特許拒絶査定不服審判
2022-010304
熱交換器ユニット
- 審判番号
- 2022-010304
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-041613
- 請求日
- 2022年07月04日
- 審決日
- 2023年01月05日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ダイキン工業株式会社
- 【請求人代理人】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
- 審判長/審判官
- 審判長 松下 聡
- 審判官 槙原 進
- 審判官 間中 耕治
- 分類
- P18 .113-Z (F28F) / P18 .121-Z (F28F) / P18 .575-Z (F28F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第29条第1項、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2018- 41613「熱交換器ユニット」拒絶査定不服審判事件〔平成30年10月18日出願公開、特開2018-162964〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成30年3月8日(優先権主張平成29年3月27日)の出願であって、その手続の主な経緯は、以下のとおりである。
令和3年9月14日付けで拒絶理由通知
令和3年11月22日に意見書及び手続補正書の提出
令和4年3月29日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。;令和4年4月5日送達)
令和4年7月4日に拒絶査定不服審判の請求及びその請求と同時に手続補正書の提出
令和4年9月8日に上申書の提出
第2 令和4年7月4日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年7月4日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の記載は、次のとおり補正された。(下線は、補正箇所を示すために請求人が付したものである。)
「 【請求項1】
第1ヘッダ(523)及び第2ヘッダ(524)と、前記第1ヘッダ及び前記第2ヘッダのそれぞれに接続される複数の扁平多穴管からなる第1扁平管群(500)と、を有する第1熱交換器(52,52S)と、
前記第1熱交換器に並設され、かつ前記第1熱交換器よりもファン(41)による空気流の風下側に配置され、第3ヘッダ(623)及び第4ヘッダ(624)と、前記第3ヘッダ及び前記第4ヘッダのそれぞれに接続される複数の扁平多穴管からなる第2扁平管群(600)と、を有する第2熱交換器(62,62S)と、
を備え、
前記第4ヘッダは、前記第3ヘッダ側から流入する冷媒を前記第3ヘッダ側へ折り返す折り返し部(625)を有し、
前記第1熱交換器および前記第2熱交換器が凝縮器として機能するとき、前記第2熱交換器における冷媒の流れは、前記第1熱交換器において冷媒が前記第1ヘッダから前記第2ヘッダに向かう第1方向(D1)と対向する流れで始まり、前記第1方向と並行する流れで終わる、
熱交換器ユニット(42,42S)。
【請求項2】
前記第2扁平管群では、複数の扁平多穴管が上下に並んでおり、上側の1以上の扁平多穴管が上側第2熱交換領域(600U)を形成し、下側の1以上の扁平多穴管が下側第2熱交換領域(600L)を形成しており、
前記第4ヘッダが、前記上側第2熱交換領域及び前記下側第2熱交換領域のそれぞれに接続する、上側第4ヘッダ(624U)及び下側第4ヘッダ(624L)を有し、
前記折り返し部が、前記上側第4ヘッダと前記下側第4ヘッダとを連結して、前記第3ヘッダ側から流入する冷媒を前記第3ヘッダ側へ折り返す、
請求項1に記載の熱交換器ユニット。
【請求項3】
前記折り返し部は、前記上側第4ヘッダと前記下側第4ヘッダとを連結する連結管(625)を有する、
請求項2に記載の熱交換器ユニット。
【請求項4】
前記折り返し部に、冷媒の温度を計測するための温度計測器が取り付けられる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の熱交換器ユニット。
【請求項5】
前記第1方向と、前記第3ヘッダから前記第4ヘッダに向かう冷媒流れの第2方向(D2)とが対向しており、
前記第3ヘッダが、前記上側第2熱交換領域及び前記下側第2熱交換領域のそれぞれに接続する、上側第3ヘッダ(623U)及び下側第3ヘッダ(623L)を有し、
前記上側第2熱交換領域の面積が前記下側第2熱交換領域の面積よりも大きいものであり、
前記第1ヘッダ及び前記上側第3ヘッダにガス状冷媒が流れるガス冷媒配管(6a)が接続され、
前記第2ヘッダ及び前記下側第3ヘッダに液状冷媒が流れる液冷媒配管(5a)が接続される、
請求項2または請求項3に記載の熱交換器ユニット。
【請求項6】
前記第2ヘッダは、前記第1ヘッダ側から流入する冷媒を前記第1ヘッダ側へ折り返す第2折り返し部(525)を有する、
請求項2または請求項3に記載の熱交換器ユニット(42S)。
【請求項7】
前記第1扁平管群では、複数の扁平多穴管が上下に並んでおり、上側の1以上の扁平多穴管が上側第1熱交換領域(500U)を形成し、下側の1以上の扁平多穴管が下側第1熱交換領域(500L)を形成しており、
前記第2ヘッダが、前記上側第1熱交換領域及び前記下側第1熱交換領域のそれぞれに接続する、上側第2ヘッダ(524U)及び下側第2ヘッダ(524L)を有し、
前記第2折り返し部が、前記上側第2ヘッダと前記下側第2ヘッダとを連結して、前記第1ヘッダ側から流入する冷媒を前記第1ヘッダ側へ折り返す、
請求項6に記載の熱交換器ユニット。
【請求項8】
前記第1方向と、前記第3ヘッダから前記第4ヘッダに向かう冷媒流れの第2方向(D2)とが対向しており、
前記第1ヘッダが、前記上側第1熱交換領域及び前記下側第1熱交換領域のそれぞれに接続する、上側第1ヘッダ(523U)及び下側第1ヘッダ(523L)を有し、
前記第3ヘッダが、前記上側第2熱交換領域及び前記下側第2熱交換領域のそれぞれに接続する、上側第3ヘッダ及び下側第3ヘッダを有し、
前記上側第1熱交換領域及び前記上側第2熱交換領域の面積は、それぞれ前記下側第1熱交換領域及び前記下側第2熱交換領域の面積よりも大きいものであり、
前記上側第1ヘッダ及び前記上側第3ヘッダにガス状冷媒が流れるガス冷媒配管が接続され、
前記下側第1ヘッダ及び前記下側第3ヘッダに液状冷媒が流れる液冷媒配管が接続される、
請求項7に記載の熱交換器ユニット。
【請求項9】
前記第2折り返し部は、前記上側第2ヘッダと前記下側第2ヘッダとを連結する第2連結管(525)を有する、
請求項7又は8に記載の熱交換器ユニット。
【請求項10】
前記第2折り返し部に、冷媒の温度を計測するための温度計測器が取り付けられる、
請求項9に記載の熱交換器ユニット。
【請求項11】
前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器が、前記各ヘッダ間で折り曲げられる、
請求項1から10のいずれか1項に記載の熱交換器ユニット。
【請求項12】
前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器が、前記各ヘッダ間の少なくとも3箇所で折り曲げられ、平面視で略四角形状である、
請求項11に記載の熱交換器ユニット。
【請求項13】
前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器が、前記ファンを囲む形状である、
請求項11または12のいずれか1項に記載の熱交換器ユニット。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前の、令和3年11月22日にした手続補正により補正された特許請求の範囲の記載は、次のとおりである。
「 【請求項1】
第1ヘッダ(523)及び第2ヘッダ(524)と、前記第1ヘッダ及び前記第2ヘッダのそれぞれに接続される複数の扁平多穴管からなる第1扁平管群(500)と、を有する第1熱交換器(52,52S)と、
前記第1熱交換器に並設され、かつ前記第1熱交換器よりもファン(41)による空気流の風下側に配置され、第3ヘッダ(623)及び第4ヘッダ(624)と、前記第3ヘッダ及び前記第4ヘッダのそれぞれに接続される複数の扁平多穴管からなる第2扁平管群(600)と、を有する第2熱交換器(62,62S)と、
を備え、
前記第4ヘッダは、前記第3ヘッダ側から流入する冷媒を前記第3ヘッダ側へ折り返す折り返し部(625)を有し、
前記第2熱交換器における冷媒の流れは、前記第1熱交換器を流れる冷媒の流れと対向する流れで始まり、前記第1熱交換器を流れる冷媒の流れと並行する流れで終わる、
熱交換器ユニット(42,42S)。
【請求項2】
前記第2扁平管群では、複数の扁平多穴管が上下に並んでおり、上側の1以上の扁平多穴管が上側第2熱交換領域(600U)を形成し、下側の1以上の扁平多穴管が下側第2熱交換領域(600L)を形成しており、
前記第4ヘッダが、前記上側第2熱交換領域及び前記下側第2熱交換領域のそれぞれに接続する、上側第4ヘッダ(624U)及び下側第4ヘッダ(624L)を有し、
前記折り返し部が、前記上側第4ヘッダと前記下側第4ヘッダとを連結して、前記第3ヘッダ側から流入する冷媒を前記第3ヘッダ側へ折り返す、
請求項1に記載の熱交換器ユニット。
【請求項3】
前記折り返し部は、前記上側第4ヘッダと前記下側第4ヘッダとを連結する連結管(625)を有する、
請求項2に記載の熱交換器ユニット。
【請求項4】
前記折り返し部に、冷媒の温度を計測するための温度計測器が取り付けられる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の熱交換器ユニット。
【請求項5】
前記第1ヘッダから前記第2ヘッダに向かう冷媒流れの第1方向(D1)と、前記第3ヘッダから前記第4ヘッダに向かう冷媒流れの第2方向(D2)とが対向しており、
前記第3ヘッダが、前記上側第2熱交換領域及び前記下側第2熱交換領域のそれぞれに接続する、上側第3ヘッダ(623U)及び下側第3ヘッダ(623L)を有し、
前記上側第2熱交換領域の面積が前記下側第2熱交換領域の面積よりも大きいものであり、
前記第1ヘッダ及び前記上側第3ヘッダにガス状冷媒が流れるガス冷媒配管(6a)が接続され、
前記第2ヘッダ及び前記下側第3ヘッダに液状冷媒が流れる液冷媒配管(5a)が接続される、
請求項2または請求項3に記載の熱交換器ユニット。
【請求項6】
前記第2ヘッダは、前記第1ヘッダ側から流入する冷媒を前記第1ヘッダ側へ折り返す第2折り返し部(525)を有する、
請求項2または請求項3に記載の熱交換器ユニット(42S)。
【請求項7】
前記第1扁平管群では、複数の扁平多穴管が上下に並んでおり、上側の1以上の扁平多穴管が上側第1熱交換領域(500U)を形成し、下側の1以上の扁平多穴管が下側第1熱交換領域(500L)を形成しており、
前記第2ヘッダが、前記上側第1熱交換領域及び前記下側第1熱交換領域のそれぞれに接続する、上側第2ヘッダ(524U)及び下側第2ヘッダ(524L)を有し、
前記第2折り返し部が、前記上側第2ヘッダと前記下側第2ヘッダとを連結して、前記第1ヘッダ側から流入する冷媒を前記第1ヘッダ側へ折り返す、
請求項6に記載の熱交換器ユニット。
【請求項8】
前記第1ヘッダから前記第2ヘッダに向かう冷媒流れの第1方向と、前記第3ヘッダから前記第4ヘッダに向かう冷媒流れの第2方向とが対向しており、
前記第1ヘッダが、前記上側第1熱交換領域及び前記下側第1熱交換領域のそれぞれに接続する、上側第1ヘッダ(523U)及び下側第1ヘッダ(523L)を有し、
前記第3ヘッダが、前記上側第2熱交換領域及び前記下側第2熱交換領域のそれぞれに接続する、上側第3ヘッダ及び下側第3ヘッダを有し、
前記上側第1熱交換領域及び前記上側第2熱交換領域の面積は、それぞれ前記下側第1熱交換領域及び前記下側第2熱交換領域の面積よりも大きいものであり、
前記上側第1ヘッダ及び前記上側第3ヘッダにガス状冷媒が流れるガス冷媒配管が接続され、
前記下側第1ヘッダ及び前記下側第3ヘッダに液状冷媒が流れる液冷媒配管が接続される、
請求項7に記載の熱交換器ユニット。
【請求項9】
前記第2折り返し部は、前記上側第2ヘッダと前記下側第2ヘッダとを連結する第2連結管(525)を有する、
請求項7又は8に記載の熱交換器ユニット。
【請求項10】
前記第2折り返し部に、冷媒の温度を計測するための温度計測器が取り付けられる、
請求項9に記載の熱交換器ユニット。
【請求項11】
前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器が、前記各ヘッダ間で折り曲げられる、
請求項1から10のいずれか1項に記載の熱交換器ユニット。
【請求項12】
前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器が、前記各ヘッダ間の少なくとも3箇所で折り曲げられ、平面視で略四角形状である、
請求項11に記載の熱交換器ユニット。
【請求項13】
前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器が、前記ファンを囲む形状である、
請求項11または12のいずれか1項に記載の熱交換器ユニット。」
2 補正の適否
本件補正後の請求項1において、「第2熱交換器における冷媒の流れ」について「前記第1熱交換器および前記第2熱交換器が凝縮器として機能するとき、前記第2熱交換器における冷媒の流れは、前記第1熱交換器において冷媒が前記第1ヘッダから前記第2ヘッダに向かう第1方向(D1)と対向する流れで始まり、前記第1方向と並行する流れで終わる」とする補正は、本願の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)における、段落【0083】及び【0088】、並びに図10の記載に基づくものであるから、本件補正は、当初明細書等に記載された事項の範囲内においてするものであって、特許法17条の2第3項に規定する要件を満たすものである。
また、本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された、「第2熱交換器における冷媒の流れ」について、本件補正後の請求項1において、「前記第1熱交換器および前記第2熱交換器が凝縮器として機能するとき」という事項を付加するとともに、本件補正前の「前記第1熱交換器を流れる冷媒の流れ」を「前記第1熱交換器において冷媒が前記第1ヘッダから前記第2ヘッダに向かう第1方向(D1)」とすることにより、第1熱交換器及び第2熱交換器の機能状態並びに第1熱交換器を流れる冷媒の方向との関係を限定するものであって、本件補正前の請求項1に係る発明と本件補正後の請求項1に係る発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下検討する。
<特許法第29条第1項第3号(新規性)、同条第2項(進歩性)について>
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)の請求項1に記載した事項により特定されるとおりのものである。
(2)引用文献
ア 引用文献1の記載
原査定の拒絶の理由で引用された文献であって、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった国際公開第2016/174830号(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある。(なお、下線は理解の一助として当審において付したものである。以下、同様。)
「[0037] -空気調和機の運転動作-
空気調和機(10)は、冷房運転と暖房運転を選択的に行う。
[0038] 冷房運転中の冷媒回路(20)では、四方切換弁(22)を第1状態に設定した状態で、冷凍サイクルが行われる。この状態では、室外熱交換器(23)、膨張弁(24)、室内熱交換器(25)の順に冷媒が循環し、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能し、室内熱交換器(25)が蒸発器として機能する。室外熱交換器(23)では、圧縮機(21)から流入したガス冷媒が室外空気へ放熱して凝縮し、凝縮後の冷媒が膨張弁(24)へ向けて流出してゆく。」
「[0042] 室外熱交換器(23)では、室外ファン(15)が運転されることで、各側面部(23a,23b,23c,23d)の外側の室外空気が、各側面部(23a,23b,23c,23d)の内側へと流れる(図2の矢印を参照)。この空気は、室外ケーシング(図示省略)の上部に形成された吹出口より排出される。
[0043] 図2~図4に示すように、室外熱交換器(23)は、扁平管(31,41)とフィン(32,42)とを有する2つの列部(30,40)を有する二列構造の熱交換器である。室外熱交換器(23)は、3つ以上の列部を有していてもよい。本実施形態の室外熱交換器(23)では、空気の通過方向の風上側の列部が風上列部(30)を構成し、風下側の列部が風下列部(40)を構成している。なお、図3及び図4では、風上列部(30)及び風下列部(40)をそれぞれ平面状に展開して模式的に表している。
[0044] 室外熱交換器(23)は、第1ヘッダ集合管(50)、第2ヘッダ集合管(60)、第3ヘッダ集合管(70)、第4ヘッダ集合管(80)、第1分流ユニット(91)、及び第2分流ユニット(92)を有している。第1ヘッダ集合管(50)は、風上列部(30)のうち第1側面部(23a)側の一端部近傍に立設している。第2ヘッダ集合管(60)は、風上列部(30)のうち第4側面部(23d)側の他端部近傍に立設している。第3ヘッダ集合管(70)は、風下列部(40)のうち第1側面部(23a)側の一端部近傍に立設している。第4ヘッダ集合管(80)は、風下列部(40)のうち第4側面部(23d)側の他端部近傍に立設している。第1分流ユニット(91)は、第1ヘッダ集合管(50)の近傍に立設している。第2分流ユニット(92)は、第3ヘッダ集合管(70)の近傍に立設している。
・・・
[0046] 〔風上列部〕
図2、図3、図5~図10に示すように、風上列部(30)は、多数の扁平管(31)と、多数のフィン(32)とを備えている。
・・・
[0047] 扁平管(31)は、その軸直角断面の形状が扁平な略長円形となった伝熱管である(図7を参照)。複数の扁平管(31)は、上下の平坦な部分が対向する状態で配置される。つまり、複数の扁平管(31)は、互いに一定の間隔をおいて上下に並んで配列され、互いの筒軸が実質的に平行になっている。
・・・
[0049] 各扁平管(31)は、第1風上管部(31a)の端部が第1ヘッダ集合管(50)に挿入され(図5を参照)、第4風上管部(31d)の端部が第2ヘッダ集合管(60)に挿入される(図6を参照)。
[0050] 図7に示すように、各扁平管(31)には、複数の冷媒流路(C)が形成されている。複数の冷媒流路(C)は、扁平管(31)の筒軸方向に延びる通路であり、扁平管(31)の幅方向(空気の通過方向)に一列に並んでいる。各冷媒流路(C)は、扁平管(31)の両端面に開口している。風上列部(30)へ供給された冷媒は、扁平管(31)の冷媒流路(C)を流れる間に空気と熱交換する。風上列部(30)の各扁平管(31)の複数の冷媒流路(C)は、風上冷媒流路群(C1)を構成している。
・・・
[0052] 図3に示すように、風上列部(30)には、上下に2つの熱交換領域(35,37)が形成されている。上側の熱交換領域は、風上主熱交換領域(35)を構成し、下側の熱交換領域は、風上補助熱交換領域(37)を構成する。風上補助熱交換領域(37)に対応する扁平管(31)の本数は、風上主熱交換領域(35)を構成する扁平管(31)の本数よりも少ない。
[0053] 風上主熱交換領域(35)は、上下に並ぶ6つの風上主熱交換部(36)に区分されている。風上補助熱交換領域(37)は、上下に並ぶ6つの風上補助熱交換部(38)に区分されている。つまり、風上主熱交換領域(35)と風上補助熱交換領域(37)は、それぞれ同数の熱交換部に区分されている。なお、風上主熱交換部(36)及び風上補助熱交換部(38)の数は単なる一例であり、複数であることが好ましい。
[0054] 図3及び図6に示すように、各風上主熱交換部(36)には、同数(例えば6本)の扁平管(31)が設けられている。各風上主熱交換部(36)に設けられる扁平管(31)の数は単なる例示であり、複数本又は1本であってもよい。
[0055] 図3及び図5に示すように、各風上補助熱交換部(38)には、同数(例えば2本)の扁平管(31)が設けられている。各風上補助熱交換部(38)に設けられる扁平管(31)の数は単なる例示であり、複数本又は1本であってもよい。」
「[0056] 〔風下列部〕
図2、図4、図5~図10に示すように、風下列部(40)は、多数の扁平管(41)と、多数のフィン(42)とを備えている。
[0057] 扁平管(41)は、その軸直角断面の形状が扁平な略長円形となった伝熱管である(図7を参照)。複数の扁平管(41)は、上下の平坦な部分が対向する状態で配置される。つまり、複数の扁平管(41)は、互いに一定の間隔をおいて上下に並んで配列され、互いの筒軸が実質的に平行になっている。
・・・
[0059] 各扁平管(41)は、第1風下管部(41a)の端部が第3ヘッダ集合管(70)に挿入され、第4風下管部(41d)の端部が第4ヘッダ集合管(80)に挿入される(図4を参照)。
[0060] 図7~図10に示すように、各扁平管(41)には、複数の冷媒流路(C)が形成されている。複数の冷媒流路(C)は、扁平管(41)の筒軸方向に延びる通路であり、扁平管(41)の幅方向(空気の通過方向)に一列に並んでいる。各冷媒流路(C)は、扁平管(41)の両端面に開口している。風下列部(40)へ供給された冷媒は、扁平管(41)の冷媒流路(C)を流れる間に空気と熱交換する。風下列部(40)の各扁平管(41)の複数の冷媒流路(C)は、風下冷媒流路群(C2)を構成している。
・・・
[0062] 図4に示すように、風下列部(40)には、上下に2つの熱交換領域(45,47)が形成されている。上側の熱交換領域は、風下主熱交換領域(45)を構成し、下側の熱交換領域は、風下補助熱交換領域(47)を構成する。風下補助熱交換領域(47)に対応する扁平管(41)の本数は、風下主熱交換領域(45)を構成する扁平管(41)の本数よりも少ない。
[0063] 風下主熱交換領域(45)は、上下に並ぶ6つの風下主熱交換部(46)に区分されている。風下補助熱交換領域(47)は、上下に並ぶ6つの風下補助熱交換部(48)に区分されている。つまり、風下主熱交換領域(45)と風下補助熱交換領域(47)は、それぞれ同数の熱交換部に区分されている。なお、風下主熱交換部(46)及び風下補助熱交換部(48)の数は単なる一例であり、複数であることが好ましい。
[0064] 図4に示すように、各風下主熱交換部(46)には、同数(例えば6本)の扁平管(41)が設けられている。各風下主熱交換部(46)に設けられる扁平管(41)の数は単なる例示であり、複数本又は1本であってもよい。
[0065] 図5及び図6に示すように、各風下補助熱交換部(48)には、同数(例えば2本)の扁平管(41)が設けられている。各風下補助熱交換部(48)に設けられる扁平管(41)の数は単なる例示であり、複数本又は1本であってもよい。」
「[0066] 〔第3ヘッダ集合管〕
図2及び図4に示すように、第3ヘッダ集合管(70)は、上下の両端が閉塞された円筒状の部材である。第3ヘッダ集合管(70)の長さ(高さ)は、風上列部(30)及び風下列部(40)の高さと概ね一致している。
[0067] 第3ヘッダ集合管(70)の内部構造は、図5に示す第1ヘッダ集合管(50)と同様である。即ち、図4に示すように、第3ヘッダ集合管(70)の内部空間は、主仕切板(71)によって上下に仕切られている。主仕切板(71)の上側の空間は、風下主熱交換領域(45)に対応する風下上側空間(72)である。主仕切板(81)の下側の空間は、風下補助熱交換領域(47)に対応する風下下側空間(73)である。風下上側空間(72)の上下方向の中間部には、1本の第2主ガス管(72a)の一端が接続される。第2主ガス管(72a)の他端は、ガス側連絡配管(14)と連通している。
[0068] 風下下側空間(73)は、上下に等間隔置きに並んだ5枚の仕切板(74)によって6つ風下補助空間(75)に仕切られている。これらの6つの風下補助空間(75)は、6つの風下補助熱交換部(48)にそれぞれ1つずつ対応している。各風下補助空間(75)には、例えば2本の扁平管(41)の第1風下管部(41a)がそれぞれ連通している。
[0069] 〔第4ヘッダ集合管〕
図2、図4、図8~図10に示すように、第4ヘッダ集合管(80)は、上下の両端が閉塞された円筒状の部材である。第4ヘッダ集合管(80)の長さ(高さ)は、風上列部(30)及び風下列部(40)の高さと概ね一致している。
[0070] 第4ヘッダ集合管(80)の内部構造は、図6に示す第2ヘッダ集合管(60)と同様である。即ち、図4に示すように、第4ヘッダ集合管(80)の内部空間は、主仕切板(81)によって上下に仕切られている。主仕切板(81)の上側の空間は、風下主熱交換領域(45)に対応する風下上側空間(82)である。主仕切板(81)の下側の空間は、風下補助熱交換領域(47)に対応する風下下側空間(83)である。
[0071] 風下上側空間(82)は、上下に等間隔置きに並んだ5枚の仕切板(84)によって6つの風下主連絡空間(85)に仕切られている。これらの6つの風下主連絡空間(85)は、6つの風下主熱交換部(46)にそれぞれ1つずつ対応している。風下主連絡空間(85)には、例えば6本の扁平管(41)の第1風下管部(41a)がそれぞれ連通している。
[0072] 風下下側空間(83)は、上下に等間隔置きに並んだ5枚の仕切板(86)によって6つの風下補助連絡空間(87)に仕切られている。これらの6つの風下補助連絡空間(87)は、6つの風下補助熱交換部(48)にそれぞれ1つずつ対応している。各風下補助連絡空間(87)には、例えば2本の扁平管(41)の各第4風下管部(41d)がそれぞれ連通している。
[0073] 第4ヘッダ集合管(80)には、6つの風下連絡管(88)が接続されている。風下連絡管(88)は、風下列部(40)の風下主熱交換領域(45)の扁平管(41)の端部と風下補助熱交換領域(47)の扁平管(41)の端部とを繋いでいる。
[0074] 具体的には、第1の風下連絡管(88)は、最上段の風下補助連絡空間(87)と最下段の風下主連絡空間(85)とを接続し、第2の風下連絡管(88)は、上から2段目の風下補助連絡空間(87)と下から2段目の風下主連絡空間(85)とを接続し、第3の風下連絡管(88)は、上から3段目の風下補助連絡空間(87)と下から3段目の風下主連絡空間(85)とを接続している。第4の風下連絡管(88)は、上から4段目の風下補助連絡空間(87)と下から4段目の風下主連絡空間(85)とを接続し、第5の風下連絡管(88)は、上から5段目の風下補助連絡空間(87)と下から5段目の風下主連絡空間(85)とを接続し、第6の風下連絡管(88)は、最下段の風下補助連絡空間(87)と最上段の風下主連絡空間(85)とを接続している。」
「[0079] 〔液分岐管〕
図2に模式的に示すように、第1分流ユニット(91)の第1主液管(91c)と第2分流ユニット(92)の第2主液管(92c)とには、液分岐管(28)が接続されている。液分岐管(28)は、二手に分岐し、各分流ユニット(91,92)及び各補助空間(55,75)と連通している。つまり、液分岐管(28)は、風上列部(30)の各扁平管(31)の他端部(第1風上管部(31a))と、風下列部(40)の各扁平管(41)の他端部(第1風下管部(41a))に分岐して連通している。
[0080] 〔ガス分岐管〕
図2に模式的に示すように、風上列部(30)の第1主ガス管(52a)と風下列部(40)の第2主ガス管(72a)とには、ガス分岐管(29)が接続されている。ガス分岐管(29)は、二手に分岐し、風上上側空間(52)及び風下上側空間(72)と連通している。つまり、ガス分岐管(29)は、風上列部(30)の他端部(第1風上管部(31a))と、風下列部(40)の他端部(第1風下管部(41a))に分岐するように連通している。
[0081] -室外熱交換器の冷媒流れについて-
室外熱交換器(23)は、凝縮器及び蒸発器として機能する際、風上列部(30)の各扁平管(31)を流れる冷媒と、風下列部(40)の各扁平管(41)を流れる冷媒とが並行になるように構成される。・・・
[0083] 〔凝縮器の場合の冷媒の流れ〕
空気調和機(10)の冷房運転中には、室内熱交換器(25)が蒸発器として機能し、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能する。ここでは、冷房運転中における室外熱交換器(23)での冷媒の流れを説明する。
[0084] 室外熱交換器(23)には、圧縮機(21)から吐出されたガス冷媒が、ガス分岐管(29)に流入し、第1主ガス管(52a)と第2主ガス管(72a)とに分流する。
[0085] 図3に示すように、第1主ガス管(52a)へ供給された冷媒は、第1ヘッダ集合管(50)の風上上側空間(52)に流入し、各風上主熱交換部(36)に分配される。各風上主熱交換部(36)の各扁平管(31)の各風上冷媒流路群(C1)を通過する各冷媒は、空気へ放熱して凝縮していく。その後、各冷媒は、第2ヘッダ集合管(60)の各風上主連絡空間(65)へ供給され、各風上連絡管(68)に流入する。各風上連絡管(68)を流れた各冷媒は、第2ヘッダ集合管(60)の各風上補助連絡空間(67)へ供給され、各風上補助熱交換部(38)に分配される。各風上補助熱交換部(38)の各扁平管(31)の各風上冷媒流路群(C1)を通過する各冷媒は、空気へ更に放熱して凝縮し、過冷却状態(即ち、液単相状態)となる。
[0086] 過冷却状態となった液冷媒は、第1ヘッダ集合管(50)の各風上補助空間(55)へ供給され、第1分流ユニット(91)で合流し、第1主液管(91c)を流れる。
[0087] 図4に示すように、第2主ガス管(72a)へ供給された冷媒は、第3ヘッダ集合管(70)の風下上側空間(72)に流入し、風下主熱交換部(46)に分配される。各風下主熱交換部(46)の各扁平管(41)の各風下冷媒流路群(C2)を通過する各冷媒は、空気へ放熱して凝縮していく。その後、各冷媒は、第4ヘッダ集合管(80)の各風下主連絡空間(85)へ供給され、各風下連絡管(88)に流入する。各風下連絡管(88)を流れた各冷媒は、第4ヘッダ集合管(80)の各風下補助連絡空間(87)へ供給され、各風下補助熱交換部(48)に分配される。各風下補助熱交換部(48)の各扁平管(41)の各風下冷媒流路群(C2)を通過する各冷媒は、空気へ更に放熱して凝縮し、過冷却状態(即ち、液単相状態)となる。
[0088] 過冷却状態となった液冷媒は、第3ヘッダ集合管(70)の各風下補助空間(75)へ供給され、第2分流ユニット(92)で合流し、第2主液管(92c)を流れる。
[0089] 第1主液管(91c)を流れる冷媒と、第2主液管(92c)を流れる冷媒とは、液分岐管(28)で合流し、液側連絡配管(13)へ送られる。
[0090] 〔凝縮器の場合の冷媒と空気の温度変化〕
凝縮器として機能する室外熱交換器(23)における空気と冷媒の温度変化の一例を、図11に示す。
[0091] 風上主熱交換領域(35)の扁平管(31)には、70℃の過熱状態のガス冷媒が流入する。この冷媒は、風上主熱交換領域(35)の扁平管(31)の風上冷媒流路群(C1)の途中で50℃の飽和状態のガス冷媒となり、その後に次第に凝縮してゆく。風上主熱交換領域(35)から流出した冷媒は、風上補助熱交換領域(37)の扁平管(31)に流入する。この冷媒は、風上補助熱交換領域(37)の扁平管(31)の風上冷媒流路群(C1)で液単相状態の飽和冷媒(飽和温度50℃)となり、その後、更に放熱して過冷却状態(例えば42℃)となる。
[0092] 風下主熱交換領域(45)の扁平管(41)には、70℃の過熱状態のガス冷媒が流入する。この冷媒は、風下主熱交換領域(45)の扁平管(41)の風下冷媒流路群(C2)の途中で50℃の飽和状態のガス冷媒となり、その後に次第に凝縮してゆく。風下主熱交換領域(45)から流出した冷媒は、風下補助熱交換領域(47)の扁平管(41)に流入する。この冷媒は、風下補助熱交換領域(47)の扁平管(41)の風下冷媒流路群(C2)で液単相状態の飽和冷媒(飽和温度50℃)となり、その後、更に放熱して過冷却状態(例えば47℃)となる。」
「[0110] 〔圧力損失の低減効果〕
以上のように、本実施形態では、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能する場合と、蒸発器として機能する場合との双方において、冷媒が風上冷媒流路群(C1)と風下冷媒流路群(C2)とを並行に流れる。」
「[0149] 本開示の熱交換器は、室外熱交換器(23)である。しかしながら、本開示の熱交換器を室内熱交換器(25)に適用してもよい。この場合、室内熱交換器(25)は、例えば天井埋め込み式、あるいは天井吊り下げ式の室内ユニットに搭載される4面式の熱交換器であることが好ましい。また、室外熱交換器(23)及び室内熱交換器(25)は、必ずしも4面式でなくてもよく、3面以下のものであってもよい。」
「
[図1]
[図:0001395078000001.jpg]
[図2]
[図:0001395078000002.jpg]
[図3]
[図:0001395078000003.jpg]
[図4]
[図:0001395078000004.jpg]
」
「
[図7]
[図:0001395078000005.jpg]
」
イ 上記アの記載から認められる事項
(ア)段落[0046]、[0047] 、[0049]及び[0050]並びに図3及び図7の記載によると、風上列部30は、第1ヘッダ集合管50及び第2ヘッダ集合管60のそれぞれに接続される、複数の冷媒流路Cが形成された複数の扁平管31からなる扁平管31の群を有することが認められる。
(イ)段落[0056]、[0057] 、[0059]及び[0060]並びに図4及び図7の記載によると、風下列部40は、第3ヘッダ集合管70及び第4ヘッダ集合管80のそれぞれに接続される、複数の冷媒流路Cが形成された複数の扁平管41からなる扁平管41の群を有することが認められる。
(ウ)段落[0073]及び図4の記載によると、第4ヘッダ集合管80は、風下列部40の風下主熱交換領域45の扁平管41の端部と風下補助熱交換領域47の前記扁平管41の端部とを繋ぐ風下連絡管88を有しており、段落[0087]~[0089]及び図4の記載によれば、当該風下連絡管88は、第3ヘッダ集合管70側から流入する冷媒を前記第3ヘッダ集合管70側へ折り返すことが認められる。
(エ)段落[0050]、[0052]~[0055] 、[0085]及び[0091]並びに図3及び図7の記載によると、風上列部30において、上側の熱交換領域である風上主熱交換領域35には、上下に並んで区分された各風上主熱交換部36に扁平管31が設けられ、冷媒が各扁平管31の複数の冷媒流路Cで構成された風上冷媒流路群C1を通過することから、冷媒が風上主熱交換領域35における各扁平管31の複数の冷媒流路Cを流れることが認められ、また、下側の熱交換領域である風上補助熱交換領域37には、上下に並んで区分された各風上補助熱交換部38に扁平管31が設けられ、冷媒が各扁平管31の複数の冷媒流路Cで構成された風上冷媒流路群C1を通過することから、冷媒が風上補助熱交換領域37における各扁平管31の複数の冷媒流路Cを流れることが認められる。
(オ)段落[0059]、[0062]~[0065] 、[0087]及び[0092]並びに図4及び図7の記載によると、風下列部40において、上側の熱交換領域である風下主熱交換領域45には、上下に並んで区分された各風下主熱交換部46に扁平管41が設けられ、冷媒が各扁平管41の複数の冷媒流路Cで構成された風下冷媒流路群C2を通過することから、冷媒が風下主熱交換領域45における各扁平管41の複数の冷媒流路Cを流れることが認められ、また、下側の熱交換領域である風下補助熱交換領域47には、上下に並んで区分された各風下補助熱交換部48に扁平管41が設けられ、冷媒が各扁平管41の複数の冷媒流路Cで構成された風下冷媒流路群C2を通過することから、冷媒が風下補助熱交換領域47における各扁平管43の複数の冷媒流路Cを流れることが認められる。
(カ)段落[0052] 、[0053] 、[0062] 、[0063] 及び[0083]~[0089]並びに図3及び図4の記載を上記(エ)及び上記(オ)と合わせてみると、風上列部30および風下列部40が凝縮器として機能するとき、前記風上列部30において、冷媒は、前記第1ヘッダ集合管50から風上主熱交換領域35における各扁平管31の複数の冷媒流路Cを流れて前記第2ヘッダ集合管60に流れた後、前記第2ヘッダ集合管60で折り返され、前記第2ヘッダ集合管60から風上補助熱交換領域37における各扁平管31の複数の冷媒流路Cを通過して前記第1ヘッダ集合管50に流れること、
及び、前記風下列部40において、冷媒は、前記第3ヘッダ集合管70から風下主熱交換領域45における各扁平管41の複数の冷媒流路Cを流れて前記第4ヘッダ集合管80に流れた後、前記第4ヘッダ集合管80で折り返され、前記第4ヘッダ集合管80から風下補助熱交換領域47における各扁平管41の複数の冷媒流路Cを流れて前記第3ヘッダ集合管70に流れることが認められる。
ウ 引用発明
上記ア及びイから、本件補正発明に倣って整理すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「第1ヘッダ集合管50及び第2ヘッダ集合管60と、前記第1ヘッダ集合管50及び前記第2ヘッダ集合管60のそれぞれに接続される、複数の冷媒流路Cが形成された複数の扁平管31からなる扁平管31の群と、を有する風上列部30と、
前記風上列部30に並設され、かつ前記風上列部30よりも室外ファン15による空気流の風下側に配置され、第3ヘッダ集合管70及び第4ヘッダ集合管80と、前記第3ヘッダ集合管70及び前記第4ヘッダ集合管80のそれぞれに接続される、複数の冷媒流路Cが形成された複数の扁平管41からなる扁平管41の群と、を有する風下列部40と、
を備え、
前記第4ヘッダ集合管80は、前記第3ヘッダ集合管70側から流入する冷媒を前記第3ヘッダ集合管70側へ折り返す、風下主熱交換領域45の前記扁平管41の端部と風下補助熱交換領域47の前記扁平管41の端部とを繋ぐ風下連絡管88を有し、
前記風上列部30および前記風下列部40が凝縮器として機能するとき、前記風上列部30において、冷媒は、前記第1ヘッダ集合管50から前記風上主熱交換領域35における各扁平管31の複数の冷媒流路Cを流れて前記第2ヘッダ集合管60に流れた後、前記第2ヘッダ集合管60で折り返され、前記第2ヘッダ集合管60から風上補助熱交換領域37における各扁平管31の複数の冷媒流路Cを通過して前記第1ヘッダ集合管50に流れるとともに、前記風下列部40において、冷媒は、前記第3ヘッダ集合管70から前記風下主熱交換領域45における各扁平管41の複数の冷媒流路Cを流れて前記第4ヘッダ集合管80に流れた後、前記第4ヘッダ集合管80で折り返され、前記第4ヘッダ集合管80から風下補助熱交換領域47における各扁平管41の複数の冷媒流路Cを流れて前記第3ヘッダ集合管70に流れる、
室外熱交換器23。」
(3)引用発明との対比
本件補正発明と引用発明とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。
ア 後者の「複数の冷媒流路Cが形成された複数の扁平管31」は、前者の「複数の扁平多穴管」に相当し、同様に、「扁平管31の群」は「第1扁平管群(500)」に、「風上列部30」は「第1熱交換器(52,52S)」に、それぞれ相当する。
また、前者の「第1ヘッダ(523)」及び「第2ヘッダ(524)」については、前者における「前記第1熱交換器において冷媒が前記第1ヘッダから前記第2ヘッダに向かう第1方向(D1)」との発明特定事項によると、複数の扁平多穴管からなる第1扁平管群(500)が接続される二つのヘッダのうち、冷媒が第1扁平管群(500)に流入する側を第1ヘッダとし、冷媒が第1扁平管群(500)から流出する側を第2ヘッダとすることが特定されているものの、それ以外の特定はされていない。
さらに、前者の第1熱交換器(52,52S)の第1扁平管群(500)における冷媒の流れは、一方向のみであると特定されておらず、冷媒が第1扁平管群(500)の複数の領域を互いに反対の向きで流れる態様も含まれると解されるから、その場合には、領域毎に流れに応じて、第1ヘッダ及び第2ヘッダが特定されることになる。
そうすると、後者の「第2ヘッダ集合管60」は、冷媒が風上列部30の風上補助熱交換領域37に流入する側であるから、前者の「第1ヘッダ(523)」に相当し、後者の「第1ヘッダ集合管50」は、冷媒が風上列部30の風上補助熱交換領域37から流出する側であるから、前者の「第2ヘッダ(524)」に相当する。
してみると、後者の「第1ヘッダ集合管50及び第2ヘッダ集合管60と、前記第1ヘッダ集合管50及び前記第2ヘッダ集合管60のそれぞれに接続される、複数の冷媒流路Cが形成された複数の扁平管31からなる扁平管31の群と、を有する風上列部30」は、前者の「第1ヘッダ(523)及び第2ヘッダ(524)と、前記第1ヘッダ及び前記第2ヘッダのそれぞれに接続される複数の扁平多穴管からなる第1扁平管群(500)と、を有する第1熱交換器(52,52S)」に相当する。
イ 後者の「室外ファン15」は、前者の「ファン(41)」に相当し、同様に、「第3ヘッダ集合管70」は「第3ヘッダ(623)」に、「第4ヘッダ集合管80」は「第4ヘッダ(624)」に、「複数の冷媒流路Cが形成された複数の扁平管41」は「複数の扁平多穴管」に、「扁平管41の群」は「第2扁平管群(600)」に、「風下列部40」は「第2熱交換器(62,62S)」に、それぞれ相当する。
そして、後者の「前記風上列部30に並設され、かつ前記風上列部30よりも室外ファン15による空気流の風下側に配置され、第3ヘッダ集合管70及び第4ヘッダ集合管80と、前記第3ヘッダ集合管70及び前記第4ヘッダ集合管80のそれぞれに接続される、複数の冷媒流路Cが形成された複数の扁平管41からなる扁平管41の群と、を有する風下列部40」は、前者の「前記第1熱交換器に並設され、かつ前記第1熱交換器よりもファン(41)による空気流の風下側に配置され、第3ヘッダ(623)及び第4ヘッダ(624)と、前記第3ヘッダ及び前記第4ヘッダのそれぞれに接続される複数の扁平多穴管からなる第2扁平管群(600)と、を有する第2熱交換器(62,62S)」に相当する。
ウ 後者の「風下主熱交換領域45の前記扁平管41の端部と風下補助熱交換領域47の前記扁平管41の端部とを繋ぐ風下連絡管88」は、前者の「折り返し部(625)」に相当する。
そして、後者の「前記第4ヘッダ集合管80は、前記第3ヘッダ集合管70側から流入する冷媒を前記第3ヘッダ集合管70側へ折り返す、風下主熱交換領域45の前記扁平管41の端部と風下補助熱交換領域47の前記扁平管41の端部とを繋ぐ風下連絡管88を有」することは、前者の「前記第4ヘッダは、前記第3ヘッダ側から流入する冷媒を前記第3ヘッダ側へ折り返す折り返し部(625)を有」することに相当する。
エ 上記アで検討したとおり、前者の第1熱交換器(52,52S)の第1扁平管群(500)における冷媒の流れは、一方向のみであると特定されておらず、冷媒が第1扁平管群(500)の複数の領域を互いに反対の向きで流れる態様も含まれると解されるから、その場合には、領域毎に流れに応じて、第1ヘッダ及び第2ヘッダが特定されることになるところ、前者の「前記第1熱交換器において冷媒が前記第1ヘッダから前記第2ヘッダに向かう第1方向(D1)」も領域毎に、特定されることになる。
そうすると、後者の「前記風上列部30」が「凝縮器として機能するとき、前記風上列部30において、冷媒は」、「前記第2ヘッダ集合管60から風上補助熱交換領域37における各扁平管31の複数の冷媒流路Cを通過して前記第1ヘッダ集合管50に流れる」ことは、前者の「前記第1熱交換器において冷媒が前記第1ヘッダから前記第2ヘッダに向かう第1方向(D1)」に相当する方向で流れることといえる。
そして、後者において、「前記風上列部30および前記風下列部40が凝縮器として機能するとき」、「前記風下列部40において、冷媒は、前記第3ヘッダ集合管70から前記風下主熱交換領域45における各扁平管41の複数の冷媒流路Cを流れて前記第4ヘッダ集合管80に流れ」ることは、風下列部40の冷媒の流れが第3ヘッダ集合管70から始まっていることから、前者の「前記第1熱交換器および前記第2熱交換器が凝縮器として機能するとき、前記第2熱交換器における冷媒の流れは、前記第1熱交換器において冷媒が前記第1ヘッダから前記第2ヘッダに向かう第1方向(D1)と対向する流れで始ま」ることに相当する。
また、後者において、「前記風上列部30および前記風下列部40が凝縮器として機能するとき」、「前記風下列部40において、冷媒は」、「前記第4ヘッダ集合管80から風下補助熱交換領域47における各扁平管41の複数の冷媒流路Cを流れて前記第3ヘッダ集合管70に流れる」ことは、第4ヘッダ集合管80で折り返された風下列部40の冷媒の流れが第3ヘッダ集合管70で終わっていることから、前者の「前記第1熱交換器および前記第2熱交換器が凝縮器として機能するとき、前記第2熱交換器における冷媒の流れは」、「前記第1方向と並行する流れで終わる」ことに相当する。
以上から、後者の「前記風上列部30および前記風下列部40が凝縮器として機能するとき、前記風上列部30において、冷媒は、前記第1ヘッダ集合管50から前記風上主熱交換領域35における各扁平管31の複数の冷媒流路Cを流れて前記第2ヘッダ集合管60に流れた後、前記第2ヘッダ集合管60で折り返され、前記第2ヘッダ集合管60から風上補助熱交換領域37における各扁平管31の複数の冷媒流路Cを通過して前記第1ヘッダ集合管50に流れるとともに、前記風下列部40において、冷媒は、前記第3ヘッダ集合管70から前記風下主熱交換領域45における各扁平管41の複数の冷媒流路Cを流れて前記第4ヘッダ集合管80に流れた後、前記第4ヘッダ集合管80で折り返され、前記第4ヘッダ集合管80から風下補助熱交換領域47における各扁平管41の複数の冷媒流路Cを流れて前記第3ヘッダ集合管70に流れる」ことは、前者の「前記第1熱交換器および前記第2熱交換器が凝縮器として機能するとき、前記第2熱交換器における冷媒の流れは、前記第1熱交換器において冷媒が前記第1ヘッダから前記第2ヘッダに向かう第1方向(D1)と対向する流れで始まり、前記第1方向と並行する流れで終わる」ことに相当する。
オ 後者の「室外熱交換器23」は、前者の「熱交換器ユニット(42,42S)」に相当する。
以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点は次のとおりであり、相違点は認められない。
[一致点]
「第1ヘッダ及び第2ヘッダと、前記第1ヘッダ及び前記第2ヘッダのそれぞれに接続される複数の扁平多穴管からなる第1扁平管群と、を有する第1熱交換器と、
前記第1熱交換器に並設され、かつ前記第1熱交換器よりもファンによる空気流の風下側に配置され、第3ヘッダ及び第4ヘッダと、前記第3ヘッダ及び前記第4ヘッダのそれぞれに接続される複数の扁平多穴管からなる第2扁平管群と、を有する第2熱交換器と、
を備え、
前記第4ヘッダは、前記第3ヘッダ側から流入する冷媒を前記第3ヘッダ側へ折り返す折り返し部を有し、
前記第1熱交換器および前記第2熱交換器が凝縮器として機能するとき、前記第2熱交換器における冷媒の流れは、前記第1熱交換器において冷媒が前記第1ヘッダから前記第2ヘッダに向かう第1方向と対向する流れで始まり、前記第1方向と並行する流れで終わる、
熱交換器ユニット。」
(4)判断
上記(3)のとおり、本件補正発明と引用発明との間に相違点は認められないから、本件補正発明は、引用発明である。また、仮に本件補正発明と引用発明との間に相違点があったとしても、当該相違点は、当業者が適宜なし得る設計的事項の範疇のものといえるから、本件補正発明は、引用発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
(5)請求人の主張について
請求人は、令和4年7月4日に提出された審判請求書の「(1)新規性について」において、
「引用文献1の第1実施形態では、室外熱交換器23が凝縮器として機能するとき、風下側熱交換部(風下主熱交換部46および風下補助熱交換器48)における冷媒の流れは、風上側熱交換部(風上主熱交換部36および風上補助熱交換器38)における冷媒の流れと並行する流れで始まり、風上側熱交換部における冷媒の流れと並行する流れで終わります(図3および図4参照)。
引用文献1の第2実施形態では、室外熱交換器23が凝縮器として機能するとき、風下側熱交換部(風下主熱交換部46および風下補助熱交換器48)における冷媒の流れは、風上側熱交換部(風上主熱交換部36および風上補助熱交換器38)における冷媒の流れと対向する流れで始まり、風上側熱交換部における冷媒の流れと対向する流れで終わります(図16および図17参照)。
したがって、引用文献1は、請求項1に記載の発明の「前記第1熱交換器および前記第2熱交換器が凝縮器として機能するとき、前記第2熱交換器における冷媒の流れは、前記第1熱交換器において冷媒が前記第1ヘッダから前記第2ヘッダに向かう第1方向と対向する流れで始まり、前記第1方向と並行する流れで終わる、」という特徴を開示していません。」(4ページ26行~同ページ24行)と主張する。
また、請求人は、令和4年9月8日に提出された上申書の「2.本願発明と引用発明との対比」において、
「つまり、引用文献1において、風下列部40における冷媒の流れは、風上列部30において冷媒が第1ヘッダ集合管50から第2ヘッダ集合管60に向かう第1方向(D1)と「対向する流れ」ではなく、「並行する流れ」で始まっています。
また、引用文献1の段落[0110]にも、「以上のように、本実施形態では、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能する場合と、蒸発器として機能する場合の双方において、冷媒が風上冷媒流路群(C1)と風下冷媒流路群(C2)とを並行に流れる。」と記載されています。
したがって、引用文献1は、本願発明の「前記第1熱交換器および前記第2熱交換器が凝縮器として機能するとき、前記第2熱交換器における冷媒の流れは、前記第1熱交換器において冷媒が前記第1ヘッダから前記第2ヘッダに向かう第1方向と対向する流れで始まり、前記第1方向と並行する流れで終わる、」という特徴を開示しておりません。」(2ページ26行~同ページ37行)と主張する。
しかしながら、上記(3)ア及びエで検討したとおり、本件補正発明において、第1熱交換器(52,52S)の第1扁平管群(500)における冷媒の流れは、一方向のみであると特定されておらず、冷媒が第1扁平管群(500)の複数の領域を互いに反対の向きで流れる態様も含まれると解され、引用発明における風上主熱交換領域35及び風上補助熱交換領域37を折り返して互いに反対の向きで流れる冷媒の流れの態様を含むものであり、本件補正発明と引用発明との間に相違点を認めることができないから、請求人の上記主張は採用することができない。
(6)まとめ
したがって、本件補正発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許法第29条第1項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるか、又は、引用発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 本件補正についてのむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし13に係る発明は、令和3年11月22日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし13に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2の[理由]1(2)に記載のとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由1における請求項1についての理由は、以下のとおりである。
<理由1(新規性:特許法第29条第1項第3号),理由2(進歩性:特許法第29条第2項)について>
本願の請求項1に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができず、また、同引用文献1に記載された事項に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用文献1:国際公開第2016/174830号
3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載及び引用発明は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明の「前記第2熱交換器における冷媒の流れは、前記第1熱交換器を流れる冷媒の流れと対向する流れで始まり、前記第1熱交換器を流れる冷媒の流れと並行する流れで終わる」との発明特定事項は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明の「前記第1熱交換器および前記第2熱交換器が凝縮器として機能するとき、前記第2熱交換器における冷媒の流れは、前記第1熱交換器において冷媒が前記第1ヘッダから前記第2ヘッダに向かう第1方向(D1)と対向する流れで始まり、前記第1方向と並行する流れで終わる」との発明特定事項に対して、第2熱交換器における冷媒の流れについて、第1熱交換器及び第2熱交換器の機能状態並びに第1熱交換器を流れる冷媒の方向との関係が省かれたものである。
そうすると、本願発明は、本件補正発明を上位概念化したものであるから、上記第2[理由]2(3)の「引用発明との対比」及び上記第2[理由]2(4)の「判断」の検討を踏まえると、本願発明は、引用発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し、仮に、本願発明と引用発明との間に相違点があったとしても当業者が適宜なし得る設計的事項の範疇のものといえるから、引用発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許法第29条第1項の規定により特許を受けることができないものであるか、又は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-010304