2022-019003
ドアストッパー
- 審判番号
- 2022-019003
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2021-028074外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 1744406
- 請求日
- 2022年11月25日
- 審決日
- 2023年03月28日
- 公報発行日
- 2023年05月26日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】エクシオグループ株式会社
- 【請求人代理人】村上 友一
- 分類
- D18 .113-WY (L4-6)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 9項目
第1 手続の主な経緯
本願は、令和3年(2021年)12月21日の意匠登録出願であって、令和4年6月30日付けの拒絶理由の通知に対し、同年7月25日に意見書が提出されたが、同年8月24日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年11月25日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
第2 本願意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、願書及び願書に添付した図面によれば、意匠に係る物品を「ドアストッパー」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとするものである(別紙第1参照)。
第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は、本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するとしたものであって、拒絶の理由で引用された意匠(以下「引用意匠」といい、本願意匠と併せて「両意匠」ともいう。)は、下記のとおりである(別紙第2参照)。
引用意匠
特許庁発行の登録実用新案公報記載
実用新案登録第3021688号
【図1】及び関連する記載から導き出される「扉の開放具」の意匠
第4 当審の判断
1.本願意匠
本願意匠は、上記「第2」の願書の記載及び願書に添付した図面の記載の内容によると、以下のとおりである。
(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は「ドアストッパー」であって、開き戸の扉を開けた状態で保持するためのものである。
(2)本願意匠の形状
〔形状A1〕全体形状は、長方形の薄板材を直角に折り曲げてL字状としたものである。
〔形状A2〕水平方向の部分(以下「水平部分」という。)には、戸当たりの支柱を挿入させるためのU字状の溝を設けている。
〔形状A3〕垂直方向の部分(以下「垂直部分」という。)には、扉に接触する箇所に横長長方形の部材を貼り付けている(以下「貼付部材」という。)。
〔形状A4〕外形寸法は、高さ(H)を10としたときの、横長さ(W)は約21、奥行きの長さ(D)は約11である。
〔形状A5〕水平部分の横長さ(W)を100としたときの、U字状溝の幅は約30である。
〔形状A6〕貼付部材は、垂直部分に比べて一回り小さく、貼付部材と垂直部分に段差があり、かつ、水平部分上面には接触していない。
〔形状A7〕垂直部分の厚さを1としたときの、貼付部材の厚さは約0.8である。
〔形状A8〕貼付部材の材質は、磁石などの吸着部材である。
〔形状A9〕U字状の溝の開口部には、小さなフィレット(角部のR)を施している。
〔形状A10〕各角部に施しているフィレットは、小さい。
2.引用意匠
(1)意匠に係る物品
引用意匠の意匠に係る物品は「扉の開放具」であって、開放した扉を戸当たりに連結して、扉の開放状態を維持するものである。
(2)引用意匠の形状
〔形状B1〕全体形状は、長方形の薄板材を直角に折り曲げてL字状としたものである。
〔形状B2〕水平方向の部分(以下「水平部分」という。)には、戸当たりの支柱を挿入させるためのU字状の溝を設けている。
〔形状B3〕垂直方向の部分(以下「垂直部分」という。)には、扉に接触する箇所に横長長方形の部材を貼り付けている(以下「貼付部材」という。)。
〔形状B4〕外形寸法は、高さ(H)を10としたときの、横長さ(W)は約26、奥行きの長さ(D)は約13である。
〔形状B5〕水平部分の横長さ(W)を100としたときの、U字状溝の幅は約26である。
〔形状B6〕貼付部材は、垂直部分と同じ大きさであり、貼付部材と垂直部分に段差が無く、かつ、水平部分上面に接触している。
〔形状B7〕垂直部分の厚さを1としたときの、貼付部材の厚さは約3である。
〔形状B8〕貼付部材の材質は、緩衝体である。
〔形状B9〕U字状の溝の開口部には、大きな面取り(隅欠形状)を施している。
〔形状B10〕各角部に施しているフィレットは、大きい。
3.両意匠の対比
(1)意匠に係る物品の対比
本願意匠の意匠に係る物品は「ドアストッパー」であって、開き戸の扉を開けた状態で保持するためのものであるのに対して、引用意匠の意匠に係る物品は「扉の開放具」であって、開放した扉を戸当たりに連結して、扉の開放状態を維持するものである。
(2)両意匠の形状の対比
両意匠の形状を対比すると、以下に示す主な共通点と相違点が認められる。
ア.共通点について
〔共通点1〕全体形状は、長方形の薄板材を直角に折り曲げてL字状としたものである。(形状A1とB1)
〔共通点2〕水平部分には、戸当たりの支柱を挿入させるためのU字状の溝を設けている。(形状A2とB2)
〔共通点3〕垂直部分には、扉に接触する箇所に横長長方形の貼付部材を貼り付けている。(形状A3とB3)
イ.相違点について
〔相違点1〕外形寸法における、高さ(H)を10としたときの、横長さ(W)につき、本願意匠は約21であるのに対して、引用意匠は約26である。(形状A4とB4)
〔相違点2〕外形寸法における、高さ(H)を10としたときの、奥行きの長さ(D)につき、本願意匠は約11であるのに対して、引用意匠は約13である。(形状A4とB4)
〔相違点3〕水平部分の横長さ(W)を100としたときの、U字状溝の幅につき、本願意匠は約30であるのに対して、引用意匠は約26である。(形状A5とB5)
〔相違点4〕貼付部材の大きさと貼付け状態につき、本願意匠は、垂直部分に比べて一回り小さく、貼付部材と垂直部分に段差があり、かつ、水平部分上面には接触していないのに対して、引用意匠は、垂直部分と同じ大きさであり、貼付部材と垂直部分に段差が無く、かつ、水平部分上面に接触している。(形状A6とB6)
〔相違点5〕垂直部分の厚さを1としたときの、貼付部材の厚さにつき、本願意匠は約0.8であるのに対して、引用意匠は約3である。(形状A7とB7)
〔相違点6〕貼付部材の材質につき、本願意匠は、磁石などの吸着部材であるのに対して、引用意匠は、緩衝体である。(形状A8とB8)
〔相違点7〕U字状の溝の開口部につき、本願意匠は、小さなフィレットを施しているのに対して、引用意匠は、大きな面取りを施している。(形状A9とB9)
〔相違点8〕各角部に施しているフィレットにつき、本願意匠は小さいのに対して、引用意匠は大きい。(形状A10とB10)
4.判断
(1)意匠に係る物品の類否判断
本願意匠の意匠に係る物品は「ドアストッパー」であって、引用意匠の意匠に係る物品は「扉の開放具」であるが、共に開き戸の扉を開けた状態で保持するためのものであるから、表記は異なるが、意匠に係る物品は共通している(以下、共に「ドアストッパー」という。)。
(2)両意匠における形状の評価
ア.共通点について
共通点1及び2については、両意匠に共通する基本的な構成態様といえ、一定程度の共通感を生み出しているが、各部の寸法比率の相違(相違点1及び2)により、両意匠の類否判断に与える影響は限定的である。
共通点3については、この箇所に貼付部材を貼り付けることはありふれた手法であるし、相違点4ないし6の相違を内包していることから、両意匠の類否判断に与える影響は小さい。
イ.相違点について
相違点1は、戸当たりの支柱と接触する扉面との位置関係に関わる相違であって、使用する扉の厚みなどに影響を与える点で使い勝手に関連する相違と需要者は受け取り、別異の印象を持つものであるから、両意匠の類否判断に与える影響は、一定程度認められる。
相違点2及び3は、僅かな寸法差であるから、両意匠の類否判断に与える影響は小さいといえる。
相違点4自体は僅かな相違であるが、相違点6の相違により貼付部材の使用目的が異なり、それに伴って、両意匠の使用状態が異なると需要者が理解すること、相違点6の相違により相違点5が存在し、これら相違点4ないし6が相まって、両意匠に別異の印象を生じさせているといえるから、両意匠の類否判断に与える影響は、大きいといえる。
相違点7については、引用意匠は、需要者に対して、戸当たりの支柱を挿入しやすいと思わせる形状であるのに対して、本願意匠はそのような形状ではなく、別異の印象を持つものであるから、両意匠の類否判断に与える影響は、一定程度認められる。
相違点8は、本願意匠のように小さいフィレットとすることも、引用意匠のように大きいフィレットとすることも、工業製品においてはごく普通の形状であるから、両意匠の類否判断に与える影響は小さいといえる。
(3)両意匠における形状の類否判断
以上のとおり、共通点は、両意匠の類否判断に与える影響が、小さいまたは限定的なものであり、この共通点によっては、両意匠の類否判断を決するものといえないのに対して、相違点2、相違点3及び相違点8は両意匠の類否判断に与える影響が小さいとしても、相違点1及び相違点4ないし7を総合すると、需要者に別異の印象を起こさせるものであるから、両意匠の類否判断を決するものといえる。
そうすると、本願意匠の形状と引用意匠の形状は、類似するとは認められない。
(4)両意匠における類否判断
よって、両意匠は、意匠に係る物品は共通するが、上記のとおり本願意匠と引用意匠の形状は類似するものではないから、本願意匠と引用意匠は類似するとはいえない。
5.結び
したがって、本願意匠は、引用意匠に類似せず、原査定の引用意匠をもって、本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず、本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また、当審が更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-019003