商標拒絶査定不服審判
2022-017748
デイケン、ケン
- 審判番号
- 2022-017748
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-005080
- 請求日
- 2022年11月07日
- 審決日
- 2024年01月11日
- 公報発行日
- 2024年04月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】山下 壱平
- 【請求人代理人】上野 大輔
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 渡邉 あおい
- 審判官 茂木 祐輔
- 分類
- T18 .261-Z (W41) / T18 .262-Z (W41) / T18 .263-Z (W41)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-5080拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,小型無人機に関する知識及び技能の教授,小型無人機に関する技能審査試験の実施,小型無人機に関する資格の認定,セミナーの企画・運営又は開催,小型無人機に関するセミナーの企画・運営・開催,電子出版物の提供,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作,スポーツの興行の企画・運営又は開催,小型無人機に関する興行の企画・運営又は開催,小型無人機を使用した競技に関する情報の提供,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),運動施設の提供,娯楽施設の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,運動用具の貸与,おもちゃの貸与,写真の撮影」を指定役務として、令和4年1月19日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年6月29日付けで拒絶理由の通知がされ、同年7月13日に意見書が提出されたが、同年8月22日付けで拒絶査定がなされ、これに対し同年11月7日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6021868号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成29年6月15日に登録出願、第41類「検定試験の企画・運営又は実施,資格付与のための資格試験の実施及び資格の認定・資格の付与,資格取得に関する知識の教授,技芸・スポーツ又は知識の教授,資格相談会・受験相談会・講演会・シンポジウム又はセミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,教育・文化用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」を指定役務として、同30年2月23日に設定登録されたものであり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、手裏剣様の十字型図形と、当該十字型図形のそれぞれの先端部分に中心が来るように配置された4つの円よりなる図形(以下「図形部分」という。)を上段に、太く大きな字体で表された「D検」の文字(以下「文字部分」という。)を下段に配してなるものである。
そして、図形部分は、4等分された、青色、緑色、黄色、桃色の4色の色彩によって構成されるものであるのに対し、文字部分は、黒色のみで構成されていており、色彩構成が異なることものであることに加え、図形部分と文字部分は一定の空白を開けて配されていることから、図形部分と文字部分とは、視覚上分離して看取し得るものである。
さらに、図形部分は、一見して何を表しているか定かではないといえるものであり、また、文字部分は辞書等に載録がないことに加え、特定の意味合いを表しているとみるべき事情も見当たらないものである。してみれば、図形部分と文字部分は観念上の繋がりも見いだせないものである。加えて、図形部分と文字部分が、本願の指定役務との関係において、役務の質や特徴等を表すとみるべき特段の事情も見当たらない。
そうすると、本願商標において、図形部分と文字部分は、それぞれが自他役務の識別標識として機能し得るといえるものであることに加え、文字が本来的に強い訴求力を有することをも考慮すれば、太く大きな字体で表された「D検」の文字部分が、取引者、需要者に対して強く注意を引き、印象、記憶に残りやすい部分といえる。
そうすると、本願商標の構成中、「D検」の文字部分が、取引者、需要者に対して、自他役務の識別標識として強く支配的な印象を与えるといえるから、当該文字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較して、その類否を判断することが許されるというべきである。
したがって、本願商標からは、「D検」の文字部分に相応した「ディーケン」の称呼が生じる。また、本願商標から、特定の観念は生じない。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、緑色の「D」の文字と青色の「検」の文字を、コの字型の青色線で覆うようにして配してなるところ、コの字型の青色線は、Dの左側縦線部分と合わせて長方形枠線を構成するように配置されていることから、引用商標は、全体として、「D検」の文字を長方形枠線で囲んでなるものと看取し得るものである。
そして、上記長方形枠線は、「D検」の文字部分と一部が接してはいるものの、「D検」の文字を強調するために配された装飾的なものとみるのが相当であるから、当該枠線部分から出所識別標識としての称呼や観念は生じないというべきである。
そうすると、引用商標は、長方形枠線によって囲まれて強調された「D検」の文字部分が、取引者、需要者に対して、自他役務の識別標識として強く支配的な印象を与えるといえるから、当該文字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較して、その類否を判断することが許されるというべきである。
したがって、引用商標からは、「D検」の文字部分に相応した「ディーケン」の称呼が生じる。また、引用商標から、特定の観念は生じない。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標の要部と引用商標の要部の類否を検討するに、外観については、両者は、ともに「D検」のつづりを共通にするものであって、取引者、需要者に同一の出所表示と認識させるおそれがあるというべきものであるから、本願商標と引用商標は、外観において類似するものである。
次に、称呼については、本願商標と引用商標は、「ディーケン」の称呼を共通にするものである。
さらに、観念については、本願商標と引用商標は、いずれも特定の観念を有しないものであるから、比較することができない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、両商標の要部の比較においては、外観において類似し、称呼を共通にするものであることから、本願商標と引用商標の外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、役務の出所について誤認混同を生ずるおそれがある類似の商標と判断するのが相当である。
(4)本願商標の指定役務と引用商標の指定役務の類否について
本願商標の指定役務中、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,小型無人機に関する知識及び技能の教授,小型無人機に関する技能審査試験の実施,小型無人機に関する資格の認定,セミナーの企画・運営又は開催,小型無人機に関するセミナーの企画・運営・開催,電子出版物の提供,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作」は、引用商標の指定役務である第41類「検定試験の企画・運営又は実施,資格付与のための資格試験の実施及び資格の認定・資格の付与,資格取得に関する知識の教授,技芸・スポーツ又は知識の教授,資格相談会・受験相談会・講演会・シンポジウム又はセミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,教育・文化用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」と同一又は類似のものである。
(5)小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標の指定役務と同一又は類似の役務について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、不服2021-9848審判事件に係る審決を引用し、本願商標の文字部分は特徴的な書体で表されていることから、本願商標は分離観察が認められる場合ではないとともに、引用商標とは外観において顕著に異なる旨主張する。
しかしながら、上記1(1)のとおり、本願商標の文字部分と図形部分は、それぞれが自他役務の識別標識として機能し得る上、文字部分が要部として抽出し得るものであるとともに、上記1(3)のとおり、「D検」の文字のつづりを共通にする引用商標とは、外観において紛らわしいというべきである。
なお、請求人が引用した上記審決は、主に、出願商標構成中の長音符号(ー)が特殊な図形で表されたものであることから、出願商標が商標法第3条第1項第3号に該当しないと判断されたものであり、商標の構成や論点が大きく異なるものである。
(2)請求人は、請求人が行うドローンに関する検定と、引用商標の権利者が行う確定拠出年金に関する検定とは、業界や知識分野が大きく異なることから、将来的に需要者が重なることはなく、このような取引の実情の違いは、一般的、恒常的な事情であって、類否判断において考慮されるべきである旨主張する。
しかしながら、商標法第4条第1項第11号の商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引の実情(一般的、恒常的な実情)とは、当該商標の指定役務についてのものであり、請求人又は引用商標の権利者が現在実際に行っている事業についてのものではない。そして、例えば引用商標の指定役務には、内容や分野を限定しない「資格取得に関する知識の教授,技芸・スポーツ又は知識の教授」や「シンポジウム又はセミナーの企画・運営又は開催」のほか、「電子出版物の提供」、「図書及び記録の供覧」といった役務が含まれているから、請求人が主張するような業界に限定して判断する必要はないというべきである。
(3)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することはできない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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