成された特徴値に基づいて、イベントに対応する予測感情応答を予測するように構成されている。予測感情応答はユーザ101のイベントによる感情応答を示す。必要に応じて、予測感情応答は、ユーザの感情応答の測定と同じ用語で表現されてもよい(例えば、センサ102で取得された測定値)。必要に応じて、予測感情応答は、本明細書で説明する感情値の形式で表現される。[0040] モデル912は、様々な経験を有するユーザ101を含むイベントに対応した、ユーザ101の感情応答の測定値やイベントの記述を含むデータに基づいてトレーニングされる。従って、例えば、データは、少なくとも、ユーザ101が第1の経験(例えば、ユーザ101がコンピュータゲームをプレイした)を有した第1のイベントに対応するユーザ101の第1の測定値と、ユーザ101は、第2の経験(例えば、ユーザ101があるレストランで食事した)を有した第2イベントに対応するユーザ101の第2の測定値を含む。いくつかの実施形態では、データは、長期間にわたり収集される(例えば、少なくとも数日、もし、数週間、数ヶ月、数年でないにしても)。いくつかの実施形態では、大量のデータを収集することによりモデルをトレーニングして多くの要素に対するユーザのバイアスを正確に反映することができる。[0041] 一実施形態では、モデル912は、少なくともイベントを特徴付ける要素のいくつかに対応するユーザ101のバイアス値を含む。この実施形態では、少なくともいくつかの要素のうちの各要素について、モデル912は、ユーザ101の感情応答にどのように影響するかの点で、その要素がユーザ101において有する効果を記述する値を含む。例えば、その効果は、喜び、驚き、怒り、恐怖、嫌悪、悲しみなどのユーザが感じる感情の程度を増大することができる。必要に応じて、この要素の効果は、本明細書の他の箇所に記載されているように、感情値を表している。[0042] 別の実施形態では、モデル912は、感情的応答プレディクタ(ERP)によって利用されるパラメータを含んでいる。必要に応じて、モデル912の解析は、ユーザ101上のイベントを特徴付ける要素の少なくともいくつかの効果を明らかにすることができる。例えば、モデル912は、係数の少なくとも一部のそれぞれに対応する回帰パラメータを含むことができる。必要に応じて、イベントを特徴付ける要素のうちの一要素のバイアス値は、要素の重みが変化するときの予測感情応答の値の差を比較することにより決定されてもよく、米国特許出願第15/184401号の特許出願において、より詳細に説明される。」
「[0226] In some embodiments, the set V of events, from which the samples used to train an ERP are derived, includes events corresponding to multiple users, and at least some of the samples include feature values that are based on one or more scores. For example, each sample, from among the at least some of the samples, may include a feature value that corresponds to the quality of an experience corresponding to the event the sample represents, which is determined from a score for the experience corresponding to the event. Optionally, the score is computed based on measurements of affective response of multiple users, where depending on the embodiment, the multiple users include at least 2, 3, 5, 10, 100, 1000, 10000, or at least 100000 different users. Optionally, at least some of the multiple users are corresponding users for events in V. Alternatively, not one of the multiple users is the corresponding user of an event in V. Additionally, in some embodiments, the measurements of affective response of the multiple users may all be taken within a certain window of time. For example, the window of time may span a second, thirty seconds, a minute, fifteen minutes, an hour, a day, a week, a month, a year, more than a year, or some other time frame between one second and one year.」
[当審訳]
「[0226] いくつかの実施形態では、ERPをトレーニングするために使用されるサンプルが導出される、イベントの集合Vは、複数のユーザに対応するイベントを含み、サンプルのうちの少なくともいくつかは、1つまたは複数のスコアに基づいた特徴値を含む。例えば、少なくともいくつかのサンプルの中からの、各サンプルは、そのサンプルが表すイベントに対応する経験の品質に対応する特徴値を含むことができ、それはイベントに対応する経験のスコアから決定される。任意選択的に、スコアは、複数のユーザの感情応答の測定値に基づいて計算され、実施形態に応じて、複数のユーザは、少なくとも2、3、5、10、100、1000、10000、または少なくとも100000の異なるユーザを含んでいる。任意選択的に、少なくとも複数のユーザのいくつかはVにおけるイベントのユーザに対応する。あるいは、複数のユーザのうちの1つがVにおけるイベントのユーザに対応していない。さらに、いくつかの実施形態では、複数のユーザの感情応答の測定値は全て一定の時間ウィンドウ内で取得されることができる。例えば、時間ウィンドウは、1秒、30秒、1分、15分、1時間、1日、1週間、1ヶ月、1年、1年以上、または1秒から1年の間の他の時間フレームにまたがることができる。」
3 引用文献3
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【図2】[図:0001400352000003.jpg]」
「【0024】符号12は、心理状態推定結果を学習する際の教師信号として利用するために、ユーザのある時点の心理状態を入力する実測値入力部である。実測値入力部12は、心理状態推定結果の学習を行う際の教師信号として利用するために、ユーザの現時点(入力する時点)の心理状態を入力するように促す画面を表示し、この画面に対して入力した値を実測値とする。図2にパソコンに表示される実測値入力画面例を示す。入力画面は予め設定された契機(何らかのイベントを契機にしてもよいし、一定間隔ごとでもよい)で表示される。その際、ユーザは実測値を入力するが、必ずしも毎回入力する必要はない。」
4 引用文献4
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0012】クライアント装置10a~10cは、会議タイトル、会議日付、会議開催場所、会議参加者、会議アジェンダ、会議の音声データ、および議事録等の会議情報(入力情報)を推薦サーバ20に送信し、会議情報の内容に応じた収集方法の情報を受信する装置である。会議情報は、後述する判定部203により単語のTFIDF(Term Frequency Inverse Document Frequency)値が算出される対象となる文書の情報である。ここで、収集方法とは、推薦サーバ20からクラウドソーシングシステム30に対して送信された問題に対して、回答者が回答し、その回答を収集するための方法を示し、具体的には、後述するクライアント装置10a~10cのディスプレイ409に表示される回答を収集するためのGUI(Graphica User Interface)を示す。また、収集方法がGUIであるものとして「インターフェース」と称する場合がある。」
5 引用文献5
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献5には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0022】アンケート実施者5は、コンピュータ13を有し、アンケート作成事業者7のアンケート作成サーバコンピュータ23に接続して、モニタ11に対するアンケートを作成する。尚、ここではアンケート実施者5とWebサーバ管理事業者3とが別であるとしたが、同一事業者であってもよい。アンケート実施者5は、アンケートのシナリオ・ルール設定37をアンケート作成事業者7に通知し、アンケート作成事業者7からはシナリオやルールについての判定通知39を受ける。判定通知39とは、例えばアンケートのシナリオや、適応するルールが適当かどうかについての判定であり、詳細については後述する。」
「【0028】例えばアンケートを実施する際、アンケートフォームを配信するモニタ11を、このモニタ属性データ19やアクセスログデータ21を利用して、条件を絞って抽出する。例えば、「女性のみ」、「年齢30才以上」、「アクセス回数67が10回以上」等のように、事前にアンケート対象モニタ11を抽出することで、アンケートの有効回答率を向上させることができる。」
第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明は、「ユーザの行動特性を示す行動情報」と、「ユーザによって入力された各行動に対する感情表現を示す感情情報とに基づいて」、「感情モデルを生成」するものであるから、引用発明が「感情モデルを生成」するために、「ユーザの行動特性を示す行動情報」と、「ユーザによって入力された各行動に対する感情表現を示す感情情報」を取得する手段を備えていることは明らかである。
したがって、引用発明の「ユーザの行動特性を示す行動情報を生成し、行動情報と、ユーザによって入力された各行動に対する感情表現を示す感情情報とに基づいて、感情表現毎に各行動要素の発生頻度(出現確率)を算出することで感情モデルを生成」する構成は、本願発明1の「複数のサービスのうち少なくとも1つを利用したユーザである第1ユーザの行動情報と、前記第1ユーザ以外のユーザであっても回答を行うことが可能なアンケートに対する回答を行ったユーザである第2ユーザのアンケートに関するアンケート情報に基づく前記第2ユーザの感情に関する感情情報とを取得する取得部」と、「ユーザの行動情報と、ユーザの入力に基づくユーザの感情に関する感情情報とを取得する取得部」である点で共通する。
イ 引用発明における「感情モデル」は、「ユーザの行動特性を示す行動情報」と、「ユーザによって入力された各行動に対する感情表現を示す感情情報」とに基づいて生成されるものであって、「所定の行動情報に対するユーザの感情を推定する際に」「参照」するものである。
また、引用発明の「ユーザの感情を推定する処理を行う場合」の「感情推定処理」において、「ユーザの推定対象の行動情報を取得した場合に」、「かかる推定対象の行動情報に対応する感情表現を推定する」から、「行動情報を取得した」「ユーザ」、すなわち「行動情報」が入力される「ユーザ」の「感情表現を推定する」処理を行っていると把握できる。
したがって、上記アを踏まえると、引用発明の「行動情報と、ユーザによって入力された各行動に対する感情表現を示す感情情報とに基づいて、感情表現毎に各行動要素の発生頻度(出現確率)を算出することで感情モデルを生成し、所定の行動情報に対するユーザの感情を推定する際に、感情モデルを参照して、かかる行動情報に含まれる行動要素の発生頻度が高い感情表現をユーザの感情として推定」し、「ユーザの感情を推定する処理を行う場合」の「感情推定処理について、ユーザの推定対象の行動情報を取得した場合に」、「かかる推定対象の行動情報に対応する感情表現を推定する」構成は、本願発明1の「前記取得部により取得された前記第1ユーザの行動情報と、前記第2ユーザの感情情報とに基づいて、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザを含むユーザ群のうち、前記アンケートに対する回答を行ったユーザであっても前記複数のサービスのうち所定のサービスを所定の期間内において利用していないユーザを不適合ユーザとし、前記不適合ユーザ以外のユーザであって、前記所定のサービスを所定の期間内において利用しているユーザであり、かつ前記アンケートに対する回答を行ったユーザである適合ユーザの行動情報と当該適合ユーザの感情情報とに基づいて、行動情報が入力される入力ユーザの感情を推定するモデルを生成する生成部」と、「前記取得部により取得された前記ユーザの行動情報と、前記ユーザの感情情報とに基づいて、行動情報が入力される入力ユーザの感情を推定するモデルを生成する生成部」である点で共通する。
ウ 引用発明の「感情推定装置100」は、感情モデルを「生成」する「装置」である。
したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「ユーザの行動情報と、ユーザの入力に基づくユーザの感情に関する感情情報とを取得する取得部と、前記取得部により取得された前記ユーザの行動情報と、前記ユーザの感情情報とに基づいて、行動情報が入力される入力ユーザの感情を推定するモデルを生成する生成部と、を備えることを特徴とする生成装置。」
(相違点1)
本願発明1では、「取得部」が、「複数のサービスのうち少なくとも1つを利用したユーザである第1ユーザの行動情報と、前記第1ユーザ以外のユーザであっても回答を行うことが可能なアンケートに対する回答を行ったユーザである第2ユーザのアンケートに関するアンケート情報に基づく前記第2ユーザの感情に関する感情情報とを取得する」のに対し、引用発明では「ユーザの行動情報と、ユーザの入力に基づくユーザの感情に関する感情情報とを取得する」ものの、ユーザの行動情報が、「複数のサービスのうち少なくとも1つを利用したユーザである第1ユーザ」についてのものではなく、また、ユーザの入力に基づくユーザの感情に関する感情情報が、「複数のサービスのうち少なくとも1つを利用したユーザである」「第1ユーザ以外のユーザであっても回答を行うことが可能なアンケートに対する回答を行ったユーザである第2ユーザのアンケートに関するアンケート情報に基づく前記第2ユーザ」についてのものではない点。
(相違点2)
本願発明1では、「生成部」が、「前記取得部により取得された前記第1ユーザの行動情報と、前記第2ユーザの感情情報とに基づいて、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザを含むユーザ群のうち、前記アンケートに対する回答を行ったユーザであっても前記複数のサービスのうち所定のサービスを所定の期間内において利用していないユーザを不適合ユーザとし、前記不適合ユーザ以外のユーザであって、前記所定のサービスを所定の期間内において利用しているユーザであり、かつ前記アンケートに対する回答を行ったユーザである適合ユーザの行動情報と当該適合ユーザの感情情報とに基づいて、行動情報が入力される入力ユーザの感情を推定するモデルを生成する」のに対し、引用発明では、「前記取得部により取得された前記第1ユーザの行動情報と、前記第2ユーザの感情情報とに基づいて、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザを含むユーザ群のうち、前記アンケートに対する回答を行ったユーザであっても前記複数のサービスのうち所定のサービスを所定の期間内において利用していないユーザを不適合ユーザと」するものではなく、また、「前記取得部により取得された前記ユーザの行動情報と、前記ユーザの感情情報とに基づいて、行動情報が入力される入力ユーザの感情を推定するモデルを生成する」ものの、行動情報が入力される入力ユーザの感情を推定するモデルを生成するために用いられるユーザの行動情報及びユーザの感情情報が、「前記不適合ユーザ以外のユーザであって、前記所定のサービスを所定の期間内において利用しているユーザであり、かつ前記アンケートに対する回答を行ったユーザである適合ユーザ」についてのものではない点。
(2)相違点についての判断
事案に鑑みて、上記相違点2について先に検討する。
引用文献2-5には、上記相違点2に係る本願発明1の構成である「前記取得部により取得された前記第1ユーザの行動情報と、前記第2ユーザの感情情報とに基づいて、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザを含むユーザ群のうち、前記アンケートに対する回答を行ったユーザであっても前記複数のサービスのうち所定のサービスを所定の期間内において利用していないユーザを不適合ユーザとし、前記不適合ユーザ以外のユーザであって、前記所定のサービスを所定の期間内において利用しているユーザであり、かつ前記アンケートに対する回答を行ったユーザである適合ユーザの行動情報と当該適合ユーザの感情情報とに基づいて、行動情報が入力される入力ユーザの感情を推定するモデルを生成する」構成について記載も示唆もなく、また、このような構成が本願の原出願日前において周知技術であるともいえないので、当業者といえども、引用発明及び引用文献2-5に記載された技術的事項から、上記相違点2に係る本願発明1の構成を容易に想到することはできない。
よって、上記相違点1について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-5に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
2 本願発明2-10について
本願発明2-10は、本願発明1と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-5に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
3 本願発明11、12について
本願発明11、12は、本願発明1の構成に対応する構成を実質的に備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-5に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
第6 原査定について
審判請求時の補正により、本願発明1-12は「前記取得部により取得された前記第1ユーザの行動情報と、前記第2ユーザの感情情報とに基づいて、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザを含むユーザ群のうち、前記アンケートに対する回答を行ったユーザであっても前記複数のサービスのうち所定のサービスを所定の期間内において利用していないユーザを不適合ユーザとし、前記不適合ユーザ以外のユーザであって、前記所定のサービスを所定の期間内において利用しているユーザであり、かつ前記アンケートに対する回答を行ったユーザである適合ユーザの行動情報と当該適合ユーザの感情情報とに基づいて、行動情報が入力される入力ユーザの感情を推定するモデルを生成する」という事項を有するものとなっており、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1-5に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。したがって、原査定を維持することはできない。
第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-020230