2022-015096
超伝導回路構造、超伝導量子チップ及び超伝導量子コンピュータ
- 審判番号
- 2022-015096
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-153054外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年09月22日
- 審決日
- 2023年06月13日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ベイジン バイドゥ ネットコム サイエンス テクノロジー カンパニー リミテッド
- 【請求人代理人】加藤 和詳
- 分類
- P18 .113-WY (G06F) / P18 .121-WY (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 16項目
第1 手続の経緯
本願は、令和2年9月11日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2019年(令和1年)12月24日(以下、「優先日」という。) 中国)の出願であって、令和3年10月7日付けで拒絶理由通知がされ、令和3年12月22日に意見書が提出されたが、令和4年5月16日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、令和4年9月22日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされたものである。
第2 原査定の概要
原査定(令和4年5月16日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
(理由1)新規性
本願請求項1、2、4、6、10、11に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
(理由2)進歩性
本願請求項1、2、4、6、10、11に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明に基づいて、また、本願請求項3、5、7に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明、および、引用文献2に記載された技術事項に基づいて、また、本願請求項8、9に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明、および、引用文献3に記載された技術事項に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
1.国際公開第2019/179741号
2.米国特許第10235635号明細書
3.特開2015-165623号公報
第3 本願発明
本願の請求項1ないし10に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明10」という。)は、令和4年9月22日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりのものである。
「【請求項1】少なくとも3つの計算量子ビットと、前記少なくとも3つの計算量子ビットに接続されるバス量子ビットと、計算量子ビットとバス量子ビットとの間に設けられ、計算量子ビットをバス量子ビットに接続し、計算量子ビットとバス量子ビットとの結合強度を調整する結合量子ビットと、を備え、続きを表示(全43行)前記バス量子ビットにより接続された任意の2つの計算量子ビットの間で等価な結合が生じ、前記バス量子ビットは共振器である、ことを特徴とする超伝導回路構造。【請求項2】前記計算量子ビットと、バス量子ビットと、結合量子ビットとは、同一または異なる回路構成を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の超伝導回路構造。【請求項3】前記バス量子ビットは超伝導量子干渉装置を含み、及び/又は、前記計算量子ビットは超伝導量子干渉装置を含み、及び/又は、前記結合量子ビットは超伝導量子干渉装置を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の超伝導回路構造。【請求項4】前記超伝導量子干渉装置は、並列接続された2つのジョセフソン接合を含む、ことを特徴とする請求項3に記載の超伝導回路構造。【請求項5】前記バス量子ビットは、さらに、前記バス量子ビットが位置する環境の電荷変動をノイズ低減するための第1のノイズ低減構造を含み、及び/又は、前記計算量子ビットは、さらに、前記計算量子ビットが位置する環境の電荷変動をノイズ低減するための第2のノイズ低減構造を含み、及び/又は、前記結合量子ビットは、さらに、前記結合量子ビットが位置する環境の電荷変動をノイズ低減するための第3のノイズ低減構造を含む、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の超伝導回路構造。【請求項6】前記バス量子ビットは、前記超伝導量子干渉装置に並列接続されたコンデンサをさらに含み、前記コンデンサが前記バス量子ビットの位置する環境の電荷変動をノイズ低減し、及び/又は、前記計算量子ビットは、前記超伝導量子干渉装置に並列接続されたコンデンサをさらに含み、前記コンデンサが前記計算量子ビットの位置する環境の電荷変動をノイズ低減し、及び/又は、前記結合量子ビットは、前記超伝導量子干渉装置に並列接続されたコンデンサをさらに含み、前記コンデンサが前記結合量子ビットの位置する環境の電荷変動をノイズ低減する、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の超伝導回路構造。【請求項7】前記超伝導回路構造は、さらに、第1の接続部材、第2の接続部材及び第3の接続部材を備え、前記バス量子ビットの第1の端部は、前記第1の接続部材を介して計算量子ビットの第1の端部に接続され、前記バス量子ビットの第2の端部は、第2の接続部材を介して結合量子ビットの第1の端部に接続され、前記計算量子ビットの第2の端部は、第3の接続部材を介して結合量子ビットの第2の端部に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の超伝導回路構造。【請求項8】前記第1の接続部材、第2の接続部材及び第3の接続部材は、コンデンサ、ジョセフソン接合、共振器のうちの少なくとも1つであり、前記第1の接続部材、第2の接続部材及び第3の接続部材として使用される素子は同一又は異なる、ことを特徴とする請求項7に記載の超伝導回路構造。【請求項9】超伝導量子チップであって、前記超伝導量子チップ上に請求項1~8のいずれか1項に記載の超伝導回路構造が形成された、ことを特徴とする超伝導量子チップ。【請求項10】超伝導量子チップ及び前記超伝導量子チップに接続される制御読取装置を少なくとも備え、前記超伝導量子チップ上に請求項1~8のいずれか1項に記載の超伝導回路構造が形成されていた、ことを特徴とする超伝導量子コンピュータ。」
第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
(1)引用文献1記載事項
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原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審により付与。以下同様。訳は、関連する特表2021-516383号公報を参考に訳した。)
A 「[0001] The invention relates generally to quantum computing, and more particularly to a lattice arrangement of qubits for quantum computations.(当審訳)[0001] 本発明は、一般に、量子コンピューティングに関し、より詳細には、量子計算のためのキュービットの格子配列(lattice arrangement)に関する。」
B 「 [0029] FIG. 1 shows a general system 100 in which the invention can be implemented. In FIG. 1 , a control device such as a conventional or dedicated computing machine 102 receives input 104 such as from a program, process, user or other suitable entity. Based on the input 104, the control device 102 generates quantum signals 108 that operate selected ones of the qubits in a qubit lattice arrangement 110. The output from the lattice arrangement 110 may comprise measurements of the qubit states that are fed back to the control device 102 such as for providing corresponding output 114 representing the experimental results or the like.(当審訳)[0029] 図1は、本発明が実施され得る汎用システム100を示す。図1において、従来または専用のコンピューティング・マシン102などの制御デバイスは、プログラム、プロセス、ユーザ、または他の適当なエンティティなどからの入力104を受信する。入力104に基づいて、制御デバイス102は、キュービット格子配列110におけるキュービットのうちの選択された1つを動作させる、量子信号108を生成する。格子配列110からの出力は、実験結果などを表す対応する出力114を提供することなどのために、制御デバイス102にフィードバックされるキュービット状態の測定値を含み得る。」
C 「[0030] Turning to example structures that may be used to formthe qubit lattice arrangement 110, FIG. 2 shows a lattice arrangement 210 comprising qubits (represented as circles in FIG. 2) arranged as hexagon structures, e.g., as represented via the hexagon structure 222 highlighted in the dashed box. The hexagon structures are adjacent one another, and share two vertices and an edge with neighboring hexagon structures. Again, this is a general rule for internal hexagon structures, and does not address hexagon structures on the perimeter of the lattice arrangement 210.[0031] The qubits in FIG. 2 are on the vertices of the hexagon structures, and in general the qubits are generally distributed symmetrically in the lattice arrangement 210. Note that the hexagon structures represented in FIG. 2 are not depicted as regular hexagons, however they can be regular hexagons. In addition to being adjacent other hexagon structures, the qubits agenerally distributed evenly in the lattice arrangement 210.[0032] Unlike horizontal and vertical grids in which internal qubits have four direct connections, it can be readily appreciated that the qubits in FIG. 2 at most are directly connected to three other qubits. Thus, for example the qubit 224, (highlighted as a black circle in FIG. 2), is directly connected only to qubits to 227 - 229 (highlighted via crossed circles). Because of the reduced number of connections (relative two horizontal and vertical grids), a qubit in one of the hexagonal structures of FIG. 2 is statistically less likely to have a frequency collision with one of its neighboring qubits.[0033] FIG. 3 illustrates how in the hexagonal lattice arrangement 210 two neighboring qubits 330, 332 connected by a bus 333 (the qubits are represented as black circles, e.g., forming a two-qubit gate) have only four other qubit frequencies that may cause crosstalk with the four qubits 336 - 339 that neighbor the gate formed by the two-qubits 330, 332. As can be readily appreciated, a similar two-qubit gate in a horizontal and vertical grid arrangement has six neighboring qubits, increasing the likelihood of a frequency collision.(当審訳)[0030] キュービット格子配列110を形成するために使用され得る例としての構造を参照すると、図2は、例えば破線の枠において強調される六角構造222によって表されるように、六角構造として配列されたキュービット(図2において円で表される)を含む格子配列210を示す。六角構造は、互いに隣接し、2つの頂点および1つのエッジを隣接する六角構造と共有する。また、これは、内部の六角構造についての汎用ルールであり、格子配列210の周辺部上の六角構造を扱っていない。[0031] 図2におけるキュービットは、六角構造の頂点上にあり、概して、キュービットは、格子配列210内において全体的に対称的に分散される。図2において表される六角構造は、正六角形として示されていないが、それらは、正六角形であってもよいことに留意されたい。隣接する他の六角構造であることに加えて、キュービットは、概して格子配列210内に均一に分散される。[0032] 内部のキュービットが4つの直接接続を有する水平および垂直グリッドとは異なり、図2のキュービットは多くとも3つの他のキュービットに直接接続されると、容易に理解され得る。よって、例えば、キュービット224(図2において黒い円で強調される)は、キュービット227~229(十字が描かれた円で強調される)のみに直接接続される。接続数の減少(2つの水平および垂直グリッドと比較して)によって、図2の六角構造のうちの1つにおけるキュービットは、統計的に、その近隣キュービットのうちの1つとの周波数衝突を有する可能性が低い。[0033] 図3は、六角格子配列210において、バス333によって接続される2つの近隣キュービット330、332(キュービットは、黒い円として表され、例えば2つのキュービット・ゲートを形成する)が、2つのキュービット330、332によって形成されるゲートに隣接する4つのキュービット336~339とクロストークを引き起こし得る、4つの他のキュービット周波数のみをどのように有するかを示す。容易に理解され得るように、水平および垂直グリッド配列における類似の2つのキュービット・ゲートは、6つの近隣キュービットを有し、周波数衝突の可能性が増加する。」
D 「[0034] Another embodiment of the invention, represented in FIG. 4, is directed towards having assigned roles for qubits, and positioning those qubits on a lattice arrangement to further reduce the likelihood of frequency collisions. In FIG. 4, the small black circles represent coupling qubits, while the larger white circles represent other qubits. In one or more implementations, the coupling qubits are control qubits, while the other qubits are target qubits; (the concept and functionality of control qubits and target qubits are well known in quantum computing, and thus are not described in detail herein). Note that the sizes of the circles are not intended to convey actual relative sizes, but rather to help visually differentiate the two roles of the qubits.[0035] In FIG. 4, the hexagonal structures (e.g., one of which is represented by the dashed box 442) are generally similar to those of FIGS. 2 and 3, in that some qubits are positioned on the vertices of the hexagon structures, the hexagonal structures are adjacent one another, the qubits are generally evenly spaced, and so on. Flowever, in contrast to FIGS. 2 and 3, the edges between the vertices have coupling (e.g., control) qubits positioned thereon. As can be seen, qubit 444 (e.g., a target qubit) is connected through coupling qubit 445, and thereby indirectly connected to qubit 446. Thus, there are two qubits per bus, namely an edge-positioned coupling (e.g., control) qubit and a vertex-positioned (e.g., target) qubit.[0036] Accordingly, as represented in FIG. 5, for every two qubit gate (the small and large black circles 552 and 554, respectively), with the control driven at the target, only one other qubit (represented by the“crossed” qubit 556) is directly coupled to the control qubit 552, therefore reducing the number of frequency collisions.(当審訳)[0034] 図4に表される本発明の別の実施形態は、周波数衝突の可能性をさらに減少させるために、キュービットに役割を割り当てていること、および格子配列上にそれらのキュービットを配置することを対象とする。図4において、小さな黒い円は連結キュービットを表し、大きな白い円は他のキュービットを表す。1つまたは複数の実施において、連結キュービットは制御キュービットであり、他のキュービットはターゲット・キュービットである(制御キュービットおよびターゲット・キュービットの概念および機能性は、量子コンピューティングにおいて周知であり、よって本明細書では詳細に記載されない)。円の大きさは、実際の相対的な大きさを伝えることを意図するものではなく、キュービットの2つの役割を視覚的に区別することを助けることを意図するものであることに留意されたい。[0035] 図4において、六角構造(例えば、その1つが、破線の枠442によって表される)は、いくつかのキュービットが六角構造の頂点上に配置され、六角構造が互いに隣接し、キュービットが概して均一に間隔が保たれるなどの点において、図2および図3のものと概して類似である。しかしながら、図2および図3とは対照的に、頂点間のエッジは、その上に配置された連結(例えば、制御)キュービットを有する。図から分かるように、キュービット444(例えば、ターゲット・キュービット)は、連結キュービット445を通して接続され、それによって、キュービット446に間接的に接続される。よって、バス毎に2つのキュービット、すなわち、エッジ配置の連結(例えば、制御)キュービットおよび頂点配置の(例えば、ターゲット・)キュービットが存在する。[0036] したがって、図5に表されるように、制御がターゲットにおいて駆動される、2つのキュービット・ゲート(それぞれ、小さな黒い円552および大きな黒い円554)毎に、1つの他のキュービット(「十字が描かれた」キュービット556によって表される)のみが、制御キュービット552に直接連結され、したがって、周波数衝突の数が減少する。」
E 「[0050] One or more aspects of the invention are directed towards a superconducting qubit lattice comprising superconducting target qubits and superconducting control qubits, in which the lattice comprises adjacent structures having vertices connected by edges. The target qubits may be positioned on the vertices and the control qubits may be positioned on the edges. A first target qubit may connect to a second target qubit via a control qubit on an edge between the first target qubit and the second target qubit.(当審訳)[0050] 本発明の1つまたは複数の態様は、超伝導キュービットを含む超伝導キュービット格子を対象とし、キュービット格子は、エッジによって接続された頂点を有する隣接構造を含む。キュービットは、頂点上に配置され得る。キュービットは、3つ以下の他のキュービットに接続する。」
F 「【図2】[図:0001399164000001.jpg]」
G 「【図3】[図:0001399164000002.jpg]」
H 「【図4】[図:0001399164000003.jpg]」
I 「【図5】[図:0001399164000004.jpg]」
J 上記Cの段落[0030]、[0031]、および図2(上記F)によれば、引用文献1には、図2のキュービット格子配列210として、キュービット格子配列は、六角構造として配列されたキュービットを含み、六角構造は、互いに隣接し、2つの頂点および1つのエッジを隣接する六角構造と共有し、キュービットは、六角構造の頂点上にあることが記載されている
また、上記Dの段落[0035]、および、図4(上記H)によれば、図4のキュービット格子配列410の六角構造は、キュービットが六角構造の頂点上に配置され、六角構造が互いに隣接する点では図2のものと類似であるが、連結(例えば、制御)キュービットが頂点間のエッジ上に配置されたことでは、図2のものと異なっていることが記載されている。
してみると、引用文献1には、図4のキュービット格子配列410として、キュービット格子配列は、六角構造として配列されたキュービットを含み、六角構造は、互いに隣接し、2つの頂点および1つのエッジを隣接する六角構造と共有し、キュービットは、六角構造の頂点上にあり、連結(例えば、制御)キュービットが頂点間のエッジ上に配置されている、ことが記載されているといえる。
(2)引用発明
上記(1)から、特に図4の実施形態のものに注目すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる
「量子コンピューティングの、量子計算のためのキュービットのキュービット格子配列において、キュービット格子配列は、六角構造として配列されたキュービットを含み、六角構造は、互いに隣接し、2つの頂点および1つのエッジを隣接する六角構造と共有し、キュービットが、六角構造の頂点上にあり、また、連結(例えば、制御)キュービットが頂点間のエッジ上に配置されているものであって、キュービット(例えば、ターゲット・キュービット)は、連結キュービットを通して接続され、それによって、キュービットは間接的に接続され、よって、バス毎に2つのキュービット、すなわち、エッジ配置の連結(例えば、制御)キュービットおよび頂点配置の(例えば、ターゲット・)キュービットが存在し、キュービット格子は、超伝導キュービットを含む超伝導キュービット格子を対象とし、エッジによって接続された頂点を有する隣接構造を含み、キュービットは、頂点上に配置され、キュービットは、3つ以下の他のキュービットに接続されるものである、キュービット格子配列。」
2 引用文献2について
(1)引用文献2記載事項
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原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。(訳は、関連する特表2021-500737号公報を参考に訳した。)
A 「With reference to FIG. 1, this figure depicts some example configurations of a capacitively-shunted asymmetric DC-SQUID in accordance with an illustrative embodiment. Configuration 100 forms one example configuration of a capacitively-shunted asymmetric DC-SQUID in which a single (N=1) asymmetric dc-SQUID 102 is used.Josephson junction 102-1 and Josephson junction 102-2 are shown in their respective positions only as non-limiting examples. The positions of the Josephson junctions can be interchanged with one another in the superconducting loop of SQUID 102 assuming that input current I is delivered via a wire that is centered between Josephson junctions 102-1 and 102-2.Asymmetric dc-SQUID 102 is a modification of a symmetric dc-SQUID in that the two Josephson junctions 102-1 and 102-2 in SQUID 102 have different critical currents (generally have different areas), as represented by the different sizes (not to scale) of the symbols (cross) representing the Josephson junctions in SQUID 102. Josephson junction 102-1 has critical current Ic1. Josephson junction 102-2 has critical current Ic2. According to the illustrative embodiments, Josephson junctions 102-1 and 102-2 are desirably of different sizes so as to allow when shunted by a capacitance for a limited band of tunable frequencies (frequency resonance range) of the device 100 or 150. For example, if the frequency of the qubit (not shown) that is to be read or reset is in the neighborhood of 4.7 Gigahertz (GHz), a desirable limited band of tunable frequency might range from 4.5 GHz to 8.5 GHz. If the sizes of the two Josephson junctions in SQUID 102 were identical, or near-identical, the bottom of the frequency range of the capacitively-shunted SQUID would approach vanishing frequencies, assuming the high limit of the range remained unchanged. As one of ordinary skill in the art would appreciate, a larger frequency band leads to steeper slopes between the peaks and troughs of the frequency tunability graph. The significance of ending the frequency range just below the frequency of the qubit, and the resulting smaller slopes in the frequency tunability curve of the capacitively-shunted SQUID, will become clearer from FIGS. 4-6 described herein. Asymmetric Josephson junctions 102-1 and 102-2, when selected suitably, allow a stable frequency minimum of the frequency range of the capacitively-shunted asymmetric DC-SQUID 102.Asymmetric DC-SQUID 102 is shunted (electrically coupled in parallel) with capacitive device 104. Capacitor 104 in parallel with the inductance of asymmetric DC-SQUID 102 forms capacitively-shunted asymmetric DC-SQUID 100 which functions as a tunable resonator. Tunable resonator 100 operates as a resonator whose frequency is tunable or changeable by tuning or adjusting an external magnetic flux (Φext) applied to tunable SQUID 100. It is assumed that the inductance of the superconducting loops of the SQUIDs 102 is small and satisfies the inequality L(Ic1+Ic2)<<Φext. This assumption mainly simplifies the analysis and the calculation of the device response, because it implies that the total flux threading the dc-SQUID loop is equal or almost equal to the applied external flux Φext.(第6欄第32行-第7欄第41行)(当審訳)図1を参照すると、この図は、本発明を実施する容量性分路付き非対称DC-SQUIDの例示的ないくつかの構成を示す。構成100は、容量性分路付き非対称DC-SQUIDの例示的な1つの構成を形成し、この構成では、単一(N=1)の非対称dc-SQUID102が使用されている。ジョセフソン接合102-1およびジョセフソン接合102-2が、対応するそれぞれの位置に示されている。これらの位置は単なる非限定的な例である。ジョセフソン接合102-1と102-2の間の中間に置かれたワイヤを介して入力電流Iが送達されることを前提に、これらのジョセフソン接合の位置は、SQUID102の超電導ループ内で互いに交換することができる。非対称dc-SQUID102は、SQUID102の2つのジョセフソン接合102-1と102-2が異なる臨界電流を有する(一般に異なる面積を有する)ように、対称dc-SQUIDを変更したものであり、このことが、SQUID102のジョセフソン接合を表す記号(×)の異なるサイズ(比例しているわけではない)によって表されている。ジョセフソン接合102-1は臨界電流Ic1を有する。ジョセフソン接合102-2は臨界電流Ic2を有する。本発明の好ましい実施形態では、分路に静電容量を有するときにデバイス100または150の同調可能周波数の限定された帯域(周波数共振範囲)を可能にするために、ジョセフソン接合102-1と102-2が、望ましくも異なるサイズを有する。例えば、読み出すまたはリセットするキュービット(図示せず)の周波数が約4.7ギガヘルツ(GHz)である場合、同調可能周波数の望ましい限定された帯域が、4.5GHzから8.5GHzの範囲であることがある。SQUID102の2つのジョセフソン接合のサイズが同一またはほぼ同一である場合、容量性分路付きSQUIDの周波数範囲の下限は、上限が変化しないと仮定すると、ゼロ周波数(vanishing frequency)に近づくであろう。当業者なら理解することだが、周波数帯域が広いほど、周波数同調可能性グラフのピークと谷の間の傾きは大きくなる。キュービットの周波数よりもわずかに低い周波数のところに周波数範囲の末端がある重要性、および容量性分路付きSQUIDの周波数同調可能性曲線の結果として生じるより小さな傾きは、本明細書に記載された図4~6からより明らかになる。適当に選択されたとき、非対称ジョセフソン接合102-1および102-2は、容量性分路付き非対称DC-SQUID102の周波数範囲の安定した最小周波数を可能にする。非対称DC-SQUID102は、容量性デバイス104を分路として有する(容量性デバイス104と並列に電気結合されている)。非対称DC-SQUID102のインダクタンスと並列に結合されたコンデンサ104は、同調可能共振器として機能する容量性分路付き非対称DC-SQUID100を形成している。同調可能共振器100は、同調可能SQUID100に加えられた外部磁束(Φext)を同調させるまたは調整することによってその周波数を同調させることまたは変更することが可能な共振器として動作する。SQUID102の超電導ループのインダクタンスは小さく、不等式L(Ic1+Ic2)<<Φextを満たすと仮定する。この仮定は、dc-SQUIDループを貫く全磁束が、加えられた外部磁束Φextに等しいかまたはほぼ等しいことを意味するため、この仮定は主として、デバイス応答の解析および計算を単純にする。」
B 「【図1】[図:0001399164000005.jpg]」
3 引用文献3について
(1)引用文献3記載事項
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原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。
A 「【0034】この装置は、ジョセフソン接合を備えた第1超伝導リング101と、ジョセフソン接合を備えた第2超伝導リング102とを結合するキャパシタ103を備える。第1超伝導リング101と第2超伝導リング102とはキャパシタ103を介して接続される。このイジング型相互作用発生装置は、第1超伝導リング101による第1量子ビットと第2超伝導リング102による第2量子ビットとの間に、イジング型相互作用を生成する。なお、図1において、符号111,112,113,114,121,122,123,124は、ジョセフソン接合であり、実施の形態では、各超伝導リングが、各々4つのジョセフソン接合を備える場合を例示している。」
B 「【図1】[図:0001399164000006.jpg]」
第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「キュービット」は、「量子計算のための」ものであり、計算用のキュービットといえる。
また、引用発明の「キュービット」は、「六角構造の頂点上に配置され」、「六角構造が互いに隣接」され、「3つ以下の他のキュービットに接続される」ものである。
してみると、引用発明の「キュービット」は、本願発明1の「少なくとも3つの計算量子ビット」に相当する。
イ 引用発明の「キュービット」は、「六角構造の頂点上にあり、また、連結(例えば、制御)キュービットが頂点間のエッジ上に配置され」、「キュービット(例えば、ターゲット・キュービット)は、連結キュービットを通して接続され、それによって、キュービットに間接的に接続され」るものであって、また、「六角構造が互いに隣接」するものである。
してみると、引用発明の隣接する「六角構造」で共有されている2つの頂点の「キュービット」のいずれか一方は、「連結キュービット」を介して、3つの他のキュービットに接続されているといえる。
したがって、引用発明のこの3つの他のキュービットに接続される「キュービット」と、本願発明1の「前記少なくとも3つの計算量子ビットに接続されるバス量子ビット」ととは、後記の点で相違するものの、「前記少なくとも3つの計算量子ビットに接続される接続量子ビット」の点では共通する。
ウ また、上記イの点を踏まえると、引用発明の「連結キュービット」と、本願発明1の「計算量子ビットとバス量子ビットとの間に設けられ、計算量子ビットをバス量子ビットに接続し、計算量子ビットとバス量子ビットとの結合強度を調整する結合量子ビット」とは、後記の点で相違するものの、「計算量子ビットと接続量子ビットとの間に設けられ、計算量子ビットを接続量子ビットに接続する、結合量子ビット」の点では共通する。
エ 引用発明の「キュービット格子配列」は、「量子コンピューティング」
のためのものであり、また、「超伝導キュービット格子」であるから、本願発明1の「超伝導回路構造」に相当する。
したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
〈一致点〉
「少なくとも3つの計算量子ビットと、前記少なくとも3つの計算量子ビットに接続される接続量子ビットと、計算量子ビットと接続量子ビットとの間に設けられ、計算量子ビットを接続量子ビットに接続する、結合量子ビットと、を備える、超伝導回路構造。」
〈相違点1〉
「接続量子ビット」が、本願発明1では、「バス量子ビット」であって、「前記バス量子ビットにより接続された任意の2つの計算量子ビットの間で等価な結合が生じ」るものであり、さらに、「前記バス量子ビットは共振器である」のに対して、引用発明では、「キュービット」であって、その旨の特定がされていない点。
〈相違点2〉
「結合量子ビット」が、本願発明1では、「計算量子ビットとバス量子ビットとの間に設けられ、計算量子ビットをバス量子ビットに接続し、計算量子ビットとバス量子ビットとの結合強度を調整する」ものであるのに対して、引用発明では、「連結キュービット」は、「キュービット」と「キュービット」との間に設けられ、「キュービット」と「キュービット」を接続するものであって、「キュービット」と「キュービット」との結合強度を調整するかは不明な点。
(2)相違点についての判断
事案に鑑みて、相違点1について検討する。
引用文献2には、超伝導キュービット(非対称DC-SQUID102)
を、読み出しまたはリセットのためのキュービットと同調を行う同調可能共振器として用いることは記載されているが、超伝導キュービットを2つの計算キュービットの間で等価な結合を生じさせるための共振器として用いることは記載されていない。
また、引用発明の「キュービット」は、「量子計算のため」のものであって、それ以外の目的の、接続される任意の2つのキュービットの間で等価な結合を生じさせるために用いる理由が存在しない。
さらに、引用文献3には、相違点1に関する構成は記載されておらず、また、そのことが周知の技術であったとも認められない。
したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本願発明1は、引用文献1に記載された発明ではなく、また、当業者であっても引用文献1に記載された発明、および引用文献2、3に記載された技術事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
2 本願発明2ないし8について
本願発明2ないし8は、本願発明1の構成を含むものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用文献1に記載された発明ではなく、また、当業者であっても引用文献1に記載された発明、および引用文献2、3に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
3 本願発明9、10について
本願発明9、10は、いずれも,本願発明1と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用文献1に記載された発明ではなく、また、当業者であっても引用文献1に記載された発明、および引用文献2、3に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
第6 原査定について
審判請求時の補正により、本願発明1-10は上記第3に示したとおりのものとなっているから、本願発明1、2、3、5、9、10(原査定時の請求項1、2、4、6、10、11に係る発明に対応。)は、引用文献1に記載された発明ではなく、また、本願発明1-10は、当業者であっても、引用文献1に記載された発明、および引用文献2、3に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。
したがって、原査定の理由1(新規性)及び理由2(進歩性)を維持することはできない。
第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-015096