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特許拒絶査定不服審判

2022-015220

データ伝送方法、端末装置及びネットワーク装置

審判番号
2022-015220
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-524431外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年09月26日
審決日
2023年04月18日
公報発行日
2023年05月26日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (H04W)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-524431「データ伝送方法、端末装置及びネットワーク装置」拒絶査定不服審判事件〔令和元年5月23日国際公開、WO2019/095112、令和3年4月15日国内公表、特表2021-510240、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2017年(平成29年)11月14日を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和2年10月20日 :手続補正書の提出 令和3年10月11日付け:拒絶理由通知書 令和3年12月28日 :意見書、手続補正書の提出 令和4年 5月25日付け:拒絶査定 令和4年 9月26日 :拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提出 第2 原査定の概要 原査定(令和4年5月25日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 (進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 ・請求項1、2、4、5、8に対して、引用例1、4、5 ・請求項3、6、7に対して、引用例1、2、4、5 引用文献等一覧 1.Samsung,Enhancement of LCP for Supporting Multiple Numerologies in NR, 3GPP TSG-RAN WG2#95bis R2-166469,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_95bis/Docs/R2-166469.zip>,2016年09月30日アップロード(以下、「引用例1」という。) 2.国際公開第2016/054238号(以下、「引用例2」という。) 4.国際公開第2017/172479号(以下、「引用例4」という。) 5.米国特許出願公開第2015/0173048号明細書(以下、「引用例5」という。) 第3 本願発明 本願請求項1ないし6に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明6」という。)は、令和4年9月26日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。 「 【請求項1】 データ伝送方法であって、 端末装置は、ネットワーク装置から送信されるN(Nは1よりも大きい正の整数である)個のアップリンク許可情報を受信することであって、前記N個のアップリンク許可情報は、N個のアップリンクリソースを指示するために用いられ、前記N個のアップリンクリソースのうち任意の2つのアップリンクリソースは少なくとも部分的に重なり、前記N個のアップリンクリソースのうち任意の2つのアップリンクリソースにそれぞれ対応する半永続スケジューリング(SPS)構成の値は異なることと、 前記端末装置は、前記N個のアップリンク許可情報によって指示された前記N個のアップリンクリソースにそれぞれ対応する前記半永続スケジューリング(SPS)構成の値の優先度に基づき、前記N個のアップリンク許可情報を処理することとを含むことを特徴とする、前記データ伝送方法。 【請求項2】 前記端末装置は、前記N個のアップリンクリソースにそれぞれ対応する前記半永続スケジューリング(SPS)構成の値の優先度に基づき、前記N個のアップリンク許可情報を処理することは、 前記端末装置は、前記N個のアップリンクリソースにそれぞれ対応する前記半永続スケジューリング(SPS)構成の値の優先度に基づき、前記N個のアップリンク許可情報からO(Oは正の整数で、且つOはN未満である)個のアップリンク許可情報を決定することと、 前記端末装置は、前記O個のアップリンク許可情報に基づき、前記ネットワーク装置にアップリンクデータを送信することとを含むことを特徴とする、 請求項1に記載の方法。 【請求項3】 端末装置であって、 ネットワーク装置から送信されるN(Nは1よりも大きい正の整数である)個のアップリンク許可情報を受信するように構成される受信ユニットであって、前記N個のアップリンク許可情報はN個のアップリンクリソースを指示するために用いられ、前記N個のアップリンクリソースのうち任意の2つのアップリンクリソースは少なくとも部分的に重なり、前記N個のアップリンクリソースのうち任意の2つのアップリンクリソースにそれぞれ対応する半永続スケジューリング(SPS)構成の値は異なる受信ユニットと、 前記N個のアップリンク許可情報によって指示された前記N個のアップリンクリソースにそれぞれ対応する前記半永続スケジューリング(SPS)構成の値の優先度に基づき、 前記N個のアップリンク許可情報を処理するように構成される処理ユニットとを備えることを特徴とする、前記端末装置。 【請求項4】 前記処理ユニットは具体的には、 前記N個のアップリンクリソースにそれぞれ対応する前記半永続スケジューリング(SPS)構成の値の優先度に基づき、前記N個のアップリンク許可情報からO(Oは正の整数で、且つOはN未満である)個のアップリンク許可情報を決定し、 前記O個のアップリンク許可情報に基づき、前記ネットワーク装置にアップリンクデータを送信するように構成されることを特徴とする、 請求項3に記載の端末装置。 【請求項5】 前記受信ユニットはさらに、 前記端末装置が前記ネットワーク装置から送信される前記複数のアップリンクリソースにそれぞれ対応する前記半永続スケジューリング(SPS)構成の値の優先度を受信するように構成されることを特徴とする、 請求項3又は4に記載の端末装置。 【請求項6】 データを伝送するネットワーク装置であって、 半永続スケジューリング(SPS)構成の値に優先度を割り当てるように構成される割り当てユニットと、 前記半永続スケジューリング(SPS)構成の値の優先度を端末装置に送信するように構成される送信ユニットとを備え、 前記半永続スケジューリング(SPS)構成の値の優先度は、前記端末装置がネットワーク装置から送信されたN個のアップリンク許可情報によって指示されたN個のアップリンクリソースにそれぞれ対応する前記半永続スケジューリング(SPS)構成の値の優先度に基づき、前記N個のアップリンク許可情報を処理することに用いられることを特徴とする、前記ネットワーク装置。」 第4 引用例の記載及び引用発明 1 原査定の拒絶の理由に引用された、引用例1(Samsung,Enhancement of LCP for Supporting Multiple Numerologies in NR(当審訳:NRにおける複数のヌメロロジーに対応するためのLCPの機能強化), 3GPP TSG-RAN WG2#95bis R2-166469,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_95bis/Docs/R2-166469.zip>,2016年09月30日アップロード)には、図面と共に以下の事項が記載されている。 「The UE has a default priority among services. In addition, when allocating UL grant, the eNB indicates the service that has the highest priority for this UL grant. Note that the service with the highest priority may depend on the numerology of the allocated UL resource. The following shows an example of this option.」 [図:0001397092000001.jpg] Figure 3 LCP adaptation based on default priority and 5G-NB indication」(第4ページ第23行ないし第25行及びFigure 3) (当審訳:UEは、サービス間のデフォルトの優先度を持つ。また、ULグラントを割り当てる際、eNBは、このULグラントに対して最も高い優先度を持つサービスを示す。最も優先度の高いサービスは、割り当てられたULリソースのヌメロロジーに依存する可能性があることに留意されたい。以下に、このオプションの例を示す。 (図 略) 図3 デフォルトの優先度と5G-NBの指示に基づくLCP適応) 上記記載及び無線通信分野における当業者の技術常識を考慮すると、次のことがいえる。 ア 図3の右側のシーケンス図から、UEが5G-NBから送信される「UL grant (service type: B)(当審訳:ULグラント(サービスタイプ:B))」及び「UL grant (service type: C)(当審訳:ULグラント(サービスタイプ:C))」を受信することが読み取れるから、引用例1には、UEは、5G-NBから送信される2個のULグラントを受信することが記載されているといえる。 イ 図3の右側のシーケンス図から、UEが「Data (priority B>A>C) (当審訳:データ(優先度 B>A>C))」及び「Data (priority C>A>B) (当審訳:データ(優先度 C>A>B))」を伝送することが読み取れ、ここで、括弧内のA、B、Cはそれぞれサービスタイプを示し、記号「>」は優先度の高低を示していることは明らかであるから、UEは、サービスタイプの優先度に基づき、データ伝送を行っているといえる。 また、同図には、「ULグラント(サービスタイプ:B)」の直後に「データ(優先度 B>A>C)」が同じ配色で記載されており、更に、無線通信分野において、ULグラントが、アップリンクを介した伝送処理を許可することを示す情報を意味することは技術常識であることを鑑みれば、当該「データ(優先度 B>A>C)」の伝送は、当該「ULグラント(サービスタイプ:B)」の受信に応じたデータ伝送であるといえる。同様に、同図の「データ(優先度 C>A>B)」も「ULグラント(サービスタイプ:C)」の受信に応じたデータ伝送であるといえる。そして、これらのデータ伝送は、前述のとおり、「B>A>C」又は「C>A>B」といったサービスタイプの優先度に基づいて行われるものである。 そうすると、引用例1には、UEは、サービスタイプの優先度に基づき、2個のULグラントの受信に応じたデータ伝送を行うことが記載されているといえる。 ウ 図3の右側のシーケンス図から、UEが5G-NBに対してデータを伝送することが読み取れることから、引用例1には、データを伝送する方法が記載されているといえる。 したがって、以上を総合すると、引用例1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「UEは、5G-NBから送信される2個のULグラントを受信し、 前記UEは、サービスタイプの優先度に基づき、前記2個のULグラントの受信に応じたデータ伝送を行うこと、 を含む、データを伝送する方法。」 2 原査定の拒絶の理由に引用された引用例2(国際公開第2016/054238号)には、図面と共に以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。) 「[0044] (略) If only one grant 150 is received, the grant selecting component 126 may select the one available grant. If multiple uplink scheduling grants are received, the grant selecting component 126 may select one or more uplink scheduling grants according to configured priority rules. For example, a priority rule may indicate that the most recently received grant 150 should be used. Further priority rules may indicate a minimum time (e.g., 4 sub-frames) between receipt of an uplink scheduling grant 150 and an uplink sub-frame. (略)」 (当審訳:[0044](略)1つの許可150のみが受信された場合、許可選択構成要素126はその1つの利用可能な許可を選択し得る。複数のアップリンクスケジューリング許可が受信された場合、許可選択構成要素126は、構成された優先度ルールに従って1つまたは複数のアップリンクスケジューリング許可を選択し得る。たとえば、優先度ルールは、直近に受信された許可150が使用されるべきであることを示し得る。さらなる優先度ルールは、アップリンクスケジューリング許可150の受信とアップリンクサブフレームとの間の最小時間(たとえば、4つのサブフレーム)を示し得る。(略)) したがって、引用例2には、以下の技術事項が記載されていると認められる。 「複数のアップリンクスケジューリング許可が受信された場合、優先度ルールに従って、1つまたは複数のアップリンクスケジューリング許可を選択する。」 3 原査定の拒絶の理由に引用された引用例4(国際公開第2017/172479号)には、図面と共に以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。) 「[0174] Logical channel prioritization applied to SPS grant is provided. In particular, a WTRU, when transmitting using a grant associated with a given SPS configuration, may select data from logical channels to be transmitted using that grant. The selection of data from the logical channels to be transmitted may be based on using a combination of following criteria which may be prioritized in any order: transmit data with the highest priority, based on PPPP; transmit data with decreasing priority of PPPP; transmit data whose periodicity matches, is less than, or greater than the periodicity of the SPS configuration associated with the grant; transmit data whose size matches, is less than, or greater than the grant size of the SPS configuration associated with the grant; transmit data based on a configured mapping between the higher layer data/service or logical channel, and the SPS configuration; delay transmission of data until a grant for the associated SPS configuration is received; and amount of time until the next grant associated with a specific SPS configuration. Such selection may apply whether the WTRU has multiple SPS configurations active simultaneously, or a single active SPS configuration.」 (当審訳:[0174]SPSグラントに適用される論理チャネルの優先順位付けが提供される。特に、WTRUは、所定のSPS構成に関連するグラントを使用して送信するとき、そのグラントを使用して送信される論理チャネルからデータを選択することができる。送信されるべき論理チャネルからのデータの選択は、任意の順序で優先順位付けされ得る以下の基準の組み合わせを使用することに基づいてもよい。PPPPに基づいて最も高い優先度でデータを送信する、PPPPの優先度を下げてデータを送信する、周期性がグラントに関連するSPS構成の周期性と一致、それ以下、またはそれ以上のデータを送信する、サイズがグラントに関連するSPS構成のグラントサイズと一致、それ以下、またはそれ以上のデータを送信する、上位層のデータ/サービスまたは論理チャネルとSPS構成の間の構成済みのマッピングに基づいてデータを送信する、関連SPS構成用のグラントを受信するまでデータ送信を遅延する、特定のSPS構成と関連して次のグラントまでの時間量。このような選択は、WTRUが複数のSPS構成を同時にアクティブにしていても、単一のアクティブなSPS構成であっても適用され得る。) したがって、引用例4には、以下の技術事項が記載されていると認められる。 「WTRUは、所定のSPS構成に関連するグラントを使用して送信するとき、基準の組み合わせを使用して、そのグラントを使用して送信される論理チャネルからデータを選択する。」 4 原査定の拒絶の理由に引用された引用例5(米国特許出願公開第2015/0173048号明細書)には、図面と共に以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。) 「[0134] Referring to Table 9, a 3-bit MCS field is reused for priority configuration. Hence, priority of a D2D SPS signal can indicate 8 priorities. Each of the 8 priorities can indicate a priority according to a relation with a different signal. For instance, if the MCS field is configured by a value (e.g., 0) indicating a highest priority, the D2D SPS signal can be preferentially transmitted over all different signals. As a different example, if the MCS field is configured by a value (e.g., 7) indicating a lowest priority, since the D2D SPS signal has a lowest priority, the D2D SPS signal is not transmitted in a corresponding period when the D2D SPS signal is collided with a different random signal in the period. In Table 9, values (e.g., 0, 4 and 7) indicating priorities are just examples only. Different values can be used if necessary. 」 (当審訳:[0134]表9を参照すると、3ビットのMCSフィールドは優先度設定のために再利用される。従って、D2D SPS信号の優先度は8個の優先度を示すことができる。8個の優先度の各々は異なる信号との関係における前記優先度を示すことができる。例えば、MCSフィールドは最優先を示す値(例えば、0)により構成されている場合、D2D SPS信号はすべて異なる信号より優先して送信することができる。別の例として、MCSフィールドは、最も低い優先度を示す値(例えば、7)により構成されている場合、D2D SPS信号は最も低い優先度を有しているので、SPS信号は周期の異なるランダム信号と衝突させるとD2D SPS信号は、対応する期間では伝送されない。表9では、優先度を示す値(例えば、0、4、及び7)は、単なる例に過ぎない。必要に応じて使用される異なる値を用いてもよい。) したがって、引用例5には、以下の技術事項が記載されていると認められる。 「D2D SPS信号の優先度は、異なる信号との関係における優先度を示す。」 第5 対比・判断 1 本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比すると、以下のことがいえる。 ア 引用発明の「データを伝送する方法」は、本願発明1と同様に、「データ伝送方法」といえる。 イ 引用発明の「UE」は、本願発明1の「端末装置」に含まれる。また、引用発明の「5G-NB」が、第5世代移動通信システムを構成する無線アクセスネットワークの基地局装置を意味することは明らかであるから、引用発明の「5G-NB」は、本願発明1と同様に「ネットワーク装置」といえる。 更に、無線通信分野において、ULグラントが、アップリンクを介した伝送処理を許可することを示す情報を意味することは技術常識であるから、引用発明の「ULグラント」は、本願発明1と同様に「アップリンク許可情報」といえる。そして、2は1よりも大きい正の整数であるから、引用発明の「2個のULグラント」は、本願発明1の「N(Nは1よりも大きい正の整数である)個のアップリンク許可情報」に含まれる。 よって、引用発明の「UEは、5G-NBから送信される2個のULグラントを受信」することは、本願発明1の「端末装置は、ネットワーク装置から送信されるN(Nは1よりも大きい正の整数である)個のアップリンク許可情報を受信すること」に含まれる。 ウ 上記「イ」で説示したとおり、引用発明の「UE」は、本願発明1の「端末装置」に含まれる。 また、本願発明1の「前記N個のアップリンク許可情報によって指示された前記N個のアップリンクリソースにそれぞれ対応する前記半永続スケジューリング(SPS)構成の値の優先度」と、引用発明の「サービスタイプの優先度」は、「優先度」である点で共通する。更に、引用発明では「UEは、サービスタイプの優先度に基づき、前記2個のULグラントの受信に応じたデータ伝送を行う」ことから、サービスタイプの優先度に基づき、2個のULグラントの受信に応じたデータ伝送を行う準備処理を行っているといえる。そして、「ULグラントの受信に応じたデータ伝送を行う準備処理」を行うことは、ULグラントを処理しているといえる。したがって、引用発明の「UEは、サービスタイプの優先度に基づき、前記2個のULグラントの受信に応じたデータ伝送を行う」ことは、UEは、サービスタイプの優先度に基づき、前記2個のULグラントを処理しているといえる。 また、引用発明の「2個のULグラント」は、上記「イ」で説示したように、本願発明1の「N個のアップリンク許可情報」に含まれる。 よって、本願発明1の「前記端末装置は、前記N個のアップリンク許可情報によって指示された前記N個のアップリンクリソースにそれぞれ対応する前記半永続スケジューリング(SPS)構成の値の優先度に基づき、前記N個のアップリンク許可情報を処理すること」と、引用発明の「前記UEは、サービスタイプの優先度に基づき、前記2個のULグラントの指示に従ったデータ伝送を行うこと」は、「前記端末装置は、優先度に基づき、前記N個のアップリンク許可情報を処理する」点で共通する。 以上を総合すると、本願発明1と引用発明とは、以下の点で一致し、また、相違している。 (一致点) 「 データ伝送方法であって、 端末装置は、ネットワーク装置から送信されるN(Nは1よりも大きい正の整数である)個のアップリンク許可情報を受信することと、 前記端末装置は、優先度に基づき、前記N個のアップリンク許可情報を処理することとを含む、前記データ伝送方法。」 (相違点1) N個のアップリンク許可情報に関して、本願発明1では、「前記N個のアップリンク許可情報は、N個のアップリンクリソースを指示するために用いられ、前記N個のアップリンクリソースのうち任意の2つのアップリンクリソースは少なくとも部分的に重なり、前記N個のアップリンクリソースのうち任意の2つのアップリンクリソースにそれぞれ対応する半永続スケジューリング(SPS)構成の値は異なる」のに対し、引用発明では、当該発明特定事項が特定されていない点。 (相違点2) N個のアップリンク許可情報を処理する際の優先度に関して、本願発明1では、「前記N個のアップリンク許可情報によって指示された前記N個のアップリンクリソースにそれぞれ対応する前記半永続スケジューリング(SPS)構成の値の優先度」であるのに対し、引用発明では、「サービスタイプの優先度」である点。 (2)判断 上記相違点1及び2について検討する上で、事案に鑑みて、まず上記相違点2について検討する。 相違点2に係る本願発明1の一部の発明特定事項として「前記N個のアップリンク許可情報によって指示された前記N個のアップリンクリソースにそれぞれ対応する前記半永続スケジューリング(SPS)構成の値の優先度」がN個のアップリンク許可情報を処理する際の優先度として特定されている。 ここで、当該発明特定事項は、引用例2、4、5には記載されておらず、また、移動体通信分野における周知技術でもない。 したがって、引用発明において、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項である「前記N個のアップリンク許可情報によって指示された前記N個のアップリンクリソースにそれぞれ対応する前記半永続スケジューリング(SPS)構成の値の優先度」という発明特定事項を採用することは、当業者といえども、容易に相当し得たとはいえない。 よって、相違点1について検討するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用例2、4、5に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 2 本願発明2について 本願発明2は、本願発明1の発明特定事項を全て含むから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用例2、4、5に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。 3 本願発明3について 本願発明3は、本願発明1に対応する端末装置の発明であり、本願発明1の上記相違点2に対応する「前記N個のアップリンク許可情報によって指示された前記N個のアップリンクリソースにそれぞれ対応する前記半永続スケジューリング(SPS)構成の値の優先度」という発明特定事項を含むことから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用例2、4、5に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 4 本願発明4、5について 本願発明4、5は、本願発明3の発明特定事項を全て含むから、本願発明3と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用例2、4、5に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。 5 本願発明6について 本願発明6は、ネットワーク装置の発明であり、本願発明1の上記相違点2に対応する「N個のアップリンク許可情報によって指示されたN個のアップリンクリソースにそれぞれ対応する前記半永続スケジューリング(SPS)構成の値の優先度」という発明特定事項を含むことから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用例2、4、5に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 第6 原査定についての判断 令和4年9月26日にされた手続補正により、本願発明1ないし本願発明6のいずれも、少なくとも「前記N個のアップリンク許可情報によって指示された前記N個のアップリンクリソースにそれぞれ対応する前記半永続スケジューリング(SPS)構成の値の優先度」という発明特定事項を備えるものとなっている。 してみれば、上記「第5」のとおり、本願発明1ないし6は、当業者であっても、原査定において引用された引用発明及び引用例2、4、5に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 したがって、原査定の理由を維持することはできない。 第7 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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