特許拒絶査定不服審判
2022-019621
回転電機
- 審判番号
- 2022-019621
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-091824
- 請求日
- 2022年12月05日
- 審決日
- 2024年05月13日
- 公報発行日
- 2024年08月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社日立インダストリアルプロダクツ
- 【請求人代理人】ポレール弁理士法人
- 審判長/審判官
- 審判長 北村 英隆
- 審判官 柿崎 拓
- 審判官 伊藤 秀行
- 分類
- P18 .121-WZ (H02K)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2018- 91824「回転電機」拒絶査定不服審判事件〔令和 元年11月14日出願公開、特開2019-198192〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
この出願は、平成30年5月11日の出願であって、令和4年3月3日付けの拒絶理由の通知に対し、令和4年4月26日に意見書が提出されるとともに手続補正がされたが、令和4年8月26日付けで拒絶査定がされ、これに対して令和4年12月5日に拒絶査定不服審判の請求がされたものであり、その後、当審において、令和5年10月30日付けで拒絶理由が通知され、令和5年12月25日に意見書が提出されるとともに手続補正がされたものである。
第2 本願発明
この出願の請求項に係る発明は、令和5年12月25日に手続補正がされた特許請求の範囲の請求項1~6に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。
「固定子と、
固定子鉄心の内周側に配置される回転子鉄心と、
前記回転子鉄心を回転する回転軸と、
前記回転軸を回転自在に支承する軸受と、
前記回転軸に設けられた冷却ファンと、
前記固定子鉄心と前記回転子鉄心とを内包するハウジングと、を有し、
前記冷却ファンは、主板と、前記主板のうち前記ハウジングと対向する面に前記回転子鉄心の径方向に延伸するように設けられたベーンと、前記ベーンに接続され前記主板に沿うように設けられた側板とから構成され、
前記ハウジングには、前記側板を前記ハウジングに向かって投影する領域内で、かつ、前記側板と対向する位置に形成され、導入された機外からの外気である冷却風が前記側板に沿って前記回転軸の軸方向に取り込まれ前記ベーンに導かれるように入気口が設けられ、
前記主板と前記側板がなす角度φは0度よりも大きく、前記主板と前記側板との間隔が内径側に向かうにしたがって離れるように形成され、
前記主板の外径側には、前記入気口から取り込まれた前記冷却風を塵埃を含む冷却風と塵埃を含まない冷却風とに分離し、分離した前記塵埃を含む冷却風が前記固定子鉄心及び前記回転子鉄心側に流れ込まないようにするための塵埃分離板が設けられ、
前記塵埃分離板は、前記主板の外径よりも大きい内径を有するリング状の円板であり、前記ハウジングによって形成される空間に突部を形成するように成形され、塵埃排出口に導入される前記冷却風をガイドするように延伸し、
前記塵埃分離板により分離された前記塵埃を含む前記入気口から取り込まれた前記冷却風は、前記塵埃排出口から機外へ排出され、前記塵埃分離板により分離された前記塵埃を含まない前記入気口から取り込まれた前記冷却風は、前記塵埃分離板の内径側と前記主板の外径側との間の空隙を介して前記固定子鉄心及び前記回転子鉄心側に押込まれることを特徴とする回転電機。」
第3 拒絶の理由
令和5年10月30日付けで当審が通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)のうち、理由2(進歩性)において、請求項1に係る発明に対して通知したものの概略は、次のとおりである。
この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、以下の引用文献1に記載された発明、引用文献2に記載された事項、並びに引用文献3及び引用文献4に記載されるような周知の事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1:特開2001-224150号公報
引用文献2:国際公開第2015/118660号
引用文献3:実願昭52-11607号(実開昭53-107305号)のマイクロフィルム
引用文献4:特開2006-161635号公報
第4 引用文献の記載及び引用発明
1 引用文献1
(1)引用文献1の記載
当審拒絶理由で引用された、この出願の出願前に頒布された刊行物である、前記引用文献1には、図面とともに、次の記載がある(下線は、当審で付加した。以下、同様である。)。
ア「【0003】
【発明が解決しようとする課題】車両駆動用開放型電動機としては、前者の電動機が主流であるが、最近、この電動機に対して保守回帰の延長化,低騒音化などの様々な要求があり、その中でも保守回帰の延長化の要求が高い。この要求が高いのは、前者の電動機では、フィルターの除去機能が完全でないため、フィルターにより除去されない塵埃が機内に侵入し、それが長期間の運転により機内に堆積し、これを取除くために5,6年毎に分解掃除を行う必要があるためであった。
【0004】そこで、本発明者は、フィルターを用いることなく塵埃を除去できる車両駆動用開放型電動機として後者の電動機に着目した。ところが、後者の電動機は、2つの部屋を形成しているので、電動機の軸方向の寸法を大きくとる必要があると共に、塵埃除去のための構造が複雑化し、故障ポテンシャルの増大を招く虞れもある。また、2つの部屋を介して冷却風に含まれている塵埃を除去しているので、機内に近い方の部屋を省略できない。もし機内に近い方の部屋を省略すれば、冷却風に含まれている塵埃が機内に侵入し、それが長期間の運転により機内に堆積し、前者の電動機と同様に定期的な分解清掃が必要になる。
【0005】また、後者の電動機は、冷却風の入気口を径方向に対して垂直な方向に開口しているので、入気した冷却風は入気方向に対して直角な方向に折れ曲がる。このため、冷却風の損失が大きくなり、冷却に必要な風量を確保するためには冷却ファンの径を大きくする必要がある。冷却ファンの径を大きくし過ぎると騒音が顕著になる。」
イ「【0027】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態である車両駆動用開放型電動機を図1乃至図4に示す。本実施の形態の車両駆動用開放型電動機は三相誘導電動機である。図面において1は筒状の固定子枠(又はハウジング若しくはケーシング)であり、その内周側には円筒状の固定子鉄心2を設けている。固定子鉄心2の内周部には軸方向に連続したスロットを周方向に所定の間隔をもって複数形成し、固定子巻線4を収納している。
【0028】固定子鉄心2の内周側には空隙を介して固定子鉄心2と同心円上に回転子鉄心3を設けている。回転子鉄心3の外周部には軸方向に連続したスロットを周方向に所定の間隔をもって複数形成し、回転子巻線5をダイキャスト方法により収納している。回転子鉄心3の中心軸上には回転軸6を設けており、固定子枠1の両端部に設けた軸受装置9,10によりそれを回転自在に支承している。
【0029】固定子枠1の一方側(冷却風の入気側であって、本図では鉄心に向かって左側)には閉塞部材である環状のエンドブラケット7を設けており、その内周側には軸受装置9を固定支持している。エンドブラケット7は固定子枠1の端部と軸受装置9の外周側との間で反鉄心側に張出した形状のものである。具体的には固定子枠1の端部との接続部からほぼ軸方向反鉄心側(又はほぼ水平)に伸びた外周面部7aと、軸受装置9の外周側の接続部からほぼ軸方向反鉄心側(又は回転軸6に対して若干斜め若しくはほぼ水平)に伸びた内周面部7bと、外周面部と内周面部とを結合しほぼ垂直に伸びた側面部7cとを有する形状のものである。尚、エンドブラケット7の外周面部7aに相当する部分は固定子枠1が兼ねてもよい。
【0030】回転子鉄心3と軸受装置9との間の回転軸6上には主ファン11を設けている。主ファン11はファン主板11aとファンベーン11bと側板11cからなるものである。ファン主板11aはエンドブラケット7の内周面部に沿って反鉄心側に伸びて湾曲し、エンドブラケット7の側面部に沿って径方向外側に伸びた形状のものである。換言すれば、その取付部から径方向に遠ざかるに従って回転子鉄心3から遠ざかるように形成したものである。具体的にはエンドブラケット7の側面部に平行部と、この平行部から湾曲し回転軸6の接続部に伸びる傾斜部とを有する形状のものである。ファン主板11aの平行部のエンドブラケット7側にはファンベーン11bを複数設けている。ファンベーン11bのエンドブラケット7側には側板11cを設けている。尚、側板11cとしてエンドブラケット7を代用しても構わない。
【0031】エンドブラケット7の内周面部7bには冷却風として外気を取込むための入気口13(又は入気孔若しくは入気管)をファンベーン11bとほぼ直線配置となるように複数設けており、図1に示すように、ファンベーン11bの内径側11dに位置している。入気口13とファンベーン11bの内径側との間には30mm以上の間隔をあけている。エンドブラケット7の外周面部7aには塵埃を含む冷却風を排出するための塵埃排出口14(又は塵埃排出孔若しくは塵埃排出管)をファンベーン11bとほぼ直線配置となるように1つ設けており、図1に示すように、ファンベーン11bの外径側11eに位置している。ファンベーン11bの枚数と入気口13の個数は互いに割切れない(1以外の公約数を持たない)数の組合わせとしている。軸受装置9の軸方向の位置はファンベーン11bの位置よりも鉄心側又は同じ位置としている。
【0032】ファン主板11aの外径側11fには塵埃を含む冷却風と塵埃を含まない冷却風とに分離すると共に、分離した塵埃を含む冷却風が機内に流れ込まないようにするための分離機構の1つである塵埃分離板17を設けている。ここで、外径側とは、次第に外方に開くように形成されたファンの外形の周方向端部側のことをいう。従って、分離板等の分離機構は、この端部自体ではなく、この端部に対向するように形成された円環状の突起物であって、図1に示すように、その突起物がファン主板11aの外径側に位置するのである。
【0033】塵埃分離板17はファン主板11aの外径よりも大き内径を有するリング状の円板である。尚、塵埃分離板17はエンドブラケット7と一体形成してもよい。ファン主板11aの外径と塵埃分離板17の内径との間の空隙の通風断面積は塵埃排出口14の通風断面積よりも大きくしている。
【0034】固定子枠1の他方側(冷却風の排気側であって、本図の鉄心に向かって右側)には閉塞部材である環状のエンドブラケット8を固定子枠1と一体形成し設けており、その内周側には軸受装置10を固定支持している。エンドブラケット8の側面には機内を冷却し終えた冷却風を機外に排出するための排気口15(又は排気孔若しくは排気管)を複数設けている。排気口15の外側には排気口15から塵埃が機内に侵入しないようにフィルター19を設けている。本実施の形態によれば、固定子枠1とエンドブラケット8が一体になった場合について説明したが、固定子枠1とエンドブラケット8が別々になっていても構わない。また、エンドブラケット8が固定子枠1の一部を兼ねたもの、すなわち一方が開放した容器状のものであってもよい。」
ウ「【0038】次に、本実施の形態の車両駆動用開放型電動機の冷却風の流れを説明する。尚、図1に示す矢印は冷却風の流れである。回転軸6の回転により主ファン11が回転すると、ファンベーン11bの内径側と入気口13との間の空間に吸込力が作用し、入気口13から冷却風である外気が吸込まれる。吸込まれた外気は主ファン11の押込力によってエンドブラケット7の外周面部の内面に向かって押込まれる。この時、塵埃分離板17によってファンベーン11bの外径側とエンドブラケット7との空間で2つの冷却風に分離される。
【0039】分離された一方の冷却風には塵埃が含まれており、エンドブラケット7の外周側内面に流れ、主ファン11の回転力によってエンドブラケット7の外周側内面を周方向に流れ、塵埃排出口14に到達し機外に排出される。この時、塵埃を含む冷却風は塵埃分離板17が壁となって機内に流れ込むことがない。
【0040】分離された他方の冷却風は塵埃を含んでおらず、塵埃分離板17の内径側とファン主板11aの外径側との間の間隙を介して鉄心側に押込まれる。押込まれた冷却風は固定子鉄心2及び回転子鉄心3の一方の端部を冷却し、固定子鉄心2と回転子鉄心3との間の空隙及び回転子鉄心3に複数設けた軸方向に連続した通風ダクト18を冷却しながら排気側に流れる。排気側に到達した冷却風は固定子鉄心2及び回転子鉄心3の他方の端部を冷却し、排気口15から機外に排出される。この時、回転軸6の回転により補助ファン12が回転しているので、固定子鉄心2及び回転子鉄心3の他方の端部の空間には空気の流動が起きる。
【0041】以上説明した第1の実施の形態によれば、主ファン11によって押込んだ冷却風を塵埃分離板17により2つの冷却風、すなわち塵埃を含む冷却風と塵埃を含まない冷却風とに分離し、塵埃を含む冷却風は塵埃排出口14から機外へ排出し、塵埃を含まない冷却風は塵埃分離板17の内径側とファン主板11aの外径側との間の空隙を介して機内に押込むようにしたので、塵埃を含まない冷却風によって機内を冷却でき、機内への塵埃進入及び長期間の運転による塵埃堆積を防げる。従って、定期的な分解清掃が不要であり、保守回帰の延長が図れる。」
エ「【0045】また、第1の実施の形態によれば、入気口13とファンベーン11bとをほぼ直線配置としたので、入気口13を介して取込む冷却風の通風損失を小さくでき、主ファン11の径を小さくしても必要な冷却風の風量を容易に確保できる。従って、電動機の低騒音化が図れる。
【0046】また、第1の実施の形態によれば、ファンベーン11bの内径側と入気口13との間の間隔を30mm以上あけたので、ファンベーン11bと入気口13との間の空間に発生する騒音を低減できる。すなわちファンの騒音はファンベーンが空気を切る音であり、その発生は空気の疎密が原因である。ここで、主ファン11の騒音について考えてみると、主ファン11の騒音は入気口13とファンベーン11bとの間の空間が発生源であり、入気口13のある部分と入気口13のない部分との空気の密度の変化によるものである。しかし、この騒音は入気口13とファンベーン11bとの空間距離を大きくあけることで、空気の疎密の変化が小さくなり低減できる。従って、第1の実施の形態ではその低減効果が顕著になる空間距離、すなわち30mm以上あけて、上記効果を向上している。」
オ 図1には、次の事項が図示されている。
[図:0001412732000001.jpg]
カ 前記イの段落【0029】には、固定子枠1の一方の側には、閉塞部材である環状のエンドブラケット7を設けることが記載され、前記イの段落【0034】には、固定子枠1の他方側には、閉塞部材である環状のエンドブラケット8を固定子枠1と一体形成し設けることが記載されており、図1(前記オ参照)の図示内容も踏まえると、固定子枠1、エンドブラケット7及びエンドブラケット8は、固定子鉄心2と回転子鉄心3とを内包しているといえる。また、これらより、引用文献1に記載された車両駆動用開放型電動機が固定子を有することは明らかである。
キ 前記イの段落【0030】には、ファン主板11aの平行部のエンドブラケット7側にファンベーン11bを複数設け、ファンベーン11bのエンドブラケット7側に側板11cを設けることが記載されており、図1(前記オ参照)の図示内容も踏まえると、ファンベーン11bは、ファン主板11aの平行部のエンドブラケット7側に径方向に伸びるように設けられているといえ、側板11cは、ファンベーン11bのエンドブラケット7側に設けられファン主板11aの平行部に沿うように設けられているといえる。
ク 前記ウの段落【0038】には、入気口13から冷却風である外気が吸込まれ、吸込まれた外気が主ファン11の押込力によってエンドブラケット7の外周面部の内面に向かって押込まれ、この時、塵埃分離板17によってファンベーン11bの外径側とエンドブラケット7との空間で2つの冷却風に分離されることが記載され、前記ウの段落【0039】、【0040】の記載によると、分離された一方の冷却風には塵埃が含まれており、分離された他方の冷却風は塵埃を含んでいないから、塵埃分離板17は、入気口13から吸込まれた冷却風を塵埃を含む冷却風と塵埃を含まない冷却風とに分離しているといえる。
ケ 前記イの段落【0033】には、塵埃分離板17はエンドブラケット7と一体形成してもよいと記載されており、前記イの段落【0032】、【0033】の記載、前記ウの段落【0039】の記載、及び図1(前記オ参照)の図示内容も踏まえると、塵埃分離板17は、ファン主板11aの外径よりも大きい内径を有するリング状の円板であり、固定子枠1、エンドブラケット7及びエンドブラケット8によって形成される空間に円環状の突起物が位置するようにエンドブラケット7と一体形成され、壁となって塵埃を含む冷却風が機内に流れ込まないようにしているといえる。
(2)引用発明
引用文献1の前記(1)ア~ケの記載及び図面の図示内容を総合すると、引用文献1には、第1の実施の形態において、塵埃分離板17をエンドブラケット7と一体形成したものとして、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「固定子と、
固定子鉄心2の内周側に空隙を介して設けられる回転子鉄心3と、
前記回転子鉄心3の中心軸上に設けられる回転軸6と、
前記回転軸6を回転自在に支承する軸受装置9,10と、
前記回転軸6上に設けられた主ファン11と、
前記固定子鉄心2と前記回転子鉄心3とを内包する固定子枠1、エンドブラケット7及びエンドブラケット8と、を有し、
前記主ファン11は、ファン主板11aと、前記ファン主板11aの平行部の前記エンドブラケット7側に径方向に伸びるように設けられたファンベーン11bと、前記ファンベーン11bの前記エンドブラケット7側に設けられ前記ファン主板11aの平行部に沿うように設けられた側板11cとからなり、
前記エンドブラケット7の内周面部7bには、前記ファンベーン11bの内径側との間の間隔を30mm以上あけて、前記ファンベーン11bとほぼ直線配置となるように冷却風として外気を取込むための入気口13が設けられ、
前記ファン主板11aの外径側11fには、前記入気口13から吸込まれた前記冷却風を塵埃を含む冷却風と塵埃を含まない冷却風とに分離すると共に、分離した前記塵埃を含む冷却風が機内に流れ込まないようにするための塵埃分離板17が設けられ、
前記塵埃分離板17は、前記ファン主板11aの外径よりも大きい内径を有するリング状の円板であり、前記固定子枠1、エンドブラケット7及びエンドブラケット8によって形成される空間に円環状の突起物が位置するように前記エンドブラケット7と一体形成され、壁となって前記塵埃を含む冷却風が機内に流れ込まないようにし、
前記塵埃分離板17により分離された前記塵埃を含む冷却風は、塵埃排出口14から機外へ排出され、前記塵埃分離板17により分離された前記塵埃を含まない冷却風は、前記塵埃分離板17の内径側と前記ファン主板11aの外径側との間の空隙を介して機内に押込まれ、押込まれた冷却風は前記固定子鉄心2及び前記回転子鉄心3の一方の端部を冷却し、前記固定子鉄心2と前記回転子鉄心3との間の空隙及び前記回転子鉄心3に複数設けた軸方向に連続した通風ダクト18を冷却しながら排気側に流れる車両駆動用開放型電動機。」
2 引用文献2
(1)引用文献2の記載
当審拒絶理由で引用され、この出願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、前記引用文献2には、図面とともに、次の記載がある。
ア「[0007] 従来技術では、外気を回転子軸付近まで導入するための通風路がブラケットの機内側に形成されている。すなわち主板とブラケットとの間に突起物が存在する。そのため、冷却ファンの羽部は通風路よりも外径側に配置する必要がある。
[0008] しかし、一般的に、冷却ファンの羽部は外径側に位置するほど羽外径部の周速が増加し、これにより高速で羽部が風をきることで冷却ファンに生じる騒音が大きくなる。そのため、このような上記従来技術の構造では、冷却ファンの騒音を低減するために、羽外径を縮小させようとすると羽面積が減少するため、必要風量を維持できないという課題があった。
[0009] 本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、騒音を抑制しながら必要冷却風量を確保することで放熱効率の向上を図ることができる全閉形主電動機を得ることを目的とする。」
イ「[0011] この発明によれば、羽面積を減らすことなく羽の外径部の周速を低減するようにしたので、騒音を抑制しながら必要冷却風量を確保することで放熱効率の向上を図ることができる、という効果を奏する。」
ウ「[0016] ブラケット1には、フレーム2の通風路22に連通する通風路21と吸気口20とが形成されている。吸気口20は周方向に設けられている。また吸気口20は、ガイド33をブラケット1に向かって投影してなる領域内に設けられている。」
エ「[0020] 冷却ファン30は主板31と複数の羽32(第1の羽)とガイド33(第1のガイド)とから成り、主板31は、鉄心押え5からブラケット1に向かうにつれて拡径する形状を成し、主電動機100の内部と外部とを仕切るように配置されている。ガイド33の詳細は後述する。
[0021] 主板31の外周端31aはブラケット1の近傍に配置され、主板31とブラケット1との間にはラビリンス(微小隙間11)が設けられている。これにより、冷却ファン30とブラケット1との間に流れる冷却風が機内へ浸入することを抑制している。
[0022] 主板31には回転子軸9が挿入される貫通穴31bが設けられ、主板31のブラケット1側の面(図示例では駆動側60の面)には複数の羽32が形成されている。羽32は、回転子7の周方向に設けられ、主板31とガイド33との間に配設されている。羽32は冷却ファン30の中心から主板の外周端31aに向かって延びるように形成され、内径側端部32bは主板31の中心側に位置し、外径側端部32aは主板31の外周端31a側に位置している。
[0023] ガイド33は、例えば無底すり鉢状に形成され、吸気口20と対向する位置で羽32の他端(駆動側60)に設けられている。またガイド33は、吸気口20から取り込まれた冷却風の流れを妨げることがないように、主板31と平行に設けられている。図示例のガイド33は、主板31側の周縁部(内周縁部33b)からブラケット1側の周縁部(外周縁部33a)までの巾eが、内径側端部32bから外径側端部32aまでの巾fよりも大きく形成されている。
[0024] また、ガイド33の内周縁部33bは主板31と回転子軸9との嵌合部付近に位置し、かつ、ガイド33の外周縁部33aはブラケット1の近傍に位置するように設けられている。内周縁部33bを上記の嵌合部付近に設けることによって、吸気口20から導入された外気を主板31の貫通穴31b付近に誘導することができ、主板31における熱交換率を向上させることができる。また、外周縁部33aをブラケット1の近傍に設けることによって、吸気口20から導入された外気が外周縁部33aとブラケット1との微小隙間12から通風路21へ抜けることを防止できる。」
オ「[0025] ガイド33による効果は以下の通りである。
[0026] (1)外部から導入される冷却風は、吸気口20で風路の断面変化が生じるため乱れる。この乱れた空気が主板31とガイド33との間に浸入する際、内径側端部32bがこの乱れた空気を横切るため、風切り音が増幅させて騒音の要因となる。図示例のように吸気口20の正面にガイド33を設けることによって、吸気口20から導入された外気は回転子軸9付近に到るまでに整流される。そのため、整流された空気が主板31とガイド33との間へ浸入することで、内径側端部32bでの風切り音が抑制され、騒音を低減することができる。
[0027] (2)吸気口20から導入された空気が冷却ファンを通過する際、羽32が空気を横切るため空気の渦が発生する。図示例のようにガイド33を設けることによって、空気の渦が抑制され、この渦により発生する騒音を低減することができる。
[0028] (3)またガイド33は羽32と吸気口20との間に介在するため、羽32で発生する騒音がガイド33で遮断され、吸気口20から機外へ漏れ出る騒音を抑制することができる。また、ガイド33では、主板31が吸収した主電動機内部の熱と低温の外気との間で熱交換が行われるため、主板での熱交換効率が向上し、主電動機100の冷却効率が向上する。
[0029] なお図示例の主電動機100では、吸気口20の断面(図中d)と、ガイド33とブラケット1との間の風路断面(図中a)と、主板31とガイド33との間の風路断面(図中b)と、主板31の羽32が設けられていない箇所とブラケット1との間の風路断面(図中c)とが同じ大きさになるように形成されている。このように構成することによって、図中a,b,cの風路の断面変化が小さくなり、吸気口20から導入された外気の乱れが抑制され、外気がこれらの風路を通過する際の風切り音を抑えることができる。
[0030] 以下、動作を説明する。冷却ファン30が回転することにより吸気口20から外気が取り込まれ、吸気口20から取り込まれた外気は、図1の符号Aで示される点線のようにガイド33とブラケット1との間、回転子軸9付近、主板31とガイド33との間、主板31とブラケット1との間、通風路21、通風路22の順で流れて、排気口25から機外へ排出される。このことにより主電動機100の機内の熱が主板31やフレーム2などで介して機外に排出される。その結果、主電動機100全体が効率的に冷却される。」
カ「[0041] 以上に説明したように、実施の形態にかかる主電動機100は、固定子10と、固定子10の内周側に配置される回転子コア4と冷却ファン30とを有する回転子7と、固定子10と回転子7とを内包するフレーム2と、フレーム2に接続され回転子軸9を支持するブラケット1と、ブラケット1に設けられ回転子軸9を支持する軸受部50とを備え、冷却ファン30は、鉄心押え5から軸受部に向かうにつれて拡径して全閉形主電動機100の内部と外部とを仕切る主板31と、冷却ファン30のブラケット1側にて回転子7の回転方向に設けられた複数の羽32(第1の羽)と、羽32のブラケット1側にて主板31と平行に配置されたガイド33(第1のガイド)と、で構成され、ブラケット1には、ガイド33をブラケット1に向かって投影してなる領域内に吸気口20が設けられ、ガイド33は、吸気口20から吸入された空気が回転子軸9に誘導されるように形成されている。この構成により、羽面積を減少させることなく羽32およびガイド33の外径を縮小させることができる。従って、必要冷却風量を維持したまま羽外周部の周速を低下させることができ、主電動機100の冷却効率を低下させることなく低騒音化を図ることができる。また主電動機100ではブラケット1の形状が簡素化され、製造コストを低減することができる。」
キ 図1には、次の事項が図示されている。
[図:0001412732000002.jpg]
ク 前記エの段落[0023]には、ガイド33が、吸気口20と対向する位置で羽32の他端に設けられていることが記載され、前記カの段落[0041]には、ブラケット1の、ガイド33をブラケット1に向かって投影してなる領域内に吸気口20が設けられ、ガイド33は、吸気口20から吸入された空気が回転子軸9に誘導されるように形成されていることが記載されている。そして、前記オの段落[0030]に記載された外気の流れ、及び図1(前記キ参照)の図示内容も踏まえると、ブラケット1には、ガイド33をブラケット1に向かって投影してなる領域内で、かつ、ガイド33と対向する位置に設けられ、吸入された空気が、ガイド33に沿って回転子軸9に誘導されてから羽32に流れるように吸気口20が設けられているといえる。
(2)引用文献2に記載された事項
引用文献2の前記(1)ア~クの記載及び図面の図示内容を総合すると、引用文献2には、次の事項が記載されていると認められる。
「固定子10と、固定子10の内周側に配置される回転子コア4と冷却ファン30とを有する回転子7と、固定子10と回転子7とを内包するフレーム2と、フレーム2に接続され回転子軸9を支持するブラケット1と、ブラケット1に設けられ回転子軸9を支持する軸受部50とを備え、冷却ファン30は、鉄心押え5から軸受部に向かうにつれて拡径して全閉形主電動機100の内部と外部とを仕切る主板31と、冷却ファン30のブラケット1側にて回転子7の回転方向に設けられた複数の羽32と、羽32のブラケット1側にて主板31と平行に配置されたガイド33と、で構成され、ブラケット1には、ガイド33をブラケット1に向かって投影してなる領域内で、かつ、ガイド33と対向する位置に設けられ、吸入された空気が、ガイド33に沿って回転子軸9に誘導されてから羽32に流れるように吸気口20が設けられている、全閉形主電動機100。」
3 引用文献3
当審拒絶理由で引用された、この出願の出願前に頒布された刊行物である、前記引用文献3には、図面とともに、次の記載がある。
(1)「第1図および第2図は従来用いられている遠心形送風機・圧縮機の羽根車の形状を示すもので、いずれも心板1、側板2、およびこれらの間に配列された複数枚の羽根3から成る。第1図に示す羽根車は比較的圧力比の低い場合に用いられるもので、図の(イ)に示すように羽根入口3aにおいて気体は半径方向に流入し、羽根出口3bにおいて半径方向に流出する。この形の羽根車は一般に二次元羽根車と呼ばれ、心板、側板、および羽根を板材から作つてこれらを溶接あるいは鋲止めによつて組立てて製作する事が多い。次に第2図に示す羽根車は比較的圧力比の高い場合に用いられるもので、強度上あるいは空力性能上の理由から羽根入口の流れが軸方向、羽根出口の流れが半径方向となるような流路形を用いる事が多い。この形の羽根車は三次元羽根車または、混流式羽根車と呼ばれ、鍛造、鋳造、あるいは削り出し(心板と羽根とを一体の材料から削り出し、別に作つた側板を溶接等の方法で固定する)によつて製作する事が多い。第1図および第2図からわかるように遠心形の羽根車では入口から出口へ行くに従つて流路の円周方向幅(羽根間の流路を円周方向に測った幅)は増すが、流路内で気体の相対流速が過度に減少する事は望ましくないので、流路の深さ(心板・側板に直角方向測つた距離、二次元羽根車では単に心板・側板間の軸方向距離)を次第に小さくした形として、流路断面積の拡大を防いでいる。」(明細書第1ページ第15行~第3ページ第5行)
(2)第1図には、次の事項が図示されている。
[図:0001412732000003.jpg]
4 引用文献4
当審拒絶理由で引用された、この出願の出願前に頒布された刊行物である、前記引用文献4には、図面とともに、次の記載がある。
(1)「【0004】
ところで、遠心ファンの羽根車においては、要求される送風量などの要請から、図12に参照されるように、主板1と側板2との間隔(空気導出路4の高さ)が径方向内側L1から径方向外側L2に向かって漸次狭くなるように形成する必要がある場合がある。このような形状の羽根車を射出成形により成形するためには、成形後にスライドコアを径方向外側に向かって抜くことができなくなる。そのため、従来では一般に、主板1と側版2のいずれか一方に各羽根3を一体に形成すると共に、主板1と側板2のいずれか他方を別に成形して、この別に成形された主板1と側板2のいずれか他方と各羽根3とを接着するなどして一体化させるしかなかった。」
(2)「【0011】
最初に、本発明により成形される遠心ファンの羽根車の形状の実施の一形態を、図11~図13に基づいて説明する。なお、以下の説明において、同様の部分または相当する部分については同一符号を付してその説明を省略する。
本発明により成形される遠心ファンの羽根車は、概略、回転駆動手段(図示は省略する)に接続される円板状の主板1と、この主板1と対向して配置される円環状の側板2と、主板1と側板2との間に複数設けられて空気導出路4を形成する羽根3と、を備えている。
主板1は、円板状であり、この実施の形態の場合、空気導出路4を構成する表面は、中心が高く外周縁が低く、断面図(図12)における水平面に対して所定角度αを有する円錐状に設定されている。主板1の中心近傍には回転駆動手段のボルトなどがそれぞれ挿入される4個の金属製のボス5が埋め込み成形されている。主板1の裏面(空気導出路4を構成する表面とは反対側の面)には、補強リブ1aが同心状および放射状に設けられている。
側板2は、その中心に空気導入口6が形成されており、外周縁が主板1と同じ径を有する円環状に成形されている。そして、側板2は、主板1の傾斜角度αよりも大きい角度βで傾斜するよう設定されている。そのため、主板1と側板2との間隔は、径方向内側L1から径方向外側L2に向かって漸次狭くなっている。
羽根3は、この実施の形態の場合、図11に平面図で示すように、羽根車の回転中心に対して所定の角度で傾斜した状態で放射状に配置されており、その形状はそれぞれ緩やかに湾曲している。各空気導出路4は、主板1と側板2の対向面と互いに隣接する羽根3、3の間により形成される。羽根3が放射状に配置されていることから、径方向内側の幅W1が径方向外側の幅W2よりも狭くなってはいるが、空気導出路4の高さが径方向内側L1から径方向外側L2に向かって次第に低くなっているため、空気導出路4の径方向内側と外側とにおける断面積の差が比較的小さくなっている。」
(3)図11、図12には、次の事項が図示されている。
[図:0001412732000004.jpg]
第5 対比・判断
1 対比
以下、本願発明と引用発明とを対比する。
(1)引用発明の「固定子鉄心2」及び「回転子鉄心3」は、それぞれ本願発明の「固定子鉄心」及び「回転子鉄心」に相当し、引用発明の「固定子鉄心2の内周側に空隙を介して設けられる回転子鉄心3」は、本願発明の「固定子鉄心の内周側に配置される回転子鉄心」に相当する。
(2)引用発明の「回転軸6」は、本願発明の「回転軸」に相当し、引用発明の「前記回転子鉄心3の中心軸上に設けられる回転軸6」は、その回転の際、回転子鉄心3とともに回転することは明らかであるから、本願発明の「前記回転子鉄心を回転する回転軸」に相当する。
(3)引用発明の「軸受装置9,10」は、本願発明の「軸受」に相当する。
(4)引用発明の「主ファン11」は、本願発明の「冷却ファン」に相当し、引用発明の「前記回転軸6上に設けられた主ファン11」は、本願発明の「前記回転軸に設けられた冷却ファン」に相当する。
(5)引用発明の「固定子枠1」、「エンドブラケット7」及び「エンドブラケット8」を合わせたものは、固定子鉄心2と回転子鉄心3とを内包するものであるから、本願発明の「ハウジング」に相当し、また、引用発明の「固定子枠1」、「エンドブラケット7」及び「エンドブラケット8」のそれぞれについても、固定子鉄心2と回転子鉄心3とを内包するための部材であるから、本願発明の「ハウジング」に相当する。
(6)引用発明の「ファン主板11a」、「ファンベーン11b」及び「側板11c」は、それぞれ本願発明の「主板」、「ベーン」及び「側板」に相当する。また、引用発明の「前記ファン主板11aの平行部の前記エンドブラケット7側に径方向に伸びるように設けられたファンベーン11b」は、ファン主板11aのうちのエンドブラケット7と対向する面に設けられているといえ、径方向とは固定子鉄心2や回転子鉄心3の径方向を意味していることは明らかであるから、本願発明の「前記主板のうち前記ハウジングと対向する面に前記回転子鉄心の径方向に延伸するように設けられたベーン」に相当する。さらに、引用発明の「前記ファンベーン11bの前記エンドブラケット7側に設けられ前記ファン主板11aの平行部に沿うように設けられた側板11c」は、本願発明の「前記ベーンに接続され前記主板に沿うように設けられた側板」に相当する。また、引用発明の「とからな」るという事項は、本願発明の「とから構成され」るという事項に相当する。
(7)引用発明の「入気口13」は、本願発明の「入気口」に相当し、引用発明の「前記エンドブラケット7の内周面部7bには、前記ファンベーン11bの内径側との間の間隔を30mm以上あけて、前記ファンベーン11bとほぼ直線配置となるように冷却風として外気を取込むための入気口13が設けられ」るという事項は、入気口13から取込まれた冷却風としての外気をファンベーン11bに導くものと解されるから、本願発明の「前記ハウジングには、前記側板を前記ハウジングに向かって投影する領域内で、かつ、前記側板と対向する位置に形成され、導入された機外からの外気である冷却風が前記側板に沿って前記回転軸の軸方向に取り込まれ前記ベーンに導かれるように入気口が設けられ」るという事項と、「前記ハウジングには、導入された機外からの外気である冷却風が取り込まれ前記ベーンに導かれるように入気口が設けられ」る点において共通する。
(8)引用発明の「外径側11f」、「吸込まれた」及び「塵埃分離板17」は、それぞれ本願発明の「外径側」、「取り込まれた」及び「塵埃分離板」に相当する。また、引用発明の「機内」は、「前記塵埃を含まない冷却風」が「前記塵埃分離板17の内径側と前記ファン主板11aの外径側との間の空隙を介して」「押込まれ」る部分であり、該「押込まれた冷却風は前記固定子鉄心2及び前記回転子鉄心3の一方の端部を冷却」するものであることを踏まえると、本願発明の「前記固定子鉄心及び前記回転子鉄心側」に相当する。すると、引用発明の「前記ファン主板11aの外径側11fには、前記入気口13から吸込まれた前記冷却風を塵埃を含む冷却風と塵埃を含まない冷却風とに分離すると共に、分離した前記塵埃を含む冷却風が機内に流れ込まないようにするための塵埃分離板17が設けられ」るという事項は、本願発明の「前記主板の外径側には、前記入気口から取り込まれた前記冷却風を塵埃を含む冷却風と塵埃を含まない冷却風とに分離し、分離した前記塵埃を含む冷却風が前記固定子鉄心及び前記回転子鉄心側に流れ込まないようにするための塵埃分離板が設けられ」るという事項に相当する。
(9)引用発明の「(前記塵埃分離板17は、)前記固定子枠1、エンドブラケット7及びエンドブラケット8によって形成される空間に円環状の突起物が位置するように前記エンドブラケット7と一体形成され」るという事項は、本願発明の「(前記塵埃分離板は、)前記ハウジングによって形成される空間に突部を形成するように成形され」るという事項に相当する。また、引用発明の「塵埃排出口14」は、本願発明の「塵埃排出口」に相当する。そして、引用発明の「(前記塵埃分離板17は、)壁となって前記塵埃を含む冷却風が機内に流れ込まないように」するという事項は、塵埃分離板17が壁となることにより、塵埃を含む冷却風が機内に流れ込まないようにすることを特定するものであり、その結果、壁となった塵埃分離板17は、塵埃を含む冷却風を、塵埃排出口14から機外へ排出するように案内していると解されるから、本願発明の「(前記塵埃分離板は、)塵埃排出口に導入される前記冷却風をガイドするように延伸」するという事項に相当する。
(10)引用発明の「前記塵埃分離板17により分離された前記塵埃を含む冷却風」は、「前記入気口13から吸込まれた前記冷却風を塵埃を含む冷却風と塵埃を含まない冷却風とに分離」したうちの一方であるから、本願発明の「前記塵埃分離板により分離された前記塵埃を含む前記入気口から取り込まれた前記冷却風」に相当する。同様に、引用発明の「前記塵埃分離板17により分離された前記塵埃を含まない冷却風」は、「前記入気口13から吸込まれた前記冷却風を塵埃を含む冷却風と塵埃を含まない冷却風とに分離」したうちの他方であるから、本願発明の「前記塵埃分離板により分離された前記塵埃を含まない前記入気口から取り込まれた前記冷却風」に相当する。また、前記(8)に示したように、引用発明の「機内」は、本願発明の「前記固定子鉄心及び前記回転子鉄心側」に相当するから、引用発明の「機内に押込まれ」るという事項は、本願発明の「前記固定子鉄心及び前記回転子鉄心側に押込まれる」という事項に相当する。
(11)引用発明の「車両駆動用開放型電動機」は、本願発明の「回転電機」に相当する。
(12)そうすると、本願発明と引用発明とは、
「固定子と、
固定子鉄心の内周側に配置される回転子鉄心と、
前記回転子鉄心を回転する回転軸と、
前記回転軸を回転自在に支承する軸受と、
前記回転軸に設けられた冷却ファンと、
前記固定子鉄心と前記回転子鉄心とを内包するハウジングと、を有し、
前記冷却ファンは、主板と、前記主板のうち前記ハウジングと対向する面に前記回転子鉄心の径方向に延伸するように設けられたベーンと、前記ベーンに接続され前記主板に沿うように設けられた側板とから構成され、
前記ハウジングには、導入された機外からの外気である冷却風が取り込まれ前記ベーンに導かれるように入気口が設けられ、
前記主板の外径側には、前記入気口から取り込まれた前記冷却風を塵埃を含む冷却風と塵埃を含まない冷却風とに分離し、分離した前記塵埃を含む冷却風が前記固定子鉄心及び前記回転子鉄心側に流れ込まないようにするための塵埃分離板が設けられ、
前記塵埃分離板は、前記主板の外径よりも大きい内径を有するリング状の円板であり、前記ハウジングによって形成される空間に突部を形成するように成形され、塵埃排出口に導入される前記冷却風をガイドするように延伸し、
前記塵埃分離板により分離された前記塵埃を含む前記入気口から取り込まれた前記冷却風は、前記塵埃排出口から機外へ排出され、前記塵埃分離板により分離された前記塵埃を含まない前記入気口から取り込まれた前記冷却風は、前記塵埃分離板の内径側と前記主板の外径側との間の空隙を介して前記固定子鉄心及び前記回転子鉄心側に押込まれる回転電機。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
<相違点1>
入気口について、本願発明は、「前記側板を前記ハウジングに向かって投影する領域内で、かつ、前記側板と対向する位置に形成され」、導入された機外からの外気である冷却風が「前記側板に沿って前記回転軸の軸方向に」取り込まれ前記ベーンに導かれるように設けられるのに対し、引用発明は、ファンベーン11bの内径側との間の間隔を30mm以上あけて、ファンベーン11bとほぼ直線配置となるように設けられる点。
<相違点2>
本願発明は、「前記主板と前記側板がなす角度φは0度よりも大きく、前記主板と前記側板との間隔が内径側に向かうにしたがって離れるように形成され」ているのに対し、引用発明は、ファン主板11aと側板11cがなす角度が明らかでなく、ファン主板11aと側板11cとの間隔が内径側に向かうにしたがって離れるように形成されているかも明らかでない点。
2 判断
(1)相違点について
以下、<相違点1>及び<相違点2>について検討する。
ア <相違点1>について
(ア)引用発明の「前記エンドブラケット7の内周面部7bには、前記ファンベーン11bの内径側との間の間隔を30mm以上あけて、前記ファンベーン11bとほぼ直線配置となるように冷却風として外気を取込むための入気口13が設けられ」るという事項(以下「引用発明の入気口13の配置」という。)は、引用文献1の段落【0005】(前記第4 1(1)ア参照)、段落【0045】及び【0046】(前記第4 1(1)エ参照)などの記載によると、「前記ファンベーン11bの内径側との間の間隔を30mm以上あけて」入気口13を設けることにより、入気口13から取込まれた冷却風の疎密の変化を小さくして、ファンベーン11bと入気口13との間の空間に発生する騒音を低減するとともに、「前記ファンベーン11bとほぼ直線配置となるように」入気口13を設けることにより、入気口13から取込まれた冷却風が直角な方向に折れ曲がることをなくして、通風損失を小さくし、その結果、主ファン11の径が小さくても必要な冷却風の風量を確保できるため、主ファン11の径を大きくしなくてもよく、騒音が大きくならないものと解される。つまり、引用発明の入気口13の配置は、入気口13を通った冷却風の疎密の変化に起因する騒音、及び主ファン11の径が大きくなることに起因する騒音を低減するものと解される。
(イ)次に、引用文献2には、前記第4 2(2)に示した事項が記載されており、該引用文献2に記載された事項における「ブラケット1には、ガイド33をブラケット1に向かって投影してなる領域内で、かつ、ガイド33と対向する位置に設けられ、吸入された空気が、ガイド33に沿って回転子軸9に誘導されてから羽32に流れるように吸気口20が設けられている」という事項(以下「引用文献2に記載された事項の吸気口20の配置」という。)は、引用文献2の段落[0025]~[0028](前記第4 2(1)オ参照)などの記載によると、(1)吸気口20で風路の断面変化が生じるため乱れた外気を回転子軸9付近に至るまでに整流して風切音を抑制すること、(2)吸気口20から導入された空気が冷却ファンを通過する際に発生する空気の渦を抑制すること、(3)羽32で発生する騒音をガイド33で遮断すること、で騒音を低減するものと解される。また、引用文献2に記載された事項の吸気口20の配置は、引用文献2の段落[0007]~[0009](前記第4 2(1)ア参照)、段落[0011](前記第4 2(1)イ参照)、段落[0041](前記第4 2(1)カ参照)などの記載によると、ブラケット2の機内側に外気を回転子軸付近まで導入するための通風路が不要となり、羽32及びガイド33の外径を縮小させることができるため、羽外周部の周速を低下させることができ、羽32等の径が大きくなることに起因する騒音を低減するものと解される。つまり、引用文献2に記載された事項の吸気口20の配置は、吸気口20を通った乱れた外気に起因する騒音、空気の渦に起因する騒音、音が吸気口20から漏れ出すことに起因する騒音、及び羽32等の径が大きくなることに起因する騒音を低減するものと解される。
(ウ)次に、引用発明の入気口13の配置に代えて、引用文献2に記載された事項の吸気口20の配置を適用する動機付けがあるか否かを検討すると、両者の配置は、入気口13(あるいは吸気口20)を通った冷却風の疎密の変化(乱れ)を小さくする(整流する)こと、及びファンの径を小さくすることを考慮の上、ファンによる騒音を低減するものであり、この点において、解決しようとする課題は共通している。
そして、具体的な課題の解決手段をみると、引用発明の入気口13の配置は、冷却風が直角な方向に折れ曲がることがなく、通風損失を小さくできるから、主ファン11の径を小さくできるものの、冷却風の疎密の変化を小さくするために、「前記ファンベーン11bの内径側との間の間隔を30mm以上あけ」る必要があり、この間隔の分だけ、主ファン11の径を小さくことに制限が加わることになる。
一方、引用文献2に記載された事項の吸気口20の配置は、通風損失が大きくなるため、羽32等の径を小さくできない可能性はあるものの、吸気口20と羽32との間に、整流のための径方向の間隔をあける必要がないため、この間隔によって、羽32等の径を小さくすることに制限が加わることはない。
以上によると、引用発明の入気口13の配置と、引用文献2に記載された事項の吸気口20の配置とは、前記の点で解決しようとする課題が共通し、具体的な課題の解決手段には、それぞれ長所、短所があるものといえる。すると、前記の課題を解決すべく、引用発明の入気口13の配置を採用するか、引用文献2に記載された事項の吸気口20の配置を採用するかは、それぞれの長所、短所を考慮の上、当業者が任意に選択し得るものである。また、引用文献2に記載された事項の吸気口20の配置には、羽32で発生する騒音をガイド33で遮断するといった、さらなる作用効果も期待できることを踏まえると、引用発明の入気口13の配置に代えて、引用文献2に記載された事項の吸気口20の配置を適用する動機付けはあるといえる。
(エ)そうすると、引用発明において、引用文献2に記載された事項の吸気口20の配置を適用し、本願発明の前記相違点1に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。
イ <相違点2>について
遠心型ファンにおいて、主板、径方向に配置されたベーン及び側板で囲まれる流路の断面積が、該流路内で大きく変化しないように、主板と側板との間隔を内径側に向かうにしたがって離れるように形成することは、この出願の出願前から周知の事項である(例えば、引用文献3の明細書第1ページ第15行~第3ページ第5行、第1図(前記第4 3(1)及び(2))、引用文献4の段落【0004】、【0011】、図11、12(前記第4 4(1)~(3))参照)。
そして、遠心型ファンを用いた装置において、流路の断面積の変化が、空気の流れを乱し、騒音を生じさせるという課題は、一般的なものであるから(例えば、引用文献2の段落[0029](前記第4 2(オ))参照)、引用発明における「ファン主板11a」、「径方向に伸びるように設けられたファンベーン11b」及び「側板11c」で囲まれる流路を、前記周知の事項にならい、断面積が大きく変化しないように、ファン主板11aと側板11cとの間隔を内径側に向かうにしたがって離れるように形成し、本願発明の前記相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。
(2)本願発明の作用効果について
本願発明の作用効果は、引用発明、引用文献2に記載された事項及び前記周知の事項から当業者が予測できる範囲のものである。
(3)審判請求人の主張について
ア 審判請求人は、令和5年12月25日に提出した意見書の【意見の内容】(3)において、「そもそも、引用文献2は全閉型電動機であるために、入気口から取り込まれた冷却風を固定子鉄心及び回転子鉄心側に導くという発想自体がなく、しかも、塵埃分離板により、入気口から取り込まれた冷却風を塵埃を含む冷却風と塵埃を含まない冷却風とに分離し、分離した塵埃を含む冷却風が固定子鉄心及び回転子鉄心側に流れ込まないようにするという発想、及び塵埃分離板により分離された塵埃を含む入気口から取り込まれた冷却風は、塵埃排出口から機外へ排出され、塵埃分離板により分離された塵埃を含まない入気口から取り込まれた冷却風は、塵埃分離板の内径側と主板の外径側との間の空隙を介して固定子鉄心及び回転子鉄心側に押込む、という発想は生まれないと考えます。即ち、引用文献2は、冷却風の使用(利用)の仕方が、本願発明或いは引用文献1とは異なるものです。従って、上記したような発想がなく、冷却風の使用(利用)の仕方が異なる全閉型電動機を開示している引用文献2と、本願の新請求項1に係る発明の構成と構成が相違する開放型電動機を開示している引用文献1と、を組み合わせることには無理があり、引用文献1と引用文献2を組み合わせることはできないものと思料致します。」と主張している。
しかしながら、前記(1)ア(イ)に示したように、引用文献2に記載された事項の吸気口20の配置は、吸気口20を通った乱れた外気に起因する騒音、空気の渦に起因する騒音、音が吸気口20から漏れ出すことに起因する騒音、及び羽32等の径が大きくなることに起因する騒音を低減するものであり、その作用効果は、電動機が「開放型電動機」であるか、「全閉型電動機」であるかによらず、また、塵埃分離板よる冷却風の分離を行うか否かによらず、生じるものである。すると、引用文献2に記載された事項が「全閉形主電動機100」(全閉型電動機)に関するものであり、また、塵埃分離板による冷却風の分離を行わないものだとしても、引用文献2に記載された事項の吸気口20の配置を、その作用効果に着目し、ファンを備えた電動機一般に適用可能な技術として抽出することは可能であって、引用文献2に記載された事項の吸気口20の配置は、引用発明の「車両駆動用開放型電動機」への適用が妨げられるものではない。
したがって、審判請求人の前記主張は採用できない。
イ 審判請求人は、令和5年12月25日に提出した意見書の【意見の内容】(3)において、「主引用文献であります引用文献1の段落[0005]には「・・・冷却風の入気口を径方向に対して垂直な方向に開口しているので、入気した冷却風は入気方向に対して直角な方向に折れ曲がる。このため、冷却風の損失が大きくなり・・・」と記載され、冷却風の入気口が径方向に対して垂直な方向に開口していることを課題としているため、かかる引用文献1に、冷却風の入気口が径方向に対して垂直な方向に開口していることが前提の引用文献2を組み合せることは、当業者であってもできないものと考えます(阻害要因があるものと考えます)。」と主張している。
しかしながら、前記(1)ア(ウ)に示したように、引用発明の入気口13の配置と、引用文献2に記載された事項の吸気口20の配置とは、それぞれ長所、短所があるものである。そして、引用文献2に記載された事項の吸気口20の配置は、通風損失が大きくなるため、羽32等の径を小さくできない可能性があるという短所があるとしても、吸気口20と羽32との間に、整流のための径方向の間隔をあける必要がないという長所があり、羽32で発生する騒音をガイド33で遮断するといった作用効果も備えるものである。すると、引用発明の入気口13の配置に代えて、引用文献2に記載された事項の吸気口20の配置を適用しても、引用発明の騒音を低減するという作用効果と同等の作用効果が期待できるから、該適用に阻害要因があるとはいえない。
したがって、審判請求人の前記主張は採用できない。
ウ 審判請求人は、令和5年12月25日に提出した意見書の【意見の内容】(3)において、「百歩譲って、引用文献1と引用文献2を組み合わせたとしても、本願の新請求項1に係る発明の要旨である「前記主板と前記側板がなす角度φは0度よりも大きく、前記主板と前記側板との間隔が内径側に向かうにしたがって離れるように形成され」の点は、更に検討を要するものでありますが、令和5年10月30日(起案日)付け拒絶理由通知書における“遠心型ファンにおいて、主板、径方向に配置されたベーン及び側板で囲まれる流路の断面積が、該流路内で大きく変化しないように、主板と側板との間隔を内径側に向かうにしたがって離れるように形成することは、この出願の出願前から周知の事項である(例えば、引用文献3の明細書第1ページ第15行~第3ページ第5行、第1図、引用文献4の段落【0004】、【0011】、図11、12参照。)。”という審査官のロジックは、容易の容易を主張しているものであり、到底承服できるものではありません。」と主張している。
しかしながら、本願発明の「前記ハウジングには、前記側板を前記ハウジングに向かって投影する領域内で、かつ、前記側板と対向する位置に形成され、導入された機外からの外気である冷却風が前記側板に沿って前記回転軸の軸方向に取り込まれ前記ベーンに導かれるように入気口が設けられ」るという事項と、「前記主板と前記側板がなす角度φは0度よりも大きく、前記主板と前記側板との間隔が内径側に向かうにしたがって離れるように形成され」るという事項とは、ともに冷却風の流れに関係する事項ではあるものの、両者をともに備えることによる相乗的な効果があるとはいえない。したがって、本願発明の前者の事項と後者の事項の容易想到性を、それぞれ相違点1及び相違点2として、個別に判断することに誤りはなく、このように個別に判断する以上、審判請求人の主張する「容易の容易」のロジックは生じない。
また、仮に審判請求人の主張が、引用文献2に記載された事項において、「冷却ファン30は、鉄心押え5から軸受部に向かうにつれて拡径して全閉形主電動機100の内部と外部とを仕切る主板31と、冷却ファン30のブラケット1側にて回転子7の回転方向に設けられた複数の羽32と、羽32のブラケット1側にて主板31と平行に配置されたガイド33と、で構成され」ていることを理由に、引用発明において、引用文献2に記載された事項の吸気口20の配置を適用し、本願発明の前記相違点1に係る構成とした場合には、引用発明のファン主板11aと側板11cとの配置関係に、引用文献2に記載された事項の主板31とガイド33との配置関係が適用され、ファン主板11aと側板11cとが平行になるという考えを前提としたものだとしても、前記(1)ア(イ)に示したように、引用文献2に記載された事項の吸気口20の配置は、吸気口20を通った乱れた外気に起因する騒音、空気の渦に起因する騒音、音が吸気口20から漏れ出すことに起因する騒音、及び羽32等の径が大きくなることに起因する騒音を低減するものであり、これらの作用効果は、主板31とガイド33とが平行に配置されているか否かによらず、生じるものである。そうすると、引用文献2の記載から、引用文献2に記載された事項の吸気口20の配置を、その作用効果に着目して、主板31とガイド33とが平行に配置されていることとは分離して抽出することは可能である。すると、引用発明において、引用文献2に記載された事項の吸気口20の配置を適用し、本願発明の前記相違点1に係る構成とした場合に、引用発明のファン主板11aと側板11cとは必ずしも平行になるとはいえない。
したがって、審判請求人の前記主張は採用できない。
3 まとめ
そうすると、本願発明は、引用発明、引用文献2に記載された事項及び前記周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第6 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、この出願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-019621