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特許拒絶査定不服審判

2022-008537

端末、方法、基地局及びシステム

審判番号
2022-008537
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-539915
請求日
2022年06月06日
審決日
2022年12月20日
公報発行日
2023年03月31日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社NTTドコモ
  • 【請求人代理人】青木 宏義
  • 【請求人代理人】天田 昌行
  • 【請求人代理人】守屋 芳隆
審判長/審判官
  • 審判長 齋藤 哲
  • 審判官 圓道 浩史
  • 審判官 本郷 彰
分類
P18 .121-Z (H04W) / P18 .575-Z (H04W)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第126条第7項、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項、特許法第29条第1項第3号、特許法第159条第1項、特許法第53条第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019-539915「端末、方法、基地局及びシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成30年8月2日国際公開、WO2018/137615、令和2年2月20日国内公表、特表2020-505846〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2018年(平成30年)1月23日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2017年1月24日 中華人民共和国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和3年 1月 8日 手続補正書の提出 令和3年11月25日付け 拒絶理由通知書 令和4年 1月28日 意見書、手続補正書の提出 令和4年 3月 3日付け 拒絶査定 令和4年 6月 6日 拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提出 令和4年10月11日 上申書の提出 第2 令和4年6月6日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和4年6月6日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1.本件補正の概要 (1)本件補正前の特許請求の範囲 本件補正前の、令和4年1月28日の手続補正による特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。 「 基地局がオンデマンドシグナリングを送信するようにトリガするための要求情報を送信する送信部と、 前記基地局によって送信される前記オンデマンドシグナリングを受信する受信部と、 前記基地局によって送信される前記オンデマンドシグナリングに応じて、オンデマンド処理を行う処理部と、を備え、 前記送信部は、ランダムアクセスチャネルにおいて前記要求情報を送信し、 前記ランダムアクセスチャネルの時間-周波数領域のリソース及びランダムアクセスプリアンブルの少なくとも1つとオンデマンドシグナリングとの対応関係に従って、対応するランダムアクセスチャネルの時間-周波数領域のリソース及びランダムアクセスプリアンブルの少なくとも1つを利用して、前記要求情報を送信し、 前記受信部は、前記オンデマンドシグナリングの周期に基づいて設定された複数の所定時間ウィンドウのうち、所定時間ウィンドウ内において前記オンデマンドシグナリングを受信し、前記所定時間ウィンドウ内において前記オンデマンドシグナリングを受信できなかった場合、前記複数の所定時間ウィンドウのうち、前記所定時間ウィンドウの次の所定時間ウィンドウ内において前記オンデマンドシグナリングを受信する端末。」 (2)本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線部は請求人が付加したものであり、補正箇所を示す。)。 「 基地局がオンデマンドシグナリングを送信するようにトリガするための要求情報を送信する送信部と、 前記基地局によって送信される前記オンデマンドシグナリングを受信する受信部と、 前記基地局によって送信される前記オンデマンドシグナリングに応じて、オンデマンド処理を行う処理部と、を備え、 前記送信部は、ランダムアクセスチャネルにおいて前記要求情報を送信し、 前記ランダムアクセスチャネルの時間-周波数領域のリソース及びランダムアクセスプリアンブルの少なくとも1つとオンデマンドシグナリングとの対応関係に従って、対応するランダムアクセスチャネルの時間-周波数領域のリソース及びランダムアクセスプリアンブルの少なくとも1つを利用して、前記要求情報を送信し、 前記受信部は、前記基地局によって送信される、前記要求情報に対する応答としてRARを受信した後に、前記オンデマンドシグナリングを受信し、 前記受信部は、前記オンデマンドシグナリングの周期に基づいて設定された複数の所定時間ウィンドウのうち、所定時間ウィンドウ内において前記オンデマンドシグナリングを受信し、前記所定時間ウィンドウ内において前記オンデマンドシグナリングを受信できなかった場合、前記複数の所定時間ウィンドウのうち、前記所定時間ウィンドウの次の所定時間ウィンドウ内において前記オンデマンドシグナリングを受信する端末。」 2.本件補正の適否 本件補正は、請求人が、審判請求書の「【請求の理由】」の「(3)本願発明が特許されるべき理由」の「(b)補正の根拠の明示」において「上記特許請求の範囲についてする補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、特許法第17条の2第5項に規定する要件も満たします。」と主張するとおり、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「前記基地局によって送信される前記オンデマンドシグナリングを受信する受信部」について、「前記受信部は、前記基地局によって送信される、前記要求情報に対する応答としてRARを受信した後に、前記オンデマンドシグナリングを受信」するという限定を付加するものであり、また、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 また、本件補正は特許法第17条の2第3項及び第4項に違反するところはない。 そして、本件補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するから、本件補正後の請求項1に係る発明が特許法第17条の2第6項において準用する特許法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下検討する。 (1)本件補正発明 本件補正後の請求項1に係る発明は、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりの発明(以下、「本件補正発明」という。)である。(再掲) 「 基地局がオンデマンドシグナリングを送信するようにトリガするための要求情報を送信する送信部と、 前記基地局によって送信される前記オンデマンドシグナリングを受信する受信部と、 前記基地局によって送信される前記オンデマンドシグナリングに応じて、オンデマンド処理を行う処理部と、を備え、 前記送信部は、ランダムアクセスチャネルにおいて前記要求情報を送信し、 前記ランダムアクセスチャネルの時間-周波数領域のリソース及びランダムアクセスプリアンブルの少なくとも1つとオンデマンドシグナリングとの対応関係に従って、対応するランダムアクセスチャネルの時間-周波数領域のリソース及びランダムアクセスプリアンブルの少なくとも1つを利用して、前記要求情報を送信し、 前記受信部は、前記基地局によって送信される、前記要求情報に対する応答としてRARを受信した後に、前記オンデマンドシグナリングを受信し、 前記受信部は、前記オンデマンドシグナリングの周期に基づいて設定された複数の所定時間ウィンドウのうち、所定時間ウィンドウ内において前記オンデマンドシグナリングを受信し、前記所定時間ウィンドウ内において前記オンデマンドシグナリングを受信できなかった場合、前記複数の所定時間ウィンドウのうち、前記所定時間ウィンドウの次の所定時間ウィンドウ内において前記オンデマンドシグナリングを受信する端末。」 (2)引用文献1の記載事項及び引用発明 令和4年3月3日付け拒絶査定(以下、「原査定」という。)の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である、Samsung、On Demand SI Delivery: Signaling Aspects(当審訳:オンデマンドSI配信:シグナリングの側面)[online]、3GPP TSG RAN WG2 adhoc_2017_01_NR R2-1700011、Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_AHs/2017_01_NR/Docs/R2-1700011.zip>、2017年1月6日アップロード(以下、「引用文献1」という。)には、図面と共に以下の事項が記載されている(下線は当審で付加した。)。 ア 「In RAN2#95bis and RAN2#96 system information transmission/acquisition procedure was discussed and following agreements were made: RAN2 #95bis Agreements [1] 1. In addition to basic information for initial access to the cell, the minimum SIs should include the scheduling information for broadcasted SIs 2. PWS information can be classified into other SI. FFS whether this PWS would need additional enhancements. 3. For on demand SI, other SIs may be broadcasted at configurable periodicity (equivalent to SI period in LTE) and for a certain duration.」(1ページ8行ないし16行) (当審訳: RAN2#95bis及びRAN2#96において、システム情報の送信/取得手順が検討され、以下の合意がなされた。 RAN2#95bisの合意事項について 1. セルへの初期アクセスのための基本情報に加えて、最小限のSIはブロードキャストされるSIのためのスケジューリング情報を含むべきである。 2. PWS情報は、他のSIに分類することができる。このPWSが追加拡張を必要とするかどうかは今後の検討事項である。 3. オンデマンドSIの場合、他のSIは設定可能な周期(LTEのSI期間に相当)で、一定時間ブロードキャストされてもよい。) イ 「System information in NR is categorized into system information blocks (SIBs) similar to LTE. Minimum SI indicates whether a specific SIB is periodically broadcasted or provided on demand. In order to obtain the one or more SIBs which are not periodically broadcasted and are provided on demand, UE initiates on-demand SI acquisition procedure.」(1ページ下から4行ないし最終行) (当審訳:NRのシステム情報は、LTEと同様にシステム情報ブロック(SIBs)に分類される。最小限のSIは、特定のSIBが周期的にブロードキャストされるか、オンデマンドで提供されるかを示す。周期的にブロードキャストされず、オンデマンドで提供される1つ以上のSIBを取得するために、UEは、オンデマンドSI取得手順を開始する。」 ウ 「UE in idle and “new state” can request other SI without state transition using MSG1 and/or MSG3. The MSG3 based SI request approach is shown in Figure 1. In the UL grant received in the random access response corresponding to the PRACH preamble transmitted by UE, UE sends system information request message. The MSG1 based SI request approach is shown in Figure 2. UE transmits PRACH preamble/resource specific to a SIB or set of SIBs which the UE wants to obtain. It is assumed that PRACH preamble/resource specific to each SIB or set of SIBs are reserved and indicated in periodically broadcasted minimum SI.」(2ページ9行ないし14行) (当審訳:アイドル状態および「新規状態」にあるUEは、MSG1及び/又はMSG3を使用して、状態遷移せずに他のSIを要求することができる。MSG3に基づくSI要求アプローチを図1に示す。UEが送信したPRACHプリアンブルに対応するランダムアクセスレスポンス内で受信したULグラント内で、UEはシステム情報要求メッセージを送信する。MSG1に基づくSI要求アプローチを図2に示す。UEは、UEが取得したいSIBまたはSIBのセットに固有のPRACHプリアンブル/リソースを送信する。各SIBまたはSIBに固有のPRACHプリアンブル/リソースは予約されており、周期的にブロードキャストされる最小限のSIで示されると仮定する。) エ 「 [図:0001395044000001.jpg] 」(Figure 2) (当審訳: [図:0001395044000002.jpg] 図2) オ 「After receiving the SI request, the one or more SIBs requested by UE can be provided to UE as follows: Approach 1: Independent of SI scheduling framework In this approach the one or more SIBs requested by UE are provided within some time window (i.e. SI Response Window) after sending the SI request as shown in Figure 3. After sending the SI request the UE listens to NR-PDCCH in SI Response Window for receiving the requested SIBs. If UE does not receive the requested SIBs within the SI Response Window then UE may retransmit the SI request. The length of SI response window can be provided in minimum system information. Approach 2: As part of SI scheduling framework The scheduling information for other SI includes SIB type, validity information, periodicity, SI-window information in minimum SI irrespective of whether Other SI is periodically broadcasted or provided on demand. If minimum SI indicates that a SIB is provided on demand, then the UE cannot assume this SIB is broadcasted in its SI-Window every SI-Period and therefore the UE should send an SI request to receive this SIB. If the SI request is received then this SIB is provided in SI window of some SI periods. After sending the SI request, for receiving the requested SIB, UE monitors the SI window of requested SIB in one or more SI periods of that SIB.As shown in Figure 4 below, if SI request is received for a SIB in its Nth SI period, then requested SIB is provided at/from the next SI transmission of the concerned SI message.」(3ページ5行ないし20行) (当審訳:SI要求を受信した後、UEによって要求された1つ以上のSIBは、以下のようにUEへ提供され得る。 アプローチ1:SIスケジューリングフレームワークに依存せずに このアプローチでは、図3に示すように、UEが要求した1つ以上のSIBは、SI要求を送信した後のいくつかの時間ウィンドウ(すなわち、SI応答ウィンドウ)内で提供される。当該SI要求を送信した後、当該UEは、当該要求したSIBを受信するために、SI応答ウィンドウ内のNR-PDCCHを聴取する。当該SI応答ウィンドウ内で当該要求したSIBを受信しない場合、UEは当該SI要求を再送してもよい。SI応答ウィンドウの長さは、最小限のシステム情報で提供されうる。 アプローチ2:SIスケジューリングフレームワークの一部として 他のSIが周期的にブロードキャストされるか、オンデマンドで提供されるかに関わらず、他のSIのためのスケジューリング情報は、SIBタイプ、有効性情報、周期性、SIウィンドウ情報を最小限のSIに含む。最小限のSIが、あるSIBはオンデマンドで提供されることを示す場合、UEはこのSIBがそのSI期間ごとのSIウィンドウでブロードキャストされると仮定することはできず、それ故当該UEはこのSIBを受信するためにSI要求を送信する必要がある。当該SI要求が受信された場合、このSIBは複数のSI期間のSIウィンドウで提供される。当該SI要求を送信した後、当該要求したSIBを受信するために、UEは、当該SIBの1つ以上のSI期間における要求したSIBのSIウィンドウを監視する。図4に示すように、あるSIBのN番目のSI期間において当該SIBに対してSI要求が受信された場合、当該SIメッセージの次のSI送信の際/から、要求されたSIBが提供される。」 カ 「 [図:0001395044000003.jpg] 」(Figure 4) (当審訳: [図:0001395044000004.jpg] 図4) 引用文献1の上記記載、及び移動体通信分野における技術常識を考慮すると、次のことがいえる。 (ア) 上記「イ」には、「UE」と記載されているから、引用文献1には、UEが記載されている。 (イ) 上記「オ」には、「最小限のSIが、あるSIBはオンデマンドで提供されることを示す場合、・・・UEはこのSIBを受信するためにSI要求を送信する必要がある。」と記載されている。 また、上記「ウ」には、「UEは、MSG1・・・を使用して、・・・他のSIを要求することができる。・・・MSG1に基づくSI要求アプローチを図2に示す。UEは、UEが取得したいSIB・・・に固有のPRACHプリアンブル/リソースを送信する。」と記載されており、さらに、「各SIB・・・に固有のPRACHプリアンブル/リソースは予約されて」いることも記載されている。 そして、上記「エ」からは、UEは、SIBに固有のPRACHプリアンブル/リソースを選択し、PRACH SIプリアンブルをgNBへ送信することが、読み取れる。 そうすると、引用文献1には、UEは、オンデマンドで提供されるSIBを受信するためにSI要求を送信する必要があり、MSG1を使用して他のSIを要求する場合には、MSG1に基づくSI要求アプローチにおいて、取得したいSIBに固有のPRACHプリアンブル/リソースを選択して、PRACH SIプリアンブルをgNBへ送信し、各SIBに固有のPRACHプリアンブル/リソースは予約されていることが、記載されている。 (ウ) 上記「オ」には、「当該要求したSIBを受信するために、UEは、当該SIBの1つ以上のSI期間における要求したSIBのSIウィンドウを監視する。・・・当該SIBに対してSI要求が受信された場合、・・・要求されたSIBが提供される。」と記載されているから、引用文献1には、UEは、要求したSIBを受信するために、当該SIBの1つ以上のSI期間における要求したSIBのSIウィンドウを監視し、SI要求が受信された場合、要求したSIBを提供されるものであることが、記載されているといえる。 (エ) 上記「イ」には、「システム情報は、・・・システム情報ブロック(SIBs)に分類される。」と記載されているから、引用文献1には、システム情報は、システム情報ブロック(SIB)に分類されることが、記載されている。 (オ) 上記「ア」には、「最小限のSIはブロードキャストされるSIのためのスケジューリング情報を含むべきである。」と記載されており、また、上記「ウ」には、「周期的にブロードキャストされる最小限のSI」と記載されているから、引用文献1には、最小限のSIは、ブロードキャストされるSIのためのスケジューリング情報を含み、周期的にブロードキャストされることが、記載されている。 (カ) 上記「ア」には、「オンデマンドSIの場合、他のSIは設定可能な周期・・・で、一定時間ブロードキャストされてもよい。」と記載されており、また、上記「オ」には、「他のSIのためのスケジューリング情報は、・・・周期性、SIウィンドウ情報を・・・含む」ことが記載されている。 そうすると、引用文献1には、オンデマンドSIの場合、他のSIは、設定可能な周期で一定時間ブロードキャストされ、他のSIのためのスケジューリング情報は、周期性、SIウィンドウ情報を含むことが、記載されている。 (キ) 上記「オ」には、「最小限のSIが、あるSIBはオンデマンドで提供されることを示す場合、・・・このSIBは複数のSI期間のSIウィンドウで提供される」こと、及び「図4に示すように、あるSIBのN番目のSI期間において当該SIBに対してSI要求が受信された場合、当該SIメッセージの次のSI送信の際/から、要求されたSIBが提供される」ことが記載されている。 また、上記「カ」からは、N番目のSI期間がSIウィンドウを1つ含み、N番目のSI期間のうちSIウィンドウより後の期間においてSI要求がなされ、N+1番目のSI期間がSIウィンドウを1つ含み、N+1番目のSI期間の後にもSIウィンドウが存在することが、読み取れる。 そうすると、引用文献1には、最小限のSIが、あるSIBはオンデマンドで提供されることを示す場合、このSIBは複数のSI期間のSIウィンドウで提供され、あるSIBのN番目のSI期間のうちSIウィンドウより後の期間において当該SIBに対してSI要求が受信された場合、当該SIメッセージの次のSI送信の際/から、要求されたSIBが提供され、N+1番目のSI期間がSIウィンドウを1つ含み、N+1番目のSI期間の後の期間にもSIウィンドウが存在することが、記載されているといえる。 (ク) 上記「ウ」には、「MSG1に基づくSI要求アプローチを図2に示す。」と記載されており、また、上記「エ」からは、gNBは、UEからPRACH SIプリアンブルを送信されると、要求されたSIBを送信することが、読み取れるから、引用文献1には、MSG1に基づくSI要求アプローチにおいて、gNBは、UEからPRACH SIプリアンブルを送信されると、要求されたSIBを送信することが、記載されているといえる。 以上を総合すると、引用文献1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認める。 「 UEであって、当該UEは、 オンデマンドで提供されるSIBを受信するためにSI要求を送信する必要があり、MSG1を使用して他のSIを要求する場合には、MSG1に基づくSI要求アプローチにおいて、取得したいSIBに固有のPRACHプリアンブル/リソースを選択して、PRACH SIプリアンブルをgNBへ送信し、各SIBに固有のPRACHプリアンブル/リソースは予約されており、 要求したSIBを受信するために、当該SIBの1つ以上のSI期間における要求したSIBのSIウィンドウを監視し、SI要求が受信された場合、要求したSIBを提供されるものであり、 システム情報は、システム情報ブロック(SIB)に分類され、 最小限のSIは、ブロードキャストされるSIのためのスケジューリング情報を含み、周期的にブロードキャストされ、 オンデマンドSIの場合、他のSIは、設定可能な周期で一定時間ブロードキャストされ、他のSIのためのスケジューリング情報は、周期性、SIウィンドウ情報を含み、 最小限のSIが、あるSIBはオンデマンドで提供されることを示す場合、このSIBは複数のSI期間のSIウィンドウで提供され、あるSIBのN番目のSI期間のうちSIウィンドウより後の期間において当該SIBに対してSI要求が受信された場合、当該SIメッセージの次のSI送信の際/から、要求されたSIBが提供され、N+1番目のSI期間がSIウィンドウを1つ含み、N+1番目のSI期間の後の期間にもSIウィンドウが存在し、 MSG1に基づくSI要求アプローチにおいて、gNBは、UEからPRACH SIプリアンブルを送信されると、要求されたSIBを送信する、 UE。」 (3)引用文献2の記載事項 当審で新たに引用する、本願の優先日前に頒布された刊行物である、Samsung、On Demand SI Delivery: Signaling Aspects(当審訳:オンデマンドSI配信:シグナリングの側面)[online]、3GPP TSG RAN WG2 #96 R2-167563、Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_96/Docs/R2-167563.zip>、2016年11月5日アップロード(以下、「引用文献2」という。)には、図面と共に以下の事項が記載されている(下線は当審で付加した。)。 ア 「Signaling Approach 2 (Figure 2): In this approach as shown in Figure 2A, UE transmits PRACH preamble specific to a SIB or set of SIBs which the UE wants to obtain. It is assumed that PRACH preamble specific to each SIB or set of SIBs are reserved and indicated in periodically broadcasted minimum SI. 5G NB sends the requested SIB(s) to UE in random access response message. This approach can be further enhanced as shown in Figure 2B. Instead of including the requested system information in random access response message, the requested system information can be transmitted in one or more subframes indicated by scheduling info. The scheduling info is provided in minimum SI for each SIB or set of SIBs irrespective of whether they are periodically broadcasted or on provided on demand. Similar to LTE scheduling info may indicate SI-window and SI-period. Alternately, scheduling information can be included in random access response message to minimize overhead of minimum SI. PRACH SI preamble transmission acts as a trigger to transmit the requested SIB(s) according to scheduling info. Random access response message acknowledges that PRACH SI preamble transmission is successful.」(2ページ13行ないし3ページ5行) (当審訳:シグナリング・アプローチ2(図2): 図2Aに示すように、このアプローチでは、UEは、UEが取得を希望するSIBまたはSIBのセットに固有のPRACHプリアンブルを送信する。各SIBまたはSIBのセットに固有のPRACHプリアンブルは予約されており、周期的にブロードキャストされる最小限のSIで示されると仮定される。5G NBは、ランダムアクセス応答メッセージで、要求されたSIBをUEへ送信する。 このアプローチは、図2Bに示すように、さらに強化することができる。要求されたシステム情報をランダムアクセス応答メッセージに含める代わりに、要求されたシステム情報は、スケジューリング情報によって示される1つ以上のサブフレームで送信されうる。各SIまたはSIのセットが周期的にブロードキャストされるか、オンデマンドで提供されるかに関わらず、スケジューリング情報は、各SIBまたはSIBのセットに対して、最小限のSIで提供される。LTEと同様に、スケジューリング情報は、SIウィンドウとSI期間を示してもよい。代わりに、最小限のSIのオーバーヘッドを最小化するために、スケジューリング情報は、ランダムアクセス応答メッセージに含まれうる。PRACH SIプリアンブルを送信することは、要求されたSIBをスケジューリング情報に従って送信するためのトリガとして機能する。ランダムアクセス応答メッセージは、PRACH SIプリアンブルの送信が成功したことを確認する。) イ「 [図:0001395044000005.jpg] 」(Figure 2B) (当審訳: [図:0001395044000006.jpg] 図2B) 引用文献2の上記記載、及び移動体通信分野における技術常識を考慮すると、次のことがいえる。 (ア) 上記「ア」には、「UEは、UEが取得を希望するSIB・・・に固有のPRACHプリアンブルを送信する。」と記載されており、また、「PRACH SIプリアンブルを送信することは、要求されたSIBを・・・送信するためのトリガとして機能する。ランダムアクセス応答メッセージは、PRACH SIプリアンブルの送信が成功したことを確認する。」と記載されている。 さらに、上記「イ」からは、UEは、PRACH SIプリアンブルをgNBへ送信した後、ランダムアクセス応答-SIをgNBから受信し、更にその後要求されたシステム情報をgNBから受信することが、読み取れる。 ここで、UEは、取得を希望するSIBに固有のPRACHプリアンブルを送信し、また、PRACH SIプリアンブルをgNBへ送信するから、取得を希望するSIBに固有のPRACHプリアンブルでPRACH SIプリアンブルを送信するといえる。 そして、PRACH SIプリアンブルを送信することは、要求されたSIBを送信するためのトリガとして機能し、また、UEは、PRACH SIプリアンブルをgNBへ送信した後、要求されたシステム情報をgNBから受信するから、UEは、取得を希望するSIBに固有のPRACHプリアンブルでPRACH SIプリアンブルを送信することにより、gNBが要求されたSIBを送信することをトリガするといえる。 さらに、UEは、PRACH SIプリアンブルをgNBへ送信した後、ランダムアクセス応答-SIをgNBから受信し、また、ランダムアクセス応答メッセージは、PRACH SIプリアンブルの送信が成功したことを確認することを考慮すると、ランダムアクセス応答-SIを受信することは、ランダムアクセス応答メッセージを受信することを意味するから、UEは、PRACH SIプリアンブルの送信が成功したことを確認するランダムアクセス応答メッセージをgNBから受信するといえる。 そうすると、引用文献2には、UEは、取得を希望するSIBに固有のPRACHプリアンブルでPRACH SIプリアンブルを送信することにより、gNBが要求されたSIBを送信することをトリガし、PRACH SIプリアンブルの送信が成功したことを確認するランダムアクセス応答メッセージをgNBから受信することが、記載されているといえる。 (イ) 上記「ア」には、「PRACH SIプリアンブルを送信することは、要求されたSIBをスケジューリング情報に従って送信するためのトリガとして機能する。」と記載されており、また、「要求されたシステム情報は、スケジューリング情報によって示される1つ以上のサブフレームで送信されうる。」と記載されており、さらに、「スケジューリング情報は、各SIB・・・に対して、最小限のSIで提供される。・・・スケジューリング情報は、SIウィンドウとSI期間を示してもよい。」と記載されている。 そして、上記「イ」からは、UEは、ランダムアクセス応答-SIをgNBから受信した後で、要求されたシステム情報をgNBから受信することが、読み取れる。 そして、上記「(ア)」の検討結果も考慮すると、引用文献2には、UEは、ランダムアクセス応答メッセージをgNBから受信した後、SIウィンドウとSI期間を示すスケジューリング情報によって示される1つ以上のサブフレームで、PRACH SIプリアンブルにより要求したSIBを受信し、スケジューリング情報は、各SIBに対して、最小限のSIで提供されることが、記載されているといえる。 そうすると、引用文献2には、以下の技術事項が記載されていると認められる。 「 UEは、取得を希望するSIBに固有のPRACHプリアンブルでPRACH SIプリアンブルを送信することにより、gNBが要求されたSIBを送信することをトリガし、PRACH SIプリアンブルの送信が成功したことを確認するランダムアクセス応答メッセージをgNBから受信し、 ランダムアクセス応答メッセージをgNBから受信した後、SIウィンドウとSI期間を示すスケジューリング情報によって示される1つ以上のサブフレームで、PRACH SIプリアンブルにより要求したSIBを受信し、スケジューリング情報は、各SIBに対して、最小限のSIで提供される。」 (4)対比 以下、本件補正発明と引用発明とを対比する。 ア 引用発明の「gNB」は、gノードBを意味し、本件補正発明の「基地局」に含まれることが技術常識である。 また、引用発明の「オンデマンドで提供されるSIB」は、オンデマンドで提供されるシステム情報ブロックを意味するものであり、さらに、システム情報ブロックがgNBからUEへ提供されるシグナリングに含まれることは技術常識であるから、引用発明の「オンデマンドで提供されるSIB」は、本件補正発明と同様に、「オンデマンドシグナリング」に含まれるといえる。 さらに、引用発明において、UEは、オンデマンドで提供されるSIBを受信するためにSI要求を送信する必要があり、MSG1に基づくSI要求アプローチにおいて、PRACH SIプリアンブルをgNBへ送信するものであり、また、MSG1に基づくSI要求アプローチにおいて、gNBは、UEからPRACH SIプリアンブルを送信されると、要求されたSIBを送信するから、引用発明の「PRACH SIプリアンブル」は、オンデマンドでUEへ提供されるSIBをgNBが送信するきっかけを与える情報であり、また、SI要求に含まれて送信される情報であるといえ、それゆえ、引用発明の「PRACH SIプリアンブル」は、本件補正発明の「基地局がオンデマンドシグナリングを送信するようにトリガするための要求情報」に含まれる。 したがって、本件補正発明の「基地局がオンデマンドシグナリングを送信するようにトリガするための要求情報を送信する送信部」と、引用発明の「当該UEは、」「オンデマンドで提供されるSIBを受信するためにSI要求を送信する必要があり、MSG1を使用して他のSIを要求する場合には、MSG1に基づくSI要求アプローチにおいて、取得したいSIBに固有のPRACHプリアンブル/リソースを選択して、PRACH SIプリアンブルをgNBへ送信し、」「システム情報は、システム情報ブロック(SIB)に分類され、」「MSG1に基づくSI要求アプローチにおいて、gNBは、UEからPRACH SIプリアンブルを送信されると、要求されたSIBを送信する」ことは、「基地局がオンデマンドシグナリングを送信するようにトリガするための要求情報を送信する」点で、共通する。 イ 引用発明において、UEは、オンデマンドで提供されるSIBを受信するためにSI要求を送信する必要があり、MSG1に基づくSI要求アプローチにおいて、PRACH SIプリアンブルをgNBへ送信し、SI要求が受信された場合、要求したSIBを提供されるものであり、また、MSG1に基づくSI要求アプローチにおいて、gNBは、UEからPRACH SIプリアンブルを送信されると、要求されたSIBを送信する。 ここで、gNBが送信する要求されたSIBは、SI要求により要求された、オンデマンドで提供されるSIBであることは明らかであり、また、UEが要求したSIBを提供されることは、SI要求により要求した、オンデマンドで提供されるSIBを受信することを意味することも自明である。 したがって、本件補正発明の「前記基地局によって送信される前記オンデマンドシグナリングを受信する受信部」と、引用発明の「当該UEは、」「オンデマンドで提供されるSIBを受信するためにSI要求を送信する必要があり、MSG1を使用して他のSIを要求する場合には、MSG1に基づくSI要求アプローチにおいて、取得したいSIBに固有のPRACHプリアンブル/リソースを選択して、PRACH SIプリアンブルをgNBへ送信し、」「MSG1に基づくSI要求アプローチにおいて、gNBは、UEからPRACH SIプリアンブルを送信されると、要求されたSIBを送信する」ことは、「前記基地局によって送信される前記オンデマンドシグナリングを受信する」点で、共通する。 ウ 引用発明では、MSG1を使用して他のSIを要求する場合には、PRACH SIプリアンブルをgNBへ送信する。 ここで、「MSG1」はランダムアクセス手順におけるメッセージ1を意味すること、及び当該メッセージ1はランダムアクセスチャネルで送信されることは、いずれも移動体通信分野における技術常識である。 また、上記「ア」で検討したとおり、引用発明の「PRACH SIプリアンブル」は、本件補正発明の「基地局がオンデマンドシグナリングを送信するようにトリガするための要求情報」に含まれる。 したがって、本件補正発明の「前記送信部は、ランダムアクセスチャネルにおいて前記要求情報を送信」することと、引用発明の「当該UEは、」「オンデマンドで提供されるSIBを受信するためにSI要求を送信する必要があり、MSG1を使用して他のSIを要求する場合には、MSG1に基づくSI要求アプローチにおいて、取得したいSIBに固有のPRACHプリアンブル/リソースを選択して、PRACH SIプリアンブルをgNBへ送信」することは、「ランダムアクセスチャネルにおいて前記要求情報を送信」する点で、共通する。 エ 本件補正発明の「前記ランダムアクセスチャネルの時間-周波数領域のリソース及びランダムアクセスプリアンブルの少なくとも1つとオンデマンドシグナリングとの対応関係に従って、対応するランダムアクセスチャネルの時間-周波数領域のリソース及びランダムアクセスプリアンブルの少なくとも1つを利用して、前記要求情報を送信」することは、「ランダムアクセスプリアンブルとオンデマンドシグナリングとの対応関係に従って、対応するランダムアクセスプリアンブルを利用して、前記要求情報を送信」することを含むことが明らかである。 一方、引用発明のUEは、オンデマンドで提供されるSIBを受信するためにSI要求を送信する必要があり、MSG1を使用して他のSIを要求する際に、取得したいSIBに固有のPRACHプリアンブル/リソースを選択して、PRACH SIプリアンブルを送信する。 ここで、引用発明における「プリアンブル/リソース」という記載については、原文の英文における「/」が「or(当審訳:又は)」の意味を含むものであるから、「プリアンブル又はリソース」の意味を含むものである。そうすると、引用発明では、MSG1を使用して他のSIを要求する際に、取得したいSIBに固有のPRACHプリアンブル、又は取得したいSIBに固有のPRACHリソースを選択して、PRACH SIプリアンブルを送信するといえる。 また、引用発明の「PRACHプリアンブル」は、物理ランダムアクセスチャネルプリアンブル(Physical Random Access CHannelプリアンブル)の略称であることは技術常識であり、引用発明の「PRACHプリアンブル」は、本件補正発明の「ランダムアクセスプリアンブル」に含まれるといえる。 さらに、引用発明の「取得したいSIB」は、「オンデマンドで提供されるSIB」を意味することが明らかであり、当該「オンデマンドで提供されるSIB」が本件補正発明の「オンデマンドシグナリング」に含まれることは上記「ア」で検討したとおりであるから、引用発明の「取得したいSIB」もまた、本件補正発明の「オンデマンドシグナリング」に含まれるといえる。 そして、引用発明において、「各SIBに固有のPRACHプリアンブル/リソースは予約されて」いることは、SIBと、当該SIBに固有のPRACHプリアンブル、又は当該SIBに固有のPRACHリソースとが予め対応づけられていることを意味するから、引用発明において、取得したいSIBに固有のPRACHプリアンブルを選択して、PRACH SIプリアンブルを送信することは、PRACHプリアンブルと取得したいSIBとの対応関係に従って、対応するPRACHプリアンブルを利用して、PRACH SIプリアンブルを送信することに含まれるといえる。 また、引用発明の「PRACH SIプリアンブル」が、本件補正発明の「基地局がオンデマンドシグナリングを送信するようにトリガするための要求情報」に含まれることは、上記「ア」で検討したとおりであるから、引用発明の「PRACH SIプリアンブルを送信」することは、本件補正発明の「前記要求情報を送信」することに含まれる。 以上をまとめると、本件補正発明の「前記ランダムアクセスチャネルの時間-周波数領域のリソース及びランダムアクセスプリアンブルの少なくとも1つとオンデマンドシグナリングとの対応関係に従って、対応するランダムアクセスチャネルの時間-周波数領域のリソース及びランダムアクセスプリアンブルの少なくとも1つを利用して、前記要求情報を送信」することと、引用発明の「当該UEは、」「オンデマンドで提供されるSIBを受信するためにSI要求を送信する必要があり、MSG1を使用して他のSIを要求する場合には、MSG1に基づくSI要求アプローチにおいて、取得したいSIBに固有のPRACHプリアンブル/リソースを選択して、PRACH SIプリアンブルをgNBへ送信し、各SIBに固有のPRACHプリアンブル/リソースは予約されており、」は、「前記ランダムアクセスチャネルの時間-周波数領域のリソース及びランダムアクセスプリアンブルの少なくとも1つとオンデマンドシグナリングとの対応関係に従って、対応するランダムアクセスチャネルの時間-周波数領域のリソース及びランダムアクセスプリアンブルの少なくとも1つを利用して、前記要求情報を送信」する点で、一致する。 オ 引用発明において、オンデマンドSIの場合、他のSIは、設定可能な周期で一定時間ブロードキャストされ、また、最小限のSIが、あるSIBはオンデマンドで提供されることを示す場合、このSIBは複数のSI期間のSIウィンドウで提供され、さらに、UEは、要求したSIBを受信するために、当該SIBの1つ以上のSI期間における要求したSIBのSIウィンドウを監視し、要求したSIBを提供される。 ここで、引用発明の「SI」は、システム情報(System Information)の略称であることが技術常識であるから、オンデマンドで提供されるSIBは、複数のSI期間のSIウィンドウにおいて、設定可能な周期で一定時間ブロードキャストされるといえる。 さらに、上記「イ」で検討したとおり、引用発明のUEが、要求したSIBを提供されることは、オンデマンドで提供されるSIBを受信することを意味する。 そして、引用発明では、あるSIBのN番目のSI期間のうちSIウィンドウより後の期間において当該SIBに対してSI要求が受信された場合、当該SIメッセージの次のSI送信の際/から、要求されたSIBが提供され、N+1番目のSI期間がSIウィンドウを1つ含み、N+1番目のSI期間の後の期間にもSIウィンドウが存在するところ、前記「SI送信の際/から」という記載は、上記「エ」で検討した「プリアンブル/リソース」の場合と同様に、「SI送信の際又はSI送信から」の意味を含むと解される。 そうすると、引用発明において、オンデマンドで提供されるSIBは、N番目のSI期間のうちSIウィンドウより後の期間において当該SIBに対してSI要求が受信された場合、当該SIメッセージの次のSI送信であるN+1番目のSI期間内のSIウィンドウから提供され、当該N+1番目のSI期間内のSIウィンドウ及びN+1番目のSI期間の後の期間内のSIウィンドウを含む複数のSI期間のSIウィンドウにおいて、設定可能な周期で一定時間ブロードキャストされ、UEは、要求したSIBを受信するために、当該SIBの1つ以上のSI期間における当該SIBのSIウィンドウを監視し、オンデマンドで提供されるSIBを受信するといえる。 ここで、引用発明の「SIウィンドウ」は、SIBが設定可能な周期で一定時間ブロードキャストされる時間ウィンドウといえるから、本件補正発明の「所定時間ウィンドウ」に含まれる。 また、引用発明において、オンデマンドSIの場合、他のSIは、設定可能な周期で一定時間ブロードキャストされ、他のSIのためのスケジューリング情報は、周期性、SIウィンドウ情報を含み、さらに、最小限のSIは、ブロードキャストされるSIのためのスケジューリング情報を含み、周期的にブロードキャストされる。 そうすると、引用発明において、周期性やSIウィンドウ情報を含む、オンデマンドSIのためのスケジューリング情報は、最小限のSIに含まれて周期的にブロードキャストされ、UEは、当該スケジューリング情報を受信し、オンデマンドSI、すなわちオンデマンドシステム情報、のSIウィンドウ情報を取得することによって、要求するSIBのSIウィンドウを決定することができるといえるから、引用発明の「SIウィンドウ」は、オンデマンドで提供されるSIBの周期に基づいて設定されたものであり、本件補正発明の「前記オンデマンドシグナリングの周期に基づいて設定された」「所定時間ウィンドウ」に含まれる。 以上をまとめると、本件補正発明の「前記受信部は、前記オンデマンドシグナリングの周期に基づいて設定された複数の所定時間ウィンドウのうち、所定時間ウィンドウ内において前記オンデマンドシグナリングを受信し、前記所定時間ウィンドウ内において前記オンデマンドシグナリングを受信できなかった場合、前記複数の所定時間ウィンドウのうち、前記所定時間ウィンドウの次の所定時間ウィンドウ内において前記オンデマンドシグナリングを受信する」ことと、引用発明の「当該UEは、」「要求したSIBを受信するために、当該SIBの1つ以上のSI期間における要求したSIBのSIウィンドウを監視し、SI要求が受信された場合、要求したSIBを提供されるものであり、」「最小限のSIは、ブロードキャストされるSIのためのスケジューリング情報を含み、周期的にブロードキャストされ、」「オンデマンドSIの場合、他のSIは、設定可能な周期で一定時間ブロードキャストされ、他のSIのためのスケジューリング情報は、周期性、SIウィンドウ情報を含み、」「最小限のSIが、あるSIBはオンデマンドで提供されることを示す場合、このSIBは複数のSI期間のSIウィンドウで提供され、あるSIBのN番目のSI期間のうちSIウィンドウより後の期間において当該SIBに対してSI要求が受信された場合、当該SIメッセージの次のSI送信の際/から、要求されたSIBが提供され、N+1番目のSI期間がSIウィンドウを1つ含み、N+1番目のSI期間の後にもSIウィンドウが存在」することは、「前記オンデマンドシグナリングの周期に基づいて設定された複数の所定時間ウィンドウのうち、所定時間ウィンドウ内において前記オンデマンドシグナリングを受信」する点で、共通する。 カ 引用発明の「UE」は、ユーザ装置(User Equipment)の略称であることは技術常識であり、本願補正発明と同様に、「端末」に含まれる。 以上を総合すると、本件補正発明と引用発明は、以下の点で一致し、また、相違する。 (一致点) 「 基地局がオンデマンドシグナリングを送信するようにトリガするための要求情報を送信し、 前記基地局によって送信される前記オンデマンドシグナリングを受信し、 ランダムアクセスチャネルにおいて前記要求情報を送信し、 前記ランダムアクセスチャネルの時間-周波数領域のリソース及びランダムアクセスプリアンブルの少なくとも1つとオンデマンドシグナリングとの対応関係に従って、対応するランダムアクセスチャネルの時間-周波数領域のリソース及びランダムアクセスプリアンブルの少なくとも1つを利用して、前記要求情報を送信し、 前記オンデマンドシグナリングの周期に基づいて設定された複数の所定時間ウィンドウのうち、所定時間ウィンドウ内において前記オンデマンドシグナリングを受信する端末。」 (相違点1) 本件補正発明では、「基地局がオンデマンドシグナリングを送信するようにトリガするための要求情報を送信する送信部」を備え、「前記送信部は、ランダムアクセスチャネルにおいて前記要求情報を送信」するという発明特定事項を有するのに対して、引用発明では、基地局がオンデマンドシグナリングを送信するようにトリガするための要求情報を送信し、ランダムアクセスチャネルにおいて前記要求情報を送信するものではあるが、これらの送信をする「送信部」を備えることが明記されていない点。 (相違点2) 本件補正発明では、「前記基地局によって送信される前記オンデマンドシグナリングを受信する受信部」を備え、「前記受信部は、前記オンデマンドシグナリングの周期に基づいて設定された複数の所定時間ウィンドウのうち、所定時間ウィンドウ内において前記オンデマンドシグナリングを受信し、前記所定時間ウィンドウ内において前記オンデマンドシグナリングを受信できなかった場合、前記複数の所定時間ウィンドウのうち、前記所定時間ウィンドウの次の所定時間ウィンドウ内において前記オンデマンドシグナリングを受信する」という発明特定事項を有するのに対して、引用発明では、前記基地局によって送信される前記オンデマンドシグナリングを受信し、前記オンデマンドシグナリングの周期に基づいて設定された複数の所定時間ウィンドウのうち、所定時間ウィンドウ内において前記オンデマンドシグナリングを受信するものではあるが、これらの受信をする「受信部」を備えることが明記されておらず、また、「前記受信部は、」「前記所定時間ウィンドウ内において前記オンデマンドシグナリングを受信できなかった場合、前記複数の所定時間ウィンドウのうち、前記所定時間ウィンドウの次の所定時間ウィンドウ内において前記オンデマンドシグナリングを受信する」ことも特定されていない点。 (相違点3) 本件補正発明では、「前記受信部は、前記基地局によって送信される、前記要求情報に対する応答としてRARを受信した後に、前記オンデマンドシグナリングを受信」するという発明特定事項を有するのに対して、引用発明では、前記基地局によって送信される前記オンデマンドシグナリングを受信し、前記オンデマンドシグナリングの周期に基づいて設定された複数の所定時間ウィンドウのうち、所定時間ウィンドウ内において前記オンデマンドシグナリングを受信するものではあるが、前記オンデマンドシグナリングの受信を、「前記受信部は、前記基地局によって送信される、前記要求情報に対する応答としてRARを受信した後に、」行うことは特定されていない点。 (相違点4) 本件補正発明では、「前記基地局によって送信される前記オンデマンドシグナリングに応じて、オンデマンド処理を行う処理部」を備えるという発明特定事項を含むのに対して、引用発明では、当該発明特定事項は特定されていない点。 (5)判断 ア 相違点1について 引用発明のUEは、基地局がオンデマンドシグナリングを送信するようにトリガするための要求情報を送信し、ランダムアクセスチャネルにおいて前記要求情報を送信するものである。 また、ランダムアクセスチャネルにおいて情報を送信する送信部、gNBによって送信されるシグナリングを受信する受信部、及びgNBによって送信されるシグナリングに応じて処理を行う処理部を備えたUE自体は、文献を挙げるまでもない周知技術(以下、「周知技術1」という。)であり、さらに、引用発明は、当該周知技術1のUEへの適用を前提としていることが当業者には自明である。 そうすると、引用発明に基いて、「基地局がオンデマンドシグナリングを送信するようにトリガするための要求情報を送信する送信部」を備え、「前記送信部は、ランダムアクセスチャネルにおいて前記要求情報を送信」するように構成することは、当該周知技術1により、当業者が容易に想到し得たことである。 イ 相違点2について 引用発明のUEは、前記基地局によって送信される前記オンデマンドシグナリングを受信し、前記オンデマンドシグナリングの周期に基づいて設定された複数の所定時間ウィンドウのうち、所定時間ウィンドウ内において前記オンデマンドシグナリングを受信するものである。 そして、上記「ア」において説示したとおり、引用発明は、前記周知技術1のUEへの適用を前提としていることが当業者には自明であるから、引用発明に基いて、前記基地局によって送信される前記オンデマンドシグナリングを受信する「受信部」を備え、「前記受信部が、」前記オンデマンドシグナリングの周期に基づいて設定された複数の所定時間ウィンドウのうち、所定時間ウィンドウ内において前記オンデマンドシグナリングを受信するように構成することもまた、前記周知技術1により、当業者が容易に想到し得たことである。 上記「(4)対比」の「オ」で検討したとおり、引用発明において、オンデマンドで提供されるSIBは、N番目のSI期間のうちSIウィンドウより後の期間において当該SIBに対してSI要求が受信された場合、当該SIメッセージの次のSI送信であるN+1番目のSI期間内のSIウィンドウから提供され、当該N+1番目のSI期間内のSIウィンドウ及びN+1番目のSI期間の後の期間内のSIウィンドウを含む複数のSI期間のSIウィンドウにおいて、設定可能な周期で一定時間ブロードキャストされ、UEは、要求したSIBを受信するために、当該SIBの1つ以上のSI期間における当該SIBのSIウィンドウを監視し、オンデマンドで提供されるSIBを受信するといえる。 そして、引用発明のUEは、要求したSIBを受信するために、当該SIBの1つ以上のSI期間における要求したSIBのSIウィンドウを監視し、また、必要な信号を受信できなかった場合に次の受信機会で当該信号を受信すること自体は、移動体通信分野における周知技術(以下、「周知技術2」という。)にすぎないから、引用発明において、オンデマンドで提供されるSIBが設定可能な周期で一定時間ブロードキャストされる、複数のSI期間のSIウィンドウのうちのSIウィンドウ、例えばN+1番目のSI期間内のSIウィンドウ、において、オンデマンドで提供されるSIBを受信できなかった場合には、次のSIウィンドウ、例えばN+1番目のSI期間の後の期間内のSIウィンドウ、において、当該オンデマンドで提供されるSIBを受信することは、記載は無くとも自明である。 また、引用発明に基いて、オンデマンドで提供されるSIBが設定可能な周期で一定時間ブロードキャストされる、複数のSI期間のSIウィンドウのうちのSIウィンドウ、例えばN+1番目のSI期間内のSIウィンドウ、において、オンデマンドで提供されるSIBを受信できなかった場合には、次のSIウィンドウ、例えばN+1番目のSI期間の後の期間内のSIウィンドウ、において、当該オンデマンドで提供されるSIBを受信することが自明でなかったとしても、そのように構成することは、移動体通信分野における当該周知技術2により、当業者が容易に想到し得たことである。 したがって、引用発明に基いて、上記「相違点2」に係る発明特定事項のように構成することは、前記周知技術1及び2により、当業者が容易になし得たことである。 ウ 相違点3について 上記「イ」で検討したとおり、引用発明に基いて、前記基地局によって送信される前記オンデマンドシグナリングを受信する「受信部」を備え、「前記受信部が、」前記オンデマンドシグナリングの周期に基づいて設定された複数の所定時間ウィンドウのうち、所定時間ウィンドウ内において前記オンデマンドシグナリングを受信するように構成することは、前記周知技術1により、当業者が容易に想到し得たことである。 また、引用文献2に記載された「PRACH SIプリアンブル」は、当該PRACH SIプリアンブルを送信することにより、gNBが要求されたSIBを送信することをトリガするから、本件補正発明の「基地局がオンデマンドシグナリングを送信するようにトリガするための要求情報」に含まれる。 さらに、引用文献2に記載された「ランダムアクセス応答メッセージ」は、Random Access Responseメッセージを意味し、ここでRandom Access Responseを「RAR」と略称することは技術常識であるから、引用文献2に記載された「ランダムアクセス応答メッセージ」は、RARメッセージと言い換えられて、本件補正発明の「RAR」に含まれるといえる。 そして、引用文献2に記載された「PRACH SIプリアンブルにより要求したSIB」は、UEからの要求に応じて送信されるものであり、当該SIBが本願補正発明と同様に、「オンデマンドシグナリング」に含まれるといえることは、上記「(4)対比」の「ア」で検討したとおりである。 そうすると、本件補正発明の「前記基地局によって送信される、前記要求情報に対する応答としてRARを受信した後に、前記オンデマンドシグナリングを受信」することと、引用文献2に記載された技術事項の「UEは、取得を希望するSIBに固有のPRACHプリアンブルでPRACH SIプリアンブルを送信することにより、gNBが要求されたSIBを送信することをトリガし、PRACH SIプリアンブルの送信が成功したことを確認するランダムアクセス応答メッセージをgNBから受信し、ランダムアクセス応答メッセージをgNBから受信した後、SIウィンドウとSI期間を示すスケジューリング情報によって示される1つ以上のサブフレームで、PRACH SIプリアンブルにより要求したSIBを受信し、スケジューリング情報は、各SIBに対して、最小限のSIで提供される」ことは、「前記基地局によって送信される、前記要求情報に対する応答としてRARを受信した後に、前記オンデマンドシグナリングを受信」する点で、共通する。 そして、引用発明と、引用文献2に記載された技術事項は、UEは、取得を希望するSIBに固有のPRACHプリアンブルでPRACH SIプリアンブルを送信することにより、SIウィンドウの情報を含むスケジュールに従って、要求したSIBをgNBから受信し、スケジューリング情報は最小限のSIで提供される点で共通するから、引用発明に基いて、前記オンデマンドシグナリングの受信を、「前記受信部は、前記基地局によって送信される、前記要求情報に対する応答としてRARを受信した後に、」行うように構成することは、引用文献2に記載された技術事項により、当業者が容易になし得たことである。 したがって、引用発明に基いて、上記「相違点3」に係る発明特定事項のように構成することは、引用発明、前記周知技術1、及び引用文献2に記載された技術事項により、当業者が容易になし得たことである。 エ 相違点4について 引用発明の「オンデマンドで提供されるSIB」は、要求に応じて(On demand)提供されるSIBであり、UEは、自ら送信したSI要求に応じて当該SIBを受信するから、オンデマンドで提供されるSIBを受信したUEは、SI要求を送信する要因となった処理を行うといえる。 また、SI要求を送信する要因となった当該処理もまた、何らかの要求に応じて行われることが明らかであるから、引用発明が行う当該処理は、本件補正発明の「オンデマンド処理」に含まれるといえる。 さらに、上記「ア」で説示したとおり、引用発明は、gNBによって送信されるシグナリングに応じて処理を行う処理部を備えた、前記周知技術1のUEへの適用を前提としていることが当業者には自明である。 そうすると、引用発明に基いて、「前記基地局によって送信される前記オンデマンドシグナリングに応じて、オンデマンド処理を行う処理部」を備えるように構成することは、前記周知技術1により、当業者が容易に想到し得たことである。 オ 以上、相違点1ないし4についての検討結果をまとめると、本件補正発明は、引用文献1に記載された発明、前記周知技術1及び2、並びに引用文献2に記載された技術事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 (6)審判請求人の主張について ア 審判請求人は、審判請求書の「【請求の理由】」の「(3)本願発明が特許されるべき理由」の「(c)特許法第29条第1項第3号及び第2項の拒絶理由について」の「(イ)本願発明と引用発明との対比」において、以下のように主張している。 「引用文献1には、・・・本願の請求項1で規定している「基地局によって送信される、要求情報に対する応答としてRARを受信した後に、オンデマンドシグナリングを受信すること」について開示及び示唆されておらず、上記請求項1の構成及び顕著な効果は何ら開示及び示唆されておりません。 したがって、引用文献1に記載の発明からは、本願の請求項1に係る発明には想到し得ず、上記顕著な効果を奏することもないと考えます。」 そこで検討するに、上記「(4)対比」の「(相違点3)」で示したとおり、引用発明は、オンデマンドシグナリングの受信を、「前記基地局によって送信される、前記要求情報に対する応答としてRARを受信した後に、」行うことが特定されていない点で、本件補正発明とは確かに相違する。 しかしながら、オンデマンドシグナリングの受信を、「前記基地局によって送信される、前記要求情報に対する応答としてRARを受信した後に、」行うこと自体は引用文献2に記載されており、引用発明に基いて、前記オンデマンドシグナリングの受信を、「前記受信部は、前記基地局によって送信される、前記要求情報に対する応答としてRARを受信した後に、」行うように構成することは、上記「(5)判断」の「ウ 相違点3について」で説示したとおり、前記周知技術1、及び引用文献2に記載された技術事項により、当業者が容易になし得たことであるから、請求人の上記主張は、受け入れられない。 イ また、請求人は、令和4年10月11日に提出した上申書の「【上申の内容】」の「1.ご指摘点と反論」の「(2)」において、以下のようにも主張している(下線は請求人が付加した。)。 「本願の請求項1では「前記受信部は、前記オンデマンドシグナリングの周期に基づいて設定された複数の所定時間ウィンドウのうち、所定時間ウィンドウ内において前記オンデマンドシグナリングを受信し、・・・」と規定しており、オンデマンドシグナリングを受信するための複数の所定時間ウィンドウは、当該オンデマンドシグナリングの周期に基づいて設定されることを規定しております。しかし、引用文献1には、SIB(本願のオンデマンドシグナリングに相当するものと思料いたします)がある周期で提供されることが開示されているにすぎず、当該SIBを受信するためのSI-window(本願の複数の所定時間ウィンドウに相当するものと思料いたします)が当該SIBの周期に基づき設定されることについては開示及び示唆されていないものと思料いたします。」 しかしながら、引用発明において、周期性やSIウィンドウ情報を含む、オンデマンドSIのためのスケジューリング情報は、最小限のSIに含まれて周期的にブロードキャストされ、UEは、当該スケジューリング情報を受信し、オンデマンドSI、すなわちオンデマンドシステム情報、のSIウィンドウ情報を取得することによって、要求するSIBのSIウィンドウを決定することができるといえるから、引用発明の「SIウィンドウ」は、オンデマンドで提供されるSIBの周期に基づいて設定されたものであり、本件補正発明の「前記オンデマンドシグナリングの周期に基づいて設定された」「所定時間ウィンドウ」に含まれることは、上記「(4)対比」の「オ」で説示したとおりである。 そして、請求人が主張する、オンデマンドシグナリングを受信するための複数の所定時間ウィンドウは、当該オンデマンドシグナリングの周期に基づいて設定される点は、本件補正発明と引用発明との相違点ではないから、請求人の上記主張も、採用することができない。 ウ さらに、請求人は、令和4年10月11日に提出した上申書の「【上申の内容】」の「2.」において、以下のようにも主張している(下線は請求人が付加した。)。 「・・・出願人は、例えば、本願明細書の段落[0029]に基づき、本願の請求項1で規定している「複数の所定時間ウィンドウ」が周期的に設定されていることを限定するため、「前記受信部は、前記オンデマンドシグナリングの周期に基づいて、周期的に設定された複数の所定時間ウィンドウのうち、所定時間ウィンドウ内において前記オンデマンドシグナリングを受信し、…」と補正を行う意思があることを申し述べます。」 しかしながら、引用発明の「SIウィンドウ」は、SIBが設定可能な周期で一定時間ブロードキャストされる時間といえることは、上記「(4)対比」の「オ」で説示したとおりであるから、本件補正発明の「前記オンデマンドシグナリングの周期に基づいて設定された複数の所定時間ウィンドウ」を「前記オンデマンドシグナリングの周期に基づいて、周期的に設定された複数の所定時間ウィンドウ」に限定することによって、本件補正発明と引用発明の間に新たな相違点を生じることはない。 したがって、請求人の上記主張も、受け入れることはできない。 3.まとめ 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する特許法第126条第7項の規定に違反するものであるから、特許法第159条第1項において読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 したがって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1.本願発明 本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和4年1月28日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定されるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、上記「第2 令和4年6月6日にされた手続補正についての補正の却下の決定」の[理由]の「1.本件補正の概要」の「(1)本件補正前の特許請求の範囲」の項目で示した特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりの発明である。(再掲) 「 基地局がオンデマンドシグナリングを送信するようにトリガするための要求情報を送信する送信部と、 前記基地局によって送信される前記オンデマンドシグナリングを受信する受信部と、 前記基地局によって送信される前記オンデマンドシグナリングに応じて、オンデマンド処理を行う処理部と、を備え、 前記送信部は、ランダムアクセスチャネルにおいて前記要求情報を送信し、 前記ランダムアクセスチャネルの時間-周波数領域のリソース及びランダムアクセスプリアンブルの少なくとも1つとオンデマンドシグナリングとの対応関係に従って、対応するランダムアクセスチャネルの時間-周波数領域のリソース及びランダムアクセスプリアンブルの少なくとも1つを利用して、前記要求情報を送信し、 前記受信部は、前記オンデマンドシグナリングの周期に基づいて設定された複数の所定時間ウィンドウのうち、所定時間ウィンドウ内において前記オンデマンドシグナリングを受信し、前記所定時間ウィンドウ内において前記オンデマンドシグナリングを受信できなかった場合、前記複数の所定時間ウィンドウのうち、前記所定時間ウィンドウの次の所定時間ウィンドウ内において前記オンデマンドシグナリングを受信する端末。」 2.原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、という理由を含むものであり、本件補正前の請求項1に対して引用文献1が引用されている。 3.引用文献の記載及び引用発明 引用発明は、上記「第2 令和4年6月6日にされた手続補正についての補正の却下の決定」の[理由]の「2.本件補正の適否」の「(2)引用文献1の記載事項及び引用発明」の項で認定したとおりである。 4.対比及び判断 本願発明は、上記「第2 令和4年6月6日にされた手続補正についての補正の却下の決定」の[理由]の「2.本件補正の適否」の「(1)本件補正発明」で検討した上記本件補正発明から、「前記受信部は、前記基地局によって送信される、前記要求情報に対する応答としてRARを受信した後に、前記オンデマンドシグナリングを受信し、」という限定事項を削除したものである。 そうすると、本願発明と引用発明は、上記「第2 令和4年6月6日にされた手続補正についての補正の却下の決定」の[理由]の「2.補本件正の適否」の「(4)対比」において検討した「(一致点)」において一致し、また、同「(相違点1)」、「(相違点2)」、及び「(相違点4)」において相違する。 そして、引用発明に基いて、前記「(相違点1)」、「(相違点2)」、及び「(相違点4)」のそれぞれに係る発明特定事項のように構成することが、前記周知技術1及び2により、当業者が容易に想到し得たことであることは、同「2.補本件正の適否」の「(5)判断」の「ア」、「イ」、及び「エ」で説示したとおりであるから、本願発明は、引用発明、前記周知技術1、及び前記周知技術2に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用文献1に記載された発明、前記周知技術1、及び前記周知技術2に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-008537

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