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特許拒絶査定不服審判

2022-018619

デジタル画素画像センサ

審判番号
2022-018619
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-571598
請求日
2022年11月18日
審決日
2023年06月19日
公報発行日
2023年12月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】メタ プラットフォームズ テクノロジーズ, リミテッド ライアビリティ カンパニー
  • 【請求人代理人】弁理士法人World IP
審判長/審判官
  • 審判長 千葉 輝久
  • 審判官 樫本 剛
  • 審判官 渡辺 努
分類
P18 .121-Z (H04N)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019-571598「デジタル画素画像センサ」拒絶査定不服審判事件〔平成31年1月3日国際公開、WO2019/005749、令和2年8月27日国内公表、特表2020-526098〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2018年(平成30)年6月26日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2017年6月26日、米国 2017年12月19日、米国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和3年12月 6日付け:拒絶理由通知書 令和4年 3月11日 :意見書、手続補正書の提出 令和4年 7月12日付け:拒絶査定 令和4年11月18日 :審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和4年11月18日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和4年11月18日にされた手続補正を却下する。 [理由] 1 本件補正の内容 令和4年11月18日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、令和4年3月11日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~20を、本件補正による特許請求の範囲の請求項1~20に補正するものであり、本件補正は、本件補正前の請求項1を本件補正後の請求項1とする補正事項を含むものである。 なお、下線は補正箇所を示す。 〔本件補正前の請求項1〕 複数の画素を備えるデジタル画素画像センサであって、各画素は、 光信号に応答して電荷を生成するように構成されたフォトダイオードと、 前記フォトダイオードによって生成された前記電荷を貯蔵するように構成された電荷貯蔵デバイスであって、貯蔵された前記電荷により電圧信号が前記電荷貯蔵デバイスに生じる、電荷貯蔵デバイスと、 画素メモリと、 デジタイザとを備え、前記デジタイザは、 比較器であって、 ランプ信号および前記電圧信号を受け取るように構成され、前記ランプ信号の電圧レベルがクロック信号の各サイクル後に増加または低下し、さらに、 前記ランプ信号の前記電圧レベルが前記電圧信号の電圧レベルに達した後に前記比較器の出力状態を変化させるように構成された比較器と、 デジタル出力生成回路であって、前記比較器の出力状態が変化したときに、 前記ランプ信号が開始したときの時間と、前記比較器の前記出力状態が変化したときの時間との間の前記クロック信号の総サイクル数に対応する第1の数を受け取るように、かつ 前記第1の数を前記画素メモリに保存するように構成され、前記第1の数が前記電圧信号の前記電圧レベルのデジタル値に対応する、デジタル出力生成回路と を備える、デジタル画素画像センサ。 〔本件補正後の請求項1〕 複数の画素を備えるデジタル画素画像センサであって、各画素は、 光信号に応答して電荷を生成するように構成されたフォトダイオードと、 前記フォトダイオードによって生成された前記電荷を貯蔵するように構成された電荷貯蔵デバイスであって、貯蔵された前記電荷により電圧信号が前記電荷貯蔵デバイスに生じる、電荷貯蔵デバイスと、 画素メモリと、 デジタイザとを備え、前記デジタイザは、 比較器であって、 ランプ信号および前記電圧信号を受け取るように構成され、前記ランプ信号の電圧レベルがクロック信号の各サイクル後に増加または低下し、さらに、 前記ランプ信号の前記電圧レベルが前記電圧信号の電圧レベルに達した後に前記比較器の出力状態を変化させるように構成された比較器と、 デジタル出力生成回路であって、前記比較器の出力状態が変化したときに、 前記ランプ信号が開始したときの時間と、前記比較器の前記出力状態が変化したときの時間との間の前記クロック信号の総サイクル数に対応する第1の数を受け取るように、かつ 前記第1の数を前記画素メモリに保存するように構成され、前記第1の数が前記電圧信号の前記電圧レベルのデジタル値に対応する、デジタル出力生成回路と を備え、 前記画素メモリは、当該画素メモリ内の保存データを、列ラインの出力バスを介してデジタル画像フレームを記憶するためのラインメモリに読み出すために、当該保存データを前記列ラインの出力バスへと読み出す手段を備える、デジタル画素画像センサ。 2 補正の適否 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「画素メモリ」について、上記のとおり限定を付加するものであって、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、上記1の〔本件補正後の請求項1〕に記載したとおりのものである。 (2)引用発明 (2-1)引用文献1の記載事項 原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2016-92661号公報(平成28年5月23日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、図面とともに次の記載がある。 なお、下線は強調のために当審が付した。 「【0040】 図1は本技術を適用した固体撮像素子11の一部分を構成する回路を示しており、この例では固体撮像素子11には、光電変換部21、転送部22、電荷電圧変換部23、信号比較器24、および記憶部25が設けられている。 【0041】 これらの光電変換部21乃至記憶部25は、固体撮像素子11を構成する同一チップ上に設けられている。また、例えば光電変換部21乃至電荷電圧変換部23は、固体撮像素子11に設けられた複数の画素ごとに設けられている。さらに信号比較器24および記憶部25は、画素ごとに設けられていてもよいし、いくつかの画素、つまりいくつかの光電変換部21に対して共通のものが設けられてもよい。 【0042】 光電変換部21は、例えばフォトダイオードなどからなり、撮像対象から入射した光を光電変換することで、入射した光の量、つまり受光量に応じた電荷を生成する。転送部22は、光電変換部21で得られた電荷を電荷電圧変換部23へと転送する。なお、転送部22は2つ以上設けられてもよい。 【0043】 電荷電圧変換部23は、転送部22を介して光電変換部21から供給された電荷を蓄積するとともに、蓄積している電荷の一部または全部を所定の変換効率で信号量を示す電圧信号へと変換し、信号比較器24に供給する。電荷電圧変換部23は2以上の複数の段階で変換効率を切り替えることが可能な構成となっている。 【0044】 信号比較器24は、外部から供給された参照信号と、電荷電圧変換部23から供給された電圧信号とを比較し、その比較結果を出力する。 【0045】 固体撮像素子11では、信号比較器24から出力された比較結果、または電荷電圧変換部23から出力された電圧信号に基づいて、画素で得られた信号量を示す画素信号(画素値)が生成され、各画素の画素信号からなる撮像画像の画像信号が得られる。 【0046】 また、信号比較器24での比較結果は記憶部25にも供給される。記憶部25は、Nbitのメモリなどからなり、信号比較器24から供給された比較結果、より詳細には比較結果に応じて変換効率を切り替えるための制御信号を記憶する。また、記憶部25は、記憶している制御信号を電荷電圧変換部23に供給することで、電荷電圧変換部23における変換効率を変更させる。つまり、制御信号により電荷電圧変換部23における変換効率の変更が制御される。 【0047】 このように固体撮像素子11では、電荷電圧変換部23から出力された、信号量を示す電圧信号が、参照信号よりも高いか低いかに応じて、適応的に電荷電圧変換部23における変換効率が変更される。 【0048】 〈第1の実施の形態〉 〈画素の構成例〉 次に、本技術を適用した固体撮像素子の実施の形態について説明する。 【0049】 この実施の形態の固体撮像素子には、例えば図2に示すように画素ごとに上述した光電変換部21乃至記憶部25が設けられている。なお、図2において図1における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。 【0050】 図2は、本技術を適用した固体撮像素子51の画素内に設けられた回路の一部を示している。この例では、固体撮像素子51に設けられた画素61は、光電変換部21、転送部22、電荷電圧変換部23、信号比較器24、および記憶部25を有しており、これらの素子の接続関係および動作は、図1に示した例と同様となっている。なお、この例では光電変換部21乃至記憶部25のみが図示されているが、画素61内には他の回路等も含まれている。また、この例においても転送部22が複数設けられてもよい。 【0051】 固体撮像素子51の画素アレイ部には複数の画素61が行列状に配置されている。 【0052】 〈第1の実施の形態の変形例1〉 〈画素の構成例〉 また、図2に示した画素61に設けられている信号比較器24を用いて、電圧信号のAD(Analog to Digital)変換を行うようにしてもよい。そのような場合、信号比較器24の出力側には、例えば外部でカウントされたカウント信号をラッチする機構や、アップダウンカウンタなどがさらに設けられ、AD変換時には時間とともにスロープ状に電圧値が変化する信号が参照信号として信号比較器24に供給される。 【0053】 例えば信号比較器24の出力側にメモリ等の記憶部を設け、外部のカウンタから各画素61へと配信されるカウント信号を記憶部にてラッチすることでAD変換を実現する場合、画素61は図3に示す構成とされる。なお、図3において図2における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。 【0054】 図3に示す例では、固体撮像素子51の画素61には、光電変換部21乃至記憶部25に加え、さらに記憶部91が設けられている。 【0055】 記憶部91は、例えばMbitのメモリなどからなり、信号比較器24の出力側の端子、および出力信号線92に接続されている。記憶部91は、信号比較器24から供給された比較結果に基づいて、出力信号線92を介して外部から供給されたカウント信号をラッチする(取り込む)。このとき記憶部91が一時的に保持しているカウント信号、つまりラッチされたカウント信号が、電荷電圧変換部23の信号量を示す電圧信号をAD変換して得られた値となっている。 【0056】 記憶部91は、行方向に並ぶ複数の画素61からなる画素行を選択するための制御信号WORDにより、記憶部91が設けられている画素61が選択されると、記憶(保持)している値を、電荷電圧変換部23から出力された電圧信号をAD変換して得られた出力電圧信号として、出力信号線92に出力する。 【0057】 〈撮像素子の構成例〉 続いて、図3を参照して説明したように信号比較器24をAD変換にも利用する場合における固体撮像素子51のより具体的な実施の形態について説明する。 【0058】 図4は、固体撮像素子51の具体的な構成例を示す図である。なお、図4において図3における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。 【0059】 図4に示す固体撮像素子51には、1つのチップ上に画素アレイ部121、カウンタ122、参照信号供給部123、垂直駆動回路124、読み出し回路125、信号処理部126、および入出力部127が設けられている。 【0060】 画素アレイ部121には、図3に示した画素61と同様の構成の画素131が行列状に複数配置されている。なお、図4では画素アレイ部121には1つの画素131のみが図示されているが、実際には複数の画素131が設けられている。 【0061】 画素アレイ部121に設けられた各画素131は、出力信号線92を介してカウンタ122および読み出し回路125に接続されており、例えば1つの出力信号線92には、図中、縦方向、すなわち列(垂直方向)に並ぶ複数の画素131が接続されている。 【0062】 また、図中、横方向、すなわち行方向(水平方向)に並ぶ複数の画素131は、水平方向に長い制御線を介して参照信号供給部123に接続されている。さらに、行方向に並ぶ複数の画素131は、水平方向に長い他の制御線を介して垂直駆動回路124にも接続されている。 【0063】 カウンタ122は、例えばグレイコードカウンタなどからなり、出力信号線92を介して画素131にカウント信号(クロック信号)を供給する。参照信号供給部123は、制御線を介して画素131に参照信号を供給する。 【0064】 例えば参照信号供給部123は、変換効率を決定するための電圧信号と参照信号との比較時には、一定の電圧(以下、判定レベルとも称する)の参照信号を画素131に供給する。これに対して、参照信号供給部123は、画素信号を得るためのAD変換時には、時間とともに電圧が線形に減少していくスロープ状の信号(以下、単にスロープとも称する)を参照信号として画素131に供給する。 【0065】 垂直駆動回路124は、制御線を介して画素131に制御信号WORDを供給することで、行単位で画素131を選択する。読み出し回路125は、出力信号線92を介して画素131からAD変換された信号を読み出して信号処理部126に供給する。 【0066】 信号処理部126は、読み出し回路125から供給された信号に基づいて、各画素131の画素信号を演算により算出し、得られた各画素131の画素信号からなる撮像画像の画像信号を得る。また、信号処理部126は、得られた画像信号に対して、例えば黒レベルの調整やデモザイクなどの各種の画像処理を施して、入出力部127に供給する。 【0067】 入出力部127は、チップ外の後段のブロックと接続され、接続されたブロックとの情報の授受を行う。例えば入出力部127は、信号処理部126から供給された撮像画像の画像信号を後段のブロックへと出力する。」 「【0074】 〈画素の構成例〉 さらに図4に示した画素131は、より詳細には例えば図5に示すように構成される。なお、図5において、図3における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。 【0075】 図5に示す画素131は、受光部161、信号比較器162、記憶部163、および記憶部164を有している。 【0076】 この例では、受光部161が被写体からの光を受光して光電変換し、得られた電荷に対応する電圧信号を出力する。また、信号比較器162が、例えば図3の信号比較器24に対応し、記憶部163および記憶部164が、それぞれ図3の記憶部25および記憶部91に対応する。また、受光部161と信号比較器162は、一部の素子を共有している。 【0077】 受光部161は、光電変換部21、転送トランジスタ171、電荷排出トランジスタ172、トランジスタ173、容量174、トランジスタ175、電荷電圧変換部176、増幅トランジスタ177、およびリセットトランジスタ178を有している。」 「【0092】 また、信号比較器162は、受光部161から供給された電圧信号と、参照信号供給部123から供給された参照信号REFとを比較し、その比較結果を記憶部163および記憶部164に出力する。 【0093】 信号比較器162は、初段に設けられた差動増幅器181、2段目に設けられたPFB(Positive Feedback)回路182、および出力側に設けられたインバータ183から構成される。」 「【0109】 ここで、電荷電圧変換部176で得られる電圧信号が参照信号REFよりも高い(大きい)場合には、低レベルの電圧信号VCOがインバータ183から出力され、電荷電圧変換部176で得られる電圧信号が参照信号REFよりも低い(小さい)場合には、高レベルの電圧信号VCOがインバータ183から出力される。」 「【0119】 記憶部164は複数のD-Latch回路からなり、信号比較器162のインバータ183から供給された電圧信号VCOに応じて、出力信号線92を介してカウンタ122から供給されたカウント信号をラッチする(取り込む)ことで、AD変換されたリセットレベルや信号レベルを得る。また、記憶部164は得られたAD変換後のリセットレベルや信号レベルを、出力信号線92を介して読み出し回路125に出力する。 【0120】 記憶部164を構成するD-Latch回路はトランジスタ221、トランジスタ222、およびトランジスタ223を備えている。 【0121】 トランジスタ221のゲート電極にはインバータ183が接続されている。トランジスタ221の一方のソース/ドレイン領域には出力信号線92が接続されており、トランジスタ221の他方のソース/ドレイン領域にはトランジスタ222のゲート電極が接続されている。また、トランジスタ221のソース/ドレイン領域と、トランジスタ222のゲート電極との間には寄生容量C12がある。なお、面積に余裕がある場合には、トランジスタ221のソース/ドレイン領域と、トランジスタ222のゲート電極との間に寄生容量C12ではなく、容量素子を設けるようにしてもよい。 【0122】 トランジスタ221は、インバータ183からゲート電極に供給された電圧信号VCOが高レベルであるときにオン状態となり、出力信号線92を介してカウンタ122から供給されたカウント信号を寄生容量C12に供給する。 【0123】 各D-Latch回路の寄生容量C12に電荷として保持されているカウント信号からなる信号は、AD変換後のリセットレベルまたは信号レベルとなっている。換言すれば、各D-Latch回路の寄生容量C12は、リセットレベルや信号レベルの1ビット分の信号を各々保持する。 【0124】 トランジスタ222の一方のソース/ドレイン領域は接地されており、トランジスタ222の他方のソース/ドレイン領域はトランジスタ223のソース/ドレイン領域に接続されている。トランジスタ222は、寄生容量C12に保持されているカウント信号(電荷)に応じた信号を出力する。トランジスタ223の一方のソース/ドレイン領域は出力信号線92に接続されており、トランジスタ223の他方のソース/ドレイン領域はトランジスタ222のソース/ドレイン領域に接続されている。 【0125】 トランジスタ223は、外部からトランジスタ223のゲート電極に供給された制御信号WORDに応じて、トランジスタ222から供給された信号を出力信号線92に出力する。」 「【0126】 〈撮像処理の説明〉 続いて、図4に示した固体撮像素子51の動作について説明する。」 【0172】 初期化が終了すると、参照信号供給部123は参照信号REFとしてスロープをトランジスタ192に供給し、カウンタ122は出力信号線92を介してトランジスタ221にカウント信号BITXnを供給する。 【0173】 これにより、信号レベルの取得が開始される。このとき、電荷電圧変換部176、または電荷電圧変換部176と電荷電圧変換部176に接続された容量174には、露光期間中に光電変換部21で得られた電荷が蓄積されている状態となっている。 【0174】 信号レベルの取得開始直後においては、参照信号REFが電圧FDよりも高い(大きい)ので電圧信号VCOは高レベルとなっている。そのため、トランジスタ221がオンされた状態となり、カウント信号BITXnが順次、トランジスタ221を介して寄生容量C12に供給される。 【0175】 その後、例えば時刻t12で参照信号REFが電圧FDよりも低く(小さく)なって電圧信号VCOが、高レベルから低レベルに反転すると、トランジスタ221がオフされてカウント信号BITXnが寄生容量C12に供給されない状態となる。このとき各D-Latch回路の寄生容量C12に保持されているカウント信号BITXnに対応する電荷(電圧)がAD変換された信号レベルとなっている。つまり、信号レベルを示すアナログ信号(アナログ値)である電圧FDの電圧信号が、デジタル信号(デジタル値)に変換されたことになる。 【0176】 また、信号レベルの取得が終了すると、時刻t13においてリセットレベルの取得時と同様に、参照信号REFの電圧が一定の値まで下げられ、トランジスタ192がオフされる。 【0177】 そして時刻t14において制御信号WORDが高レベルとされて画素131が行単位で選択されると、リセットレベルの読み出し時と同様に、トランジスタ223がオンされて寄生容量C12に保持されている信号レベルが読み出される。 【0178】 すなわち、出力信号線92を介して読み出し回路125によって信号レベルが読み出され、信号処理部126に供給される。そして読み出された信号レベルは信号処理部126内のフレームメモリに記憶される。」 (2-2)引用発明 上記(2-1)から、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているといえる。 なお、各構成の末尾括弧内に、対応する記載箇所を示した。また、各構成の符号(a)~(o4)は当審が付したものであり、以下「構成a」~「構成o4」という。 〔引用発明〕 (a)画素131が行列状に複数配置されている画素アレイ部121、カウンタ122、参照信号供給部123、垂直駆動回路124、読み出し回路125、信号処理部126、および入出力部127が設けられている固体撮像素子51であって、(【0059】、【0060】) (b)各画素131は、出力信号線92を介してカウンタ122および読み出し回路125に接続されており、1つの出力信号線92には、列(垂直方向)に並ぶ複数の画素131が接続されており、(【0061】) (c)行方向(水平方向)に並ぶ複数の画素131は、水平方向に長い制御線を介して参照信号供給部123に接続されており、さらに、行方向に並ぶ複数の画素131は、水平方向に長い他の制御線を介して垂直駆動回路124にも接続されており、(【0062】) (d)カウンタ122は、出力信号線92を介して画素131にカウント信号(クロック信号)を供給するものであり、(【0063】) (e)参照信号供給部123は、画素信号を得るためのAD変換時には、時間とともに電圧が線形に減少していくスロープ状の信号(以下、単にスロープとも称する)を参照信号として画素131に供給するものであり、(【0064】) (f)垂直駆動回路124は、制御線を介して画素131に制御信号WORDを供給することで、行単位で画素131を選択するものであり、(【0065】) (g)読み出し回路125は、出力信号線92を介して画素131からAD変換された信号を読み出して信号処理部126に供給するものであり、(【0065】) (h)画素131には、光電変換部21、転送部22、電荷電圧変換部23、信号比較器24、記憶部25、記憶部91が設けられており、(【0054】、【0050】、【0060】) (i)光電変換部21は、フォトダイオードからなり、撮像対象から入射した光を光電変換することで、入射した光の量、つまり受光量に応じた電荷を生成するものであり、(【0042】) (j)電荷電圧変換部23は、転送部22を介して光電変換部21から供給された電荷を蓄積するとともに、蓄積している電荷の一部または全部を所定の変換効率で信号量を示す電圧信号へと変換し、信号比較器24に供給するものであり、(【0043】) (k)信号比較器24は、外部から供給された参照信号と、電荷電圧変換部23から供給された電圧信号とを比較し、その比較結果を出力するものであり、(【0044】) (l)AD変換時には時間とともにスロープ状に電圧値が変化する信号が参照信号として信号比較器24に供給され、(【0052】) (m)信号比較器24の出力側に記憶部91を設け、外部のカウンタから各画素61へと配信されるカウント信号を記憶部にてラッチすることでAD変換を実現し、(【0053】、【0054】) (n)記憶部91は、例えばMbitのメモリなどからなり、信号比較器24の出力側の端子、および出力信号線92に接続されており、(【0055】) (n1)記憶部91は、信号比較器24から供給された比較結果に基づいて、出力信号線92を介して外部から供給されたカウント信号をラッチする(取り込む)ものであり、このとき記憶部91が一時的に保持しているカウント信号、つまりラッチされたカウント信号が、電荷電圧変換部23の信号量を示す電圧信号をAD変換して得られた値となっており、(【0055】) (n2)記憶部91は、行方向に並ぶ複数の画素61からなる画素行を選択するための制御信号WORDにより、記憶部91が設けられている画素61が選択されると、記憶(保持)している値を、電荷電圧変換部23から出力された電圧信号をAD変換して得られた出力電圧信号として、出力信号線92に出力するものであり、(【0056】) (k1)信号比較器24に対応する信号比較器162は、初段に設けられた差動増幅器181、2段目に設けられたPFB(Positive Feedback)回路182、および出力側に設けられたインバータ183から構成され、(【0076】、【0093】) (k2)電荷電圧変換部176で得られる電圧信号が参照信号REFよりも高い(大きい)場合には、低レベルの電圧信号VCOがインバータ183から出力され、電荷電圧変換部176で得られる電圧信号が参照信号REFよりも低い(小さい)場合には、高レベルの電圧信号VCOがインバータ183から出力され、(【0109】) (n3)記憶部91に対応する記憶部164を構成するD-Latch回路は、トランジスタ221、トランジスタ222、およびトランジスタ223を備えており、(【0076】、【0120】) (n4)トランジスタ221のソース/ドレイン領域と、トランジスタ222のゲート電極との間には、出力信号線92を介してカウンタ122からカウント信号が供給される寄生容量C12があり、(【0121】、【0122】) (n5)各D-Latch回路の寄生容量C12に電荷として保持されているカウント信号からなる信号は、AD変換後の信号レベルとなっており、(【0123】) (o)固体撮像素子51の動作は、(【0126】) (o1)初期化が終了すると、参照信号供給部123は参照信号REFとしてスロープを供給し、カウンタ122は出力信号線92を介してカウント信号BITXnを供給し、(【0172】) (o2)信号レベルの取得開始直後においては、参照信号REFが電圧FDよりも高い(大きい)ので電圧信号VCOは高レベルとなっているため、トランジスタ221がオンされた状態となり、カウント信号BITXnが順次、トランジスタ221を介して寄生容量C12に供給され、(【0174】) (o3)その後、参照信号REFが電圧FDよりも低く(小さく)なって電圧信号VCOが、高レベルから低レベルに反転すると、トランジスタ221がオフされてカウント信号BITXnが寄生容量C12に供給されない状態となり、このとき各D-Latch回路の寄生容量C12に保持されているカウント信号BITXnに対応する電荷(電圧)がAD変換された信号レベルとなっており、つまり、信号レベルを示すアナログ信号(アナログ値)である電圧FDの電圧信号が、デジタル信号(デジタル値)に変換されたことになり、(【0175】) (o4)そして制御信号WORDが高レベルとされて画素131が行単位で選択されると、トランジスタ223がオンされて寄生容量C12に保持されている信号レベルが読み出され、すなわち、出力信号線92を介して読み出し回路125によって信号レベルが読み出され、信号処理部126に供給され、そして読み出された信号レベルは信号処理部126内のフレームメモリに記憶される(【0177】、【0178】) ことを含む (a)固体撮像素子51。 (3)本件補正発明と引用発明の対比 本件補正発明と引用発明を対比する。 引用発明の「画素131が行列状に複数配置されている画素アレイ部121」「が設けられている固体撮像素子51」(構成a)は、画素131からAD変換された信号が読み出される(構成g)ものであるから、本件補正発明の「複数の画素を備えるデジタル画素画像センサ」に相当する。 引用発明の画素131に設けられている「光電変換部21」(構成i)は、フォトダイオードからなり、撮像対象から入射した光を光電変換することで、入射した光の量、つまり受光量に応じた電荷を生成するものであるから、本件補正発明の各画素が備える「光信号に応答して電荷を生成するように構成されたフォトダイオード」に相当する。 引用発明の画素131に設けられている「電荷電圧変換部23」(構成j)は、光電変換部21(フォトダイオード)から供給された電荷を蓄積するとともに、蓄積している電荷を所定の変換効率で信号量を示す電圧信号へと変換するものであるから、本件補正発明の各画素が備える「前記フォトダイオードによって生成された前記電荷を貯蔵するように構成された電荷貯蔵デバイスであって、貯蔵された前記電荷により電圧信号が前記電荷貯蔵デバイスに生じる、電荷貯蔵デバイス」に相当する。 引用発明の画素131に設けられている「記憶部91」(構成n)は、電荷電圧変換部23の信号量を示す電圧信号をAD変換して得られた値となっているカウント信号を保持する(構成n1)ものであるから、本件補正発明の各画素が備える「画素メモリ」に相当する。 また、引用発明の「出力信号線92」(構成b)は、列(垂直方向)に並ぶ複数の画素131が接続されるものであるから、本件補正発明の「列ラインの出力バス」に相当する。 そして、引用発明の記憶部164(構成n3により記憶部91に対応する。)は、制御信号WORDが高レベルとされて画素131が行単位で選択されると、トランジスタ223がオンされて寄生容量C12に保持されている信号レベルが読み出される(構成o4)から、本件補正発明と引用発明は、「前記画素メモリは、当該画素メモリ内の保存データを、列ラインの出力バスを介して読み出すために、当該保存データを前記列ラインの出力バスへと読み出す手段を備える」点で共通する。 しかしながら、前記画素メモリ内の保存データを読み出す先が、本件補正発明では「デジタル画像フレームを記憶するためのラインメモリ」であるのに対し、引用発明では、「デジタル画像フレームを記憶するためのラインメモリ」であることが特定されていない点で、両者は相違する。 引用発明の「信号比較器24(信号比較器162)」(構成k、構成k1)は、外部から供給された参照信号と、電荷電圧変換部23から供給された電圧信号とを比較し、その比較結果を出力するものであり、時間とともにスロープ状に電圧値が変化する信号が参照信号として供給され(構成l)、電圧信号が参照信号よりも高い(大きい)場合には、低レベルの電圧信号VCOが出力側に設けられたインバータ183から出力され、電圧信号が参照信号よりも低い(小さい)場合には、高レベルの電圧信号VCOが出力側に設けられたインバータ183から出力される(構成k2)ものである。 ここで、引用発明の「参照信号」は、時間とともにスロープ状に電圧値が変化する信号であるから、本件補正発明の「ランプ信号」に相当するものである。さらに、引用発明は、初期化終了後に前記参照信号REFとしてスロープを供給する際に、カウンタ122がカウント信号BITXnを供給する(構成o1)ものであり、カウンタのカウント信号はクロック信号に基づき生成されるものであるから、引用発明の、時間とともにスロープ状に電圧値が変化する信号である「参照信号」は、「前記ランプ信号の電圧レベルがクロック信号の各サイクル後に増加または低下し」ているものといえる。 また、引用発明の「電荷電圧変換部23から供給された電圧信号」は、本件補正発明の「前記電圧信号」に相当する。 そして、引用発明の「信号比較器24(信号比較器162)」は、時間とともにスロープ状に電圧値が変化する参照信号と電圧信号との大小関係が逆転した際に、出力側に設けられたインバータ183から出力される電圧信号VCOのレベルが変化する(構成o1~構成o3)ものであるから、参照信号(本件補正発明でいう「ランプ信号」)の電圧レベルが電荷電圧変換部23から供給された電圧信号(本件補正発明でいう「電圧信号」)の電圧レベルに達した後に信号比較器24(信号比較器162)(本件補正発明でいう「比較器」)の出力状態を変化させるように構成されたものといえる。 以上から、引用発明は、本件補正発明の「比較器であって、ランプ信号および前記電圧信号を受け取るように構成され、前記ランプ信号の電圧レベルがクロック信号の各サイクル後に増加または低下し、さらに、前記ランプ信号の前記電圧レベルが前記電圧信号の電圧レベルに達した後に前記比較器の出力状態を変化させるように構成された比較器」に相当する構成を備えるものといえる。 引用発明の「記憶部91(記憶部164)」は、信号比較器24から供給された比較結果に基づいて、出力信号線92を介して外部から供給されたカウント信号をラッチする(取り込む)構成(構成n1)を備えるものであり、信号比較器24(信号比較器162)から出力される電圧信号VCOが低レベルから高レベルに変化したことを受けて、初期化終了後から順次、寄生容量C12に供給されていたカウント信号BITXnが、トランジスタ221がオフされて寄生容量C12に供給されない状態となり、このときの寄生容量C12に(供給されて)保持されているカウント信号BITXnに対応する電荷(電圧)がAD変換された信号レベルとなっている(構成o1~構成o3)から、当該「保持されているカウント信号BITXn」は、本件補正発明の「前記ランプ信号が開始したときの時間と、前記比較器の前記出力状態が変化したときの時間との間の前記クロック信号の総サイクル数に対応する第1の数」であって「前記電圧信号の前記電圧レベルのデジタル値に対応する」ものに相当し、引用発明の「記憶部91(記憶部164)」は、本件補正発明の「デジタル出力生成回路であって、前記比較器の出力状態が変化したときに、前記ランプ信号が開始したときの時間と、前記比較器の前記出力状態が変化したときの時間との間の前記クロック信号の総サイクル数に対応する第1の数を受け取るように、かつ前記第1の数を前記画素メモリに保存するように構成され、前記第1の数が前記電圧信号の前記電圧レベルのデジタル値に対応する、デジタル出力生成回路」に相当する構成を備えるものといえる。 引用発明の上記「信号比較器24(信号比較器162)」及び「記憶部91(記憶部164)」からなる構成は、比較器とデジタル出力生成回路とを備え、AD変換を行う「デジタイザ」といえるものである点で、本件補正発明と共通する。 以上から、本件補正発明と引用発明との一致点、相違点は次のとおりである。 〔一致点〕 複数の画素を備えるデジタル画素画像センサであって、各画素は、 光信号に応答して電荷を生成するように構成されたフォトダイオードと、 前記フォトダイオードによって生成された前記電荷を貯蔵するように構成された電荷貯蔵デバイスであって、貯蔵された前記電荷により電圧信号が前記電荷貯蔵デバイスに生じる、電荷貯蔵デバイスと、 画素メモリと、 デジタイザとを備え、前記デジタイザは、 比較器であって、 ランプ信号および前記電圧信号を受け取るように構成され、前記ランプ信号の電圧レベルがクロック信号の各サイクル後に増加または低下し、さらに、 前記ランプ信号の前記電圧レベルが前記電圧信号の電圧レベルに達した後に前記比較器の出力状態を変化させるように構成された比較器と、 デジタル出力生成回路であって、前記比較器の出力状態が変化したときに、 前記ランプ信号が開始したときの時間と、前記比較器の前記出力状態が変化したときの時間との間の前記クロック信号の総サイクル数に対応する第1の数を受け取るように、かつ 前記第1の数を前記画素メモリに保存するように構成され、前記第1の数が前記電圧信号の前記電圧レベルのデジタル値に対応する、デジタル出力生成回路と を備え、 前記画素メモリは、当該画素メモリ内の保存データを、列ラインの出力バスを介して読み出すために、当該保存データを前記列ラインの出力バスへと読み出す手段を備える、デジタル画素画像センサ。 〔相違点〕 前記画素メモリ内の保存データを読み出す先が、本件補正発明では「デジタル画像フレームを記憶するためのラインメモリ」であるのに対し、引用発明では、「デジタル画像フレームを記憶するためのラインメモリ」であることが特定されていない点。 (4)相違点についての判断 上記相違点について検討する。 引用発明は、出力信号線92を介して読み出し回路125によって画素131の信号レベルが読み出され、信号処理部126に供給され、そして読み出された信号レベルは信号処理部126内のフレームメモリに記憶されるものである。 ここで、画素から信号処理部に信号レベルを供給する際に、ラインメモリを介して順次転送することは、特開2013-55581号公報(【0033】~【0036】、図3等)にも記載されているように、画像センサの分野において周知の技術である。 引用発明においては、画素131から信号処理部126に信号レベルを供給する読み出し回路125について具体的構成が特定されていないところ、当該画素131から信号処理部126に信号レベルを供給するための構成として上記周知技術の構成を採ることは、当業者であれば容易に想到しうることである。 したがって、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (5)小括 以上のとおり、本件補正発明は、引用発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものである。 3 本件補正についてのむすび よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 令和4年11月18日にされた手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和4年3月22日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~20に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、上記第2の[理由]1に示した〔本件補正前の請求項1〕に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 本願発明に対する原査定の拒絶の理由は、概略、次のとおりである。 (新規性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定に該当し、特許を受けることができない。 (進歩性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1:特開2016-92661号公報 3 引用文献 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及びその記載事項は、上記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、上記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「画素メモリ」について、「前記画素メモリは、当該画素メモリ内の保存データを、列ラインの出力バスを介してデジタル画像フレームを記憶するためのラインメモリに読み出すために、当該保存データを前記列ラインの出力バスへと読み出す手段を備える」との限定事項を削除したものである。 ところで、上記第2の[理由]2(3)の本件補正発明と引用発明との対比において示したとおり、本件補正発明と引用発明とは、本件補正発明の前記画素メモリ内の保存データを読み出す先が、本件補正発明では「デジタル画像フレームを記憶するためのラインメモリ」であるのに対し、引用発明では、「デジタル画像フレームを記憶するためのラインメモリ」であることが特定されていない点で相違し、その余の構成は一致する。 そうすると、相違点に係る本件補正発明の構成は、上記削除された限定事項におけるものであるから、本願発明と引用発明との間には差異はなく、本願発明は引用文献1に記載された発明であるといえる。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 したがって、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-018619

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