2022-015202
鼻用アセンブリ
- 審判番号
- 2022-015202
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-115192外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年09月26日
- 審決日
- 2023年12月12日
- 公報発行日
- 2024年05月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】レスメド・プロプライエタリー・リミテッド
- 【請求人代理人】村山 靖彦
- 【請求人代理人】実広 信哉
- 【請求人代理人】阿部 達彦
- 分類
- P18 .537-WZ (A61M)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法36条6項1号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 7項目
第1 手続の経緯
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本願は、2004年(平成16年) 2月20日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2003年 2月21日 (US)アメリカ合衆国 2003年 6月27日 (US)アメリカ合衆国 2003年 7月22日 (US)アメリカ合衆国 2003年 8月12日 (US)アメリカ合衆国 2003年12月16日 (US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願である特願2006-501369号の一部を平成21年 7月16日に新たな特許出願とした特願2009-168215号の一部を平成22年10月25日に新たな特許出願とした特願2010-238353号の一部を平成25年12月24日に新たな特許出願とした特願2013-265019号の一部を平成29年 3月 3日に新たな特許出願とした特願2017-40242号の一部を、さらに令和 2年 7月 2日に新たな特許出願としたものであって、その後の手続の概要は、以下のとおりである。
第2 拒絶の理由
当審が令和 5年 3月14日付けで通知した拒絶理由は、この出願は、特許請求の範囲の請求項11の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない、という理由を含むものである。
記
本願明細書の記載によれば、本願発明が解決しようとする課題は、患者の鼻孔を下側で密封する部分を有するクッションを備えた鼻用のマスクアセンブリにおいて、患者の鼻腔に対する効果的な密封力を与えることであると認められる。そして、当該課題を解決するための手段は、上向きの成分を有するクッション密封力をつくりだすことであると解される。
しかしながら、請求項11に係る発明は、下記a~bの点
a 「マスクアセンブリ」について、呼吸可能なガスの供給を患者の鼻の気道に行う点
b 「クッション」について、使用時に患者の鼻梁に接触することなく、患者の鼻の下側に密封係合するように成形および構成された点
の特定がされておらず、出願時の技術常識に照らしても、上記の課題を解決できると当業者が認識できる範囲を超えている。
そして、請求項11に係る発明の範囲まで、発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化できるとはいえない。
よって、請求項11係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない。
第3 当審の判断
1 本願発明
令和 5年 7月20日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項11に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりである。
「フロージェネレータから患者の気道に陽圧に加圧された呼吸可能なガスを供給して睡眠呼吸障害を治療するためのマスクアセンブリであって、前記マスクアセンブリは、クッションと、フロージェネレータから呼吸可能なガスの供給を受けるためにガス供給導管に接続されるように構成された導管コネクタを有するフロージェネレータコネクタであって、前記導管コネクタは使用中に前記フロージェネレータコネクタと前記ガス供給導管との間の相対運動を可能にするように旋回可能である、フロージェネレータコネクタと、前記呼吸可能なガスの供給を受けるために前記フロージェネレータコネクタに接続された一対の入口導管であって、使用中、前記一対の入口導管のそれぞれは患者の頭の対応する側部に沿って配置されるように構成されており、前記一対の入口導管のそれぞれは患者の頭の上方から患者の鼻の近位まで延びるように構成されており、前記一対の入口導管のそれぞれは、患者の対応する目と耳との間を前記クッションに対して上方向に延びるように構成されて使用時に前記導管コネクタを患者の頭頂部に保持する、一対の入口導管と、一対のコネクタ部分であって、前記一対のコネクタ部分のそれぞれは前記フロージェネレータコネクタの側とは反対側にある一対の入口導管のうちの対応する1つの端部に接続されており、前記一対のコネクタ部分のそれぞれは前記クッションに取り外し可能に結合されるように構成されている、一対のコネクタ部分と、前記一対の入口導管のそれぞれを接続する後部ストラップであって、使用時に患者の頭の後部の周りを通るように構成された、後部ストラップと、を備えるマスクアセンブリ。」
2 拒絶の理由(特許法第36条第6項第1号)について
(1)サポート要件について
特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号に係る規定(いわゆる「サポート要件」)に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである(知財高裁特別部平成17年(行ケ)第10042号。また、知財高裁平成28年(行ケ)第10147号、知財高裁平成28年(行ケ)第10057号、知財高裁平成21年(行ケ)第10296号参照)。
このような観点に立ち、以下、本願明細書の記載について検討する。
(2)本願明細書の発明の詳細な説明の記載について
本願明細書の発明の詳細な説明には、特に本願発明に関連する以下の記載がある。(下線は当審で付したものである。以下同じ。)
ア「【技術分野】
【0001】
本発明は、持続的気道陽圧法(CPAP)または非侵襲的陽圧換気法(NPPV)による睡眠呼吸障害(SDB)の治療のために使用される鼻用アセンブリに関する。
…
【背景技術】
【0002】
SDBの治療で使用される幾つかの鼻用アセンブリは、患者の鼻腔内に挿入するように構成されている。空気またはその他の呼吸可能な気体が、ブロワによって供給され、柔軟な導管に沿って鼻用アセンブリに通される。
【0003】
鼻用アセンブリは、一般に、比較的剛直な殻、例えば枠と、剛直な殻上に装着され、患者の鼻腔内に挿入されるように構成した1対のノズル(鼻ピロー、鼻プロング、カニューレ、または鼻パフの形態であってもよい)を備える。ノズルは、通常、ヘッドギアアセンブリを使用して定位置に保持され、比較的剛直な殻及びヘッドギアアセンブリが、ある形態のコネクタを使用して接合される。」
イ「【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記で議論したものなどの公知の鼻用アセンブリでの共通の問題点は、患者の快適性である。例えば、プロングは、剛直な殻及びプロングを患者の鼻のほうへ引くヘッドギアアセンブリによって加えられる引張力のため、患者の鼻を刺激する傾向がある。
【0013】
別の問題点は、患者の快適性を犠牲にすることのない患者の鼻腔との密封嵌合の達成である。」
ウ「【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の一態様は、患者に対してより多くの快適性を与える鼻用アセンブリを目的とする。
【0019】
本発明の別の態様は、患者の鼻腔との効果的な密封を可能にする鼻用アセンブリを目的とする。好ましくは、鼻用アセンブリは、鼻孔の外縁部と快適に接触し、鼻腔の敏感な内部通路(例えば粘膜表面または内部通路)を避けるノズルを備えるノズルアセンブリを目的としている。
【0020】
本発明の更に別の態様は、ノズルと患者の鼻腔との間の効果的な密封を与えるためにヘッドギアアセンブリからの引張力に頼らない鼻用アセンブリを目的としている。」
エ「【0026】
本発明の別の態様は、呼吸可能な気体を患者に移送するための鼻用アセンブリを与える。鼻用アセンブリは、主本体及び主本体の各横方向側面上に設けた側部枠部材を有する枠を備え、各側部枠部材は、一体に形成された第1のコネクタ部分を備える。ノズルアセンブリはガセットすなわちベース部分及び1対のノズルを備える。ノズルアセンブリは、使用中患者の鼻の鼻腔と密封係合するように構成した1対のノズルによって枠の主本体と結合される。1対の取入導管が、患者による呼吸のために枠及びノズルアセンブリ内に呼吸可能な気体を移送するように構成される。1対の第2のコネクタ部分が、枠の各第1のコネクタ部分に取外し可能かつ回転自在に接続される。第2のコネクタ部分は、アングルコネクタを介して取入導管と連通する。ヘッドギアアセンブリが、枠及びノズルアセンブリを患者の顔上の所望の調節位置に維持するように、第2のコネクタ部分及びアングルコネクタの少なくとも1つと取外し可能に接続される。」
オ「【0088】
[第2例示実施形態]
図25~図37は、210として示す鼻用アセンブリの別の実施形態を示す。図25~図37に最もよく示すように、鼻用アセンブリ210は、枠216と、枠216と取外し可能に接続されたノズルアセンブリ218を備える。ヘッドギアアセンブリ220(図37参照)が、好ましくは、枠216及びノズルアセンブリ218を患者の顔上の所望の調節位置に維持するために枠216に取外し可能に取り付けている。取入導管274(例えば図36及び37を参照)もまた、患者による呼吸のために枠216及びノズルアセンブリ218内に呼吸可能な気体を移送するために枠216に取外し可能に取り付けている。」
カ「【0091】
ノズルアセンブリ218の主本体219は、ガセット部分248及びそれに取り付けられた1対のノズル250を備える。」
キ「【0093】
第2のコネクタ部分226の後部部分262は、ヘッドギアアセンブリ220のストラップがそれを通過し、取外し可能に接続される開口を形成するクロスバー270を備える。後部部分262はまた、呼吸可能な気体を枠216及びノズルアセンブリ218に移送する取入導管と接続するように構成した1対の導管272を備える。
【0094】
図36に示すように、鼻用アセンブリ210は、1対の取入導管274(取入導管274の一方しか図36で見えていない)を備える。導管274の第1の端部が、枠216と接続された各第2のコネクタ部分226と接続される。1対の導管274の第2の端部は、加圧された呼吸可能な気体を供給する加圧供給部と接続される。図36及び図37に示すように、1対の取入導管274は、患者の頭部を覆って上向きに延在するように経路が設定される。しかしながら、1対の取入導管274は、何れかの適切な方式で経路を設定してもよい、例えば患者の顎の下に下向きに延在するように経路を設定してもよい。
【0095】
結果として、加圧された気体が、第1及び第2の対の取入導管274を通って枠216及びノズルアセンブリ218内を通過し、患者による呼吸のためにノズル250を通ることができる。
【0096】
図35は、第2の対の取入導管274の第2の端部を加圧供給源と相互接続するような構造にされたフロージェネレータコネクタ284を示す。特に、フロージェネレータコネクタ284は、1対の取入導管274の一方と接続するように構成した1対の第1の導管286と、1対の取入導管274のもう一方と接続するように構成した1対の第2の導管288と、を備える。フロージェネレータコネクタ284は、加圧された気体、空気または流体の供給源と接続される導管と接続するように構成した第3の導管290を備える。第3のコネクタ290は、フロージェネレータコネクタ284と加圧供給源に付随する導管との間の相対運動を可能にするためのスイーベル機構またはフレキシブルジョイントを備えてもよい。また、第3のコネクタ290は、第3のコネクタ290が頭上構成で患者の頭頂部にあるとき、チューブの張力が最小になるように、ボールソケットジョイントを備えてもよい。」
ク「【0098】
ヘッドギアアセンブリ220が、枠216及びノズルアセンブリ218を患者の顔上の所望の調節位置に維持するために、枠216に取り付けた第2のコネクタ部分226に取外し可能に取り付けられる。図37に示すように、ヘッドギアアセンブリ220は、側部部分292を接続する後部部分294を備える2つの側部部分292(側部部分292のうち1つだけを図37に視覚的に図示した)を備える。各側部部分292は、側部ストラップ296を備える。2つの側部部分292を相互接続する後部部分294は、患者の頭部の頭頂部の上を通る上側ストラップ298と、患者の頭部の後部部分の周囲を通る後部ストラップ299と、を備える。上側及び後部ストラップ298、299は、嵌合するように調節してもよく、単一のストラップまたはループであってもよい。また、ヘッドギアアセンブリは、枠に恒久的に取り付けてもよい。」
ケ「【0101】
図37に示すように、ヘッドギアアセンブリ220は、フロージェネレータコネクタ284及び取入導管274を患者の頭部の上の定位置に保持するための保持ストラップ291を備える。ヘッドギアアセンブリ220はまた、患者の頭部の上に上向きに延在するとき、ヘッドギアアセンブリ220に隣接して取入導管274を保持するための保持プロング293を備える。
【0102】
上記で説明した鼻用アセンブリ10と同様に、空気圧とともにベース部分248によって与えられる力は、患者の鼻腔12に効果的な密封力を与える。したがって、ガセット部分248は、適切な密封を達成するために必要とされるヘッドギアアセンブリの張力を減少させる。また、ノズル250の位置は、患者の快適性を改善するために使用者の鼻に対して調節してもよい。
【0103】
図25に示すように、例えば、ガセット部分248は、膨脹したとき患者の顔に比較的大きな力の成分を加えるように柔軟な可撓性構造を有する。逆に、ノズルは、患者の顔に比較的小さな力の成分を加えるように、より剛性の高い構造である。すなわち、ノズルの第1の部分は、ノズルを通じて患者の顔に比較的小さな力の成分を与えるためにばね負荷が小さい。結果として、ガセット部分及びノズルがともに、鼻用アセンブリと患者の鼻腔の間の密封を与えるための力を供給する。」
(3)本願発明の解決すべき課題について
本願発明の解決すべき課題に関連する記載としては、本願明細書の【0001】~【0003】に「本発明は、…睡眠呼吸障害(SDB)の治療のために使用される鼻用アセンブリに関する。…SDBの治療で使用される幾つかの鼻用アセンブリは、患者の鼻腔内に挿入するように構成されている。…鼻用アセンブリは、一般に、比較的剛直な殻、例えば枠と、剛直な殻上に装着され、患者の鼻腔内に挿入されるように構成した1対のノズル(鼻ピロー、鼻プロング、カニューレ、または鼻パフの形態であってもよい)を備える。ノズルは、通常、ヘッドギアアセンブリを使用して定位置に保持され、比較的剛直な殻及びヘッドギアアセンブリが、ある形態のコネクタを使用して接合される。」とある(上記(2)ア)。
また、同【0012】~【0013】に、「鼻用アセンブリでの共通の問題点は、患者の快適性である。…プロングは、剛直な殻及びプロングを患者の鼻のほうへ引くヘッドギアアセンブリによって加えられる引張力のため、患者の鼻を刺激する傾向がある。…別の問題点は、患者の快適性を犠牲にすることのない患者の鼻腔との密封嵌合の達成である。」と記載されている(上記(2)イ)。
また、同【0018】~【0020】に、「本発明の一態様は、患者に対してより多くの快適性を与える鼻用アセンブリを目的とする。…本発明の別の態様は、患者の鼻腔との効果的な密封を可能にする鼻用アセンブリを目的とする。…本発明の更に別の態様は、ノズルと患者の鼻腔との間の効果的な密封を与えるためにヘッドギアアセンブリからの引張力に頼らない鼻用アセンブリを目的としている。」と記載されている(上記(2)ウ)。
これらの記載に鑑みれば、本願発明は、「睡眠呼吸障害(SDB)の治療のために使用される鼻用アセンブリの、患者の鼻腔内に挿入される1対のプロングについて、これらを患者の鼻の方へ引くヘッドギアアセンブリの引張力を患者の鼻を過度に刺激しない程度に抑え、患者の快適性を犠牲にすることのないようにするとともに、(ヘッドギアアセンブリからの引張力に頼らない形態で、)これらと患者の鼻腔との密封嵌合を達成すること」を課題としていると解される。
(4)発明の課題が解決できるか否かについて
ア 本願における患者の鼻腔内に挿入される一対のプロングと患者の鼻腔との密封嵌合の達成に関連する発明の詳細な説明としては、上記(2)エ、カ、キの【0095】、ク、及びケの【0102】~【0103】の記載がある。
イ これら発明の詳細な説明の記載を整理すると、本願における密封嵌合は、マスクアセンブリにおけるヘッドギアアセンブリの後部ストラップと、空気圧により膨張するベース部分がノズルを介して患者の鼻腔に及ぼす力とによるものであり、本願発明の課題は、患者の鼻腔内にノズルが挿入されるマスクアセンブリにおいて、空気圧によりベース部分を膨張させることで解決すると解される。
より具体的に、発明の詳細な説明の上記(2)エの記載と、「ベース部分48は、追加の表面積または占有面積を提供するために枠16から外向きに延在する。圧力下の空気が枠16に入ると、ベース部分48が膨脹して、ノズル50を患者の鼻腔12と密封係合させる。例えば、鼻孔の方向へのベース部分の膨脹が、ノズルを鼻腔12と密封係合させる。」(【0067】)、「ベース部分48は、適切な密封を達成するために必要とされるヘッドギアアセンブリ張力を減少させる。…このことは、患者の快適性ならびに密封特性を改善する。」(【0072】)及び「ヘッドギアアセンブリ20を調節するとき、ノズル50を患者の鼻の近くにだけ持っていくか、または極めて軽く接触させることが望ましい。」(【0073】)との記載からみて、枠と、枠から外向きに延在するベース部分と1対のノズルとを有するノズルアセンブリとを備える鼻用アセンブリと、ヘッドギアアセンブリとからなり、患者への装着にあたり、ヘッドギアアセンブリを調節するとき、ノズルを患者の鼻の近くにだけ持っていくか、または極めて軽く接触させ、枠から外向きに延在するベース部分は、圧力下の空気が枠に入ると膨脹して、ノズルを患者の鼻腔と密封係合させ、鼻孔の方向へのベース部分の膨脹がノズルを鼻腔と密封係合させるマスクアセンブリの構造によって、本願発明の課題を解決すると理解でき、当該構造により、ベース部分は、適切な密封を達成するために必要とされるヘッドギアアセンブリ張力を減少させ、それによって患者の快適性ならびに密封特性を改善すると考えられる。
ウ しかし、本願発明の「マスクアセンブリ」は、患者に対する呼吸可能なガスの供給に関して、「患者の気道に陽圧に加圧された呼吸可能なガスを供給」するためのものであると特定されるに留まる上、当該「マスクアセンブリ」の構成要素である「クッション」に関しても、これに対して「取り外し可能に結合されるように構成されている、一対のコネクタ部分」が、「一対の入口導管のうちの対応する1つの端部に接続されており」、当該一対の入口導管は、「前記クッションに対して上方向に」「患者の頭の上方から患者の鼻の近位まで」「延びるように構成されて」いることが特定されるに留まっており、マスクアセンブリの全体構造からみて、患者の気道に呼吸可能なガスを供給する構成要素であると考えられる「クッション」が、枠と、枠から外向きに延在するベース部分と1対のノズルとを有するノズルアセンブリとを備え、患者の鼻腔内にノズルが挿入されて、圧力下の空気が枠に入るとベース部分が膨脹してノズルを患者の鼻腔と密封係合させる構造を有していることが特定されていないから、本願発明の上記課題を解決しないものを含んでいる。
そして、マスクアセンブリのクッションは、そのノズルが患者の鼻腔内に挿入されて鼻腔と密封係合し、膨張してノズルを患者の鼻腔と密封係合させる構造を有するものであることが、本願の優先権主張の日前において技術常識であったということはできない。
したがって、本願発明は、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決することができると認識し得る範囲のものであるということはできない。また、発明の詳細な発明に記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決することができると認識し得る範囲のものであるということもできない。
よって、本願発明は、発明の詳細な説明に記載された発明でない。
第4 むすび
以上のとおり、本願は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないから、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-015202