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特許拒絶査定不服審判

2022-018014

冷蔵庫

審判番号
2022-018014
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-230803外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年11月09日
審決日
2023年08月04日
公報発行日
2023年09月29日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (F25D)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018-230803「冷蔵庫」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 6月18日出願公開、特開2020- 94702、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 14項目
理 由

第1 手続の経緯

本願は、平成30年12月10日の出願であって、その手続の経緯は、以下のとおりのものである。

令和4年 6月27日付け 拒絶理由通知

令和4年 8月25日 意見書、手続補正書の提出

令和4年10月 3日付け 拒絶査定

令和4年11月 9日 審判請求書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要

原査定の概要は次のとおりである。

(進歩性)この出願の請求項1~6に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記

<引用文献等一覧>

1.特開2013-238345号公報

2.特開2015-28760号公報

3.韓国公開特許第10-2010-0042104号公報

第3 本願発明

本願の請求項1~6に係る発明(以下、「本願発明1」~「本願発明6」という。)は、令和4年11月9日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~6に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。

「【請求項1】
冷蔵庫本体と、
前記冷蔵庫本体の運転を制御する制御部と、
前記冷蔵庫本体の運転制御の情報を外部の情報端末へ通信回線を介して送信する送信部と、
続きを表示(全20行)
前記情報端末から前記冷蔵庫本体の運転を遠隔操作するための操作情報を受信する受信部とを備え、
前記冷蔵庫本体の運転に異常が発生したときに、発生した異常が、冷凍サイクルの冷却能力が通常よりも低下するエラーである重要エラーであったときには、前記情報端末による遠隔操作を禁止し、発生した異常が上記重要エラー以外の異常であったときには、前記情報端末による遠隔操作を許容するように構成され、
前記重要エラー以外の異常が重ねて発生したときには、重ねて発生した前記重要エラー以外の異常の組み合わせに基づき前記重要エラーが発生したとみなすか否かを判断し、前記重要エラーが発生したとみなすと判断した場合に、前記情報端末による遠隔操作を禁止する制御、
および、
発生した前記重要エラー以外の異常の内容に応じて、複数の遠隔操作の中の一部の遠隔操作を不可とし、残りの遠隔操作を可能とする制御、
のうち少なくとも何れか一方の制御を実行可能である冷蔵庫。
【請求項2】
前記冷蔵庫本体の運転に前記重要エラーの異常が発生し、前記重要エラーの情報が前記情報端末に送信され、前記情報端末に前記重要エラーの情報が表示されたときには、前記重要エラーが解除されるまで、前記重要エラーの情報の表示が続けられるように構成された請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記冷蔵庫本体の運転に前記重要エラー以外の異常が発生し、前記重要エラー以外の異常の情報が前記情報端末に送信され、前記情報端末に前記重要エラー以外の異常の情報が表示されたときには、前記重要エラー以外の異常が解除されるまで、前記重要エラー以外の異常の情報の表示が続けられるように構成された請求項1または2記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記冷蔵庫本体の運転に異常が発生し、前記異常の情報が前記情報端末に送信され、前記情報端末に前記異常の情報が表示された後において、前記冷蔵庫本体の運転に他の異常が発生したときに、他の異常の情報を前記情報端末に送信し、前記情報端末において前記他の異常の情報を受信可能なように構成された請求項1から3のいずれか一項記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記冷蔵庫本体の運転に異常が発生したときに、前記異常の情報を前記情報端末において受信するか否かを設定可能なように構成された請求項1から4のいずれか一項記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記冷蔵庫本体の運転に前記重要エラーの異常またはそれ以外の異常が発生したときに、前記情報端末において、前記重要エラーの情報またはそれ以外の異常の情報を受信するか否かをそれぞれ設定可能なように構成された請求項5記載の冷蔵庫。」

第4 引用文献

1 引用文献1

原査定に引用された引用文献1(特開2013-238345号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、理解の一助のために当審が付与した。以下同様。)。

(1)引用文献1の記載

ア「【0028】

図において、1は冷蔵庫本体で、図2に示すように複数の貯蔵室2,3,4,5,6を備えている。この各貯蔵室は上から冷蔵室2、製氷室3及びその製氷室3の側方に位置する切換室4(冷凍室温度約―18℃から野菜室温度約6℃まで切替え可能)、冷凍室5、野菜室6となっている。なお、そのレイアウトは必要に応じて適宜設定されるものである。」

イ「【0035】

上記無線送受信部21は携帯電話、スマートフォンやPDA等の携帯端末22とデータの送受信を行うもので、例えば扉開閉回数あるいは扉開成累計時間等のデータを携帯端末22に出力送信し、逆にインターネット通信経由で携帯端末22に送られてくる設定温度等のデータを携帯端末22から無線送受信部21が受信するようになっていて、簡易型の家電機器サービスシステムを構成している。」

ウ「【0043】

32は冷蔵庫の動作を制御する制御部で、無線送受信部21がデータ要求信号を受信すると情報記憶部28からの扉開閉回数及び扉開閉累計時間データ、前日情報記憶部30からの前日データを取り込んで無線送受信部21に送信させるとともに、前記無線送受信部21が携帯端末22から制御データを受信した際にはその制御データに基づいて冷蔵庫の制御内容、例えば冷却の設定温度を変更するように制御するものである。更にこの制御部32は上記携帯端末22へデータを送信しているときは前記報知部31を動作させて点灯させ、データ送信を完了すれば消灯させるようになっている。加えて、その逆、すなわち携帯端末22からの制御データを無線送受信部21で受信しているときは報知部31を点灯させ、受信完了すると消灯させるようになっている。」

エ「【0064】

更にこの冷蔵庫は冷蔵庫の異常検出部30Aを備えており、前記異常検出部30Aが異常を検出しているとき制御部32は携帯端末から制御データを受信しても前記した如く制御内容の変更を行わない構成としてある。

【0065】

これにより、冷蔵庫に異常、例えば扉パッキンの損傷により庫内温度が何時まで経っても設定温度に達せず圧縮機が運転状態を続けているような異常時に、扉の開閉が少ないということで設定温度を低目に変更して圧縮機をより大能力で運転させ続け、電力を無駄に浪費させてしまうような障害発生を未然に防止することができる。」

オ「【図5】

[図:0001401437000001.jpg]

」

(2)引用発明

上記(1)を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

[引用発明]

「冷蔵庫本体1と、
冷蔵庫本体1の動作を制御する制御部32と、
冷蔵庫本体1の扉開閉回数あるいは扉開閉累計時間等のデータを携帯端末22に出力送信するとともに、携帯端末22から冷蔵庫の制御データを受信する無線送受信部21とを備え、
冷蔵庫の異常検出部30Aが異常を検出しているとき制御部32は携帯端末から制御データを受信しても制御内容の変更を行わない冷蔵庫。」

2 引用文献2

原査定に引用された引用文献2(特開2015-28760号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。

(1)引用文献2の記載

ア「【0067】

サーバ5は、図20に示すように、冷蔵庫7に関するエラー情報テーブルを有している。エラー情報テーブルは、区分、危険度、エラーコード、及びエラー内容から構成されている。なお、以下の説明において、故障とは、冷蔵庫7を構成する機器に機械的又は電気的に何らかの不具合が生じ、冷蔵庫7を正常に運転することが困難で修理が必要な状態をいう。また、エラーとは、正常な状態とは異なる状態であることを示し、上記の故障のみならず、ユーザーが簡単な復旧作業を行うことで回復可能な場合も含む。

【0068】

区分は、ユーザーに対してどのような報知を行うかを示すもので、「注意喚起」と「重度故障」がある。「注意喚起」は、ユーザーに対して、注意を呼びかける場合を示す。「重度故障」は、ユーザーに対して、重度の故障が生じたことを報知する場合を示す。危険度は、冷蔵庫7に生じているエラーの程度を示すもので、将来的に冷蔵庫7に故障が生じる可能性の高低を示している。なお、この場合、報知とは、表示や音などを用いてユーザーの視覚や聴覚などの五感に訴えることをいう。すなわち、本実施形態において報知とは、パーソナルコンピュータ1の液晶表示器1bや高機能携帯電話6の液晶表示器6aの表示領域24に情報を表示させることに限られない。例えば、パーソナルコンピュータ1や高機能携帯電話6が備える発音装置を用いて、特定の音声を発生させることも含まれる。」

イ「【0072】

サーバ5は、冷蔵庫7の通信制御回路23からエラーコードを受信すると、特定のアドバイス表示処理を実行し、パーソナルコンピュータ1の液晶表示器1b又は高機能携帯電話6の液晶表示器6aに対して、故障予測情報を含む特定のアドバイスを表示する。ここで、通信制御回路23の電源が遮断されている場合、サーバ5から冷蔵庫7に問い合わせがあっても、冷蔵庫7は応答することができない。この場合、サーバ5は、今回問い合わせる以前に得たエラーコード、例えば直近に得たエラーコードを用いて、特定のアドバイス表示処理を実行する構成としても良い。」

ウ「【0074】

次に、サーバ5は、ステップS22において、冷蔵庫7の通信制御回路23から受信したエラーコードに基づいて、冷蔵庫7の現在の危険度を検出し、ステップS23においてその危険度が軽度であるか否かを判断する。サーバ5は、危険度が軽度であると判断すると(ステップS23でYES)、ステップS24へ移行してエラーフラグFを「1」に設定した後、ステップS25へ移行して軽度用アドバイス表示処理を実行する。サーバ5は、軽度用アドバイス表示処理を実行すると、図22に示すステップS41において、パーソナルコンピュータ1に対し、軽度用の特定のアドバイス(以下、軽度用アドバイスと称する)を表示するように指令する。」

エ「【0077】

サーバ5は、危険度が中度であると判断すると(ステップS26でYES)、ステップS27へ移行してエラーフラグFを「2」に設定した後、ステップS28へ移行して中度用アドバイス表示処理を実行する。サーバ5は、中度用アドバイス表示処理を実行すると、図23に示すステップS51において、パーソナルコンピュータ1に対し、中度用の特定のアドバイス(以下、中度用アドバイスと称する)を表示するように指令する。」

オ「【0093】

一方、サーバ5は、図24のステップS64において、キャンセルキー88が操作されたことを検出すると(ステップS64でYES)、他のエラーの有無を判断するため、図21のステップS29へ移行する。サーバ5は、ステップS29において、危険度が重度であるか否かを判断する。サーバ5は、危険度が重度でないと判断すると(ステップS29でNO)、ステップS32へ移行する。一方、サーバ5は、危険度が重度であると判断すると(ステップS29でYES)、ステップS30へ移行してエラーフラグFを「3」に設定した後、ステップS31へ移行して重度用アドバイス表示処理を実行する。サーバ5は、重度用アドバイス表示処理を実行すると、図26に示すステップS81において、パーソナルコンピュータ1に対し、重度用の特定のアドバイス(以下、重度用アドバイスと称する)を表示するよう指令する。」

カ「【図21】

[図:0001401437000002.jpg]

」

(2)引用文献2に記載の事項

上記(1)の記載を総合すると、引用文献2には、以下の事項(以下、「引用文献2記載事項」という。)が記載されている。

[引用文献2記載事項]

「サーバ5は、冷蔵庫に関するエラー情報テーブルを有し、冷蔵庫7からのエラーコードを受信すると、冷蔵庫7の現在のエラーの程度である危険度を判断し、その危険度が軽度、中度、重度のいずれであるかに応じて、軽度用、中度用又は重度用の特定のアドバイスを高機能携帯電話6の液晶表示器6aに表示させること。」

3 引用文献3

原査定に引用された引用文献3(韓国公開特許第10-2010-0042104号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている(( )内は当審訳を示す。)。

(1)引用文献3の記載

ア「

[図:0001401437000003.jpg]

」

(技術分野

[0001] 本発明は、異常発生時に致命度に応じて故障群を分類し、運転信号受信時に分類された故障群に応じて異なる非常運転を行い、無条件の運転停止を防止することにより、頻繁な運転停止を防止し、使いやすさがある、改良されたヒートポンプ連動温水循環システムに関する。)

イ「

[図:0001401437000004.jpg]

」

([0070]前記故障群に対して詳細に見ると、前記故障群はシステムに対する致命度によってその他故障群、軽故障群、重故障群及び致命的故障群で分類される。

[0071]すなわち、前記その他故障群には前記給湯温度センサー(TH6)、補助ヒーター(344)及び下で説明するようになる蓄熱槽温度センサー(TH7)に以上発生した場合が該当する。

[0072]前記軽故障群には室外機サイクル(cycle)に致命的な危険が加えられない故障で入手温度センサー(TH4)、出水温度センサー(TH3)、ヒーター出水温度センサー(TH5)が該当する。

[0073]前記重故障群には室外機サイクル(cycle)に致命的な危険になりうる故障で圧縮機吐出圧力センサー(212)、圧縮機吐出温度センサー(214)及び熱交換器温度センサー(232)が該当する。

[0074] 前記致命的故障群にはコントロールパネル通信エラー、室外機通信エラー、フロースイッチエラー、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)エラー及び3個以上のセンサーが同時に異常状態を示す複合エラーが含まれる。)

ウ「

[図:0001401437000005.jpg]

」

([0121] 一方、前記システム停止段階(S400)と入力待機段階(S500)の間には、その他故障群、軽故障群、重故障群に該当するエラーが設定回数以上繰り返しの時に軽故障群、重故障群、致命的故障群で故障群を補正する故障群補正段階(S450)が設けられる。

[0122] 前記故障群補正段階(S450)は、いずれかの故障群に属するエラーが連続的に発生する時にシステム(1)に致命的な故障を誘発するので、これを防止するためである。

[0123] このため、その他故障群、軽故障群、重故障群に該当するエラーが補正されるための設定回収はそれぞれ5回、5回、3回に設定した。

[0124] 例えば、前記軽故障群に属する入手温度センサー(TH4)に異常発生回数が5回以上になると、ユーザーによって軽故障非常運転で運転しても重故障群で分類されて運転停止状態となる。)

エ 上記ウの記載より、ある故障群に属するエラーが設定回数以上繰り返し発生した場合、当該故障群を高い致命度の故障群に補正することが理解できる。

(2)引用文献3記載事項

上記(1)の記載を総合すると、引用文献3には、以下の事項(以下、「引用文献3記載事項」という。)が記載されている。

[引用文献3記載事項]

「ヒートポンプ連動温水循環システムにおいて、3個以上のセンサーが同時に異常状態を示す複合エラーを致命的故障群とすること、及び、ある故障群に属するエラーが設定回数以上繰り返し発生した場合、当該故障群をより高い致命度の故障群に補正すること。」

第5 対比・判断

1 本願発明1について

本願発明1と引用発明とを対比する。

引用発明の「冷蔵庫本体1」、「制御部32」は、それぞれ本願発明1の「冷蔵庫本体」、「制御部」に相当し、引用発明の「冷蔵庫本体1の動作を制御する制御部32」は、本願発明1の「前記冷蔵庫本体の運転を制御する制御部」に相当する。

引用発明の「冷蔵庫本体1の扉開閉回数あるいは扉開閉累計時間等のデータ」、「携帯端末22」は、それぞれ本願発明1の「前記冷蔵庫本体の運転制御の情報」、「外部の情報端末」に相当し、引用発明の「冷蔵庫本体1の扉開閉回数あるいは扉開閉累計時間等のデータを携帯端末22に出力送信する」「無線送受信部21」は、本願発明の「前記冷蔵庫本体の運転制御の情報を外部の情報端末へ通信回線を介して送信する送信部」に相当する。

引用発明の「冷蔵庫の制御データ」は、本願発明1の「前記冷蔵庫本体の運転を遠隔操作するための操作情報」に相当し、引用発明の「携帯端末22から冷蔵庫の制御データを受信する無線送受信部21」は、本願発明1の「携帯端末22から冷蔵庫の制御データを受信する無線送受信部21」に相当する。

したがって、両者の一致点、相違点は、以下のとおりである。

[一致点]

「冷蔵庫本体と、
前記冷蔵庫本体の運転を制御する制御部と、
前記冷蔵庫本体の運転制御の情報を外部の情報端末へ通信回線を介して送信する送信部と、
前記情報端末から前記冷蔵庫本体の運転を遠隔操作するための操作情報を受信する受信部とを備える冷蔵庫。」

[相違点]

本願発明1は、「前記冷蔵庫本体の運転に異常が発生したときに、発生した異常が、冷凍サイクルの冷却能力が通常よりも低下するエラーである重要エラーであったときには、前記情報端末による遠隔操作を禁止し、発生した異常が上記重要エラー以外の異常であったときには、前記情報端末による遠隔操作を許容するように構成され、

前記重要エラー以外の異常が重ねて発生したときには、重ねて発生した前記重要エラー以外の異常の組み合わせに基づき前記重要エラーが発生したとみなすか否かを判断し、前記重要エラーが発生したとみなすと判断した場合に、前記情報端末による遠隔操作を禁止する制御、

および、

発生した前記重要エラー以外の異常の内容に応じて、複数の遠隔操作の中の一部の遠隔操作を不可とし、残りの遠隔操作を可能とする制御、

のうち少なくとも何れか一方の制御を実行可能である」のに対して、

引用発明は、「冷蔵庫の異常検出部30Aが異常を検出しているとき制御部32は携帯端末から制御データを受信しても制御内容の変更を行わない」点。

以下、相違点について検討する。

引用発明は、冷蔵庫の異常を「重要エラー」であるか「重要エラー以外の異常」であるかの区別をしておらず、異常を検出すると一律に制御内容の変更を行わないものである。

一方、引用文献2記載事項は、冷蔵庫の危険度に応じたアドバイスを携帯電話に表示させるに過ぎず、引用文献3記載事項は、ヒートポンプ連動温水循環システムにおいて、複数の異常状態を示す複合エラーをまとめて致命的故障群とし、及び、エラーが繰り返し発生した場合により高い致命度の故障群に補正するに過ぎないものであり、引用文献1~3のいずれも、「発生した異常が上記重要エラー以外の異常であったときには、前記情報端末による遠隔操作を許容する」点を記載も示唆もしていない。

したがって、たとえ引用発明に引用文献2記載事項及び引用文献3記載事項を適用したとしても、「発生した異常が上記重要エラー以外の異常であったときには、前記情報端末による遠隔操作を許容する」点を当業者が想到し得たということはできない。

よって、本願発明1は、引用発明及び引用文献2、3記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない

2 本願発明2~6について

本願発明2~6は、本願発明1の発明特定事項を全て含むから、本願発明1について検討した理由と同様の理由により、引用発明及び引用文献2、3に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

第6 むすび

以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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2022-018014

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