特許拒絶査定不服審判
2022-017495
トリガー式液体噴出器
- 審判番号
- 2022-017495
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-184494外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年11月01日
- 審決日
- 2024年06月10日
- 公報発行日
- 2024年08月30日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (B05B)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2018-184494「トリガー式液体噴出器」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 4月 2日出願公開、特開2020- 49475〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成30年9月28日を出願日とする出願であって、令和3年10月29日付けで拒絶理由が通知され、令和4年1月4日に意見書及び手続補正書が提出され、同年同月31日付けで、再度拒絶理由が通知され、同年4月4日に意見書及び手続補正書が提出され、同年7月26日付けで拒絶査定がされ、同年11月1日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
第2 本願発明
本願の特許請求の範囲の請求項1及び2に係る発明は、令和4年4月4日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次の事項により特定されるものである。
「【請求項1】
液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、
前記噴出器本体の前方側に配設され、液体を前方に向けて噴出する噴出孔が形成されたノズル部材と、を備え、
前記噴出器本体は、
上下方向に延び、前記容器体内の液体を吸上げる縦供給筒部と、
前記縦供給筒部の前方に前方付勢状態で後方に移動可能に配設されたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への移動によって、液体を前記縦供給筒部内から前記噴出孔側に向けて流通させるトリガー機構と、を備えるトリガー式液体噴出器であって、
前記トリガー機構は、
前記トリガー部の移動に伴って前後に移動する主ピストンと、
前記主ピストンの移動に伴って内部が加圧および減圧し、かつ内部が連通部内を通じて前記縦供給筒部内に連通する主シリンダと、を備え、
前記噴出器本体は、
前記トリガー部の後方への移動によって、前記縦供給筒部内を通過した液体が内部に供給される貯留シリンダと、
前記貯留シリンダ内にその中心軸線に沿う軸方向に移動可能に配設され、前記貯留シリンダ内への液体の供給に伴って前記軸方向のうちの一方側に向けて移動するとともに、他方側に向けて付勢される貯留プランジャと、
前記主シリンダ内の加圧時に前記容器体内と前記連通部内との前記縦供給筒部内を通した連通を遮断し、かつ前記主シリンダ内の減圧時に前記容器体内と前記連通部内との前記縦供給筒部内を通した連通を許容する第1逆止弁と、
前記主シリンダ内の加圧時に前記貯留シリンダ内と前記連通部内との前記縦供給筒部内を通した連通を許容し、かつ前記主シリンダ内の減圧時に前記貯留シリンダ内と前記連通部内との前記縦供給筒部内を通した連通を遮断する第2逆止弁と、を備え、
前記ノズル部材は、前記貯留シリンダ内を通過して前記噴出孔に向けて流通する液体を発泡させる、または液体を前記噴出孔から噴出したときに発泡させる造泡部を備え、
前記造泡部は、先端開口が前記噴出孔とされ、かつ内側に外気を導入する外気導入孔が形成された造泡筒を備え、
前記ノズル部材は、前記造泡筒の内側に液体を霧状にして噴出する噴霧孔を有する噴霧部を備え、
前記外気導入孔は、前記造泡筒をその径方向に貫き、
前記外気導入孔の少なくとも一部は、前記噴霧孔より前方に位置し、
前記貯留シリンダは、前記軸方向の他方側の端部に位置する端壁部と、前記端壁部から前記軸方向の一方側に向けて延びるシリンダ筒と、を備え、
前記端壁部に、前記貯留シリンダ内と前記噴出孔とを連通する連通孔が形成され、
前記貯留プランジャは、前記連通孔を開放可能に閉塞している、トリガー式液体噴出器。」
第3 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由はおおむね次の理由を含むものである。
本願発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の文献に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
3.特開2017-213497号公報(主引用文献)
5.特開2017-213523号公報
6.特開2017-47350号公報
7.特開2015-63345号公報
(以下、順に「引用文献3」のようにいう。)
第4 当審の判断
1 引用文献3及び5ないし7に記載された事項等
(1)引用文献3に記載された事項等
ア 引用文献3に記載された事項
引用文献3には、「トリガー式液体噴出器」に関して、おおむね次の事項が記載されている。下線は当審において付したものである。図面については90度時計回りに回転している。
・「【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、
前記噴出器本体の前方側に配置され、液体を噴射する噴出孔が形成されたノズル部材と、を備え、
前記噴出器本体は、
上下方向に延在し、前記容器体内の液体を吸上げる縦供給筒部と、
前記縦供給筒部の前方に配設され、前記縦供給筒部内の液体を前記噴出孔に導く射出筒部と、
前記縦供給筒部の前方に前方付勢状態で後方に移動自在に配設されたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への移動によって、液体を前記縦供給筒部内から前記射出筒部内を通して前記噴出孔側に流通させるトリガー機構と、を備え、
前記縦供給筒部は、外筒と、前記外筒内に嵌合される内筒と、を備え、
前記トリガー機構は、
前記トリガー部の移動に連動して前後方向に移動する主ピストンと、
前記主ピストンの移動に伴って内部が加圧および減圧し、かつ内部が前記縦供給筒部内に連通した主シリンダと、を備えるトリガー式液体噴出器であって、
前記噴出器本体は、
前記縦供給筒部内に連通する供給孔および前記射出筒部内に連通する連通孔が形成され、前記トリガー部の後方への移動によって、前記縦供給筒部内を通過した液体が、前記供給孔を通して内部に供給される貯留シリンダと、
前記貯留シリンダ内にその中心軸線に沿う軸方向に移動自在に配設され、前記貯留シリンダ内への液体の供給に伴い前記軸方向のうちの一方側に向けて移動するとともに他方側に向けて付勢される貯留プランジャと、を備え、
前記外筒と前記内筒との間には、前記貯留プランジャが前記一方側に移動したときに、前記貯留シリンダ内と前記容器体内とを連通する回収通路が設けられ、
前記主シリンダには、前記主シリンダから前後方向に突出し、前記外筒に形成された第1貫通孔を通して前記内筒に形成された第2貫通孔内に嵌合され、前記縦供給筒部内と前記主シリンダ内とを連通する連通筒部が設けられていることを特徴とするトリガー式液体噴出器。
【請求項2】
前記噴出器本体は、前記縦供給筒部内に配置され、前記容器体内と前記主シリンダ内との連通およびその遮断を切替える吸込弁を備え、
前記吸込弁は、前記主シリンダ内が加圧されたときに閉弁し、前記縦供給筒部内を通した前記容器体内と前記主シリンダ内との連通を遮断し、
前記吸込弁は、前記主シリンダ内が減圧したときに上方に向けて変位または変形することで開弁し、前記縦供給筒部内を通して前記容器体内と前記主シリンダ内とを連通し、
前記連通筒部は、前記内筒内に突出し、
前記連通筒部において前記内筒内に位置する部分は、前記吸込弁が開弁したときに前記吸込弁に係止し、前記吸込弁の上方への更なる変位または変形を規制する弁押さえ部として機能することを特徴とする請求項1に記載のトリガー式液体噴出器。
【請求項3】
前記射出筒部は、前記貯留シリンダから前方に向けて延設され、
前記噴出器本体は、
前記縦供給筒部から前方に向けて延設され、前記縦供給筒部内と前記供給孔とを連通する接続筒部と、
前記主シリンダと一体に形成され、前記接続筒部の前端開口を閉塞する閉塞栓と、を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のトリガー式液体噴出器。
【請求項4】
前記噴出器本体は、前記供給孔を通した前記接続筒部内から前記貯留シリンダ内への液体の供給を許容するとともに、前記供給孔を通した前記貯留シリンダ内から前記接続筒部内への液体の流出を規制する貯留弁を備えていることを特徴とする請求項3に記載のトリガー式液体噴出器。」
・「【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のトリガー式液体噴出器では、トリガー部を引くときにのみ液体が噴射される。したがって、例えば広い面積に対して液体を吹き付けるようなときには、何度もトリガー部を引く操作を繰り返す必要があり面倒である。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、液体の連続噴射を可能にしたトリガー式液体噴出器を提供することである。」
・「【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、液体の連続噴射を可能にすることができる。」
・「【0032】
貯留プランジャ91は、貯留シリンダ90内にその中心軸線O2に沿う前後方向(軸方向)に移動自在に配設されている。貯留プランジャ91は、貯留シリンダ90内への液体の供給に伴い前後方向のうちの後側(一方側)に向けて移動するとともに前側(他方側)に向けて付勢される。貯留プランジャ91は、摺動部材121と、受け部材122と、を備えている。摺動部材121および受け部材122は、いずれも前後方向に延びる筒状に形成されている。摺動部材121は、受け部材122に外嵌されている。摺動部材121は、例えば受け部材122よりも軟質の材料により形成することができる。
【0033】
摺動部材121は、貯留プランジャ91内を前後方向に摺動する。摺動部材121は、前後方向に延びるプランジャ筒110と、プランジャ筒110の前端開口を閉塞する閉塞壁111と、を備えている。
プランジャ筒110は、前側から後側に向かうに従い漸次拡径する多段の筒状に形成されている。プランジャ筒110の外周面には、リップ部124、125が設けられている。リップ部124、125は、プランジャ筒110の周方向の全周にわたって形成されている。リップ部124、125は、シリンダ筒96の内周面上を前後方向に密に摺動する。リップ部124、125は、前後方向に間隔をあけて一対配置されている。リップ部124、125は、前側の第1リップ部124と、後側の第2リップ部125と、を備えている。第1リップ部124は、前筒部112の内周面上を摺動する。第2リップ部125は、後筒部113の内周面上を摺動する。
【0034】
閉塞壁111の前端面は、弁基部118の後端面に当接している。これにより、閉塞壁111は、連通孔104を閉塞している。閉塞壁111は、弁基部118に後側に向けて離反可能に着座している。閉塞壁111の前端面には、凸部126と、凹溝127と、が形成されている。凸部126は、閉塞壁111から前方に突出している。凸部126は、弁基部118内に配置されている。凹溝127は、貯留プランジャ91の径方向に延びている。凹溝127は、前記径方向の外側に向けて開口している。閉塞壁111の前端面が弁基部118の後端面に当接した状態で、凹溝127と連通孔104との連通は遮断されている。
受け部材122の後端部は、摺動部材121から後方に向けて突出している。受け部材122には、受け座部128が設けられている。受け座部128は、受け部材122の外周面から、受け部材122の径方向に突出している。受け座部128は、受け部材122の周方向の全周にわたって延びる環状に形成されている。」
・「【0061】
ノズル軸部100および囲繞筒101は、ノズル板105から前方に向けて突出している。囲繞筒101は、ノズル軸部100を外側から囲んでいる。囲繞筒101は、ノズル軸部100よりも前方に向けて僅かに突出している。ノズル軸部100と囲繞筒101との間には、環状の流通路102が形成されている。ノズル軸部100には、前方に向けて開口する噴出孔4が形成されたノズルキャップ103が装着され、流通路102と噴出孔4とが連通している。流通路102は、接続孔106に連通している。
これにより、貯留シリンダ90の内部は、連通孔104、射出筒部11内、接続孔106および流通路102を通じて噴出孔4に連通している。つまり、連通孔104は、貯留シリンダ90の内部と噴出孔4とを連通している。
【0062】
なお、図2に示すような、閉塞壁111の前端面が、弁基部118の後端面に当接しているときの貯留プランジャ91の位置を最前進位置とする。貯留プランジャ91が最前進位置に配置されている場合には、貯留シリンダ90内に液体がほとんど収容されていないうえ、貯留シリンダ90内と連通孔104との連通が遮断されている。
【0063】
図4に示すように、貯留プランジャ91が後側(軸方向の一方側)に向けて移動し、貯留プランジャ91が規制部98に前側(軸方向の他方側)から当接すると、貯留プランジャ91のこれ以上の後側に向けた移動が規制される。このときの貯留プランジャ91の位置を最後退位置とする。貯留プランジャ91が最後退位置に達している場合には、受け部材122の後端部が連結座部130に当接し、貯留シリンダ90内に液体が最大量収容されている。
【0064】
(トリガー式液体噴出器の作用)
次に、上述のように構成されたトリガー式液体噴出器1を使用する場合について説明する。
なお、トリガー部51の複数回の操作によって、トリガー式液体噴出器1の各部内に液体が充填され、縦供給筒部10から液体を吸い上げることができる状態になっているものとする。
【0065】
トリガー部51を弾性板部54の付勢力に抗して後方に引くと、トリガー部51の後方移動に伴って主ピストン52が後退するので、主シリンダ53内の液体を、連通筒部68内を通じて縦供給筒部10の内筒13に導入することができる。すると、内筒13に導入された液体は、吸込弁36を押し下げて閉弁させるとともに、接続筒部30を通して供給孔95aに供給され、貯留弁32を押し上げて開弁させる。これにより、液体を貯留シリンダ90内に導入することができる。そして、貯留プランジャ91を最前進位置から後方に移動させることができ、閉塞壁111の前端面を、弁基部118の後端面から離間させて、連通孔104を開放することができる。
【0066】
したがって、連通孔104、射出筒部11内、および流通路102を通じて液体を噴出孔4に導き、噴出孔4から前方に向けて液体を噴射させることができ、これと同時に貯留プランジャ91を後方に向けて移動させることができる。
【0067】
このように、トリガー部51を後方に引く操作を行う毎に、液体を噴出孔4から噴射させることができるとともに、貯留プランジャ91を後方に移動させて、貯留シリンダ90内に液体を溜める(充填する)ことができる。液体の貯留シリンダ90への導入に伴い、貯留シリンダ90内の貯留プランジャ91が、付勢部材33を前後方向に弾性的に圧縮変形させながら後側(軸方向の一方側)に移動する。これにより、貯留プランジャ91に対して付勢部材33から前側に向けた付勢力が作用する。
【0068】
そして、トリガー部51を引く操作を止めて該トリガー部51を解放すると、弾性板部54の弾性復元力によってトリガー部51が前方に付勢されて元の位置に復帰するので、これに伴って主ピストン52が前方移動する。そのため、主シリンダ53内に負圧が生じ、この負圧によってパイプ15を通じて容器体A内の液体を縦供給筒部10に吸い上げることができる。
すると、新たに吸い上げられた液体は、吸込弁36を押し上げて開弁させ、主シリンダ53内に導入される。これにより、次の噴射に備えることができる。なお、貯留弁32は閉弁している。また、吸込弁36の上方への移動量は、弁押さえ部68aによって規制される。
【0069】
このとき、接続筒部30から貯留シリンダ90内への液体の供給は停止するものの、付勢部材33の付勢力によって、貯留プランジャ91が最前進位置に向けて前方移動(軸方向の他方側に向けて復元移動)しはじめる。このとき、貯留シリンダ90内から接続筒部30内への液体の流出は、貯留弁32によって規制される。これにより、貯留シリンダ90内に溜まった液体を、連通孔104、射出筒部11内、および流通路102を通じて噴出孔4に導き、噴出孔4を通じて前方に液体を噴射させることができる。
このように、トリガー部51を後方に引く操作を行ったときだけでなく、トリガー部51を操作しない場合であっても液体を噴射させることができ、液体の連続噴射を行うことができる。」
・「【0087】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。」
・「【図1】
[図:0001412697000001.jpg]
」
・「【図2】
[図:0001412697000002.jpg]
」
・「【図4】
[図:0001412697000003.jpg]
」
イ 引用文献3に記載された発明
引用文献3に記載された事項を、特に請求項1ないし4に関して整理すると、引用文献3には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認める。
<引用発明>
「液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、
前記噴出器本体の前方側に配置され、液体を噴射する噴出孔が形成されたノズル部材と、を備え、
前記噴出器本体は、
上下方向に延在し、前記容器体内の液体を吸上げる縦供給筒部と、
前記縦供給筒部の前方に配設され、前記縦供給筒部内の液体を前記噴出孔に導く射出筒部と、
前記縦供給筒部の前方に前方付勢状態で後方に移動自在に配設されたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への移動によって、液体を前記縦供給筒部内から前記射出筒部内を通して前記噴出孔側に流通させるトリガー機構と、を備え、
前記縦供給筒部は、外筒と、前記外筒内に嵌合される内筒と、を備え、
前記トリガー機構は、
前記トリガー部の移動に連動して前後方向に移動する主ピストンと、
前記主ピストンの移動に伴って内部が加圧および減圧し、かつ内部が前記縦供給筒部内に連通した主シリンダと、を備えるトリガー式液体噴出器であって、
前記噴出器本体は、
前記縦供給筒部内に連通する供給孔および前記射出筒部内に連通する連通孔が形成され、前記トリガー部の後方への移動によって、前記縦供給筒部内を通過した液体が、前記供給孔を通して内部に供給される貯留シリンダと、
前記貯留シリンダ内にその中心軸線に沿う軸方向に移動自在に配設され、前記貯留シリンダ内への液体の供給に伴い前記軸方向のうちの一方側に向けて移動するとともに他方側に向けて付勢される貯留プランジャと、を備え、
前記外筒と前記内筒との間には、前記貯留プランジャが前記一方側に移動したときに、前記貯留シリンダ内と前記容器体内とを連通する回収通路が設けられ、
前記主シリンダには、前記主シリンダから前後方向に突出し、前記外筒に形成された第1貫通孔を通して前記内筒に形成された第2貫通孔内に嵌合され、前記縦供給筒部内と前記主シリンダ内とを連通する連通筒部が設けられており、
前記噴出器本体は、前記縦供給筒部内に配置され、前記容器体内と前記主シリンダ内との連通およびその遮断を切替える吸込弁を備え、
前記吸込弁は、前記主シリンダ内が加圧されたときに閉弁し、前記縦供給筒部内を通した前記容器体内と前記主シリンダ内との連通を遮断し、
前記吸込弁は、前記主シリンダ内が減圧したときに上方に向けて変位または変形することで開弁し、前記縦供給筒部内を通して前記容器体内と前記主シリンダ内とを連通し、
前記連通筒部は、前記内筒内に突出し、
前記連通筒部において前記内筒内に位置する部分は、前記吸込弁が開弁したときに前記吸込弁に係止し、前記吸込弁の上方への更なる変位または変形を規制する弁押さえ部として機能するものであり、
前記射出筒部は、前記貯留シリンダから前方に向けて延設され、
前記噴出器本体は、
前記縦供給筒部から前方に向けて延設され、前記縦供給筒部内と前記供給孔とを連通する接続筒部と、
前記主シリンダと一体に形成され、前記接続筒部の前端開口を閉塞する閉塞栓と、を備えており、
前記噴出器本体は、前記供給孔を通した前記接続筒部内から前記貯留シリンダ内への液体の供給を許容するとともに、前記供給孔を通した前記貯留シリンダ内から前記接続筒部内への液体の流出を規制する貯留弁を備えている、
トリガー式液体噴出器。」
(2)引用文献5ないし7に記載された事項等
ア 引用文献5に記載された事項
引用文献5には、「トリガー式噴出器」に関して、おおむね次の事項が記載されている。図面については90度時計回りに回転している。
・「【0034】
発泡部55は、噴出孔51cに設けられて噴出孔51cから噴出された液体を泡状化して外部に噴出させるものであり、突出筒51eの開口端に装着されるノズルチップ56、ノズルチップ56の内側に設けられるスピンエレメント57及び隔壁51bの外側を覆うように第1ノズル体51に固定されるカバー筒58を有している。
【0035】
ノズルチップ56は、その先端側に噴出孔51cよりも開口断面積が小さい小孔56aを備えており、この小孔56aはスピンエレメント57の先端面に設けられたスピン溝57aとスピンエレメント57の側面との間に設けられた通路とを介して噴出孔51cに連通している。噴出孔51cから噴出された液体はスピン溝57aを介してノズルチップ56の小孔56aを通ることにより当該ノズルチップ56によって霧状化される。
【0036】
一方、カバー筒58は、突出筒51eと同軸で当該突出筒51eよりも前方に延出しており、突出筒51eの先端に向けて開口する4つ(図2中では3つのみが示されている)の外気導入孔58aを有している。また、カバー筒58の内周面には、当該カバー筒58の突出筒51eへの組み付けを容易にするために、隣り合う外気導入孔58aの間に位置して内向きに突出して突出筒51eの先端に当接する4つの突起58bが一体に設けられている。
【0037】
ノズルチップ56の小孔56aから霧状化された液体が高圧で噴出されると、カバー筒58の内側に負圧が生じ、カバー筒58の外側から外気導入孔58aを通してカバー筒58の内側に空気が導入される。そして、導入された空気が霧状化された高圧の液体に混合されることにより、当該液体が発泡される。このように、噴出孔51cから霧状に噴出された液体は、発泡部55により泡状化されて外部に噴出される。
【0038】
なお、カバー筒58に設ける外気導入孔58aの数は4つに限らず種々変更可能である。」
・「【図2】
[図:0001412697000004.jpg]
」
イ 引用文献6に記載された事項
引用文献6には、「トリガー式液体噴出器」に関して、おおむね次の事項が記載されている。下線は当審において付したものである。
・「【要約】
【課題】液体を泡状にして吐出する。
【解決手段】・・・(略)・・・ノズル部材20は、噴出孔26aより前方に位置し、かつこの噴出孔26aを囲繞する筒状の造泡部33を備え、造泡部33には、その径方向に貫く外気導入孔37が形成されている。
【選択図】図2」
・「【0004】
ところで、前記従来のトリガー式液体噴出器では、液体を泡状にして吐出することについての要望がある。」
・「【0018】
ノズル部材20は、噴出器本体11の前方側に配置されている。図2に示されるように、ノズル部材20は、射出筒部13に連結された連結筒部21を備えたノズル本体22と、連結筒部21の内側に前方付勢された状態で前後動可能に設けられた弁体23と、弁体23を前方付勢するコイルスプリング32と、噴出孔26aより前方に位置し、かつこの噴出孔26aを囲繞する筒状の造泡部33と、造泡部33を開放自在に閉塞する蓋体34と、を備えている。」
・「【図2】
[図:0001412697000005.jpg]
」
ウ 引用文献7に記載された事項
引用文献7には、「トリガー式液体噴出器」に関して、おおむね次の事項が記載されている。
・「【0041】
噴出筒51に空気導入孔52を設けた構成により、ノズル40が開位置の状態でトリガー34が操作されると、ノズル40の噴出孔44から液体が霧状に噴出されるとともに、噴出孔44から霧状に噴出された液体により噴出筒51の内側が負圧となり、この負圧により、噴出筒51と係止爪42bとの間の隙間部分から空気導入孔52を通して噴出筒51の内側に空気が導入される。そして、空気導入孔52から噴出筒51の内側に導入された空気が噴出孔44から霧状に噴出された液体に混合され、当該液体は空気が混合されて泡状となって外部に噴出される。ノズル40は2分割構造となっているので、ノズル本体41に装着するノズル延長体42を他の形状のものとすることにより、空気導入孔52や噴出筒51の外周に空気を導入する経路等を種々の形状として、ノズル40から噴出される液体の泡質を容易に変更することができる。」
・「【図4】
[図:0001412697000006.jpg]
」
エ 引用文献5ないし7に記載された事項から把握できる当業者の周知技術
引用文献5ないし7に記載された事項から、当業者の周知技術として、次の技術(以下、「周知技術」という。)が把握できる。
<周知技術>
「トリガー式液体噴出器におけるノズル部材において、
噴出孔に向けて流通する液体を発泡させる造泡部を備え、
前記造泡部は、先端開口が前記噴出孔とされ、かつ内側に外気を導入する外気導入孔が形成された造泡筒を備え、
前記ノズル部材は、前記造泡筒の内側に液体を霧状にして噴出する噴霧孔を有する噴霧部を備え、
前記外気導入孔は、前記造泡筒をその径方向に貫き、
前記外気導入孔の少なくとも一部は、前記噴霧孔より前方に位置する、トリガー式液体噴出器におけるノズル部材。」
2 対比
本願発明と引用発明を対比する。
引用発明における「連通筒部」、「吸込弁」及び「貯留弁」は、それぞれ、本願発明における「連通部」、「第1逆止弁」及び「第2逆止弁」に相当する。
上記相当関係を踏まえると、両者の間には、次の相当関係も成り立つ。
引用発明における「前記噴出器本体は、前記縦供給筒部内に配置され、前記容器体内と前記主シリンダ内との連通およびその遮断を切替える吸込弁を備え、
前記吸込弁は、前記主シリンダ内が加圧されたときに閉弁し、前記縦供給筒部内を通した前記容器体内と前記主シリンダ内との連通を遮断し、
前記吸込弁は、前記主シリンダ内が減圧したときに上方に向けて変位または変形することで開弁し、前記縦供給筒部内を通して前記容器体内と前記主シリンダ内とを連通し」は本願発明における「前記主シリンダ内の加圧時に前記容器体内と前記連通部内との前記縦供給筒部内を通した連通を遮断し、かつ前記主シリンダ内の減圧時に前記容器体内と前記連通部内との前記縦供給筒部内を通した連通を許容する第1逆止弁と」「を備える」に相当する。
引用発明における「前記噴出器本体は、前記供給孔を通した前記接続筒部内から前記貯留シリンダ内への液体の供給を許容するとともに、前記供給孔を通した前記貯留シリンダ内から前記接続筒部内への液体の流出を規制する貯留弁を備えている」は本願発明における「前記主シリンダ内の加圧時に前記貯留シリンダ内と前記連通部内との前記縦供給筒部内を通した連通を許容し、かつ前記主シリンダ内の減圧時に前記貯留シリンダ内と前記連通部内との前記縦供給筒部内を通した連通を遮断する第2逆止弁と、を備える」に相当する。
そうすると、両者は次の点で一致する。
<一致点>
「液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、
前記噴出器本体の前方側に配設され、液体を前方に向けて噴出する噴出孔が形成されたノズル部材と、を備え、
前記噴出器本体は、
上下方向に延び、前記容器体内の液体を吸上げる縦供給筒部と、
前記縦供給筒部の前方に前方付勢状態で後方に移動可能に配設されたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への移動によって、液体を前記縦供給筒部内から前記噴出孔側に向けて流通させるトリガー機構と、を備えるトリガー式液体噴出器であって、
前記トリガー機構は、
前記トリガー部の移動に伴って前後に移動する主ピストンと、
前記主ピストンの移動に伴って内部が加圧および減圧し、かつ内部が連通部内を通じて前記縦供給筒部内に連通する主シリンダと、を備え、
前記噴出器本体は、
前記トリガー部の後方への移動によって、前記縦供給筒部内を通過した液体が内部に供給される貯留シリンダと、
前記貯留シリンダ内にその中心軸線に沿う軸方向に移動可能に配設され、前記貯留シリンダ内への液体の供給に伴って前記軸方向のうちの一方側に向けて移動するとともに、他方側に向けて付勢される貯留プランジャと、
前記主シリンダ内の加圧時に前記容器体内と前記連通部内との前記縦供給筒部内を通した連通を遮断し、かつ前記主シリンダ内の減圧時に前記容器体内と前記連通部内との前記縦供給筒部内を通した連通を許容する第1逆止弁と、
前記主シリンダ内の加圧時に前記貯留シリンダ内と前記連通部内との前記縦供給筒部内を通した連通を許容し、かつ前記主シリンダ内の減圧時に前記貯留シリンダ内と前記連通部内との前記縦供給筒部内を通した連通を遮断する第2逆止弁と、を備える、
トリガー式液体噴出器。」
そして、両者は次の点で相違又は一応相違する。
<相違点1>
「ノズル部材」に関し、本願発明においては、「前記ノズル部材は、前記貯留シリンダ内を通過して前記噴出孔に向けて流通する液体を発泡させる、または液体を前記噴出孔から噴出したときに発泡させる造泡部を備え、
前記造泡部は、先端開口が前記噴出孔とされ、かつ内側に外気を導入する外気導入孔が形成された造泡筒を備え、
前記ノズル部材は、前記造泡筒の内側に液体を霧状にして噴出する噴霧孔を有する噴霧部を備え、
前記外気導入孔は、前記造泡筒をその径方向に貫き、
前記外気導入孔の少なくとも一部は、前記噴霧孔より前方に位置し」と特定するのに対し、引用発明においては、そのようには特定されていない点。
<相違点2>
「貯留シリンダ」に関し、本願発明においては、「前記貯留シリンダは、前記軸方向の他方側の端部に位置する端壁部と、前記端壁部から前記軸方向の一方側に向けて延びるシリンダ筒と、を備え、
前記端壁部に、前記貯留シリンダ内と前記噴出孔とを連通する連通孔が形成され、前記貯留プランジャは、前記連通孔を開放可能に閉塞している」と特定されているのに対し、引用発明においては、そのようには特定されていない点。
3 判断
以下、相違点1及び2について検討する。
(1)相違点1について
引用文献3に記載された事項(【0004】及び【0005】)によると、引用発明は、「液体の連続噴射を可能にしたトリガー式液体噴出器を提供すること」をその解決しようとする課題とするものであって、引用発明は、ノズル部材を特定するものではなく、液体を連続的に噴出させる構造に特徴を有するものであり、引用文献3の【0087】には、「その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。」と記載されていることから、引用発明は、ノズルの型を特定のものに限定しないものであり、その構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であるといえる。
また、従来から、利用される液体の種類と対照物品等に応じて、噴霧、噴射、噴泡等のノズル部材が選択されて用いられるものである(例えば、本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2000-157895号公報の【0002】、特開2005-46726号公報の【0004】及び特開2007-186242号公報の【0002】等参照。)。
さらに、トリガー式噴霧器においては、液体を泡状にして吐出することについての要望がある(引用文献6の【0004】)。
したがって、従来から、ノズルの型は種々のものが用いられており、また、液体を泡状にして吐出することについての要望があることから、ノズルの型を特定のものに限定しない引用発明において、ノズルの型を泡ノズルとし、具体的なノズル部材として周知技術を適用するようにして、相違点1に係る本願発明の発明特定事項を採用することは、当業者が容易に想到し得たことである。
(2)相違点2について
引用文献3に記載された事項(【0032】ないし【0034】及び【0061】ないし【0066】並びに図1、2及び4)によると、引用発明における「貯留シリンダ」は「前記軸方向の他方側の端部に位置する端壁部と、前記端壁部から前記軸方向の一方側に向けて延びるシリンダ筒と、を備え、
前記端壁部に、前記貯留シリンダ内と前記噴出孔とを連通する連通孔が形成され、前記貯留プランジャは、前記連通孔を開放可能に閉塞している」という発明特定事項を備えているといえる。
したがって、相違点2は実質的な相違点であるとはいえない。
仮に、相違点2が実質的な相違点であったとしても、引用発明において、引用文献3に記載された事項を考慮して、相違点2に係る本願発明の発明特定事項を採用することは、当業者が容易に想到し得たことである。
(3)本願発明の効果について
引用文献3に記載された事項(【0006】及び【0065】ないし【0069】)によると、引用発明は、トリガー式液体噴出器において、トリガーを一度引くだけで連続的に液体を噴出できるという効果を奏するものであるから、引用発明において、周知技術を適用すれば、液体を発泡させて連続的に噴出できることは当業者に明らかである。
したがって、本願発明の「液体を発泡させて連続して噴出できる」(本願の発明の詳細な説明の【0022】)という効果及び「噴出孔から噴出する液体を、噴出開始から終了まで泡質を安定させて発泡させることができる」(審判請求書第7ページ)という効果は、引用発明及び周知技術からみて、本願発明の構成から当業者が予測することができた範囲の効果を超える顕著なものであるとはいえない。
4 審判請求人の主張について
(1)審判請求人の主張の概要
審判請求人は、審判請求書において、おおむね次のとおり主張する。
「本願発明と、引用文献3~7に記載の発明等と、の比較について
(1)引用文献3には、縦供給筒部10と、トリガー部51と、主ピストン52と、主シリンダ53と、貯留シリンダ90と、貯留プランジャ91と、吸込弁36と、弁体部119と、を備え、貯留シリンダが、連通孔104の形成された前壁部95を有し、貯留プランジャが、連通孔を開放可能に閉塞している発明が記載されています。
(2)引用文献4には、流入口21から噴射口31へと連通する流路11が形成されたノズル本体10を備え、流路11に、噴射口31に隣接する旋回室33が形成され、ノズル本体10に、流路11において、旋回室33を挟む噴射口31の反対側に開口した吸気孔2が形成され、液体が、流路11を流れる過程において、吸気孔2からの気体と混合された状態で、旋回室33で旋回され、噴射口31から旋回しながら噴射される、微細気泡発生ノズルが記載されています。
吸気孔2は、前述の通り、噴射口31よりも流路11の上流側に設けられています。
引用文献4に記載の微細気泡発生ノズルは、液体および気体を混合させた後に、この混合体を旋回室33で旋回させた状態で、噴射口31から噴射するものであり、本願発明のような、外気導入孔の少なくとも一部が、噴霧孔より前方(下流側)に位置しており、造泡筒の内側で、噴霧孔からの霧状の液体と、外気導入孔からの外気と、を混合させる構成とは全く異なっております。したがいまして、引用文献4に記載の技術を、引用文献3に記載の発明に適用しても本願の請求項2に係る発明が得られることはありません。
(3)引用文献5~7には、径方向に貫く外気導入孔を有する造泡筒をノズル部に設ける技術が記載されています。
(4)しかしながら、引用文献3~7にはいずれにも、本願発明のような、連続して噴出する液体を、噴出開始から終了まで泡質を安定させて発泡させる解決課題はもちろん、連続して噴出する液体を発泡させる構成すら記載も示唆もされておりません。
(5)ここで、原査定では、「・・・」と認定されました。
しかしながら、本願の当初明細書の段落0013には、「しかも、貯留プランジャ内の液体が連続して噴出される過程で、前述したように、第2逆止弁により液体の噴出態様を維持することが可能になることから、この噴出開始から終了まで同等の泡質に保つことができる。」と記載されており、噴出開始から終了まで泡質を安定させるという点は、本願明細書に記載されたものであり、噴出開始から終了まで泡質を安定させるという効果は、当然に参酌されるべきものであり(特許・実用新案審査基準「第III部 第2章 第2節 3.2.1(2))、原査定での「噴出開始から終了まで泡質を安定させるという点は、本願明細書に記載されたものではなく、その効果を参酌することはできない。」との認定は失当であると思料致します。
(6)また、引用文献3に記載の発明と、引用文献4~7に記載の技術と、の間には、課題の共通性が無いことが明らかであり、さらに、連続して噴出する液体を、噴出開始から終了まで泡質を安定させて発泡させる解決課題は、従来に無い新規な課題であることから、引用文献3に記載の発明に、引用文献4~7に記載の技術を適用する動機付けを見出すことは、本願発明を知らなければ到底できることではないと思料致します。
(7)以上より、引用文献3~7に記載の発明等に基づいて、本願発明のように、噴出孔から噴出する液体を、噴出開始から終了まで泡質を安定させて発泡させることができる、といった作用効果を有する発明が得られることはありません。
3.以上、意見を申し上げました通り、本願発明は、引用文献3~7のいずれに記載はおろか示唆すらされていない独自の構成要件に基づいて有利な作用効果を有するものであり、これらの文献に記載の発明等に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないため、特許法第29条第2項の規定に該当しないことが明瞭であり、また、本願の請求項2は請求項1を引用しており、本願の発明は全て特許法第29条第2項の規定に該当しないことが明瞭であるものと思料致します。」(審判請求書第5ないし7ページ)
(2)主張の検討
そこで、上記主張について検討する。
上記3(1)のとおり、泡ノズルの採用については、要望があると同時にトリガー式噴霧器を泡ノズルタイプとすること自体は周知なので、適宜採用可能であり、連続噴射する引用発明において、泡ノズルタイプとすることに格別困難性も認められない。
また、本願発明の効果についても、上記3(3)のとおり、本願発明の構成から当業者が予測することができた範囲の効果を超える顕著なものであるとは認められない。
したがって、審判請求人の上記主張は採用できない。
5 むすび
したがって、本願発明は引用発明、すなわち引用文献3に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第5 結語
上記第4のとおりであるから、本願発明、すなわち本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
したがって、他の請求項に係る発明について判断するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-017495