特許拒絶査定不服審判
2022-013769
眼科用水性組成物
- 審判番号
- 2022-013769
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-157154
- 請求日
- 2022年09月02日
- 審決日
- 2023年09月19日
- 公報発行日
- 2023年10月27日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ロート製薬株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 杉江 渉
- 審判官 原田 隆興
- 審判官 渕野 留香
- 分類
- P18 .575-WY (A61K) / P18 .121-WY (A61K) / P18 .537-WY (A61K)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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特願2020-157154「眼科用水性組成物」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年12月24日出願公開、特開2020-203944、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、2015年(平成27年)6月9日(パリ条約による優先権主張:2014年6月10日、2015年4月15日、いずれも日本国)を国際出願日とする出願(特願2016-527823号)の一部を、令和2年9月18日に新たな特許出願としたものであって、令和4年2月21日付け手続補正書(以下「手続補正書」という。)によって手続補正がなされたところ、当該手続補正は、令和4年6月1日付けの補正の却下の決定(以下「補正の却下の決定」という。)により却下され、本願は、同日付けで、令和3年10月20日付けの拒絶理由通知書(以下「拒絶理由通知書」という。)に記載した理由により拒絶の査定がなされた。
これに対し、請求人は、令和4年9月2日付けで、「原査定を取り消す。本願の発明は特許すべきもの、との審決を求める。」との趣旨の拒絶査定不服審判を請求し、この中で、「補正後の請求項1~4に係る発明は、引用文献1~3の記載に基づいて当業者が容易に発明をし得たものであると誤って認定し、その結果独立して特許を受けることができないものであるとして補正却下の決定をしたものであり、かかる補正却下の決定は誤りであり、取り消さなければならないと思料致します。」と主張している。
2 補正の却下の決定
(1)手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1~4(以下「本願発明1」~「本願発明4」という。)の記載は、以下のとおりである。
【請求項1】
(A)ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、及びステアリン酸ポリオキシルからなる群より選択される1種以上の界面活性剤;
(B)ホウ酸及び/又はホウ砂;並びに
水50w/v%以上
を含有する、眼科用水性組成物であって、
ここで、該眼科用水性組成物総量に対して、該界面活性剤の総含有量は、0.001w/v%~5w/v%であり、
(C)該眼科用水性組成物と接触する面の一部又は全部がポリブチレンテレフタレートを含有する樹脂で成形された容器に収容してなる眼科用水性組成物(但し、プラノプロフェン及び/又はその塩と、ジブチルヒドロキシトルエンとを含有する組成物を除く)。
【請求項2】
前記眼科用水性組成物のpHが、5以上8以下である、請求項1に記載の眼科用水性組成物。
【請求項3】
前記眼科用水性組成物の20℃における粘度が、0.01~10000mPa・sである、請求項1又は2に記載の眼科用水性組成物。
【請求項4】
前記(A)成分を少なくとも2種以上含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の眼科用水性組成物。
(2)補正の却下の決定の理由
補正の却下の決定の理由は、概略、以下のとおりである。
本願発明1~4は、拒絶理由通知書に記載された以下の引用文献1~3に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、本願は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
<引用文献一覧>
1.特開2003-55258号公報
2.特開2004-359629号公報
3.特開2005-154437号公報
(3)補正の却下の決定の理由に対する当審の判断
引用文献1~3には、本願発明1の(A)成分及び(B)成分を含有する点眼剤が多数の実施例の一部として記載され、点眼剤を収容するプラスチック容器の樹脂として、多数の樹脂が記載されているが、その中の1つとしてポリブチレンテレフタレートが例示されているに過ぎないから、本願発明1の特定の点眼剤の容器の樹脂として、ポリブチレンテレフタレートを選択する動機づけはない。
また、本願発明1の効果は、眼科用組成物を充填したポリブチレンテレフタレート容器の安定化、濡れ性の向上等であって、本願明細書の実施例においても、その効果が確認されているが、引用文献1~3には、本願発明1の効果について記載されておらず、出願時の技術常識をみても、本願発明1の効果が予測可能であるとはいえない。
したがって、本願発明1は、引用文献1~3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
また、本願発明2~4は、本願発明1をさらに限定したものであるから、同様の理由により、引用文献1~3に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
(4)補正却下の決定の取消
以上のとおり、本願発明1~4は、特許出願の際独立して特許を受けることのできるものであるので、手続補正書による手続補正が却下されるべき理由はない。
したがって、補正の却下の決定を取り消す。
3 本願発明1~4について
補正の却下の決定は上記のとおり取り消されたので、本願発明1~4は、上記2(1)に記載されたとおりのものである。
そして、本願は、上記2(3)で検討したとおり、拒絶理由通知書の特許法第29条第2項の理由によっては拒絶することはできない。
なお、拒絶理由通知書の特許法第36条第6項第1号の理由によっても拒絶することはできない。
4 むすび
以上のとおりであるから、本願については、原査定の理由によっては拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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